説明

ヒータ駆動回路

【課題】通電用リレーの接点溶着や通電用トランジスタの短絡故障による通電用リレーのON故障を検知すると、温度ヒューズを溶断させることなく、迅速にヒータへの通電を停止できるヒータ駆動回路を得ること。
【解決手段】マイコン11は、運転開始指示の入力時と運転停止指示の入力時の両方または一方において、1以上の通電用スイッチング素子Q2,Q3と遮断用スイッチング素子Q1とに相補的にオン動作とオフ動作とを行わせ、その時のヒータ電流検知回路8が検知した電流値と判定値との比較に基づき、1以上の通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)または遮断用リレー(4a,4b)のON故障の有無を検知し、いずれか一方のリレーにON故障が検知されると、いずれか他方のリレー接点を開路させる異常停止処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気ヒータを通電駆動するヒータ駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気ヒータ(以降、単に「ヒータ」と略記)を用いる暖房装置には種々あるが、例えば電気カーペットは、カーペット本体に配置される1以上のヒータを通電駆動するヒータ駆動回路を備えている。このヒータ駆動回路は、温度ヒューズから分岐して設けられる1以上のヒータへの通電路に、1以上のヒータ通電用リレーの接点を1対1に設け、1以上のヒータ通電用リレーの各コイルへの通電を個別に制御する通電用トランジスタのON・OFF制御を、ユーザが指示する運転開始・運転停止に従って行うことで、1以上のヒータへの通電とその停止を実行するように構成される。
【0003】
ところが、このヒータ駆動回路では、通電用リレーの接点が溶着した場合、或いは、通電用トランジスタが短絡故障した場合には、通電用リレーはヒータへの通電路を閉路状態にするON動作状態にホールドされるので、ユーザの使用意図とは無関係にヒータに通電しっぱなしとなり、安全上問題となる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、上記した通電用リレーの接点溶着や通電用トランジスタの短絡故障による通電用リレーのON故障時に、熱抵抗体に強制通電し、該熱抵抗体の発熱により温度ヒューズを溶断させることで、ヒータへの通電を遮断する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平5−20653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、温度ヒューズが溶断するまでは、ヒータに継続して通電が行われるので、課題解決の仕方として不十分である。また、サービス交換時は、ヒータ駆動回路を搭載する基板だけでなく、温度ヒューズが挿入された配線の交換も必要となり、ユーザの負担が大きい。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、通電用リレーの接点溶着や通電用トランジスタの短絡故障による通電用リレーのON故障を検知すると、温度ヒューズを溶断させることなく、迅速にヒータへの通電を停止できるヒータ駆動回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、この発明は、商用電源から1以上の電気ヒータへの各通電路に接点が接続される1以上の通電用リレーと、前記1以上の通電用リレーのコイルへの通電を制御する1以上の通電用スイッチング素子と、ユーザが指定する運転開始から運転停止までの間、前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させ、前記1以上の通電用リレーの接点を閉路状態に制御するヒータ運転モードを実施する制御回路とを備えるヒータ駆動回路において、前記商用電源と前記1以上の通電用リレーの接点との間の通電路に接点が接続される遮断用リレーと、前記遮断用リレーのコイルへの通電を制御する遮断用スイッチング素子と、前記商用電源と前記1以上の電気ヒータとの間に流れるヒータ電流を検知するヒータ電流検知回路とを備え、前記制御回路は、前記運転開始指示の入力時と前記運転停止指示の入力時の両方または一方において、前記1以上の通電用スイッチング素子と前記遮断用スイッチング素子とに相補的にオン動作とオフ動作とを行わせ、その時の前記ヒータ電流検知回路が検知した電流値と判定値との比較に基づき、前記1以上の通電用リレーおよび前記遮断用リレーの各ON故障の有無を検知し、いずれか一方のリレーにON故障が検知されると、いずれか他方のリレー接点を開路させる異常停止処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、遮断用リレーと通電用リレーの何れか一方にON故障が発生した場合は、何れか他方の正常なリレーにより、迅速にヒータへの通電を強制停止できるので、ユーザの使用意図とは無関係にヒータに通電を続けてしまうような異常状態がなくなり、安全なヒータ制御を可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明の実施の形態1によるヒータ駆動回路の構成を示す回路図である。
【図2】図2は、ON故障検知の第1の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、図2に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】図4は、ON故障検知の第2の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】図6は、ON故障検知の第3の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、図6に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】図8は、この発明の実施の形態2として、図1に示したヒータ駆動回路での他の動作例を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、この発明にかかるヒータ駆動回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるヒータ駆動回路の構成を示す回路図である。図1に示すように、この実施の形態では、2つのヒータ1a,1bを通電駆動する場合について説明する。但し、その説明内容は、ヒータが1つの場合でも、ヒータが3以上の場合でも問題なく適用できるものである。
