説明

ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法

【課題】 ジアセチル化合物であるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を高収率・高純度で得ることのできる、ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 特定のビス−アミノフェニル化合物と、無水酢酸とを、ビス−アミノフェニル化合物に対して1〜3質量倍のN,N−ジメチルホルムアミド、1〜2質量倍のN,N−ジメチルアセトアミド、1〜2質量倍のN,N−ジメチルスルホキシドまたは1〜12質量倍のN−メチルホルムアミドの存在下で反応させることによって、特定のビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のビス−アミノフェニル化合物を出発原料として、高純度かつ高収率でビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得ることができる、ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アセチル化合物は、アセトアニリドやアセトアミノフェンなどのようにそれ自体が医薬分野などで有用な化合物である。さらには、アセチル化合物は、アセチル基を保護基として用いることによって次工程の反応を選択的に行うことができる点で、中間体化合物としても広く利用されている(特許文献1〜3)。
【0003】
アセチル化合物を得る方法としては、アミン化合物を出発原料として、無溶媒もしくは氷酢酸などの反応溶媒の存在下にて、無水酢酸もしくは塩化アセチルなどを作用させるアセチル化反応が一般的に用いられる。代表的な合成例としては、アニリンを出発原料としたアセトアニリドの合成例が挙げられる。
【0004】
特許文献1〜3には、アミン化合物の一種である下記一般式(1)
【0005】
【化1】

【0006】
(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるジアミン化合物であるビス−アミノフェニル化合物を出発原料として、ジアセチル化合物である下記一般式(2)
【0007】
【化2】

【0008】
(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物を合成した例が開示されている。これらの例においては、反応溶媒として、氷酢酸やトルエンが用いられている。
【特許文献1】特開2006−104183号公報
【特許文献2】特開2006−106677号公報
【特許文献3】特開平07−126226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物から得られるビス−アセチルアミノフェニル化合物は、分子内に占めるアセチル基の部位が相対的に大きいという特徴をもつ。そのため、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物にアセチル基を付与すると、反応溶媒への溶解性が大きく変化する。
【0010】
特許文献1および2には、トルエン中でこのアセチル化反応(ジアセチル化反応)を行った例が開示されている。トルエン中では、反応生成物であるジアセチル化合物が結晶化しやすいが、同様に、反応中間体であるモノアセチル化合物も結晶化しやすい。このため、モノアセチル化合物が反応途中で一部結晶化してしまい、反応に寄与することができず、結果的に、ジアセチル化合物の結晶中にモノアセチル化合物が不純物として残ってしまう問題があった。
【0011】
特許文献3には、氷酢酸を反応溶媒として用いた例が開示されている。この例においては、氷酢酸中に溶解しているジアセチル化合物に対して、中和および再沈の後処理を施して、ジアセチル化合物の結晶を得ている。しかしながら、これらの後処理を施すと、中和および再沈の後処理のそれぞれにおいて収率が低下するという問題があった。また、再沈による結晶化では、不純物を抱き込みやすいため、ジアセチル化合物の結晶の純度が十分に高くないという問題があった。さらに、反応途中でモノアセチル化合物が不純物としてジアセチル化合物の結晶中に残ってしまうという問題もあった。
【0012】
なお、特開2003−277361号公報には、非プロトン性極性溶媒中で、インドリン−2−スルホン酸アルカリ金属塩を無水酢酸と反応させるアセチル化反応が開示されている。その効果として、特開2003−277361号公報には、モノアセチル化合物を濾過性よく、かつ、高収率・高純度の結晶として取り出せることが記載されている。しかしながら、特開2003−277361号公報に開示されている反応系はモノアセチル化反応であるため、ジアセチル化反応特有の問題であるモノアセチル化合物が不純物として残ってしまうという問題の解決手段を何ら教示するものではない。
【0013】
したがって、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物からビス−アセチルアミノフェニル化合物を合成するうえでは、モノアセチル化合物のほとんどが反応に寄与するとともに、高収率・高純度でジアセチル化合物を得るための新たな方法が望まれていた。
【0014】
本発明の目的は、ジアセチル化合物であるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を高収率・高純度で得ることのできる、ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、下記一般式(1)
・一般式(1)
【0016】
【化3】

