説明

ビスホスホン末端をもつ新規樹枝状ポリマー、その誘導体、その製造方法、及びその使用

本発明はビスホスホン末端を有する新規樹枝状ポリマー、その誘導体、その製造方法及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
樹枝状ポリマーは、中心の多官能性コアの周りに分枝プロセスにより結合したモノマーで構成される巨大分子である。
【背景技術】
【0002】
樹枝状ポリマーは、“カスケード分子”とも呼ばれ、所定構造をもつ高度に分枝した官能性ポリマーである。これらの巨大分子は反復単位の結合に基づくものであるため、実際は、ポリマーである。しかしながら、樹枝状ポリマーは、分枝構造による独自の特性を有するために、従来のポリマーとは根本的に異なる。樹枝状ポリマーの分子量及び形状は正確に制御することができ、すべての官能基が各枝の末端に位置して表面を形成するので、利用しやすい。
【0003】
樹枝状ポリマーは、各反復単位及び末端官能基が増殖する反応手順を反復することにより段階的に構築される。各反応手順はいわゆる“新世代”を形成する。枝分かれ構造は、新生代及び増加する個々の枝が各反応サイクルの終了時に得られることを可能にする反応手順の繰り返しによって得られる。数世代の後には、球形の樹枝状ポリマーとなるのが一般的である。該樹枝状ポリマーは高度に分枝しており、外面に存在する多数の末端官能基により多官能性である。
【0004】
上記ポリマーは特に、「Launay等著、“Angew. Chem. Int. Ed. Engl.”, 1994年, 33, 15/16, p1589−1592」又は「Launay等著、“Journal of Organometallic Chemistry”, 1997年, 529, p51−58」に記載されている。
【非特許文献1】Launay等著、“Angew. Chem. Int. Ed. Engl.”, 1994年, 33, 15/16, p1589−1592
【非特許文献2】Launay等著、“Journal of Organometallic Chemistry”, 1997年, 529, p51−58
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば表面を保護するための表面処理では接着現象が関与するが、これは該表面上における水素結合供与基及び受容基の存在及び/又は保護剤をしばしば必要とする。それ故、表面処理剤として高い水素結合容量を有する薬剤を提供するのが望ましい。
【0006】
樹枝状ポリマーは、その構造のおかげで、末端が高密度であるため外面での官能基密度が高い。従って、表面処理剤として樹枝状ポリマーを使用することを目的として、水素結合の生成を可能とする官能性樹枝状ポリマーを製造することが思い描かれてきた。
【0007】
ホスホン酸基又はこれに対応するメチルエステル基、更にはこれに対応する二官能基は水素結合の生成に特に有利である。従って、ビスホスホン酸の官能性末端又はその誘導体をもつ樹枝状ポリマーを製造することが望まれる。
【0008】
種々のリン含有官能基(ホスフィン、ホスフィネート、ホスフェート、ホスホネート、ホスホラン、スピロホスホラン)をもつ樹枝状ポリマーが前記記事又は仏国特許出願FR9506281に特に記載されている。
【0009】
しかしながら、遊離ビスホスホン酸末端、又は随意にこれに対応する塩若しくはエステルの形態にある末端をもつ樹枝状ポリマーは記載されていない。実際のところ、樹枝状ポリマーにそのような官能基を与えることはこれまで不可能であった。より正確には、ビスホスホン酸基をもつ樹枝状ポリマーを製造することは不可能だった。今回、対応するメチルエステルから出発することでこれが可能となった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
今回、本発明者はジエステル又はビスホスホン酸型の末端官能基を樹枝状ポリマーに与えることのできる反応を見出した。
【0011】
従って、第一の目的によれば、本発明は各枝の末端に二つの末端官能基−PO(OX)2(式中、Xは−アルキル又は−アリール、又は−PO(OH)2若しくは対応する塩である。)をもつ樹枝状ポリマーに関する。
【0012】
また、第二の目的によれば、本発明は上記樹枝状ポリマーの製造方法に関する。
【0013】
また、別の目的によれば、本発明は表面処理時に本発明の樹枝状ポリマーを使用することに関する。
【0014】
従って、本発明は:
− 原子価mの中心コア§;
− コアの周辺に分枝した随意的な世代鎖;
− 存在し得る各世代鎖の端部における又は適切なときはコア周辺の各結合の端部における中間鎖;並びに
− 各中間鎖の端部における次式で表されることを特徴とする末端基;

(式中、
−A1<は−CR<又は−ヘテロ原子<基を表し;
A2基は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に単結合であるか、又は鎖員が1〜6個の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員はヘテロ原子(好ましくは窒素)から随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換してもよく;
Xは−アルキル、−アリール、−H又はM+(M+は陽イオン)を表し;
mは1に等しいか又はそれより大きい整数を表し;
nは0〜12の整数を表し;
<はA1に位置する二つの結合を表す。)
を有する世代nの樹枝状ポリマーに関する。
【0015】
より頻繁には、本発明の樹枝状ポリマーは:
− 存在し得る各世代鎖の端部に;又は
− 世代鎖に連結していないコア周辺の各結合の端部に
末端基によって終了する中間鎖を有する。
【0016】
従って、本発明の樹枝状ポリマーは中心コア§に結合したm個のアームを有するのが一般的であり、各アームは:
− タイプ(1)のアーム、すなわち、式(T)で表される末端基によって終了する中間鎖によって構成されるアーム;又は
− タイプ(2)のアーム、すなわち、式(T)で表される末端基によって終了する中間鎖を端部に有する1又は2以上の世代鎖によって構成されるアーム;
である。
【0017】
特定の一実施形態によれば、樹枝状ポリマーは中心コア§に結合したタイプ(1)のアームのみを有する。
【0018】
別の一実施形態によれば、樹枝状ポリマーは中心コア§に結合したタイプ(2)のアームのみを有する。
【0019】
本発明に係る樹枝状ポリマーは好ましくは、市販の樹枝状ポリマーの表面に末端基−(A1)<[A2−P(=O)(OX)2]2がグラフトされたものである。
【0020】
本発明によれば、前記市販の樹枝状ポリマーは、−NH2、−OH若しくは−COOHの末端基を有するDAB−AM、PAMAM(特にStarbust(登録商標))のタイプ、シクロトリホルスファゼン−若しくはチオホスホリル−PMMHのようなPMMHのタイプの樹枝状ポリマーから特に選択され、或いは:
【化1】

並びに以降の世代のようなリン含有樹枝状ポリマーから選択される。
【0021】
上記の樹枝状ポリマーはすべてAldrich社から販売されている。
【0022】
A1は好ましくは−CH<又は−N<を表す。
−P(=O)(OX)2基は好ましくはゲム位にある。
Xは好ましくは−アルキル(例えば−メチル)を表す。
A2は好ましくは−Me−を表す。
中心コア§は少なくとも1個の原子価mの原子で構成される。
中心コア§は1に等しいか又はそれより大きい原子価mを有する任意の原子又は基から選択することができる。§は好ましくは少なくとも1個のヘテロ原子をもつ。
+は原子(例えば金属原子)の陽イオン、又は陽イオンの形態で安定となることのできる任意の基から誘導した陽イオンである。前記陽イオンは窒素含有塩基の塩(特にアンモニウム塩)の単独物又は(特に陽イオン界面活性剤との)混合物から特に選択することができる。
+は周期表のIA、IIA、IIB又はIIIA族の元素の陽イオンを表し;Mは好ましくはナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、リチウム及びアルミニウム原子から選択され、より好ましくはナトリウム、リチウム及びカリウムから選択される。
【0023】
また別の好ましい側面によれば、M+は窒素含有塩基の陽イオン(例えばHNEt3+)を表す。
【0024】
コア§は好ましくは以下の基から選択される。
【化2】

【0025】
中心コア§は好ましくは次式を有する。
【化3】

【0026】
mは1〜8、より好ましくは3〜8、更に特別には3、4又は6の整数を表す。
【0027】
nは樹枝状ポリマーの世代数を表し、0〜12、好ましくは0〜3の整数を表す。
【0028】
世代鎖は1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜12個である任意の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖から選択される。各鎖員はヘテロ原子、アリール基、ヘテロアリール、>C=O、>C=NRから随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよい。
R及びR’は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子又は−アルキル、−アリール、−アラルキルを表す。
【0029】
世代鎖は、同一でも異なってもよく、好ましくは次式で表される。

(式中:
Aは酸素原子、硫黄原子、リン原子又は−NR−基を表し;
Bは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてもよく;
Cは炭素原子を表し;
D及びEは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、−アルキル、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基を表し、これらの基はハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてもよく;
Gは硫黄、酸素、窒素、硫黄、セレン又テルル原子又は=NR基を表し;
Nは窒素原子を表し;
Pはリン原子を表す。)
【0030】
上の一般式(C1)中、Aは好ましくは酸素原子を表す。
上の一般式(C1)中、Bは好ましくは、ハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されたフェニル環を表し、より好ましくはBは非置換フェニル環を表す。
上の一般式(C1)中、Dは好ましくは水素原子を表す。
上の一般式(C1)中、Eは好ましくは−アルキル基を表す。
上の一般式(C1)中、Gは好ましくは硫黄原子を表す。
【0031】
別の好ましい一側面によれば、世代鎖は次式で表される。

(式中:
A’及びB’はそれぞれ独立に−アルキル、−アルケニル、−アルキニル基を表し、各基は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基から選択される1個又は2個以上の置換基によって随意に置換され;
R及びR’は上の定義と同じである。)
【0032】
A’は好ましくは−アルキル−を表し、より好ましくは−エチルを表す。B’は好ましくは−アルキル−を表し、より好ましくは−エチルを表す。
Rは好ましくは水素原子を表す。
【0033】
別の好ましい一側面によれば、世代鎖は次式で表される。

(式中、
A”は−アルキル、−アルケニル、−アルキニル基を表し、各基は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基から選択される1個又は2個以上の置換基によって随意に置換され;
RR’は上の定義と同じである。)
【0034】
A”は好ましくは−アルキル−を表し、より好ましくは−プロピル−を表す。
【0035】
別の好ましい一側面によれば、世代1の本発明に係る樹枝状ポリマーは世代鎖を有しない。とりわけ、世代鎖が式(C1’)又は(C1”)で表される場合は、対応する世代1の樹枝状ポリマーは世代鎖を有しない。
【0036】
中間鎖は1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜12個である任意の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖から選択される。各鎖員はヘテロ原子、アリール基、ヘテロアリール、>C=O、>C=NRから随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく、RR’は上の定義と同じである。
【0037】
中間鎖は好ましくは各端部に単結合を有する。
【0038】
中間鎖は、同一でも異なってもよく、好ましくは次式で表される。

(式中、
Jは酸素原子、硫黄原子又は−NR−基を表し;
Kは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてよく;
Lは1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜6個である直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員は随意にヘテロ原子でもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく、RR’は上の定義と同じである。)
【0039】
上の式(C2)中、Jは好ましくは酸素原子を表す。
上の式(C2)中、Kは好ましくは随意に置換されたフェニル環を表し、より好ましくはKは非置換フェニル環を表す。
上の式(C2)中、Lは好ましくは−(Alk)a−基を表すか、又はLは−C(D)=N−N(E)−(Alk)a−を表す(ここで、Cは炭素原子を表し、D及びEは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、−アルキル、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基を表し、ハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてもよく;aは0又は1を表し;R,R’は上と同じ定義である。)。
【0040】
また別の好ましい側面によれば、中間鎖は次式で表される。

(式中、
A’、B’、R、R’は上と同じ定義である。)
A’は好ましくは−アルキル−を表し、より好ましくは−エチル−を表す。
B’は好ましくは−アルキル−を表し、より好ましくは−エチル−を表す。
Rは好ましくは水素原子を表す。
【0041】
また別の好ましい側面によれば、中間鎖は次式で表される。

(式中、A”は上と同じ定義である。)
A”は好ましくは−アルキル−基を表し、より好ましくは−プロピル−基を表す。
【0042】
世代鎖は好ましくは同一である。
上の式(C1)及び(C2)中、J及びKは好ましくはそれぞれA及びBに等しい。
【0043】
本発明に係る樹枝状ポリマーは好ましくは次式(I−1i)で表すことができる。

(式中:
§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、X、A2、m、nは上と同じ定義を有し、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示し、そして0又は1を表し;A2は好ましくは−アルキル−基を表す。)
【0044】
本発明に係る樹枝状ポリマーは好ましくは次式(I−1ii)で表すことができる。

(式中:
§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、X、A2、m、n、aは上と同じ定義を有し、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示し、そして0又は1を表し;A2は好ましくは単結合を表す。)
【0045】
また別の好ましい側面によれば、本発明に係る樹枝状ポリマーは好ましくは次式(I−2)で表すことができる。

(式中、
§、A’、B’、C、N、P、X、A2、m、nは上と同じ定義を有し、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示す。)
【0046】
また別の好ましい側面によれば、本発明に係る樹枝状ポリマーは好ましくは次式(I−3)で表すことができる。

