説明

ヒューズセット及び電気接続箱

【課題】複数のヒューズを含む電気接続箱において、ヒューズの接続対象となるバスバーの製造及び取り付けを容易化でき、さらに、ヒューズの接続系統の設計変更への適応性を高めること。
【解決手段】電気接続箱が備えるヒューズセット1は、第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bを含む。第一ヒューズ1Aは、他のヒューズの端子部と差し込み構造により連結される連結部14を備える。連結部14は、一次側端子部10Aから、2つの端子部の配列方向である第一方向及び2つの端子部の差し込み方向である第二方向に交差する第三方向へ張り出して一次側端子部10Aと一体に形成されている。第二ヒューズ1Bは、一次側端子部10Bの一部に形成され第一ヒューズ1Aの連結部14と差し込み構造により連結される被連結部である音叉端子12を備える。また、第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aも、第二ヒューズ1Bと同様に音叉端子12を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等で用いられるヒューズセット及びヒューズセットが組み込まれた電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に代表される車両で用いられるヒューズは、バッテリからモータなどの負荷へ至る電流経路を構成するバスバーの途中に設けられる。
【0003】
図12は、従来のヒューズ100及びバスバーの斜視図である。図12に示されるように、ヒューズ100は、一次側バスバー9Aに接続される導体である一次側端子部10と、二次側バスバー9Bに接続される導体である二次側端子部20と、両端が一次側端子部10及び二次側端子部20に繋がった導体である溶断部30とを備える。
【0004】
なお、図12において、便宜上、ヒューズ100が備える2つの端子部は、一次側端子部10と二次側端子部20とに区別されている。しかしながら、従来のヒューズ100において、2つの端子部は同じ構造を備え、一次側バスバー9Aに接続された端子部が一次側端子部10として機能し、二次側バスバー9Bに接続された端子部が二次側端子部20として機能する。
【0005】
一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bは、それぞれ電流経路における上流側及び下流側のバスバーである。車両において、一次側バスバー9Aは、バッテリの正極端子と電気的に接続され、二次側バスバー9Bは、電装機器などの負荷と電気的に接続されている。以下の説明において、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bの総称をバスバー9とする。
【0006】
また、図12に示されるように、ヒューズ100とバスバー9とは、差し込み構造により接続される。より具体的には、ヒューズ100において、一次側端子部10及び二次側端子部20の先端部分は平板状のタブ端子11,21である。一方、バスバー9におけるヒューズ100が接続される部分は、切り込み93が形成された部分である音叉端子91である。
【0007】
ヒューズ100のタブ端子11,21がバスバー9の音叉端子91に差し込まれることにより、ヒューズ100における一次側端子部10及び二次側端子部20の各々は、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bの各々に対して固定されるとともに、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bの各々と電気的に接続される。
【0008】
なお、ヒューズ100において、一次側端子部10及び二次側端子部20各々におけるタブ端子11,21以外の多くの部分は、絶縁部材により覆われている。しかしながら、図12において、絶縁部材の記載は省略されている。
【0009】
また、車両において、複数のヒューズ100及びヒューズ100と接続されるバスバー9は、電気接続箱としてユニット化される。電気接続箱は、絶縁材料からなる基体と、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bと、複数のヒューズ100とを備える。基体は、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bが固定された部材であり、複数のヒューズ100は、基体に形成された複数のヒューズ装着部に取り付けられる。
【0010】
また、図12に示されるように、従来の一般的な電気接続箱においては、負荷の系統ごとに設けられた複数のヒューズ100が、バッテリなどの1つの電源の正極端子に接続された1つの一次側バスバー9Aに対して接続されることが多い。
【0011】
一方、特許文献1には、電気接続箱における隣り合うヒューズの一次側端子部どうしが、ヒューズから独立した導体からなる短絡部材により接続されることについて示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−190246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図12に示されるように、従来の一般的な電気接続箱は、複数の音叉端子が形成された複雑な形状の一次側バスバーの製造及びその複雑な形状の一次側バスバーを基体に組み込む作業を必要とする。さらに、従来の一般的な電気接続箱は、ヒューズの接続系統が僅かに変更されるだけの場合にも、一次側バスバー及び基体の形状変更を要する。
