ヒンジキャプ付容器
【課題】内容物の取出し操作が視覚的に容易であるヒンジキャップ付容器の提供。
【解決手段】容器本体1の口部4に装着されるヒンジキャップ10の頂壁11に注出口13が形成されると共に、注出口13に、ヒンジキャップ10の蓋体20に形成される嵌合筒24が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、蓋体20は、ヒンジキャップ10の本体に、ヒンジ23と引張帯26で開閉自在に連結されると共に、容器本体1の肩部3には係合突起28が突設され、係合突起28と係脱自在に係合する係合部27を、蓋体20の天面部に形成したヒンジキャップ付容器である。金型の設計上、ヒンジキャップ10と蓋体20の連結部に、ヒンジ23と引張帯26を連続して設けることができるので、蓋体20を大きく開いて固定できる。
【解決手段】容器本体1の口部4に装着されるヒンジキャップ10の頂壁11に注出口13が形成されると共に、注出口13に、ヒンジキャップ10の蓋体20に形成される嵌合筒24が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、蓋体20は、ヒンジキャップ10の本体に、ヒンジ23と引張帯26で開閉自在に連結されると共に、容器本体1の肩部3には係合突起28が突設され、係合突起28と係脱自在に係合する係合部27を、蓋体20の天面部に形成したヒンジキャップ付容器である。金型の設計上、ヒンジキャップ10と蓋体20の連結部に、ヒンジ23と引張帯26を連続して設けることができるので、蓋体20を大きく開いて固定できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に装着されるヒンジキャップに関し、さらに詳しくは、容器本体にヒンジキャップの蓋体が固定できるヒンジキャプ付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器本体の口部には、ヒンジキャプが螺合等の方法で装着されており、片手の指でワンタッチで蓋体の開閉自在が可能であり、かつ開けた蓋体を固定できる機能を有するものがある。従来のヒンジキャップ付容器としては、図9〜図12に示すヒンジキャップ付容器がある。ヒンジキャップ50の本体は、容器本体51の口部52に螺合され、口部52には、ヒンジキャップ50の天面に形成されたフランジ部を有する注出口58が嵌合されている。このフランジ部を有する注出口58は、蓋体54の係合筒53により、内容物の取出し自在に閉鎖される。このヒンジキャップ50は、本体と蓋体54とから構成され、図12に示すように、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54は、ヒンジ55のみで一体に連結されている。そして、ヒンジ55の下方であって、ヒンジキャップ50の本体の側面壁には、外方に突出した本体係止部56が形成され、又蓋体54の左右のヒンジ55の間隙には、上方に突出した蓋係止部57が形成されている。図10及び図12に示すように、蓋体54を開けると、フランジ55を中心に蓋体54は回転し、本体係止部56と蓋係止部57が係合する。そして、蓋体54は本体係止部56に係合し固定される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3387035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のヒンジキャップ付容器は、以下に示すような問題点がある。
(1)図12に示すように、左右のヒンジ55の蓋体54には、上方に突出した蓋係止部57が形成され、又ヒンジ55の下方のヒンジキャップ50の本体の側面壁には、本体係止部56が形成されているが、前記した蓋係止部57と本体係止部56を形成する関係上、金型の設計上、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54の連結部に、ヒンジと引張帯を一体として形成することが不可能であるという欠点がある。
(2)ヒンジキャップ50の本体と、蓋体54を連結しているのは、ヒンジ55のみであり、引張帯が設けられていないため、図10に示すように、最初に指で蓋体54を上に持ち上げて開いた場合に、蓋体54はわずか90°程度(図10のα)に開くが、自動的に大きく開かないないため、蓋体54が邪魔になり内容物の取出し操作が視覚的に十分に見えないという欠点がある。本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、金型の設計上、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54の連結部に、ヒンジと引張帯を一体的に設けることにより、ヒンジキャップの蓋体が、自動的に大きな角度で開くと共に、ヒンジキャップを容器本体の肩部に固定でき、内容物の取出し操作が視覚的に容易に見えるヒンジキャップ付容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、容器本体の口部に装着されるヒンジキャップの頂壁に注出孔が形成されると共に、注出孔に、ヒンジキャップの蓋体に形成される嵌合筒が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、蓋体は、ヒンジキャップの本体に、ヒンジと引張帯で開閉自在に連結されると共に、容器本体の肩部には係合突起が突設され、係合突起と係脱自在に係合する係合部を、蓋体の天面部に形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器である。金型の設計上、ヒンジキャップの本体と蓋体の連結部に、ヒンジと引張帯を連続的に設けることができる。
