説明

ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料及びその製造方法

【課題】本発明は、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の発光材料は、化学式(Y1−x−y−zBiLnGeOで表す化合物である。本発明の発光材料の製造方法は、Y、A、Bi、Ln、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセテート、硝酸塩又はハロゲン化物を原料として、Aは、Gd、Lu、Sc、Laの中の一種であり、LnはTm、Ho、Sm、Tb、Eu、Dyの中の少なくとも一種であり、前記原料を均一に研磨してから、1300℃〜1500℃で6時間〜24時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を獲得する。本発明のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料は、発光材料の発光性能をさらに高めることができ、本発明の発光材料の製造方法は、工程が簡単であり且つコストが低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光材料及びその製造方法に関するものであり、特にビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、希土類発光材料は、新型で高効率の発光材料として、すでに、情報表示、照明光源、光電子デバイスなどの領域における重要な発光材料に発展されており、希土類発光材料の発光強度を高めることにより、発光素子の性能を効果的に改善するとともに、発光素子の発光効率を高め且つ省エネルギーを実現することができる。だから、発光効率が高い発光材料の研究及び応用は、材料化学及び材料物理学領域の重要な研究内容である。
【0003】
希土イオンをドーピングしたゲルマニウム酸塩発光材料は、優れたフォトルミネセンス性能を有し、励起されて発する蛍光色純度及び輝度は全て高く、UV−LEDの3原色の蛍光粉として応用することができる。しかし、このような材料の発光性能をさらに高めることは、研究人員のずっと努力すべき目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前記課題を解決し、希土イオンをドーピングしたゲルマニウム酸塩発光材料の発光性能をさらに高めることができるビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、前記課題を解決し、工程が簡単であり且つコストが低いビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料は、化学式(Y1−x−y−zBiLnGeOで表す化合物である。
【0007】
ただし、x、y、zの値は、別々に0≦x<1、0<y≦0.02、0<z≦0.3であり、且つx+y+z≦1であり、Aは、Gd、Lu、Sc、及びLaの中の一種であり、LnはTm、Ho、Sm、Tb、Eu、及びDyの中の少なくとも一種である。
【0008】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料において、x、y、zの値は、好ましくは0≦x≦0.5、0<y≦0.01、0<z≦0.2である。
【0009】
本発明に係わるビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法は、Y、A、Bi、Ln、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセテート、硝酸塩又はハロゲン化物を原料として、Aは、Gd、Lu、Sc、及びLaの中の一種であり、LnはTm、Ho、Sm、Tb、Eu、及びDyの中の少なくとも一種であり、前記原料を均一に研磨してから、1300℃〜1500℃で6時間〜24時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を獲得する。
【0010】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法において、好ましくは前記原料をモルタルに入れて均一に研磨してから、均一に研磨した前記原料を1350℃〜1450℃で10〜20時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を獲得する。
【0011】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法において、前記原料は、化学式(Y1−x−y−zBiLnGeOの中の各元素の間のモル比に基づいて秤とる。
【0012】
ただし、x、y、zの値は、別々に0≦x<1、0<y≦0.02、0<z≦0.3であり、且つx+y+z≦1である。
【0013】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法において、x、y、zの値は、好ましくは0≦x≦0.5、0<y≦0.01、0<z≦0.2である。
【0014】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法において、前記原料がY、A、Bi、Ln、又はGeの酸化物である場合、その純度は99.99%以上である。
【0015】
前記ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法において、前記原料は、Y、A、Bi、Ln、若しくはGeの炭酸塩、シュウ酸塩、アセテート、硝酸塩又はハロゲン化物である場合、その純度は分析用試薬(Analytical Reagent,AR)以上である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料は、希土イオンをドーピングしたゲルマニウム酸塩発光材料にビスマスイオン(Bi3+)を取り入れて、ビスマスイオンの他の希土イオンに対する増感作用によって、同じ励起条件によるゲルマニウム酸塩発光材料の発光性能を大きく高め、且つ発射光の波長は改変されなく、本発明の発光材料は、優れたフォトルミネセンス性能を有し、励起されて発する光の色純度及び輝度は全て高く、LED発光デバイスに応用することができる。
【0017】
