説明

ヒドロキシピリジノン誘導体、それらの金属錯体及び生体分子との複合体の製造のためのそれらの使用

本発明は、ヒドロキシピリジノン誘導体、それらの金属錯体、その製造方法並びに生体分子との複合体の製造のためのそれらの使用に関する。該複合体は、NMR診断における造影剤として適している。配位子の特殊な構成によって、高い緩和度が達成され、そしてNMRD極大が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲で特徴付けられる対象、すなわちヒドロキシピリジノン誘導体、それらの金属錯体並びに生体分子との複合体の製造のためのそれらの使用に関する。該複合体は、NMR−診断用の造影剤の製造のために適している。
【0002】
狙いを定めた効果的な療法のための前提条件は、正確な診断である。まさに診断分野において、その可能性は、過去何年かで非常に強く高まった、その際、例えばNMR診断は、実際にあらゆる解剖学的詳細も選択的かつ高い精度で表すことができる。しかしながら、多くの場合において、相応の構造は造影剤の使用によって初めて目に見えるようになる。更に、造影剤は、それらが選択的に所望の標的構造中に蓄積するように開発される可能性がある。これによって、造影の精度を高めると同時に、必要な造影剤の量を減少させることができる。
【0003】
NMR診断用の造影剤としては、常磁性金属のキレート錯体が適している。NMR造影剤としてのガドリニウム(III)キレートの理論及び使用は、P.Caravan他による概要文献で、Chem.Rev.1999,99,2293−2352において詳説されている。
【0004】
プロトン−NMRにおける像強度は、実質的に水プロトンによって規定される。像強度は、その核緩和時間に依存する。常磁性遷移金属とランタニドの錯体は、隣接したプロトンの緩和時間を双極子相互作用によって短縮する。常磁性の造影剤は、直接的に検出されずに、造影剤が隣接したプロトン、例えば水プロトンの緩和時間を変更できるという事実に基づいて間接的な検出が行われる。その高い磁気モーメントと緩和効率に基づき、Gd3+、Fe3+及びMn2+は、NMR診断において好ましい常磁性の金属カチオンである。
【0005】
プロトンの緩和挙動を説明する重要な物理的な大きさは、縦緩和時間T1である。短い緩和時間T1を有する組織は、一般に、より長い緩和時間を有するものより高い強度の像をもたらす。一定の常磁性の化合物について、測定された緩和時間T1の逆数を濃度cに対して取ることで、傾きRの直線が得られる。この傾きは緩和度とも呼称され、それは、相応の常磁性イオンが隣接したプロトンの緩和時間を短縮する能力についての尺度である。
【0006】
部分的に比較的高い毒性に基づき、必要なイオンは、一般に、水溶性の塩の形で投与されず、キレート錯体の形で投与される。これらの錯体は、実際に不変のままで身体から排泄されうる。該錯体が溶液中で小さいほど、その慣性モーメントは低くなり、該錯体は溶液中でより高速に回転することとなる(回転運動時間)。錯体がより高速に回転するほど、その緩和度はより低くなる。従って緩和度は、全錯体の分子質量に伴って増大する。高い分子質量は、巨大分子への結合によって達成できる。良好なNMR造影剤は、とりわけ、緩和度について大きな値を有する点で優れている。
【0007】
Gd−DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)とアルブミンとからなる複合体は、例えばM.D.Ogan他によってInvest.Radiol.1987,22,665−671において、かつShcmiedl他によってRadiology 1987,162,205−210において記載されている。大環状金属錯体と生体分子とからなる複合体は、WO95/31444号に開示されている。造影剤の選択性の改善のために、WO01/08712号は、像向上性のグループとしての少なくとも2つの金属キレート単位と、造影剤分子を生体中の所望の標的分子又は標的器官に結合させるための少なくとも2つの"標的結合単位"とを含む造影剤を提案している。
【0008】
高いモル質量を有する大きな造影剤分子は、WO97/02051号によれば、大環状金属錯体をカスケードポリマー中に組み込むことによって得られる。
【0009】
安定性が高く、生体分子への結合に適した不足した電荷に基づく良好な可溶性のテトラアザシクロドデカン四酢酸誘導体は、EP−A−0565930号に記載されている。
【0010】
前記の大環状金属錯体の生体分子への結合は、緩和度の向上と同様に、造影剤の選択性の向上をも可能にする。しかしながら、固定化によって達成された緩和度は、依然として低いため、該化合物が特に特異的に結合する生体分子のためのマーカーとしては不十分にのみ使用できるに過ぎない。それというのも、標的組織中での濃度が低いため、低すぎるか又は少なくともノイズの激しいシグナルが提供されるからである。しかしながら、診断的に一義的な意味に達するためには、ノイズの少ないシグナルの検出が前提条件である。従って、NMR診断は、更に、生体分子との複合化に際して、非常に低い濃度においてもなお大きなシグナルをもたらす金属錯体を必要としている。
【0011】
上述の、NMR造影剤ができる限り高い緩和度を有することが望ましいという問題の他に、これらの造影剤が、臨床的NMR診断装置と一緒に使用するためにできる限りよく適している範囲でNMRD極大を有することが望まれる。現在使用される臨床的なNMR診断装置は、通常は60MHzで稼働する。公知のNMR造影剤のNMRD極大は、それに対して一般に最大で約20MHzである。従って、高い磁場にシフトしたNMRD極大を有するNMR造影剤に要望がある。
【0012】
NMR造影剤の製造のために適した他の配位子種は、S.M.Cohen他によってInorg.Chem.2000,39,5747−5756において、並びにUS5,624,901号に記載されている。これはヒドロキシピリジノン誘導体であるが、生体分子への結合のためには適していない。
【0013】
ヒドロキシピリジノン−及びヒドロキシピリミドン−キレート形成剤並びにそれらのガドリニウム(III)錯体は、WO03/016923号にも記載されている。これらの化合物の幾つかは、高い緩和度を有するが、該化合物1分子当たりの金属含量は、その高い分子質量に基づき低いに過ぎない。このことは、本発明による化合物と比較して高い絶対用量を注射せねばならないということをもたらす。
【0014】
ヒドロキシピリジノン及びテレフタルアミドを基礎とするガドリニウム(III)錯体は、K.N.RaymondによってAbstracts of Papers,227th ACS National Meeting,Anaheim,CA,United States,March 28−April 1,2004(2004)において、かつK.N.Raymond他によってAbstracts of Papers,228th ACS National Meeting,Philadelphia,PA,United States,August 22−26,2004(2004)において記載されている。同様に、Abstracts of Papers,227th ACS National Meeting,Anaheim,CA,United States,March 28−April 1,2004(2004)において、D.G.Churchill他は、鉄イオン封鎖のための及びガドリニウムMRI造影剤としての、カテコールアミド(CAM)系の、テレフタルアミド(TAM)系の、ヒドロキシピリドン(HOPO)系の、及びヒドロキシピリミドン(HOPY)系の配位子系を記載しており、かつM.K.Thompson他は、ヒドロキシピリドネート(HOPO)系の三脚状配位子を有するランタニド錯体を記載しており、かつE.J.Werner他は、高い安定性を有するヒドロキシピリジノン(HOPO)系のGd(III)錯体について記載している。
【0015】
M.K.Thompsonは、J.Am.Chem.Soc.2003,125(47),14274−5において、ヒドロキシピリジネート(HOPO)テレフタルアミド(TAM)配位子デザインに基づく異脚状の(heteropodal)Gd(III)キレートを開示している。
【0016】
五座配位子を有し、2,3−ジヒドロキシテレフタルアミド及び2,3−ヒドロキシピリドネートをキレート化する単位を含む、Gd(III)錯体の熱力学的安定性は、G.Xu他によってInorg.Chem.2004,43(18),5492−4において開示されている。
【0017】
これらのキレート形成剤は、とりわけ生体分子への結合のために適しており、その際、その結合は、ヒドロキシピリジノン−もしくはヒドロキシピリミドン−キレート化剤の側鎖中の1つの反応性基によって行われる。キレート形成剤の配位性の酸素原子と生体分子への結合が予定される反応性基との間が直近であると、該キレート化剤を、ガドリニウムイオンとの錯体形成前に更に生体分子に結合させることが要求されるが、それは、ガドリニウムイオンと反応性基との間で、例えば特に安定な5員環を形成して錯体形成するのを回避するためである。この反応手順では、キレート化剤とガドリニウムイオンとの間の錯体形成が激しい反応条件を必要とし、これが事前に結合された生体分子の分解にまでの妨害を引き起こしうることが問題であると判明している。特に敏感な生体分子、例えば抗体との複合体は、従って、WO03/016923号から公知のキレート化剤を用いて製造できないか、又は高い費用を伴って製造できるに過ぎない。
【0018】
従って、本発明の課題は、前記の問題を解決するNMR診断用の造影剤を提供することにある。特に、これらのNMR造影剤は、できる限り高い緩和度を有し、できる限り選択的に生体内の所望の位置に濃縮され、かつ臨床的なNMR診断装置と一緒に該剤を使用するために特に適したNMRD極大を有することが望ましい。更に、該NMR造影剤は、良好な水溶性を有することが望ましく、生体分子の特異性は、キレート化剤の結合によって妨害されないことが望ましく、かつ複合体が、複合化されていない生体分子と同様に認容性であることが望ましい。最後に、該複合体の安定性はできる限り高いことが望ましい。
【0019】
ここで、前記課題は、驚くべきことに、3つのヒドロキシピリジノン基、ヒドロキシピリミドン基及び/又はカテコール基を配位子中のリンカーによって統合し、次いで他方で、該基をこのリンカーを介して生体分子に結合させることによって解決できることが判明した。本発明による化合物の新たな品質は、該化合物を生体分子に結合させた場合に明らかとなる。該配位子の特定の実施態様によって、得られる造影剤の緩和度は高まり、更にNMRD極大は、今までに知られる化合物に対してより高い磁場にシフトする。更に、ヒドロキシピリジノン基もしくはヒドロキシピリミドン基の1つを介する代わりにリンカーを介しての配位子の結合は、配位されるべき金属イオンを有する錯体を、配位子が生体分子に結合する前に製造できることを可能にし、それにより、二次反応の危険性がなく、かつそれによって生体分子との反応が予定される反応性基の不所望な配位の危険性がない。引き続き完成した錯体は、適度な反応条件下でも、敏感な生体分子、例えば抗体に結合できる。
【0020】
従って、本発明は、一般式I:
(K)3−A−U−X (I)
[式中、
Kは、互いに無関係に、基
【化1】

を表し、その際、
Zは、水素原子又は金属イオン当量分を表し、
1は、水素原子又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜4個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−SO3H基(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよく、
2は、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基、−COOH、ハロゲン、−CONR34、−SO3H又は−PO32を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜2個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基、1〜2個の−SO3H基、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよく、
3及びR4は、互いに無関係に、水素原子又は直鎖状の、分枝鎖状のもしくは環状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜4個のヒドロキシ基で置換されているか、又は1〜2個の酸素原子で中断されており、
1及びW2は、互いに無関係に、基R1又は−CONR34を表し、
Aは、基
【化2】

