説明

ビタミンKエポキシド還元酵素遺伝子内の一塩基多型とワルファリン用量とを相関させるための方法および組成物

【課題】ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有するヒト被験者を同定する方法を提供する。
【解決手段】前記被験者においてVKOR遺伝子内の一塩基多型の存在を検出するステップであって、前記一塩基多型がワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられ、それによりワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権についての陳述]
本発明は、米国特許法第119条e項に基づいて、その内容全体が参照して本明細書に
組み込まれる、2003年9月23日に提出された米国仮特許出願第60/505,52
7号の利益を主張する。
【0002】
[政府の支援]
本発明は、一部には、米国立衛生研究所からの補助金第5P01 HL06350−4
2号および第5−R01 HL48318の支援を受けて実施された。米国政府は、本発
明に所定の権利を有する。
【0003】
[発明の分野]
本発明は、単離核酸、該単離核酸を含有する宿主細胞、およびその使用方法、ならびに
ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)遺伝子内の一塩基多型(SNP)の同定およ
びそれらとワルファリンに対する感受性との相関に向けられる方法および組成物に関する

【背景技術】
【0004】
極めて多数のタンパク質が機能するには、複数のグルタミン酸残基がγ−カルボキシグ
ルタミン酸へ修飾されることが必要である。これらの中で最もよく知られているのは、ビ
タミンK依存性(VKD)凝固タンパク質、第IX因子(クリスマス因子)、第VII因
子、およびプロトロンビンである。マトリックスGlaタンパク質の遺伝子のノックアウ
トはマウスの動脈の石灰化を生じさせるという観察(Luo et al.(1997)
「Spontaneous calcification of arteries a
nd cartilage in mice lacking matrix GLA
protein」Nature 386:78−81)は、凝固以外の機能を備えるタン
パク質にとってのビタミンKサイクルの重要性を強調している。さらに、機能が知られて
いないGas6およびその他のGlaタンパク質は神経組織内で発現し、子宮内でのワル
ファリン曝露は精神遅延および顔面奇形を生じさせる。これは、Gla修飾を行う酵素で
あるVKDカルボキシラーゼの発現が、初期胚形成期中には神経系での高発現を伴う組織
特異的方法で時間的に調節されるという観察と一致している。カルボキシル化に付随して
、反応の補基質である還元ビタミンKは、ビタミンKエポキシドへ転換させられる。ヒト
の食品に含まれるビタミンKの量は限られるので、ビタミンKエポキシドは、その欠乏を
防止するためにビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)によってビタミンKへ再転換
されなければならない。最も広範囲に使用されている抗凝固薬であるワルファリンはVK
ORを標的としており、ビタミンKの再生を妨害する。その結果、還元ビタミンKの濃度
が減少し、これによりγ−グルタミルカルボキシラーゼによるカルボキシル化の速度を減
少させ、低カルボキシル化ビタミンK依存性タンパク質を産生させる。
【0005】
ワルファリンは、米合衆国だけでも毎年100万人を上回る患者に処方されており、そ
してオランダでは、人口のおよそ2%が長期ワルファリン療法を受けていると報告されて
いる。抗凝固の治療レベルに必要とされるワルファリンの用量は患者によって大きく異な
るので、ワルファリンの利用には重大な副作用のリスクが付随する。例えば、ワルファリ
ン療法の開始後には患者の1〜2%において重大な出血症状が発生し、患者の0.1〜0
.7%において死亡が発生した、と報告されている。これらの危険性にもかかわらず、ワ
ルファリンの使用は誘発性出血症状1例につき20例の発作を防止できると推定されてお
り、おそらく誘発性出血に対するおそれがあるために十分には活用されていない。
【0006】
本発明は、被験者における一塩基多型をワルファリンに対する増加もしくは減少した感
受性と相関させるための方法および組成物を提供し、それによって被験者にとってリスク
が減少した治療用量および維持用量をより正確かつ迅速に決定することを可能にすること
によって、当分野における以前の短所を克服する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有するヒト被験者を同
定する方法であって、前記被験者においてVKOR遺伝子内の一塩基多型の存在を検出す
るステップであって、前記一塩基多型がワルファリンに対する増加もしくは減少した感受
性と相関させられ、それによりワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有す
る被験者を同定するステップを含む方法を提供する。
【0008】
さらに、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有するヒト被験者を同定
する方法であって、a)VKOR遺伝子内の一塩基多型の存在をワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性と相関させるステップと、及びb)前記被験者においてステッ
プ(a)の前記一塩基多型を検出するステップであって、それによりワルファリンに対す
る増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、を含む方法が提供
される。
【0009】
また別の実施形態では、本発明は、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性
と相関させられたVKOR遺伝子内の一塩基多型を同定する方法であって、
a)ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステ
ップと、
b)前記被験者におけるVKOR遺伝子内の一塩基多型の存在を検出するステップと、
および
c)ステップ(b)の前記一塩基多型の存在を前記被験者におけるワルファリンに対す
る増加もしくは減少した感受性と相関させるステップであって、それによりワルファリン
に対する増加もしくは減少した感受性と相関させられたVKOR遺伝子内の一塩基多型を
同定するステップと、を含む方法を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、被験者のVKOR遺伝子内の一塩基多型をワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性と相関させる方法であって、a)ワルファリンに対する増加も
しくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、b)ステップ(a)の被験
者の前記VKOR遺伝子のヌクレオチド配列を決定するステップと、c)ステップ(b)
のヌクレオチド配列を前記VKOR遺伝子の野生型ヌクレオチド配列と比較するステップ
と、d)ステップ(b)のヌクレオチド配列内の一塩基多型を検出するステップと、およ
びe)ステップ(d)の一塩基多型をステップ(a)の被験者におけるワルファリンに対
する増加もしくは減少した感受性と相関させるステップと、を含む方法を提供する。
【0011】
本発明のまた別の態様は、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)、特に哺乳動物
(例、ヒト、ヒツジ、ウシ、サルなど)VKORをコードする単離核酸である。例には、
(a)例えば配列番号8もしくは配列番号9に記載のヌクレオチド配列を有する単離核酸
などの、本明細書に開示した核酸と、(b)上記の(a)の単離核酸もしくはその補体へ
(例えば、ストリンジェントな条件下で)ハイブリダイズする、および/または上記の(
a)の核酸との実質的な配列同一性を有する(例えば、上記の(a)の核酸と80、85
、90、95もしくは99%同一性である)、およびVKORをコードする核酸と、なら
びに(c)遺伝コードの縮重のため上記の(a)もしくは(b)の核酸と異なるが、上記
の(a)もしくは(b)の核酸によってコードされるVKORをコードする核酸と、が含
まれる。
【0012】
本明細書で使用する用語「ストリンジェント」は、ハイブリダイゼーション方法の必需
品を規定するために当分野において一般に理解されているハイブリダイゼーション条件に
関する。ストリンジェンシー条件は、それらの用語は当分野において一般に知られており
、当業者には明確に認識されているので、低、高、中であってよい。本明細書に提供する
ようなヌクレオチド配列へ同種ヌクレオチド配列がハイブリダイズするのを許容する高ス
トリンジェンシー条件は、当分野において周知である。1つの例として、そのような配列
の本明細書に開示した核酸分子へのハイブリダイゼーションは、約60%相同性の配列の
ハイブリダイゼーションを可能にするために、42℃での25%ホルムアミド、5×SS
C、5×Denhardt溶液および5%硫酸デキストラン中で実施することができ、そ
の後には42℃での25%ホルムアミド、5×SSCおよび0.1% SDSの洗浄条件
を用いる。また別の例は、約45℃での6×SSC、0.1% SDSのハイブリダイゼ
ーション条件、続いて50〜65℃での0.2×SSC、0.1% SDSの洗浄条件を
含む。ストリンジェントな条件の別の例は、標準ハイブリダイゼーションアッセイを用い
て60〜70℃での0.3MのNaCl、0.03Mのクエン酸ナトリウム、0.1%
SDSの洗浄ストリンジェンシーによって表される(その内容が全体として参照して本明
細書に組み込まれる、SAMBROOK et al.,EDS.,MOLECULAR
CLONING:A LABORATORY MANUAL 2d ed.(Cold
Spring Harbor,NY 1989)を参照されたい)。様々な実施形態に
おいて、ストリンジェントな条件は、例えば、高度にストリンジェントな(すなわち、高
ストリンジェンシー)条件(例えば、65℃での0.5M NaHP04、7%ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)、1mM EDTA中でのフィルター結合DNAへのハイブリ
ダイゼーション)および/または中程度にストリンジェントな(すなわち中ストリンジェ
ンシー)条件(例えば、42℃の0.2×SSC/0.1% SDS中での洗浄)を含む
ことができる。
【0013】
本発明の追加の態様は、異種プロモーターと連結している本明細書に記載のビタミンK
エポキシド還元酵素をコードする核酸を含む組換え核酸である。
【0014】
本発明のまた別の態様は、上述の組換え核酸を含有して、発現する細胞である。適切な