【0017】
(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜3質量倍のN,N−ジメチルホルムアミドの存在下で反応させることによって、下記一般式(2)
・一般式(2)
【0018】
【化4】

【0019】
(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法である。
【0020】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルアセトアミドの存在下で反応させることによって、前記一般式(2)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法である。
【0021】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルスルホキシドの存在下で反応させることによって、前記一般式(2)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法である。
【0022】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜12質量倍のN−メチルホルムアミドの存在下で反応させることによって、前記一般式(2)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ジアセチル化合物であるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を高収率・高純度で得ることのできる、ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、上述のとおり、下記一般式(2)
・一般式(2)
【0025】
【化5】

【0026】
(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得る、ビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法である。
【0027】
そして、本発明の製造方法において、前記一般式(2)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物を得るための出発原料としては、下記一般式(1)
・一般式(1)
【0028】
【化6】

【0029】
(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩が用いられる。
【0030】
前記一般式(1)中のRおよびRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。該アルキル基が有してもよい置換基としては、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。RおよびRが互いに結合して形成される環としては、炭素数が4〜6の環が挙げられる。
【0031】
本発明の効果がより顕著に得られるビス−アミノフェニル化合物は、下記構造式(3)
・構造式(3)
【0032】
【化7】

【0033】
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩である。前記構造式(3)で示されるビス−アミノフェニルを出発原料として用いた場合は、下記構造式(4)
・構造式(4)
【0034】
【化8】

【0035】
で示されるビス−アセチルアミノフェニルが得られる。
【0036】
本発明の製造方法で用いられるビス−アミノフェニル化合物の好ましい例を以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【化9】

【0038】
本発明の製造方法で得られるビス−アセチルアミノフェニル化合物の好ましい例を以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
【化10】

