説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】プレイヤによる簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定し、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させる。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示し、提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付け、受け付けた作戦に従って、ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定し、ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームが各種提供されている。このRPGでは、一般に、プレイヤの操作に応じて行動するプレイヤキャラクタが、所定目的の達成を阻害する敵キャラクタとの戦闘に勝利することによって、プレイヤキャラクタに対して経験値やアイテムなどの様々な特典が与えられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、RPGにおけるバトルフィールドにおいて、プレイヤキャラクタのパーティに属する各キャラクタにそれぞれコマンドの選択による動作指令を行うことによって、その動作指令に従った動作を実行させることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−248271号公報(段落0048等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のゲームシステムでは、各キャラクタにそれぞれ動作指令を行う必要があるため、特にパーティに属するキャラクタの数が多くなった場合には、プレイヤに煩わしい操作を継続的に強いることになってしまうという問題があった。一方、プレイヤが大まかな指示のみを行うようにすることが考えられるが、プレイヤの意思に沿って各キャラクタを行動させるためには多くの種類の指示の中から1つを選択する必要があるため、やはりプレイヤに煩わしい操作を強いることになってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解消すべく、プレイヤによる簡単な指示操作に基づきパーティに属する複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定することができ、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示手段と、提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付手段と、受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定手段と、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、プレイヤによる簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定することができ、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させることができるようになる。
【0009】
作戦候補を含む複数の作戦候補情報が登録された作戦候補情報テーブルを記憶する
作戦候補情報テーブル記憶手段と、前記作戦指示タイミングとなったときに、前記作戦候補情報テーブルを参照して、プレイヤに対して提示する所定数の作戦候補を選択する作戦候補選択手段とを含み、前記作戦候補提示手段は、前記作戦候補選択手段が選択した所定数の作戦候補を提示する構成とされていてもよい。
【0010】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが遠距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、近距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、距離に関係なく実行可能な作戦であるかを識別可能な距離種別とが対応付けされた情報であり、前記作戦候補選択手段は、前記ユニオンに対する前記敵キャラクタの位置に応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する構成とされていてもよい。
【0011】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが特定のエリアに位置しているときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なエリア種別とが対応付けされた情報であり、前記作戦候補選択手段は、前記敵キャラクタが位置しているエリアに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する構成とされていてもよい。
【0012】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、前記ユニオンのステータスが所定状態であるときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なユニオンステータス種別とが対応付けされた情報であり、前記作戦候補選択手段は、前記ユニオンのステータスに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する構成とされていてもよい。