細胞には、植物、動物、哺乳動物、昆虫、酵母および細菌細胞が含まれる。
【0015】
本発明のまた別の態様は、本明細書に記載のVKORをコードする単離核酸へハイブリ
ダイズするオリゴヌクレオチドである。
【0016】
本発明のまた別の態様は、本明細書に記載の核酸によってコードされる単離かつ精製さ
れたVKOR(例、均質に精製されたVKOR)である。例えば、本発明のVKORは配
列番号10に記載のアミノ酸配列を含んでよい。
【0017】
本発明のまた別の態様は、ビタミンK依存性タンパク質を作製する方法であって、ビタ
ミンKの存在下でビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸を発現してビタミンK依
存性タンパク質を産生する宿主細胞を培養するステップと、および次に前記ビタミンK依
存性タンパク質を前記培養から採取するステップと、を含み、前記宿主細胞がビタミンK
依存性カルボキシラーゼをコードする異種核酸を含有して、発現し、そして前記宿主細胞
がさらにビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする異種核酸を含有して、
発現し、本明細書に記載のVKORを産生する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】A〜DはSNPであるvk2581、vk3294およびvk4769に対する野生型、ヘテロ接合型およびホモ接合型被験者におけるワルファリン用量の比較、ならびにP450 2Y9に対する野生型およびヘテロ接合型被験者におけるワルファリン用量の比較を示した図である。
【図2】13個のsiRNAプールの各々について、A549細胞を含有する3個のT7フラスコをトランスフェクトし、72時間後にVKOR活性を決定した。VKORアッセイには25μMのビタミンKエポキシドを使用した。遺伝子gi:13124769に対して特異的な1つのsiRNAプールは、8回の繰返し実験においてVKOR活性を64%〜70%減少させた。
【図3】A549細胞中でのgi:13124769に対して特異的なsiRNAプールによるVKOR活性の阻害の時間経過を示した図である。この期間中にVKOR活性は持続的に減少したが、そのmRNAのレベルは正常値の約20%へ急速に減少した。このアッセイには25μMのビタミンKエポキシドを使用した。siRNAはVKDカルボキシラーゼの活性またはLamin A/C mRNAのレベルに影響を及ぼさなかった。
【図4】VKOR活性は、mGC_11276がSf9昆虫細胞内で発現した時点に検出された。このアッセイでは、約1×106cellsを使用した。反応は、バッファーD中で30分間にわたり30℃で32μM KOを用いて実施した。ブランクのSf9細胞が陰性コントロールとして、そしてA549細胞が標準として機能した。
【図5】ワルファリンによるVKORの阻害。反応は、バッファーD中で15分間にわたり30℃で、VKOR_Sf9細胞、60μM KOから作製された1.6mgのミクロソームタンパク質、および様々な濃度のワルファリンを用いて実施した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で使用する「1つの」または「その」は1つまたは2つ以上を意味することが
ある。例えば、「1つの」細胞は、単一の細胞または複数の細胞を意味することがある。
【0020】
以下では、本発明をより詳細に説明する。この説明は、本発明を実行できる全ての様々
な方法、あるいは本発明に付け加えることのできる全ての特徴についての詳細な目録であ
ることは意図していない。例えば、1つの実施形態に関して例示する特徴は、他の実施形
態に組み込むことができ、そして特定の実施形態に関して例示する特徴は、その実施形態
から削除することもできる。さらに、本開示に照らせば、当業者には、本明細書に提案し
た様々な実施形態への数多くの変形および追加は本発明から逸脱せずに明白であろう。そ
こで、以下の明細書は、本発明の一部の特定の実施形態を例示することを意図しており、
全ての順列、組み合わせおよび変形を排他的に規定することは意図していない。
【0021】
本明細書に添付の「配列リスト」は、本明細書に完全に記載されているかのように本明
細書の一部を形成する。
【0022】
本発明は、本開示に基づいて、そしてそれらの開示が本明細書に完全に記載されている
かのようにその全体が参照して本明細書に組み込まれるStafford and Wu
への米国特許第5,268,275号およびStafford and Changへの
米国特許第6,531,298号に記載されているものを含むがそれらに限定されない、
当分野において既知の方法、構成成分、および特徴を利用して実施されてよい。
【0023】
本明細書で使用する「核酸」は、cDNA、ゲノムDNA、合成(例、化学的に合成さ
れた)DNAならびにRNAおよびDNAのキメラを含むRNAおよびDNAの両方を包
含している。核酸は、二本鎖であっても一本鎖であってもよい。一本鎖の場合は、核酸は
センス鎖またはアンチセンス鎖であってよい。核酸は、オリゴヌクレオチドアナログもし
くは誘導体(例、イノシンもしくはホスホロチオエートヌクレオチド)を用いて合成され
てよい。そのようなオリゴヌクレオチドは、例えば変化した塩基対合能力またはヌクレア
ーゼに対する増加した耐性を有する核酸を調製するために使用できる。
【0024】
「単離核酸」は、それが由来する有機体の天然型ゲノム内ではそれと隣接している(一
本は5’末端上そして一本は3’末端上)コーディング配列のどちらとも隣接していない
DNAまたはRNAである。そこで、1つの実施形態では、単離核酸は、前記コーディン
グ配列に隣接する5’非コーディング(例、プロモーター)配列の一部および全部を含む
。このためこの用語は、例えば、ベクター内、自己複製プラスミドもしくはウイルス内、
または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA内に組み込まれる、または他の配列とは
独立して個別分子(例、PCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生するc
DNAもしくはゲノムDNAフラグメント)として存在する組換えDNAを含む。これは
、追加のポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも
さらに含む。
【0025】
用語「単離(した)」は、実質的に細胞性物質、ウイルス性物質、もしくは培養培地(
組換えDNA技術によって生成した場合)、または化学的前駆物質もしくは他の化学薬品
(化学合成した場合)を含んでいない核酸もしくはポリペプチドを意味することがある。
さらに、「単離核酸フラグメント」は、フラグメントとして自然には発生しない、そして
自然状態では見いだされないであろう核酸フラグメントである。
【0026】
用語「オリゴヌクレオチド」は、例えばPCR増幅におけるプライマーとして、または
ハイブリダイゼーションアッセイもしくはマイクロアレイにおけるプローブとして使用で
きる、少なくとも約6ヌクレオチドから約100ヌクレオチド、例えば約15から30ヌ
クレオチド、もしくは約15から30ヌクレオチドの核酸配列を意味する。オリゴヌクレ
オチドは、天然もしくは合成、例えばDNA、RNA、もしくは修飾主鎖などであってよ
い。
【0027】
特定のヌクレオチド配列が標準ヌクレオチド配列との特定の同一性(%)を有すると言
われる場合は、同一性(%)は標準ヌクレオチド配列に比較されている。例えば、100
塩基長である標準ヌクレオチド配列と50%、75%、85%、90%、95%もしくは
99%同一であるヌクレオチド配列は、前記標準ヌクレオチド配列の50、75、85、
90、95もしくは99ヌクレオチド配列と完全に同一である50、75、85、90、
95もしくは99塩基を有することがある。ヌクレオチド配列は、さらにその全長にわた
り標準ヌクレオチド配列と50%、75%、85%、90%、95%もしくは99%同一
である100塩基長ヌクレオチド配列であることもある。当然ながら、同一基準を同様に
満たすであろう他のヌクレオチド配列も存在する。
【0028】
VKORヌクレオチド配列と「実質的に同一」である核酸配列は、配列番号8もしくは
9のヌクレオチド配列と少なくとも80%、85%、90%、95%もしくは99%同一
である。核酸を比較するために、標準核酸配列の長さは、一般に少なくとも40ヌクレオ
チド、例えば少なくとも60ヌクレオチド以上であろう。配列同一性は、配列解析ソフト
ウエア(例えば、ウィスコンシン大学バイオテクノロジーセンター(1710 Univ
ersity Avenue、53705 ウィスコンシン州マディソン)遺伝学コンピ
ュータグループの配列解析ソフトウエアパッケージ)を用いて測定できる。
【0029】
当分野において既知のように、核酸もしくはアミノ酸が既知の配列との配列同一性もし
くは類似性を有するかどうかを同定するために多数の様々なプログラムを使用することが
できる。配列同一性もしくは類似性は、Smith & Waterman,Adv.A
ppl.Math.2,482(1981)の局所的配列同一性アルゴリズム、Need
leman & Wunsch,J.Mol.Biol.48,443(1970)の配
列同一性アライメントアルゴリズム、Pearson & Lipman,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 85,2444(1988)の類似性方法について
の検索、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(Wisconsin Gen
etics Software Package,Genetics Computer
Group,575 Science Drive(ウィスコンシン州マディソン)に
おけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、好ましくはデフォ
ルト設定を用いてDevereux et al.,Nucl.Acid Res.12
,387−395(1984)によって記載されたBest Fit sequence
プログラムまたは検査を含むがそれらに限定されない当分野において既知の標準技術を用
いて決定することができる。
【0030】
有用なアルゴリズムの例はPILEUPである。PILEUPは、進歩的なペアワイズ
アライメントを用いて1群の関連する配列から複数の配列アライメントを作製する。PI
LEUPはさらに、アライメントを作製するために使用されるクラスタリング関係を示し
ている系統樹をプロットできる。PILEUPは、Feng & Doolittle,
J.Mol.Evol.35,351−360(1987)の革新的なアライメント方法
の単純化を使用する;この方法は、Higgins & Sharp,CABIOS 5
,151−153(1989)によって記載された方法に類似している。
【0031】
有用なアルゴリズムのまた別の例は、Altschul et al.,J.Mol.