【0040】
本発明の製造方法で用いられる反応溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシドまたはN−メチルホルムアミドである。これらの反応溶媒の存在下で反応を行うと、モノアセチル化合物が反応残渣として残りにくく、結晶中に不純物が取り込まれにくく、高純度のビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得ることができる。また、再沈などの後処理も必要ではなくなる。これら溶媒の中でも、特に好ましい溶媒は、N−メチルホルムアミドである。
【0041】
本発明で用いられる反応溶媒の量は、溶媒の種類によって異なる。
【0042】
反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用いる場合は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜3質量倍のN,N−ジメチルホルムアミドが用いられる。
【0043】
反応溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用いる場合は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルアセトアミドが用いられる。
【0044】
反応溶媒としてN,N−ジメチルスルホキシドを用いる場合は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルスルホキシドが用いられる。
【0045】
反応溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いる場合は、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜12質量倍のN−メチルホルムアミドが用いられる。
【0046】
無溶媒もしくは上記の下限未満の溶媒量であると、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩が溶けきらずに反応残渣として残ってしまったり、モノアセチル化合物が反応残渣として残ってしまったりする問題がある。また、上記の上限より多い溶媒量であると、前記一般式(2)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物が結晶として得られず、再沈などの後処理を別途施す必要が生じ、その結果、収率・純度が低下するという問題がある。
【0047】
上記の反応溶媒は、各々他の溶媒と混合して用いてもよい。他の反応溶媒の溶媒量は、本発明の効果を十分に得る観点からは、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩の質量に対して1質量倍以下であることが好ましい。
【0048】
また、本発明で用いられる無水酢酸の量は、本発明の効果を十分に得る観点からは、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して2モル倍量以上であることが好ましい。
【0049】
本発明の製造方法において、ジアセチル化反応の手順は、とくに制限はない。たとえば、前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩を均一に溶解させた溶媒中に無水酢酸を滴下して反応させてもよい。また、無水酢酸中に前記一般式(1)で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩を均一に溶解させた溶媒を滴下して反応させてもよい。滴下時間に関しては、0.1〜200分間で滴下終了することが好ましい。
【0050】
本発明の製造方法において、ジアセチル化反応の反応温度は、0〜140℃が好ましい。
【0051】
本発明の製造方法において、ジアセチル化反応の反応時間は、5分〜10時間が好ましい。
【実施例】
【0052】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらにのみ限定されるものではない。なお、実施例中、「室温」は25℃である。
【0053】
本発明において、HPLC純度の測定は、次の条件で行った。
【0054】
使用測定機:HEWLETT PACKARD社製、SERIES1100
HPLCカラム:Shodex社製、ODSpak F−411
展開液:メタノール/水=65/35(体積比)
展開速度:1.5mL/min
検出波長:254nm
サンプル注入量:0.8μL
測定用サンプル:測定試料5mgをTHF1.0mLに溶解させて調製
本発明において、結晶として得られたビス−アセチルアミノフェニル化合物のDSC吸熱ピーク測定は、次の条件で行った。
【0055】
使用測定機:真空理工(株)製、DSC−7000
測定用サンプル:測定試料8mgをアルミニウムパン中に封入
測定リファレンス:空のアルミニウムパン
測定環境:N雰囲気下
昇温条件:20℃から昇温速度10℃/分で300℃まで昇温させる
測定の結果得られた温度250〜300℃の範囲における吸熱ピークの温度を、ビス−アセチルアミノフェニル化合物のDSC吸熱ピークとした。
【0056】
本発明において、ビス−アミノフェニル化合物組成物中のビス−アミノフェニル化合物の含有率は、上記HPLC測定における光吸収強度を用いて、標準添加法により求めた。
【0057】
〔実施例1〕
例示化合物(a)で示されるビス−アミノフェニル化合物組成物(ビス−アミノフェニル化合物の含有率:81.0%)30.0g(0.091mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド24.3gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸20.5g(0.201mol)を3分間かけて滴下した。
【0058】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール72.9gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0059】
得られた例示化合物(A)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は81%、HPLC純度は97.5%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは274.0℃であった。
【0060】
〔実施例2〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドを72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0061】
〔実施例3〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド24.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0062】
〔実施例4〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド48.6gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0063】
〔実施例5〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0064】
〔実施例6〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド291.6gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0065】
〔実施例7〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド24.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0066】
〔実施例8〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド36.5gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0067】
〔実施例9〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド48.6gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0068】
〔実施例10〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルスルホキシド24.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0069】
〔実施例11〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルスルホキシド48.6gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0070】
〔実施例12〕
実施例2において、無水酢酸を40.9g(0.401mol)とした以外は実施例2と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0071】
〔実施例13〕
実施例2において、無水酢酸を30分間かけて滴下した以外は実施例2と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0072】
〔実施例14〕
実施例2において、反応を室温下で行った以外は実施例2と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0073】
〔実施例15〕
実施例14において、N,N−ジメチルホルムアミドを48.6gとした以外は実施例14と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0074】
〔実施例16〕
実施例1において、例示化合物(a)で示されるビス−アミノフェニル化合物組成物(ビス−アミノフェニル化合物の含有率:97.0%)を30.0g(0.109mol)とし、無水酢酸を24.5g(0.240mol)とし、N,N−ジメチルホルムアミドを87.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0075】
〔実施例17〕
実施例16において、N−メチルホルムアミドを58.2gとした以外は実施例16と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0076】
〔実施例18〕
例示化合物(a)で示されるビス−アミノフェニル化合物の塩酸塩30.0g(0.088mol)を、酢酸ナトリウム16.0g(0.195mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で1時間攪拌した。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸19.8g(0.195mol)を3分間かけて滴下した。
【0077】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。結果を表1に示す。
【0078】
〔実施例19〕
実施例18において、N,N−ジメチルホルムアミドを60gとした以外は実施例18と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0079】
〔実施例20〕
実施例18において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド60gとした以外は実施例18と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0080】
〔実施例21〕
実施例18において、例示化合物(a)で示されるビス−アミノフェニル化合物の塩酸塩組成物(塩酸塩の含有率:80.0%)を30.0g(0.071mol)とし、酢酸ナトリウム12.8g(0.156mol)とし、無水酢酸を15.9g(0.156mol)とし、N−メチルホルムアミドを72gとした以外は実施例18と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例22〕
実施例21において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド48gとした以外は実施例21と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0082】
〔実施例23〕
例示化合物(a)で示されるビス−アミノフェニル化合物の硫酸塩30.0g(0.082mol)を、酢酸ナトリウム14.9g(0.181mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で1時間攪拌した。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸18.5g(0.181mol)を3分間かけて滴下した。
【0083】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。結果を表1に示す
〔実施例24〕
実施例23において、N,N−ジメチルホルムアミド60gとした以外は実施例23と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0084】
〔実施例25〕
実施例23において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド60gとした以外は実施例23と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例26〕
例示化合物(b)で示されるビス−アミノフェニル化合物を30.0g(0.133mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド30gを、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸29.8g(0.292mol)を3分間かけて滴下した。
【0086】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0087】
得られた例示化合物(B)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は76%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは260.0℃であった。
【0088】