【0014】
即ち、従来の一般的な電気接続箱は、ヒューズの接続対象となるバスバーの製造及び取り付けが難しく、さらに、設計変更への適応性に劣るという問題点を有している。
【0015】
一方、特許文献1に示されるヒューズ回路においては、ヒューズの接続対象となるバスバーの構造が簡素化されるため、バスバーの製造及び取り付けが容易となる。さらに、特許文献1に示されるヒューズ回路は、設計変更への適応性に優れている。
【0016】
しかしながら、特許文献1に示されるヒューズ回路は、1つの一次側バスバーに接続されるヒューズの数が増えるほど、多くの短絡部材を必要とする。しかしながら、電気接続箱において、製造工数の低減のため、部品点数の削減が求められている。
【0017】
本発明は、複数のヒューズを含む電気接続箱において、ヒューズの接続対象となるバスバーの製造及び取り付けを容易化でき、さらに、ヒューズの接続系統の設計変更への適応性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1発明に係るヒューズセットは、複数のヒューズからなり、各ヒューズは、第一端子部及び第二端子部、並びに溶断部を有する。前記第一端子部及び前記第二端子部は、それぞれ第一方向において並列された導体からなり、前記第一方向に直交する第二方向に沿って接続対象に差し込まれる端子部である。また、前記溶断部は、両端が前記第一端子部及び第二端子部の各々に繋がった導体からなる部分である。そして、第1発明に係るヒューズセットにおいて、前記複数のヒューズは、第一ヒューズ及び第二ヒューズを含む。前記第一ヒューズは、前記第一端子部から前記第一方向及び第二方向に交差する第三方向へ張り出して前記第一端子部と一体に形成され、他のヒューズの端子部と差し込み構造により連結される連結部を備えたヒューズである。前記第二ヒューズは、前記第一端子部の一部に形成され前記第一ヒューズの前記連結部と差し込み構造により連結される被連結部、を備えたヒューズである。
【0019】
また、第2発明に係るヒューズセットは、第1発明に係るヒューズセットの一例である。第2発明に係るヒューズセットにおいて、前記第一ヒューズも、他の前記第一ヒューズの前記連結部と差し込み構造により連結される前記被連結部を備える。
【0020】
また、第3発明に係るヒューズセットは、第1発明又は第2発明に係るヒューズセットの一例である。第3発明に係るヒューズセットにおいて、前記連結部における前記被連結部と接触する部分は板状のタブ端子である。さらに、第3発明に係るヒューズセットにおいて、前記被連結部は、前記第一端子部における、前記連結部の前記タブ端子が差し込まれる切れ込みが形成された音叉端子である。
【0021】
また、第4発明に係るヒューズセットは、第3発明に係るヒューズセットの一例である。第4発明に係るヒューズセットにおいて、前記連結部の前記タブ端子は前記第一方向を厚み方向とする平板状である。さらに、第4発明に係るヒューズセットにおいて、前記音叉端子の切れ込みは前記第二方向に沿って形成されている。
【0022】
また、本発明は、第1発明から第4発明のいずれかに係るヒューズセットを備えた電気接続箱の発明として捉えられてもよい。即ち、本発明に係るヒューズセットは、導体からなる1つ以上の第一バスバーと、導体からなる複数の第二バスバーと、前記第一バスバー及び前記第二バスバーが固定された絶縁部材からなる基体と、第1発明から第4発明のいずれかに係るヒューズセットと、を備える。さらに、本発明に係る電気接続箱において、前記第一ヒューズ及び前記第二ヒューズのうちの少なくとも1つの前記第一端子部は、前記第一バスバーの被差し込み部に差し込まれて支持されている。さらに、本発明に係る電気接続箱において、前記第一ヒューズ及び前記第二ヒューズの全ての前記第二端子部各々は、複数の前記第二バスバーのうちのいずれかの被差し込み部に差し込まれて支持されている。
【発明の効果】
【0023】
第1発明に係るヒューズセットにおいて、複数のヒューズは、2つの端子部の配列方向である第一方向と、2つの端子部のバスバーへの差し込み方向である第二方向とに交差する第三方向において並べて取り付けられる。そして、第一ヒューズの連結部が、第一ヒューズの第一端子部から、隣に配置された第二ヒューズの第一端子部に形成された被連結部に架け渡され、第一ヒューズの第一端子部と第二ヒューズの第二端子部とが電気的に接続される。即ち、第1発明に係るヒューズセットにおいては、ヒューズ自体が、第一端子部の部分に、隣に配置された他のヒューズとの連結のための構造(連結部及び被連結部)を備える。
【0024】
従って、複数のヒューズの第一端子部と1つのバスバーとが電気的に接続される必要がある場合、第1発明によれば、第三方向において並べて取り付けられた複数のヒューズのうちの少なくとも1つのヒューズの第一端子部がバスバーに物理的に接続されれば、複数の第一端子部は、連結部及び被連結部を通じて電気的に接続される。その結果、複数のヒューズを含む電気接続箱において、ヒューズの接続対象となるバスバーの製造及び取り付けを容易化できる。
【0025】
また、第1発明において、連結部を備えていない第二ヒューズが、2つの第一ヒューズの間に配置された場合、それら2つの第一ヒューズ各々の第一端子部は、電気的に接続されない。従って、第1発明によれば、ヒューズの接続系統の設計変更に対し、第一ヒューズ及び第二ヒューズの組合せの変更だけで対応可能な場合が多い。即ち、第1発明に係るヒューズセット及びそれを備えた電気接続箱は、ヒューズの接続系統の設計変更への適応性が優れている。
