説明

ヒドロキシアルキルデンプンとG−CSFの複合体

本発明は、ヒドロキシアルキルデンプンと顆粒球コロニー刺激因子タンパク質(G−CSF)の複合体に関し、ここで、これらの複合体は、ヒドロキシアルキルデンプンまたはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体と該タンパク質との間の共有結合によって形成される。また、本発明は、これらの複合体の製造方法およびこれらの複合体の使用に関する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であるタンパク質およびヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であるポリマーまたはその誘導体を含む複合体の製造方法であって、
該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも1つの官能基Aと該タンパク質の少なくとも1つの官能基Zを反応させることによって共有結合を形成する
[ここで、Zは、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびケト基から選ばれる;
ここで、Zがアルデヒド基またはケト基である場合、AはZと該結合を形成するアミノ基を含む;または
ここで、Zがアミノ基である場合、Aは反応性カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基から選ばれる
[ここで、Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である場合、該方法はさらに、
i)1つの官能基がポリマーと反応し、少なくとも1つの他の官能基がアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であるか、またはさらに化学的に修飾されてアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基が得られる官能基である、少なくとも二官能性の化合物とポリマーを反応させることによって;または
ii)ポリマーを酸化して少なくとも1つ、特に少なくとも2つのアルデヒド基を得ることによって;
ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む;または
ここで、Aが反応性カルボキシ基である場合、該方法はさらに、
i)ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、得られるカルボキシ基を活性化することによって;または
ii)ポリマーをその酸化されていない還元末端で炭酸ジエステルと反応させることによって;
ポリマーにAを導入してポリマー誘導体を得ることを含む];または
ここで、Zがチオール基である場合、Aは該結合を形成するマレイミド基またはZとハロゲンアセチル基を含む]ことを含む方法。
【請求項2】
ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヒドロキシエチルデンプンの平均分子量が、2〜200 kD、好ましくは4〜130 kD、より好ましくは4〜70 kDである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Zが、アルデヒド基またはケト基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
アルデヒド基またはケト基が、タンパク質の糖質側鎖および/またはタンパク質のN末端基に位置する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
タンパク質の糖質側鎖および/またはタンパク質のN末端基を酸化して、アルデヒド基またはケト基を得ることをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
酵素的に、または過ヨウ素酸塩を用いて、いずれの場合にも、必要であれば、末端シアル酸を除去した後に、酸化反応を行う請求項6に記載の方法。
【請求項8】
Aを含むポリマー誘導体とZを含むタンパク質との反応の前に、ポリマーをその酸化されていない還元末端で、ポリマーの酸化されていない還元末端および基Aと反応することができる官能基を含む二官能性以上の架橋化合物と反応させることをさらに含む請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
Aが、アミノオキシ基またはヒドラジド基である請求項4〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
二官能性以上の連結化合物がホモ二官能性化合物である請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
ホモ二官能性化合物が、アミノオキシ基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ホモ二官能性化合物が、O−[2−(2−アミノオキシ−エトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ポリマーと二官能性以上の連結化合物の反応を水性媒体中で行う請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ポリマーと二官能性以上の連結化合物の反応が、オキシム結合および/またはオキシアミノ結合をもたらす請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
Zがアミノ基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
ポリマーをその還元末端で選択的に酸化し、酸化されたポリマーをその酸化された還元末端でN,N'−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させて、反応性カルボキシ基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させて、反応性カルボキシ基Aを得ることをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
炭酸ジエステルが、対称ジエステルである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該エステルのアルコール成分が、N−ヒドロキシスクシンイミド、スルホン化N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールならびにニトロ−およびハロゲン−置換フェノールから選ばれる請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
ハロゲン置換フェノールが、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノールおよびペンタフルオロフェノールから選ばれる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