【0013】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示処理と、提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付処理と、受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定処理と、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行処理とを含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示処理と、提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付処理と、受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定処理と、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プレイヤによる簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定することができ、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。ビデオゲーム処理装置100は、ユーザAによって管理され、ユーザAの操作を受け付け、この操作に応じてビデオゲームを進行する。ビデオゲーム処理装置100は、同様の構成を成す他のビデオゲーム処理装置と無線通信を行うための機能を有する。ビデオゲーム処理装置100には、携帯可能なゲーム機器、設置型のゲーム機器、コンピュータ装置、携帯電話端末などの各種の情報処理装置を適用することができる。
【0018】
ビデオゲーム処理装置100は、図1に示すように、ゲームプログラム読み取り部10、制御部11、記憶部12、赤外線送受信部13、表示部14、音声出力部15、およびプレイヤ操作受付部16を含む。
【0019】
ゲームプログラム読み取り部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読み取り部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。
【0020】
制御部10は、ゲームプログラム読み取り装置10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行する。この実施形態では、ユーザAがプレイヤとなる。
【0021】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、他のビデオゲーム処理装置との通信やゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出された後述する作戦候補情報テーブルなどのゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0022】
赤外線送受信部13は、他のビデオゲーム処理装置との通信のために、赤外線を送出したり受信したりする。表示部14は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部14は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0023】
音声出力部15は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。プレイヤ操作受付部16は、複数のボタンなどで構成され、ユーザAの操作を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
【0024】
本例のビデオゲーム処理装置100では、ゲームカートリッジ20からゲームプログラムを読み取る方式が採用されている。しかし、ビデオゲーム処理装置100は、例えば、ゲームを配信するゲームサーバから無線または有線でゲームプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0025】
ここで、本例のビデオゲーム処理装置100によって実行されるビデオゲームの概要について説明する。本例では、「ユニオン」と呼ばれる少数のプレイヤキャラクタから成る小隊が複数集まったパーティをプレイヤであるユーザAが司令官として指揮し、パーティの行動を阻害する敵キャラクタをバトルにて倒しながら進行し、所定の目的を達成していくビデオゲームであるものとする。具体的には、例えば、各ユニオンがそれぞれ5人(体)のプレイヤキャラクタにより構成され、4つのユニオンが集まった20人のパーティが構成される。ユーザAは、バトルにおいては、ユニオン毎に作戦を指示することによって、各プレイヤキャラクタに意図する行動(攻撃、防御、回復など)を実行させる。
【0026】
図2は、作戦候補情報テーブルにおける作戦候補情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、作戦候補情報は、各作戦候補情報を一意に特定可能に付与されている作戦候補番号と、作戦候補における作戦の内容を示す作戦候補内容と、該当する作戦を使用した場合に消費されるアクションポイント(AP)の値と、該当する作戦の距離種別とを含む。
【0027】
アクションポイントは、ゲームの進行に応じて各ユニオンが取得可能なポイントであり、例えば、特定の敵キャラクタを倒したり、所定のアイテムを発見することによって取得できるポイントである。
【0028】
「距離種別」は、本例では遠距離と近距離の2種類が用意されている。「遠距離」が対応付けされた作戦候補は、戦闘対象のユニオンから見て遠距離の敵キャラクタ(所定距離以上離れたエリアに位置する敵キャラクタ)に攻撃するときに選択可能な作戦候補であることを意味する。同様に、「近距離」が対応付けされた作戦候補は、戦闘対象のユニオンから見て近距離の敵キャラクタ(所定距離未満のエリアに位置する敵キャラクタ)に攻撃するときに選択可能な作戦候補であることを意味する。
