説明

ヒータ機構

【課題】ホットエアの量を調節することができるヒータ機構を提供する。
【解決手段】サイドブランク102の接着対象部位Aにホットエアを吹き付けるプレヒータ機構20は、ヒータ本体23と、ホットエアを排出するヒータ本体23の排出口23に連通するとともにサイドブランク102側に向かって開口する第1凹部28を有するベース部24と、前記第1凹部28と相まってホットエアの通路30を形成する第2凹部33と、接着対象部位Aに沿うように配置されて第2凹部33とサイドブランク102側の外部とを連通するノズル孔25aと、を有するノズル部25と、通路30に沿って形成され通路30内を少なくとも2つの部位に仕切るとともに、仕切られた通路30の一方側の部位から他方側の部位への前記ホットエアの流通を可能とする切欠部34を有する仕切プレート26と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙に樹脂材がラミネートされた積層シートからなるブランクの接着対象部位にホットエアを吹き付けて加熱するヒータ機構に関し、特に、ホットエアの量を調節できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
食品や飲料等を収容容器として、扇形状のサイドブランクと、円形状のボトムブランクとの所定箇所が接着されて組み付けられ、円形の底部材と筒状の胴部材とから構成されるカップ容器が知られている。このようなカップ容器を成型する容器成型装置では、紙にポリエチレン等の樹脂をラミネートして構成された積層シートからなるサイドブランクやボトムブランクが所定の搬送経路に沿って搬送されるとともに、この経路に沿って設けられたヒータ機構等の処理部によって所定の処理が施される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ヒータ機構は、サイドブランクの所定の接着対象部位を加熱することにより樹脂を溶融する。接着対象部位は、例えば、扇形状のサイドブランクの下端縁部分と一方の側縁部分からなるL字状の部位である。図9で示すように、サイドブランク202の上に設けられ、ホットエアを発生するヒータ本体203と、このヒータ本体203から送られるホットエアを案内する円管状のノズル204で構成されたヒータ機構200が知られている。
【0004】
この円管状のノズル204のブランク202側の壁には複数のノズル孔205が形成され、ノズルの軸方向に流れるホットエアがノズル孔205から外部のサイドブランク202に吹き付けられることにより例えばノズル204の下方に配置されたサイドブランクの接着対象部位Aにおけるポリエチレンを溶融させる。円管状のノズル204はサイドブランク202の底縁に対応する部分と、側縁に対応する部分とが別体で構成され、底縁及び側縁のノズル204に対してそれぞれヒータ本体203が備えられている。
【特許文献1】特開平7−223683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したヒータ機構では、次のような事情があった。すなわち、ノズルは孔部を有する円管状に構成されているため、ホットエアの量を調節することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、ホットエアの量を調節することができるヒータ機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、シート材からなるブランクの接着対象部位にホットエアを吹き付けるヒータ機構であって、ホットエアを生成するとともに、このホットエアを排出する排出口を有するヒータ本体と、前記ブランクが所定位置に配置された際に、前記ブランクの前記接着対象部位に沿うように形成され、前記排出口に連通するとともに前記ブランク側に向かって開口する第1凹部を有するベース部と、前記ベース部に取り付けられ、前記ベース部側に向かって開口して前記第1凹部と相まって前記ホットエアの通路を形成する第2凹部と、前記ブランクが前記所定位置に配置された際に、前記接着対象部位に沿うように配置されて前記第2凹部と前記ブランク側の外部とを連通するノズル孔と、を有するノズル部と、前記通路に沿って形成され、前記通路内を少なくとも2つの部位に仕切るとともに、仕切られた前記通路の一方側の部位から他方側の部位への前記ホットエアの流通を可能とする切欠部を有する仕切プレートと