反応性エステル基Aを得るための、還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基と炭酸ジエステルとの反応を、無水非プロトン性極性溶媒中で行う請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはその混合物である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であり、方法が、ポリマーを二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させてポリマー誘導体を得ることをさらに含み、該二官能性以上の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aである少なくとも1つの他の官能基Qをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項24】
Mがアミノ基を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基であり、方法が、ポリマーを二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させてポリマー誘導体を得ることをさらに含み、該二官能性以上の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aである少なくとも1つの他の官能基Qをさらに含み、方法が、官能基Qを少なくとも1つの適当な化合物と反応させて、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項26】
MおよびQがアミノ基を含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つの適当な化合物が、カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基を含む請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの適当な化合物が、ホルミル安息香酸または4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
Mがアミノ基を含み、Qがベータヒドロキシアミノ基を含む請求項25または26に記載の方法。
【請求項30】
ポリマーをその酸化された還元末端で二官能性以上の化合物の官能基Mと反応させる請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ベータヒドロキシアミノ基を酸化してアルデヒド基を得ることをさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
過ヨウ素酸塩を用いて酸化反応を行う請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ポリマーを、過ヨウ素酸塩を用いる開環酸化反応に付して、少なくとも1つ、特に、少なくとも2つのアルデヒド基Aを有するポリマー誘導体を得る請求項15に記載の方法。
【請求項34】
ポリマーまたはポリマー誘導体とタンパク質の反応が還元的アミノ化である請求項23〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
NaCNBH3の存在下で還元的アミノ化を行う請求項34に記載の方法。
【請求項36】
pH7以下で還元的アミノ化を行う請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
pHが、6以下である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
温度0〜25℃にて還元的アミノ化を行う請求項34〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
水性媒体中で還元的アミノ化を行う請求項34〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
Zがチオール基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
ポリマーの官能基Aがハロゲンアセチル基を含み、方法が、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端でそれぞれアミノ基を含む少なくとも2つの官能基を有する二官能性以上の化合物と反応させて、アミノ基を含む少なくとも1つの官能基を有するポリマー誘導体を得ることをさらに含み、方法が、ポリマー誘導体をモノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応させることを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ハロゲンがBrまたはIである請求項41に記載の方法。
【請求項43】
二官能性以上の化合物が、2〜10個の炭素原子を有するジアミノアルカンである請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
二官能性以上の化合物が、1〜5個のアルキレン単位を有するジアミノポリエチレングリコールである請求項41または42に記載の方法。
【請求項45】
ポリマーを、その酸化された還元末端で二官能性以上の化合物と反応させる請求項41〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
ジメチルホルムアミドおよび水の混合物を含む溶媒の存在下でハロゲンアセチル基を含むポリマー誘導体をタンパク質と反応させる請求項41〜45に記載の方法。
【請求項47】
Aがマレイミド基を含み、方法が、ポリマーをその必要に応じて酸化された還元末端で、必要に応じて酸化された還元末端と反応することができる官能基Uを含む二官能性以上の化合物と反応させることを含み、二官能性以上の化合物が、化学的に修飾されてマレイミド基が得られる官能基Wをさらに含み、方法が、官能基Wを化学的に修飾してマレイミド基を得ることをさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項48】
Uが、アミノ基を含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
Wが、アミノ基を含む請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
Wを含むポリマー誘導体を、Wと反応することができる官能基を含み、マレイミド基をさらに含む二官能性以上の化合物と反応させる請求項47〜49に記載の方法。
【請求項51】
二官能性以上の化合物が、N−(α−マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステルである請求項50に記載の方法。
【請求項52】
請求項1〜51のいずれかに記載の方法によって得られる複合体。
【請求項53】
Aが反応性カルボキシ基であり、Aがポリマーの少なくとも1つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させることによってその還元末端が酸化されていないポリマーに導入された、1つのポリマー分子およびアミド結合を介してポリマーに結合した少なくとも1つ、特に1〜10個のタンパク質分子を含む請求項52に記載の複合体。
【請求項54】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化1】