【0005】
請求項2記載の発明の解決手段は、係合部が、蓋体の天面に形成された係合孔であることを特徴とするヒンジキャップ付容器である。
【0006】
請求項3記載の発明の解決手段は、ヒンジと引張帯で連結された蓋体が、引張帯の作用により自動的に120°以上の角度で開くと共に、蓋体が開いた場合に、蓋体の天面部の係合孔が、肩部の係合突起に係合して蓋体が固定されることを特徴とするヒンジキャップ付容器である。ヒンジキャップの本体に、蓋体をヒンジと引張帯で開閉自在に連結するので、蓋体を指で若干持ち上げると、蓋体は若干開き、その後自動的により大きく開き、全体として180°以上開いて、蓋体が肩部上に確実に固定される。
【0007】
請求項4記載の発明の解決手段は、ヒンジキャップの内筒の下端に設けた係合突起が、乗上げて係合可能なように、容器本体の口部基部近傍に、ヒンジキャップの位置決め機構である大凸部と小凸部を形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器である。ヒンジキャップと容器本体の位置決めが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金型の設計上、ヒンジの近傍に、ヒンジと引張帯を連続的に形成することが可能であるから、引張帯の作用によりヒンジキャップの蓋体を、自動的に大きな角度で開くことができると共に、蓋体を固定できるので、内容物の取出し操作が頗る見えやすいという効果を有する。また、本発明は、新しい装置を必要とすることなく、従来の金型設備で対応することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例の一例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1を示す図面である。図1において、1は合成樹脂製のチューブ容器又はボトルである容器本体であり、圧搾可能な胴部2から、肩部3を介して若干広口の口部4が形成されている。口部4には雄ねじ4aが形成され、雄ねじ4aの下端には口部基部5が形成されている。10はヒンジキャップであり、ヒンジキャップ10の頂壁11からフランジ部6が垂下され、容器本体1の口部4の開口を密閉すると共に、頂壁11のフランジ部6の外側から、内筒12を垂下して、口部4の雄ねじ4aに螺合せしめる。他の実施例として、口部4と内筒12は、アンダーカット形式で、無理嵌合されてもよい(図示せず)。そして、頂壁11のフランジ部6の上方に注出口13を起立すると共に、頂壁11の外周縁には外筒14が形成され、この外筒14は肩部3上に垂下されている。なお、蓋体20の天面内壁から嵌合筒24を垂下して、注出口13に嵌合させている。
【0011】
次に、20は蓋体であり、蓋体20の外周縁から前壁22が垂下されると共に、後側にはテ−パー壁25が形成され、テ−パー壁25の後部と頂壁11の後部を、ヒンジ23と引張帯26で連結し、蓋体20とヒンジキャップ10の本体は、一体成形で製造される。
又蓋体20のテ−パー壁25には、係合孔27が形成され、この係合孔27に、肩部3の係合突起28が係合され、蓋体20は、容器本体1に、確実に固定される。すなわち、本発明の特徴は、図2及び図3に示すように、ヒンジ23とその左右に引張体26が連続して形成されている点にあり、他方もう一つの特徴として、容器本体1の肩部3上に、係合突起28が突設されるとい共に、テ−パー壁25に、係合孔27が形成されている点にある。発明者は、ヒンジ23とその左右に引張体26を連続して形成し、かつ蓋体20を自動的に大きく開いた後、蓋体20を、容器本体1に固定することで、内容物の注出具合を見やすくした点に注目したのである。なお、係合孔27は、蓋体20に形成される孔であるが、他の実施例として、孔ではなく、蓋体20に形成された突起と、肩部3に形成された突起が係合するタイプの固定方法であってもよい(図示せず)。
【0012】
このように、本発明は、金型の設計上、ヒンジキャップ10と蓋体20の連結において、従来のように連結部近傍に係合突起を形成しないので、ヒンジ23と並んで、引張帯26を連続的に設けることができる。したがって、蓋体20を指で少し持ち上げるだけで、引張体26の作用により、蓋体20は自動的に大きく開く。すなわち、最初に蓋体20を指で少し持ち上げると5〜45°開き、次に引張体26の蓋体20を上方向に強く引っ張る作用により、120〜155°開き、最終的に180〜270°(図1に示すβ)開き、かつ蓋体20が容器本体2の肩部3の係合突起28に確実に固定される。したがって、内容物の取り出し作業を、容易に把握することができる。なお、蓋体20の開く角度βは、蓋体20のテ−パー壁25の傾斜角度と係合突起28の長さを、適宜調整することにより所望の角度に決定することができることはいうまでもない。