Biol.215,403−410,(1990)およびKarlin et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,5873−5787(1993
)に記載されたBLASTアルゴリズムである。特に有用なBLASTプログラムは、A
ltschul et al.,Methods in Enzymology,266
,460−480(1996)から入手されたWU−BLAST−2プログラムである。
WU−BLAST−2は、好ましくはデフォルト値へ設定されている数個の検索パラメー
タを使用する。これらのパラメータは動的数値であり、特定配列の構成およびそれに対し
て当該配列が検索されている特定データベースの構成に依存してプログラム自体によって
確立される;しかし、数値は感受性を増加させるために調整することができる。追加の有
用なアルゴリズムは、Altschul et al.Nucleic Acids R
es.25,3389−3402によって報告されたようなgapped BLASTで
ある。
【0032】
配列類似性を決定するためには、CLUSTALプログラムもまた使用できる。このア
ルゴリズムは、Higgins et al.(1988)Gene 73:237;H
iggins et al.(1989)CABIOS 5:151−153;Corp
et et al.(1988)Nucleic Acids Res.16:1088
1−90;Huang et al.(1992)CABIOS 8:155−65;お
よびPearson et al.(1994)Meth.Mol.Biol.24:3
07−331によって記載されている。
【0033】
さらに、本明細書に開示した核酸より多いもしくは少ないヌクレオチドを含有する配列
については、1つの実施形態では、配列同一性(%)は、ヌクレオチド塩基の総数に関連
付けて同一ヌクレオチドの数に基づいて決定されることは理解されている。そこで、例え
ば本明細書に詳細に開示した配列より短い配列の配列同一性は、1つの実施形態では、短
い配列におけるヌクレオチド塩基の数を用いて決定されるであろう。同一性(%)の計算
においては、相対荷重は、例えば挿入、欠失、置換などの様々な配列変化の発現には割り
当てられない。
【0034】
本発明のVKORポリペプチドには、組換えポリペプチド、合成ペプチドおよび天然ポ
リペプチドが含まれるが、それらに限定されない。本発明は、さらにまたその中で天然型
アミノ酸配列が変化もしくは欠失しているVKORポリペプチドの形態をコードする核酸
配列を包含している。好ましい核酸は、正常な生理的条件下で可溶性であるポリペプチド
をコードする。さらに本発明には、VKORの全部もしくは一部分が非関連性ポリペプチ
ド(例、マーカーポリペプチドもしくは融合パートナー)へ融合して融合タンパク質を作
製する融合タンパク質をコードする核酸が含まれる。例えば、ポリペプチドは細菌で発現
されたポリペプチドの精製を促進するためのヘキサヒスチジンタグへ、または真核細胞中
で発現したポリペプチドの精製を促進するためのヘマグルチニンタグへ、またはアフィニ
ティクロマトグラフィーもしくは免役沈降法によるポリペプチドの精製を促進するための
HPC4タグへ融合させることができる。本発明は、第1部分および第2部分を含む単離
ポリペプチド(およびこれらのポリペプチドをコードする核酸)もさらに含み、第1部分
は、例えばVKORポリペプチドの全部もしくは一部分を含み、そして第2部分は、例え
ば検出可能なマーカーを含む。
【0035】
融合パートナーは、例えば、分泌を促進するポリペプチド、例えば分泌配列であってよ
い。そのような融合ポリペプチドは、一般的にプレタンパク質と呼ばれる。分泌配列は、
細胞によって切断されて成熟タンパク質を形成することができる。さらに、不活性プレタ
ンパク質を産生するためにポリペプチド配列へ融合されたVKORをコードする核酸が含
まれる。プレタンパク質は、不活性化配列の除去によってタンパク質の活性形へ変換する
ことができる。
【0036】
本発明は、さらに例えばストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(本明細書に
規定したとおり)下で配列番号1〜6、8もしくは9のヌクレオチド配列の全部もしくは
一部分またはそれらの補体へハイブリダイズする核酸も含む。特定の実施形態では、ハイ
ブリダイズしている核酸のハイブリダイズしている部分は、一般的に長さが少なくとも1
5(例えば、20、30、もしくは50)ヌクレオチドである。ハイブリダイズしている
核酸のハイブリダイズしている部分は、VKORポリペプチドをコードする核酸の一部分
もしくは全部の配列と少なくとも80%、例えば少なくとも95%、少なくとも98%も
しくは100%同一である。本明細書に記載のタイプのハイブリダイズしている核酸は、
例えばクローニングプローブ、プライマー(例、PCRプライマー)、または診断用プロ
ーブとして使用できる。本発明には、例えば本明細書に記載の、そして当分野において既
知のような活性アッセイにおいて決定されるように、VKORの機能を阻害する低分子干
渉RNA(siRNA)および/またはアンチセンスRNAもまた含まれる。
【0037】
また別の実施形態では、本発明は、本発明の核酸を含有する細胞、例えば形質転換細胞
を特徴とする。「形質転換細胞」は、VKORポリペプチド、および/またはアンチセン
ス核酸もしくはsiRNAの全部もしくは一部をコードする核酸が組換え核酸技術によっ
てその中に(もしくはその祖先の中に)導入されている細胞である。例えば細菌、酵母、
昆虫、マウス、ラット、ヒト、植物などの原核および真核細胞の両方が含まれる。
【0038】
本発明は、例えば発現ベクターのような、発現を可能にする転写および/または翻訳調
節エレメントへ機能的に連結している本発明の核酸を含有する核酸構築物(例えば、ベク
ターおよびプラスミド)もさらにまた特徴とする。「機能的に連結した」は、前記調節エ
レメントが選択された核酸の転写および/または翻訳を調節できるように、例えばVKO
RポリペプチドをコードするDNA分子のような選択された核酸が、配列の転写および/
または翻訳を指令する1つ以上の調節エレメント、例えばプロモーターに隣接して配置さ
れていることを意味する。
【0039】
本発明は、プライマーもしくはプローブとして使用できる、本発明の核酸のフラグメン
トもしくはオリゴヌクレオチドをさらに提供する。そこで、一部の実施形態では、本発明
のフラグメントもしくはオリゴヌクレオチドは、配列番号8もしくは配列番号9に記載の
ヌクレオチド配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50
、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175
、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650
、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、2500
もしくは3000連続ヌクレオチドであるヌクレオチド配列である。本発明のオリゴヌク
レオチドの例を本明細書に含まれた配列リストに提供する。そのようなフラグメントもし
くはオリゴヌクレオチドは、例えば増幅(例、PCR)アッセイにおけるプライマーとし
て使用する場合は、制限酵素切断部位を含める、および/または組み込むために、検出可
能に標識もしくは修飾することができる。
【0040】
本発明は、例えば配列番号10のアミノ酸配列またはその生物活性フラグメントもしく
はペプチドを含む、本質的にそれからなる、および/またはそれからなるポリペプチドな
どの精製もしくは単離VKORポリペプチドをさらに特徴とする。そのようなフラグメン
トもしくはペプチドは、典型的には配列番号10のアミノ酸配列の少なくとも約10アミ
ノ酸(例えば、配列番号10のアミノ酸配列の15、20、25、30、35、40、4
5、50、55、60、65、75、85、95、100、125、もしくは150アミ
ノ酸)であり、(例えば、配列番号10に記載のような)VKORタンパク質のアミノ酸
配列の連続アミノ酸のペプチドもしくはフラグメントであってよい。本発明のフラグメン
トもしくはペプチドの生物活性は、本明細書に提供した、そしてVKOR活性を同定する
ために当分野において既知のような方法にしたがって決定できる。本発明のVKORタン
パク質のフラグメントおよびペプチドは、抗体を産生するための抗原としてさらに活性を
有する可能性がある。本発明のフラグメントもしくはペプチド上のエピトープの同定は、
周知のプロトコルによって実施され、当業者の通常の技術の範囲内に含まれる。
【0041】
本明細書で使用する「タンパク質」および「ポリペプチド」はどちらも、長さまたは翻
訳後修飾(例、グリコシル化、リン酸化もしくはN−ミリスチル化)とは無関係に、アミ
ノ酸の鎖を意味する。そこで用語「VKORポリペプチド」には全長天然型VKORタン
パク質、ならびに全長天然型VKORタンパク質に、または天然型もしくは合成VKOR
ポリペプチドの一部分に一致する組換えにより、もしくは合成により産生したポリペプチ
ドが各々含まれる。
【0042】
「精製」もしくは「単離」化合物もしくはポリペプチドは、当該の化合物の重量で少な
くとも60%の組成物、例えば天然型微生物もしくはウイルスの他の構成成分の少なくと
も一部、例えば細胞もしくはウイルス構造成分またはそのポリペプチドと一般に結び付い
て見いだされる他のポリペプチドもしくは核酸から分離されている、もしくはそれらを実
質的に含有していないVKORポリペプチドもしくは抗体である。本明細書で使用する「
単離」ポリペプチドは、少なくとも約25%、50%、60%、70%、75%、80%
、85%、90%、95%、97%、98%、99%(w/w)以上純粋である。好まし
くは、前記調製物は当該の化合物の重量で少なくとも75%(例、少なくとも90%もし
くは99%)である。純度は、適切な標準方法、例えばカラムクロマトグラフィー、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法、またはHPLC分析によって測定できる。
【0043】