【0029】
本例では、図2に示すように、作戦候補内容が「攻撃しろ!」、「○○で攻めろ!」、「××で攻めろ!」、「状態異常を狙え」などである各種の作戦候補があらかじめ用意されている。
【0030】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図3は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトル処理の例を示すフローチャートである。ここでは、ビデオゲームにおけるバトルフィールドにおいて、ビデオゲーム処理装置100を操作するユーザAから各ユニオンへの作戦を受け付けて、受け付けた作戦に応じて決定された行動を各ユニオンに属する各プレイヤキャラクタに実行させる場合を例に説明する。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0031】
バトル処理は、例えば、ユーザAが指揮しているパーティが敵キャラクタに遭遇したときに開始される。本例では、ユーザAが指揮しているパーティと敵キャラクタとの戦闘は、バトル画面に表示されるバトルフィールドにて実行される。
【0032】
バトル処理において、制御部11は、先ず、ユーザAが指揮しているパーティを構成する何れかのユニオンの作戦指示タイミングとなったか否か判定する(ステップS101)。この作戦指示タイミングは、例えば、バトルが開始したときや、ユニオンに属する全てのキャラクタが新たに行動することが可能な状態となったとき(ユニオンに属する全てのキャラクタの前回の行動が終了したとき、ユニオンに属する全てのキャラクタの前回の行動が終了したあと所定時間が経過して新たに行動することが可能となったときなど)などに到来するものとする。
【0033】
何れかのユニオンの作戦指示タイミングとなった場合には、制御部11は、作戦候補情報テーブルを参照し、攻撃対象の敵キャラクタの位置に応じて例えば所定数の作戦候補を決定する(ステップS102)。すなわち、制御部11は、該当するユニオンの位置(例えば、ユニオンに所属する各キャラクタの中心位置、ユニオンに所属するキャラクタのうち敵キャラクタに最も近いキャラクタの位置)から敵キャラクタまでの距離が遠距離であるか近距離であるか判定し、判定結果が示す距離種別が対応付けされた作戦候補内容の作戦候補や距離種別が空欄となっている作戦候補を作戦候補情報テーブルから所定数選択する。なお、作戦候補情報テーブルの距離種別項目が空欄となっている作戦候補は、遠距離および近距離の何れでも選択可能な作戦候補であるものとする。
【0034】
なお、攻撃対象の敵キャラクタは、制御部11が自動的に選択するようにしてもよいし、ユーザAに選択させるようにしてもよい。また、攻撃対象の敵キャラクタは、1体であってもよいし、グループであってもよい。
【0035】
本例では、ステップS102において、制御部11は、該当するユニオンの位置から敵キャラクタまでの距離が遠距離であるものと判定し、距離種別が遠距離あるいは空欄とされている作戦候補のうち任意の4個の作戦候補を作戦候補情報テーブルから選択し、ユーザAが選択可能な作戦候補として決定する。なお、各作戦候補に優先順位を付けておき、優先順位の高い作戦候補から選択するようにしてもよい。また、常に選択される作戦候補を設けるようにしてもよい。
【0036】
作戦候補を決定すると、制御部11は、表示部14に表示するバトル画面において、例えば図4に示すように、決定した複数の作戦候補を選択可能に表示する(ステップS103)。図4に示すバトル画面には、作戦候補を表示する作戦候補表示領域101と、ユーザAによって操作されるカーソル102と、該当するユニオンに属する各キャラクタの行動内容を表示する行動内容表示領域103と、該当するユニオンの名称、合計HP(ヒットポイント)、APなどが表示されるユニオン情報表示領域104とが設けられている。図4では明示されていないが、バトル画面では、該当するユニオンに属する各キャラクタや敵キャラクタなども表示される。
【0037】
本例では、ステップS103において、作戦候補として、物理攻撃により攻撃するよう指示するための「攻撃しろ!」、○○という特定の道具や技によって攻撃するよう指示するための「○○で攻めろ!」、××という特定の道具や技によって攻撃するよう指示するための「××で攻めろ!」、各キャラクタの最も得意な方法で攻撃するように指示するための「叩きのめせ!」の4つの作戦が作戦候補表示領域101に表示されるものとする。このとき、行動内容表示領域103における各キャラクタの行動内容の表示欄は空欄となっている。
【0038】
図4に示すバトル画面において、ユーザAは、ビデオゲーム処理装置100に接続されているコントローラを用いてカーソル102を操作し、作戦候補表示領域101に表示されている複数の作戦候補の中から実行する作戦を決定する。具体的には、ユーザAは、例えば、選択したい作戦候補を指す位置にカーソル102を移動させ、コントローラの決定ボタンを押下することによって実行する作戦を決定する。
【0039】
制御部11は、ユーザAによって選択された作戦を受け付けると(ステップS104)、受け付けた作戦に応じて、該当するユニオンに属する各キャラクタの行動内容を自動的に決定する(ステップS105)。すなわち、ユーザAによって選択された作戦に合致する各キャラクタの行動内容を制御部11が自動的に決定する。例えば、各キャラクタについて指示された作戦と実行する行動内容とが対応付けされたテーブルをあらかじめ用意しておき、そのテーブルを参照して行動内容を決定するようにすればよい。この場合、各作戦に合致する複数の行動内容が対応付けされるようにしてもよく、指定された作戦に対応する複数の行動内容からランダムに実行する行動内容を決定するようにすればよい。
【0040】