(式中、
§、A”、N、P、X、A2、m、nは上と同じ定義を有し、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示す。)
【0047】
本発明によれば、−Alk、−アルキル又は−アルキル−はアルキル基、すなわち、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子をもつ直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素を表す。
【0048】
直鎖状の基の場合、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル及びオクタデシル基をとりわけ挙げることができる。
分枝状の基、又は1個若しくは2個以上のアルキル基によって置換された基の場合、イソプロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルフェニル、1−メチルフェニル及び3−メチルヘプチルをとりわけ挙げることができる。
【0049】
−アルケニル又は−アルケニル−は、少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を有し、直鎖状又は分枝状で、約2〜約15個の炭素原子を鎖中に有する脂肪族炭化水素基を指す。好ましいアルケニル基は2〜約12個の炭素原子を鎖中に有し、より好ましくは約2〜約4個の炭素原子を鎖中に有する。分枝状とは1個又は2個以上の低級アルキル基(例えばメチル、エチル又はプロピル)が直鎖状のアルケニル鎖に結合していることを意味する。アルケニル基の典型的な例にはエテニル、プロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、3−メチル−ブテ−2−ニル、n−ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキシルブテニル及びデセニルが挙げられる。
【0050】
−アルキニル又は−アルキニル−は、少なくとも1個の炭素−炭素の三重結合を有し、直鎖状又は分枝状で、2〜約15個の炭素原子を鎖中に有する脂肪族炭化水素基を指す。好ましいアルキニル基は2〜約12個の炭素原子を鎖中に有する。より好ましくは約2〜約4個の炭素原子を鎖中に有する。分枝状とは1個又は2個以上の低級アルキル基(例えばメチル、エチル又はプロピル)が直鎖状のアルキニル鎖に結合していることを意味する。アルキニル基の典型的な例にはエチニル、プロピニル、n−ブチニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニル、ヘプチニル、オクチニル及びデシニルが挙げられる。
【0051】
ハロゲン原子(Hal)の中では、特にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素である。
【0052】
−アリール又は−アリール−はアリール基、すなわち、6〜10個の炭素原子をもつ単環式−又は二環式の芳香族炭化水素系を表す。
アリール基の中では、特にフェニル又はナフチル基が挙げられる。
−アラルキル(−アルキルアリール)基の中では、特にベンジル又はフェネチル基が挙げられる。
【0053】
“ヘテロ原子”は、窒素、酸素、リン、ケイ素又は硫黄原子を指す。
【0054】
−ヘテロアリール又は−ヘテリアリール−はヘテロアリール基、すなわち、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個又は2個以上のヘテロ原子を有し、5〜10個の炭素原子を有する単環式又は二環式の芳香族系を指す。ヘテロアリール基の中では、ピラジニル、チエニル、オキサゾリル、フラザニル、ピロリル、1,2,4−チアジアゾリル、ナフチリジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[2,1−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−b]−チアゾリル、シノリニル、トリアジニル、ベンゾフラザニル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、チエノピリジル、チエノピリミジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、ベンゾアザインドール、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリジニル、イソキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、プリニル、キナゾリニル、キノリニル、イソキノリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、イソチアゾリル、カルバゾリル、更にはこれらの融合又はフェニル環との融合によって得られる対応官能基が挙げられる。好ましいヘテロアリール基にはチエニル、ピロリル、キノキサリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、イソキザゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キナゾリニル、キノリニル、チアゾリル、カルバゾリル、チアジアゾリル、及びこれらとフェニル環との融合によって得られる基が挙げられ、より特別にはキノリニル、カルバゾリル、チアジアゾリルが挙げられる。
【0055】
本発明によれば、“対応する樹枝状ポリマー”とは同一のコア、世代鎖、中間鎖及び異なる末端基を有する同世代の樹枝状ポリマーを意味するものとして理解される。
【0056】
本発明に係る化合物の塩は本発明の化合物の付加塩を指す。これらの塩は化合物の最終的な単離及び精製中に現場(in situ)で調整することができる。付加塩は、酸の形態にある精製化合物を有機又は無機塩基と個別に反応させて、こうして生成した塩を単離することによって調整することができる。付加塩にはアミン及び金属塩が含まれる。好適な金属塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム及びアルミニウム塩が包含される。ナトリウム及びカリウム塩が好ましい。好適な無機塩基の付加塩は金属塩基、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛から調製する。
【0057】
また別の目的によれば、本発明は上記樹枝状ポリマーの製造方法に関する。
本発明の化合物はそれ自体公知であり及び/又は当業者の技術力の範囲内にあり、−PO32基(とりわけ−(A1)<[A2−P(=O)(OX)22)のグラフトが可能となる任意の方法、特に、「Larock著、“Comprehensive Organic Transformations”, VCH出版, 1989年」に記載されている方法を応用又は適用することによって調整することができる。或いは、後述する実施例に記載した方法を応用又は適用することによって調整することができる。
【0058】
以下の反応では、最終生成物中に望まれるときは、望ましくない反応に関与しないように、反応性官能基(例えば、水酸基、アミノ基、イミノ基、チオ基、カルボキシ基)を保護する必要があるだろう。慣例的な保護基は標準的な手法に従って使用することができる。例えば、「T.W. Green及びP.G.M. Wuts著、“Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons出版, 1991年;J.F.W. McOmie著、“Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press出版, 1973年」を参照されたい。
【0059】
本発明によれば、末端基−A1<[A2−P(=O)(OX)22を有する本発明に係る樹枝状ポリマーの製造方法は:
(i) 末端基−CHO、−CH=NR、−NH2又は−P(=G)Cl2を有する対応する樹枝状ポリマーと、1個又は2個の−PO32官能基を有する対応する化合物とを反応させる工程;
(ii) その後、XがH又はMを表すときは、(i)で得られた−PO3Me2末端を有する樹枝状ポリマーを−A1<[A2−P(=O)(OH)22末端を有する対応する樹枝状ポリマーに変換する随意的な工程;
(iii)その後、XがMを表すときは、(ii)で得られた−A1<[A2−P(=O)(OH)22末端を有する樹枝状ポリマーを−A1<[A2−P(=O)(OM)22末端を有する対応する樹枝状ポリマーの塩に変換する随意的な工程;
を含む。
【0060】
出発時の対応する樹枝状ポリマーは商業的に入手可能であり(Aldrich)、又はそれ自体公知の方法により調整することができる。
【0061】
より正確には、工程(i)は下記の別法に従う本発明によって行うことができる。
第一の別法によれば、本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−1i):

(式中、§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、A2、Alk、X、a、m、n、<は先と同じ定義を有する。)
で表されるときは、
工程(i)は、次式:

(式中、Yは−Clを表す。);
の同一世代nの対応する樹枝状ポリマーと、次式:

の化合物を反応させることを含む。
【0062】
この反応は攪拌しながら、THF、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF又はアセトン、好ましくはTHFのような極性非プロトン溶媒中、炭酸セシウムのような有機又は無機塩基の存在下で、−80℃〜100℃の温度、好ましくは室温で行う。
【0063】
式(II−1i)中、Gは好ましくはSを表す。
式(II−1i)の樹枝状ポリマーは好ましくは以下から選択される。
SPCl3、P33Cl6
【化4】

【0064】
第二の別法によれば、本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−2)又は(I−3):

又は

(式中、§、A’、A”、B’、B”、C、N、P、A2、X、m、n、<は先と同じ定義を有する。)
によって表されるときは、
工程(i)は、次式:

又は

の同一世代nの対応する樹枝状ポリマーと、次式:

の化合物を、式

の対応する化合物の存在下で反応させることを含む。
【0065】
この反応は攪拌しながら、水溶液で随意に希釈して、−5℃から混合物の還流温度までの温度で行う。
【0066】
式(IV)及び(V)の化合物は商業的に入手可能であり(Aldrich)、又は自体公知の方法により調製することができる。
式(II−2)及び(II−3)の樹枝状ポリマーは市販されている(Aldrich)。これらは好ましくは上述したDAB又はPAMAM型である。
【0067】
第三の別法によれば、本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−1ii):

(式中、§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、L、X、A2、m、n、aは先と同じ定義を有する。)
によって表されるときは、
工程(i)は、次式:

(式中、L’は−CHO基を表す。)
の対応する樹枝状ポリマーと、次式:

(式中、Alk’は上の式(I−1ii)中で定義したAlkに対応しておりアルケニル基を表す。)
の化合物を、式

の化合物の存在下で反応させることを含む。
【0068】
この反応は「J. Org. Chem., 1977, 62, 4834」に記載された方法を応用又は適用することによって行うことができる。
【0069】
この手順は、−80℃〜50℃の温度、好ましくは約0℃で、THF、クロロホルム、ジクロロメタン、又はアセトニトリル、好ましくはCH2Cl2のような極性非プロトン
溶媒中で、(VI)及び(VII)を樹枝状ポリマーに同時添加することによって行うのが好ましい。
(VI)及び(VII)の化合物は商業的に入手可能であり、又は自体公知の方法により調製することができる。
【0070】
式(II−1ii)の樹枝状ポリマーは好ましくは以下から選択される。
SPCl3、P33Cl6
【化5】

【0071】
X=H又はMである本発明に係る樹枝状ポリマーの化合物を得るためには、工程(i)はX=Meである式(III)、(IV)又は(VI)の試薬を用いて行うのが好ましい。次いで、X=Meとして工程(i)で得た式(I−1i)、(I−2)、(I−3)、(I−1ii)の化合物から出発して工程(ii)を実施する。
【0072】
工程(ii)は:
− アセトニトリル、クロロホルム又はジクロロメタン、好ましくはアセトニトリルのような極性非プロトン有機溶媒中で、ハロゲン化トリメチルシラン、好ましくは臭化トリメチルシラン(Me3SiBr)の作用により(該手順は好ましくは、反応混合物の温度を−80℃〜50℃、好ましくは約0℃に維持しながらハロゲン化トリメチルシランをゆっくりと添加することにより行う。)、
− 次いで、該反応混合物に添加する無水MeOHの作用により、
行うのが好ましい。
【0073】
工程(iii)では、本発明に係る化合物の酸塩は、Xが水素原子を表す末端基をもつ本発明に係る化合物から出発して、公知の方法を応用又は適用し、塩基を添加することによって得ることができる。該手順は、THF、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、アセトニトリル、アルコール、水、好ましくは水のような適当なプロトン又は非プロトン性の極性溶媒に溶解させて、所望する塩に応じてナトリウム、リチウム又はカリウムの水酸化物のような有機又は無機塩基の存在下で、攪拌しながら行うのが好ましい。
【0074】
使用される出発時の樹枝状ポリマーが式(II−1i)、(II−1ii)、(II−2)及び(II−3)の樹枝状ポリマーについて上述した末端基以外の末端基を有するときは、本発明に係る方法はそのような基を上記の必要な官能基に変換することのできる追加的な予備工程を含む。例えば、カルボン酸又はヒドロキシ型の末端基を有する樹枝状ポリマーの場合は、カルボン酸又はヒドロキシ型の基を、式(II−1i)、(II−1ii)、(II−2)又は(II−3)の樹枝状ポリマーに対応する−NH2、−CHO、−CH=NR又は−PSCl2型の官能基へ変換することが可能な任意の反応を実施することで十分である。上記反応は当業者に知られており及び/又は「Larock等(supra)」によって議論されている反応を応用又は適用することによって行うことができる。
【0075】
世代0の本発明に係る樹枝状ポリマーを得るために、必要な官能基をもつコアから始めて同様の方法で上記反応を行うことができる。例えば、世代(発生)反応はPSCl3、P33Cl6、P44Cl8又は
【化6】

のコアから出発して実施することができる。
【0076】
式(III)の化合物は新規であり、従ってこれも本発明の一部を形成する。
従って、本発明は式(III)の化合物にも関する。

(式中、
XはH、−アルキル、−アリール基又はM+を表し、M+は陽イオンを表し;
Jは酸素原子、硫黄原子又は−NR−基を表し;
Kは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子によって、又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されて良く;
基A2は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、単結合であるか又は鎖員が1〜6個の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員はヘテロ原子(好ましくは窒素)から随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく;
−Alk−はアルキル基を表し;
aは0又は1を表す。)
【0077】
上の式(III)中、Jは好ましくは酸素原子を表す。
上の式(III)中、Kは好ましくは随意に置換されたフェニル環を表し、より好ましくはKは非置換フェニル環を表す。
上の式(III)中、−Alk−は好ましくは−エチル−基を表す。
上の式(III)中、A2は好ましくは−アルキル−基、より好ましくは−メチル−基を表す。
上の式(III)中、Xは好ましくは−H又は−Meを表す。
【0078】
式(III)の化合物は以下のようにして式(VIII)の化合物から得ることができる。

(ここで、式(V)中、−A2’−はA2に対応する基である。)
【0079】
この反応は自体公知の方法、特に「I. Linzaga et al., Tetrahedron 2002, 58, 8973−8978」に記載された方法を応用又は適用することによって行うことができる。該手順は、随意に水溶液中で希釈して、好ましくは−5〜25℃、好ましくは約0℃にて、(VIII)及び(IV)の化合物をゆっくりと添加し、次いで化合物(V)を添加することによって特に行うことができる。その後、反応混合物を室温に調節した後に還流下で随意に反応させる。
【0080】
前述した方法においては、二つの基が出発物質及び最終物質の両方に含まれ、それらの構造が同一であり、一方から他方が誘導可能であるときは“対応する”という。
【0081】
前記方法は工程(i)、(ii)及び/又は(iii)により得た生成物を単離する工程を随意に含むこともできる。
【0082】
こうして製造された化合物は反応混合物から慣例の方法により回収することができる。例えば、化合物は蒸留によって反応混合物から溶媒を除去することによって回収することができ、必要ならば、蒸留によって溶液混合物から溶媒を除去した後に残部を水中に注ぎ、水に不混和性の有機溶媒を用いて抽出を行い、蒸留によって抽出物から溶媒を除去することにより回収することができる。更には、生成物は、所望により、再結晶、再沈殿又は種々のクロマトグラフ技術、特にカラムクロマトグラフィ又は予備的薄層クロマトグラフィのような種々の技術によって更に精製することができる。
【0083】
本発明において使用される化合物は非対称中心を有することができることが理解されるだろう。そのような非対称中心はR又はS配置を独立して有することができる。本発明にて使用される幾つかの化合物は幾何学異性を有することもできることは当業者に明らかであろう。本発明は上式(I)の化合物の個々の幾何学的異性体及び立体異性体、それらの混合物を包含することが理解されなければならない。そのような異性体は公知の方法、例えばクロマトグラフィ技術又は再結晶技術を応用又は適用することによってこれらの混合物から分離することができ、或いは、これらの中間体の適切な異性体から個別に出発して製造する。
【0084】
本明細書では、例えばチオ/メルカプト又はオキソ/ヒドロキシのような互変異性型が所与の基の列挙の中に含まれることが理解される。
【0085】
本発明にて使用される化合物は、本発明の方法を実施する際中に、溶媒和物(例えば水和物)の形態に容易に調製又は形成することができる。本発明にて使用される化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はメタノールのような有機溶媒を用いて、水性/有機溶媒混合物から再結晶することによって容易に調製することができる。
【0086】
基礎となる物質又はその中間体は、公知の方法、例えば参考例に記載された方法又はその明らかに化学的に均等な方法を応用又は適用することによって調製することができる。
【0087】
本発明者は本発明に係る樹枝状ポリマーは特に金属表面又はケイ素や酸化物(酸化チタン、酸化ジルコニウム等)をベースとした表面のような表面の処理に特に有用な性質を有することを見出した。本発明に係る樹枝状ポリマーは特に、上記表面に接触させるための又はこれを処理するための任意の組成物中の添加剤として使用することができる。本発明に係る樹枝状ポリマーは、特にプラスチックポリマー用の、防食剤、潤滑剤、スケール防止剤又は難燃剤として特に使用することができる。
【実施例】
【0088】
一般
反応は乾燥アルゴン雰囲気下で行った(アルゴンU、リキッドエア社)。使用直前に、文献1(D. D. Perrin;W. L. F. Armarego Purification of Laboratory Chemicals, Third Edition;Press, P., Ed.:Oxford, 1988.)に記載の技術に従って、以下の溶媒:テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ペンタン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、トリエチルアミン、ピリジンを乾燥させてアルゴン下で蒸留した。
【0089】
簿層クロマトグラフィは、Merck Kieselgel 60F254型のシリカコーティングしたアルミニウムのプレート上で行った。
【0090】
NMRのスペクトルをBruker社の装置(AC200, AM250, DPX 300)に記録した。化学シフトは、31P NMRについては85%リン酸水溶液に対する、1H及び13C NMRについてはテトラメチルシランに対する百万分率(ppm)で表される。以下の略号をシグナルの多重性を表すために使用した。s (一重線), d (二重線), dl (広帯二重線), dd (ダブル二重線), syst.AB (ABシステム), t (三重線), td (ダブル三重線), q (四重線), hept (七重線), m (未分解多重線)。
【0091】
赤外振動分光法をPerkin Elmer FT 1725x分光計を用いて行った。UV−可視光分光法をHP 4852A装置を用いて行った。熱重量分析測定をNetzch DSC 204又はSetaram TGA 92−16.18装置を用いて行った。
【0092】
NMRの割当のために用いた番号付け
【化7】