【0013】
図1において、商用電源2の一端には、図示しない電源スイッチ、温度ヒューズ3を介して遮断用リレーの接点4aの一端と電源回路5の一方の入力端子とが接続されている。遮断用リレーの接点4aの他端には、並列に、図示例では2つの通電用リレーの接点6a,7aの各一端がそれぞれ接続されている。通電用リレーの接点6a,7aの各他端には、ヒータ1a,1bの各一端がそれぞれ接続され、ヒータ1a,1bの各他端は、共通に商用電源2の他端に接続されている。ヒータ1a,1bの各他端と商用電源2の他端との接続ラインにヒータ電流検知回路8が設けられている。また、商用電源2の他端は、電源回路5の他方の入力端子に接続されている。
【0014】
ヒータ電流検知回路8は、図示例では絶縁型であって、一次巻線がヒータ1a,1bの各他端と商用電源2の他端との接続ラインに挿入されているカレントトランス9と、ダイオードブリッジ構成の整流回路10と、分圧回路を構成する抵抗器R1,R2と、平滑用の電解コンデンサC1とを備えている。
【0015】
カレントトランス9の二次巻線は、整流回路10の各入力端子に接続され、整流回路10の正極側出力端子と回路グランドに接続される負極側出力端子との間に分圧回路(R1,R2)が接続されている。分圧回路(R1,R2)が出力する分圧電圧は、電解コンデンサC1にて平滑化され、制御回路(以降、「マイコン」と記す)11の電流監視ポートaに入力される。要するに、ヒータ電流検知回路8は、カレントトランス9が取り込んだヒータ電流を整流回路9および電解コンデンサC1にて電圧変換し、マイコン11の電流監視ポートaに入力するようになっている。
【0016】
電源回路5は、電源スイッチが投入されると、商用電源2が印加され、2つの直流電源12,13を生成する。直流電源12は、例えばDC12Vの電源であり、直流電源13は、DC5Vの電源である。
【0017】
マイコン11のユーザ指示監視ポートbには、ユーザが操作した図示しないスイッチや図示しないリモコンから、運転開始指示とその停止指示とを示す運転制御信号が入力される。そして、マイコン11の制御出力ポートc,d,eには、抵抗器R3,R5,R7を介してスイッチング素子(図示例ではnpn形のトランジスタ)Q1,Q2、Q3の各制御端子(ベース端子)が接続されている。
【0018】
トランジスタQ1,Q2、Q3の各ベース端子は、それぞれ抵抗器R4,R6,R8を介して回路グランドに接続されている。また、トランジスタQ1,Q2、Q3の各エミッタ端子は、それぞれ直接回路グランドに接続されている。そして、トランジスタQ1のコレクタ端子は、遮断用リレーのコイル4bを介して、また、トランジスタQ2、Q3の各コレクタ端子は、通電用リレーのコイル6b,7bを介して、それぞれ電源回路5が生成するDC12Vの直流電源12に接続されている。遮断用リレーのコイル4bと通電用リレーのコイル6b,7bとには、それぞれ還流ダイオードD1,D2,D3が逆並列に接続されている。
【0019】
つまり、トランジスタQ1は、遮断用スイッチング素子に対応し、マイコン11の制御出力ポートcが高レベルになりベース電流が供給されると、オン動作して遮断用リレーのコイル4bを通電付勢し、遮断用リレーの接点4aを閉路(ON)させる。また、トランジスタQ2、Q3は、通電用スイッチング素子に対応し、マイコン11の制御出力ポートd,eが高レベルになりベース電流が供給されると、オン動作して通電用リレーのコイル6b,7bをそれぞれ通電付勢し、通電用リレーの接点6a,7aをそれぞれ閉路(ON)させる。
【0020】
マイコン11は、電源スイッチが投入され電源回路5からDC5Vの直流電源13が印加されると、例えば、ON故障検知の第1の動作例〜第3の動作例に示すように、ユーザ指示監視ポートbに入力される運転制御信号が示すユーザ指示に従ったヒータ1a,1bへの通電駆動制御の一部として、遮断用リレー(4a,4b)および通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無を検知し、故障を検知すると、正常リレーを用いて異常停止処理を行う制御プラグラムが組み込まれている。
【0021】
以下、マイコン11が実施する制御動作を、この実施の形態によるON故障検知動作を中心にして具体的に説明する。なお、ON故障とは、前述したが、接点4a,6a,7aの短絡故障である。これは、接点4a,6a,7aが溶着した場合やトランジスタQ1,Q2,Q3が短絡した場合に起こる。
【0022】
(第1の動作例)
図2は、ON故障検知の第1の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。図3は、図2に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。なお、図3では、ユーザ指示監視ポートbへのヒータ運転開始指示およびヒータ運転停止指示の入力タイミングと、それらを基準に制御される遮断用リレー(4a,4b)および通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON・OFFの状態(図3(1)(2)(3))と、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流の有無(図3(4))とが示されている。これらは、後述する図5,図7,図8においても同様である。図3において、時間T1,T2は、ON故障検知時間である。また、時間t1,t2は、遮断用リレーの4aでのアークの発生を防止するための所定時間である。
【0023】
図2において、マイコン11は、電源スイッチが投入され電源回路5からDC5Vの直流電源13が印加されると、制御出力ポートc,d,eを共に低レベルに設定して遮断用リレー(4a,4b)および通電用リレー(6a,6b,7a,7b)を共にOFFにし(ST1)、ユーザ指示監視ポートbにヒータ運転開始指示が入力されるのを待機する(ST2)。
【0024】