【実施例2】
【0013】
図5、図6及び図7は、本発明の実施例2を示す図面である。図5及び図6において、口部4の雄ねじ4aの下端の口部基部5の外周には、相対向する位置に、各々1対の大凸部30と小凸部31が、隙間32をあけて形成されている。そして、大凸部30を雄ねじ4aの締付け方向に位置させている。一方、図7に示すように、ヒンジキャップ10の内筒12の下端外周には、相対向する位置に各々1対の係合突起33が形成され、この大凸部30と小凸部31の隙間32に、係合突起33が、手前の小凸部31を乗り上げて係止する。これにより、容器本体1とヒンジキャップ10は、それ以上の締付けが不可能となり、印刷位置等の位置決めが可能となる。なお、この係合突起33の先端部には、切欠部34が形成され肉厚が薄く形成されている。この肉厚の薄い先端部分が、小凸部31に乗り上げて、大凸部30と小凸部31の隙間32に係止される。切り欠かれていない上方の部分は、肉厚が厚く形成され、係合突起33の剛性を強くしている。なお、図8に示すのは、口部4の口部基部5の外周に、大凸部30と小凸部31が形成されない実施例3であり、本出願に係る発明には、位置決め機構である、大凸部と小凸部が形成されない実施例3を含む。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明に係る位置決め機構がついたヒンジキャップ付容器にあっては、ヒンジキャップ
の位置合わせが可能になり、容器本体の特定の位置の印刷方向と位置合わせが容易となるので、印刷面においてデザイン上調和のとれたヒンジキャップ付容器を提供できる。又位置決め機構がないヒンジキャップ付容器にあっては、ヒンジキャップと容器本体の位置が自由であり、位置合わせを必要としないヒンジキャップ付容器を提供できる。本発明に係るヒンジキャップ付容器は、広く化粧品、食品、医薬品等を充填できるチューブ容器、ボトル容器として、広く多岐にわたって利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた実施例1を示す断面図。
【図2】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた実施例1を示す右側面図。
【図3】本発明に係るヒンジキャップ付容器のヒンジ及び引張帯の部位を示す拡大斜視図。
【図4】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた状態を示す斜視図。
【図5】本発明に係るヒンジキャップ付容器の実施例2を示すもので、ヒンジキャップを外した容器本体を示す平面図。
【図6】本発明に係るヒンジキャップ付容器の実施例2を示すもので、容器本体の口部基部に、一対の大凸部と小凸部が形成された状態を示す拡大平面図。
【図7】本発明に係るヒンジキャップ付容器のヒンジキャップを下からみた斜視図。
【図8】本発明に係るヒンジキャップ付容器において、容器本体の口部基部に、一対の大凸部と小凸部が形成されない実施例3を示す平面図。
【図9】従来のヒンジキャップ付容器において、蓋体を閉めた状態を示す断面図。
【図10】従来のヒンジキャップ付容器において、蓋体を開けた状態を示す断面図。
【図11】従来のヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた状態を示す右側面図。
【図12】従来のヒンジキャップ付容器のヒンジの部位を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
【0016】
1 容器本体
3 肩部
4 口部
5 口部基部
10 ヒンジキャップ
11 頂壁
13 注出口
14 ヒンジキャップの本体
20 蓋体
23 ヒンジ
24 嵌合筒
26 引張帯
28 係合突起
27係合部(係合孔)
30 大凸部
31 小凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に装着されるヒンジキャップに関し、さらに詳しくは、容器本体にヒンジキャップの蓋体が固定できるヒンジキャプ付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器本体の口部には、ヒンジキャプが螺合等の方法で装着されており、片手の指でワンタッチで蓋体の開閉自在が可能であり、かつ開けた蓋体を固定できる機能を有するものがある。従来のヒンジキャップ付容器としては、図9〜図12に示すヒンジキャップ付容器がある。ヒンジキャップ50の本体は、容器本体51の口部52に螺合され、口部52には、ヒンジキャップ50の天面に形成されたフランジ部を有する注出口58が嵌合されている。