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の一形態は、前記接着対象部位は、コーナ部分を有する屈曲した形状を成し、前記通路は前記接着対象部位に沿うように連通して形成され、前記仕切プレートの前記コーナ部分に対向する部分の切欠部が他の部位の切欠部よりも大きく構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の一形態は、前記ノズル部及び前記仕切プレートは、前記ベース部に対して、ボルトにより着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記構成により、ホットエアの量を調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかるカップ成型装置1について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、各図における矢印X、Y、Zは互いに直交する三方向を示す。
【0012】
カップ成型装置1は、複数の処理ステーションを備え、例えば、紙を主体とする積層シート101(シート材)からなる扇形状のサイドブランク102(ブランク)と、同様の積層シート101からなる円形状のボトムブランク103とを組み付け、図8に示すような、上方に向けてやや開いた略筒状の胴部材104と、円形状のボトムブランク103の周縁部103aを下向きに折り曲げることにより起立させた底部材105とからなるカップ容器100を成型する。積層シート101は、例えば紙にポリエチレン樹脂をラミネートしたものである。
【0013】
カップ成型装置1は、サイドブランク102に予熱等の所定処理を施す第1処理ステーション10と、サイドブランク102を円筒状に成型するとともにボトムブランク103と組み付ける第2処理ステーション60と、これらが組みつけられて立体成型されたカップ部材106の端部を処理する第3処理ステーション80と、第1処理ステーション10にサイドブランク102を供給するサイドブランク供給部40(ブランク供給装置)と、第2処理ステーション60にボトムブランク103を供給するボトムブランク供給部50と、第3処理ステーション80で所定の処理がなされたカップ部材106を受けるスタッキング部90と、を備えて構成されている。
【0014】
カップ成型装置1のサイドブランク102の搬送方向に沿って、上流側から、サイドブランク供給部40、第1処理ステーション10、第2処理ステーション60、第3処理ステーション80、スタッキング部90、の順で配置されている。第1乃至第3処理ステーション10,60、80は、ブランク102,103やカップ部材106を保持した状態で回転テーブル11,61,81を間欠的に回転運動させることにより、その外周方向に沿ってこれらを搬送する機能を有する。なお、サイドブランク供給部40側における回転方向は矢印Yに沿う方向となり、接離方向すなわちテーブル45の矢印Xに沿う移動方向と交差する方向となる。ボトムブランク供給部50は、第2処理ステーション60の近傍に設けられている。
【0015】
サイドブランク供給部40は、積層シート101が打ち抜き加工等により上辺及び下辺が湾曲した扇形状の四角形に形成されてなるサイドブランク102が複数枚ストックされるブランクストック部41と、第1処理ステーション10に対して接離方向に矢印Xに沿って移動可能な四角形状の供給ステージ42と、ブランクストック部41のサイドブランク102を上方から一枚ずつ所定のタイミングで供給ステージ42へ載置するブランクフィード部43とを備えて構成されている。所定箇所にサイドブランク102が載置された状態で供給ステージ42が第1処理ステーションに近接することによりサイドブランク102が第1処理ステーション10に供給される。
【0016】
第1処理ステーション10は図中矢印R1で示す反時計回りに回転する円形状の回転テーブル11と、この回転テーブル11を回転させる駆動機構(不図示)12と、回転テーブル11に、その外周に沿って複数設けられサイドブランク102を回転テーブル11に把持固定する複数の把持部13と、を備えている。また、第1処理ステーション10は、回転テーブル11の外周に沿って左側端部から回転方向R1下流側に向かって順番に、把持ステージ14、第1及び第2のヒーティングステージ15、16、及びシールステージ17を備えている。
【0017】