を表し、その式中、位置αはKに結合されており、かつ位置βはUに結合されており、
Uは、直接的な結合又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20−アルキレン基を表し、前記アルキレン基は、場合により、1〜4個の酸素原子、1〜4個の硫黄原子、1〜4個の窒素原子、1〜4個の−NR3基、1〜4個の−NHCO基、1〜4個の−CONH基、1〜4個の−O−P−(=O)(−OH)−O基及び/又は1〜2個のアリーレン基で中断されており、場合により、1〜3個の直鎖状の、分枝鎖状のもしくは環状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のカルボキシル基、1〜3個のアリール基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の−O−C1〜C6−アルキル基(その際、該アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状であり、飽和又は不飽和である)で置換されており、かつ/又は場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、前記アルキレン基又はアルキレン基の一部は、環状であってよく、かつ
Xは、生体分子と反応しうる基を表す]で示される化合物並びにそれらの塩、及び生体分子との複合体の製造のためのそれらの使用に関する。
【0021】
特に記載がない限り、本願では、"アルキル基"もしくは"アルキレン基"とは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝鎖状又は環状の、示された数の炭素原子を有するアルキル(アルキレン)基を意味する。前記基が、他の基又は原子を有してよいか、又はそれで中断されていてよい場合には、それらは、他の基又は原子が、該基の既に存在する原子の他に存在し、かつ該基の、末端位を含む任意の位置に結合されていてよいことを意味する。
【0022】
"アリール"とは、有利には、フェニル、ビフェニル、ピリジル、フラニル、ピロリル及びイミダゾリルを表す。特に、フェニル及びピリジルが好ましい。
【0023】
本発明による式Iの化合物は、3個のヒドロキシピリジノン基、ヒドロキシピリミドン基及び/又はカテコール基を含む。これらの基は、配位される金属イオンの配位もしくは電荷補償のために寄与する。従って、Zは、水素原子又は金属イオン当量分のいずれかを表す。
【0024】
一般式I中のKを表しうるヒドロキシピリジノン基もしくはヒドロキシピリミドン基は、置換基R1を有し、該基は、水素原子又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜4個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−SO3H(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により、1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、前記アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよい。
【0025】
有利には、R1は、水素原子又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、有利には直鎖状のC1〜C5−アルキル基を表し、前記アルキル基は、1〜2個の酸素原子で中断されており、かつ/又は1〜4個のヒドロキシ基、1個のカルボキシル基及び/又は1個の基−SO3Hで置換されていてよい。R1のための好ましい例は、−H、−CH3、−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH3、−CH(CH3)−CH3、−C(CH3)(CH3)−CH3、−CH2−OH、−CH2−CH2−OH、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−COOH、−CH2−COOt−But、−CH2−COOCH265、−CH2−CH2−SO3H、−CH2−CH2−CH2−SO3H、−CH2−CH2−CH2−CH2−SO3H、−CH2−CH(OH)−CH2−OH、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−OH、−CH2−CH2−O−CH2−COOH及び−CH[CH2−O−CH−(CH2−OH)22である。特に、−H、メトキシエチル、メチル及び−CH2−COOH、特にメトキシエチル及びメチルが好ましい。
【0026】
1及びW2は、互いに無関係に、基R1を表し、その際、R1は、前記に定義したとおりであり、かつ前記の好ましい基も含む。特に有利には、W1及びW2は、無関係に、水素原子又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、有利には直鎖状のC1〜C5−アルキル基、特に水素原子又はメチル基を表す。例えば、W1及びW2の一方は、水素原子を表し、かつW1及びW2のもう一方は、メチル基を表すか、又はW1及びW2は、両者とも水素原子を表すことができる。
【0027】
式I中のKについて選択的に表しうるカテコール基は、置換基R2を有する。前記置換基は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基、−COOH、ハロゲン、−CONR34、−SO3H又は−PO32を表してよく、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜2個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基、1〜2個の−SO3H基、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により、1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、前記アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよい。R2について好ましいアルキル基並びに置換された及びヘテロ原子で中断されたアルキル基は、R1について前記のものと同じである。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が適している。
【0028】
前記の基R3及びR4は、互いに無関係に、水素原子又は直鎖状の、分枝鎖状のもしくは環状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C6−アルキル基を表し、該基は、場合により1〜2個のヒドロキシ基で置換されている。R3及びR4についてのC1〜C6−アルキル基としては、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル及び−CH[CH2−O−CH−(CH2−OH)22が適している。
【0029】
一般式Iの化合物の3個のヒドロキシピリジノン基、ヒドロキシピリミドン基及び/又はカテコール基は、金属イオンの配位のために用いられる。形成される錯体ができる限り高い安定性を有するために、これらの本発明による化合物の3個の錯形成性基Kは、中心の四結合性基A(リンカー)によって統合されるので、多座配位子が提供される。更に、この中心基Aは、3個の配位性の基Kを互いに結合するだけでなく、更に該基は、生体分子と反応しうる基Xと結合するので、本発明による化合物は、生体分子と結合されて、複合体を形成しうる。
【0030】
一般式Iの化合物において、Aは、基
【化3】

[式中、位置αは、Kに結合されており、かつ位置βは、Uに結合されている]を表す。
【0031】
本発明による化合物は、生体分子と反応しうる基Xによって、スペーサーUを介して、生体分子に結合させることができる。
【0032】
スペーサーUは、その際、直接的な結合又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20−アルキレン基を表し、前記アルキレン基は、場合により、1〜4個の酸素原子、1〜4個の硫黄原子、1〜4個の窒素原子、1〜4個の−NR3基、1〜4個の−NHCO基、1〜4個の−CONH基、1〜4個の−O−P(=O)(−OH)−O基及び/又は1〜2個のアリーレン基で中断されており、場合により、1〜3個の直鎖状の、分枝鎖状の又は環状の、飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のカルボキシル基、1〜3個のアリール基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の−O−C1〜C6−アルキル基(その際、該アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状であり、飽和又は不飽和である)で置換されており、かつ/又は場合により、1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、前記アルキレン基又はアルキレン基の一部は、環状であってよい。ここでR3は、前記の定義のとおりである。好ましいアルキル基及びアリール基は、同様に前記の定義のとおりである。
【0033】
本発明の一実施形態においては、Uは、フェニレン基又はシクロヘキシレン基又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和のC1〜C10−アルキレン基を表し、前記アルキレン基は、1個の酸素原子、1個の−NR3基、1もしくは2個のアミド基及び/又は1個のフェニレン基で中断されていてよく、かつ1もしくは2個の炭素原子がカルボニル基として存在してよい。
【0034】
例えば、Uは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−CH2−CO−NH−CH2−、−CH(CH3)−CO−NH−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−CH2−フェニレン−、−フェニレン−、−シクロヘキシレン−、−CH2−フェニレン−O−CH2−、−CH2−フェニレン−O−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−フェニレン−O−CH2−、−CO−フェニレン−、−CO−フェニレン−CO−NH−CH2−CH2−、−(CH24−、−(CH24−NH−CO−CH2−CH2−及び−(CH24−NH−CO−CH2−O−CH2−からなる群から選択されてよく、その際、前記基は、読みの方向の左側でAに結合されており、かつ読みの方向の右でXに結合されている。
【0035】
スペーサーUを介して、基Xは、一般式Iの基Aに結合されている。前記基Xは、生体分子と反応しうる基である。このためには、例えば、カルボキシル(−COOH)、活性化カルボキシル、アミノ(−NH2)、イソシアネート(−NCO)、イソチオシアネート(−NCS)、ヒドラジン(−NHNH2)、セミカルバジド(−NHCONHNH2)、チオセミカルバジド(−NHCSNHNH2)、クロロアセトアミド(−NHCOCH2Cl)、ブロモアセトアミド(−NHCOCH2Br)、ヨードアセトアミド(−NHCOCH2I)、アシルアミノ、例えばアセチルアミノ(−NHCOCH3)、混合無水物、アジド、ヒドロキシド、スルホニルクロリド、カルボジイミド、ピリジル−CH=CH2又は式
【化4】

[式中、Halは、ハロゲン原子を表す]の基が適している。
【0036】
活性化カルボキシル基とは、生体分子との反応を容易にするように誘導体化された前記の係るカルボキシル基を意味する。どの基を活性化のために使用できるかは公知であり、例えば M.und A.Bodanszky,"The Practice of Peptide Synthesis",Springerverlag 1984に指摘される。例はカルボン酸とカルボジイミド又は活性化エステル、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとの付加物である。特に有利には、Xについての活性化カルボキシル基は
【化5】

から選択される。
【0037】
式Iにおいて、Zは、水素原子又は金属イオン当量分を表す。どの金属イオンが、本発明による化合物中で錯化されて存在すべきかは、本発明による化合物を用いて製造される生体分子との複合体の意図される使用に依存する。相応の複合体は、例えばNMR診断のために適している。特に有利には、該複合体は、NMR診断において造影剤として使用される。
【0038】
NMR診断のための錯体の製造は、特許文献EP71564号、EP130934号及びDE−OS3401052号に開示されているように行ってよい。更に所望の元素の金属酸化物又は金属塩(例えば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩又は硫酸塩)を水、低級アルコール(例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)及び/又は別の有機溶剤、例えばTHF、ピリジンなど中に溶解させるか又は懸濁させ、かつ該溶液又は懸濁液と当量の本発明による錯形成剤とを反応させる。具体的な製造例は、Inorg.Chem.2000,39,2652−2660に開示されている。この例によれば、錯形成剤を、メタノール/THF中に溶解させ、そして金属塩をメタノール/THF中に溶かした溶液を、該錯形成剤溶液中に滴加する。引き続き、ピリジンを添加し、そして還流下で加温する。沈殿した錯体を、遠心分離し、そしてメタノール/THFで洗浄する。
【0039】
本発明による化合物は、NMR診断のために、原子番号21〜29、42、44及び58〜70を有する常磁性元素のイオンとのその錯体の形で使用される。好適なイオンは、例えばクロム(III)イオン、鉄(II)イオン、コバルト(II)イオン、ニッケル(II)イオン、銅(II)イオン、プラセオジム(III)イオン、ネオジム(III)イオン、サマリウム(III)イオン及びイッテルビウム(III)イオンである。それらの強力な磁気モーメントのため、NMR診断のためには、ガドリニウム(III)イオン、マンガン(II)イオン及び鉄(III)イオンが特に好ましい。
【0040】
本発明による化合物及び、特にそれらの生体分子との複合体は、核スピン断層撮影法用の造影剤としての適性についての多岐にわたる前提条件を満たす。従ってこれらは卓越して、経口又は非経口の適用の後にノイズ強度の増大によって、核スピン断層撮影法を用いて得られる撮像をその表現力(Aussagekraft)において改善するために適当である。更にこれらは、できる限り少量の外来物質で生体を負荷するために必要な高い作用並びに検査の非侵襲性の特性を保持するために必要な良好な認容性を示す。
【0041】
更に本発明による錯体化合物は有利には増感試薬として、かつインビボNMR分光法のためのシフト試薬として使用できる。
【0042】
事実上なおも存在する遊離のカルボキシ基の中和は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの無機塩基(例えば水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)及び/又は有機塩基、例えばとりわけ第一級、第二級及び第三級のアミン、例えばエタノールアミン、モルホリン、ピリジン、グルカミン、N−メチルグルカミン及びN,N−ジメチルグルカミン並びに塩基性アミノ酸、例えばリジン、アルギニン及びオルニチン又は本来は中性又は酸性のアミノ酸のアミドによって行われる。
【0043】
中性錯体化合物を製造するために、例えば酸性錯塩中に水溶液又は懸濁液で、中和点に達する程度の量の所望の塩基を添加してよい。得られた溶液は引き続き真空中で濃縮乾涸してよい。しばしば、形成された中性塩を水と混和可能な溶液、例えば低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)及び/又は極性エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)の添加によって沈殿させ、かつこうして容易に単離されかつ良好に精製される結晶化物が得られることが好ましい。所望の塩基は既に反応混合物の錯体形成の間に添加され、それによりプロセス工程が省かれることが特に有利であると見なされる。溶剤としてメタノール/THFを使用し、かつ塩基としてピリジンを使用した特に好ましい製造法は、Inorg.Chem.2000,39,2652−2660に記載されている。
【0044】
本発明による式Iの化合物は、当業者に公知の方法に従って製造することができる。例えば、式Iの化合物は、式II
A′−U−X (II)
[式中、U及びXは、前記の定義どおりであり、かつA′は、四結合性の基Aの前駆体を表す]で示される化合物をNu−K(その際、Kは、前記の定義どおりであり、K及びXは、場合によりそれらの保護された形で存在し、かつNuは、脱離基である)と反応させ、引き続き場合により存在する保護基を除去し、そして所望であれば自体公知のようにして所望の元素の少なくとも1種の金属酸化物又は金属塩と反応させ、そして場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性の水素原子を完全に又は部分的に無機塩基及び/又は有機塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンによって置換する方法によって得ることができる。
【0045】
離脱基としては、例えば基:Cl、Br、I、O−トリフレート、メシレート及びトシレートが用いられる。
【0046】
該反応は、例えば水と有機溶剤、例えばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド又はジクロロメタンとの混合物中で実施される。水とイソプロパノールとジクロロメタンとからなる三元混合物が好ましい。
【0047】
該反応は、−10℃〜100℃の間の温度範囲で、有利には0℃〜30℃の間の温度範囲において行われる。
【0048】
前記に挙げた基の保護は、当業者に公知の多くの可能性で行うことができる。以下に記載される実施形態は、これらの保護基技術の説明のために用いられるもので、合成経路を制限するものではない。
【0049】
酸保護基としては、C1〜C6−アルキル基、C6〜C10−アリール基及びC6〜C10−Ar(C1〜C4)アルキル基並びにトリアルキルシリル基が該当する。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基が好ましい。
【0050】
前記の酸保護基の開裂は、当業者に公知の方法に従って、例えば加水分解、水素化分解、エステルをアルカリを用いて水性−アルコール性溶液中で0〜50℃の温度で鹸化すること、鉱酸での鹸化又はt−ブチルエステルの場合には、トリフルオロ酢酸を用いた鹸化によって行われる。
【0051】
NH基は、多くの様式で保護し、かつ再び遊離させることができる。N−トリフルオロアセチル誘導体は、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムによって水中で(H.Newman著のJ.Org.Chem.,30:287(1965)、M.A.Schwartz他著のJ.Am.Chem.Soc.,95 G12(1973))、又はアンモニア溶液によって簡単に分解される(M.Imazama及びF.Eckstein著のJ.Org.Chem.,44:2039(1979))。同様に、t−ブチルオキシカルボニル誘導体は穏やかに分解することができる:トリフルオロ酢酸との撹拌で十分である(B.F.Lundt他著のJ.Org.Chem.,43:2285(1978))。非常に大きいのは、水素化分解的に又は還元的に分解されるNH保護基の群である:
N−ベンジル基は、水素/Pd−Cによって容易に分解することができ(W.H.Hartung及びR.Rimonoff著のOrg.Reactions VII,262(1953))、これはトリチル基(L.Zervas他著のJ.Am.Chem.Soc.,78:1359(1956))についても、かつベンジルオキシカルボニル基についても当てはまる(M.Bergmann及びL.Zervas著のBer.65:1192(1932))。
【0052】
前記の化合物の活性化エステルは当業者に公知のように製造される。イソチオシアネート又はα−ハロゲンアセテートの場合については、相応の末端アミン前駆体は文献から公知の方法によりチオホスゲン又は2−ハロ酢酸−ハロゲン化物と反応される。また相応のN−ヒドロキシスクシンイミドの誘導体化されたエステル、例えば
【化6】