このフランジ部を有する注出口58は、蓋体54の係合筒53により、内容物の取出し自在に閉鎖される。このヒンジキャップ50は、本体と蓋体54とから構成され、図12に示すように、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54は、ヒンジ55のみで一体に連結されている。そして、ヒンジ55の下方であって、ヒンジキャップ50の本体の側面壁には、外方に突出した本体係止部56が形成され、又蓋体54の左右のヒンジ55の間隙には、上方に突出した蓋係止部57が形成されている。図10及び図12に示すように、蓋体54を開けると、フランジ55を中心に蓋体54は回転し、本体係止部56と蓋係止部57が係合する。そして、蓋体54は本体係止部56に係合し固定される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3387035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のヒンジキャップ付容器は、以下に示すような問題点がある。
(1)図12に示すように、左右のヒンジ55の蓋体54には、上方に突出した蓋係止部57が形成され、又ヒンジ55の下方のヒンジキャップ50の本体の側面壁には、本体係止部56が形成されているが、前記した蓋係止部57と本体係止部56を形成する関係上、金型の設計上、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54の連結部に、ヒンジと引張帯を一体として形成することが不可能であるという欠点がある。
(2)ヒンジキャップ50の本体と、蓋体54を連結しているのは、ヒンジ55のみであり、引張帯が設けられていないため、図10に示すように、最初に指で蓋体54を上に持ち上げて開いた場合に、蓋体54はわずか90°程度(図10のα)に開くが、自動的に大きく開かないないため、蓋体54が邪魔になり内容物の取出し操作が視覚的に十分に見えないという欠点がある。本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、金型の設計上、ヒンジキャップ50の本体と蓋体54の連結部に、ヒンジと引張帯を一体的に設けることにより、ヒンジキャップの蓋体が、自動的に大きな角度で開くと共に、ヒンジキャップを容器本体の肩部に固定でき、内容物の取出し操作が視覚的に容易に見えるヒンジキャップ付容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、容器本体の口部に装着されるヒンジキャップの頂壁に注出孔が形成されると共に、注出孔に、ヒンジキャップの蓋体に形成される嵌合筒が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、蓋体は、ヒンジキャップの本体に、ヒンジと引張帯で開閉自在に連結されると共に、容器本体の肩部には係合突起が突設され、係合突起と係脱自在に係合する係合部を、蓋体の天面部に形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器である。金型の設計上、ヒンジキャップの本体と蓋体の連結部に、ヒンジと引張帯を連続的に設けることができる。
【0005】
請求項2記載の発明の解決手段は、係合部が、蓋体の天面に形成された係合孔であることを特徴とするヒンジキャップ付容器である。
【0006】
請求項3記載の発明の解決手段は、ヒンジと引張帯で連結された蓋体が、引張帯の作用により自動的に120°以上の角度で開くと共に、蓋体が開いた場合に、蓋体の天面部の係合孔が、肩部の係合突起に係合して蓋体が固定されることを特徴とするヒンジキャップ付容器である。ヒンジキャップの本体に、蓋体をヒンジと引張帯で開閉自在に連結するので、蓋体を指で若干持ち上げると、蓋体は若干開き、その後自動的により大きく開き、全体として180°以上開いて、蓋体が肩部上に確実に固定される。
【0007】
請求項4記載の発明の解決手段は、ヒンジキャップの内筒の下端に設けた係合突起が、乗上げて係合可能なように、容器本体の口部基部近傍に、ヒンジキャップの位置決め機構である大凸部と小凸部を形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器である。ヒンジキャップと容器本体の位置決めが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金型の設計上、ヒンジの近傍に、ヒンジと引張帯を連続的に形成することが可能であるから、引張帯の作用によりヒンジキャップの蓋体を、自動的に大きな角度で開くことができると共に、蓋体を固定できるので、内容物の取出し操作が頗る見えやすいという効果を有する。また、本発明は、新しい装置を必要とすることなく、従来の金型設備で対応することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例の一例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1を示す図面である。