【0026】
また、第2発明においては、第一ヒューズも被連結部を備える。そのため、第2発明に係るヒューズセットは、3つ以上のヒューズの第一端子部が1つのバスバーに対して電気的に接続される必要がある場合に好適である。
【0027】
また、第3発明においては、連結部及び被連結部の差し込み構造が、タブ端子及び音叉端子の差し込み構造である。そのため、第一端子部の連結の構造を、ごく簡易な構造により実現することができる。
【0028】
また、第4発明においては、第一端子部及び第二端子部の接続対象(バスバーなど)に対する差し込み方向(第二方向)と、被連結部(音叉端子)に対する連結部(タブ端子)の差し込み方向とが同じである。そのため、新たな第一ヒューズの第一端子部及び第二端子部が接続対象に差し込まれるだけで、その第一ヒューズの連結部であるタブ端子は、先に接続対象に接続済みの隣の第二ヒューズ又は第一ヒューズにおける被連結部である音叉端子に差し込まれる。従って、第4発明によれば、複数の第一端子部を連結するための特別な作業は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るヒューズセット1の第1の斜視図である。
【図2】ヒューズセット1の導体部分の斜視図である。
【図3】ヒューズセット1の第2の斜視図である。
【図4】ヒューズセット1がバスバーに接続される状態を示す斜視図である。
【図5】バスバーに接続されたヒューズセット1の側面図である。
【図6】バスバーに接続されたヒューズセット1の平面図である。
【図7】バスバーに接続されたヒューズセット1の正面図である。
【図8】連結されたヒューズセット1の導体部分の斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る電気接続箱2が備える基体8の平面図である。
【図10】電気接続箱2の平面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る電気接続箱2Aの平面図である。
【図12】従来のヒューズ及びバスバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0031】
<ヒューズセットの実施形態>
まず、図1から図8を参照しつつ、本発明の実施形態に係るヒューズセット1の構成について説明する。図1に示されるように、ヒューズセット1は、1つ以上の第一ヒューズ1Aと1つ以上の第二ヒューズ1Bとを含む。なお、図1から図4には、1つの第一ヒューズ1A及び1つの第二ヒューズ1Bが示されているが、ヒューズ1セットが、2つ以上の第一ヒューズ1A又は2つ以上の第二ヒューズ1Bを含むことも考えられる。
【0032】
<第一ヒューズ>
第一ヒューズ1Aは、一次側端子部10A、連結部14、二次側端子部20、溶断部30及び被覆部材40Aを備えている。第一ヒューズ1Aにおいて、一次側端子部10A、連結部14、二次側端子部20及び溶断部30は、一連に連なった板状の導体からなり、例えば、銅などの金属の板材に錫メッキが施された導体からなる。一方、被覆部材40Aは、樹脂などの絶縁材料で構成された部材である。なお、図1において、第一ヒューズ1Aにおける被覆部材40Aで覆われた部分は隠れ線(破線)で描かれている。
【0033】
第一ヒューズ1Aの一次側端子部10A及び二次側端子部20は、それぞれ第一方向において並列された導体からなり、第一方向に直交する第二方向に沿って接続対象に差し込まれる端子部である。各図に示される座標軸において、X軸方向が第一方向であり、Z軸方向が第二方向である。一次側端子部10A及び二次側端子部20は、Z軸の負方向へ向かってバスバーなどの接続対象に差し込まれる。
【0034】
より具体的には、一次側端子部10Aは、一次側バスバー9Aと電気的に接続される平板状の導体である。一次側端子部10Aの先端部分は、接続対象に差し込まれる平板状のタブ端子11である。また、一次側端子部10Aにおけるタブ端子11に対して反対側の端部は、第二方向(Z軸方向)に沿う切れ込み13が形成された部分である音叉端子12である。一次側端子部10Aにおける音叉端子12の役割については後述する。
【0035】
一方、二次側端子部20は、二次側バスバー9Bと電気的に接続される平板状の導体である。二次側端子部20の先端部分は、接続対象に差し込まれる平板状のタブ端子21である。
【0036】
一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bは、それぞれ電流経路における上流側及び下流側のバスバーである。車両において、一次側バスバー9Aは、バッテリの正極端子と電気的に接続され、二次側バスバー9Bは、電装機器などの負荷と電気的に接続されている。以下の説明において、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bの総称をバスバー9とする。
【0037】
一次側端子部10Aにおけるタブ端子11の直接の接続対象は、図4に示される一次側バスバー9A又はその他の端子固定部82である。一方、二次側端子部20の直接の接続対象は、二次側バスバー9Bである。一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bにおけるヒューズの端子部が接続される部分には、第二方向(Z軸方向)に沿う切れ込み92が形成された部分である音叉端子91が形成されている。
【0038】