ユニオンに属する各キャラクタの行動内容を決定すると、制御部11は、決定した行動内容を行動内容表示領域103における各キャラクタの行動内容の表示欄にそれぞれ表示し、決定した行動内容を各キャラクタに実行させる(ステップS106)。
【0041】
例えば、図4に示すバトル画面において「攻撃しろ!」の作戦が選択されると、制御部11は、ステップS104にてユーザAによって選択された作戦を受け付け、ステップS105にてユニオンに属する各キャラクタの行動内容を指定された作戦に合致するように決定し、例えば図5に示すように、行動内容表示領域103における各キャラクタの行動内容の表示欄に決定した各キャラクタの行動内容である「攻撃」をそれぞれ表示する。
【0042】
なお、図4に示すバトル画面において「叩きのめせ!」の作戦が選択された場合には、制御部11は、ステップS104にてユーザAによって選択された作戦を受け付け、ステップS105にてユニオンに属する各キャラクタの行動内容を指定された作戦に合致するように決定し、例えば図6に示すように、行動内容表示領域103における各キャラクタの行動内容の表示欄に決定した各キャラクタの行動内容をそれぞれ表示する。
【0043】
そして、制御部11は、ステップS106にて、決定した行動内容である「攻撃(物理攻撃)」や「魔法A」などの行動を各キャラクタが実行する様子をバトル画面に表示する処理を行うとともに、その行動によって変化した各種のパラメータ(HPなど)を更新する処理を行う。
【0044】
ユニオンに属する各キャラクタに指定された作戦に合致する行動を実行させると、制御部11は、バトルが終了したか否かを確認する(ステップS107)。ユーザAによって操作されているパーティに属する全てのキャラクタ又は全ての敵キャラクタが戦闘不能状態になったとき(HPが0になったとき)、所定の戦闘時間を経過したときなどにバトルが終了する。バトルが終了していなければ、制御部11は、ステップS101の処理に移行する。バトルが終了した場合には、制御部11は、ここでのバトル処理を終了する。
【0045】
以上の動作によって、作戦指示タイミングとなったときに各ユニオンに対して指示可能な作戦の候補を抽出して提示し、選択された作戦に応じた各キャラクタの行動を決定し、決定した行動を実行させる処理が実行される。
【0046】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示し、提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付け、受け付けた作戦に従って、ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定し、ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる構成としたので、プレイヤによる簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定することができ、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させることができるようになる。
【0047】
すなわち、複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンに対する作戦の指示を受け付けるに際して、複数の作戦候補を提示することとし、さらに、受け付けた作戦に応じて自動的に各キャラクタの行動の内容を決定して実行させる構成としているので、プレイヤにとっては、作戦指示タイミングとなったときに提示される複数の作戦候補の中から実行する作戦を選択する操作を行うだけでユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタの行動を指揮することが可能となり、簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定することができるようになり、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させることができるようになるのである。
【0048】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、作戦候補を含む複数の作戦候補情報が登録された作戦候補情報テーブルを記憶する記憶部12を備え、作戦指示タイミングとなったときに、作戦候補情報テーブルを参照してプレイヤに対して提示する所定数の作戦候補を選択し、選択した所定数の作戦候補を提示する構成としているので、簡単な構成によりプレイヤに対して提示する作戦候補を選択することができるようになる。
【0049】
また、上述した実施の形態では、作戦候補情報テーブルに登録される作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが遠距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、近距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、距離に関係なく実行可能な作戦であるかを識別可能な距離種別とが対応付けされた情報であるものとし、ビデオゲーム処理装置100が、ユニオンに対する敵キャラクタの距離に応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する構成としているので、敵キャラクタの距離に応じた適切な作戦候補を選択して提示することが可能となり、バトル状況に応じた的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。
【0050】