(Hal=ハロゲン)との反応も可能である。
【0053】
一般に前記の目的のためにカルボン酸のための全ての慣用の活性化法が使用でき、該方法は従来技術において公知である。分子Nu−Kは、まず無関係に合成することが好ましい。該分子がアミド基を有するのであれば、該分子は、例えば活性化カルボン酸とアミンとを反応させることによって製造される。カルボン酸の活性化は慣用の方法により行われる。適当な活性化剤のための例はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)及びO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、有利にはDCCである。O−求核性触媒、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加も可能である。
【0054】
基Xがカルボン酸官能基であれば、該基を保護された形(例えばベンジルエステルの形で)使用し、保護基の分解を次いで水素化分解的に行ってよい。
【0055】
このカルボン酸官能基が適当な生体分子の適当な官能基に結合するために、該基を一般にまず活性化させるべきである。有利にはそのために活性化エステルを中間的に作成し、これを次いで生体分子の求核性基によって攻撃する。前記のように、生体分子と本発明による式Iの化合物との間に共有結合が生ずる。有利な活性化エステルはN−ヒドロキシスクシンイミドのエステル、パラニトロフェノールのエステル又はペンタフルオロフェノールのエステルである。基Xをイソチオシアネートの形で生体分子に結合すべき場合には、有利には先ず、必要であれば適当な保護基を備えていてよい第三級アミンを使用する。適当な保護基はペプチド化学から公知である。保護基の分解の後に、第1級末端アミンとチオホスゲンとの反応によってイソチオシアネートを製造してよい。そこに生体分子の求核性基を付加してよい。
【0056】
一実施形態においては、基Xは、例えば選択的に生体分子のチオール官能基と反応しうるマレインイミドを表す。
【0057】
もう一つの実施形態においては、基Xは、生体分子の好適な官能基(活性化エステル、マレインイミドなど)に攻撃する求核基(NH2、SH)である。マレインイミドで官能化された多くの生体分子は、市販されている。
【0058】
更に、本発明は、式Iの前記の化合物を、生体分子との複合体の製造のために用いる使用に関する。
【0059】
該複合体の合成は、一般に、まず誘導体化されかつ官能化されたキレート錯体を製造し、次いで生体分子に結合させるように行われる。しかしながら、合成により製造された生体分子を使用する場合に本発明によるキレート錯体は生体分子の合成の間に生体分子中に組み込んでもよい。これは、例えば合成ロボットでのオリゴペプチドの連続的な合成の間に実施してよい。必要に応じて、このために相応の生体分子の合成において慣用の保護基を本発明による化合物に導入してもよい。これを次いで慣用の合成アルゴリズムの経過において再び分解してよい。
【0060】
"生体分子"とは本願では、天然に例えば生体で生じるか、又は類似の構造で合成により製造されるあらゆる分子を意味する。更に生体分子とは、生物学的に、例えば生体に生じる分子又はそこに生じる構造において相互作用しうる分子を意味するので、例えば規定の所望の生体部位に該複合体が集積する。"生体"とは本願では植物又は動物の生体をそれぞれ意味し、その際、動物、特にヒトの生体が有利である。
【0061】
生体分子は、特に生物中に生じる分子であり、該分子は進化的淘汰の産物として秩序的かつ複雑な作用によって生物に特異的な課題を満たし、かつその生命機能(物質代謝及び形態代謝、繁殖、エネルギー収支)の基礎に影響する。生体分子においてまず簡単な構成単位(アミノ酸、核酸塩基、単糖類、脂肪酸等)からより大きな分子(タンパク質、核酸、多糖類、脂質等)が合成される。相応の巨大分子を生体ポリマーとも呼ぶ。
【0062】
有利には生体分子は、例えば本発明による式Iの化合物の反応性基Xと反応しうる側鎖を有するアミノ酸からなるポリペプチド骨格を有してよい。かかる側鎖は、例えばアスパラギン酸残基及びグルタミン酸残基のカルボキシル基、リジン残基のアミノ基、チロシン残基及びヒスチジン残基の芳香族基並びにシステイン残基のスルフヒドリル基を含む。
【0063】
多くの例による生体分子の概要は、TU−Grazの草案"生体分子の化学"(H.Berthold他著のInstitut fuer Organische Chemie,TU−Graz,2001)に見られ、これはまたインターネットを介してwww.orgc.tu−graz.ac.atで閲覧できる。この文献の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0064】
本発明による化合物との複合体の形成のために、以下の生体分子が特に適当である:生体ポリマー、タンパク質、例えば生物学的機能を有するタンパク質、HSA、BSA等、生物の規定の部位(例えばレセプター、細胞膜、チャンネル等に)に集積するタンパク質及びペプチド、プロテアーゼによって分解されるペプチド、合成による目的開裂部位を有するペプチド(例えば反応性エステル、アミドなど)、メタロプロテアーゼによって分解されるペプチド、光分解性リンカーを有するペプチド、酸化剤(オキシダーゼ)によって分解可能な基を有するペプチド、天然及び非天然のアミノ酸を有するペプチド、糖タンパク質(糖ペプチド)、シグナルタンパク質、抗ウイルス性タンパク質及びアポトーシス、合成により変性された生体ポリマー、例えばリンカーで誘導体化された生体ポリマー、変性されたメタロプロテアーゼ及び誘導体化されたオキシダーゼ等、炭水化物(単糖類ないし多糖類)、例えば誘導体化された糖類、生物中で分解可能な糖類、シクロデキストリン及びその誘導体、アミノ糖類、キトサン、ポリスルフェート及びアセチルニューラミン酸誘導体、抗体、例えばモノクローナル抗体、抗体フラグメント、ポリクローナル抗体、ミニ抗体、単鎖(多くのフラグメントにリンカーで結合されている単鎖)、赤血球及び別の血球成分、癌マーカー(例えばCAA)及び細胞接着物質(例えばルイスX及び抗ルイスX誘導体)、DNA及びRNA断片、例えば誘導体化されたDNA及びRNA(例えばSELEX法によって見いだされたもの)、合成RNA及びDNA(非天然塩基を有するものも)、PNA(ヘキスト)及びアンチセンス、β−アミノ酸(Seebach)、細胞に通過させるためのベクトルアミン、生体原アミン、医薬品、癌原調製物、生物学的標的(例えばレセプター)に向けられる合成ポリマー、ステロイド(天然及び変性)、プロスタグランジン、タキソール及びその誘導体、エンドセリン、アルカロイド、葉酸及びその誘導体、生体活性脂質、脂肪、脂肪酸エステル、合成的に変性されたモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、表面上で誘導体化されているリポソーム、天然の脂肪酸又はペルフルオロアルキル化合物からなるミセル、ポリフィリン、テキサフリン、拡張ポルフィリン、シトクロム、インヒビター、ノイラミダーゼ、ニューロペプチド、免疫調節剤、例えばFK506、CAPE及びグリオトキシン、エンドグリコシダーゼ、酵素によって活性化される基質、例えばカルモジュリンキナーゼ、カゼインキナーゼII、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヘパリナーゼ、基質−メタロプロテアーゼ、β−インスリン−レセプター−キナーゼ、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、フコシダーゼ、G−タンパク質、ガラクトシダーゼ、グリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ及びキシロシダーゼ、抗生物質、ビタミン及びビタミン類似体、ホルモン、DNA−インターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ビタミンB12、ルイスX及び類似物、ソラーレン、ジエントリエン抗生物質、カルバシクリン、VEGF(血管内皮成長因子)、ソマトスタチン及びその誘導体、ビオチン誘導体、抗ホルモン、腫瘍特異的タンパク質及び合成薬、生体の酸性又は塩基性の領域に集積するポリマー(pH調整された分布)、ミオグロビン、アポミオグロビン等、神経伝達ペプチド、腫瘍壊死因子、炎症組織に集積するペプチド、血液プール試薬、アニオン及びカチオン−輸送タンパク質、ポリエステル(例えば乳酸の)、ポリアミド及びポリホスフェート。
【0065】
前記の生体分子の殆どは、例えばMerck、Aldrich、Sigma、Calibochem又はBachemで市販されている。
【0066】
更に、生体分子として、WO96/23526号及びWO01/08712号に開示される全ての"血漿タンパク質結合基"もしくは"目標結合基"を使用できる。前記の両者の公開公報の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0067】
1生体分子あたりの本発明による式Iの化合物の数は、原則的に任意であるが、有利には分子比0.1:1〜10:1、特に0.5:1〜2:1である。
【0068】
更に、本発明による化合物は、先行技術で蛍光色素物質と反応される全ての同じ分子への結合のために、例えば細胞内の落射蛍光顕微鏡によるその局在を観察するために適当である。また該化合物は原則的に任意の医薬品と複合化でき、次いで該医薬品の投与の後に生物内の輸送をNMR技術によって追跡できる。更に、本発明による化合物及び生体分子からなる複合体は、生体分子に複合化されている他の付加的な分子を有してもよい。本発明の範囲内での"生体分子"の概念では、従って生物学的系に存在する全ての分子、及び生体認容性な全ての分子を含む。
【0069】
有利には、本発明による化合物を用いて得られる複合体は、NMR診断において造影剤として使用される。従って、該複合体は、水溶性であることが望ましい。本発明による化合物を用いて得られる複合体をNMR用造影剤として使用することが望ましい場合には、該化合物は、有利には体重1kgあたり0.0001〜5mMolの量で、特に有利には体重1kgあたり0.005〜0.5mMolの量で投与される。使用の詳細は、例えばH.−J.Weinmann著のAm.J.of Roentgenology 142,619(1984)に記載されている。本発明による化合物の緩和度が驚くべきほど高いのと同時に、前記化合物を用いて得られる複合体の標的特異性によって、これらは、例えば癌の検出のために特に少量で投与することができる。
【0070】
本発明による化合物は、これらが今までに金属錯体−複合体について固定化された状態で説明されてきた非常に高い緩和度を有する点で優れている。このことが特に重要であるのは、その複合体が部分的に非常に特殊な生体分子のためのNMR造影剤として使用され、その標的組織中での定常濃度が極めて低いからである。更に、本発明による複合体は、60MHzの範囲の高い磁場で高められた緩和度を示すので、該複合体は、病院で使用される装置と一緒に使用するために特に適している。
【0071】
更に、該複合体は、良好な水溶性を示し、かつ生体分子の特異性は、該複合体によって妨害されない。該金属錯体−複合体は、一般に複合化されていない生体分子と同様に認容性である。
【0072】
該複合体の安定性は非常に高いので、溶液又は凍結乾燥された生成物は、活性の損失なく長時間貯蔵することができる。最後に、該複合体は、インビボで毒性の金属を遊離しないことを保証する高い錯体安定性を有する。従ってこのことが特に重要なのは、係る化合物の組織中での滞留期間が、24時間より長いことがあるからである。
【0073】
以下の実施例によって、本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに制限されるものではない。
【0074】
実施例
実施例1
a)[4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)フェノキシ]酢酸ベンジルエステル
60.2g(0.2モル)のN−(Z)−チロシノール(Kashima他著のJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1988,535)及び30.4g(0.22モル)の炭酸カリウムを、500mLのテトラヒドロフラン及び50mLの水中に溶解させ、そして0℃で50.4g(0.22モル)のブロモ酢酸ベンジルエステル(Aldrich)を100mLのテトラヒドロフラン中に溶かした溶液を30分以内に滴加し、そして18時間室温で撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0075】
収量:63.9g(理論値の71%)。
【0076】
元素分析:
C69.47(69.64) H6.05(6.01) N3.12(3.09)
b)(4−{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸ベンジルエステル
22.48g(50ミリモル)の4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)フェノキシ]酢酸ベンジルエステルを、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして−78℃で、15.5g(55ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(Aldrich)及び6.97g(65ミリモル)の2,6−ジメチルピリジン(Aldrich)を100mLの塩化メチレン中に溶かした溶液を30分以内で滴加し、そして0℃で3時間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ100mlの氷水で2回抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。粗生成物を、−20℃で、18.57g(50ミリモル)のN,N′′−ジ−Z−ジエチレントリアミン(Fluka)及び12.9g(100ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶かした溶液に滴加し、そして−20℃で6時間撹拌する。引き続き、更に24時間室温で撹拌する。該反応混合物を、それぞれ150mlの水で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0077】
収量:16.9g(理論値の42%)。
【0078】
元素分析:
C68.81(69.21) H6.28(6.15) N6.98(6.90)
c)(4−{2−アミノ−3−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸
16.06g(20ミリモル)の(4−{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸ベンジルエステルを、300mLのイソプロパノール中に溶解させ、30mLの水と混合し、そして3gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加する。50℃で8時間水素化を行う。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0079】
収量:6.2g(定量的)の無色の粉末。
【0080】
元素分析:
C58.04(58.21) H8.44(8.40) N18.05(18.01)
d){4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
4.65g(15ミリモル)の(4−{2−アミノ−3−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸及び25.5g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0081】
収量:14.5g(理論値の83%)。
【0082】
元素分析:
C64.88(65.09) H6.14(6.08) N8.41(8.34)
e){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
14.0g(12ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0083】
収量:9.9g(理論値の92%)。
【0084】
元素分析:
C56.31(56.67) H5.96(6.01) N10.94(10.63)
f){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸のガドリニウム錯体
8.96g(10ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0085】
収量:7.4g(理論値の67%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.1%。
【0086】
元素分析(無水物質に対して):
C48.04(48.11) H4.80(4.86) Gd14.97(14.66) N9.34(9.39)
【0087】
実施例2
a)1,5−ビス−[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキサミド]−3−アザペンタン
5.16g(50ミリモル)のジエチレントリアミン(Fluka)及び40.5g(100ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0088】
収量:18.4g(理論値の84%)。
【0089】
元素分析:
C64.18(64.29) H6.43(6.38) N10.39(10.35)
b)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−3−(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル
30.9g(100ミリモル)の2−アミノ−3−(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル(Platzek et al.,Schering AG,Germany,Ger.Offen.(1996),33pp.CODEN:GWXXBX DE 4425781 A1 19960118)及び42.5g(105ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、400mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ200mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:5)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0090】
収量:50.1g(理論値の79%)。
【0091】
元素分析:
C64.63(64.77) H6.44(6.38) N4.71(4.67)
c)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−3−(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェノキシ)−プロピオン酸
50.0g(84.1ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−3−(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェノキシ)−プロピオン酸メチルエステルを、400mLのメタノール及び100mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液中に溶解させ、そして室温で2時間撹拌する。2NのHCl溶液で酸性化(pH=3.5)させ、そして主要量のメタノールを真空中で留去する。該反応混合物を、300mlの水と混合し、それぞれ250mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:3)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0092】
収量:43g(理論値の88%)。
【0093】
元素分析:
C64.13(64.29) H6.25(6.19) N4.82(4.80)
d){4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−フェノキシ)酢酸−t−ブチルエステル
17.42g(30ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−3−(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェノキシ)−プロピオン酸及び20.2g(30ミリモル)の1,5−ビス−[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキサミド]−3−アザペンタンを、300mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、18.9g(36ミリモル)のEEDQ[2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン](Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0094】
収量:24.0g(理論値の65%)。
【0095】
元素分析:
C65.09(65.33) H6.28(6.14) N7.93(7.88)
e){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−フェノキシ)酢酸
14.8g(12ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−フェノキシ)酢酸−t−ブチルエステルを、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0096】
収量:9.8g(理論値の90%)。
【0097】
元素分析:
C55.44(55.66) H5.65(5.60) N10.78(10.75)
f){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−フェノキシ)酢酸のガドリニウム錯体
9.1g(10ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−フェノキシ)酢酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0098】
収量:6.7g(理論値の61%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):3.8%。
【0099】
元素分析(無水物質に対して):
C47.41(47.56) H4.55(4.57) Gd14.78(14.69) N9.21(9.20)
【0100】
実施例3
a){4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