第一世代の樹枝状ポリマーについての番号付けの例
【0093】
出発物質として用いた種々の樹枝状ポリマーの構造
【化8】

【0094】
実施例1:テトライソプロピルgem−ジホスホネート表面をもつ第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化9】

樹枝状ポリマーGc’1(7.0.10-2 mmol, 200 mg)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、次いでモノメチルヒドラジン(1.3 mmol, 66 μl)とテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネート(0.7 g、純度65%)を0℃で加えた。該添加は不溶性の集塊の生成を避けるために同時に且つゆっくりと行わなければならない。添加が完了すると、該混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒の減圧蒸留を行い、その後、50mLの純ペンタンを用いて3度洗浄し、反応によるすべての副生成物と出発時のテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネートに含まれていた不純物とを除去した。最終生成物は最終収率70%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.5 (s, P1);23.5 (s, P(O)(OiPr)2);11.9 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=1.29 (d, 3JHH =6.1 Hz, 288H, −O−CH−(CH3)2);2.91 (s, 36H, N−N(CH3)−CH2−);3.00 (tt, 2JHP =23.6 Hz, 3JHH =6.0 Hz, 12H, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);3.23 (d, 3JHP =8.8 Hz, 18H, CH3−N−P1);3.78 (td, 3JHP =14.7 Hz, 3JHH =6.2 Hz, 24H, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);4.74 (hept, 3JHH =6.1 Hz, 48H, −O−CH−(CH3)2);6.8−7.8 (m, 90H, CHarom 及び CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=23.7 (d, 3JCP =3.1 Hz, −O−CH−(CH3)2);23.8 (d, 3JCP=2.5 Hz, −O−CH−(CH3)2);24.0 (d, 3JCP =3.0 Hz, −O−CH−(CH3)2);24.2 (d, 3JCP =2.9 Hz, −O−CH−(CH3)2);32.9 (d, 2JCP =11.7 Hz, CH3−N−P1), 37.7 (t, 1JCP =132.2Hz, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);38.8 (s, N−N(CH3)−CH2−);55.1 (s, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);70.9 (d, 2JCP =6.6 Hz, −O−CH−(CH3)2);71.3 (d, 2JCP =6.8 Hz, −O−CH−(CH3)2);121.2 (s broad, C02, C12);126.3 (s, C13);128.2 (s, C03);129.4 (s, CH=N−N(Me)−CH2);132.1 (s, C04), 134.5 (s, C14), 138.8 (s broad, CH=N−N(Me)−P1), 149.4 (d, 2JCP =7.5 Hz, C11), 151.1 (s, C01) ppm.
【0095】
実施例2:テトライソプロピルgem−ジホスホネート表面をもつ第二世代の樹枝状ポリマーの合成
【化10】

樹枝状ポリマーGc’2(2.9.10-2 mmol, 200 mg)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、次いでモノメチルヒドラジン(1.05 mmol, 56 μl)とテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネート(0.575 g、純度65%)を0℃で加えた。該添加は不溶性の集塊の生成を避けるために同時に且つゆっくりと行わなければならない。添加が完了すると、該混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒の減圧蒸留を行い、その後、100mLのペンタン/エーテル=1/1を用いて3度洗浄し、反応によるすべての副生成物と出発時のテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネートに含まれていた不純物とを除去した。最終生成物は最終収率79%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.4 (s, P2);66.1 (s, P1);23.5 (s, P(O)(OiPr)2);11.8 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=1.25 (d, 3JHH =6.0 Hz, 576H, −O−CH−(CH3)2);2.87 (s, 72H, N−N(CH3)−CH2−);2.97 (tt, 2JHP =23.6 Hz, 3JHH =6.6 Hz, 24H, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);3.24 (d broad, 3JHP =9.5 Hz, 54H, CH3−N−P1,2);3.74 (td, 3JHP =13.9 Hz, 3JHH =6.2 Hz, 48H, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);4.71 (hept, 3JHH =5.9 Hz, 96H, −O−CH−(CH3)2);6.8−7.8 (m, 210H, CHarom 及び CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=23.8 (d, 3JCP =3.1 Hz, −O−CH−(CH3)2);24.2 (d, 3JCP=3.0 Hz, −O−CH−(CH3)2);32.9 (d, 2JCP =11.8 Hz, CH3−N−P1,2), 38.3 (t, 1JCP =132.1 Hz, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);38.8 (s, N−N(CH3)−CH2−);55.2 (s, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);70.9 (d, 2JCP =6.8 Hz, −O−CH−(CH3)2);71.3 (d, 2JCP =6.8 Hz, −O−CH−(CH3)2);121.4 (s broad, C02, C12, C22);126.4 (s, C23);128.3 (s broad, C03, C13);129.5 (s, CH=N−N(Me)−CH2);132.1 (s, C04), 132.4 (s, C14), 134.5 (s, C24), 138.7 (s broad, CH=N−N(Me)−P1,2), 149.5 (d, 2JCP =7.4 Hz, C21), 151.2 (s, C01, C11) ppm.
【0096】
実施例3:テトライソプロピルgem−ジホスホネート表面をもつ第三世代の樹枝状ポリマーの合成
樹枝状ポリマーGc’3(1.35.10-2 mmol, 200 mg)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、次いでモノメチルヒドラジン(0.97 mmol, 52 μl)とテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネート(0.532 g、純度65%)を0℃で加えた。該添加は不溶性の集塊の生成を避けるために同時に且つゆっくりと行わなければならない。添加が完了すると、該混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒の減圧蒸留を行い、その後、100mLのペンタン/エーテル=1/1を用いて3度洗浄し、反応によるすべての副生成物と出発時のテトライソプロピル−ビニルgem−ジホスホネートに含まれていた不純物とを除去した。最終生成物は最終収率80%で単離された。
【化11】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.3 (s, P3);66.0 (s, P1,2);23.5 (s, P(O)(OiPr)2);11.4 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=1.26 (d, 3JHH =6.0 Hz, 1152H, −O−CH−(CH3)2);2.88 (s, 144H, N−N(CH3)−CH2−);2.98 (tt, 2JHP =23.9 Hz, 3JHH =6.6 Hz, 48H, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);3.26 (d broad, 3JHP =9.5 Hz, 126H, CH3−N−P1,2,3);3.74 (m, 96H, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);4.70 (hept, 3JHH =5.9 Hz, 192H, −O−CH−(CH3)2);6.8−7.8 (m, 450H, CHarom 及び CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=23.9 (d, 3JCP =2.9 Hz, −O−CH−(CH3)2);24.2 (d, 3JCP=2.5 Hz, −O−CH−(CH3)2);32.9 (d, 2JCP =12.3 Hz, CH3−N−P1,2,3), 38.4 (t, 1JCP=132.3 Hz, −CH−(P(O)(OiPr)2)2);38.9 (s, N−N(CH3)−CH2−);55.2 (s, −CH2−CH−(P(O)(OiPr)2)2);70.9 (d, 2JCP =6.9 Hz, −O−CH−(CH3)2);71.3 (d, 2JCP =6.9Hz, −O−CH−(CH3)2);121.4 (s, C32);121.8 (s broad, C02, C12, C22);126.4 (s, C33);128.3 (s broad, C03, C13, C23);129.6 (s, CH=N−N(Me)−CH2);131.3 (s, C04);132.4 (s broad, C14, C24);134.5 (s, C34);138.7 (s broad, CH=N−N(Me)−P1,2,3);149.5 (d, 2JCP =8.1 Hz, C31);151.2 (s broad, C01, C11, C21) ppm.
【0097】
実施例4:フェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネートの合成
【化12】

トリアミン(6 g, 43.7 mmol)及びジメチルホスファイト(10.32 ml, 112.5 mmol)を0℃で混合し、次いで37%のホルムアルデヒド水溶液(12.6 ml)を0℃のままでゆっくり加えた。この全部を30分かけて室温にし、磁気撹拌しながら1時間還流下で加熱した。最後に、粗製反応混合物を過剰のホルムアルデヒドを蒸発させるために減圧下に置いた。生成物をクロロホルム/水の混合物(3 x 100 mlのクロロホルム)で抽出して、次いで溶離液としてアセトンを用いてシリカクロマトグラフィにかけた。最終生成物は最終収率65%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=30.2 (s, P(O)(OMe)2) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.68 (t distorted, 3JHH =7.2 Hz, 2H, −CH2−CH2−N);3.05 (t distorted, 3JHH =7.2 Hz, 2H, −CH2CH2−N−);3.20 (d, 2JHP =8.9 Hz, 4H, N−CH2−P);3.75 (d, 3JHP =10.7 Hz, 12H, −OMe);6.6−7.1 (m, 4H, CHarom);8.16 (s broad, 1H, −OH) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.7 (s, C5);49.4 (dd, 3JCP=6.8 Hz, 1JCP=158.5Hz, C7);52.8 (d, 2JCP=3 Hz, C8);58.8 (t, 3JCP=7.5 Hz, C6);115.4 (s, C3);129.8 (s, C2);129.8 (s, C4);155.9 (s, C1) ppm.
【0098】
実施例5:フェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネートの合成
【化13】

フェノールアミン(5 g, 46 mmol)及びジメチルホスファイト(10.5 ml, 115 mmol)を0℃で混合し、次いで37%のホルムアルデヒド水溶液(10.6 ml)を0℃のままでゆっくり加えた。この全部を30分かけて室温にし、磁気撹拌しながら1時間還流下で加熱した。最後に、粗製反応混合物を過剰のホルムアルデヒドを蒸発させるために減圧下に置いた。生成物をクロロホルム/水の混合物(3 x 100 mlのクロロホルム)で抽出して、次いで溶離液としてアセトンを用いてシリカクロマトグラフィにかけた。最終生成物は最終収率30%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.8 (s, P(O)(OMe)2) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=3.67 (d, 3JHP =10.6 Hz, 12H, −OMe);3.84 (d, 2JHP =5.7Hz, 4H, N−CH2−P);6.6−6.9 (m, CHarom, 4H);8.05 (s broad, 1H, −OH) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=47.6 (d, 1JCP=157.1 Hz, C5);52.6 (d, 2JCP=3.8Hz, C6);52.7 (d, 2JCP=3.3 Hz, C6);115.8 (s, C3);117.3 (s, C2);141.0 (s, C4);150.9 (s, C1) ppm.
【0099】
実施例6:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化14】

炭酸セシウム(6.898 mmol, 2.25 g)を無水THF(10mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc1(0.273 mmol, 500 mg)の溶液に加え、次いでフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(3.449 mmol, 1.31 g)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いで最終的な混合物をTHFで濾過し、塩を分離した。最後に、この最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=68.7 (s, P1);31.9 (s, P(O)(OMe)2);13.7 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.69 (t, 3JHH=6.8 Hz,24H,CH2−CH2−N);2.99 (t, 3JHH=6.8 Hz, 24H, CH2CH2−N);3.13 (d,2JHP=9.17 Hz,48H,−CH2−P(O)(OCH3)2);3.2 (d, 3JHP =11.8 Hz, 18H, CH3−N−P1);3.67 (d,3JHP=10.2 Hz, 144H, −P(O)(O−CH3)2);6.8−7.8 (m,78H, CHarom,CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.9 (d, 2JCP =11 Hz, CH3−N−P1);32.95 (s, CH2−CH2−N) 49.5 (dd, 1JCP=157.5 Hz,3JCP=6.8 Hz −CH2−P(O)(OCH3)2);52.6 (d, 2JCP =4.0 Hz,−P(O)(O−CH3)2);57.8 (t, 3JCP =7.2 Hz, CH2CH2−N);120.8 (s, C02);120.8 (d, 3JCP=4.1 Hz, C12);128.3 (s, C03);129.6 (s, C13);131.9 (s, C04);136.3 (s, C14);138.4 (d, 3JCP=14.1 Hz, CH=N);148.5 (d, 2JCP =7.0 Hz, C11);150.8 (d, 2JCP =3.0 Hz, C01) ppm.
収率:[70%].
【0100】
実施例7:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ第二世代の樹枝状ポリマーの合成
炭酸セシウム(5.28 mmol, 1.72 g)を無水THF(10mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc2(0.104 mmol, 500 mg)の溶液に加え、次いでフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(2.6 mmol, 1.00 g)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いで最終的な混合物をTHFで濾過し、塩を分離した。最後に、この最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製した。
【化15】