本発明のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法によって、優れるフォトルミネセンス性能を有し、励起されて発する光の色純度及び輝度が全て高い発光材料を製造することができ、その工程ステップが少なく、工程が簡単であり、工程条件に容易に達することができ、この方法は、他の不純物を取り入れなく、製品品質が高く、工程条件に容易に達することができるので、コストが低く、発光材料の製造に広く応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】同じ測定条件で、実施例1の製造方法によって製造された(Y0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOと(Y0.99Tm0.01GeOの発射スペクトル対比図であり、その励起波長は全て314nmである。
【図2】同じ測定条件で、実施例6の製造方法によって製造された(Y0.9525Bi0.0075Tb0.04GeOと(Y0.96Eu0.04GeOの発射スペクトル対比図であり、その励起波長は全て314nmである。
【図3】同じ測定条件で、実施例7の製造方法によって製造された(Y0.9525Bi0.0075Eu0.04GeOと(Y0.96Eu0.04GeOの発射スペクトル対比図であり、その励起波長は全て314nmである。
【図4】同じ測定条件で、実施例18の製造方法によって製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOと(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトル対比図であり、その励起波長は全て360nmである。
【図5】同じ測定条件で、実施例18の製造方法によって製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOと(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトル対比図であり、その励起波長は全て314nmである。
【0019】
前記図面の発光スペクトルは、全て島津(Shimadzu)RF−5301PC蛍光分光光度計により測定し、測定条件は、1.5nmのスリット幅、高い感度である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
実施例1 高温固相法で(Y0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOを製造する
純度が99.99%の0.9825mmolのY、0.0075mmolのBi、0.01mmolのTm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨してから、研磨した粉末をコランダム坩堝に入れたまま高温箱形炉に放置して、1350℃で10時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからモルタルに入れて研磨して、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。図1は、波長が314nmである励起光に励起される場合、本実施例に係わる方法で製造された(Y0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOの発射スペクトルと(Y0.99Tm0.01GeOの発射スペクトルの対比結果を示し、図1に示されたように、波長が314nmである励起光に励起されて、Bi3+はTm3+の発光強度を大きく増強し、製造された(Y0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOの発光強度は、(Y0.99Tm0.01GeOの発光強度の12倍であり、強度は相対的数値であり、その単位は任意に選び取ることができる。
【0022】
実施例2 高温固相法で(Lu0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOを製造する
1.965mmolのLu(NO、0.015mmolのBi(NO、0.02mmolのTm(NO及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨してから、研磨した粉末をコランダム坩堝に入れたまま高温箱形炉に放置して、1450℃で8時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからモルタルに入れて研磨して、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Lu0.9825Bi0.0075Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。
【0023】
実施例3 高温固相法で(Y0.986Bi0.004Ho0.01GeOを製造する
0.986mmolのY、0.004mmolのBi、0.01mmolのHo及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨してから、研磨した粉末をコランダム坩堝に入れたまま高温箱形炉に放置して、1300℃で24時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからモルタルに入れて研磨して、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.986Bi0.004Ho0.01GeOを獲得し、この材料は緑色光を発することができる。
【0024】
実施例4 高温固相法で(Y0.976Bi0.004Sm0.02GeOを製造する
0.976mmolのY、0.004mmolのBi、0.02mmolのSm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨してから、研磨した粉末をコランダム坩堝に入れたまま高温箱形炉に放置して、1500℃で6時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからモルタルに入れて研磨して、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.976Bi0.004Sm0.02GeOを獲得し、この材料は赤色光を発することができる。
【0025】
実施例5 高温固相法で(Y0.976Bi0.004Dy0.02GeOを製造する