図4から図6において、端子固定部82は、仮想線(二点鎖線)によって描かれている。また、図5から図7において、バスバー9は、仮想線(二点鎖線)によって描かれている。
【0039】
一次側端子部10Aの直接の接続対象となり得る端子固定部82は、樹脂などの絶縁材料からなり、一次側端子部10Aの動きを規制する部材である。端子固定部82には、一次側端子部10Aのタブ端子11が挿入される1つ又は複数の取付孔83が形成されている。一次側端子部10Aは、タブ端子11の部分が端子固定部82の取付孔83に挿入されることにより、予め定められた位置に位置決めされる。
【0040】
溶断部30は、両端が一次側端子部10A及び二次側端子部20に繋がった導体である。溶断部30は、一次側端子部10A及び二次側端子部20の各々よりも細く形成されており、溶断部30の電気抵抗は、一次側端子部10A及び二次側端子部20の各々の電気抵抗よりも高い。そして、予め定められた許容電流を超える電流が、一次側端子部10Aから溶断部30を経て二次側端子部20へ流れると、溶断部30が発熱して溶融し、一次側端子部10Aから二次側端子部20及びそれに接続された負荷への電流の供給が遮断される。
【0041】
第一ヒューズ1Aの連結部14は、他のヒューズの端子部と差し込み構造により連結される部分である。連結部14は、一次側端子部10Aから第一方向(X軸方向)及び第二方向(Z軸方向)に交差する第三方向へ張り出して一次側端子部10Aと一体に形成されている。本実施形態における第三方向は、第一方向(X軸方向)及び第二方向(Z軸方向)に直交する方向である。従って、各図に示される座標軸において、Y軸方向が第三方向である。第三方向は、電気接続箱において複数のヒューズが配列される方向である。
【0042】
より具体的には、連結部14は、迂回部141とタブ端子142とにより構成されている。迂回部141は、一次側端子部10Aの音叉端子12に差し込まれる他の第一ヒューズ1Aの連結部14の先端部分が挿入される空間を形成する部分である。連結部14のタブ端子142は、迂回部141に連なり、連結対象となる他のバスバーの音叉端子に差し込まれることにより他のバスバーの音叉端子に接触する平板状の部分である。
【0043】
被覆部材40Aは、一次側端子部10A及び二次側端子部20における、タブ端子11,21及び音叉端子12の切れ込み13の縁部を除く部分と、溶断部30とを覆い、感電及び他の電気部品との電気的短絡を防止する部材である。さらに、第一ヒューズ1Aの被覆部材40Aは、連結部14の迂回部141も覆う。なお、図2及び図4から図6、並びに図8において、被覆部材40Aの記載は省略されている。
【0044】
<第二ヒューズ>
第二ヒューズ1Bは、第一ヒューズ1Aから連結部14が除かれた構成を備えている。即ち、第二ヒューズ1Bは、一次側端子部10B、二次側端子部20、溶断部30及び被覆部材40Bを備えている。第二ヒューズ1Bの二次側端子部20及び溶断部30は、第一ヒューズ1Aの二次側端子部20及び溶断部30と同じ物である。なお、図1において、第二ヒューズ1Bにおける被覆部材40Bで覆われた部分は隠れ線(破線)で描かれている。
【0045】
第二ヒューズ1Bの一次側端子部10B及び二次側端子部20は、それぞれ第一方向において並列された導体からなり、第一方向に直交する第二方向に沿って接続対象に差し込まれる端子部である。一次側端子部10B及び二次側端子部20は、Z軸の負方向へ向かってバスバー9などの接続対象に差し込まれる。
【0046】
より具体的には、一次側端子部10Bは、一次側バスバー9Aと電気的に接続される平板状の導体である。一次側端子部10Bの先端部分は、接続対象に差し込まれる平板状のタブ端子11である。また、一次側端子部10Bにおけるタブ端子11に対して反対側の端部は、第二方向(Z軸方向)に沿う切れ込み13が形成された部分である音叉端子12である。
【0047】
第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bにおける音叉端子12は、差し込み構造によって第一ヒューズ1Aの連結部14と連結される部分である。即ち、第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bにおける音叉端子12は、第三方向において隣に取り付けられる第一ヒューズ1Aの連結部14におけるタブ端子142が差し込まれる切れ込み13が形成された部分である。一次側端子部10Bの音叉端子12における切れ込み13は、第二方向(Z軸方向)に沿って形成されている。第一ヒューズ1Aの音叉端子12と第二ヒューズ1Bの音叉端子12とは、同じ構成を有し、同じ役割を果たす。
【0048】
第二ヒューズ1Bにおいて、一次側端子部10Bにおけるタブ端子11の直接の接続対象は、図4に示される一次側バスバー9A又はその他の端子固定部82である。一方、第二ヒューズ1Bにおいて、二次側端子部20の直接の接続対象は、二次側バスバー9Bである。
【0049】
第二ヒューズ1Bの溶断部30は、一次側端子部10B及び二次側端子部20の各々よりも細く形成されており、溶断部30の電気抵抗は、一次側端子部10B及び二次側端子部20の各々の電気抵抗よりも高い。そして、予め定められた許容電流を超える電流が、一次側端子部10Bから溶断部30を経て二次側端子部20へ流れると、溶断部30が発熱して溶融し、一次側端子部10Bから二次側端子部20及びそれに接続された負荷への電流の供給が遮断される。
【0050】