4.65g(15ミリモル)の(4−{2−アミノ−3−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸及び22.7g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0101】
収量:13.4g(理論値の86%)。
【0102】
元素分析:
C66.20(66.31) H5.75(5.72) N9.48(9.44)
b){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
12.4g(12ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0103】
収量:8.2g(理論値の90%)。
【0104】
元素分析:
C56.61(56.85) H5.41(5.33) N12.84(12.79)
c){4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸のガドリニウム錯体
7.64g(10ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0105】
収量:5.6g(理論値の59%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):3.7%。
【0106】
元素分析(無水物質に対して):
C47.10(47.43) H4.17(4.22) Gd17.13(16.88) N10.68(10.67)
【0107】
実施例4
a)4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸ベンジルエステル
17.87g(50ミリモル)のZ−Glu−(OBn)−OH(Bachem)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして−78℃で、15.5g(55ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(Aldrich)及び6.97g(65ミリモル)の2,6−ジメチルピリジン(Aldrich)を100mLの塩化メチレン中に溶かした溶液を30分以内で滴加し、そして0℃で3時間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ100mlの氷水で2回抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。粗生成物を、−20℃で、18.57g(50ミリモル)のN,N′′−ジ−Z−ジエチレントリアミン(Fluka)及び12.9g(100ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶かした溶液に滴加し、そして−20℃で6時間撹拌する。引き続き、更に24時間室温で撹拌する。該反応混合物を、それぞれ150mlの水で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0108】
収量:14.5g(理論値の41%)。
【0109】
元素分析:
C67.21(67.44) H6.52(6.49) N7.88(7.88)
b)4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸
14.2g(20ミリモル)の4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸ベンジルエステルを、300mLのイソプロパノール中に溶解させ、30mLの水と混合し、そして3gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加する。50℃で8時間水素化を行う。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0110】
収量:4.35g(定量的)の無色の粉末。
【0111】
元素分析:
C49.52(49.67) H10.16(10.18) N25.67(25.57)
c)5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸及び25.5g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0112】
収量:13.7g(理論値の85%)。
【0113】
元素分析:
C63.73(63.88) H6.29(6.30) N9.13(9.07)
d)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
12.9g(12ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0114】
収量:9.1g(理論値の94%)。
【0115】
元素分析:
C53.79(53.91) H6.14(6.10) N12.20(12.15)
e)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
8.04g(10ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0116】
収量:6.2g(理論値の61%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.8%。
【0117】
元素分析(無水物質に対して):
C45.13(45.25) H4.84(4.87) Gd16.41(15.21) N10.23(10.23)
【0118】
実施例5
a)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタン−ジカルボン酸−5−t−ブチルエステル−1−メチルエステル
21.7g(100ミリモル)の2−アミノペンタンジカルボン酸−5−t−ブチルエステル−1−メチルエステル(Bachem)及び42.5g(105ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、400mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ200mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:5)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0119】
収量:41.8g(理論値の83%)。
【0120】
元素分析:
C62.14(62.28) H6.82(6.77) N5.57(5.54)
b)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタン−ジカルボン酸−5−t−ブチルエステル
41.0g(81.6ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンジカルボン酸−5−t−ブチルエステル−1−メチルエステルを、400mLのメタノール及び100mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液中に溶解させ、そして室温で2時間撹拌する。2NのHCl溶液で酸性化(pH=3.5)させ、そして主要量のメタノールを真空中で留去する。該反応混合物を、300mlの水と混合し、それぞれ250mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:3)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0121】
収量:35.7g(理論値の90%)。
【0122】
元素分析:
C61.46(61.62) H6.60(6.54) N5.73(5.70)
c)4−(2−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}酪酸−t−ブチルエステル
14.66g(30ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンジカルボン酸−5−t−ブチルエステル及び20.2g(30ミリモル)の1,5−ビス−[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキサミド]−3−アザペンタンを、300mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、18.9g(36ミリモル)のEEDQ[2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン](Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0123】
収量:20.3g(理論値の59%)。
【0124】
元素分析:
C64.03(64.21) H6.43(6.44) N8.57(8.50)
d)4−(2−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}酪酸
13.7g(12ミリモル)の4−(2−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}酪酸−t−ブチルエステルを、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0125】
収量:8.9g(理論値の91%)。
【0126】
元素分析:
C52.87(52.80) H5.79(5.77) N11.99(12.00)
e)4−(2−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}酪酸のガドリニウム錯体
8.2g(10ミリモル)の4−(2−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}酪酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0127】
収量:5.8g(理論値の57%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.1%。
【0128】
元素分析(無水物質に対して):
C44.48(44.76) H4.56(4.61) Gd16.18(15.89) N10.09(10.07)
【0129】
実施例6
a)5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸及び22.7g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0130】
収量:12.3g(理論値の87%)。
【0131】
元素分析:
C65.03(65.14) H5.88(5.85) N10.41(10.38)
b)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
11.3g(12ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0132】
収量:7.4g(理論値の92%)。
【0133】
元素分析:
C53.65(53.88) H5.55(5.52) N14.60(14.49)
c)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
6.72g(10ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0134】
収量:5.2g(理論値の60%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):3.8%。
【0135】
元素分析(無水物質に対して):
C43.63(43.89) H4.15(4.17) Gd19.04(18.88) N11.87(11.89)
【0136】
実施例7
a){5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−6−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]ヘキシル}カルバミン酸−t−ブチルエステル
18.32g(50ミリモル)のZ−Lys−(ε−boc)−オール(Ripka他著のOrg.Lett.2001,2309−2312)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして−78℃で、15.5g(55ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(Aldrich)及び6.97g(65ミリモル)の2,6−ジメチルピリジン(Aldrich)を100mLの塩化メチレン中に溶かした溶液を30分以内で滴加し、そして0℃で3時間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ100mlの氷水で2回抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させる。粗生成物を、−20℃で、18.57g(50ミリモル)のN,N′′−ジ−Z−ジエチレントリアミン(Fluka)及び12.9g(100ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶かした溶液に滴加し、そして−20℃で6時間撹拌する。引き続き、更に24時間室温で撹拌する。該反応混合物を、それぞれ150mlの水で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0137】
収量:15.9g(理論値の44%)。
【0138】
元素分析:
C65.07(65.23) H7.42(7.37) N9.73(9.67)
b){5−アミノ−6−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ヘキシル}カルバミン酸−t−ブチルエステル
14.4g(20ミリモル)の{5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−6−[ビス−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−アミノ]ヘキシル}カルバミン酸−t−ブチルエステルを、300mLのイソプロパノール中に溶解させ、30mLの水と混合し、そして3gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加する。50℃で8時間水素化を行う。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0139】
収量:6.3g(定量的)の無色の粉末。
【0140】
元素分析:
C56.75(56.89) H11.11(11.09) N22.06(22.01)
c)6−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルカルバミン酸−t−ブチルエステル
4.76g(15ミリモル)の{5−アミノ−6−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ヘキシル}カルバミン酸−t−ブチルエステル及び25.5g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。収量:14.6g(理論値の83%)。
【0141】
元素分析:
C64.49(64.58) H6.87(6.84) N9.55(9.49)
d)6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]ヘキシルアミン
14.1g(12ミリモル)の6−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルカルバミン酸−t−ブチルエステルを、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0142】
収量:8.9g(理論値の92%)。
【0143】
元素分析:
C55.35(55.54) H6.78(6.73) N13.96(13.88)
e)6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]ヘキシルアミンのガドリニウム錯体
8.03g(10ミリモル)の6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]ヘキシルアミンを、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0144】
収量:5.9g(理論値の59%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.1%。
【0145】
元素分析(無水物質に対して):
C46.43(46.62) H5.37(5.39) Gd16.43(16.26) N11.71(11.68)
f){6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]ヘキシル}−2−(マレインイミド)プロピオンアミドのガドリニウム錯体
2.87g(3ミリモル)の実施例7eに記載されるGd錯体アミドを、15mLのジメチルホルムアミド中に溶解させ、氷冷下に879mg(3.3ミリモル)のN−マレインイミドプロピオン酸−(−N−ヒドロキシスクシンイミド)エステル(Aldrich)及び0.7mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと一緒に10mlのジメチルホルムアミド中で添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、氷浴中で冷却し、濾過し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0146】
収量:2.0g(理論値の58%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):5.7%。
【0147】
元素分析(無水物質に対して):
C47.69(47.88) H5.09(5.11) Gd14.19(13.92) N11.38(11.33)
【0148】
実施例8
a)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−6−t−ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸メチルエステル
26g(100ミリモル)の2−アミノ−6−t−ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸メチルエステル(Bachem)及び42.5g(105ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、400mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、それぞれ200mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:5)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0149】
収量:44.3g(理論値の81%)。
【0150】
元素分析:
C61.64(61.79) H7.20(7.14) N7.70(7.72)
b)2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−6−t−ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸
43.0g(78.8ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−6−t−ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸メチルエステルを、400mLのメタノール及び100mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液中に溶解させ、そして室温で2時間撹拌する。2NのHCl溶液で酸性化(pH=3.5)させ、そして主要量のメタノールを真空中で留去する。該反応混合物を、300mlの水と混合し、それぞれ250mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:3)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0151】
収量:37.3g(理論値の89%)。
【0152】
元素分析:
C61.00(61.35) H7.02(6.89) N7.90(7.82)
c){5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンチル}カルバミン酸−t−ブチルエステル
15.95g(30ミリモル)の2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−6−t−ブトキシカルボニルアミノヘキサン酸及び20.2g(30ミリモル)の1,5−ビス−[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキサミド]−3−アザペンタンを、300mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、18.9g(36ミリモル)のEEDQ[2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン](Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0153】
収量:22.5g(理論値の63%)。
【0154】
元素分析:
C63.73(63.89) H6.62(6.59) N9.44(9.38)
d)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンチルアミン
14.25g(12ミリモル)の{5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンチル}カルバミン酸−t−ブチルエステルを、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0155】
収量:8.8g(理論値の90%)。
【0156】
元素分析:
C54.40(54.67) H6.42(6.39) N13.72(13.65)
e)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンチルアミンのガドリニウム錯体
8.17g(10ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−カルバモイル]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]アミノ}ペンチルアミンを、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0157】
収量:6.2g(理論値の61%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):3.7%。