好ましいVKORポリペプチドには、天然型VKORポリペプチドの全部もしくは一部
分と実質的に同一である配列が含まれる。本明細書に記載のVKORポリペプチド配列と
「実質的に同一」であるポリペプチドは、配列番号10のVKORポリペプチドのアミノ
酸配列と少なくとも80%もしくは85%(例、90%、95%もしくは99%)同一で
あるアミノ酸配列を有する。比較のために、標準VKORポリペプチドの長さは、一般に
少なくとも16アミノ酸、例えば少なくとも20、25、30、35、40、45、50
、75もしくは100アミノ酸であろう。
【0044】
標準配列と100%未満同一であるポリペプチド配列の場合は、非同一である位置は、
必ずではないが、好ましくは標準配列に対して保存的置換である。保存的置換には、典型
的には以下の基:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;ア
スパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギンおよびグルタミン;セリンおよびトレオ
ニン;リシンおよびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン内の置換が含
まれるが、それらに限定されない。
【0045】
特定のポリペプチドが規定長さの標準ポリペプチドとの特定の同一性(%)を有すると
言われる場合は、同一性(%)は標準ポリペプチドに比較されている。そこで例えば、1
00アミノ酸長である標準ポリペプチドに対して50%、75%、85%、90%、95
%もしくは99%同一であるポリペプチドは、前記標準ポリペプチドの50、75、85
、90、95もしくは99アミノ酸長部分と完全に同一である50、75、85、90、
95もしくは99アミノ酸ポリペプチドであってよい。それは、その全長にわたり標準ポ
リペプチドと50%、75%、85%、90%、95%もしくは99%同一である100
アミノ酸長ポリペプチドであってもよい。当然ながら、他のポリペプチドもまた同一基準
を満たすであろう。
【0046】
本発明は、本発明のVKORポリペプチドもしくはそのフラグメントへ特異的に結合す
る精製もしくは単離抗体もさらに特徴とする。「特異的に結合する」とは、抗体が特定の
抗原、例えばVKORポリペプチド、またはVKORポリペプチドのフラグメントもしく
はペプチド上のエピトープを認識して結合するが、しかしサンプル中の他の分子を実質的
に認識して結合することがないことを意味する。1つの実施形態では、抗体はモノクロー
ナル抗体であり、そして他の実施形態では、抗体はポリクローナル抗体である。キメラ抗
体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、二重特異性抗体、抗体フラグメントなどを含むモノクロー
ナル抗体およびポリクローナル抗体の両方の生成法は、当分野において周知である。
【0047】
また別の態様では、本発明はサンプル中のVKORポリペプチドを検出する方法を特徴
とする。本方法は、抗体とVKORとの複合体の形成を可能にする条件下で、サンプルを
VKORポリペプチドもしくはそのフラグメントに特異的に結合する抗体と接触させるス
テップと、もしあれば複合体の産生を、前記サンプル中のVKORポリペプチドもしくは
そのフラグメントの検出として検出するステップと、を含む。そのようなイムノアッセイ
は、当分野において周知であり、免疫沈降アッセイ、免疫ブロットアッセイ、免疫標識ア
ッセイ、ELISAなどが含まれる。
【0048】
本発明は、サンプル中のVKORポリペプチドをコードする核酸を検出する方法であっ
て、ハイブリダイゼーション複合体が形成できる条件下で、前記サンプルをVKORポリ
ペプチドもしくはそのフラグメントをコードする本発明の核酸と、またはVKORもしく
はそのフラグメントをコードする核酸の補体と接触させるステップと、それによりサンプ
ル中のVKORをコードする核酸を検出するためにハイブリダイゼーション複合体の形成
を検出するステップと、を含む方法をさらに提供する。そのようなハイブリダイゼーショ
ンアッセイは当分野において周知であり、プローブ検出アッセイおよび核酸増幅アッセイ
が含まれる。
【0049】
本発明には、VKOR遺伝子(すなわち、その機能的ホモログ)に関連する遺伝子を入
手する方法もまた包含される。そのような方法は、VKORの全部もしくは一部分をコー
ドする単離核酸、またはそのホモログを含む検出可能に標識されたプローブを入手もしく
は生成するステップと、標識されたプローブを用いて核酸フラグメントライブラリーを、
前記ライブラリー内の核酸フラグメントへのプローブのハイブリダイゼーションを可能に
し、それにより核酸重複部位を形成させる条件下でスクリーニングするステップと、もし
あれば標識された重複部位を単離するステップと、およびVKOR遺伝子に関連する遺伝
子を入手するためにいずれかの標識された重複部位内の核酸フラグメントから全長遺伝子
配列を調製するステップと、を含む。
【0050】
本発明のまた別の態様は、ビタミンK依存性タンパク質を作製する方法であって、ビタ
ミンKの存在下でビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸を発現してビタミンK依
存性タンパク質を産生する宿主細胞を培養するステップと、および次に前記ビタミンK依
存性タンパク質を前記培養から採取するステップと、を含み、前記宿主細胞がビタミンK
依存性カルボキシラーゼをコードする異種核酸を含有して、発現し、そして前記宿主細胞
がさらにビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする異種核酸を含有して、
発現し、本明細書に記載のVKORを産生する方法である。VKORをコードする核酸の
発現およびVKORの産生は、細胞がVKORの非存在下で産生されるであろうレベルよ
り高レベルのビタミンK依存性タンパク質を産生することを誘発するであろう。
【0051】
そこで一部の実施形態では、本発明は、ビタミンK依存性タンパク質を生成する方法で
あって、
a)細胞内にビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸を、それにより前記核酸が
発現して前記ビタミンK依存性タンパク質がビタミンKの存在下で産生する条件下で導入
するステップであって、前記細胞がビタミンK依存性カルボキシラーゼをコードする異種
核酸を含み、そしてビタミンKエポキシド還元酵素をコードする異種核酸をさらに含むス
テップと、および
b)前記細胞から前記ビタミンK依存性タンパク質を任意に採取するステップと、を含
む方法をさらに提供する。生成できるビタミンK依存性タンパク質は、第VII因子、第
IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインSおよびプロトロンビンをあらゆる組み
合わせで含むが、それらに限定されない、現在知られている、もしくは本質的に後になっ
て同定されるあらゆるビタミンK依存性タンパク質であってよい。本明細書に記載の核酸
を用いて形質転換させることのできる全ての宿主細胞は、本明細書に記載のように使用で
きるが、一部の実施形態では、非ヒトもしくは非哺乳動物宿主細胞さえ使用できる。本明
細書に記載のビタミンK依存性カルボキシラーゼをコードする核酸およびビタミンK依存
性タンパク質をコードする核酸は当分野において周知であり、それらを発現させるための
細胞内への導入は、日常的プロトコルにしたがって実施されるであろう。
【0052】
本発明のある実施形態は、抗凝固療法のための被験者のワルファリンの治療用量は、前
記被験者の前記VKOR遺伝子内の1つ以上の一塩基多型の存在と相関させることができ
るという、本発明者らの発見に基づいている。そこで本発明は、ワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性を有するヒト被験者を同定する方法であって、前記被験者にお
いてVKOR遺伝子内の一塩基多型の存在を検出するステップであって、前記一塩基多型
がワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられ、それによりワルフ
ァリンに対する増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップを含む方
法をさらに提供する。
【0053】
ワルファリンに対する増加した感受性と相関させられたSNPの例は、配列番号8のゲ
ノム配列ならびにこの配列の前後のおよそ1000ヌクレオチドを含む標準配列である、
配列番号11のヌクレオチド配列のヌクレオチド2581(配列番号12)(VKOR遺
伝子のイントロン2において;参照して本明細書に組み込まれるGenBankアクセッ
ション番号refSNP ID:rs8050894)でのG→Cの変化である。この配
列は、ゲノム位置「ヒト染色体16p11.2」を有する、またはヒト染色体16:31
009700−31013800としてNCBIデータベース内の物理的地図において位
置を決定することができる。
【0054】
ワルファリンに対する減少した感受性と相関させられたSNPの例は、配列番号11の
ヌクレオチド配列のヌクレオチド3294(配列番号13)(VKOR遺伝子のイントロ
ン2において;参照して本明細書に組み込まれるGenBankアクセッション番号re
fSNP ID:rs2359612)でのT→Cの変化および配列番号11のヌクレオ
チド配列のヌクレオチド4769(配列番号14)(VKOR遺伝子の3’UTRにおい
て;参照して本明細書に組み込まれるGenBankアクセッション番号refSNP
ID:rs7294)でのG→Aの変化である。
【0055】
本明細書で使用されるように、「ワルファリンに対する増加した感受性」を有する被験
者は、前記被験者のためのワルファリンの適合する治療用量もしくは維持用量が正常被験
者のために適合するであろうワルファリンの治療用量もしくは維持用量より少ない被験者
、すなわちVKOR遺伝子内にワルファリンに対する増加した感受性の表現型を付与する
SNPを有していなかった被験者である。これとは逆に、本明細書で使用するように、「
ワルファリンに対する減少した感受性」を有する被験者は、前記被験者のためのワルファ