図1において、1は合成樹脂製のチューブ容器又はボトルである容器本体であり、圧搾可能な胴部2から、肩部3を介して若干広口の口部4が形成されている。口部4には雄ねじ4aが形成され、雄ねじ4aの下端には口部基部5が形成されている。10はヒンジキャップであり、ヒンジキャップ10の頂壁11からフランジ部6が垂下され、容器本体1の口部4の開口を密閉すると共に、頂壁11のフランジ部6の外側から、内筒12を垂下して、口部4の雄ねじ4aに螺合せしめる。他の実施例として、口部4と内筒12は、アンダーカット形式で、無理嵌合されてもよい(図示せず)。そして、頂壁11のフランジ部6の上方に注出口13を起立すると共に、頂壁11の外周縁には外筒14が形成され、この外筒14は肩部3上に垂下されている。なお、蓋体20の天面内壁から嵌合筒24を垂下して、注出口13に嵌合させている。
【0011】
次に、20は蓋体であり、蓋体20の外周縁から前壁22が垂下されると共に、後側にはテ−パー壁25が形成され、テ−パー壁25の後部と頂壁11の後部を、ヒンジ23と引張帯26で連結し、蓋体20とヒンジキャップ10の本体は、一体成形で製造される。
又蓋体20のテ−パー壁25には、係合孔27が形成され、この係合孔27に、肩部3の係合突起28が係合され、蓋体20は、容器本体1に、確実に固定される。すなわち、本発明の特徴は、図2及び図3に示すように、ヒンジ23とその左右に引張体26が連続して形成されている点にあり、他方もう一つの特徴として、容器本体1の肩部3上に、係合突起28が突設されるとい共に、テ−パー壁25に、係合孔27が形成されている点にある。発明者は、ヒンジ23とその左右に引張体26を連続して形成し、かつ蓋体20を自動的に大きく開いた後、蓋体20を、容器本体1に固定することで、内容物の注出具合を見やすくした点に注目したのである。なお、係合孔27は、蓋体20に形成される孔であるが、他の実施例として、孔ではなく、蓋体20に形成された突起と、肩部3に形成された突起が係合するタイプの固定方法であってもよい(図示せず)。
【0012】
このように、本発明は、金型の設計上、ヒンジキャップ10と蓋体20の連結において、従来のように連結部近傍に係合突起を形成しないので、ヒンジ23と並んで、引張帯26を連続的に設けることができる。したがって、蓋体20を指で少し持ち上げるだけで、引張体26の作用により、蓋体20は自動的に大きく開く。すなわち、最初に蓋体20を指で少し持ち上げると5〜45°開き、次に引張体26の蓋体20を上方向に強く引っ張る作用により、120〜155°開き、最終的に180〜270°(図1に示すβ)開き、かつ蓋体20が容器本体2の肩部3の係合突起28に確実に固定される。したがって、内容物の取り出し作業を、容易に把握することができる。なお、蓋体20の開く角度βは、蓋体20のテ−パー壁25の傾斜角度と係合突起28の長さを、適宜調整することにより所望の角度に決定することができることはいうまでもない。
【実施例2】
【0013】
図5、図6及び図7は、本発明の実施例2を示す図面である。図5及び図6において、口部4の雄ねじ4aの下端の口部基部5の外周には、相対向する位置に、各々1対の大凸部30と小凸部31が、隙間32をあけて形成されている。そして、大凸部30を雄ねじ4aの締付け方向に位置させている。一方、図7に示すように、ヒンジキャップ10の内筒12の下端外周には、相対向する位置に各々1対の係合突起33が形成され、この大凸部30と小凸部31の隙間32に、係合突起33が、手前の小凸部31を乗り上げて係止する。これにより、容器本体1とヒンジキャップ10は、それ以上の締付けが不可能となり、印刷位置等の位置決めが可能となる。なお、この係合突起33の先端部には、切欠部34が形成され肉厚が薄く形成されている。この肉厚の薄い先端部分が、小凸部31に乗り上げて、大凸部30と小凸部31の隙間32に係止される。切り欠かれていない上方の部分は、肉厚が厚く形成され、係合突起33の剛性を強くしている。なお、図8に示すのは、口部4の口部基部5の外周に、大凸部30と小凸部31が形成されない実施例3であり、本出願に係る発明には、位置決め機構である、大凸部と小凸部が形成されない実施例3を含む。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明に係る位置決め機構がついたヒンジキャップ付容器にあっては、ヒンジキャップ
の位置合わせが可能になり、容器本体の特定の位置の印刷方向と位置合わせが容易となるので、印刷面においてデザイン上調和のとれたヒンジキャップ付容器を提供できる。又位置決め機構がないヒンジキャップ付容器にあっては、ヒンジキャップと容器本体の位置が自由であり、位置合わせを必要としないヒンジキャップ付容器を提供できる。本発明に係るヒンジキャップ付容器は、広く化粧品、食品、医薬品等を充填できるチューブ容器、ボトル容器として、広く多岐にわたって利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた実施例1を示す断面図。