【0158】
元素分析(無水物質に対して):
C45.76(45.99) H5.09(5.13) Gd16.19(15.88) N11.54(11.49)
f){6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]ヘキシルカルバモイル}メトキシ酢酸のガドリニウム錯体
2.91g(3ミリモル)の実施例8eに記載されるGd錯体アミドを、15mLのジメチルホルムアミド中に溶解させ、氷冷下に697mg(6ミリモル)のジグリコール酸無水物(Aldrich)及び1.2mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと一緒に10mlのジメチルホルムアミド中で添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、氷浴中で冷却し、濾過し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0159】
収量:1.45g(理論値の41%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):6.4%。
【0160】
元素分析(無水物質に対して):
C45.30(45.52) H4.91(4.95) Gd14.46(14.22) N10.31(10.30)
【0161】
実施例9
a)6−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルカルバミン酸−t−ブチルエステル
4.76g(15ミリモル)の{5−アミノ−6−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ヘキシル}カルバミン酸−t−ブチルエステル及び22.7g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0162】
収量:13.2g(理論値の84%)。
【0163】
元素分析:
C65.75(65.91) H6.58(5.62) N10.76(10.68)
b)6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルアミン
12.5g(12ミリモル)の6−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルカルバミン酸−t−ブチルエステルを、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0164】
収量:7.6g(理論値の93%)。
【0165】
元素分析:
C55.51(55.60) H6.31(6.31) N16.71(16.64)
c)6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ヘキシルアミンのガドリニウム錯体
6.71g(10ミリモル)の6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−ヘキシルアミンを、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0166】
収量:5.1g(理論値の57%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.4%。
【0167】
元素分析(無水物質に対して):
C45.14(45.47) H4.76(4.80) Gd19.06(18.77) N13.58(13.45)
d)6−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−5−{[3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−6−(イソチオシアナト)−ヘキシルアミンのガドリニウム錯体
2.47g(3ミリモル)の実施例9cに記載されるGd錯体アミンを、50mLの水と50mLの塩化メチレンとからなる二相混合物中に溶解させ、そして0℃で、1.73g(15ミリモル)のチオホスゲンと混合する。室温に加温し、そして更に前記温度で2時間撹拌する。引き続き、水相を、それぞれ50mLの塩化メチレンで抽出し、そして凍結乾燥させる。残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で濃縮させる。
【0168】
収量:721mg(理論値の27%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):6.1%。
【0169】
元素分析(無水物質に対して):
C44.33(44.71) H4.30(4.34) Gd18.14(17.88) N12.92(12.84)
【0170】
実施例10
{4−(3−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[3−ヒドロキシ−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)−N−[2−(アミノエチルエチル)−マレインイミド]アセトアミドのガドリニウム錯体
3.15g(3ミリモル)の実施例1fに記載されるGd錯体酸を、15mLのジメチルホルムアミド中に溶解させ、そして氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mg(3.3ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、そして氷中で1時間にわたり前活性化させる。引き続き、839mg(3.3ミリモル)のN−(2−アミノエチル)マレインイミドトリフルオロ酢酸塩(Arano他著のJ.Med.Chem.,1996,39,3458)及び0.7mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを10mlのジメチルホルムアミド中に入れた混合物を添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、再び氷浴中で冷却し、濾過し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0171】
収量:1.4g(理論値の37%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):6.1%。
【0172】
元素分析(無水物質に対して):
C49.18(49.44) H4.81(4.84) Gd13.41(13.21) N10.75(10.69)
【0173】
実施例11
a)5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸及び22.7g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−6−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Doble他著のInorg.Chem.2003,42,4935)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mLの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0174】
収量:11.6g(理論値の82%)。
【0175】
元素分析:
C65.03(64.94) H5.88(5.77) N10.41(10.51)
b)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
11.3g(12ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0176】
収量:6.9g(理論値の85%)。
【0177】
元素分析:
C53.65(53.52) H5.55(5.67) N14.60(14.81)
c)5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
6.72g(10ミリモル)の5−[ビス−(2−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0178】
収量:5.9g(理論値の71%)の淡色の灰帯黄色に着色した粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):3.8%。
【0179】
元素分析(無水物質に対して):
C43.63(43.55) H4.15(4.23) Gd19.04(18.74) N11.87(11.91)
【0180】
実施例12
a)5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−6−(4−ニトロフェニルオキシカルボニル)−1[H]−ピリミジン−4−オン
21.94g(80ミリモル)の5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−6−カルボキシ−1[H]−ピリミジン−4−オン(Sunderland他著のInorg.Chem.2001,40,6746)及び12.24g(88ミリモル)の4−ニトロフェノールを、600mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、18.16g(88ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミド(Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を濾別し、濾液を蒸発乾涸させ、そして粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶させる。収量:25.5g(理論値の81%)。
【0181】
元素分析:
C60.76(60.91) H4.33(4.27) N10.63(10.42)
b)5−[ビス−(2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸及び24.91g(63ミリモル)の5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−6−(4−ニトロフェニルオキシカルボニル−1[H]−ピリミジン−4−オン)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。収量:9.6g(理論値の65%)。
【0182】
元素分析:
C62.06(61.93) H5.92(5.85) N14.19(14.28)
c)5−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
11.8g(12ミリモル)の5−[ビス−(2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。収量:7.5g(理論値の87%)。
【0183】
元素分析:
C50.28(50.02) H5.63(5.68) N19.54(19.20)
d)5−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
7.17g(10ミリモル)の5−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0184】
収量:6.9g(理論値の73%)の灰帯黄色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):7.8%。
【0185】
元素分析(無水物質に対して):
C41.37(41.05) H4.28(4.22) Gd18.06(17.81) N16.08(15.84)
【0186】
実施例13
a){4−(3−[ビス−(2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
4.65g(15ミリモル)の(4−{2−アミノ−3−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−プロピル}−フェノキシ)酢酸及び23.65g(63ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1,6−ジメチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリミジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mLの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0187】
収量:12.5g(理論値の77%)。
【0188】
元素分析:
C63.44(63.31) H5.79(5.62) N12.98(13.21)
b){4−(3−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸
12.95g(12ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[5−ベンジルオキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、100mLの酢酸及び100mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ200mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を25mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0189】
収量:7.9g(理論値の81%)。
【0190】
元素分析:
C53.46(53.13) H5.48(5.39) N17.32(17.27)
c){4−(3−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸のガドリニウム錯体
7.64g(10ミリモル)の{4−(3−[ビス−(2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−2−{[5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−6−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−フェノキシ)酢酸を、200mLのテトラヒドロフラン及び40mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして2.3g(10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、20mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0191】
収量:7.43g(理論値の72%)の淡帯黄色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):6.7%。
【0192】
元素分析(無水物質に対して):
C44.90(45.05) H4.29(4.22) Gd16.33(15.89) N14.54(14.32)
【0193】
実施例14
a)4−(アミノ)−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸及び10.8g(30ミリモル)の3−ベンジルオキシ−1−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0194】
収量:4.4g(理論値の42%)。
【0195】
元素分析:
C63.42(63.52) H6.33(6.29) N11.99(11.94)
b)4−[2,3−ビスベンジルオキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
4.2g(6ミリモル)の4−(アミノ)−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸及び5.8g(10ミリモル)の(2,3−ビスベンジルオキシ)−1,4−(ビス−2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)ベンゼン(Raymond他著のInorg.Chem.(2003),(42),4930)を、100mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0196】
収量:5.7g(理論値の89%)。
【0197】
元素分析:
C66.78(66.89) H5.70(5.66) N7.92(7.95)
c)4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
5.3g(5ミリモル)の4−[2,3−ビスベンジルオキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸を、50mLの酢酸及び50mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ100mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を20mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0198】
収量:3.15g(理論値の90%)。
【0199】
元素分析:
C53.14(53.27) H5.18(5.16) N11.99(11.95)
d)4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
2.8g(4ミリモル)の4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸を、100mLのテトラヒドロフラン及び20mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして0.92g(4ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、10mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、2mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0200】
収量:2.0g(理論値の56%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.1%。
【0201】
元素分析(無水物質に対して):
C43.55(43.69) H3.89(3.92) Gd18.39(18.17) N9.83(9.81)
【0202】
実施例15
a)4−(アミノ)−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
3.27g(15ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]ペンタンカルボン酸及び10.8g(30ミリモル)の3−ベンジルオキシ−6−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)−1[H]−ピリジン−2−オン(Raymond他著のInorg.Chem.(2000),(39),2652)を、200mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0203】
収量:4.9g(理論値の47%)。
【0204】
元素分析:
C63.42(63.49) H6.33(6.30) N11.99(11.91)
b)4−[2,3−ビスベンジルオキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
4.2g(6ミリモル)の4−(アミノ)−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸及び5.8g(10ミリモル)の(2,3−ビスベンジルオキシ)−1,4−(ビス−2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)ベンゼン(Raymond他著のInorg.Chem.(2003),(42),4930)を、100mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、100mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0205】
収量:5.8g(理論値の91%)。
【0206】
元素分析:
C66.78(66.92) H5.70(5.65) N7.92(7.88)
c)4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸
5.3g(5ミリモル)の4−[2,3−ビスベンジルオキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸を、50mLの酢酸及び50mLの濃塩化水素酸中に溶解させ、そして窒素下に暗中で3日間撹拌する。引き続き、真空中で濃縮させ、それぞれ100mLのメタノールと3回混合し、その都度再び濃縮する。残留物を20mLのメタノール中に取り、撹拌下にゆっくりと1000mLのジエチルエーテル中に入れる。沈殿した白色固体を、吸引分離し、ジエチルエーテルで引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0207】
収量:3.0g(理論値の86%)。
【0208】
元素分析:
C53.14(53.32) H5.18(5.24) N11.99(11.87)
d)4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
2.8g(4ミリモル)の4−[2,3−ジヒドロキシ−(4−カルボキシ)ベンゾイルアミノ]−5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ペンタンカルボン酸を、100mLのテトラヒドロフラン及び20mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして0.92g(4ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、10mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、2mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0209】
収量:2.2g(理論値の61%)の無色の粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.3%。
【0210】
元素分析(無水物質に対して):
C43.55(43.59) H3.89(3.87) Gd18.39(18.22) N9.83(9.86)
【0211】
実施例16
a)1−(ナトリウム スルホナトブチル)−4−カルボキシ−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン
4.31g(15ミリモル)の4−エトキシカルボニル−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン(国際特許出願WO03/016923号、実施例2)を15mLのDMF中で、0.41g(17ミリモル)の水酸化リチウムと混合し、そして2.04g(15ミリモル)の1,4−ブタンスルトンを添加した後に、室温で一晩撹拌する。引き続き溶剤を留去し、残留物を50mLの2Nの苛性ソーダ液と混合し、そして室温で6時間撹拌する。該溶液を、Amberlite(登録商標)IR−120(H+)イオン交換体の添加によってpH3に調整し、そして凍結乾燥させる。凍結乾燥物を、RP−18−Lichroprepカラム(溶出剤:水)上でクロマトグラフィーを行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発乾涸させる。
【0212】
収量:2.44g(理論値の39%)。
【0213】
元素分析:
C51.79(51.53) H4.83(4.97) N3.36(3.12) Na5.51(5.11) S7.68(7.29)
b)1−(ナトリウム スルホナトブチル)−4−(4−ニトロフェニルオキシカルボニル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン
2.09g(5ミリモル)の実施例16aからの表題化合物及び765mg(5.5ミリモル)のニトロフェノールを、30mLのDMF中に溶解させ、1mLのエチルジイソプロピルアミン及び1.77g(5.5ミリモル)のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートと混合し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(イソプロパノール)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0214】
収量:2.02g(理論値の75%)。
【0215】
元素分析:
C53.53(53.42) H4.31(4.55) N5.20(5.03) Na4.27(4.02) S5.95(6.20)
c)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
2.15g(4ミリモル)の実施例16bからの表題化合物及び262mg(1.2ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸(実施例4b)を、50mLのDMF中に溶解させ、870μL(5ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンと混合し、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0216】
収量:1.51g(理論値の89%)。
【0217】
元素分析:
C53.42(53.21) H5.41(5.67) N6.92(6.77) Na4.87(5.01) S6.79(6.38)
d)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
1.42g(1ミリモル)の実施例16cからの表題化合物を100mLのエタノール中に溶かした溶液に、1.0gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、更なる特性決定なくして錯化させる。
【0218】
収量:1.15g(定量的)。
【0219】
e)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
1.15g(1ミリモル)の実施例16dからの表題化合物を50mLの水中に入れたものに、pH8.5(pHスタット)で、371mg(1ミリモル)の塩化ガドリニウム六水和物を添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0220】
収量:1.04g(理論値の72%)。
含水率(カール・フィッシャー法):8.1%。
【0221】
元素分析(無水物質に対して):
C38.15(37.88) H4.12(4.23) Gd11.89(11.62) N7.41(7.39) Na6.95(7.11) S7.27(7.09)
【0222】
実施例17
a)2,3−ビスベンジルオキシテレフタル酸モノ−N−メチルアミド
20.0g(34.9ミリモル)のジスクシンイミド 2,3−ビス(ベンジルオキシ)テレフタレート(J Am Chem Soc 1991,113,2965)を、2.73g(34.9ミリモル)の40%のN−メチルアミン水溶液と混合し、そして室温で一晩撹拌する。引き続き、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノールのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0223】
収量:9.7g(理論値の71%)。
【0224】
元素分析:
C70.58(70.41) H5.41(5.29) N3.58(3.62)
b)2,3−ビスベンジルオキシテレフタル酸モノ−N−メチルアミド−モノ−(p−ニトロフェニルエステル)
7.83g(20ミリモル)の実施例17aからの表題化合物及び3.06g(22ミリモル)のニトロフェノールを、100mLのDMF中に溶解させ、5mLのエチルジイソプロピルアミン及び7.1g(22ミリモル)のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートと混合し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてイソプロパノールから再結晶化させる。
【0225】
収量:8.40g(理論値の82%)。
【0226】
元素分析:
C67.96(67.79) H4.72(4.66) N5.47(5.53)
c)4−アミノ−5−[ビス−(2−{1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル}−アミノエチル)アミノ]−ペンタンカルボン酸
2.15g(4ミリモル)の実施例16bからの表題化合物及び437mg(2ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸(実施例4b)を、50mLのDMF中に溶解させ、870μL(5ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンと一緒に、室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0227】
収量:1.14g(理論値の56%)。
【0228】
元素分析:
C53.14(52.94) H5.75(5.67) N8.26(8.32) Na4.52(4.76) S6.30(6.03)
d)4−[(2,3−ビス(ベンジルオキシ)−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
1.02g(1ミリモル)の実施例17cからの表題化合物及び0.67g(1.3ミリモル)の実施例17bに記載される活性エステルを、50mLのDMF中に溶解させ、1mLのN−エチルジイソプロピルアミンと混合し、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0229】
収量:1.17g(理論値の84%)。
【0230】
元素分析:
C58.74(58.47) H5.58(5.67) N7.05(7.13) Na3.31(3.12) S4.61(4.22)
e)4−[(2,3−ジヒドロキシ−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
973mg(0.7ミリモル)の実施例17dからの表題化合物を50mLのエタノール中に溶かした溶液に、0.5gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、更なる特性決定なくして錯化させる。
【0231】
収量:720mg(定量的)。
【0232】
f)4−[(2,3−ジヒドロキシ−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトブチル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体、ナトリウム塩
720mg(0.7ミリモル)の実施例17eからの表題化合物を50mLの水中に入れたものに、pH8.5(pHスタット)で、260mg(0.7ミリモル)の塩化ガドリニウム六水和物を添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0233】
収量:755mg(理論値の79%)。
含水率(カール・フィッシャー法):10.0%。
【0234】
元素分析(無水物質に対して):
C39.12(39.34) H3.94(4.07) Gd12.80(12.82) N7.98(8.21) Na7.49(7.86) S5.22(5.03)
【0235】
実施例18
a)1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−4−カルボキシ−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン
4.31g(15ミリモル)の4−エトキシカルボニル−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン(国際特許出願WO03/016923号、実施例2)を15mLのDMF中で、0.41g(17ミリモル)の水酸化リチウムと混合し、そして1.83g(15ミリモル)の1,3−プロパンスルトンを添加した後に、室温で一晩撹拌する。引き続き溶剤を留去し、残留物を50mLの2Nの苛性ソーダ液と混合し、そして室温で6時間撹拌する。該溶液を、Amberlite(登録商標)IR−120(H+)イオン交換体の添加によってpH3に調整し、そして凍結乾燥させる。凍結乾燥物を、RP−18−Lichroprepカラム(溶出剤:水)上でクロマトグラフィーを行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発乾涸させる。
【0236】
収量:5.49g(理論値の37%)。
【0237】
元素分析:
C50.62(50.41) H4.50(4.77) N3.47(3.30) Na5.70(5.92) S7.95(7.51)
b)1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−4−(4−ニトロフェニルオキシカルボニル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−1[H]−ピリジン−2−オン
2.02g(5ミリモル)の実施例18aからの表題化合物及び765mg(5.5ミリモル)のニトロフェノールを、30mLのDMF中に溶解させ、1mLのエチルジイソプロピルアミン及び1.77g(5.5ミリモル)のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートと混合し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(イソプロパノール)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0238】
収量:2.02g(理論値の77%)。
【0239】
元素分析:
C52.67(52.55) H4.04(3.89) N5.34(5.67) Na4.38(4.05) S6.11(6.49)
c)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
2.10g(4ミリモル)の実施例18bからの表題化合物及び262mg(1.2ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸(実施例4b)を、50mLのDMF中に溶解させ、870μL(5ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンと一緒に、室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0240】
収量:1.35g(理論値の82%)。
【0241】
元素分析:
C52.43(52.21) H5.13(5.43) N7.13(6.96) Na5.02(5.00) S7.00(6.69)
d)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸
1.37g(1ミリモル)の実施例18cからの表題化合物を100mLのエタノール中に溶かした溶液に、1.0gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、更なる特性決定なくして錯化させる。
【0242】
収量:1.10g(定量的)。
【0243】
e)5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}−エチル)−アミノ]−4−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
1.10g(1ミリモル)の実施例18dからの表題化合物を50mLの水中に入れたものに、pH8.5(pHスタット)で、371mg(1ミリモル)の塩化ガドリニウム六水和物を添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0244】
収量:1.03g(理論値の75%)。
含水率(カール・フィッシャー法):7.0%。
【0245】
元素分析(無水物質に対して):
C36.59(36.33) H3.78(3.87) Gd12.28(12.04) N7.66(7.50) Na7.18(6.82) S7.51(7.62)
【0246】
実施例19
a)4−アミノ−5−[ビス−(2−{1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル}−アミノエチル)アミノ]−ペンタンカルボン酸
2.10g(4ミリモル)の実施例18bからの表題化合物及び437mg(2ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)アミノ]ペンタンカルボン酸(実施例4b)を、50mLのDMF中に溶解させ、870μL(5ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンと一緒に、室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0247】
収量:1.03g(理論値の52%)。
【0248】
元素分析:
C52.22(52.13) H5.50(5.67) N8.50(8.38) Na4.65(4.86) S6.48(6.17)
b)4−[(2,3−ビス(ベンジルオキシ)−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
989mg(1ミリモル)の実施例19aからの表題化合物及び0.67g(1.3ミリモル)の実施例17bに記載される活性エステルを、50mLのDMF中に溶解させ、1mLのN−エチルジイソプロピルアミンと混合し、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0249】
収量:1.08g(理論値の79%)。
【0250】
元素分析:
C58.18(58.35) H5.40(5.61) N7.20(7.06) Na3.37(3.20) S4.71(4.44)
c)4−[(2,3−ジヒドロキシ−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
954mg(0.7ミリモル)の実施例19bからの表題化合物を50mLのエタノール中に溶かした溶液に、0.5gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。残留物を、更なる特性決定なくして錯化させる。
【0251】
収量:701mg(定量的)。
【0252】
元素分析:
C45.55(45.32) H4.93(5.12) N9.79(9.60) Na4.59(4.76) S6.40(6.17)
d)4−[(2,3−ジヒドロキシ−4−メチルアミノカルボニル)−ベンゾイルアミノ]−5−[ビス−(2−{[1−(ナトリウム スルホナトプロピル)−3−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル]−アミノ}エチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
701mg(0.7ミリモル)の実施例19cからの表題化合物を50mLの水中に入れたものに、pH8.5(pHスタット)で、260mg(0.7ミリモル)の塩化ガドリニウム六水和物を添加し、そして室温で一晩撹拌する。該反応混合物を、蒸発乾涸させ、そしてLichroprep RP−18上でクロマトグラフィー(水/アセトニトリルのグラジエント)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0253】
収量:700mg(理論値の75%)。
含水率(カール・フィッシャー法):10%。
【0254】
元素分析(無水物質に対して):
C38.03(37.88) H3.70(3.67) Gd13.10(12.96) N8.17(8.31) Na7.66(7.39) S5.34(5.61)
【0255】
実施例20
a)トリフルオロメタンスルホン酸−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチルエトキシ)プロピ−2−イル]−エステル
30.02g(50ミリモル)の1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロパン−2−オール(Cassel他著のEur.J.Org.Chem.,2001,5,875−896)及び6.43g(60ミリモル)の2,6−ジメチルピリジンを、300mLの塩化メチレン中に溶解させ、−20℃でゆっくりと、15.52g(55ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物と混合し、前記温度で2時間撹拌する。該反応混合物を、0℃に加温し、そしてそれぞれ100mlの氷水で2回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、真空中で蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0256】
収量:30.2g(理論値の82%)、無色の油状物。
【0257】
元素分析:
C62.28(62.66) H5.91(6.12) N7.78(7.44)
b)3−ベンジルオキシ−1−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル
11.5g(40ミリモル)の3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル(Dobel他著のInorg.Chem.2003,42,4935)を、0℃で、150mlのTHF中に溶解させ、そしてゆっくりと41.5ml(44ミリモル)のLiHMDS(1.06M、THF中)と混合する。引き続き、−20℃で、29.31g(40ミリモル)の実施例20aからの表題化合物を、100mlのTHF中に溶解させて滴加し、そして前記温度で2時間、そして0℃で4時間撹拌する。該反応混合物を、真空中で蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0258】
収量:23.4g(理論値の67%)、無色の油状物。
【0259】
元素分析:
C73.17(73.44) H6.84(6.87) N1.61(1.59)
c)3−ベンジルオキシ−1−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸
22.5g(25.86ミリモル)の実施例20bからの表題化合物を、200mlのメタノール及び50mlの2Nの水酸化カリウム溶液中に溶解させ、そして還流下に6時間加熱する。それを蒸発乾涸させ、残留物を250mlの水中に取り、6Nの塩酸で酸性化する(pH=1)。沈殿した沈殿物を、吸引分離し、水で複数回、引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0260】
収量:21.4g(理論値の98%)、無色の固体。
【0261】
元素分析:
C72.75(72.88) H6.58(6.62) H1.66(1.58)
d)3−ベンジルオキシ−1−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−4−ニトロフェニルオキシカルボニル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン
20.8g(24.7ミリモル)の実施例20cからの表題化合物及び3.78g(27.17ミリモル)の4−ニトロフェノールを、200mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、5.61g(27.17ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミド(Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を濾別し、濾液を蒸発乾涸させ、そして粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶させる。
【0262】
収量:20.5g(理論値の87%)、無色の固体。
【0263】
元素分析:
C71.09(71.25) H6.07(6.11) N2.91(2.87)
e)[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチルエトキシ)プロピ−2−イル]−アミン
14.66g(20ミリモル)の実施例20aからの表題化合物を、200mLのジメチルアセトアミド中に溶解させ、1.44g(22ミリモル)のナトリウムアジドを20mlの水中で混合し、そして引き続き60℃で12時間撹拌する。冷却した後に、反応混合物を800mlの水で希釈し、そしてそれぞれ300mlのジエチルエーテルで2回抽出する。濃縮した有機相を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、そして蒸発乾涸させる。粗生成物を、500mlのジエチルエーテル中に溶解させ、慎重に1.9g(50ミリモル)の水素化リチウムアルミニウムと混合し、そして室温で4時間撹拌する。過剰の水素化物を、30mlのエタノールと500mlの水とを慎重に添加することによって分解し、そして該混合物を引き続きそれぞれ300mlのジエチルエーテルで2回抽出する。濃縮した有機相を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、蒸発乾涸させ、そして残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0264】