リンの適合する治療用量もしくは維持用量が正常被験者のために適合するであろうワルフ
ァリンの治療用量もしくは維持用量より多い被験者、すなわちVKOR遺伝子内にワルフ
ァリンに対する減少した感受性の表現型を付与するSNPを有していなかった被験者であ
る。正常被験者に対するワルファリンの典型的な治療用量の例は1週間当たり35mgで
あるが、この量は変動する可能性がある(例えば、Aithal et al.(199
9)Lancet 353:717−719には1週間当たり3.5から420mgの用
量範囲が記載されている)。ワルファリンの典型的な治療用量は、本明細書に記載の方法
にしたがって所定の試験について決定でき、これを使用するとこの用量を上回る、もしく
は下回るワルファリン治療用量を備える被験者を同定し、それによってワルファリンに対
する減少もしくは増加した感受性を有する被験者を同定することができる。
【0056】
さらに本明細書では、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有するヒト
被験者を同定する方法であって、a)VKOR遺伝子内の一塩基多型の存在をワルファリ
ンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させるステップと;およびb)前記被験者
においてステップ(a)の前記一塩基多型を検出するステップであって、それによりワル
ファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、を
含む方法が提供される。
【0057】
さらに、本発明は、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられ
たVKOR遺伝子内の一塩基多型を同定する方法であって、a)ワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、b)前記被験者におけ
るVKOR遺伝子内の一塩基多型の存在を検出するステップと、およびc)ステップ(b
)の前記一塩基多型の存在を前記被験者におけるワルファリンに対する増加もしくは減少
した感受性と相関させるステップであって、それによりワルファリンに対する増加もしく
は減少した感受性と相関させられたVKOR遺伝子内の一塩基多型を同定するステップと
、を含む方法を提供する。
【0058】
さらに、本明細書では、被験者のVKOR遺伝子内の一塩基多型をワルファリンに対す
る増加もしくは減少した感受性と相関させる方法であって、a)ワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、b)ステップ(a)の
被験者における前記VKOR遺伝子のヌクレオチド配列を決定するステップと、c)ステ
ップ(b)のヌクレオチド配列を前記VKOR遺伝子の野生型ヌクレオチド配列と比較す
るステップと、d)ステップ(b)のヌクレオチド配列内の一塩基多型を検出するステッ
プと、およびe)ステップ(d)の一塩基多型をステップ(a)の被験者におけるワルフ
ァリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させるステップと、を含む方法も提供
する。
【0059】
被験者は、周知のプロトコルにしたがった抗凝固療法のためのワルファリンの治療用量
もしくは維持用量を確立するステップと、その被験者のための治療用量もしくは維持用量
を、それからワルファリンの平均もしくは中間治療用量もしくは維持用量が計算される1
集団の正常被験者(例えば、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関さ
せられるVKOR遺伝子内のSNPが欠如している被験者)の抗凝固療法のためのワルフ
ァリンの治療用量もしくは維持用量と比較するステップによって、ワルファリンに対する
増加または減少した感受性を有するかを画定される。ワルファリンの平均治療用量もしく
は維持用量を下回るワルファリンの治療用量もしくは維持用量(例えば、野生型VKOR
遺伝子を有する、すなわちワルファリン感受性に関連付けられた一塩基多型が欠如してい
る被験者にとって治療的である、もしくは維持レベルを提供するワルファリンの用量)を
有する被験者は、ワルファリンに対する増加した感受性を有すると同定された患者である
。ワルファリンの平均治療用量もしくは維持用量を上回るワルファリンの治療用量もしく
は維持用量を有する被験者は、ワルファリンに対する減少した感受性を有すると同定され
た被験者である。野生型VKOR遺伝子を備える被験者のためのワルファリンの平均治療
用量もしくは維持用量は、当業者によって容易に決定されるであろう。
【0060】
被験者のVKOR遺伝子のヌクレオチド配列は、当分野において標準の、そして本明細
書に提供した実施例に記載のような方法にしたがって決定される。例えば、ゲノムDNA
は被験者の細胞から抽出され、VKOR遺伝子は既知のプロトコルにしたがって特定され
てシーケンシングされる。VKOR遺伝子内の一塩基多型は、被験者の配列と当分野にお
いて既知の野生型配列(本明細書に配列番号11として示した標準配列)との比較によっ
て同定される。
【0061】
VKOR遺伝子内のSNPは、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有
する、すなわち前記平均用量を上回る、もしくは下回るワルファリンの維持用量もしくは
治療用量を有すると同定された被験者のVKOR遺伝子内の1つのSNPもしくは複数の
SNPの存在を同定するステップと、周知の統計分析方法にしたがって、1つ以上のSN
Pとワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性との相関の統計分析を実施するス
テップと、によってワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられる
。1つ以上のSNP(遺伝子型)と増加もしくは減少したワルファリン感受性(表現型)
との統計的関連(例、有意な関連)を同定する分析は、被験者における1つ以上のSNP
の存在とその被験者におけるワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性との相関
関係を確立する。
【0062】
被験者のVKOR遺伝子内の1つ以上のSNPの存在を含む要素の組み合わせは、その
被験者におけるワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させることがで
きることは企図されている。そのような要素には、シトクロムp450 2C9多型、人
種、年齢、性別、喫煙歴および肝疾患が含まれるが、それらに限定されない。
【0063】
そこでまた別の実施形態では、本発明は、ワルファリンに対する増加もしくは減少した
感受性を有するヒト被験者を同定する方法であって、VKOR遺伝子の1つ以上の一塩基
多型、1つ以上のシトクロムp450 2C9多型、人種、年齢、性別、喫煙歴、肝疾患
およびこれらの要素の2つ以上の組み合わせからなる群から選択された、ワルファリンに
対する増加もしくは減少した感受性と相関させられた要素の組み合わせの存在を同定する
ステップであって、前記要素の組み合わせがワルファリンに対する増加もしくは減少した
感受性と相関させられ、それによりワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を
有する被験者を同定するステップを含む方法を提供する。
【0064】
さらに、本明細書では、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性を有するヒ
ト被験者を同定する方法であって、a)要素の組み合わせの存在をワルファリンに対する
増加もしくは減少した感受性と相関させるステップであって、前記要素が、VKOR遺伝
子の1つ以上の一塩基多型、1つ以上のシトクロムp450 2C9多型、人種、年齢、
性別、喫煙歴、肝疾患およびこれらの要素の2つ以上の組み合わせからなる群から選択さ
れるステップと;およびb)前記被験者においてステップ(a)の要素の組み合わせを検
出するステップであって、それによりワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性
を有する被験者を同定するステップと、を含む方法が提供される。
【0065】
さらに、本発明は、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられ
た要素の組み合わせを同定する方法であって、前記要素が、VKOR遺伝子の1つ以上の
一塩基多型、1つ以上のシトクロムp450 2C9多型、人種、年齢、性別、喫煙歴、
肝疾患およびこれらの要素の2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、a)ワルフ
ァリンに対する増加もしくは減少した感受性を有する被験者を同定するステップと、b)
前記被験者における前記要素の組み合わせの存在を検出するステップと、およびc)ステ
ップ(b)の要素の組み合わせの存在を前記被験者におけるワルファリンに対する増加も
しくは減少した感受性と相関させるステップであって、それによりワルファリンに対する
増加もしくは減少した感受性と相関させられた要素の組み合わせを同定するステップと、
を含む方法を提供する。
【0066】
本明細書では、さらにまた要素の組み合わせを相関させる方法であって、前記要素が、
VKOR遺伝子の1つ以上の一塩基多型、1つ以上のシトクロムp450 2C9多型、
人種、年齢、性別、喫煙歴、肝疾患およびこれらの要素の2つ以上の組み合わせからなる
群から選択される方法であって、a)ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性
を有する被験者を同定するステップと、b)前記被験者における前記要素の組み合わせの
存在を同定するステップと、およびc)ステップ(b)の要素の組み合わせをステップ(
a)の被験者におけるワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させるス
テップと、を含む方法もまた提供される。
【0067】