ユーザがヒータ運転開始を指示すると(ST2:Yes)、制御出力ポートcを低レベルに保持したまま、ヒータ運転開始の指示に従い、制御出力ポートd,eの両方または何れか一方を高レベルに設定して、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方または何れか一方をONにし(ST3)、ON故障検知時間T1のカウントを開始する(ST4)。なお、図3(2)(3)では、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にONにする場合を示してある。以下、図3での表記に合わせて通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にON・OFFするとして説明する。
【0025】
マイコン11は、ON故障検知時間T1のカウントを終了するまで(ST5:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、ON故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを所定する(ST6)。なお、判定値は、ノイズを考慮して、ゼロではない所定値である。
【0026】
ST6において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST6:Yes)マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)のON故障と判断し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST7)、本手順を終了する。
【0027】
一方、ST6において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST6:No)、マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)は正常と判断し、ON故障検知時間T1のカウントを終了する(ST5:Yes)のを待って、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにする(ST8)。
【0028】
そして、マイコン11は、所定時間t1の経過後に遮断用リレー(4a,4b)をONにし(ST9)、更に、所定時間t2の経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにする(ST10)ことで、ヒータ1a,1bへの通電を行うヒータ運転モードを実行する(ST11)。このとき、マイコン11は、ヒータ運転モードを実行(ST11)している過程で、ユーザ指定監視ポートbに運転停止指示が入力されるのを監視する(ST12)。
【0029】
なお、遮断用リレー(4a,4b)は正常と判断し、ヒータ運転モード(ST11)へ移行する際に、一旦通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにして(ST8)から遮断用リレー(4a,4b)をONにし(ST9)、その後、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにする(ST10)ので、遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制することができる。
【0030】
マイコン11は、ヒータ運転モードを実行(ST11)している過程で、ユーザ指定監視ポートbに運転停止指示が入力されると(ST12:Yes)、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし(ST13)、ON故障検知時間T2のカウントを開始する(ST14)。
【0031】
マイコン11は、ON故障検知時間T2のカウントを終了するまで(ST15:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、ON故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを判定する(ST16)。
【0032】
ST16において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST16:Yes)マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障と判断し、遮断用リレー(4a,4b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST17)、本手順を終了する。
【0033】
一方、ST16において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST16:No)、マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)は正常と判断し、ON故障検知時間T2のカウントを終了する(ST15:Yes)のを待って、遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし(ST18)、ST2へ戻り、次の運転開始指示の入力を待機する。
【0034】
以上をまとめると、図3に示すように、全てのリレーをOFFにしてヒータ運転開始指示の入力を待機し、ヒータ運転開始指示が入力されると、遮断用リレー(4a,4b)をOFFに保持し、ON故障検知時間T1内、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をON状態に設定し、そのときのヒータ電流を監視して遮断用リレー(4a,4b)のON故障有無を判断する。
【0035】
ON故障検知時間T1内に遮断用リレー(4a,4b)のON故障が検知されると、その時点で通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし異常停止となるが、遮断用リレー(4a,4b)が正常であると、図3に示すように、所定時間t1,t2を設定して遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制してから通常のヒータ運転モードへ移行する。
【0036】