収量:8.6g(理論値の71%)、無色の油状物。
【0265】
元素分析:
C74.10(74.35) H7.56(7.59) N2.34(2.27)
f)2,3−ビスベンジルオキシ−N−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)プロピ−2−イル]−テレフタル酸モノアミドメチルエステル
5.89g(15ミリモル)の2,3−ビスベンジルオキシテレフタル酸モノメチルエステル(Dobel他著のInorg.Chem.2003,42,4935)を50mlのトルエン中に溶かした溶液に、2.2ml(25ミリモル)の塩化オキサリルと一滴のDMFを添加し、そして60℃に4時間加熱する。真空中で蒸発させた後に、残留物を30mlのTHF中に溶解させ、そして9.6g(16ミリモル)の実施例20eからの表題化合物及び2.05g(20ミリモル)のトリエチルアミンの0℃に冷却された溶液に滴加し、そして室温で16時間撹拌する。引き続き、真空中で蒸発乾涸させ、そして残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0266】
収量:12.9g(理論値の89%)、無色の油状物。
【0267】
元素分析:
C73.98(74.21) H6.52(6.48) N1.44(1.37)
g)2,3−ビスベンジルオキシ−N−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)プロピ−2−イル]−テレフタル酸モノアミド
12.5g(12.83ミリモル)の実施例20fからの表題化合物を、100mlのメタノール及び25mlの2Nの水酸化カリウム溶液中に溶解させ、そして還流下に6時間加熱する。それを蒸発乾涸させ、残留物を250mlの水中に取り、6Nの塩酸で酸性化する(pH=1)。沈殿した沈殿物を、吸引分離し、水で複数回、引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0268】
収量:11.8g(理論値の96%)、無色の固体。
【0269】
元素分析:
C73.81(73.96) H6.40(6.42) N1.46(1.44)
h)2,3−ビスベンジルオキシ−N−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)プロピ−2−イル]−テレフタル酸モノアミド−(4−ニトロフェニル)−エステル
11.5g(11.98ミリモル)の実施例20gからの表題化合物及び1.83g(13.18ミリモル)の4−ニトロフェノールを、200mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、2.72g(27.17ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミド(Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を濾別し、濾液を蒸発乾涸させ、そして粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶させる。
【0270】
収量:10.7g(理論値の82%)、無色の固体。
【0271】
元素分析:
C72.21(72.39) H5.97(6.00) N2.59(2.56)
i)4−(アミノ)−5−[ビス−(2−{3−ベンジルオキシ−1−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノエチル)アミノ]−ペンタンカルボン酸
1.09g(5ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸及び9.63g(10ミリモル)の実施例20dからの表題化合物を、100mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、50mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0272】
収量:4.37g(理論値の47%)。
【0273】
元素分析:
C71.44(71.62) H6.91(6.97) N4.50(4.41)
j)4−({2,3−ビスベンジルオキシ−N−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−エチルカルバモイル}−ベンゾイルアミノ)−5−[ビス−(2−{3−ベンジルオキシ−1−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル}−アミノエチル]−アミノ)−ペンタンカルボン酸
4.0g(2.14ミリモル)の実施例20iからの表題化合物及び2.89g(2.67ミリモル)の実施例20hからの表題化合物を、500mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、50mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0274】
収量:5.66g(理論値の94%)。
【0275】
元素分析:
C72.71(72.93) H6.71(6.77) N3.49(3.44)
k)4−({2,3−ジヒドロキシ−N−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−エチルカルバモイル}−ベンゾイルアミノ)−5−[ビス−(2−{3−ヒドロキシ−1−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル}−アミノエチル]−アミノ)−ペンタンカルボン酸
5.0g(1.78ミリモル)の実施例20jからの表題化合物を100mLのエタノール中に溶かした溶液に、1.0gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0276】
収量:2.45g(定量的)の無色の固体。
【0277】
元素分析:
C50.98(51.26) H6.71(6.78) N7.18(7.04)
l)4−({2,3−ジヒドロキシ−N−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−エチルカルバモイル}−ベンゾイルアミノ)−5−[ビス−(2−{3−ヒドロキシ−1−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル}−アミノエチル]−アミノ)−ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
2.1g(1.54ミリモル)の実施例20kからの表題化合物を、40mLのテトラヒドロフラン及び10mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして0.36g(1.55ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、50mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0278】
収量:1.67g(理論値の67%)の淡色の灰帯黄色に着色した粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.7%。
【0279】
元素分析(無水物質に対して):
C45.16(45.47) H5.68(5.81) Gd10.19(10.00) N6.36(6.22)
【0280】
実施例21
a)3−ベンジルオキシ−6−ホルミル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル
5.75g(20ミリモル)の3−ベンジルオキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル(Dobel他著のInorg.Chem.2003,42,4935)を、50mlのジオキサン中に溶解させ、そして8.88g(80ミリモル)の酸化セレンと混合する。引き続き、マイクロ波中で60分間100℃に加熱する。該反応混合物を、濾別し、濾液を、真空中で蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0281】
収量:5.05g(理論値の84%)、黄色の固体。
【0282】
元素分析:
C63.78(64.02) H5.02(5.17) N4.65(4.33)
b)3−ベンジルオキシ−6−カルボキシラト−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル
4.5g(14.94ミリモル)の実施例21aからの表題化合物を、50mlのDMF中に溶解させ、そして9.22g(15ミリモル)のオキソンと混合する。引き続き、室温で24時間撹拌する。該反応混合物を、200mlの0.5Mの塩酸と混合し、そしてそれぞれ100mlのジクロロメタンで3回抽出する。濃縮した有機相を、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、真空中で蒸発乾涸させ、そして残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 10:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0283】
収量:3.04g(理論値の64%)、無色の固体。
【0284】
元素分析:
C60.57(60.72) H4.77(4.81) N4.41(4.27)
c)3−ベンジルオキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチルエステル
4.76g(15ミリモル)の実施例21bからの表題化合物を50mlのトルエン中に溶かした溶液に、2.2ml(25ミリモル)の塩化オキサリル及び一滴のDMFを添加し、そして60℃に4時間加熱する。真空中で蒸発させた後に、残留物を30mlのTHF中に溶解させ、そして9.6g(16ミリモル)の実施例20eからの表題化合物及び2.05g(20ミリモル)のトリエチルアミンの0℃に冷却された溶液に滴加し、そして室温で16時間撹拌する。引き続き、真空中で蒸発乾涸させ、そして残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、真空中で蒸発させる。
【0285】
収量:13.5g(理論値の75%)、無色の油状物。
【0286】
元素分析:
C70.81(70.99) H6.50(6.53) N3.12(3.17)
d)3−ベンジルオキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸
13.0g(14.46ミリモル)の実施例21cからの表題化合物を、100mlのメタノール及び30mlの2Nの水酸化カリウム溶液中に溶解させ、そして還流下に6時間加熱する。それを蒸発乾涸させ、残留物を250mlの水中に取り、6Nの塩酸で酸性化する(pH=1)。沈殿した沈殿物を、吸引分離し、水で複数回、引き続き洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0287】
収量:12.25g(理論値の97%)、無色の固体。
【0288】
元素分析:
C70.33(70.47) H6.25(6.31) N3.22(3.18)
e)3−ベンジルオキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−4−ニトロフェニルカルボニル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸
11.8g(13.55ミリモル)の実施例21dからの表題化合物及び2.07g(14.91ミリモル)の4−ニトロフェノールを、150mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして0℃で、3.08g(14.91ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミド(Fluka)を添加し、そして引き続き室温で20時間撹拌する。該反応混合物を濾別し、濾液を蒸発乾涸させ、そして粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶させる。
【0289】
収量:11.9g(理論値の89%)、無色の固体。
【0290】
元素分析:
C69.01(69.38) H5.79(5.87) N4.24(4.03)
f)5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ベンジルオキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
685mg(3.14ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸及び11.2g(11.29ミリモル)の実施例21eからの表題化合物を、50mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、30mLの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び30mLの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0291】
収量:7.78g(理論値の89%)、無色の固体。
【0292】
元素分析:
C70.06(70.34) H6.46(6.52) N5.04(4.99)
g)5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ヒドロキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
7.0g(2.52ミリモル)の実施例21fからの表題化合物を100mLのエタノール中に溶かした溶液に、1.5gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0293】
収量:3.61g(定量的)の無色の固体。
【0294】
元素分析:
C48.03(48.42) H6.22(6.31) N9.83(9.71)
h)5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ヒドロキシ−6−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
3.0g(2.10ミリモル)の実施例21gからの表題化合物を、50mLのテトラヒドロフラン及び10mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして483mg(2.10ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、5mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、1.5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0295】
収量:2.33g(理論値の67%)の淡色の灰帯黄色に着色した粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):4.5%。
【0296】
元素分析(無水物質に対して):
C43.34(43.43) H5.42(5.44) Gd9.95(9.77) N8.87(8.91)
【0297】
実施例22
a)5−(ビス−{2−[(3−ベンジルオキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ベンジルオキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
607mg(2.78ミリモル)の4−アミノ−5−[ビス−(2−アミノエチル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸及び9.63g(10ミリモル)の実施例20dからの表題化合物を、50mLの塩化メチレン中に溶解させ、そして室温で3日間撹拌する。該反応混合物を、30mLの1Nの水酸化ナトリウム溶液及び30mLの飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾涸させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 20:1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0298】
収量:6.25g(理論値の83%)、無色の固体。
【0299】
元素分析:
C72.40(72.66) H6.82(6.87) N3.63(3.59)
b)5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ヒドロキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸
6.0g(2.52ミリモル)の実施例22aからの表題化合物を100mLのエタノール中に溶かした溶液に、1.5gのパラジウム触媒(10%のPd/C)を添加し、そして室温で48時間水素化する。触媒を濾別し、そして濾液を真空中で蒸発乾涸させる。
【0300】
収量:2.23g(定量的)の無色の固体。
【0301】
元素分析:
C51.51(51.79) H6.93(6.99) N7.25(7.17)
c)5−(ビス−{2−[(3−ヒドロキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]エチル}アミノ)−4−[(3−ヒドロキシ−1−{[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロピ−2−イル]−カルバモイル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ペンタンカルボン酸のガドリニウム錯体
2.0g(1.48ミリモル)の実施例22bからの表題化合物を、50mLのテトラヒドロフラン及び10mLのメタノール中に還流下で溶解させ、そして340mg(1.48ミリモル)の三塩化ガドリニウム六水和物を、5mLのテトラヒドロフラン/メタノール(5:1)中に溶解させて、ゆっくりと加熱しつつ添加し、その際、白色の沈殿物が沈殿する。引き続き、1.5mLのピリジンを添加し、そして還流下に18時間加熱する。錯化が完了した後に、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)を行う。生成物を含有するフラクションを合して、蒸発させる。
【0302】
収量:1.72g(理論値の73%)の淡色の灰帯黄色に着色した粉末。
含水率(カール・フィッシャー法):5.1%。
【0303】
元素分析(無水物質に対して):
C46.24(46.51) H6.02(6.09) Gd10.44(10.31) N6.51(6.47)
【0304】
生体分子とのガドリニウム錯体−複合体(実施例23〜52)
新規の本発明によるGd錯体の極めて良好な緩和度特性を証明するために、生体分子との錯体−複合体を製造した。従って、巨大分子との固定化によって、生体分子マーカーとしてのGd錯体の適性を試験することができる。
【0305】
実施例23〜52は、前記のガドリニウム錯体と生体分子との金属錯体−複合体を記載している。該複合体を、以下の作業手順I〜Vに従って製造した。結果を第1表にまとめる。ここでは、"AAV"は、一般的な作業手順を表し、"ACTH"は、副腎皮質刺激ホルモンを表し、"BSA"は、ウシ血清アルブミンを表し、"HSA"は、ヒト血清アルブミンを表し、そして"RP−18"は、"逆相"クロマトグラフィー固定相を呼称する。1生体分子あたりの錯体の数はICP(誘導結合プラズマ原子放出分光法)によって測定した。
【0306】
一般的な作業手順(AAV)I:アルブミン−アミド−複合体
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷冷下で前活性化させる。活性化エステル混合物を150mLのリン酸緩衝液(pH7.4)中の16.75g(0.25ミリモル)のアルブミン(BSAもしくはHSA)の溶液に30分以内で滴加し、かつ室温で2時間撹拌する。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(登録商標)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(登録商標)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させる。
【0307】
一般的な作業手順(AAV)II:アルブミン−マレイミド−複合体
1mLのDMF中の0.0438ミリモルのGd錯体マレイミドを、15mLのリン酸緩衝液(pH7.4)中に溶解された0.84g(0.0125ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)に添加し、かつ室温で1時間撹拌する。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(登録商標)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(登録商標)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させる。
【0308】
一般的な作業手順(AAV)III:チオ尿素−複合体
0.1ミリモルのGd錯体−イソチオシアネートを5mLのDMF中に入れたものを、15mLのリン酸緩衝液(pH8.0)中に溶解された0.84g(0.0125ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)に添加し、かつ室温で1時間撹拌する。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(登録商標)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(登録商標)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させる。
【0309】
一般的な作業手順(AAV)IV:アミド−複合体の製造
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させる。活性化エステル混合物を15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルのアミン成分の溶液に滴加し、かつ室温で一晩撹拌する。配合溶液を濾過し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う。
【0310】
一般的な作業手順(AAV)V:マレイミド−SH−複合体の製造
15mLのDMF中の3ミリモルのGd錯体マレイミドを15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルのSH−成分に滴加し、かつ室温で1時間撹拌する。配合溶液を、シリカゲル上でクロマトグラフィーを行う。
【0311】
【表1】