最終的な収率:78%.
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.5 (s, P2);66.2 (s, P1);30.1 (s, P(O)(OMe)2);12.1 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.69 (s broad, 48H, CH2−CH2−N);2.99 (s broad, 48H, CH2CH2−N);3.12 (d, 2JHP=9.51 Hz, 96H, −CH2−P(O)(OCH3)2);3.24 (d, 3JHP =8.5 Hz, 54H, CH3−N−P);3.66 (d, 3JHP=10.4 Hz, 288H, −P(O)(O−CH3)2);6.6−7.7 (m, 186H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.95 (s, CH2−CH2−N);33.0 (d, 2JCP =11.2 Hz, CH3−N−P);49.4 (dd, 1JCP =157.5 Hz, 3JCP =6.6 Hz −CH2−P(O)(OCH3)2);52.7 (d, 2JCP=4.2 Hz, −P(O)(O−CH3)2);58.0 (t, 3JCP =7.1 Hz, CH2CH2−N);121.2 (s, C02);121.7 (s, C12);121.2 (d, 3JCP =3.9 Hz, C22) 128.3 (s, C13);129.65 (s, C03);129.9 (s, C23);132.1 (s, C04);132.4 (s, C14);136.5 (s, C24);138.6 (d, 3JCP =13.3 Hz, CH=N);148.8 (s, C01);148.9 (d, 2JCP =7.5 Hz, C21);151.2 (d, 2JCP =7.4 Hz, C11) ppm.
【0101】
実施例8:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ第三世代の樹枝状ポリマーの合成
炭酸セシウム(0.941 mmol, 0.306 g)を無水THF(2mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc3(9.3.10−3 mmol, 100 mg)の溶液に加え、次いでフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.471 mmol, 180 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いで最終的な混合物をTHFで濾過し、塩を分離した。最後に、この最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製した。
【化16】

最終的な収率:80%.
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.6 (s, P3);66.3 (s, P2);65.8 (s, P1);30.2 (s, P(O)(OMe)2);12.0 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.67 (s broad, 96H, CH2−CH2−N);2.97 (s broad, 96H, CH2CH2−N);3.10 (d, 2JHP=9.60 Hz, 192H, −CH2−P(O)(OCH3)2);3.25 (s broad, 126H, CH3−N−P);3.63 (d, 3JHP=10.25 Hz, 576H, −P(O)(O−CH3)2);6.5−7.7 (m, 402H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.9 (s, CH2−CH2−N);32.9 (s, CH3−N−P);49.3 (dd, 1JCP =157.5 Hz, 3JCP =6.5 Hz −CH2−P(O)(OCH3)2);52.6 (d, 2JCP =3.6 Hz, −P(O)(O−CH3)2);58.0 (t, 3JCP =6.9 Hz, CH2CH2−N);120.5 (s, C02);121.2 (d, 3JCP=3.1 Hz, C32);121.5 (s, C12);121.8 (s, C22);128.2 (s, C03);128.2 (s, C13);129.6 (s, C23);129.9 (s, C33);132.3 (s, C04);132.3 (s, C14);132.3 (s, C24);136.5 (s, C34);138.6 (d, 3JCP =13.0 Hz, CH=N);148.9 (d broad, 2JCP =6.3 Hz, C01, C11, C31);151.2 (d, 2JCP =6.1 Hz, C21) ppm.
【0102】
実施例9:アザ−ビス−ホスホン表面をもつ第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化17】

ブロモトリメチルシラン(1.04 mmol, 138 μl)をアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する第一世代の樹枝状ポリマー(1.68.10-2 mmol, 100 mg)のアセトニトリル(5mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を12時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に1mLの無水メタノールを室温で加え、1時間撹拌した。蒸発乾燥後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。この生成物は有機溶媒にまったく不溶であったので、水酸化ナトリウムの存在下にそのモノナトリウム塩に変換した(樹枝状ポリマー100mgに対して水酸化ナトリウム36.3mg)。得られた溶液を凍結乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーを得た。最終生成物は最終収率58%で単離された。
最終的な収率:50 %.
31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=67.9 (s, P1);14.4 (s, P(O)(ONa)2);12.9 (s, P0) ppm.
13C−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=31.95 (s, CH2−CH2−N);35.5 (d, 2JCP =10.9 Hz, CH3−N−P1);57.0 (d, 1JCP =136.8 Hz, −CH2−P(O)(OH)2);60.7 (s, CH2CH2−N);124.1 (s, C02);124.1 (s,C12);131.3 (s, C03);133.5 (s, C13);135.3 (s, C04);139.0 (s, C14);143.2 (s broad, CH=N);151.7 (d, 2JCP =7.0 Hz, C11);153.3 (s, C01) ppm.
【0103】
実施例10:アザ−ビス−ホスホン表面をもつ第二世代の樹枝状ポリマーの合成
ブロモトリメチルシラン(10 mmol, 1.34 ml)をアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する第二世代の樹枝状ポリマー(8.27.10-2 mmol, 1.08 g)のアセトニトリル(10mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を12時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に3mLの無水メタノールを室温で加え、1時間撹拌した。蒸発乾燥後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。この生成物は有機溶媒にまったく不溶であったので、水酸化ナトリウムの存在下にそのモノナトリウム塩に変換した(樹枝状ポリマー50mgに対して水酸化ナトリウム8.2mg)。得られた溶液を凍結乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーを得た。最終生成物は最終収率62%で単離された。
【化18】

31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=67.8 (s, P2);67.6 (s, P1);10.5 (s, P(O)(ONa)(OH));10.0 (s, P0) ppm.
13C−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=31.6 (s, CH3−N−P1);35.3 (s, CH2−CH2−N);55.2 (d, 1JCP =128.2 Hz, −CH2−P(O)(OH)2);60.4 (s, CH2CH2−N);124.3 (s, C02);124.3 (s, C12);124.3 (s, C22);131.3 (s, C03);131.3 (s, C13);133.3 (s, C23);135.0 (s, C04);135.0 (s, C14);136.0 (s, C24);142.5 (s broad, CH=N);151.8 (s broad, C21);153.3 (s broad, C11);153.3 (s, C01) ppm.
【0104】
実施例1〜3のテトライソプロピルgem−ジホスホネート表面を有する樹枝状ポリマーから出発すると、上記方法の応用又は適用によってはアザ−ビス−ホスホン表面を有する樹枝状ポリマーは製造することができない。
アザ−ビス−ホスホン表面を有する樹枝状ポリマーは、以下の実施例11及び12のアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面を有する樹枝状ポリマーから出発して上記方法の応用又は適用によって製造することができる。
【0105】
実施例11:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ第一世代の樹枝状ポリマーの合成
炭酸セシウム(2.94 mmol, 955 mg)を無水THF(10mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc1(0.116 mmol, 214 mg)の溶液に加え、次いでフェノール(1.47 mmol, 520 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いで最終的な混合物をTHFで濾過し、塩を分離した。最後に、この最終生成物をエーテルで洗浄してペンタンから沈殿させることによって精製した。最終生成物は最終収率76%で単離された。
【化19】

31P−{1H} NMR (C6D6/THF):δ=67.9 (s, P1);29.3 (s, P(O)(OMe)2);12.3 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=33.0 (d, 2JCP =11.8 Hz, CH3−N−P1);46.4 (d, 1JCP=158.3 Hz, −CH2−P(O)(OCH3)2);52.6 (d, 2JCP =3.7 Hz, −P(O)(O−CH3)2);52.7 (d, 2JCP =3.9 Hz, −P(O)(O−CH3)2);114.4 (s, C12);121.2 (s, C02);122.0 (s, C13);128.3 (s, C03);132.2 (s, C04);138.5 (d, 3JCP =14.1 Hz, CH=N);142.9 (d, 3JCP =6.5 Hz, C14);145.1 (s, C11);151.1 (s broad, C01) ppm.
【0106】
実施例12:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ第二世代の樹枝状ポリマーの合成
炭酸セシウム(2.00 mmol, 652 mg)を無水THF(5mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc2(4.2.10-2 mmol, 200 mg)の溶液に加え、次いでフェノール(1.05 mmol, 372 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いで最終的な混合物をTHFで濾過し、塩を分離した。最後に、この最終生成物をエーテルで洗浄してペンタンから沈殿させることによって精製した。最終生成物は最終収率81%で単離された。
【化20】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=68.1 (s, P1);66.2 (s, P1);29.2 (s, P(O)(OMe)2);11.7 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):3.25 (d, 3JHP =10.2 Hz, 54H, CH3−N−P1, CH3−N−P2);3.65 (d, 3JHP=10.3 Hz, 288H, −P(O)(O−CH3)2);3.88 (d, 2JHP=4.7 Hz, 96H, −CH2−P(O)(OCH3)2);6.7−7.8 (m, 186H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.9 (d broad, 2JCP =11.7 Hz, CH3−N−P1, CH3−N−P2);46.3 (d, 1JCP =158.5 Hz, −CH2−P(O)(OCH3)2);52.6 (s broad, −P(O)(O−CH3)2);114.3 (s broad, C02, C12, C22);121.8 (s, C23);128.1 (s, C13);131.3 (s, C03);131.7 (s, C04);132.1 (s, C14);138.4 (s broad, CH=N);142.6 (d, 3JCP =6.8 Hz, C24);145.0 (s, C21);151.0 (s broad, C01, C11) ppm.
【0107】
実施例12a:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ世代0の樹枝状ポリマーの合成:
【化21】

炭酸セシウム(3.12 mmol, 10.16 g)を無水THF(5mL)に溶解させたヘキサクロロシクロトリホスファゼン(2.4 mmol, 834 mg)の溶液に加え、次いでアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(15.6 mmol, 5.96 g)を加えた。この混合物を3日間、磁気撹拌しながら室温でアルゴン雰囲気下に放置した。単離した生成物は[0〜5%]過剰フェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネートを含有し得る。最終生成物は最終収率85%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=30.2 (s, P(O)(OMe)2);12.9 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.72 (t distorted, 3JHH =8.4 Hz, 2H, −CH2−CH2−N);3.00 (t distorted, 3JHH =8.2 Hz, 2H, −CH2CH2−N−);3.18 (d, 2JHP =8.9 Hz, 4H, N−CH2−P);3.70 (d, 3JHP =7.8 Hz, 12H, −OMe);6.7−7.2 (m, 4H, CHarom) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.90 (s, CH2−CH2−N);49.4 (dd, 1JCP =157.3 Hz, 3JCP =6.6 Hz −CH2−P(O)(OCH3)2);52.6 (d, 2JCP =3.0 Hz, −P(O)(O−CH3)2);58.3 (t, 3JCP =7.8 Hz, CH2CH2−N);120.7 (s, C02);129.7 (s, C03);135.9 (s, C04);149.0 (d, 2JCP =3.9 Hz, C01) ppm.
【0108】
実施例13:アザ−ビス−ジメチル−ホスホネート表面をもつ世代0の樹枝状ポリマーの合成:
【化22】

ブロモトリメチルシラン(165 mmol, 22 ml)をアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する世代0の樹枝状ポリマー(4.9 mmol, 11.84 g)のアセトニトリル(5mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を24時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に5mLの水を室温で加え、この混合物を1時間撹拌した。濾過後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。最終生成物は最終収率50%で単離された。
31P−{1H} NMR (D20):δ=12.9 (s, P0);11.4 (s, P(O)(OH)2) ppm.
13C−{1H} NMR (D20):δ=31.40 (s, CH2−CH2−N);53.9 (d, 1JCP =140.07 Hz, −CH2−P(O)(OH)2);59.7 (s, CH2CH2−N);123.9 (s, C02);132.9 (s, C03);135.7 (s, C04);151.4 (s broad, C01) ppm.
【0109】
実施例14:アミノ−メチル ビス−ホスホネートから誘導したシクロトリホスファゼンのコアをもつ樹枝状ポリマーの合成:
a)メチルアミンから誘導したイミンの合成
【化23】

メチルアミン(25 mmol, 3 ml)の33%無水エタノール(8 mol.l-1)溶液と4−ヒドロキシベンズアルデヒド(20 mmol, 2.5 g)を溶媒なしに室温で混合した。該混合物を室温で24時間磁気撹拌した。エタノールを減圧下で蒸発するとオイルが生じ、これを最小量のエーテルに溶解させて、ペンタンから沈殿させた。このイミンは以下の工程で直接使用するため、単離しなかった。
【0110】
b)アミノ−メチルモノ−ホスホネートの合成
【化24】

工程(a)で得られたイミン基含有フェノール(17.0 mmol, 2.3 g)を、溶媒なしで、数滴のトリエチルアミン及びジメチルホスファイト(18.7 mmol, 1.7 ml)と室温で混合した。この混合物を室温に12時間置いてから蒸発乾燥した。得られた粉末をアセトンに溶解し、次いでシリカ“パッチ”を通過させた。最後に、溶離剤を蒸発すると収率68%で最終生成物を得た。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.6 (s, P(O)(OMe)2) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.29 (s, 3H, N−CH3);3.54 (d, 3JHP =Hz, 3H, −OMe);3.72 (d, 3H, 3JHP =Hz, 3H, −OMe);3.84 (d, 2JHP =23.9 Hz, 1H, H);6.73 (d, 3JHH =Hz, CHarom, 2H);7.14 (dd, CHarom, 2H) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=43.3 (t, 3JCP=6.8 Hz, N−Me);53.6 (d, 2JCP=7.7 Hz, OMe);54.1 (d, 2JCP=6.4 Hz, OMe);63.2 (dd, 1JCP=159.6 Hz, 3JCP=14.5 Hz, CH);115.6 (s, C2);121.1 (d, 2JCP=3.8 Hz, C4);132.0 (d, 3JCP=8.9 Hz, C3);157.1 (s, C1) ppm.
【0111】
c) アミノ−メチル ビス−ホスホネートの合成
【化25】

工程(b)で得た第二級アミン(6.1 mmol, 1.5 g)を室温でホルムアルデヒドの37%水溶液(12.2 mmol, 1 ml)及びジメチルホスファイト(24.4 mmol, 2.24 ml)に溶媒なしで溶解させた。該混合物を室温で24時間磁気撹拌した。次いで、最終的な混合物をエーテル/ペンタン=1/1の混合物で数回洗浄した。最後に、溶媒として酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィによって生成物を精製した(Rf=0.35)。最終生成物は最終収率65%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=28.1 (s, P(O)(OMe)2);30.9 (s, P(O)(OMe)2) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.41 (s, 3H, N−CH3);2.61 (dd, 2JHP =6.3 Hz, 2JHH =15.3Hz, 1H, Hb);3.12 (dd, 2JHP =15.6 Hz, 2JHH =15.6 Hz, 1H, Hb);3.30−3.80 (m, 12H, −OMe);4.05 (d, 2JHP =23.9 Hz, 1H, Ha);6.74 (d, 3JHH =7.84 Hz, CHarom, 2H);7.17 (d, 3JHH =7.85 Hz, CHarom, 2H);9.08 (s broad, 1H, −OH) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=42.3 (t, 3JCP=6.3 Hz, N−Me);49.2 (dd, 1JCP=164.1Hz, 3JCP=10.1 Hz, CH2);53.0 (m, OMe);65.2 (dd, 1JCP=161.7 Hz, 3JCP=13.5 Hz, CH);115.4 (s, C2);120.9 (d, 2JCP=3.5 Hz, C4);131.8 (d, 3JCP=9.1 Hz, C3);157.8 (s, C1) ppm.
【0112】
d) アミノ−メチル ビス−ホスホネートから誘導した第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化26】