第1及び第2のヒーティングステージ15,16は、サイドブランク102の上方に配される第1及び第2のプレヒータ機構20,20(ヒータ機構)と、サイドブランク102の下方を支持する支持機構21を備えている。
【0018】
プレヒータ機構20は、サイドブランク102の所定箇所にホットエアを吹きつけることにより、図2に示すサイドブランク102の所定の接着対象部位Aを、例えば300℃〜400℃に加熱し、塗布されたポリエチレン樹脂を溶融させる。接着対象部位Aは、例えば一方のサイドブランク102の側縁102aの端縁近傍と、下縁102b近傍を含むL字状の部分である。
【0019】
図3及び図4に示すように、2つのプレヒータ機構20は、それぞれ、複数のヒータ本体23と、ベース部24と、ノズル部25と、仕切プレート26とを備えて構成される。
【0020】
図5に示すベース部24は、成型加工により、平面視において前記接着対象部位Aに沿うL字状に一体形成され、下方に向かって開口する第1凹部28を備えている。第1凹部28は下方に形成された幅寸法の大きい太部29と上方に形成された幅寸法の小さい細部31を有する段付形状を成している。ベース部24の内壁の太部29と細部31との間の段差部分に後述する仕切プレート26が係合して配置されている。
【0021】
ベース部24の上部におけるヒータ本体23と対応する部位には、ヒータ本体23のホットエアの排出口23aと第1凹部28とを連通するようにベース部24を貫通する孔部32が形成されている。ベース部24の両脇の下端部分には、ノズル部25取付用のボルトが挿通される複数、ここでは7つ、のボルト孔24aが長手方向に沿って並列形成されている。ベース部24の中央の上壁部分には仕切プレート取付用のボルトが挿通されるボルト孔24bが長手方向に沿って複数、ここでは4個、並列形成されている。
【0022】
図6に示すノズル部25は、成型加工により、平面視において前記接着対象部位Aに沿うL字状に一体形成され、上方に開口し第1凹部28と相まってホットエアの通路30を形成する第2凹部33が形成されている。通路30の長手方向両端面部分は溶接等により塞がれている。第2凹部33の両脇の上壁部分には長手方向に沿って複数のボルトが挿通されるボルト孔25aが複数形成されている。このボルト孔25a及びベース部24のボルト孔24aにおけるボルト止めにより、ノズル部25がベース部24に取り付けられている。
【0023】
図7に示す仕切プレート26は、成型加工により、平面視において前記接着対象部位Aに沿うL字状に一体形成され、第1凹部28の細部31を塞ぎ、前記通路を上下に仕切るように、第1凹部28の段差部分の間に配置されている。仕切プレート26は、その中央部分の複数箇所においてボルト39によりベース部24に取り付けられている。仕切プレート26は、その脇部が斜めに切り欠かれた切欠部34を備えている。
【0024】
切欠部34は、断面視において傾斜する斜面34aと、垂直に切りかかれた鉛直面34bとを有している。この斜面34a及び鉛直面34bと、ベース部24の段差部分の内壁との間を通ってホットエアが流通可能となっている。したがって、この切欠部34付の仕切プレート26で通路30を仕切ることにより、ホットエアが切欠部34の形成された部位から部分的に下方の通路30に送られる。
【0025】
すなわち、切欠部34の大きさに応じた量のホットエアが切欠部34を通って下方の太部29及び第2凹部33に到達し、ノズル部25の下壁部に設けられたノズル孔35から下方のサイドブランク102に吹き付けられる。
【0026】
このため、切欠部34の形成位置や切欠き量を調節することにより、ホットエアの吹き付け量を部分的に調整することができる。例えば本実施形態においては、切欠部34は、接着対象部位Aの屈曲したコーナ部分36、及び端部37,38に対向する部分が大きく構成されている。なお、図7においては説明のためこのコーナ部分36及び端部37,38に対向する部分のみに切欠部34が形成されている様子を示しているが、他の部分にも切欠部34が形成されていてもよい。
【0027】
このヒータ機構20,20では、ヒータ本体23の排出口23aから排出されるホットエアは、孔部32及び切欠部34を通って下方の通路30に到達し、ノズル孔35から下方のサイドブランク102の接着対象部位Aに吹き付けられる。
【0028】
図1に示すように、シールステージ17は、第2処理ステーション60近傍の所定位置に配置され、サイドブランク102を第2処理ステーション60のマンドレル63に巻きつけるとともに予めマンドレル63に保持されたボトムブランク103と組み合わせ、これらサイドブランク102及びボトムブランク103の接着対象部位Aをシールするシール機構22を備えている。