【0312】
【表2】

【0313】
実施例53
この実施例においては、比較のために、従来技術の物質の緩和度を測定した。比較物質としては、以下の式の複合体を使用した(1:1錯体):
【化7】

【0314】
測定は、水溶液中で+30℃において実施した。T1−緩和度は、20MHzで40.6が、そして60MHzで21.7が測定された。
【0315】
それに対して、本発明による複合体のT1緩和度は、60MHzにおいて、上述の第1表から分かるように20MHzの場合よりも高い。従って、本発明による複合体は、より高い磁場においてより高い緩和度を有するので、臨床的なNMR診断装置と一緒に使用するために特に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
(K)3−A−U−X (I)
[式中、
Kは、互いに無関係に、基
【化1】

を表し、その際、
Zは、水素原子又は金属イオン当量分を表し、
1は、水素原子又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜4個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−SO3H基(該基は、場合により保護された形で存在する)、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよく、
2は、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基、−COOH、ハロゲン、−CONR34、−SO3H又は−PO32を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR3基で中断されており、場合により、1〜2個のヒドロキシ基、1〜2個のカルボキシル基、1〜2個の−SO3H基、1〜2個の−PO32基及び/又は1〜2個のハロゲン原子で置換されており、かつ/又は場合により1〜2個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該アルキル基又はアルキル基の一部は、環状であってよく、
3及びR4は、互いに無関係に、水素原子又は直鎖状の、分枝鎖状のもしくは環状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基を表し、前記アルキル基は、場合により、1〜4個のヒドロキシ基で置換されているか、又は1〜2個の酸素原子で中断されており、
1及びW2は、互いに無関係に、基R1又は−CONR34を表し、
Aは、基
【化2】

を表し、その式中、位置αはKに結合されており、かつ位置βはUに結合されており、
Uは、直接的な結合又は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20−アルキレン基を表し、前記アルキレン基は、場合により、1〜4個の酸素原子、1〜4個の硫黄原子、1〜4個の窒素原子、1〜4個の−NR3基、1〜4個の−NHCO基、1〜4個の−CONH基、1〜4個の−O−P−(=O)(−OH)−O基及び/又は1〜2個のアリーレン基で中断されており、場合により、1〜3個の直鎖状の、分枝鎖状のもしくは環状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10−アルキル基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のカルボキシル基、1〜3個のアリール基、1〜3個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の−O−C1〜C6−アルキル基(その際、該アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状であり、飽和又は不飽和である)で置換されており、かつ/又は場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、前記アルキレン基又はアルキレン基の一部は、環状であってよく、かつ
Xは、生体分子と反応しうる基を表す]で示される化合物並びにそれらの塩。
【請求項2】
請求項1記載の化合物であって、式中、Uが、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−CH2−CO−NH−CH2−、−CH(CH3)−CO−NH−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−CH2−フェニレン−、−フェニレン−、−シクロヘキシレン−、−CH2−フェニレン−O−CH2−、−CH2−フェニレン−O−CH2−CO−NH−CH2−CH2−、−フェニレン−O−CH2−、−CO−フェニレン−、−CO−フェニレン−CO−NH−CH2−CH2−、−(CH24−、−(CH24−NH−CO−CH2−CH2−及び−(CH24−NH−CO−CH2−O−CH2−からなる群から選択され、その際、前記基は、読みの方向の左側でAに結合されており、かつ読みの方向の右でXに結合されている化合物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の化合物であって、式中、Xが、カルボキシル、活性化カルボキシル、アミノ、イソシアネート、イソチオシアネート、ヒドラジン、セミカルバジド、チオセミカルバジド、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ヨードアセトアミド、アシルアミノ、混合無水物、アジド、ヒドロキシド、スルホニルクロリド、カルボジイミド、ピリジル−CH=CH2及び式
【化3】

[式中、Halは、ハロゲン原子である]で示される基からなる群から選択される化合物。
【請求項4】
請求項3記載の化合物であって、式中、活性化カルボキシル基が
【化4】

から選択される化合物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物であって、式中、基Zの少なくとも2つが、原子番号21〜29、42、44及び58〜70の常磁性元素の金属イオン当量分を表す化合物。
【請求項6】
一般式
(K)3−A−U−X (I)
[式中、K、A、U及びXは、請求項1の定義の通りである]で示される化合物を、生体分子との複合体の製造のために用いる使用。
【請求項7】
請求項6記載の使用であって、生体分子が、生体ポリマー、タンパク質、合成により変性された生体ポリマー、炭水化物、抗体、DNA及びRNA断片、β−アミノ酸、細胞に通過させるためのベクトルアミン、生体原アミン、医薬品、癌原調製物、生物学的標的に向けられる合成ポリマー、ステロイド、プロスタグランジン、タキソール及びその誘導体、エンドセリン、アルカロイド、葉酸及びその誘導体、生体活性脂質、脂肪、脂肪酸エステル、合成的に変性されたモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、表面上で誘導体化されているリポソーム、天然の脂肪酸又はペルフルオロアルキル化合物からなるミセル、ポリフィリン、テキサフリン、拡張ポルフィリン、シトクロム、インヒビター、ノイラミダーゼ、ニューロペプチド、免疫調節剤、エンドグリコシダーゼ、酵素カルモジュリンキナーゼ、カゼインキナーゼII、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヘパリナーゼ、基質−メタロプロテアーゼ、β−インスリン−レセプター−キナーゼ、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、フコシダーゼ、G−タンパク質、ガラクトシダーゼ、グリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ及びキシロシダーゼによって攻撃される基質、抗生物質、ビタミン及びビタミン類似体、ホルモン、DNA−インターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ビタミンB12、ルイスX及び類似物、ソラーレン、ジエントリエン抗生物質、カルバシクリン、VEGF、ソマトスタチン及びその誘導体、ビオチン誘導体、抗ホルモン、腫瘍特異的タンパク質及び合成薬、生体の酸性又は塩基性の領域に集積するポリマー、ミオグロビン、アポミオグロビン等、神経伝達ペプチド、腫瘍壊死因子、炎症組織に集積するペプチド、血液プール試薬、アニオン及びカチオン−輸送タンパク質、ポリエステル、ポリアミド及びポリホスフェートからなる群から選択される使用。
【請求項8】
一般式I
(K)3−A−U−X (I)
[式中、K、A、U及びXは、請求項1の定義通りである]で示される化合物の製造方法において、一般式II
A′−U−X (II)
[式中、U及びXは、請求項1の定義通りであり、かつA′は、四結合性の基Aの前駆体を表す]で示される化合物をNu−K(その際、Kは、請求項1の定義通りであり、K及びXは、場合によりそれらの保護された形で存在し、かつNuは、脱離基である)と反応させ、引き続き場合により存在する保護基を除去し、そして所望であれば自体公知のようにして所望の元素の少なくとも1種の金属酸化物又は金属塩と反応させ、そして場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性の水素原子を完全に又は部分的に無機塩基及び/又は有機塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンによって置換する方法。

【公表番号】特表2008−525343(P2008−525343A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547325(P2007−547325)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013731
【国際公開番号】WO2006/069676
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507210421)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−13353 Berlin, Germany
【出願人】(507209470)エピックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】EPIX Pharmaceuticals Inc.
【住所又は居所原語表記】161 First Street, Cambridge, MA 02142, USA
【Fターム(参考)】