炭酸セシウム(1.2 mmol, 390 mg)を無水THF(2mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc1(0.047 mmol, 87 mg)の溶液に加え、次いで工程(c)で得たメチルアミンから誘導したフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.6 mmol, 220 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌した後にセライト上で濾過し、最終的な混合物を遠心分離して塩を分離した。最後に、最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製し、75%の収率で単離した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=65.4 (s, P1);30.4 (s, P(O)(OMe)2);27.5 (s, P(O)(OMe)2);11.4 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.46 (s, 36H, N−CH3);2.65 (dd, 2JHP =7.4 Hz, 2JHH =15.3 Hz, 12H, CH2);3.12 (dd, 2JHP =15.5 Hz, 2JHH =15.5 Hz, 12H, CH2);3.25 (d, 3JHP =10.1 Hz, 18H, CH3−N−P1);3.30−3.90 (m, 144H, −OMe);4.2 (d, 2JHP =23.4 Hz, 12H, CH);6.7−7.6 (m, 78H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.8 (d, 2JCP =12.3 Hz, CH3−N−P1);42.2 (t, 3JCP=6.8 Hz, N−Me);49.3 (dd, 1JCP=164.0 Hz, 3JCP=9.9 Hz, CH2);52.3−53.7 (m, OMe);64.9 (dd, 1JCP=138.1 Hz, 3JCP=11.9 Hz, CH);121.1 (s broad, C02, C12);128.2 (s, C03);128.4 (d, 2JCP=3.1 Hz, C14);131.8 (s, C04);131.8 (d, 3JCP =8.2 Hz, C13);139.0 (d, 3JCP =14.5 Hz, CH=N);150.6 (d, 2JCP =6.9 Hz, C11);151.2 (s, C01) ppm.
【0113】
e) アミノ−メチル ビス−ホスホネートから誘導した第二世代の樹枝状ポリマーの合成
【化27】

炭酸セシウム(1.3 mmol, 407 mg)を無水THF(2mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc2(0.024 mmol, 119 mg)の溶液に加え、次いで工程(c)で得たメチルアミンから誘導したフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.67 mmol, 230 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌した後にセライト上で濾過し、最終的な混合物を遠心分離して塩を分離した。最後に、最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製し、80%の収率で単離した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.1 (s, P1);65.4 (s, P2);30.4 (s, P(O)(OMe)2);27.5 (s, P(O)(OMe)2);11.6 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.48 (s, 72H, N−CH3);2.67 (dd, 2JHP =7.1 Hz, 2JHH =15.3Hz, 24H, CH2);3.14 (dd, 2JHP =15.4 Hz, 2JHH =15.4 Hz, 24H, CH2);3.31 (d, 3JHP =10.9 Hz, 54H, CH3−N−P1, CH3−N−P2);3.30−3.90 (m, 288H, −OMe);4.2 (d, 2JHP =23.2 Hz, 24H, CH);7.0−7.7 (m, 186H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.9 (d, 2JCP =12.4 Hz, CH3−N−P1, CH3−N−P2);42.3 (t, 3JCP=7.0 Hz, N−Me);49.5 (dd, 1JCP=163.7 Hz, 3JCP=9.8 Hz, CH2);52.4−53.6 (m, OMe);64.9 (dd, 1JCP=160.2 Hz, 3JCP=12.1 Hz, CH);121.17 (s, C22);121.24 (s, C12);121.8 (s, C02);128.3 (s broad, C24);128.5 (s broad, C03, C13);131.8 (d broad, 3JCP =8.2 Hz, C14, C23);132.3 (s broad, C04);138.9 (d, 3JCP =13.8 Hz, CH=N);150.7 (d broad, 2JCP =7.2 Hz, C21);151.2 (s broad, C01, C11) ppm.
【0114】
f) アミノ−メチル ビス−ホスホネートから誘導した第四世代の樹枝状ポリマーの合成
【化28】

炭酸セシウム(0.71 mmol, 230 mg)を無水THF(2mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc4(3.5 10-3 mmol, 79.2 mg)の溶液に加え、次いで工程(c)で得たメチルアミンから誘導したフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.35 mmol, 130 mg)を加えた。この混合物を室温で48時間撹拌した後にセライト上で濾過し、最終的な混合物を遠心分離して塩を分離した。最後に、最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製し、84%の収率で単離した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.1 (s broad, P1, P2, P3);65.4 (s, P4);30.1 (s, P(O)(OMe)2);27.6 (s, P(O)(OMe)2);11.6 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=2.48 (s, 288H, N−CH3);2.65 (dd, 2JHP =7.2 Hz, 2JHH =15.3 Hz, 96H, CH2);3.13 (dd, 2JHP =15.2 Hz, 2JHH =15.2 Hz, 96H, CH2);3.27 (s broad, 270H, CH3−N−P1, CH3−N−P2, CH3−N−P3, CH3−N−P4);3.30−3.90 (m, 1152H, −OMe);4.2 (d, 2JHP =23.3 Hz, 96H, CH);7.0−7.7 (m, 834H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=32.9 (d, 2JCP =12.4 Hz, CH3−N−P1, CH3−N−P2, CH3−N−P3, CH3−N−P4);42.3 (t, 3JCP=7.0 Hz, N−Me);49.5 (dd, 1JCP=163.8 Hz, 3JCP=9.9 Hz, CH2);52.4−53.9 (m, OMe);65.1 (dd, 1JCP=161.2 Hz, 3JCP=12.3 Hz, CH);121.45 (s, C32);122.1 (s broad, C22, C12, C02);128.5 (s broad, C03 C13 C23);128.7 (s broad, C33);132.1 (d broad, 3JCP =8.2 Hz, C34, C24);132.4 (s broad, C04, C14);139.2 (d, 3JCP =13.4 Hz, CH=N);151.0 (d broad, 2JCP =7.2 Hz, C31);151.6 (s broad, C21, C11);151.7 (s broad, C01) ppm.
【0115】
g) アミノ−メチル ビス−ホスホン酸から誘導した第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化29】

ブロモトリメチルシラン(2.1 mmol, 289 μl)を工程(d)で得たメチルアミンから誘導したアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する第一世代の樹枝状ポリマー(3.97.10-2 mmol, 230 mg)のアセトニトリル(5mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を12時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に1mLの無水メタノールを室温で加え、1時間撹拌した。蒸発乾燥後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。この生成物は有機溶媒にまったく不溶であったので、水酸化ナトリウムの存在下にそのモノナトリウム塩に変換した(ホスホン酸樹枝状ポリマー130mgに対して0.1955mol.l-1の水酸化ナトリウム溶液3.1mL)。得られた溶液を凍結乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーを得た。最終生成物は最終収率58%で単離された。
31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=66.09 (s, P1 and P2);14.1 (s, P0);11.2 (s, PO3HNa) ppm.
1H NMR (CD3CN/D2O):δ=2.5−3.8 (m, 90H, CH3−N−P, N−Me, CH2, CH);6.5−8.0 (m, 78H, CHarom, CH=N).
13C−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=35.5 (s broad, CH3−N−P1);44.8 (s broad, N−Me);54.5 (d, 1JCP=132.5 Hz, CH2);70.5 (d, 1JCP=129.4 Hz, CH);124.4 (s broad, C02, C12);130.4 (s broad, C03, C13);136.3 (s broad, C04, C14);142.9 (s broad, CH=N);153.9 (s broad, C01, C11) ppm.
【0116】
h) アミノ−メチル ビス−ホスホン酸から誘導した第二世代の樹枝状ポリマーの合成
【化30】

ブロモトリメチルシラン(1.6 mmol, 210 μl)を工程(e)で得たメチルアミンから誘導したアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する第二世代の樹枝状ポリマー(1.49.10-2 mmol, 190 mg)のアセトニトリル(5mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を12時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に1mLの無水メタノールを室温で加え、1時間撹拌した。蒸発乾燥後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。この生成物は有機溶媒にまったく不溶であったので、水酸化ナトリウムの存在下にそのモノナトリウム塩に変換した(ホスホン酸樹枝状ポリマー140mgに対して0.1955mol.l-1の水酸化ナトリウム溶液3.01mL)。得られた溶液を凍結乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーを得た。最終生成物は最終収率54%で単離された。
31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=66.7 (s, P1);14.4 (s, P0) 10.8 (s, PO3HNa) ppm.
1H NMR (CD3CN/D2O):δδ=2.5−3.8 (m, 198H, CH3−N−P1, CH3−N−P2, N−Me, CH2, CH);6.5−8.0 (m, 186H, CHarom, CH=N).
13C−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=35.5 (s broad, CH3−N−P1, CH3−N−P2);44.6 (s broad, N−Me);55.6 (d, 1JCP=102.7 Hz, CH2);71.0 (d, 1JCP=128.2 Hz, CH);124.4 (s broad, C02, C12, C22);130.4 (s broad, C03, C13, C23);136.3 (s broad, C04, C14, C24);142.9 (s broad, CH=N);153.9 (s, C01, C11, C21) ppm.
【0117】
実施例15:シクロトリホスファゼンのコア及びアミノ−ブチルビス−ホスホネートから誘導した表面を有する樹枝状ポリマーの合成
a) ブチルアミンから誘導したイミンの合成
【化31】

n−ブチルアミン(43mmol、4.3mol)及び4−ヒドロキシベンズアルデヒド(41mmol、5g)を4Åモレキュラーシーブと共に溶媒なしで室温で混合した。該混合物を24時間磁気撹拌し、次いでTHF中に入れ、セライト上で濾過した。THFを減圧下で蒸発させると濃い暗色のオイルを生じた。このオイルを最小量のエーテルに溶解してペンタンにより沈殿させた。こうして収率80%の若干ピンク色の粉末が得られた。
1H NMR (CDCl3):δ=0.90 (t, 3JHH =7.6 Hz, 3H, −CH3);1.33 (m, 2H, CH2CH2−CH3);1.66 (m, 2H, CH2−CH2−CH3);3.59 (t, 3JHH =7.4 Hz, 2H, N−CH2−);6.7 (d, 3JHH =8.4 Hz, CHarom, 2H);7.5 (d, 3JHH =8.4 Hz, 2H, CHarom);8.14 (s, 1H, CH=N);8.81 (s broad, 1H, −OH) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=13.9 (s, CH3);20.3 (s, CH2−CH3);32.7 (s, CH2−CH2−CH3);60.1 (s, N−CH2−CH2− CH2−CH3);116.3 (s, C2);125.4 (s, C4);130.6 (s, C3);161.5 (s, C1);162.9 (s, CH=N) ppm.
【0118】
b) アミノ−ブチルモノ−ホスホネートの合成
【化32】

工程(a)で得られたイミン基含有フェノール(16.9 mmol, 3g)を、溶媒なしで室温で、トリエチルアミン(16.9 mmol, 2.35 mL)及びジメチルホスファイト(16.9 mmol, 1.55 mL)と混合した。この混合物を室温に12時間置いてから蒸発乾燥した。得られた粉末をアセトンに溶解し、次いでシリカ“パッチ”を通過させた。最後に、溶離剤を蒸発すると収率65%で最終生成物を得た。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.8 (s, P1) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=0.80 (t, 3JHH =7.6 Hz, 3H, −CH3);1.20−1.55 (m, 4H, CH2−CH2);2.41 (m, 2H, N−CH2−);3.6 (d, 3JHP =10.4 Hz, 3H, −P1OMe);3.8 (d, 3JHP =10.8 Hz, 3H, −P2OMe);4.0 (d, 2JHP =26.0 Hz, 1H, Ha);6.7 (d, 3JHH =8.4 Hz, CHarom, 2H);7.2 (d, 3JHH =8.4 Hz, CHarom, 2H) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=13.9 (s, CH3);20.3 (s, CH2−CH3);31.8 (s, CH2−CH2−CH3);47.4 (d, 3JCP=17.6 Hz, N−CH2−CH2− CH2−CH3);53.6 (d, 2JCP=7.9 Hz, OMe);53.9 (d, 2JCP=6.2 Hz, OMe);59.8 (d, 1JCP=157.1 Hz, CH);115.9 (s, C2);125.4 (s, C4);129.5 (s, C3);157.0 (s, C1) ppm.
【0119】
c) アミノ−ブチルビス−ホスホネートの合成
【化33】

工程(b)で得た第二級アミン(5.8 mmol, 1.67 g)を室温でホルムアルデヒドの37%水溶液(8.7 mmol, 657 μl)及びジメチルホスファイト(5.8 mmol, 530 μl)に溶解させた。該混合物を室温で12時間磁気撹拌した。最後に、過剰のホルムアルデヒドを減圧下で除去し、溶媒として酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィによって生成物を精製した。最終生成物は最終収率60%で単離された。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=28.3 (s, P1);30.9 (s, P2) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=0.86 (t, 3JHH =7.6 Hz, 3H, CH3);1.25−1.55 (m, 4H, CH2−CH2);2.31 (m, 1H, N−CH2−);2.64 (dd, 2JHP =3.2 Hz, 2JHH =15.6 Hz, 1H, CH2−P2);3.11 (m, 1H, N−CH2 CH2);3.35 (ddd, 2JHP =17.2 Hz, 2JHH =17.0 Hz, 4JHP =1.6 Hz, 1H, CH2−P2);3.5 (d, 3JHP =10.4 Hz, 3H, −P1OMe);3.7 (d, 3JHP =10.8 Hz, 3H, −P2OMe);3.8 (d, 3JHP =10.8 Hz, 3H, −P2OMe);3.9 (d, 3JHP =10.8 Hz, 3H, −P1OMe);4.4 (d, 2JHP =26.0 Hz, 1H, Ha);6.84 (d, 3JHH =8.4 Hz, CHarom, 2H);7.26 (d, 3JHH =8.4 Hz, CHarom, 2H);9.1 (s broad, 1H, −OH) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=14.4 (s, CH3);20.4 (s, CH2−CH3);30.6 (s, CH2−CH2−CH3);46.0 (dd, 1JCP=166.8 Hz, 3JCP=8.8 Hz, CH2−P2);53.0 (d, 2JCP=6.8 Hz, P2OMe);53.4 (d, 2JCP=7.0 Hz, P1OMe);53.7 (d, 2JCP=7.0 Hz, P2OMe);54.1 (d, 2JCP=7.1 Hz, P1OMe);53.1 (t,3JCP=7.8Hz,N−CH2−CH2−CH2−CH3);61.3 (dd, 1JCP=162.9 Hz, 3JCP=10.0 Hz, CH);115.9 (s, C2);121.5 (d, 2JCP=6.0Hz, C4);132.5 (d, 3JCP=9.1 Hz, C3);158.1 (s, C1) ppm.
【0120】
d) アミノ−ブチルビス−ホスホネートから誘導した第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化34】