第二ヒューズ1Bの被覆部材40Aは、一次側端子部10B及び二次側端子部20における、タブ端子11,21及び音叉端子12の切れ込み13の縁部を除く部分と、溶断部30とを覆い、感電及び他の電気部品との電気的短絡を防止する部材である。なお、図2及び図4から図6、並びに図8において、被覆部材40Bの記載は省略されている。また、図7において、被覆部材40Bは仮想線(二点鎖線)により描かれている。
【0051】
<ヒューズの連結手順>
次に、第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bを連結する手順について説明する。
【0052】
図4に示されるように、第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bが連結される場合、まず、第二ヒューズ1Bが所定の位置に取り付けられる。即ち、第二ヒューズ1Bにおける一次側端子部10Bのタブ端子11が、一次側バスバー9Aの音叉端子91又は端子固定部82の取付孔83に差し込まれるとともに、第二ヒューズ1Bにおける二次側端子部20のタブ端子21が、予め定められた位置に配置された二次側バスバー9Bの音叉端子91に差し込まれる。なお、図4に示される例では、一次側端子部10Bのタブ端子11は、一次側バスバー9Aの音叉端子91に差し込まれている。
【0053】
次に、1つめの第一ヒューズ1Aが、先に取り付けられた第二ヒューズ1Bの隣に取り付けられる。より具体的には、1つめの第一ヒューズ1Aにおける一次側端子部10Aのタブ端子11が、一次側バスバー9Aの音叉端子91又は端子固定部82の取付孔83に差し込まれるとともに、1つめの第一ヒューズ1Aにおける二次側端子部20のタブ端子21が、予め定められた位置に配置された二次側バスバー9Bの音叉端子91に差し込まれる。
【0054】
1つめの第一ヒューズ1Aにおける一次側端子部10Aのタブ端子11及び二次側端子部20のタブ端子21が所定の接続対象に差し込まれると、それと同時に、1つめの第一ヒューズ1Aにおける連結部14のタブ端子142が、第二ヒューズ1Bにおける一次側端子部10Bの音叉端子12に差し込まれる。これにより、第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bと、1つめの第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aとが、連結部14を介して電気的に接続される。なお、図4に示される例では、一次側端子部10Aのタブ端子11は、端子固定部82の取付孔83に差し込まれている。
【0055】
続いて、2つめの第一ヒューズ1Aが、先に取り付けられた1つめの第一ヒューズ1Aの隣に取り付けられる。より具体的には、2つめの第一ヒューズ1Aにおける一次側端子部10Aのタブ端子11が、一次側バスバー9Aの音叉端子91又は端子固定部82の取付孔83に差し込まれるとともに、2つめの第一ヒューズ1Aにおける二次側端子部20のタブ端子21が、予め定められた位置に配置された二次側バスバー9Bの音叉端子91に差し込まれる。
【0056】
2つめの第一ヒューズ1Aにおける一次側端子部10Aのタブ端子11及び二次側端子部20のタブ端子21が所定の接続対象に差し込まれると、それと同時に、2つめの第一ヒューズ1Aにおける連結部14のタブ端子142が、1つめの第一ヒューズ1Aにおける一次側端子部10Aの音叉端子12に差し込まれる。これにより、1つめの第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Bと、2つめの第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aとが、連結部14を介して電気的に接続される。
【0057】
さらに、1つの一次側バスバー9Aに対して電気的に接続される必要があるヒューズの数に応じて、3つめ以降の第一ヒューズ1Aが、2つめの第一ヒューズ1Aの取り付け要領と同様の要領で順次取り付けられる。
【0058】
図5から図8は、以上に示した手順に従って連結された1つの第二ヒューズ1B及び3つの第一ヒューズ1Aの側面図、平面図、正面図及び斜視図である。なお、図4から図6に示される例では、全ての一次側端子部10Aのタブ端子11は、端子固定部82の取付孔83に差し込まれている。
【0059】
<第1実施形態に係る電気接続箱>
次に、図9及び図10を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る電気接続箱2の構成について説明する。電気接続箱2は、一次側端子部が電気的に接続された複数のヒューズを備えたいわゆるヒューズボックスである。電気接続箱2における複数のヒューズは、前述したヒューズセット1である。図9は、電気接続箱2が備える基体8の平面図であり、図10は、電気接続箱2の平面図である。
【0060】
図10に示されるように、電気接続箱2は、1つ以上の一次側バスバー9Aと、複数の二次側バスバー9Bと、基体8と、ヒューズセット1を構成する第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bとを備える。図10に示される例では、電気接続箱2は、2つの第二ヒューズ1Bと、16個の第一ヒューズ1Aとを備えている。
【0061】
基体8は、一次側バスバー9A及び二次側バスバー9Bが固定された絶縁材料からなる部材である。例えば、基体8は、樹脂の成形部材である図9及び図10に示される例では、4つの一次側バスバー9Aと、18個の二次側バスバー9Bとが、基体8に固定されている。以下の説明において、基体8に固定された4つの一次側バスバー9A各々を区別する場合、それぞれ第1の一次側バスバー9Aa、第2の一次側バスバー9Ab、第3の一次側バスバー9Ac及び第4の一次側バスバー9Adと称する。