なお、上述した実施の形態では、作戦候補情報に作戦候補と距離種別とを含む構成としていたが、敵キャラクタが位置しているエリアを識別可能なエリア種別を作戦候補情報に含む構成とし、敵キャラクタが位置しているエリアが空中、水上、水中、砂漠、氷上などの特定のエリアである場合に実行可能な作戦にエリア種別を対応付けするようにしてもよい。この場合、作戦候補情報テーブルに登録される作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが特定のエリアに位置しているときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なエリア種別とが対応付けされた情報であり、ビデオゲーム処理装置100が、敵キャラクタが位置しているエリアに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択するようにすればよい。このように構成した場合には、例えば敵キャラクタが空中に位置している場合に、空中に位置している敵キャラクタに有効な雷や弓などの攻撃を実行させるような適切な作戦候補をプレイヤに提示することが可能となり、バトル状況に応じた的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、作戦候補情報に作戦候補と距離種別とを含む構成としていたが、敵キャラクタの種類を識別可能な敵キャラクタ種別を作戦候補情報に含む構成とし、敵キャラクタが特定のタイプである場合に実行可能な作戦に敵キャラクタ種別を対応付けするようにしてもよい。この場合、作戦候補情報テーブルに登録される作戦候補情報は、例えば図7に示すように、作戦候補と、敵キャラクタが特定のタイプであるときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能な敵キャラクタ種別とが対応付けされた情報であり、ビデオゲーム処理装置100が、敵キャラクタのタイプに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択するようにすればよい。このように構成した場合には、例えば敵キャラクタのタイプが状態異常攻撃に弱いタイプBである場合に、タイプBの敵キャラクタに有効な攻撃を実行させるような適切な作戦候補(例えば「状態異常を狙え!」)をプレイヤに提示することが可能となり、バトル状況に応じた的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。
【0052】
また、上述した実施の形態では、作戦候補情報に作戦候補と距離種別とを含む構成としていたが、作戦指示対象となる該当ユニオンのステータスの状況を示すユニオンステータス種別を作戦候補情報に含む構成とし、該当ユニオンのステータスが特定の状態である場合に実行可能な作戦にユニオンステータス種別を対応付けするようにしてもよい。この場合、作戦候補情報テーブルに登録される作戦候補情報は、例えば図8に示すように、作戦候補と、該当ユニオンのステータスが特定の状態であるときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なユニオンステータス種別とが対応付けされた情報であり、ビデオゲーム処理装置100が、該当ユニオンのステータスの状態に応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択するようにすればよい。このように構成した場合には、例えば作戦指示対象となる該当ユニオンのステータスのうちHP(ユニオン合計HP)の状態が90%以上の状態である場合に、残りHPが十分に余裕がある状態であるときに有効な攻撃を実行させるような適切な作戦候補(例えば「得意技で強襲しろ!」)をプレイヤに提示することが可能となり、バトル状況に応じた的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。
【0053】
また、上述した実施の形態では、作戦候補情報に作戦候補と距離種別とを含む構成としていたが、戦況を示す戦況種別を作戦候補情報に含む構成とし、戦況が優勢である場合や劣勢である場合に実行可能な作戦に戦況種別を対応付けするようにしてもよい。この場合、作戦候補情報テーブルに登録される作戦候補情報は、作戦候補と、戦況が優勢であるときに実行可能な作戦であるか、戦況が劣勢であるときに実行可能な作戦であるか、戦況が優勢でも劣勢でもないときに実行可能な作戦であるかを識別可能な戦況種別とが対応付けされた情報であり、ビデオゲーム処理装置100が、戦闘における戦況に応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択するようにすればよい。なお、敵キャラクタの残り数、味方キャラクタの残り数、HPやMP(ユニオン合計マジックポイント)の充填割合などによって、戦況が優勢であるか劣勢であるか識別するようにすればよい。このように構成した場合には、例えば敵キャラクタの数が残り僅かで戦況が優勢となっているときに有効な攻撃を実行させるような適切な作戦候補(例えば「たたみ込め!」)や、味方キャラクタの数が残り僅かで戦況が劣勢となっているときに有効な攻撃を実行させるような適切な作戦候補(例えば「警戒しながら攻撃しろ!」)をプレイヤに提示することが可能となり、バトル状況に応じた的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。
【0054】
なお、上述した距離種別、エリア種別、敵キャラクタ種別、ユニオンステータス種別、戦況種別のうち任意の2つ以上を作戦候補に対応付けることとし、敵キャラクタの距離、位置、タイプ、該当ユニオンのステータス状態のうち少なくとも2つに応じた適切な作戦候補をプレイヤに提示するようにしてもよい。このように構成すれば、バトル状況に応じたより的確な作戦をプレイヤに選択させることができるようになる。また、各種別に優先順位を付与し、優先順位の高い種別に該当するものがある場合に、対応する作戦を優先的に作戦候補として選択するようにしてもよい。
【0055】