炭酸セシウム(1.4 mmol, 453 mg)を無水THF(3mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc1(0.058 mmol, 106 mg)の溶液に加え、次いで工程(c)で得たブチルアミンから誘導したフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.73 mmol, 300 mg)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌した後にセライト上で濾過し、最終的な混合物を遠心分離して塩を分離した。最後に、最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製し、65%の収率で単離した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=65.4 (s, P1);30.8 (s, P(O)(OMe)2);28.3 (s, P(O)(OMe)2);11.4 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=0.82 (t, 3JHH =7.6 Hz, 36H, CH3);1.20−1.50 (m, 48H, CH2−CH2);2.27 (m, 12H, N−CH2−);2.57 (dd, 2JHP =3.4 Hz, 2JHH =15.2 Hz, 12H, CH2−P2);3.11 (m, 12H, N−CH2−CH2);3.26 (d, 3JHP =10.6 Hz, 18H, CH3−N−P);3.4 (d, 3JHP =10.6 Hz, 36H, −P1OMe);3.6 (d, 3JHP =10.7 Hz, 36H, −P2OMe);3.7 (d, 3JHP =10.8 Hz, 36H, −P2OMe);3.8 (d, 3JHP =10.6 Hz, 36H, −P1OMe);4.4 (d, 2JHP=25.0 Hz, 12H, Ha);6.9−7.8 (m, 78H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=14.0 (s, CH3);19.9 (s, CH2−CH3);30.2 (s, CH2−CH2−CH3);32.8 (d, 2JCP =11.5 Hz, CH3−N−P1);46.0 (dd, 1JCP=166.7 Hz, 3JCP=8.6 Hz, CH2−P2);52−54 (m, PO3Me2);60.3 (dd, 1JCP=163.9 Hz, 3JCP=10.4 Hz, CH);121.2 (s broad, C02, C12);128.2 (s, C03);128.8 (d, 3JCP=4.5 Hz, C13);131.9 (s, C14);132.1 (s, C04);139.1 (d, 3JCP =13.9 Hz, CH=N);150.6 (d, 2JCP =6.9 Hz, C11);151.3 (s, C01) ppm.
【0121】
e) アミノ−ブチルビス−ホスホネートから誘導した第二世代の樹枝状ポリマーの合成
【化35】

炭酸セシウム(0.54 mmol, 176 mg)を無水THF(2mL)に溶解させた樹枝状ポリマーGc2(0.0106 mmol, 51 mg)の溶液に加え、次いで工程(c)で得たブチルアミンから誘導したフェノールアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート(0.27 mmol, 110 mg)を加えた。この混合物を室温で36時間撹拌した後にセライト上で濾過し、最終的な混合物を遠心分離して塩を分離した。最後に、最終生成物をペンタンから沈殿させることによって精製し、75%の収率で単離した。
31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=66.1 (s, P1);65.3 (s, P2);30.8 (s, P(O)(OMe)2);28.3 (s, P(O)(OMe)2);11.4 (s, P0) ppm.
1H NMR (CDCl3):δ=0.88 (t, 3JHH =7.6 Hz, 72H, CH3);1.20−1.45 (m, 96H, CH2−CH2);2.33 (m, 24H, N−CH2−);2.63 (dd, 2JHP =3.4 Hz, 2JHH =15.2 Hz, 24H, CH2−P2);3.16 (m, 24H, N−CH2−CH2);3.33 (m, 54H, CH3−N−P);3.44 (d, 3JHP =12.0 Hz, 72H, −P1OMe);3.7 (d, 3JHP =10.7 Hz, 72H, −P2OMe);3.8 (d, 3JHP =10.6 Hz, 72H, −P2OMe);3.9 (d, 3JHP =10.7 Hz, 72H, −P1OMe);4.5 (d, 2JHP =25.5 Hz, 24H, Ha);6.9−7.8 (m, 186H, CHarom, CH=N) ppm.
13C−{1H} NMR (CDCl3):δ=14.4 (s, CH3);20.3 (s, CH2−CH3);30.6 (s, CH2−CH2−CH3);33.3 (d, 2JCP =11.7 Hz, CH3−N−P2, CH3−N−P1);46.5 (dd, 1JCP=166.7 Hz, 3JCP=8.6 Hz, CH2−P2);52.5−54.1 (m, PO3Me2);“53.1 (t,3JCP=7.8 Hz, N−CH2−CH2−CH2−CH3)PB“;61.3 (dd, 1JCP=164.9 Hz, 3JCP=10.9 Hz, CH);121.6 (s broad, C12, C22);122.2 (s, C02);128.7 (s broad, C23);129.3 (s broad, C03, C13);132.5 (d broad, 2JCP=7.5 Hz, C24, C14, C04);139.1 (s broad, CH=N);151.0 (d, 2JCP =6.9 Hz, C21);151.8 (s broad, C11, C01) ppm.
【0122】
f) アミノ−ブチルビス−ホスホン酸から誘導した第一世代の樹枝状ポリマーの合成
【化36】

ブロモトリメチルシラン(0.92 mmol, 123 μl)を工程(d)で得たブチルアミンから誘導したアザ−ビス−ジメチル−ホスホネート末端を有する第一世代の樹枝状ポリマー(1.75.10-5 mmol, 110 mg)のアセトニトリル(4mL)溶液に0℃でゆっくりと加えた。該添加が完了すると、この混合物を12時間かけて室温に戻した。次いで、この混合物を蒸発乾燥し、その後に1mLの無水メタノールを室温で加え、1時間撹拌した。蒸発乾燥後に、残留物を純エーテルで数回洗浄した。この生成物は有機溶媒にまったく不溶であったので、水酸化ナトリウムの存在下にそのモノナトリウム塩に変換した(ホスホン酸樹枝状ポリマー45mgに対して0.1955mol.l-1の水酸化ナトリウム溶液0.98mL)。得られた溶液を凍結乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーを得た。最終生成物は最終収率55%で単離された。
31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=69.3 (s, P1);15.3 (s, P0);13.5 (s, P(O)(OHNa)2) ppm.
1H NMR (CD3CN/D2O):δ=0.9 (s broad, 36H, CH3);1.20−1.50 (m, 48H, CH2−CH2);2.5−3.8 (m, 78H, CH3−N−P, N−CH2, CH2, CH);6.5−8.0 (m, 78H, CHarom, CH=N).
13C−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=13.4 (s, CH3);19.6 (s, CH2−CH3);26.2 (s, CH2−CH2−CH3);33.4 (s broad, CH3−N−P2, CH3−N−P1);50.5 (d, 1JCP=123.0 Hz, CH2−P2);54.1 (s broad, N−CH2−CH2− CH2−CH3);66.3 (dd, 1JCP=126.9 Hz, CH);121.0 (s, C02);121.9 (s, C12);128.6 (s, C03);129.0 (s, C13);132.8 (s, C04);134.1 (s, C14);141.5 (s broad, CH=N);150.8 (s, C01);151.5 (d, 2JCP =6.9 Hz, C11) ppm.
【0123】
実施例16: ジメチル N−アリル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−アミノ−ホスホネート
750μL(10mmol)のアルキルアミンを、10mLのCH2Cl2中の4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1.1g、10mmol)懸濁液にMgSO4の存在下でゆっくりと加えた。30分撹拌した後に、ジメチルホスファイト(900 μl, 10 mmol)を添加した。この懸濁液を18時間撹拌し、次いで濾過及び10mLのCH2Cl2での希釈を行った。有機相を水洗し、MgSO4上で乾燥し、次いで減圧蒸発した。蒸留エーテルで水洗(2×10mL)してシリカクロマトグラフィ(酢酸エチル)にかけると、純粋な生成物が収率55%として粘性のオイル状で得られた。
【化37】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.8 (s)
1H NMR (CDCl3):δ=2.99 (m, 1H);3.20 (m, 1H);3.54 (d, 3JHP =10.3 Hz, 3H);3.74 (d, 3JHP =10.5 Hz, 3H);4.02 (d, 2JHP =19.8 Hz, 1H);5.09 (m, 2H);5.79 (m, 1H);6.74 (d, 3JHH =7.6 Hz, 2H);7.15 (d, 3JHH =8.3 Hz, 2H).
【0124】
実施例17: ジメチル N−アリル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−アミノ−ビス−ホスホネート
実施例16で得られたジメチル N−アリル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−アミノ−ホスホネート(970 mg, 3.58 mmol)のTHF(7mL)溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(水中で37%、1.06ml、14.3mmol)、次にジメチルホスファイト(490 μl, 5.35 mmol)を添加した。この溶液を室温で48時間力強く撹拌した。25mLのCH2Cl2を加え、この溶液を15mLの水で洗浄し、次いで有機相をMgSO4上で乾燥して減圧下で濃縮した。残留オイルを10mLの蒸留エーテルで2度洗浄し、その後にシリカクロマトグラフィにかけた(酢酸エチル/メタノール=9/1)。収率:55%。
【化38】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=28.7 (s);31.5 (s).
1H NMR (CDCl3):δ=2.57 (m, 1H);2.82 (m, 1H);3.46 (d, 3JHP =10.5 Hz, 3H);3.47 (m, 1H);3.70 (d, 3JHP =10.6 Hz, 3H);3.79 (d, 3JHP =10.7 Hz, 3H);3.87 (d, 2JHP =10.6 Hz, 3H);3.88 (m, 1H);4.47 (d, 2JHP =25.8 Hz, 1H);5.19 (m, 2H);5.83 (m, 1H);6.82 (d, 3JHH =8.4 Hz, 2H);7.25 (d, 3JHH =8.3 Hz, 2H);9.02 (sl, 1H).
【0125】
実施例18: アリルアミンから誘導した第一世代のアザ−ビス−ホスホネート樹枝状ポリマー
実施例17で得られたフェノール アザ−ビス−ホスホネート(400 mg, 1.02 mmol)及び炭酸セシウム(348mg、1.07mmol)をGc1(143 mg, 78.2 μmol)のTHF(5mL)溶液に添加した。この懸濁液を室温で48時間力強く撹拌して2度濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を最小量のTHF(約1mL)中に溶解させ、多量のペンタンを加え、次いで固体を単離した。精製を2度行い、次いで5mLの蒸留水を用いて洗浄を更に2度行った。減圧下で乾燥すると白色粉末状の純粋な樹枝状ポリマーが得られた。収率:80%
【化39】

31P−{1H} NMR (CDCl3) :δ=11.3 (s);28.9 (s);31.3 (s);65.4 (s).
【0126】
実施例19: アリルアミンから誘導した第一世代のアザ−ビス−ホスホン樹枝状ポリマー
実施例18で得られたアリルアミンからのアザ−ビス−ホスホネート末端をもつ樹枝状ポリマー(200 mg, 32 μmol)を5mLの蒸留アセトニトリルに溶解させ、次いでブロモトリメチルシラン(270 μl, 2.04 mmol)を0℃でゆっくりと添加した。この溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を約10mLのメタノールで処理した。メタノール中で力強く1時間撹拌した後、該固体を減圧下で乾燥した。ホスホン酸を蒸留エーテルで洗浄した(2×15mL)。溶媒を除去して、純粋なホスホン酸末端を有するこの樹枝状ポリマーを0.1955Mの水酸化ナトリウム水溶液(4.0mL)でゆっくりと処理した。この均一な溶液を凍結乾燥し、N−(アリル)ビス−メチルホスホン酸末端(モノナトリウム塩)を有する樹枝状ポリマーを定量的収量の白色粉末として単離した。
【化40】

31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=8.7 (s);10.9 (sl);65.1 (sl).
【0127】
実施例20: ジメチル N−ベンジル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−アミノ−ビス−ホスホネート
ベンジルアミン(4.4 ml, 40 mmol)及びMgSO4(10 g)を4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(4.4 g, 36 mmol)のTHF(30mL)溶液に添加した。1時間の撹拌後、ジメチルホスファイト(4.4 g, 36 mmol)を加え、該溶液を室温で4日間撹拌した。この懸濁液を濾過し、CH2Cl2(100 ml)で蒸留し、次いで25mLの水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留固体を蒸留エーテルで洗浄し(3 x 30 ml)、その後に減圧下で乾燥した。収率:83%、白色固体。
【化41】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.8 (s).
1H NMR (CDCl3):δ=3.48 (m, 1H);3.54 (d, 3JHP =10.4 Hz, 3H);3.75 (m, 1H);3.76 (d, 3JHP =10.5 Hz, 3H);3.98 (d, 2JHP =19.9 Hz, 1H);6.81 (d, 3JHH =7.8 Hz, 2H);7.25 (m, 7H).
【0128】
実施例21: ジメチル N−ベンジル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−ホスホネート
ホルムアルデヒド水溶液(水中で37%、570mg、7.01mmol)及びジメチルホスファイト(565 mg, 5.20 mmol)をジメチル N−ベンジル−N−(4−ヒドロキシ)−ベンジル−α−ホスホネート(1.5 g, 4.67 mmol)のTHF(10mL)溶液に添加した。該溶液を室温で18時間撹拌した後に、300μLのホルムアルデヒド水溶液を加えた。12時間後、該溶液を50mLのCH2Cl2で希釈し、20mLの水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で濃縮した。残留オイルを蒸留エーテルで3度洗浄し(20 ml)、その後に最小量のTHFに溶解させた。多量のペンタンを加えて、不溶性となったこのオイルを混合物から分離した。10mLの蒸留エーテルでの洗浄及び減圧下での乾燥後、黄色泡が80%で得られた。
【化42】

31P−{1H} NMR (CDCl3):δ=29.1 (s);31.5 (s).
1H NMR (CDCl3):δ=2.70 (dd, 2JHH =15.6, 3JHH =3.3 Hz, 1H);3.28 (d, 3JHP =13.4 Hz, 1H);3.44 (d, , 3JHP =10.5 Hz, 3H);3.54 (m, 1H);3.65 (d, 3JHP =10.7 Hz, 3H);3.71 (m, 1H);3.72 (d, 3JHP =10.6 Hz, 3H);3.85 (d, 3JHP =10.7 Hz, 3H);4.41 (m, 1H);6.86 (d, 3JHH =8.3 Hz, 2H);7.27 (m, 7H).
【0129】
実施例22: ベンジルアミンから誘導した第一世代のアザ−ビス−ホスホネート樹枝状ポリマー
実施例21で得られたベンジルアミンからのフェノール アザ−ビス−ホスホネート(500 mg, 1.13 mmol)及び炭酸セシウム(382mg、1.17mmol)をGc1(160 mg, 87.5 μmol)のTHF(5mL)溶液に添加した。72時間撹拌後、該溶液を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をエーテル(2×10mL)で洗浄し、次いで最小量のTHFに溶解させ、多量のペンタンを加えることにより沈殿させた。得られた固体を単離して、同一条件で沈殿を2度行った。減圧下で乾燥すると白色粉末状の樹枝状ポリマーが収率85%で得られた。
【化43】