そして、ヒータ運転停止指示が入力されると、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のみをOFFにし、ON故障検知時間T2内においてヒータ電流を監視して通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無を判断する。ON故障検知時間T2内に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障が検知されると、その時点で遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし異常停止となるが、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)が正常であると、図3に示すように、ON故障検知時間T2の経過時に遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし、次のヒータ運転開始指示の入力を待機する状態になる。
【0037】
(第2の動作例)
図4は、ON故障検知の第2の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。図5は、図4に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。なお、図3において、時間T3,T4は、ON故障検知時間である。また、時間t3,t4は、遮断用リレーの接点4aでのアークの発生を防止するための所定時間である。
【0038】
図4において、マイコン11は、電源スイッチが投入され電源回路5からDC5Vの直流電源13が印加されると、制御出力ポートc,d,eを共に低レベルに設定して遮断用リレー(4a,4b)および通電用リレー(6a,6b,7a,7b)を共にOFFにし(ST20)、ユーザ指示監視ポートbにヒータ運転開始指示が入力されるのを待機する(ST21)。
【0039】
ユーザがヒータ運転開始を指示すると(ST21:Yes)、まず、制御出力ポートcを高レベルに設定して遮断用リレー(4a,4b)をONにし(ST22)、所定時間t3の経過後に、ヒータ運転開始指示に従い、制御出力ポートd,eの両方または何れか一方を高レベルに設定して通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方または何れか一方をONにし(ST23)、ヒータ運転モードを実行する(ST24)。なお、図5(2)(3)では、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にONにする場合を示してある。以下、図5での表記に合わせて通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にON・OFFするとして説明する。
【0040】
マイコン11は、ヒータ運転モードを実行(ST24)している過程で、ユーザ指定監視ポートbに運転停止指示が入力されると(ST25:Yes)、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし(ST26)、ON故障検知時間T3のカウントを開始する(ST27)。
【0041】
マイコン11は、ON故障検知時間T3のカウントを終了するまで(ST28:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを判定する(ST29)。
【0042】
ST29において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST29:Yes)マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障と判断し、遮断用リレー(4a,4b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST30)、本手順を終了する。
【0043】
一方、ST29において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST29:No)、マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)は正常と判断し、ON故障検知時間T3のカウントを終了する(ST28:Yes)のを待って、遮断用リレー(4a,4b)をOFFにする(ST31)。そして、所定時間t4経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにし(ST32)、ON故障検知時間T4のカウントを開始する(ST33)。
【0044】
マイコン11は、ON故障検知時間T4のカウントを終了するまで(ST34:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを判定する(ST35)。
【0045】
ST35において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST35:Yes)マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)のON故障と判断し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST36)、本手順を終了する。
【0046】
一方、ST35において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST35:No)、マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)は正常と判断し、ON故障検知時間T4のカウントを終了する(ST34:Yes)のを待って、ST21へ戻り、次の運転開始指示の入力を待機する。
【0047】
なお、ST22とST23、および、ST31とST32は、それぞれ、遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制するための処理である。
【0048】