【0062】
また、基体8には、第一ヒューズ1A又は第二ヒューズ1Bが取り付けられる部分である複数のヒューズ装着部81が形成されている。ヒューズ装着部81は、第一ヒューズ1A又は第二ヒューズ1Bが嵌め入れられる空間を囲む枠を形成している。また、ヒューズ装着部81が形成する枠内において、一次側バスバー9Aの音叉端子91の部分又は端子固定部82の取付孔83と、二次側バスバー9Bの音叉端子91の部分とが露出している。基体8に形成されたヒューズ装着部81の数と基体8に固定された二次側バスバー9Bの数とは同数である。但し、18個のヒューズ装着部81は、9個ずつ2列に配列されている。
【0063】
電気接続箱2において、2つの第二ヒューズ1B各々の一次側端子部10Bと、2つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとが、4つの一次側バスバー9A各々の音叉端子91に差し込まれて支持されている。より具体的には、2つの第二ヒューズ1B各々の一次側端子部10Bは、第1の一次側バスバー9Aa及び第3の一次側バスバー9Acの各々に接続されている。また、2つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aは、第2の一次側バスバー9Ab及び第4の一次側バスバー9Adの各々に接続されている。
【0064】
さらに、電気接続箱2において、残りの14個の第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aは、端子固定部82の取付孔83に差し込まれている。しかしながら、図10に示されるように、2つの第二ヒューズ1B各々とそれに対し一列に配列された8個の第一ヒューズ1Aとは、第一ヒューズ1A各々の連結部14によって隣り合う物どうし連結されている。そのため、2つの第二ヒューズ1B各々の一次側端子部10Bとこれに対し一列に配列された8個の第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとは、電気的に接続されている。
【0065】
なお、図10に示される電気接続箱2においては、第1の一次側バスバー9Aaと第2の一次側バスバー9Abとは、一列に配列された9個のヒューズの一次側端子部10A,10B及び連結部14によって電気的に接続される。従って、電気接続箱2において、第1の一次側バスバー9Aa及び第2の一次側バスバー9Abのうちの一方は、省略されてもよい。
【0066】
同様に、図10に示される電気接続箱2においては、第3の一次側バスバー9Acと第4の一次側バスバー9Adとは、一列に配列された9個のヒューズの一次側端子部10A,10B及び連結部14によって電気的に接続される。従って、電気接続箱2において、第3の一次側バスバー9Ac及び第4の一次側バスバー9Adのうちの一方は、省略されてもよい。
【0067】
<第2実施形態に係る電気接続箱>
次に、図11を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る電気接続箱2Aの構成について説明する。電気接続箱2Aは、電気接続箱2の応用例である。以下、電気接続箱2Aについて、電気接続箱2と比較しつつ説明する。
【0068】
電気接続箱2Aも、電気接続箱2と同様に、一次側端子部が電気的に接続された複数のヒューズを備えたいわゆるヒューズボックスである。電気接続箱2Aにおける複数のヒューズは、前述したヒューズセット1である。図11は、電気接続箱2Aの平面図である。
【0069】
電気接続箱2Aも基体8を備える。電気接続箱2Aの基体8と、電気接続箱2の基体8とは全く同じ物である。従って、電気接続箱2Aの基体8にも、4つの一次側バスバー9Aと18個の二次側バスバー9Bとが固定されている。また、電気接続箱2Aの基体8にも、9個ずつ2列に配列された18個のヒューズ装着部81が形成されている。
【0070】
しかしながら、電気接続箱2Aは、電気接続箱2とは異なり、4つの第二ヒューズ1Bと14個の第一ヒューズ1Aとを備えている。
【0071】
図11に示される例では、4つのうちの2つの第二ヒューズ1B各々の一次側端子部10Bが、第1の一次側バスバー9Aa及び第3の一次側バスバー9Acの各々に接続されている。また、残り2つの第二ヒューズ1B各々の一次側端子部10Bは、端子固定部82の取付孔83に差し込まれている。14個のうちの2つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aは、第2の一次側バスバー9Ab及び第4の一次側バスバー9Adの各々に接続されている。また、残り12個の第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aは、端子固定部82の取付孔83に差し込まれている。
【0072】
一方、電気接続箱2Aが備える全ての第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1B各々の二次側端子部20は、それぞれ異なる二次側バスバー9Bと接続されている。
【0073】