【0029】
回転テーブル11の回転により、サイドブランク供給部40から供給されて把持部13に把持されたサイドブランク102が、回転テーブル11の外周に沿って矢印R1方向に搬送されるとともに、それぞれの処理ステージにおいて、ヒーティング工程、シール工程がそれぞれ行われる。シールされて立体的に組み合わされたカップ部材106はマンドレル63に保持されて第2処理ステーション60に移動する。
【0030】
第2処理ステーション60は、図中矢印R2で示す時計回りに回転する円形状の回転テーブル61と、この回転テーブル61を回転させる駆動機構(不図示)62と、回転テーブル61の外周に沿って設けられ回転テーブル61の外周から外側方向に突出して延びる複数の保持部としてのマンドレル63を備えている。
【0031】
第2処理ステーション60は、左端の第1処理ステーション10近傍から、回転テーブル61の外周に沿って回転方向下流側に向かって順番に、シールステージ17、インカールステージ64、ローレットステージ65、エアーシュータステージ66を備えている。シールステージ17よりも回転方向上流側であって図1中下方側にはボトムブランク保持ステージ68が設けられている。このボトムブランク保持ステージ68の近傍に、ボトムブランク供給部50が設けられている。
【0032】
マンドレル63は図示しない吸着機構を備え、ボトムブランク保持ステージ68においてはボトムブランク供給部50から供給されたボトムブランク103を吸着保持し、シールステージ17においては巻きつけられたサイドブランク102を保持し、さらにシールステージ17よりも下流においてはサイドブランク102とボトムブランク103が組み合わされたカップ部材106を保持するとともに、回転テーブル61の回転に伴ってこれらを搬送する。
【0033】
インカールステージ64には、マンドレル63の先端部に位置するサイドブランク102の下端縁部をボトムブランク103の周縁の内側に巻き込むインカール機構69が設けられている。ローレットステージ65には、インカールステージ64で巻き込まれたサイドブランク102の下縁部分をかしめるローレット機構71が設けられている。エアーシュータステージ66では、エアーシュータ72でエアーを吹き付けることによりマンドレル63からカップ部材106を外周方向に配置された第3処理ステーション80に送る。
【0034】
第3処理ステーション80は図中矢印R3で示す時計回りに回転する円形状の回転テーブル81と、この回転テーブル81を回転させる駆動機構(不図示)と、円形の回転テーブル81にカップ部材106を起立状態で保持する起立保持機構83とを備えている。また、第3処理ステーション80は、回転テーブル81の外周に沿って左側端部から回転方向下流側に向かって順番に、塗布ステージ84、プレカールステージ85、フィニッシュカールステージ86を備えている。
【0035】
塗布ステージ84には、カップ部材106に、加工性及びスリップ性を向上する流動パラフィンを塗布する塗布機構87が設けられている。プレカールステージ85には、カップ部材106のトップ部をカールさせるプレカール機構88が設けられている。フィニッシュカールステージ86には、プレカールステージ85でカールされたトップ部をさらにかしめるフィニッシュカール機構89が設けられている。
【0036】
このように構成されたカップ成型装置1では、まずブランクストック部41に置かれサイドブランク102を一枚ずつ上方から供給ステージ42に載置する。このとき、供給ステージ42に設けられた位置決めピンによりサイドブランク102の位置が規制される。ブランクが所定位置に載置されると、供給ステージ42が第1処理ステーション10に向かって図中X方向に移動する。このX方向の移動により第1処理ステーション10の把持ステージにサイドブランク102が供給されると、サイドブランク102が把持機構で把持される。
【0037】
ついで、サイドブランク102が把持機構で把持された状態で、回転テーブルが回転駆動されることにより、サイドブランク102が下流の第1及び第2のヒーティングステージへ順次搬送される。
【0038】