0.976mmolのY、0.004mmolのBi、0.02mmolのDy及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨してから、研磨した粉末をコランダム坩堝に入れたまま高温箱形炉に放置して、1380℃で20時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからモルタルに入れて研磨して、ビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.976Bi0.004Dy0.02GeOを獲得し、この材料は白色光を発することができる。
【0026】
実施例6 高温固相法で(Y0.9525Bi0.0075Tb0.04GeOを製造する
0.9525mmolのY、0.0075mmolのBi、0.02mmolのTb及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.9525Bi0.0075Tb0.04GeOを獲得し、この材料は緑色光を発することができる。図2は、波長が314nmである励起光に励起される場合、本実施例に係わる方法で製造された(Y0.9525Bi0.0075Tb0.04GeOの発射スペクトルと(Y0.96Tb0.04GeOの発射スペクトルの対比結果を示し、図2に示されたように、波長が314nmである励起光に励起されて、Bi3+はTb3+の発光強度を大きく増強し、製造された(Y0.9525Bi0.0075Tb0.04GeOの発光強度は、(Y0.96Tb0.04GeOの発光強度の11倍である。
【0027】
実施例7 高温固相法で(Y0.9525Bi0.0075Eu0.04GeOを製造する
0.9525mmolのY、0.0075mmolのBi、0.04mmolのEu及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.9525Bi0.0075Eu0.04GeOを獲得し、この材料は赤色光を発することができる。図3は、波長が314nmである励起光に励起される場合、本実施例に係わる方法で製造された(Y0.9525Bi0.0075Eu0.04GeOの発射スペクトルと(Y0.96Eu0.04GeOの発射スペクトルの対比結果を示し、図3に示されたように、波長が314nmである励起光に励起されて、Bi3+はEu3+の発光強度を大きく増強し、製造された(Y0.9525Bi0.0075Eu0.04GeOの発光強度は、(Y0.96Eu0.04GeOの発光強度の6倍である。
【0028】
実施例8 高温固相法で(Y0.886Gd0.1Bi0.004Tm0.01GeOを製造する
0.886mmolのY、0.1mmolのGd、0.004mmolのBi、0.01mmolのTm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.886Gd0.1Bi0.004Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。
【0029】
実施例10 高温固相法で(Y0.686Gd0.3Bi0.004Ho0.01GeOを製造する
0.686mmolのY、0.3mmolのGd、0.004mmolのBi、0.01mmolのHo及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.686Gd0.3Bi0.004Ho0.01GeOを獲得し、この材料は緑色光を発することができる。
【0030】
実施例11 高温固相法で(Y0.196Sc0.7Bi0.004Sm0.1GeOを製造する
0.196mmolのY、0.7mmolのSc、0.004mmolのBi、0.1mmolのSm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.196Sc0.7Bi0.004Sm0.1GeOを獲得し、この材料は赤色光を発することができる。
【0031】
実施例12 高温固相法で(Y0.076La0.9Bi0.004Dy0.02GeOを製造する
0.076mmolのY、0.9mmolのLa、0.004mmolのBi、0.02mmolのDy及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.094La0.9Bi0.004Dy0.02GeOを獲得し、この材料は白色光を発することができる。
【0032】
実施例13 高温固相法で(Y0.596Gd0.1Bi0.004Tb0.3GeOを製造する
1.192mmolのY(CHCOO)、0.2mmolのGd(CHCOO)、0.008mmolのBi(CHCOO)、0.6mmolのTb(CHCOO)及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.596Gd0.1Bi0.004Tb0.3GeOを獲得し、この材料は緑色光を発することができる。
【0033】
実施例14 高温固相法で(Y0.746Gd0.1Bi0.004Eu0.15GeOを製造する
1.492mmolのYCl、0.2mmolのGdCl、0.008mmolのBiCl、0.3mmolのEuCl及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.746Gd0.1Bi0.004Eu0.15GeOを獲得し、この材料は赤色光を発することができる。
【0034】
実施例15 高温固相法で(Y0485La0.5Bi0.005Tm0.01GeOを製造する
0.485mmolのY、0.5mmolのLa、0.005mmolのBi、0.01mmolのTm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0485La0.5Bi0.005Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。
【0035】
実施例16 高温固相法で(Y0.88Lu0.1Bi0.01Tm0.01GeOを製造する
0.88mmolのY(C、0.1mmolのLu(C、0.01mmolのBi(C、0.01mmolのTm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.88Lu0.1Bi0.01Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。
【0036】
実施例17 高温固相法で(Y0.87Sc0.1Bi0.02Tm0.01GeOを製造する
0.87mmolのY(CO、0.1mmolのSc(CO、0.02mmolのBi(CO、0.01mmolのTm及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.87Sc0.1Bi0.02Tm0.01GeOを獲得し、この材料は青色光を発することができる。