以上をまとめると、図5に示すように、全てのリレーをOFFにしてヒータ運転開始指示の入力を待機し、ヒータ運転開始指示が入力されると、まず、遮断用リレー(4a,4b)のONにし、所定時間t3経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにすることで遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制してから通常のヒータ運転モードへ移行する。そして、ヒータ運転停止指示が入力されると、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のみをOFFにし、ON故障検知時間T3内においてヒータ電流を監視して通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無を判断する。
【0049】
ON故障検知時間T3内に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障が検知されると、その時点で遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし異常停止となるが、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)が正常であると、図5に示すように、まず、ON故障検知時間T3の経過時に遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし、所定時間t4経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにすることで遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をON状態にしているON故障検知時間T4内においてヒータ電流を監視して遮断用リレー(4a,4b)のON故障有無を判断する。
【0050】
ON故障検知時間T4内に遮断用リレー(4a,4b)のON故障が検知されると、その時点で通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし異常停止となるが、遮断用リレー(4a,4b)が正常であると、図5に示すように、ON故障検知時間T4の経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし、次のヒータ運転開始指示の入力を待機する状態になる。
【0051】
(第3の動作例)
図6は、ON故障検知の第3の動作例の制御手順を説明するフローチャートである。図7は、図6に示す制御手順により行われるON故障検知動作を説明するタイミングチャートである。なお、図7において、時間T5,T6は、ON故障検知時間である。また、時間t5,t6は、遮断用リレーの接点4aでのアークの発生を防止するための所定時間である。
【0052】
図6において、マイコン11は、電源スイッチが投入され電源回路5からDC5Vの直流電源13が印加されると、制御出力ポートc,d,eを共に低レベルに設定して遮断用リレー(4a,4b)および通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)を共にOFFにし(ST40)、ユーザ指示監視ポートbにヒータ運転開始指示が入力されるのを待機する(ST41)。
【0053】
ユーザがヒータ運転開始を指示すると(ST41:Yes)、まず、指定に従って制御出力ポートd,eの両方または一方を高レベルに設定して通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方または何れか一方をONにし(ST42)、ON故障検知時間T5のカウントを開始する。なお、図7(2)(3)では、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にONにする場合を示してある。以下、図7での表記に合わせて通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の両方を同時にON・OFFするとして説明する。
【0054】
マイコン11は、ON故障検知時間T5のカウントを終了するまで(ST44:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、ON故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを判定する(ST45)。
【0055】
ST45において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST45:Yes)マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)のON故障と判断し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST46)、本手順を終了する。
【0056】
一方、ST45において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST45:No)、マイコン11は、遮断用リレー(4a,4b)は正常と判断し、ON故障検知時間T5のカウントを終了する(ST44:Yes)のを待って、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし(ST47)、t5経過後に遮断用リレー(4a,4b)をONにし(ST48)、ON故障検知時間T6のカウントを開始する(ST49)。
【0057】
マイコン11は、ON故障検知時間T6のカウントを終了するまで(ST50:No)の間における判定時間内に、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が、ON故障検知のために予め定めた判定値を超えるか否かを判定する(ST51)。
【0058】
ST51において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値と同等か大きいことが検知されると(ST51:Yes)マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障と判断し、遮断用リレー(4a,4b)をOFFにする異常停止処理を実行し(ST52)、本手順を終了する。