本明細書に記載の要素の組み合わせは、ワルファリンに対する増加もしくは減少した感
受性を有すると同定された被験者における要素の組み合わせの存在を同定するステップと
、および周知の統計分析方法にしたがって、要素の組み合わせとワルファリンに対する増
加もしくは減少した感受性との関連についての統計分析を実施するステップとによって、
ワルファリンに対する増加もしくは減少した感受性と相関させられる。要素の組み合わせ
と(増加もしくは減少した)ワルファリン感受性表現型との統計的関連(例、有意な関連
)を同定する分析は、被験者における要素の組み合わせの存在とその被験者におけるワル
ファリンに対する増加もしくは減少した感受性との相関関係を確立する。
【0068】
本明細書では、VKORをコードし、本明細書に記載の1つ以上のSNPを含む核酸が
さらに提供される。そこで、本発明は、本質的に配列番号12、13、14、15および
16に規定したヌクレオチド配列を含む、本質的にそれらからなる、および/またはそれ
らからなる核酸をさらに提供する。前記核酸はベクター内に存在していてもよく、該ベク
ターは細胞内に存在していてよい。さらに、配列番号12、13、14、15および16
に規定したヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされたタンパク質、ならびに配列
番号12、13、14、15および16に規定したヌクレオチド配列を含む核酸によって
コードされたタンパク質へ特異的に結合する抗体が含まれる。以下の実施例では、本発明
をより詳細に記載するが、当業者には多数の修飾および変形が明白であろうから、前記実
施例は単に例示することが企図されている。
【実施例1】
【0069】
VKOR遺伝子内の1つ以上のSNPとワルファリンに対する増加もしくは減少した感受
性との相関関係
VKOR遺伝子の最も主要なアイソフォームは約4kb長であり、3つのエクソンを有
し、そして18.4kDaの質量を備える163アミノ酸の酵素をコードする。本試験で
は、SNP(各々、46.9%、46.8%および46.3%のヘテロ接合性率)として
同定された3つの突然変異vk2581(G>C)、vk3294(T>C)およびvk
4769(G>A)を、被験者におけるそれらの存在と治療効果のある反応を達成するた
めに必要とされるワルファリンの維持用量との相関関係について試験した。
【0070】
1.被験者の選択
被験者は、外来ケアセンター内のUNC凝固クリニックから入手した。研修を積んだ遺
伝カウンセラーによってインフォームドコンセントを入手した。英語を流暢に話せない被
験者は、通訳がおらず、同意を得るための要件が満たされないために除外した。本試験適
格者となるために、被験者は少なくとも6ヶ月間にわたりワルファリンを摂取しており、
年齢が18歳以上であり、外来ケアクリニックでのUNC凝固クリニックによってフォロ
ーアップされた。
【0071】
2.全血からのゲノムDNAの抽出
ゲノムDNAは、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGE
N社製品番号51104)を用いて被験者の全血から抽出した。DNA濃度は10ng/
μLへ調整した。
【0072】
3.ゲノムDNAサンプルのシーケンシング
およそ10ngのDNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイのために使用した
。VKOR遺伝子を増幅させるために使用したプライマーは次のとおりであった:5’−
UTRおよびエクソン1領域のためのエクソン1−5’CCAATCGCCGAGTCA
GAGG(配列番号29)およびエクソン1−3’CCCAGTCCCCAGCACTG
TCT(配列番号30);エクソン2領域のためのエクソン2−5’AGGGGAGGA
TAGGGTCAGTG(配列番号31)およびエクソン2−3’CCTGTTAGTT
ACCTCCCCACA(配列番号32);ならびにエクソン3および3’−UTR領域
のためのエクソン3−5’ATACGTGCGTAAGCCACCAC(配列番号33)
およびエクソン3−3’ACCCAGATATGCCCCCTTAG(配列番号34)。
VKOR遺伝子内のSNPを検出するためには、自動ハイスループットキャピラリー電気
泳動DNAシーケンシングを使用した。
【0073】
4.リアルタイムPCRを用いた既知のSNPの検出
SNP遺伝子型特定のためのアッセイ試薬は、Assay−by−Design(商標
)service(Applied Biosystems社、製品番号4332072
)から入手した。プライマーおよびプローブ(FAM(商標)およびVIC(商標)色素
標識)は、Primer Expressソフトウエアを用いて設計し、Applied
Biosystems社製合成装置内で合成した。各SNPのためのプライマー対はS
NP部位の上流/下流位置に配置され、PCR反応において100bp長未満のDNAフ
ラグメントを生成できる。FAM(商標)およびVIC(商標)色素標識プローブは、1
5〜16ntの長さを備えるSNP部位をカバーするように設計した。各VKOR SN
Pのためのプライマーおよびプローブ配列は表2に示した。
【0074】
PCR反応では、2×TaqMan(商標)Universal PCR Maste
r Mix,No AmpErase UNG(Applied Biosystems
社、製品番号4324018)を使用した。40サイクルのリアルタイムPCRは、Op
ticon II(MJ Research)機内で実施した。95℃で10分間予熱さ
れ、次に92℃で15秒間、60℃で1分間加熱され、そしてその後にプレートが読み取
られた。結果は、FAMおよびVIC色素のシグナル値にしたがって読み取った。
【0075】
5.統計的分析
様々な遺伝子型間の平均用量の差は、SASバージョン8.0(SAS社、ノースカロ
ライナ州カリー)を用いた分散分析(ANOVA)によって比較した。0.05未満の両
側p値を有意と見なした。SNP群間の平均治療用量についての分布および残余について
の試験は、分散の均質性の前提を満たすために対数変換が不可欠であることを示していた

【0076】
6.SNPとワルファリン用量との相関関係
直接ゲノムDNAシーケンシングおよびSNPリアルタイムPCR検出によって、VK
OR遺伝子内で5つのSNPが同定された:1つは5’−UTR内、2つはイントロンI
I内、1つはコーディング領域内および1つは3’−UTR内(表1)。
【0077】
これらのSNPの中で、vk563およびvk4501 SNP対立遺伝子を有してい
たのは本試験の被験者58例中1例(さらに3’−UTR SNP対立遺伝子も有し、三
重ヘテロ接合型)だけであり、その他のSNPは17〜25例のヘテロ接合型患者におい
て同定された。
【0078】
最初に各マーカーを個別に分析した。図1Aは、vk2581野生型対立遺伝子を備え
る患者についての平均ワルファリン用量が1週間当たり50.19±3.20mgであっ
たが(n=26)、他方この多型についてヘテロ接合型およびホモ接合型である場合の用
量が、各々1週間当たり35.19±3.73(n=17)および31.14±6.2m
g(n=15)であったことを示している。図1Bは、vk3294野生型対立遺伝子を
備える患者についての平均ワルファリン用量は1週間当たり25.29±3.05mgで
あったが(n=11)、他方ヘテロ接合型およびホモ接合型対立遺伝子を有する患者は、
各々1週間当たり41.6±84.92(n=25)および47.73±2.75mg(
n=22)であったことを示している。図1Cは、vk4769SNP野生型を備える患
者についての平均ワルファリン用量が1週間当たり35.35±4.01mgであったが
(n=27)、他方ヘテロ接合型およびホモ接合型対立遺伝子を備える患者は、各々1週
間当たり44.48±4.80(n=19)および47.56±3.86mg(n=12
)を必要としたことを示している。さらに、P450 2C9*3は、以前に報告された
ように(Joffe et al.(2004)「Warfarin dosing a
nd cytochrome P450 2C9 polymorphisms」Thr
omb Haemost 91:1123−1128)、ワルファリン用量へ有意な作用
を有することも観察された(図1D)。P450 2C9*1(野生型)を備える患者に
ついての平均ワルファリン用量が1週間当たり43.82±2.75mg(n=50)で
あったが、他方この対立遺伝子に対してヘテロ接合型の患者は1週間当たり22.4±4
.34mg(n=8)を必要とした。
【0079】
7.統計的分析
Loge(ワルファリン平均用量)(LnDose)とVKOR遺伝子内のSNPとの
関連を分散分析(ANOVA)によって試験した。最初にSASを使用して、VKOR
SNP以外の用量に影響を及ぼす可能性がある要素を同定するために、一連の要素(人種
、性別、喫煙歴、肝疾患、シトクロムP450 2Y9遺伝子でのSNPなど)を試験す
る繰返し手順を実施した。P450 2C9*3はワルファリンの平均用量と統計的有意
に関連していた;そこで、これが詳細な分析のための共変成分であると結論した。この分
析は、共変量を含めたときに、3つのVKORのSNPが依然として1週間当たりのワル
ファリン用量と統計的有意に関連していることを示した(vk2581、P<0.000
1;vk3294,P<0.0001;およびvk4769、P=0.0044)。
【0080】
VKORの3つのSNPがワルファリン用量と独立して関連しているかどうかを詳細に
試験するために、VKOR遺伝子内の2つのSNPを他のSNPに対する共変量として含
めた分析を繰り返した。3つのVKOR SNPは相互に2kbの距離内に位置していた
ので、密接に連結していると予想される。検査から、少なくとも白色人種については、1
つのハプロタイプ(A=vk2581である場合はグアニンおよびa=vk2581であ
る場合はシトシン;B=vk3294ではチアミンおよびb=vk3924ではシトシン
;C=vk4769ではグアニンおよびc=vk4769ではアデニン)はAAbbcc
であり、他方はaaBBCCであることが明白であった。患者における個々のSNPの分
布は、他のSNPと統計的有意に相関していることが見いだされた(R=0.63〜0.