【図2】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた実施例1を示す右側面図。
【図3】本発明に係るヒンジキャップ付容器のヒンジ及び引張帯の部位を示す拡大斜視図。
【図4】本発明に係るヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた状態を示す斜視図。
【図5】本発明に係るヒンジキャップ付容器の実施例2を示すもので、ヒンジキャップを外した容器本体を示す平面図。
【図6】本発明に係るヒンジキャップ付容器の実施例2を示すもので、容器本体の口部基部に、一対の大凸部と小凸部が形成された状態を示す拡大平面図。
【図7】本発明に係るヒンジキャップ付容器のヒンジキャップを下からみた斜視図。
【図8】本発明に係るヒンジキャップ付容器において、容器本体の口部基部に、一対の大凸部と小凸部が形成されない実施例3を示す平面図。
【図9】従来のヒンジキャップ付容器において、蓋体を閉めた状態を示す断面図。
【図10】従来のヒンジキャップ付容器において、蓋体を開けた状態を示す断面図。
【図11】従来のヒンジキャップ付容器の蓋体を開いた状態を示す右側面図。
【図12】従来のヒンジキャップ付容器のヒンジの部位を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
【0016】
1 容器本体
3 肩部
4 口部
5 口部基部
10 ヒンジキャップ
11 頂壁
13 注出口
14 ヒンジキャップの本体
20 蓋体
23 ヒンジ
24 嵌合筒
26 引張帯
28 係合突起
27係合部(係合孔)
30 大凸部
31 小凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に装着されるヒンジキャップの頂壁に注出口が形成されると共に、該注出口に、ヒンジキャップの蓋体に形成される嵌合筒が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、
前記蓋体は、ヒンジキャップの本体に、ヒンジと引張帯で開閉自在に連結されると共に、前記容器本体の肩部には係合突起が突設され、該係合突起と係脱自在に係合する係合部を、前記蓋体の天面部に形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器。
【請求項2】
前記係合部が、蓋体の天面に形成された係合孔であることを特徴とする請求項1記載の
ヒンジキャップ付容器
【請求項3】
前記ヒンジと引張帯とで連結された蓋体が、引張帯の作用により、自動的に120°以上の角度で開くと共に、該蓋体が開いた場合に、蓋体の天面部の係合孔が、前記肩部の係合突起に係合して蓋体が固定されることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ付容器
【請求項4】
前記ヒンジキャップの内筒の下端に設けた係合突起が、乗上げて係合可能なように、容器本体の口部基部近傍に、ヒンジキャップの位置決め機構である大凸部と小凸部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3記載のヒンジキャップ付容器
【請求項1】
容器本体の口部に装着されるヒンジキャップの頂壁に注出口が形成されると共に、該注出口に、ヒンジキャップの蓋体に形成される嵌合筒が、開閉自在に係合するヒンジキャップ付容器において、
前記蓋体は、ヒンジキャップの本体に、ヒンジと引張帯で開閉自在に連結されると共に、前記容器本体の肩部には係合突起が突設され、該係合突起と係脱自在に係合する係合部を、前記蓋体の天面部に形成したことを特徴とするヒンジキャップ付容器。
【請求項2】
前記係合部が、蓋体の天面に形成された係合孔であることを特徴とする請求項1記載の
ヒンジキャップ付容器
【請求項3】
前記ヒンジと引張帯とで連結された蓋体が、引張帯の作用により、自動的に120°以上の角度で開くと共に、該蓋体が開いた場合に、蓋体の天面部の係合孔が、前記肩部の係合突起に係合して蓋体が固定されることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ付容器
【請求項4】
前記ヒンジキャップの内筒の下端に設けた係合突起が、乗上げて係合可能なように、容器本体の口部基部近傍に、ヒンジキャップの位置決め機構である大凸部と小凸部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3記載のヒンジキャップ付容器
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−155924(P2008−155924A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343907(P2006−343907)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】
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