電気接続箱2Aにおいて、第1の一次側バスバー9Aaに接続された1つの第二ヒューズ1Bとそれに対し一列に配列された4個の第一ヒューズ1Aとは、第一ヒューズ1A各々の連結部14によって隣り合う物どうし連結されている。従って、1つの第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bとこれに対し一列に配列された4個の第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとは、第1の一次側バスバー9Aaと電気的に接続されている。
【0074】
また、第3の一次側バスバー9Acに接続された1つの第二ヒューズ1Bとそれに対し一列に配列された5個の第一ヒューズ1Aとは、第一ヒューズ1A各々の連結部14によって隣り合う物どうし連結されている。従って、1つの第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bとこれに対し一列に配列された5個の第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとは、第3の一次側バスバー9Acと電気的に接続されている。
【0075】
また、第2の一次側バスバー9Abに接続された1つの第一ヒューズ1Aと、それに対し一列に配列された2つの第一ヒューズ1A及び1つの第二ヒューズ1Bとは、第一ヒューズ1A各々の連結部14によって隣り合う物どうし連結されている。従って、1つの第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bとこれに対し一列に配列された3つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとは、第2の一次側バスバー9Abと電気的に接続されている。
【0076】
また、第4の一次側バスバー9Adに接続された1つの第一ヒューズ1Aと、それに対し一列に配列された1つの第一ヒューズ1A及び1つの第二ヒューズ1Bとは、第一ヒューズ1A各々の連結部14によって隣り合う物どうし連結されている。従って、1つの第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bとこれに対し一列に配列された2つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aとは、第4の一次側バスバー9Adと電気的に接続されている。
【0077】
図10及び図11に示されるように、電気接続箱2と電気接続箱2Aとは、同じ基体8を備えながら、第一ヒューズ1Aと第二ヒューズ1Bとの連結の組合せが異なるだけで、全く異なるヒューズ回路を構成している。
【0078】
<効果>
ヒューズセット1及びそれを備える電気接続箱2,2Aにおいて、複数のヒューズ1A,1Bは、2つの端子部の配列方向である第一方向(X軸方向)と、2つの端子部のバスバー9への差し込み方向である第二方向(Z軸方向)とに交差する第三方向(Y軸方向)において並べて取り付けられる。
【0079】
そして、第一ヒューズ1Aの連結部14が、第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aから、隣に配置された第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bに形成された被連結部である音叉端子12に架け渡される。これにより、第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aと第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bとが電気的に接続される。即ち、ヒューズセット1においては、ヒューズ自体が、一次側端子部10A,10Bの部分に、隣に配置された他のヒューズとの連結のための構造(連結部14及び音叉端子12)を備える。
【0080】
従って、複数のヒューズの一次側端子部と1つの一次側バスバー9Aとが電気的に接続される必要がある場合、ヒューズセット1が採用されることにより、第三方向(Y軸方向)において並べて取り付けられた複数のヒューズのうちの少なくとも1つのヒューズの一次側端子部(10A又は10B)が一次側バスバー9Aに物理的に接続されれば、複数の一次側端子部(10A及び10B)は、連結部14及び被連結部である音叉端子12を通じて電気的に接続される。その結果、複数のヒューズを含む電気接続箱2,2Aにおいて、ヒューズの接続対象となる一次側バスバー9Aの製造及び基体8への取り付けを容易化できる。
【0081】
また、図11に示されるように、ヒューズセット1において、連結部14を備えていない第二ヒューズ1Bが、2つの第一ヒューズ1Aの間に配置された場合、それら2つの第一ヒューズ1A各々の一次側端子部10Aは、電気的に接続されない。従って、ヒューズセット1が採用されれば、ヒューズの接続系統の設計変更に対し、第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bの組合せの変更だけで対応可能な場合が多い。即ち、ヒューズセット1及びそれを備えた電気接続箱2,2Aは、ヒューズの接続系統の設計変更への適応性が優れている。
【0082】
また、ヒューズセット1において、第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aも、第二ヒューズ1Bの一次側端子部10Bと同様に被連結部である音叉端子12を備える。そのため、ヒューズセット1は、3つ以上のヒューズの一次側端子部が1つの一次側バスバー9Aに対して電気的に接続される必要がある場合に好適である。
【0083】