【0059】
一方、ST52において、電流監視ポートaに入力されるヒータ電流が判定値よりも小さいことが検知されると(ST52:No)、マイコン11は、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)は正常と判断し、ON故障検知時間T6のカウントを終了する(ST50:Yes)のを待って通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにし(ST53)、ヒータ運転モードを実行する(ST54)。
【0060】
マイコン11は、ヒータ運転モードを実行(ST54)している過程で、ユーザ指定監視ポートbに運転停止指示が入力されると(ST55:Yes)、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし(ST55)、所定時間t6経過後に遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし(ST57)、ST41へ戻り、次の運転開始指示の入力を待機する。
【0061】
なお、ST47とST48、および、ST56とST57は、それぞれ、遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制するための処理である。
【0062】
以上をまとめると、図7に示すように、全てのリレーをOFFにしてヒータ運転開始指示の入力を待機し、ヒータ運転開始指示が入力されると、ON故障検知時間T5内、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のみをONにし、それを継続しているON故障検知時間T5内においてヒータ電流を監視して遮断用リレー(4a,4b)のON故障有無を判断する。
【0063】
ON故障検知時間T5内に遮断用リレー(4a,4b)のON故障が検知されると、その時点で通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし異常停止となるが、遮断用リレー(4a,4b)が正常であると、図7に示すように、まず、ON故障検知時間T5の経過時に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFFにし、所定時間t5経過後に遮断用リレー(4a,4b)をONにすることで遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をOFF状態に維持しているON故障検知時間T6内においてヒータ電流を監視して通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無を判断する。
【0064】
ON故障検知時間T6内に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障が検知されると、その時点で遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし異常停止となるが、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)が正常であると、図7に示すように、ON故障検知時間T6の経過後に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにしてヒータ運転モードに移行する。そして、ヒータ運転停止指示が入力されると、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のみをOFFにし、所定時間t6の経過後に遮断用リレー(4a,4b)をOFFにすることで遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制し、次のヒータ運転開始指示の入力を待機する状態になる。
【0065】
このように、実施の形態1によれば、1以上の通電用リレーの電源入力側に遮断用リレーを設け、また、ヒータ電流をモニタする回路を設け、ON故障検知時間内において遮断用リレーと通電用リレーとを相補的にON・OFFさせ、そのときのヒータ電流に基づいて、接点溶着故障やトランジスタの短絡故障による遮断用リレーおよび通電用リレーの各ON故障の有無を判断するので、正確に各ON故障を検知することができる。
【0066】
そのとき、遮断用リレーと通電用リレーとに共にON故障が検知されない通常の運転状態において、第1の動作例〜第3の動作例に示すように、遮断用リレーおよび通電用リレーのON・OFF動作に時間差を設け、遮断用リレーの接点でのアーク発生を抑制するようにしたので、遮断用リレーの接点溶着故障を極めて少なくすることができる。換言すれば、遮断用リレーと通電用リレーとに、同時にON故障が発生する確率は極めて少ないと考えることができる。
【0067】
したがって、遮断用リレーと通電用リレーの何れか一方にON故障が発生した場合は、何れか他方の正常なリレーにより、迅速にヒータへの通電を強制停止できるので、ユーザの使用意図とは無関係にヒータに通電を続けてしまうような異常状態がなくなり、安全なヒータ制御を可能にするヒータ駆動回路を実現できる。
【0068】
なお、図1では、ヒータ電流検知回路8として、絶縁型を示したが、例えば、ヒータ1a,1bの各他端と商用電源2の他端との接続ラインにヒータ電流を取り出す抵抗器を設けるなどした非絶縁型で構成してもよい。また、スイッチング素子Q1,Q2,Q3は、バイポーラ型トランジスタを用いたが、MOS型トランジスタを用いてもよい。
【0069】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2として、図1に示したヒータ駆動回路での他の動作例を説明するタイミングチャートである。この実施の形態2では、本発明で設ける遮断用リレーの今一つの利用方法について説明する。
【0070】
回路基板に半田付けにより固定搭載されるリレーは、コイルに通電しているON期間内自己発熱している。半田付け部は、この自己発熱により加熱され、温度がリレーOFF時よりも高くなる。このように半田付け部に生ずる温度差は熱衝撃と呼ばれているが、この熱衝撃によって半田付け部は半田切れを起こしやすくなることが知られている。具体的には、温度差が大きい場合で、コイルへの通電・停止の繰り返し回数が大きいほど、半田付け部への熱衝撃が大きくなって半田切れを起こしやすくなる。