〔実施例27〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドを90gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0089】
〔実施例28〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド30gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0090】
〔実施例29〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド60gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0091】
〔実施例30〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド90gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0092】
〔実施例31〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド360gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0093】
〔実施例32〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド30gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0094】
〔実施例33〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド45gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0095】
〔実施例34〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド60gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0096】
〔実施例35〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルスルホキシド30gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0097】
〔実施例36〕
実施例26において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルスルホキシド60gとした以外は実施例26と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0098】
〔実施例37〕
例示化合物(b)で示されるビス−アミノフェニル化合物の塩酸塩30.0g(0.100mol)を、酢酸ナトリウム18.1g(0.221mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で1時間攪拌した。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸22.5g(0.221mol)を3分間かけて滴下した。
【0099】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。結果を表1に示す。
【0100】
〔実施例38〕
実施例37において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド60gとした以外は実施例37と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0101】
〔実施例39〕
例示化合物(b)で示されるビス−アミノフェニル化合物の硫酸塩30.0g(0.076mol)を、酢酸ナトリウム13.6g(0.166mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド90gともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で1時間攪拌した。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸16.9g(0.166mol)を3分間かけて滴下した。
【0102】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。結果を表1に示す。
【0103】
〔実施例40〕
実施例39において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド60gとした以外は実施例39と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0104】
〔実施例41〕
例示化合物(c)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.141mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸31.7g(0.311mol)を3分間かけて滴下した。
【0105】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0106】
得られた例示化合物(C)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは260.0℃であった。
【0107】
〔実施例42〕
例示化合物(d)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.118mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸26.5g(0.259mol)を3分間かけて滴下した。
【0108】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0109】
得られた例示化合物(D)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0110】
〔実施例43〕
例示化合物(e)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.112mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸25.1g(0.246mol)を3分間かけて滴下した。
【0111】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0112】
得られた例示化合物(E)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0113】
〔実施例44〕
例示化合物(f)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.099mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸22.3g(0.218mol)を3分間かけて滴下した。
【0114】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0115】
得られた例示化合物(F)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0116】
〔実施例45〕
例示化合物(g)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.133mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸29.8g(0.292mol)を3分間かけて滴下した。
【0117】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0118】
得られた例示化合物(G)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0119】
〔実施例46〕
例示化合物(h)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.118mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸26.5g(0.259mol)を3分間かけて滴下した。
【0120】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0121】
得られた例示化合物(H)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0122】
〔実施例47〕
例示化合物(i)で示されるビス−アミノフェニル化合物30.0g(0.125mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド90gとともに、500mL三つ口丸底フラスコ内へ投入し、室温下で攪拌しながら溶解させた。その後、オイルバス中で60℃まで加熱した。そこへ、無水酢酸28.0g(0.275mol)を3分間かけて滴下した。
【0123】
滴下が終了した時間を反応開始時間として、1時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けた。その後、メタノール90gを投入して、液を希釈した。反応液を濾過して、濾紙上の濾物を回収し、真空乾燥機にて1晩乾燥させた。
【0124】
得られた例示化合物(I)で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の収率は69%、HPLC純度は97.0%であり、モノアセチル化合物はHPLC測定では検出されなかった。DSC吸熱ピークは270.0℃であった。
【0125】
〔実施例48〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミド24.3gをN,N−ジメチルホルムアミド72.9gおよび氷酢酸24.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0126】
〔比較例1〕
実施例1において、無水酢酸を塩化アセチル15.8g(0.201mol)とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0127】
〔比較例2〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドを97.2gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0128】
〔比較例3〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチルホルムアミド315.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0129】
〔比較例4〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0130】
〔比較例5〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルスルホキシド72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0131】
〔比較例6〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドを用いなかった以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0132】
〔比較例7〕
比較例6において、無水酢酸を40.9g(0.401mol)とした以外は比較例6と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0133】
〔比較例8〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをトルエン72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0134】
〔比較例9〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドを1,2−ジクロロベンゼン72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0135】
〔比較例10〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをアセトニトリル72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0136】
〔比較例11〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをホルムアミド72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0137】
〔比較例12〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN−メチル−2−ピロリドン24.3gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、室温まで放冷させた後、室温下で1時間攪拌を続けたが、結晶は得られなかった。
【0138】
〔比較例13〕
実施例1において、N,N−ジメチルホルムアミドを氷酢酸72.9gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0139】
〔比較例14〕
実施例16において、N,N−ジメチルホルムアミドを氷酢酸87.3gとした以外は実施例16と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0140】
〔比較例15〕
実施例16において、N,N−ジメチルホルムアミドを氷酢酸116.4gとし、反応を室温下で行った以外は実施例16と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0141】
〔比較例16〕
実施例18において、N,N−ジメチルホルムアミドを氷酢酸90gとした以外は実施例16と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0142】
〔比較例17〕
実施例18において、N,N−ジメチルホルムアミドを氷酢酸210gとし、反応を室温下で行った以外は実施例18と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0143】
【表1】