また、第一ヒューズ1A及び第二ヒューズ1Bにおいて、連結部14及びそれが連結される部分の差し込み構造が、タブ端子142及び音叉端子12の差し込み構造である。そのため、一次側端子部10A,10Bの連結の構造が、ごく簡易な構造により実現される。
【0084】
また、ヒューズセット1において、一次側端子部10A,10B及び二次側端子部20の接続対象(バスバー9など)に対する差し込み方向(第二方向)と、被連結部(音叉端子12)に対する連結部14のタブ端子142の差し込み方向とが同じである。そのため、新たな第一ヒューズ1Aの一次側端子部10A及び二次側端子部20が接続対象に差し込まれるだけで、その第一ヒューズ1Aの連結部14のタブ端子142は、先に接続対象に接続済みの隣の第二ヒューズ1B又は第一ヒューズ1Aにおける被連結部である音叉端子12に差し込まれる。従って、ヒューズセット1が採用されれば、複数の一次側端子部10A,10Bを連結するための特別な作業は不要である。
【0085】
<その他>
ヒューズセット1において、第一ヒューズ1Aの一次側端子部10Aにおける音叉端子12が省略されることも一応考えられる。但し、この場合、連結部14によって電気的に接続可能なヒューズの数は2つとなる。
【0086】
電気接続箱2,2Aにおいて、端子固定部82は、取付孔83各々の位置に個別に配置された複数の音叉端子に置き換えられてもよい。この場合、端子固定部82の代わりに設けられる音叉端子は、金属で構成されることの他、樹脂などの絶縁材料の部材で構成されてもよい。
【0087】
また、電気接続箱2,2Aにおいて、端子固定部82が省略されることも考えられる。この場合、一次側バスバー9Aに対して直接接続されない第一ヒューズ1Aは、二次側端子部20の接続対象である二次側バスバー9Bと、連結部14によって連結される隣のヒューズとによって支持される。
【符号の説明】
【0088】
1 ヒューズセット
1A 第一ヒューズ
1B 第二ヒューズ
2,2A 電気接続箱
8 基体
9 バスバー
9A 一次側バスバー
9B 二次側バスバー
10A,10B 一次側端子部
11 一次側端子部のタブ端子
12 一次側端子部の音叉端子
13 切れ込み
14 連結部
20 二次側端子部
21 二次側端子部のタブ端子
30 溶断部
40A,40B 被覆部材
81 ヒューズ装着部
82 端子固定部
83 取付孔
91 バスバーの音叉端子
92 切れ込み
141 連結部の迂回部
142 連結部のタブ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第一方向において並列された導体からなり、前記第一方向に直交する第二方向に沿って接続対象に差し込まれる第一端子部及び第二端子部と、
両端が前記第一端子部及び第二端子部の各々に繋がった導体からなる溶断部と、をそれぞれ有する複数のヒューズからなるヒューズセットであって、
前記複数のヒューズは、
前記第一端子部から前記第一方向及び第二方向に交差する第三方向へ張り出して前記第一端子部と一体に形成され、他のヒューズの端子部と差し込み構造により連結される連結部を備えた第一ヒューズと、
前記第一端子部の一部に形成され前記第一ヒューズの前記連結部と差し込み構造により連結される被連結部、を備えた第二ヒューズと、を含むことを特徴とするヒューズセット。
【請求項2】
前記第一ヒューズも、他の前記第一ヒューズの前記連結部と差し込み構造により連結される前記被連結部を備える、請求項1に記載のヒューズセット。
【請求項3】
前記連結部における前記被連結部と接触する部分は板状のタブ端子であり、
前記被連結部は、前記第一端子部における、前記連結部の前記タブ端子が差し込まれる切れ込みが形成された音叉端子である、請求項1又は請求項2に記載のヒューズセット。
【請求項4】
前記連結部の前記タブ端子は前記第一方向を厚み方向とする平板状であり、
前記音叉端子の切れ込みは前記第二方向に沿って形成されている、請求項3に記載のヒューズセット。
【請求項5】
導体からなる1つ以上の第一バスバーと、
導体からなる複数の第二バスバーと、
前記第一バスバー及び前記第二バスバーが固定された絶縁部材からなる基体と、
それぞれ第一方向において並列された導体からなり、前記第一方向に直交する第二方向に沿って接続対象に差し込まれる第一端子部及び第二端子部、並びに両端が前記第一端子部及び第二端子部の各々に繋がった導体からなる溶断部、をそれぞれ有する複数のヒューズと、を備えた電気接続箱であって、
前記複数のヒューズは、
前記第一端子部から前記第一方向及び第二方向に交差する第三方向へ張り出して前記第一端子部と一体に形成され、他のヒューズの端子部と差し込み構造により連結される連結部を備えた第一ヒューズと、
前記第一端子部の一部に形成され前記第一ヒューズの前記連結部と差し込み構造により連結される被連結部、を備えた第二ヒューズと、を含み、
前記第一ヒューズ及び前記第二ヒューズのうちの少なくとも1つの前記第一端子部は、前記第一バスバーの被差し込み部に差し込まれて支持されており、
前記第一ヒューズ及び前記第二ヒューズの全ての前記第二端子部各々は、複数の前記第二バスバーのうちのいずれかの被差し込み部に差し込まれて支持されている、ことを特徴とする電気接続箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−84453(P2013−84453A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223689(P2011−223689)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】