【0071】
そこで、この実施の形態2では、図8に示すように、ヒータ運転開始指示の入力を待機しているヒータOFF期間20では、遮断用リレー(4a,4b)をOFFさせている点に着目し、このヒータOFF期間20の間、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONさせるようにした。ヒータ1a,1bにはヒータ電流は流れないが、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のコイル6b,7bに電流が流れるので、ヒータOFF期間20において自己発熱により半田付け部の温度は、リレーOFF時よりも高い或る温度に上昇する。
【0072】
そうすると、ヒータ運転開始指示が入力されると、遮断用リレー(4a,4b)の接点4aでのアーク発生を抑制する期間21の経過後に、ヒータ運転モードが実行されるが、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)の半田付け部の温度は、ヒータOFF期間20において予め或る温度に高めてあるので、ヒータ運転モード時に通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のコイル6b,7bに電流が流れて上昇する半田付け部の温度との温度差を小さくすことができる。すなわち、半田付け部への熱衝撃が大幅に軽減されるので、半田切れを起こり難くすることができる。
【0073】
加えて、この実施の形態2では、ヒータOFF期間20において、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONさせる点に着目し、遮断用リレー(4a,4b)のON故障有無を、実施の形態1にて説明した手順で判断するようにしている。当然、ヒータOFF期間20において、遮断用リレー(4a,4b)のON故障が検知されると、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)を直ちにOFFさせて異常停止を実行する。
【0074】
図8では、ヒータOFF期間20において、遮断用リレー(4a,4b)のON故障が検知されないときに、ヒータ運転開始指示が入力されると、アーク発生抑制期間21の経過後に、ヒータ運転モードを実行する場合を示してある。
【0075】
そして、ヒータ運転停止指示が入力されると、実施の形態1にて説明した手順で、ON故障検知時間22を設定し、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無を判断する。通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)にON故障が検知されない場合に、ON故障検知時間22の経過を待って遮断用リレー(4a,4b)をOFFにし、その後に、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)をONにするアーク発生抑制手順を行ってから上記したヒータOFF期間20へ移行する。
【0076】
なお、図8では、通電用リレー(6a,6b)(7a,7b)のON故障有無の判断をヒータ運転停止指示が入力されたタイミングで行う場合を示したが、ヒータ運転開始指示が入力されたタイミングで行い、正常で有る場合に、ヒータ運転モードを実行するようにしてもよい。
【0077】
以上のように、この実施の形態2では、1以上の通電用リレーの電源入力側に遮断用リレーを設ける構成を利用して、ヒータ運転待機時(ヒータOFF時)において1以上の通電用リレーをONさせて半田付け部を或る温度に予熱しておくようにしたので、ヒータ運転時(ヒータON時)での半田付け部の温度との温度差を小さくすることができ、半田付け部への熱衝撃を大幅に軽減することができる。すなわち、1以上の通電用リレーの基板との半田付け部の寿命を引き延ばすことができ、本発明によるON故障検知動作の実効性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかるヒータ駆動回路は、通電用リレーの接点溶着や通電用トランジスタの短絡故障による通電用リレーのON故障を検知すると、温度ヒューズを溶断させることなく、迅速にヒータへの通電を停止できるので、安全なヒータ制御を可能にするヒータ駆動回路として有用である。
【符号の説明】
【0079】
1a,1b ヒータ(電気ヒータ)
2 商用電源
3 温度ヒューズ
4a 遮断用リレーの接点
4b 遮断用リレーのコイル
5 電源回路
6a,7a 通電用リレーの接点
6b,7b 通電用リレーのコイル
8 ヒータ電流検知回路
11 制御回路(マイコン)
Q1 トランジスタ(遮断用スイッチング素子)
Q2,Q3 トランジスタ(通電用スイッチング素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から1以上の電気ヒータへの各通電路に接点が接続される1以上の通電用リレーと、前記1以上の通電用リレーのコイルへの通電を制御する1以上の通電用スイッチング素子と、ユーザが指定する運転開始から運転停止までの間、前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させ、前記1以上の通電用リレーの接点を閉路状態に制御するヒータ運転モードを実施する制御回路とを備えるヒータ駆動回路において、
前記商用電源と前記1以上の通電用リレーの接点との間の通電路に接点が接続される遮断用リレーと、
前記遮断用リレーのコイルへの通電を制御する遮断用スイッチング素子と、
前記商用電源と前記1以上の電気ヒータとの間に流れるヒータ電流を検知するヒータ電流検知回路と
を備え、
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力時と前記運転停止指示の入力時の両方または一方において、前記1以上の通電用スイッチング素子と前記遮断用スイッチング素子とに相補的にオン動作とオフ動作とを行わせ、その時の前記ヒータ電流検知回路が検知した電流値と判定値との比較に基づき、前記1以上の通電用リレーおよび前記遮断用リレーの各ON故障の有無を検知し、いずれか一方のリレーにON故障が検知されると、いずれか他方のリレー接点を開路させる異常停止処理を実行する