31P−{1H} NMR (CDCl3) :δ=12.2 (s);29.2 (s);31.3 (s);65.3 (s).
【0130】
実施例23: ベンジルアミンから誘導した第一世代のアザ−ビス−ホスホン樹枝状ポリマー
実施例22で得られたベンジルアミンからのアザ−ビス−ホスホネート末端をもつ樹枝状ポリマー(150 mg, 22.3 μmol)を5mLの蒸留アセトニトリルに溶解させ、次いでブロモトリメチルシラン(185 μl, 1.39 mmol)を0℃でゆっくりと添加した。この溶液を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を約10mLのメタノールで処理した。メタノール中で力強く1時間撹拌した後、該固体を減圧下で乾燥した。ホスホン酸を蒸留エーテルで洗浄した(2×15mL)。溶媒を除去して、純粋なホスホン酸末端を有するこの樹枝状ポリマーを0.1955Mの水酸化ナトリウム水溶液(2.7mL)でゆっくりと処理した。この均一な溶液を凍結乾燥し、N−(ベンジル)ビス−メチルホスホン酸末端(モノナトリウム塩)を有する樹枝状ポリマーを定量的収量の白色粉末として単離した。
【化44】

31P−{1H} NMR (CD3CN/D2O):δ=8.9 (s);10.5 (sl);65.1 (sl).
【0131】
実施例24: アザ−ビス−ホスホネートカルボン酸の合成
【化45】

(a)n=1
5gのグリシン(66.6mmol)をフラスコに導入し、20mLのTHFと共に撹拌した。200mmolの37%ホルムアルデヒド水溶液を室温で加え、30分間撹拌を実施した。次いで、266mmolのジメチルホスファイトを加えた。この混合物を室温で12時間磁気撹拌し、反応混合物に40mLの蒸留水を加えた。THF減圧下で除去して、生成物をクロロホルム(3×100mL)を使用して抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後に蒸発させた。その後、溶離剤としてCH2Cl2/MeOH混合物(95/5)を使用したシリカカラムクロマトグラフィにより生成物を精製した。生成物が収率37%で得られた。
Rf (CH2Cl2 / MeOH:95 / 5) =0.32
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.0 ppm.
1H NMR (CDCl3)δ=3.22 (d, 2JHP =10.1 Hz, 4H, CH2−P), 3.61 (s, 2H, CH2−CO), 3.68 (d, 3JHP =10.6 Hz, 12H, O−CH3), 10.8 (s, 1H, COOH) ppm.
【0132】
(b)n=3
5gの4−アミノ酪酸(48.5mmol)をフラスコに導入し、20mLのTHFと共に撹拌した。145mmolの37%ホルムアルデヒド水溶液を室温で加え、30分間撹拌を実施した。次いで、194mmolのジメチルホスファイトを加えた。この混合物を室温で12時間磁気撹拌し、反応混合物に40mLの蒸留水を加えた。THFを減圧下で除去して、生成物をクロロホルム(3×100mL)を使用して抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後に蒸発させた。その後、溶離剤としてCH2Cl2/MeOH混合物(95/5)を使用したシリカカラムクロマトグラフィにより生成物を精製した。生成物が収率53%で得られた。
Rf (CH2Cl2 / MeOH:95 / 5) =0.35
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.7 ppm.
1H NMR (CDCl3) δ=1.74 (quint, 3JHH =7.1 Hz, 2H, CO−CH2−CH2), 2.36 (t, 3JHH=7.1 Hz, 2H, CO−CH2), 2.78 (t, 3JHH =7.1 Hz, 2H, CH2−N), 3.10 (d, 2JHP =8.8 Hz, 4H, CH2−P), 3.74 (d, 3JHP =10.7 Hz, 12H, O−CH3) ppm. プロトンCOOHは観察されなかった。
【0133】
実施例25: アミド−トリアミン アザ−ビス−ホスホネート化合物の合成
【化46】

(a)n=1
300mgのカルボン酸(0.94mmol)をアルゴン雰囲気下でフラスコに導入し、5mLの乾燥DMFに溶解した。この溶液を0℃にし、次いで1.3当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)をそこに加えた。0℃にて15分間撹拌を継続し、その後、1.3当量の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した。沈殿物の生成が確認された。混合物を0℃に戻し、次いでトリアミン(1.1当量)を加え、撹拌を0℃で30分間行い、その後、室温で15時間行った。沈殿物を5μのミリポアのμフィルター上で除去して溶液を凍結乾燥した。残留オイルをシリカカラムクロマトグラフィにより精製した。使用した溶離剤はCH2Cl2/MeOH混合物(90/10) とした。Rf =0.47。生成物が収率42%で得られた。
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.2 ppm.
1H NMR (CDCl3) δ=2.73 (t, 3JHH =7.4 Hz, 2H, C6H5−CH2), 3.13 (d, 2JHP =9.0 Hz, 4H, CH2−P), 3.33−3.52 (m, 4H, CH2−N, CH2−NH), 3.74 (d, 3JHP =10.7 Hz, 12H, O−CH3), 6.75 (d, 3JHH =8.4 Hz, 2H, HAr), 7.00 (d, 3JHH =8.4 Hz, 2H, HAr), 7.46 (t, 3JHH =5.8 Hz, 1H, NH) ppm.
【0134】
(b)n=3
300mgのカルボン酸(0.86mmol)をアルゴン雰囲気下でフラスコに導入し、5mLの乾燥DMFに溶解した。この溶液を0℃にし、次いで1.3当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)をそこに加えた。0℃にて15分間撹拌を継続し、その後、1.3当量の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加した。この混合物を0℃で30分間、次いで室温で1時間撹拌した。沈殿物の生成が確認された。混合物を0℃に戻し、次いでトリアミン(1.1当量)を加え、撹拌を0℃で30分間行い、その後、室温で15時間行った。沈殿物を5μのミリポアのフィルター上で除去して溶液を凍結乾燥した。残留オイルをシリカカラムクロマトグラフィにより精製した。使用した溶離剤はCH2Cl2/MeOH混合物(95/5) とした。Rf =0.52。生成物が収率51%で得られた。
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.6 ppm.
【0135】
実施例26:アザ−ビス−ホスホネート末端を有するDABモデルの合成
【化47】

合成は、アザビスホスホネートカルボン酸をトリアミンへ結合するための先の実施例に記載したプロトコルに従って、HOBt及びDCCの存在下で行った。使用した量は以下の通りである。0.4mmolのトリス(2−アミノエチル)アミン、1.57mmolのアザービス−ホスホネートカルボン酸(n=1又は3)、2.22mmolのHOBt及び2.22mmolのDCC。生成物を最小量のCH2Cl2中に溶解し、多量のジエチルエーテルから沈殿することによって精製した。HOBtの痕跡を除去するために沈殿を3度繰り返した。
(a)n=1
生成物が収率55%で得られた。
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.3 ppm.
(b)n=3
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.5 ppm.
【0136】
実施例27:アザ−ビス−ホスホン酸末端を有するDABモデルの合成
【化48】

実施例26で得たDABモデルのアザービス−ホスホネート化合物の0.25mmolを3mLのアセトニトリルに溶解させて0℃にし、次いで3.75mmolのBrTMSを不活性雰囲気下で滴下して加えた。0℃で30分撹拌後に、氷浴を除去し、室温で15時間撹拌を維持した。溶媒を減圧下で除去し、3mLのMeOHをこの乾燥残留物に加えた。撹拌を30分間行い、次いで溶媒を真空除去して3mLの蒸留水を加えた。1時間の撹拌後、混合物を凍結乾燥した。この乾燥残留物を乾燥エーテルで3度洗浄した。生成物がベージュ色の粉末として得られた。
【0137】
(a)n=1
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=11.2 ppm.

(b)n=3
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=11.0 ppm.
【0138】
実施例28:アザ−ビス−ホスホン酸末端を有するDABモデルのモノナトリウム塩の合成
【化49】

PO32基当たり1当量のNaOH(0.1955Nの水溶液)を実施例27で得たアザービス−ホスホン酸化合物に直接加えた。凍結乾燥後、生成物を定量的に得た。
【0139】
(a)n=1
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=17.8 ppm.

(b)n=3
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=17.5 ppm.
【0140】
実施例29:4個及び8個のアザ−ビス−ホスホネート基を有する世代1及び世代2のDAB型樹枝状ポリマーの合成
【化50】

不活性雰囲気で、実施例28で得たアザ−ビス−ホスホネートカルボン酸2mmolへ4mLの乾燥DMFを加えた。該溶液を0℃にし、次いで3mmolのHOBtを加えて0℃で30分間撹拌を行い、3mmolのDCCを加えた。0℃で30分後、該混合物を室温に戻して、撹拌を更に1時間継続したところ、沈殿物の生成が徐々に観察された。該懸濁液を再び0℃とし、次いでG1の場合には0.33mmolの樹枝状ポリマー又はG2の場合は0.17mmolの樹枝状ポリマーを加えた。0℃で30分後、撹拌を室温で20時間継続した。沈殿物を5μのミリポアのフィルター上で除去してDMFを凍結乾燥した。生成物を最小量のジクロロメタンに溶解させ、多量のジエチルエーテルから沈殿させることによって3度処理して過剰の試薬を取り除いた。

世代1のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=73%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.2 ppm.
n=3のとき:収率=69%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.4 ppm.

世代2のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=64%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.3 ppm.
n=3のとき:収率=75%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.5 ppm.
【0141】
実施例30:4個及び8個のアザ−ビス−ホスホン酸基をそれぞれ表面に有する世代1及び世代2のDAB型樹枝状ポリマーの合成
【化51】

先の実施例で得たアザ−ビス−ホスホネート末端をもつ世代1又は2のDAB型樹枝状ポリマー0.2mmolへ新たに蒸留したアセトニトリル4mLを加え、該混合物を0℃に冷却した。その後、世代1の樹枝状ポリマーの場合は6.4mmol(32当量)のBrTMS、世代2の樹枝状ポリマーの場合は12.8mmol(64当量)を滴下により加えた。該混合物を0℃で30分間維持し、次いで更に15時間室温で撹拌した。アセトニトリルを減圧下で除去して、該混合物を先の例と同様にメタノール分解及び加水分解した。次いで、乾燥残留物をTHF/ジエチルエーテルの混合物(1/9)で2度洗浄した。次いで、該粉末を真空乾燥して純粋な生成物を得た。

世代1のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=79%
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=11.5 ppm.
n=3のとき:収率=68%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=11.0 ppm.

世代2のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=68%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.6 ppm.

n=3のとき:収率=74%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.9 ppm.
【0142】
実施例31:対応するモノナトリウム塩の合成
【化52】

手順は先の実施例にて記載したのと同じであり、すなわち、表面のPO32基当たり1当量のNaOH(0.1955Nの水溶液)を添加した。世代1の樹枝状ポリマーの場合は8当量のNaOHを加え、世代2の樹枝状ポリマーの場合は16当量のNaOHを加えた。凍結乾燥後、生成物を定量的に得た。

世代1のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=20.0 ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.2 ppm.

世代2のDAB型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.3 ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.2 ppm.
【0143】
実施例32:4個及び8個のアザ−ビス−ホネート基を表面にそれぞれ有する世代0及び世代1のPAMAM型樹枝状ポリマーの合成
【化53】

不活性雰囲気で、実施例28で得たアザ−ビス−ホスホネートカルボン酸2mmolへ4mLの乾燥DMFを加えた。該溶液を0℃にし、次いで3mmolのHOBtを加えて0℃で30分間撹拌を行い、3mmolのDCCを加えた。0℃で30分後、該混合物を室温に戻して、撹拌を更に1時間継続したところ、沈殿物の生成が徐々に観察された。該懸濁液を再び0℃とし、次いでG0の場合には0.33mmolの樹枝状ポリマー又はG1の場合は0.17mmolの樹枝状ポリマーを加えた。0℃で30分後、撹拌を室温で20時間継続した。沈殿物を5μのミリポアのフィルター上で除去してDMFを凍結乾燥した。生成物を最小量のジクロロメタンに溶解させ、多量のジエチルエーテルから沈殿させることによって3度処理して過剰の試薬を取り除いた。

世代0のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=67%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.1 ppm.
n=3のとき:収率=75%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.4 ppm.

世代1のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=63%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.2 ppm.
n=3のとき:収率=78%
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=30.4 ppm.
【0144】
実施例33:4個及び8個のアザ−ビス−ホスホン酸基を表面にそれぞれ有する世代0及び世代1のPAMAM型樹枝状ポリマーの合成
【化54】

先の実施例で得たアザ−ビス−ホスホネート末端をもつ世代0又は1のPAMAM型樹枝状ポリマー0.2mmolへ新たに蒸留したアセトニトリル4mLを加え、該混合物を0℃に冷却した。その後、世代0の樹枝状ポリマーの場合は6.4mmol(すなわち32当量)のBrTMS、世代1の樹枝状ポリマーの場合は12.8mmol(すなわち64当量)を滴下により加えた。該混合物を0℃で30分間維持し、次いで更に15時間室温で撹拌した。アセトニトリルを減圧下で除去して、該混合物を先の例と同様にメタノール分解及び加水分解した。次いで、乾燥残留物をTHF/ジエチルエーテルの混合物(1/9)で2度洗浄した。次いで、該粉末を真空乾燥して純粋な生成物を得た。

世代0のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=65%
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=10.9 ppm.
n=3のとき:収率=71%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=11.1 ppm.

世代1のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:収率=73%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=11.0 ppm.
n=3のとき:収率=67%
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=11.3 ppm.
【0145】
実施例34:実施例35の化合物に対応するモノナトリウム塩の合成
【化55】

手順は先に記載したのと同じであり、すなわち、表面のPO32基当たり1当量のNaOH(0.1955Nの水溶液)を添加した。世代0の樹枝状ポリマーの場合(n=1又は3))は8当量のNaOHを加え、世代1の樹枝状ポリマーの場合(n=1又は3)は16当量のNaOHを加えた。凍結乾燥後、生成物を定量的に得た。

世代0のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=19.7 ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.2 ppm.