および/または
【化2】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;および
Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項55】
−L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である請求項54に記載の複合体。
【請求項56】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化3】

および/または
【化4】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項57】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化5】

および/または
【化6】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または1〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて適当に置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル残基が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項58】
−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
oは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、最も好ましくは1または2;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である請求項57に記載の複合体。
【請求項59】
Ra、Rb、RcおよびRd が水素であり、m=2、n=1およびo=2である請求項57または58に記載の複合体。
【請求項60】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化7】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項61】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化8】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
結合:−O−(C=O)−は、カルボキシ基または反応性カルボキシ基とHAS分子のヒドロキシ基との反応によって形成された]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項62】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化9】

および/または
【化10】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜2個および特に好ましくは1個の炭素原子を有し、特に、CH2が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項63】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化11】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
L1およびL2は独立して、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、1〜60個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
Dは、結合であり、L1に結合した適当な官能基F2とL2に結合した適当な官能基F3によって形成された共有結合が好ましい]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項64】
−L−が−(CH2)n−(ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、好ましくは2、3、4、5、6、より好ましくは2、3、4および特に好ましくは4である)である請求項63に記載の複合体。
【請求項65】
L2が、必要に応じて適当に置換されたアリール部分、好ましくは6個の炭素原子を含むアリール部分、特に好ましくはL2がC6H4を含む請求項63または64に記載の複合体。
【請求項66】
F2が、
C−C−二重結合またはC−C−三重結合または芳香族C−C−結合;
チオ基またはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
1,2−アミノアルコール;
アミノ基:−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基もしくはアルカリールアミノ基などの構造単位:−NH−を含むアミノ基の誘導体;
ヒドロキシルアミノ基:−O−NH2またはヒドロキシルアルキルアミノ基、ヒドロキシルアリールアミノ基、ヒドロキシルアラルキルアミノ基もしくはヒドロキサルアルカリールアミノ基などの構造単位:−O−NH−を含むヒドロキシルアミノ基の誘導体;
それぞれ構造単位:−NH−O−を含むアルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基またはアルカリールオキシアミノ基;
カルボニル基:−Q−C(=G)−Mを有する残基(ここで、GはOまたはS、およびMはたとえば、
−OHまたは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基またはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
N−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するか、または構造単位:O−N(ここで、Nはヘテロアリール化合物の一部)を有するヒドロキシルアミンのエステルなどの活性化エステル、またはG=Oであり、Qが不在である場合、ペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルまたはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を含むアリールオキシ化合物;
ここで、Qは不在またはNHまたはSまたはOなどのヘテロ原子;
−NH−NH2または−NH−NH−;
−NO2
ニトリル基;
アルデヒド基またはケト基などのカルボニル基;
カルボキシ基;
−N=C=O基または−N=C=S基;
ヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレートなどのビニルハライド基;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−Oアルキル
基:−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはI);
−CH=CH−SO2−;
構造式:−S−S−を含むジスルフィド基;
基:


基:

から選ばれる請求項63〜65に記載の複合体。
【請求項67】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化12】

[式中、部分:−CH2−NH−の炭素原子は、開環酸化反応によってポリマーに導入されたアルデヒド基から誘導され、窒素原子は、タンパク質のアミノ基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項68】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化13】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項69】
−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
nは0;および
oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である請求項68に記載の複合体。
【請求項70】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である、式:
【化14】

[式中、R1、R2およびR3は独立して、水素または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリール基であり、好ましくは水素またはヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素またはヒドロキシエチル基である;および
Lは、必要に応じて置換された直鎖、分枝鎖および/または環式炭化水素残基であり、必要に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を含み、2〜60個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキルおよび/またはヘテロアラルキル部分を含む;および
イオウ原子は、タンパク質のシステイン残基またはジスルフィド基から誘導される]
で示されるタンパク質およびポリマーまたはその誘導体を含む複合体。
【請求項71】
−L−が、式:
−[(CRaRb)mG]n[CRcRd]o
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは独立して、水素、アルキル、アリール、好ましくは水素である;
Gは、OおよびSから選ばれ、Oが好ましい;
mは1、2、3または4、最も好ましくは2;
残基RaおよびRbは、mグループ:CRaRb中で同一または異なってよい;
nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2、3または4;
oは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1、2、3、4、5、より好ましくは1または2、最も好ましくは1;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい;または
nは0;および
oは2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2、3、4、5、6、7または8;
残基RcおよびRdは、oグループ:CRcRd中で同一または異なってよい]
である請求項70に記載の複合体。
【請求項72】
ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項54〜71のいずれかに記載の複合体。
【請求項73】
ヒドロキシエチルデンプンの分子量が、2〜200 kD、好ましくは4〜130 kD、より好ましくは4〜70 kDである請求項72に記載の複合体。
【請求項74】
ヒトまたは動物の身体の治療方法に用いるための請求項52〜73のいずれかに記載の複合体。
【請求項75】
請求項52〜73のいずれかに記載の複合体を治療有効量で含む医薬組成物。
【請求項76】
少なくとも1つの医薬的に許容しうる希釈剤、補助剤または担体をさらに含む請求項75に記載の医薬組成物。
【請求項77】
造血機能または免疫機能の低下を特徴とする疾患の治療用医薬の製造のための、請求項52〜73のいずれかに記載の複合体の使用。
【請求項78】
疾患が、化学療法、放射線療法、感染性疾患、重篤な慢性の好中球減少症または白血病の結果である請求項77に記載の使用。



【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−501870(P2007−501870A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522324(P2006−522324)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008818
【国際公開番号】WO2005/014050
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(505344029)フレゼニウス・カビ・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】FRESENIUS KABI DEUTSCHLAND GmbH
【Fターム(参考)】