ことを特徴とするヒータ駆動回路。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力があると、前記遮断用スイッチング素子にオフ動作を継続させるとともに、前記1以上の通電用スイッチング素子を第1のON故障検知時間内オン動作させ前記比較動作を行って前記遮断用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記第1のON故障検知時間経過時に前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させ、前記遮断用スイッチング素子にオン動作させた後に前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させ前記ヒータ運転モードを実施し、前記運転停止指示の入力があると、前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させるとともに、前記遮断用スイッチング素子にオン動作を第2のON故障検知時間内継続させ、前記比較動作を行って前記1以上の通電用リレーのON故障の有無を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒータ駆動回路。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力があると、前記遮断用スイッチング素子にオン動作を行わせ、その後に前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させて前記ヒータ運転モードを実施し、前記運転停止指示の入力があると、前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させるとともに、前記遮断用スイッチング素子にオン動作を第3のON故障検知時間内継続させ前記比較動作を行って前記1以上の通電用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記第3のON故障検知時間経過時に前記遮断用スイッチング素子をオフ動作させ、その後に前記1以上の通電用スイッチング素子を第4のON故障検知時間内オン動作させて前記比較動作を行い、前記遮断用リレーのON故障の有無を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒータ駆動回路。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力があると、前記遮断用スイッチング素子にオフ動作を継続させるとともに、前記1以上の通電用スイッチング素子を第5のON故障検知時間内オン動作させ前記比較動作を行って前記遮断用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記第5のON故障検知時間経過時に前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させ、その後前記遮断用スイッチング素子をオン動作させ、第6のON故障検知時間内前記比較動作を行って前記1以上の通電用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記1以上の通電用スイッチング素子を前記第6のON故障検知時間経過時にオン動作させて前記ヒータ運転モードを実施する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒータ駆動回路。
【請求項5】
前記制御回路は、前記遮断用スイッチング素子をオフ動作させて前記運転開始指示の入力を待機している間、前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させることを特徴とする請求項1に記載のヒータ駆動回路。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力を待機している間に前記比較動作を行って前記遮断用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記運転開始指示の入力を受けて前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させ、前記遮断用スイッチング素子をオン動作させ、その後に前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させて前記ヒータ運転モードを実施し、前記運転停止指示の入力があると、前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させるとともに、前記遮断用スイッチング素子にオン動作を所定のON故障検知時間内継続させて前記比較動作を行い、前記1以上の通電用リレーのON故障の有無を検知する
ことを特徴とする請求項5に記載のヒータ駆動回路。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記運転開始指示の入力を待機している間に前記比較動作を行って前記遮断用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記運転開始指示の入力を受けて前記1以上の通電用スイッチング素子をオフ動作させ、その後前記遮断用スイッチング素子をオン動作させ、所定のON故障検知時間内前記比較動作を行って前記1以上の通電用リレーのON故障の有無を検知し、正常であれば、前記1以上の通電用スイッチング素子をオン動作させて前記ヒータ運転モードへ移行する
ことを特徴とする請求項5に記載のヒータ駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−113809(P2011−113809A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269082(P2009−269082)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】