第1及び第2のヒーティングステージ15,16において、プレヒータ機構20,20により接着対象部位Aが加熱される。すなわち、ヒータ本体23から排出されるホットエアが、孔部32及び切欠部34を通って下方の通路30に到達し、ノズル孔35から下方のサイドブランク102の接着対象部位Aに吹き付けられ、接着対象箇所Aを300℃〜400℃に加熱し、表面に塗工されたポリエチレン樹脂を溶融する。このとき、側縁対向部と下縁対向部との間のコーナ部分36それぞれの端部において大きく構成されているため、コーナ部分36及び端部に、ホットエアが行き渡る。
【0039】
ヒート工程の終了後、回転テーブル11の回転により、ポリエチレンが溶融した状態のサイドブランク102がさらに下流のシールステージ17に搬送される。
【0040】
一方、ボトムブランク供給部50では、円形のシート材の周縁部を下向きに折り曲げることにより起立して構成されたボトムブランク103が、一枚ずつマンドレル63に供給される。ボトムブランク103がマンドレル63に吸着保持された状態で、回転テーブルが回転し、ボトムブランク103付のマンドレル63がシールステージ17へ搬送される。
【0041】
このシールステージ17では、第1処理ステーション10でプレヒートされたサイドブランク102が、第2処理ステーション60のマンドレル63に巻きつけられ、金型によりサイドブランク102の下縁とボトムブランク103の周縁とが接着されるとともに、サイドブランク102の両側縁同士接着される。以上により、サイドブランク102とボトムブランク103とがカップ状に一体に立体成型される。
【0042】
シールステージ17でカップ状に成型されたカップ部材106は、回転テーブル61の回転により下流のインカールステージ64へ送られる。ここでは、インカール機構69により、ボトムブランク103の周縁部を覆うようにしてサイドブランク102の下周縁部が内方に折り曲げられる。
【0043】
インカール工程後のカップ部材106は、回転テーブル61の回転でさらに下流側のローレットステージ65へ送られる。ここでは、ローレット機構71により、内側に折り込まれたサイドブランク102の下縁端部102bと、ボトムブランク103の周縁部103aがかしめられ、所定の強度を有する環状脚部が形成される。
【0044】
回転テーブル61の回転によりカップ部材106がさらに下流へ送られ、エアシュータ72により第3処理ステーション80へ搬送され、起立した状態で保持される。
【0045】
第3処理ステーション80の回転テーブル81の回転により、カップ部材106は塗布ステージ84へ送られる。ここで、塗布機構87により流動パラフィンが塗布される塗布処理が行われる。
【0046】
ついで、回転テーブル81の回転によりカップ部材106がプレカールステージ85に送られ、プレカール機構88により、カップ部材106の上端口縁のトップ部分102dが外方に巻き込まれるプレカール処理がされる。さらに下流側のフィニッシュカールステージ86に送られ、トップ部分102dがかしめられ、所定の強度を有する口縁部が形成される。カップ成型装置1では上記のようにして例えば毎分120個の図7に示すカップ容器100が成型される。
【0047】
本実施形態にかかるカップ成型装置1及びブランク供給部は以下に掲げる効果を奏する。
【0048】
すなわち、プレヒータ機構20の通路30に仕切プレート26を設け、この切欠部34の大きさや形成位置を部分的に調節することにより、ホットエアの量を部分的に増減し、調節することが可能である。したがって、加熱処理の性能を向上し、所望の接着強度を確保することができる。
【0049】
また、通常、ヒータ本体23から離れている各接着対象部位Aのコーナ部分36や端部37,38には、ホットエアが行き渡り難いが、上記本実施形態ではこの端部における切欠部34を大きく構成することで充分に加熱することができる。
【0050】
ベース部24及びノズル部25をそれぞれ一体成型し、通路30を接着対象部位Aの全体にわたって連通させたため、高い接着強度が要されるコーナ部分36を充分に加熱することができる。すなわち、円管状のノズルで、側縁対向部と下縁対向部とが別体で構成されるヒータ機構では、側縁と下縁との間のコーナ部分36を充分に加熱することが困難であるため所望の接着強度を得ることが難しかったが、本実施形態によればこのコーナ部分36を通る通路30を形成できるため、接着強度を向上することができる。
【0051】