87、p<0.001)。実際に、ハロタイプAAbbccを備える被験者(n=7)は
、ハロタイプaaBBCCを備える患者のワルファリン用量(25.29±3.05;p
<0.001)に比較して有意に高いワルファリン用量(ワルファリン用量=48.98
±3.93)を必要とした。
【実施例2】
【0081】
siRNAの設計および合成
siRNAは、最新バージョンの合理的設計アルゴリズム(Reynolds et
al.(2004)「Rational siRNA design for RNA
interference」Nature Biotechnology 22:326
−330)を用いて選択した。13の遺伝子各々について、最高スコアを備える4つのs
iRNA重複部位を選択し、Human ESTデータベースを用いてBLAST検索を
実施した。不正確なサイレンシング作用の可能性を最小限に抑えるために、非関連配列に
対して4つ以上のミスマッチを備える配列標的だけを選択した(Jackson et
al.(2003)「Expression profiling reveals o
ff − target gene regulation by RNAi」Nat
Biotechnol 21:635−7)。全部の重複部位は2’−ACE chem
istry(Scaringe(2000)「Advanced 5’−silyl−2
’−orthoester approach to RNA oligonucleo
tide synthesis」Methods Enzymol 317:3−18)
の変法を用いてUUオーバーハングを備える21−merとしてDharmacon(コ
ロラド州ラファイエット)において合成し、ASストランドは、最高活性を保証するため
に化学的にリン酸化した(Martinez et al.(2002)「Single
−stranded antisense siRNAs guide target
RNA cleavage in RNAi」Cell 110:563−74)。
【実施例3】
【0082】
siRNAトランスフェクション
トランスフェクションは、小さな変更を加えただけで、本質的には以前に記載されたと
おりであった(Harborth et al.(2001)「Identificat
ion of essential genes in cultured mamma
lian cells using small interfering RNAs」
J Cell Sci 114:4557−65)。
【実施例4】
【0083】
VKOR活性のアッセイ
siRNAトランスフェクトA549細胞をトリプシン処理し、低温PBSを用いて2
回洗浄した。各VKORアッセイのために1.5×107cellsを採取した。200
μLのバッファーD(250mM Na2HPO4−NaH2PO4、500mM KCl、
20%グリセロールおよび0.75% CHAPS、pH7.4)を細胞ペレットに添加
し、次に細胞溶解液の超音波処理を実施した。溶解させたマイクロソームをアッセイする
ために、ミクロソームを(Lin et al.(2002)「The putativ
e vitamin K−dependent gamma−glutamyl car
boxylase internal propeptide appears to
be the propeptide binding site」J Biol Ch
em 277:28584−91)に記載されたとおりに2×109cellsから調製
した;各アッセイのために10〜50μLの溶解マイクロソームを使用した。ビタミンK
エポキシドを図の説明文に記載の濃度へ添加し、DTTを4mMへ添加して反応を開始さ
せた。反応混合液を30℃で30分間にわたり黄灯下でインキュベートし、500μLの
0.05M AgNO3:イソプロパノール(5:9)を添加することにより反応を停止
させた。500μLのヘキサンを添加し、混合液を1分間にわたり強力にボルテックスミ
キサーにかけることによりビタミンKおよびKOを抽出した。5分間の遠心後、上層の有
機層を5mLの褐色バイアルへ移し、N2を用いて乾燥させた。150μLのHPLCバ
ッファー、アセトニトリル:イソプロパノール:水(100:7:2)を添加してビタミ
ンKおよびKOを溶解させ、サンプルをAC−18カラム(Vydac社、製品番号21
8TP54)上でのHPLCによって分析した。
【実施例5】
【0084】
RT−qPCR(逆転写酵素定量的PCR)
1×106cellsをPBSで2回洗浄し、製造業者(インビトロジェン社)のプロ
トコルにしたがってTrizol試薬を用いて全RNAを単離した。RQ1 DNase
l(プロメガ社)によって1μgのRNAを消化し、熱不活化した。M−MLV逆転写酵
素(インビトロジェン社)を用いて第1ストランドcDNAを作製した。cDNAをDy
NAmo SYBR Green qPCRプレミックス(Finnzymes社)と混
合し、Opticon II PCRサーマルサイクラー(MJ Research社)
を用いてリアルタイムPCRを実施した。次のプライマーを使用した:
13124769−5’(F):(TCCAACAGCATATTCGGTTGC、配列
番号1);
13124769−3(R)’:(TTCTTGGACCTTCCGGAAACT、配列
番号2);
GAPDH−F:(GAAGGTGAAGGTCGGAGTC、配列番号3);
GAPDH−R:(GAAGATGGTGATGGGATTTC、配列番号4);
Lamin−RT−F:(CTAGGTGAGGCCAAGAAGCAA、配列番号5)
および
Lamin−RT−R:(CTGTTCCTCTCAGCAGACTGC、配列番号6)

【実施例6】
【0085】
Sf9昆虫細胞系におけるVKORの過剰発現
mGC11276コーディング領域についてのcDNAは、(Li et al.(2
000)「Identification of a Drosophila vita
min K−dependent gamma−glutamyl carboxyla
se」J Biol Chem 275:18291−6)に記載されたように、そのア
ミノ末端でHPC4タグ(EDQVDPRLIDGK、配列番号7)を用いてpVL13
92(Pharmingen社)内へクローニングし、Sf9細胞内で発現させた。
【実施例7】
【0086】
遺伝子の選択
VKOR遺伝子についての検索はマーカーD16S3131とD16S419の間のヒ
ト染色体16番に集中した。この領域は、遺伝地図上の50cM〜65cMでの染色体1
6番および物理的地図上の26〜46.3Mbに一致する。この領域内の190の予測さ
れるコーディング配列をNCBI非冗長性タンパク質データベースのBLASTX検索に
よって分析した。それらのヒト遺伝子および既知の機能を備える関連種からのオルソログ
は除外した。VKORは膜貫通タンパク質であると思われるので(Carlisle &
Suttie(1980)「Vitamin K dependent carbox
ylase:subcellular location of the carbox
ylase and enzymes involved in vitamin K
metabolism in rat liver」Biochemistry 19:
1161−7)、残りの遺伝子をNCBIデータベース内のcDNA配列にしたがって翻
訳させ、プログラムTMHMMおよびTMAP(Biology WorkBench社
、 San Diego Supercomputer System社)を用いて分析
して膜貫通ドメインを備えるものを予測した。その後の分析のために内在性膜たんぱく質
をコードすると予測された13の遺伝子を選択した。
【実施例8】
【0087】
VKOR活性についての細胞系のスクリーニング
この方法は、多量のVKOR活性を発現する細胞系を同定し、siRNAを使用して全
13の候補遺伝子を系統的にノックダウンさせるためのものであった。21〜23ヌクレ
オチドの二本鎖RNAであるsiRNAは、細胞培養中で特異的RNA分解を引き起こす
ことが証明されている(Hara et al.(2002)「Raptor,a bi
nding partner of target of rapamycin(TOR
),mediates TOR action」Cell 110:177−89;Kr
ichevsky & Kosik(2002)「RNAi functions in
cultured mammalian neurons」Proc Natl Ac
ad Sci USA 99:11926−9;Burns et al.(2003)
「Silencing of the Novel p53 Target Gene
Snk/Plk2 Leads to Mitotic Catastrophe in
Paclitaxel(Taxol)−Exposed Cells」Mol Cel
l Biol 23:5556−71)。しかし、哺乳動物細胞における大規模スクリー
ニングのためのsiRNAの適用は、特異的哺乳動物細胞mRNAに対する機能的標的を
同定するのが困難であるために、以前には報告されていない(Holen et al.