なお、上述した実施形態では、RPGを例に挙げて説明したがこれに限定されず、バトル処理が実行されるものであればRPG以外のビデオゲームに適用することができる。
【0056】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、プレイヤによる簡単な指示操作に基づき複数のキャラクタそれぞれについてプレイヤの意思に沿った動作を決定し、プレイヤの意思に沿った動作を簡単な指示操作によって複数のキャラクタそれぞれに実行させるのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態におけるビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】作戦候補情報テーブルにおける作戦候補情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図3】バトル処理の例を示すフローチャートである。
【図4】バトル画面の例を示す説明図である。
【図5】バトル画面の例を示す説明図である。
【図6】バトル画面の例を示す説明図である。
【図7】作戦候補情報テーブルにおける作戦候補情報の格納状態の他の例を示す説明図である。
【図8】作戦候補情報テーブルにおける作戦候補情報の格納状態のさらに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
10 ゲームプログラム読み取り部
11 制御部
12 記憶部
13 赤外線送受信部
14 表示部
15 音声出力部
16 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示手段と、
提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付手段と、
受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定手段と、
前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
作戦候補を含む複数の作戦候補情報が登録された作戦候補情報テーブルを記憶する
作戦候補情報テーブル記憶手段と、
前記作戦指示タイミングとなったときに、前記作戦候補情報テーブルを参照して、プレイヤに対して提示する所定数の作戦候補を選択する作戦候補選択手段とを含み、
前記作戦候補提示手段は、前記作戦候補選択手段が選択した所定数の作戦候補を提示する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが遠距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、近距離に位置しているときに実行可能な作戦であるか、距離に関係なく実行可能な作戦であるかを識別可能な距離種別とが対応付けされた情報であり、
前記作戦候補選択手段は、前記ユニオンに対する前記敵キャラクタの位置に応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する
請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、敵キャラクタが特定のエリアに位置しているときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なエリア種別とが対応付けされた情報であり、
前記作戦候補選択手段は、前記敵キャラクタが位置しているエリアに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する
請求項2または請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記作戦候補情報は、作戦候補と、前記ユニオンのステータスが所定状態であるときに実行可能な作戦であるか否かを識別可能なユニオンステータス種別とが対応付けされた情報であり、
前記作戦候補選択手段は、前記ユニオンのステータスに応じて、プレイヤに対して提示する作戦候補を選択する
請求項2から請求項4のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示処理と、
提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付処理と、
受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定処理と、
前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項7】
プレイヤが操作する複数のプレイヤキャラクタを表示してビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数のプレイヤキャラクタが属するユニオンの作戦指示タイミングとなったときに、プレイヤに対して複数の作戦候補を提示する作戦候補提示処理と、
提示した複数の作戦候補の中から実行する作戦を受け付ける作戦受付処理と、
受け付けた作戦に従って、前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに実行させる攻撃、防御、回復などの行動の内容を決定する行動内容決定処理と、
前記ユニオンに属する複数のプレイヤキャラクタそれぞれに決定したそれぞれの行動の内容を実行させる行動内容実行処理とを
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−35561(P2010−35561A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197867(P2008−197867)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】