【0037】
実施例18 高温固相法で(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOを製造する
0.9625mmolのY、0.0075mmolのBi、0.01mmolのTm、0.005mmolのTb、0.01mmolのEu及び1mmolのGeOを秤とって、瑪瑙乳鉢に放置して均一に混合するまで十分に研磨し、後のステップは、前記実施例1と同じであり、従ってビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOを獲得し、この材料は白色光を発することができる。図4は、波長が360nmである励起光に励起される場合、本実施例に係わる方法で製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトルと(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトルの対比結果を示し、図4に示されたように、波長が360nmである励起光に励起されて、Bi3+はTm3+の発光強度を増強しなかったが、発光材料が470nm〜630nmのTb3+及びEu3+の青色、緑色、赤色の発光強度を大きく増強して、本実施例によって製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOがさらに高い演色指数を有することにする。図5は、波長が314nmである励起光に励起される場合、本実施例に係わる方法で製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトルと(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発射スペクトルの対比結果を示し、図5に示されたように、波長が314nmである励起光に励起されて、Bi3+はTm3+、Tb3+及びEu3+の発光強度を大きく増強し、本実施形態によって製造された(Y0.9625Bi0.0075Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOがさらに高い発光輝度を有することにする。
【0038】
以上本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種種変更可能であることは勿論であって、本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【0039】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(Y1−x−y−zBiLnGeOで表す化合物であることを特徴とするビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料。
(ただし、x、y、zの値は、別々に0≦x<1、0<y≦0.02、0<z≦0.3であり、且つx+y+z≦1であり、Aは、Gd、Lu、Sc、Laの中の一種であり、LnはTm、Ho、Sm、Tb、Eu、Dyの中の少なくとも一種である。)
【請求項2】
x、y、zの値は、別々に0≦x≦0.5、0<y≦0.01、0<z≦0.2であることを特徴とする請求項1に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料。
【請求項3】
Y、A、Bi、Ln及びGeの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセテート、硝酸塩又はハロゲン化物を原料として、Aは、Gd、Lu、Sc、及びLaの中の一種であり、LnはTm、Ho、Sm、Tb、Eu、及びDyの中の少なくとも一種であり、前記原料を均一に研磨してから、1300℃〜1500℃で6〜24時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を獲得することを特徴とするビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。
【請求項4】
前記原料を均一に研磨してから、1350℃〜1450℃で10時間〜20時間焼結し、焼結物を室温に冷却してからビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料を獲得することを特徴とする請求項3に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。
【請求項5】
前記原料は、化学式(Y1−x−y−zBiLnGeOの中の各元素の間のモル比に基づいて秤とることを特徴とする請求項3に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。
(ただし、x、y、zの値は、別々に0≦x<1、0<y≦0.02、0<z≦0.3であり、且つx+y+z≦1である。)
【請求項6】
x、y、zの値は、別々に0≦x≦0.5、0<y≦0.01、0<z≦0.2であることを特徴とする請求項5に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。
【請求項7】
前記原料は、Y、A、Bi、Ln、又はGeの酸化物であり、その純度は99.99%以上であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。
【請求項8】
前記原料は、Y、A、Bi、Ln及びGeの炭酸塩、シュウ酸塩、アセテート、硝酸塩、又はハロゲン化物であり、その純度は分析用試薬以上であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のビスマスイオン増感の希土類ゲルマニウム酸塩発光材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−507455(P2013−507455A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532440(P2012−532440)
【出願日】平成21年10月12日(2009.10.12)
【国際出願番号】PCT/CN2009/074408
【国際公開番号】WO2011/044720
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511215230)オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッド (15)
【Fターム(参考)】