【0144】
【表2】

【0145】
表1および2中、「N.D.」は、検出されなかったことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
・一般式(1)
【化1】

(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜3質量倍のN,N−ジメチルホルムアミドの存在下で反応させることによって、下記一般式(2)
・一般式(2)
【化2】

(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法。
【請求項2】
下記一般式(1)
・一般式(1)
【化3】

(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルアセトアミドの存在下で反応させることによって、下記一般式(2)
・一般式(2)
【化4】

(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法。
【請求項3】
下記一般式(1)
・一般式(1)
【化5】

(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜2質量倍のN,N−ジメチルスルホキシドの存在下で反応させることによって、下記一般式(2)
・一般式(2)
【化6】

(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(1)
・一般式(1)
【化7】

(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を示す、あるいは、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよい。)
で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩と、無水酢酸とを、該ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩に対して1〜12質量倍のN−メチルホルムアミドの存在下で反応させることによって、下記一般式(2)
・一般式(2)
【化8】

(一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ、一般式(1)中のRおよびRと同義である。)
で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶を得るビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法。
【請求項5】
前記ビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩が下記構造式(3)
・構造式(3)
【化9】

で示されるビス−アミノフェニル化合物もしくはその硫酸塩もしくはその塩酸塩であり、前記ビス−アセチルアミノフェニル化合物が下記構造式(4)
・構造式(4)
【化10】

で示されるビス−アセチルアミノフェニル化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビス−アセチルアミノフェニル化合物の結晶の製造方法。

【公開番号】特開2010−64971(P2010−64971A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231194(P2008−231194)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】