また、ベース部24と、ノズル部25と、仕切プレート26と、をボルトにより着脱可能に取り付ける構成としたため、内部の清掃が容易である。一体成型のベース部24と、ノズル部25と、仕切プレート26とを組み合わせて通路30を形成する構成であるため、接着対象部位Aの形状が複雑であっても、接着対象部位Aに沿うように製造することが容易である。
【0052】
なお、上記実施形態ではブランク供給部がカップ成型に適用される場合について説明したがこれに限られるものではなく他の成形品、成型装置にも適用できる。また、切欠部34の大きさについても、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば接着対象部位の形状やヒータ本体23の位置や性能に応じて適宜変更することが可能である。例えばホットエアが出難い部分の切欠部を大きく構成して接着対象部位A全体が均一に加熱されるように構成してもよく、また、ホットエアの流量を部分的に強めて差をつけてもよい。
【0053】
なお本発明を実施するにあたり、格構成部材の具体的な形状や各種フレーム部材の断面形状など本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態にかかるカップ成型装置の構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態で用いられるサイドブランクを示す平面図。
【図3】本発明の実施形態にかかるヒータ機構を示す側面図。
【図4】同ヒータ機構を示す断面図。
【図5】同ヒータ機構のベース部を示す平面図。
【図6】同ヒータ機構のノズル部を示す底面図。
【図7】同ヒータ機構の仕切プレートを示す平面図。
【図8】本発明の実施形態にかかるカップ成型装置で成型されたカップ容器を一部切欠して示す斜視図。
【図9】ヒータ機構の一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0055】
A…接着対象部位、1…カップ成型装置、13…把持部、20…プレヒータ機構、
21…支持機構、23…ヒータ本体、23a…排出口、24…ベース部、
24a…ボルト孔、24b…ボルト孔、25…ノズル部、25a…ボルト孔、
26…仕切プレート、28…第1凹部、29…太部、30…通路、31…細部、
32…孔部、33…第2凹部、34…切欠部、35…ノズル孔、36…コーナ部分、
37.38…端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材からなるブランクの接着対象部位にホットエアを吹き付けるヒータ機構であって、
ホットエアを生成するとともに、このホットエアを排出する排出口を有するヒータ本体と、
前記ブランクが所定位置に配置された際に、前記ブランクの前記接着対象部位に沿うように形成され、前記排出口に連通するとともに前記ブランク側に向かって開口する第1凹部を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、前記ベース部側に向かって開口して前記第1凹部と相まって前記ホットエアの通路を形成する第2凹部と、前記ブランクが前記所定位置に配置された際に、前記接着対象部位に沿うように配置されて前記第2凹部と前記ブランク側の外部とを連通するノズル孔と、を有するノズル部と、
前記通路に沿って形成され、前記通路内を少なくとも2つの部位に仕切るとともに、仕切られた前記通路の一方側の部位から他方側の部位への前記ホットエアの流通を可能とする切欠部を有する仕切プレートと、
を備えたことを特徴とするヒータ機構。
【請求項2】
前記接着対象部位は、コーナ部分を有する屈曲した形状を成し、
前記通路は前記接着対象部位に沿うように連通して形成され、
前記仕切プレートの前記コーナ部分に対向する部分の切欠部が他の部位の切欠部よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1記載のヒータ機構。
【請求項3】
前記ノズル部及び前記仕切プレートは、前記ベース部に対して、ボルトにより着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒータ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−83237(P2009−83237A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254738(P2007−254738)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】