(2003)「Similar behaviour of single−stran
d and double−strand siRNAs suggests they
act through a common RNAi pathway」Nucle
ic Acids Res 31:2401−7)。siRNA設計のための合理的な選
択アルゴリズムの開発(Reynolds et al.)は、特異的siRNAを開発
できる可能性を増加させる;さらに、4つの合理的に選択されたsiRNAをプールする
ことによって成功の確率を増加させることができる。以前には同定されていない遺伝子に
ついて検索するためにsiRNAを使用することは、VKOR活性が活性のために2つ以
上の遺伝子の産物を必要とする場合でさえ、アッセイが酵素活性の消失を決定するために
、スクリーニングは依然として有効であるという長所を有する。
【0088】
15の細胞系をスクリーニングし、容易な測定のために十分なワルファリン感受性VK
OR活性を示すヒト肺癌細胞系A549を同定した。ほとんどVKOR活性を発現しない
第2のヒト結腸直腸腺癌腫細胞系であるHT29を標準として使用した。
【実施例9】
【0089】
A549細胞におけるVKOR活性のsiRNAによる阻害
siRNAの13のプール各々を3回ずつA549細胞内へトランスフェクトし、72
時間後にVKOR活性についてアッセイした。遺伝子gi:13124769に対して特
異的な1つのsiRNAプールは、8回の個別アッセイにおいてVKOR活性を64%〜
70%へ減少させた(図2)。
【0090】
72時間後にVKOR活性がその初期活性の約35%までしか阻害されなかったことに
ついて考えられる1つの理由は、哺乳動物タンパク質の半減期が大きく変動する(数分間
から数日間まで)(Zhang et al.(1996)「The major ca
lpain isozymes are longlived proteins.De
sign of an antisense strategy for calpai
n depletion in cultured cells」J Biol Che
m 271:18825−30;Bohley(1996)「Surface hydr
ophobicity and intracellular degradation
of proteins」Biol Chem 377:425−35;Dice &
Goldberg(1975)「Relationship between in
vivo degradative rates and isoelectric p
oints of proteins」Proc Natl Acad Sci USA
72:3893−7)、そしてmRNA翻訳は阻害されるが、酵素活性は阻害されない
ことにある。このため、細胞を11日間を通して保有し、それらのVKOR活性を追跡し
た。図3は、gi:13124769 mRNAについてのmRNAのレベルが正常値の
約20%へ急速に減少し、他方この期間中にVKOR活性が持続的に減少したことを示し
ている。活性におけるこの減少は、VKDカルボキシラーゼ活性のレベルおよびLami
n A/C mRNAが一定のままであったので、siRNAの一般的作用もしくは細胞
死の結果ではない。さらに、gi:132124769 mRNAのレベルは、高いVK
OR活性を示すA549細胞内より低いVKOR活性を有するHT−29細胞内の4分の
1である。これらのデータは、gi:13124769がVKOR遺伝子に一致すること
を示している。
【実施例10】
【0091】
VKORをコードする遺伝子の同定
本明細書でVKORをコードすると同定された遺伝子IMAGE 3455200(g
i:13124769、配列番号8)は、ヒト染色体16p11.2、マウス染色体7F
3、およびラット染色体1:180.8Mbに位置する。NCBIデータベース内には7
種のスプライシングパターンを表す338個のcDNAクローンが存在する(NCBI
AceViewプログラム)。これらは2から4個のエクソンの全部もしくは一部から構
成される。これらの中で最も重要なアイソフォームであるmGC11276は3個のエク
ソンを有し、肺および肝細胞中において高レベルで発現する。この3つのエクソン転写産
物(配列番号9)は、18.2kDaの質量を備える163アミノ酸からなる予測タンパ
ク質(配列番号10)をコードする。これは、予測のために使用されたプログラムに依存
して、1から3つの膜貫通ドメインを備える推定N−ミリスチル化小胞体タンパク質であ
る。これは、酵素活性がチオール試薬に依存するという観察所見に一致して、7つのシス
テイン残基を有する(Thijssen et al.(1994)「Microsom
al lipoamide reductase provides vitamin
K epoxide reductase with reducing equiva
lents」Biochem J 297:277−80)。7つのシステイン中5つは
、ヒト、マウス、ラット、ゼブラフィッシュ、Xenopus(アフリカツメガエル)お
よびAnopheles(ハマダラカ)の間で保存されている。
【0092】
前記VKOR遺伝子が同定されていたことを確証するために、酵素の最も重要な形態(
3つのエクソン)をSpodoptera frugiperda(ヨトウガ)、Sf9
細胞内で発現させた。Sf9細胞は測定可能なVKOR活性を有していないが、mGC1
1276 cDNAを用いてトランスフェクトさせるとワルファリン感受性活性を示す(
図4)。VKOR活性は、それらのアミノもしくはカルボキシル末端のいずれかでエピト
ープタグを備える構築物から観察される。このタグは、VKORの精製に関与するであろ
う。
【0093】
VKORはワルファリン感受性を示すはずであり、したがってVKORを発現するSf
9細胞からミクロソームを作製し、ワルファリン感受性について試験した。VKOR活性
はワルファリン感受性である(図5)。
【0094】
要約すると、本発明は知られていない遺伝子を同定するために哺乳動物細胞中のsiR
NAを使用する最初の例を提供する。VKOR遺伝子の同一性は、昆虫細胞中での発現に
よって確証された。VKOR遺伝子は数個のアイソフォームをコードする。各アイソフォ
ームの活性および発現パターンを特徴付けることが重要であろう。世界中で数百万人が抗
凝固を阻害するためにワルファリンを利用している。このため、より安全、より効果的な
抗凝固薬のより正確な用量設定または設計をもたらすことができるので、VKORを詳細
に特徴付けることが重要である。
【0095】
上記は本発明の例示であり、それを限定するものと見なすべきではない。本発明は、本
明細書に含まれるべき請求項の同等物とともに、添付の請求項によって限定される。
【0096】
本明細書で言及した全ての出版物、特許出願、特許、特許公報およびその他の参考文献
は、その中で参考文献が提示されている文章および/または段落にとって重要な教示のた
めに参照して全体に組み込まれる。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸と、
(b)ビタミンK依存性カルボキシラーゼをコードする異種核酸と、
(c)ビタミンKエポキシド還元酵素をコードする異種核酸と
を含む単離された宿主細胞。
【請求項2】
前記ビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸は、異種のものである請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項3】
異種プロモーターと機能的に連結しているビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする核酸を含む組換え核酸を含み、かつ、発現している単離された宿主細胞であって、前記VKORによりビタミンKエポキシドがビタミンKに転換される、宿主細胞。
【請求項4】
前記ビタミンK依存性タンパク質は、凝固因子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項5】
前記凝固因子は、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロンビン、プロテインCおよびプロテインSからなる群から選択される請求項4に記載の宿主細胞。
【請求項6】
前記細胞は、哺乳動物細胞である請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項7】
前記細胞は、植物細胞である請求項2〜5のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項8】
前記細胞は、昆虫細胞である請求項2〜5のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項9】
インビトロの宿主細胞においてビタミンK依存性タンパク質を生産する方法であって、
(a)ビタミンK依存性タンパク質をコードする組換え核酸を宿主細胞に導入するステップと、
(b)ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする組換え核酸を前記宿主細胞に導入するステップと、
(c)ビタミンK依存性タンパク質を生産するためにステップ(a)と(b)の組換え核酸を発現させるステップと
を含む方法。
【請求項10】
インビトロの宿主細胞においてビタミンK依存性タンパク質を生産する方法であって、
(a)ビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸を発現する単離された宿主細胞を提供するステップと、
(b)ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする組換え核酸を前記宿主細胞に導入するステップと、
(c)ビタミンK依存性タンパク質を生産するためにステップ(a)と(b)の核酸を発現させるステップと
を含む方法。
【請求項11】
インビトロの宿主細胞においてビタミンK依存性タンパク質を生産する方法であって、
(a)ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする異種核酸を発現する単離された宿主細胞を提供するステップと、
(b)ビタミンK依存性タンパク質をコードする組換え核酸を前記宿主細胞に導入するステップと、
(c)ビタミンK依存性タンパク質を生産するためにステップ(a)と(b)の核酸を発現させるステップと
を含む方法。
【請求項12】
インビトロの宿主細胞においてビタミンK依存性タンパク質を生産する方法であって、
(a)ビタミンKの存在下でビタミンK依存性タンパク質をコードする核酸を発現し、ビタミンK依存性タンパク質を産生する宿主細胞を培養するステップと、
(b)前記培養から前記ビタミンK依存性タンパク質を採取するステップと、ここで、前記宿主細胞は、ビタミンK依存性カルボキシラーゼをコードする異種核酸を含み、かつ、発現し、
を含み、前記宿主細胞は、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)をコードする異種核酸をさらに含み、かつ、発現する、方法。
【請求項13】
前記ビタミンK依存性タンパク質は、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS、およびプロトロンビンからなる群から選択される請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記宿主細胞は、哺乳動物細胞である請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記宿主細胞は、植物細胞である請求項9、11または12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記宿主細胞は、昆虫細胞である請求項9、11または12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ビタミンK依存性カルボキシラーゼは、ウシビタミンK依存性カルボキシラーゼである請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−161315(P2012−161315A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54537(P2012−54537)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2006−528251(P2006−528251)の分割
【原出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(500282209)ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル (14)
【Fターム(参考)】