世代1のPAMAM型樹枝状ポリマーの場合:
n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.5 ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, CD3COCD3)δ=10.4 ppm.
【0146】
実施例35:12個のアミド−アザ−ビス−ホスホネート末端を表面に有するリン含有Gc型樹枝状ポリマーの合成
【化56】

12個のP(S)−Cl結合を有する世代1のGc1樹枝状ポリマー0.017mmolを3mLの乾燥THFに溶解した。この溶液に、5.04mmolの炭酸セシウム、次いで乾燥THF3mLに溶解させた実施例25のトリアミンアミド−アザ−ビス−ホスホネート化合物(n=1又は3)0.23mmolを順次添加した。該混合物を室温で一晩撹拌し、その後セライト上で濾過した。この反応混合物を減圧下で蒸発し、次いで乾燥残留物を最小量のジクロロメタンに溶解させた。次いで、生成物を多量のエーテルから沈殿した。この操作を3度繰り返して若干過剰の出発時のフェノールを除去した。粉末状の生成物をn=1のとき収率88%、n=3のとき収率85%で得た。

n=1のとき:
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=11.7 (s, N3P3), 30.1 (s, PO3Me2), 66.6 (s, P=S) ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (CDCl3)δ=11.7 (s, N3P3), 30.3 (s, PO3Me2), 66.6 (s, P=S) ppm.
【0147】
実施例36:12個のアミド−アザ−ビス−ホスホン酸末端を表面に有するリン含有Gc型樹枝状ポリマーの合成
【化57】

アミド−アザ−ビス−ホスホネート末端(n=1又は3)を有する上記の樹枝状ポリマー0.015mmolを3mLの蒸留THF中に不活性雰囲気下で溶解した。この溶液を0℃にして、48当量のBrTMS(0.73mmol)をアルゴン下で滴下により加えた。該混合物を0℃で30分間、次いで室温で一晩撹拌した。慣例のプロトコルに記載の通りメタノール分解及び加水分解した後に(すなわち、DAB及びPAMAM)、乾燥残留物を乾燥エーテルで洗浄すると、純粋な生成物がn=1のとき収率63%、n=3のとき収率58%で得られた。

n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=11.9 (s, PO3H2), 12.8 (s, N3P3), 66.5 (s, P=S)ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=12.1 (s, PO3H2), 12.8 (s, N3P3), 66.5 (s, P=S)ppm.
【0148】
実施例37:対応するモノナトリウム塩の合成
【化58】

先の実施例のアザ−ビス−ホスホン末端を有する樹枝状ポリマー0.010mmolを0.1955NのNaOH水溶液0.24mmolに溶解した。該混合物を室温で30分間撹拌した後に凍結乾燥した。生成物が定量的に得られた。

n=1のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=12.8 (s, N3P3), 16.5 (s, PO3HNa), 66.8 (s, P=S) ppm.
n=3のとき:
31P−{1H} NMR (D2O, THFd8)δ=12.8 (s, N3P3), 16.2 (s, PO3HNa), 66.8 (s, P=S) ppm.
【0149】
実施例38:潤滑特性
実施例12の化合物についてFalex潤滑試験機(破壊試験)でスチール/スチール接触を試験した。該試験によれば本発明の官能性ビスホスホネート樹枝状ポリマーが極圧用の潤滑添加剤として使用できることが示された。該添加剤によれば、1%に希釈したときに、潤滑添加剤として汎用されているアルキルホスフェートエステル以上の潤滑度合が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 原子価mの中心コア§;
− コアの周辺に分枝した随意的な世代鎖;
− 存在し得る各世代鎖の端部における又は適切なときはコア周辺の各結合の端部における中間鎖;並びに
− 各中間鎖の端部における次式で表されることを特徴とする末端基;

(式中、
−A1<は−CR<又は−ヘテロ原子<基を表し;
A2基は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、単結合であるか又は鎖員が1〜6個の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員はヘテロ原子から随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換してもよく;
R及びR’は、同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子又は−アルキル、−アリール、−アラルキル基を表し;
Xは−アルキル、−アリール、−H又はM+(M+は陽イオン)を表し;
mは1に等しいか又はそれより大きい整数を表し;
nは0〜12の整数を表し;
<はA1に位置する二つの結合を表す。)
を有する世代nの樹枝状ポリマー。
【請求項2】
DAB、PAMAM又はPMMH型の構造を有する請求項1に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項3】
A1が−CH<又は−N<の基を表す請求項1又は2に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項4】
A2が−Me−を表す請求項1〜3の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項5】
中心コア§が以下の基から選択される請求項1〜4の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【化1】

【請求項6】
中心コア§が次式を有する請求項1〜5の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【化2】

【請求項7】
mが1〜8の整数を表す請求項1〜6の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項8】
mが3、4及び6から選択される請求項1〜7の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項9】
nが0〜3である請求項1〜8の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項10】
世代鎖は1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜12個である任意の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖から選択され、各鎖員はヘテロ原子、アリール基、ヘテロアリール、>C=O、>C=NRから随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく、
R及びR’は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子又は−アルキル、−アリール、−アラルキル基を表す、
請求項1〜9の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項11】
世代鎖は、同一でも異なってもよく、次式で表される請求項1〜10の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中:
Aは酸素原子、硫黄原子、リン原子又は−NR−基を表し;
Bは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてもよく;
Cは炭素原子を表し;
D及びEは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子、−アルキル、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基を表し、これらの基はそれぞれハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてもよく;
Gは硫黄、酸素、窒素、硫黄、セレン又テルル原子又は=NR基を表し;
Nは窒素原子を表し;
Pはリン原子を表す。)
【請求項12】
式C1中、Aは酸素原子を表す請求項11に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項13】
Bは随意に置換されたフェニル基を表す請求項11又は12に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項14】
Dは水素原子を表す請求項11〜13の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項15】
Eは−アルキル基を表す請求項11〜14の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項16】
Gは硫黄原子を表す請求項11〜15の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項17】
世代鎖は次式で表される請求項1〜10の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中:
A’及びB’はそれぞれ独立に−アルキル、−アルケニル、−アルキニル基を表し、各基は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基から選択される1個又は2個以上の置換基によって随意に置換されてよく;
R、R’は先の定義と同じである。)
【請求項18】
A’及びB’はそれぞれ独立に−アルキル−を表す請求項17に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項19】
世代鎖が次式で表される請求項1〜10の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、
A”は−アルキル、−アルケニル、−アルキニル基を表し、各基は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキル基から選択される1個又は2個以上の置換基によって随意に置換されてよく;
RR’は先の定義と同じである。)
【請求項20】
A”は随意に置換された−アルキル−を表す請求項19に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項21】
中間鎖は1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜12個である任意の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖から選択され、各鎖員はヘテロ原子、アリール基、ヘテロアリール、>C=O、>C=NRから随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく、RR’は上の定義と同じである請求項1〜20の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項22】
中間鎖が次式で表される請求項1〜21の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、
Jは酸素原子、硫黄原子又は−NR−基を表し;
Kは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されてよく;
Lは1個又は2個以上の二重又は三重結合を随意にもち、鎖員が1〜6個である直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員は随意にヘテロ原子でもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく、RR’は上の定義と同じである。)
【請求項23】
Jは酸素原子を表す請求項22に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項24】
Kは随意に置換された−フェニル−基を表す請求項22又は23に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項25】
Lが−(Alk)a−基又は−C(D)=N−N(E)−(Alk)a−基を表す請求項22〜24の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項26】
中間鎖は次式で表される請求項1〜21の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、A’、B’、R、R’は請求項17又は18における定義と同じである。)
【請求項27】
中間鎖は次式で表される請求項1〜21の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、A”は請求項19又は20における定義と同じである。)
【請求項28】
+は周期表のIA、IIA、IIB又はIIIA族の元素の陽イオンを表すか、又は窒素含有塩基の陽イオンを表す請求項1〜27の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項29】
Mはナトリウム及びカリウム原子から選択される請求項1〜28の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項30】
各世代鎖が同一である請求項1〜29の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項31】
式(C1)及び(C2)中、J及びKはそれぞれA及びBに等しい請求項1〜30の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。
【請求項32】
次式(I−1i)で表される請求項1〜31の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中:
§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、X、A2、m、nは先の請求項において定義した通りであり、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示し、そして0又は1を表す。)
【請求項33】
次式(I−1ii)で表される請求項1〜31の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中:
§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、X、A2、m、nは先の請求項において定義した通りであり、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示し、そして0又は1を表す。)
【請求項34】
次式(I−2)で表される請求項1〜31の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、
§、A’、B’、C、N、P、X、A2、m、nは先の請求項において定義した通りであり、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示す。)
【請求項35】
次式(I−3)で表される請求項1〜31の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー。

(式中、
§、A”、N、P、X、A2、m、nは先の請求項において定義した通りであり、{ }nは該樹枝状ポリマーの世代nの鎖の枝分かれ構造を示す。)
【請求項36】
(i) 末端基−CHO、−CH=NR、−NH2又は−P(=G)Cl2を有する対応する樹枝状ポリマーと、1個又は2個の−PO32官能基を有する対応する化合物とを反応させる工程;
(ii) その後、XがH又はMを表すときは、(i)で得られた−PO3Me2末端を有する樹枝状ポリマーを−A1<[A2−P(=O)(OH)22末端を有する対応する樹枝状ポリマーに変換する随意的な工程;
(iii)その後、XがMを表すときは、(ii)で得られた−A1<[A2−P(=O)(OH)22末端を有する樹枝状ポリマーを−A1<[A2−P(=O)(OM)22末端を有する対応する樹枝状ポリマーの塩に変換する随意的な工程;
を含む請求項1〜35の何れか一項に記載の樹枝状ポリマーの製造方法。
【請求項37】
本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−1i):

(式中、§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、A2、Alk、X、a、m、n、<は先と同じ定義を有する。)
で表されるときは、
工程(i)は、次式:

(式中、Yは−Clを表す。);
の同一世代nの対応する樹枝状ポリマーと、次式:

の化合物を反応させることを含む請求項36に記載の樹枝状ポリマー製造方法。
【請求項38】
極性非プロトン溶媒に溶解させ、有機又は無機塩基の存在下で、−80℃〜100℃の温度で反応を行う請求項37に記載の方法。
【請求項39】
本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−2)又は(I−3):

又は

(式中、§、A’、A”、B’、B”、C、N、P、A2、X、m、n、<は先と同じ定義を有する。)
によって表されるときは、
工程(i)は、次式:

又は

の同一世代nの対応する樹枝状ポリマーと、次式:

の化合物を、H−A2−(C=O)Hの対応する化合物の存在下で反応させることを含む請求項36に記載の方法。
【請求項40】
−5℃から混合物の還流温度までの温度で行う請求項39に記載の方法。
【請求項41】
本発明に係る樹枝状ポリマーが式(I−1ii):

(式中、§、A、B、C、D、E、G、N、P、J、K、L、X、A2、m、n、aは先と同じ定義を有する。)
によって表されるときは、
工程(i)は、次式:

(式中、L’は−CHO基を表す。)
の対応する樹枝状ポリマーと、次式:

(式中、Alk’は上の式(I−1ii)中で定義したAlに対応しておりアルケニル基を表し、Xは先と同じ定義を有する。)
の化合物を、

の化合物の存在下で反応させることを含む請求項36に記載の方法。
【請求項42】
−80℃〜100℃の温度で、極性非プロトン溶媒中で、(VI)及び(VII)の化合物を樹枝状ポリマー(II−1ii)に添加することによって反応を行う請求項41に記載の方法。
【請求項43】
工程(ii)は:
− ハロゲン化トリメチルシランの作用により、
− 次いで、該反応混合物に添加する無水MeOHの作用により、
行われる請求項36〜42の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー製造方法。
【請求項44】
反応混合物の温度を−80℃〜50℃に維持しながらハロゲン化トリメチルシランを添加することにより極性非プロトン性有機溶媒中で上記手順を行う請求項43に記載の製造方法。
【請求項45】
工程(iii)において、本発明に係る化合物の塩は、Xが水素原子を表す末端基をもつ本発明に係る化合物から出発して得られる請求項36〜44の何れか一項に記載の樹枝状ポリマー製造方法。
【請求項46】
適当なプロトン又は非プロトン性の極性溶媒に溶解させて、所望する塩に応じた有機又は無機塩基の存在下で上記手順を行う請求項45に記載の樹枝状ポリマー製造方法。
【請求項47】
式(III)の化合物。

(式中、
Xは−アルキル、−アリール、H又はM+を表し、M+は陽イオンを表し;
Jは酸素原子、硫黄原子又は−NR−基を表し;
Kは−アリール−、−ヘテロアリール−、−アルキル−基を表し、各基はハロゲン原子によって、又は−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−アルキル、−アリール、−アラルキル基によって随意に置換されて良く;
基A2は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、単結合であるか又は鎖員が1〜6個の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素鎖を表し、各鎖員はヘテロ原子(好ましくは窒素)から随意に選択してもよく、各鎖員は−アルキル、−Hal、−NO2、−NRR’、−CN、−CF3、−OH、−Oアルキル、−アリール、−アラルキルから選択される1個若しくは2個以上の置換基によって随意に置換されてもよく;
−Alk−はアルキル基を表し;
aは0又は1を表す。)
【請求項48】
以下の工程:

(ここで、式(V)中、−A2’−はA2に対応する基である。)
を含む請求項47に記載の式(III)の化合物の製造方法。
【請求項49】
−5〜25℃の温度にて、(VIII)及び(IV)の化合物の添加と、化合物(V)の添加とによって行う請求項48に記載の方法。
【請求項50】
表面処理用又は表面接触用の請求項1〜35の何れか一項に記載の樹枝状ポリマーの使用。
【請求項51】
前記表面が金属、シリカベース又は酸化物ベースである請求項50に記載の使用。
【請求項52】
樹枝状ポリマーは前記表面に接触させるの又はこれを処理するための組成物中の添加剤として使用される請求項50又は51に記載の使用。
【請求項53】
樹枝状ポリマーは防食剤、潤滑剤、スケール防止剤又は難燃剤として使用される請求項50〜52の何れか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2007−512403(P2007−512403A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540527(P2006−540527)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002988
【国際公開番号】WO2005/052031
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506174924)ロディア ユーケイ リミテッド (2)
【出願人】(506128396)
【Fターム(参考)】