説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行することができるようにする。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作の準備状態に設定されており、かつプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC認識範囲内に存在していると判定されている場合に、プレイヤキャラクタPCの状態を敵キャラクタNPCを目標とするサイトアウト動作の実行可能状態に設定し、プレイヤキャラクタPCを敵キャラクタ認識範囲から外れさせるサイトアウト動作をプレイヤキャラクタPCに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付け、実行命令を受け付けたことに応じて、サイトアウト動作処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームが各種提供されている。そのなかでも、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇すると戦闘画面に移行するものが多く提供されている。
【0003】
一般に、戦闘フィールドにおいてプレイヤの操作に応じた複雑な動きをプレイヤキャラクタに実行させるものとすると、プレイヤに複雑な操作を強いることになってしまう。複雑なプレイヤ操作によらずにプレイヤキャラクタに複雑な動きを実行させるものとして、特殊なコントローラを用いた簡単なプレイヤ操作によってプレイヤキャラクタによる回り込み動作といった複雑な動きを実現しているビデオゲームがある(非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】“SOUL EATER(ソウルイーター) モノトーン プリンセス −BATTLE− アクションパート”、[online]、[平成20年9月29日検索]、インターネット<URL:http://www.square-enix.co.jp/souleater/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のビデオゲームでは、コントローラを振ることによる操作入力が回り込みなどの複雑な動作に割り当てられているだけであり、コントローラを振るだけでプレイヤキャラクタの複雑な動作を簡単に実行させることができるため、複雑な動きであるにもかかわらず戦闘中に頻発させることが容易となり、リアリティに欠けてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべく、簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付手段と、前記プレイヤ操作受付手段がプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定手段と、前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定手段と、前記準備状態設定手段により前記プレイヤキャラクタが前記準備状態に設定されており、かつ前記サイトイン判定手段により当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定手段と、前記実行可能状態設定手段により前記実行可能状態に設定されているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付手段と、前記サイトアウト操作受付手段が前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行することができるようになる。
【0009】
前記敵キャラクタ認識範囲を決定する認識範囲決定手段を含み、前記サイトイン判定手段は、前記認識範囲決定手段により決定された敵キャラクタ認識範囲内に前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定する構成とされていてもよい。
【0010】
前記サイトアウト動作処理は、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離に応じて複数種類設けられており、前記サイトアウト動作処理実行手段は、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離に応じて異なる種類のサイトアウト動作処理を実行する構成とされていてもよい。
【0011】
前記サイトアウト動作処理実行手段は、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離が所定距離未満である場合には、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタの背後に瞬時に回り込む前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理を実行し、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離が所定距離以上である場合には、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタの左右いずれかの敵キャラクタ認識範囲外に瞬時に移動する前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理を実行する構成とされていてもよい。
【0012】
前記敵キャラクタに対する攻撃によるクリティカルヒット率を記憶するクリティカルヒット率記憶手段と、前記サイトアウト動作処理実行手段によって前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作を前記プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理が実行されたことに応じて、前記クリティカルヒット率記憶手段に記憶されている当該サイトアウト動作の目標とされた前記敵キャラクタのクリティカルヒット率をあらかじめ定められたサイトオフ状態であるときのクリティカルヒット率に設定するサイトオフ状態設定手段とを含む構成とされていてもよい。
【0013】
前記準備状態設定手段によって前記準備状態に設定されたときからの経過時間を計測する準備状態設定時間計測手段と、前記プレイヤキャラクタが前記実行可能状態に設定されることなく前記準備状態設定時間計測手段の計測時間があらかじめ定められた準備状態維持時間を経過したときに、前記プレイヤキャラクタの前記準備状態の設定を解除し、当該プレイヤキャラクタを動作不能な疲労状態に設定する疲労状態設定手段とを含む構成とされていてもよい。
【0014】
前記サイトイン判定手段により前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、サイトイン状態であることを示すサイトインアイコンを当該プレイヤキャラクタの近傍に表示するサイトインアイコン表示手段を含む構成とされていてもよい。
【0015】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付処理と、前記プレイヤ操作受付処理にてプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定処理と、前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定処理と、前記準備状態設定処理にて前記プレイヤキャラクタを前記準備状態に設定しており、かつ前記サイトイン判定処理にて当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定している場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定処理と、前記実行可能状態設定処理にて前記実行可能状態に設定しているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付処理と、前記サイトアウト操作受付処理にて前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行処理とを含むことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付処理と、前記プレイヤ操作受付処理にてプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定処理と、前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定処理と、前記準備状態設定処理にて前記プレイヤキャラクタを前記準備状態に設定しており、かつ前記サイトイン判定処理にて当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定している場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定処理と、前記実行可能状態設定処理にて前記実行可能状態に設定しているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付処理と、前記サイトアウト操作受付処理にて前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理装置100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読み取り部10、制御部11、記憶部12、表示部14、音声出力部15、およびプレイヤ操作受付部16を含む。
【0020】
ゲームプログラム読み取り部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読み取り部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。
【0021】
制御部11は、ゲームプログラム読み取り装置10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0022】
表示部14は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部14は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0023】
音声出力部15は、制御部11の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。プレイヤ操作受付部16は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
【0024】
本例のビデオゲーム処理装置100では、ゲームカートリッジ20からゲームプログラムを読み取る方式が採用されている。しかし、ビデオゲーム処理装置100は、例えば、ゲームを配信するゲームサーバから無線または有線でゲームプログラムをダウンロードするように構成してもよい。
【0025】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0026】
本例では、記憶部12には、サイトアウト動作管理テーブル12aと、敵キャラクタ管理テーブル12bと、BEATシステム管理テーブル12cとが格納される。各テーブル12a〜12cについては、後で詳しく説明する。
【0027】
ここで、本例のビデオゲーム処理装置100にて実行されるビデオゲームにおけるサイトアウト動作の概要について説明する。図2は、サイトアウト動作の概要を説明するためのゲーム画面の例を示した説明図である。本例では、図2に示すように、ゲーム画面上に、プレイヤキャラクタ(プレイヤによって操作されるキャラクタ)PCと敵キャラクタ(ビデオゲーム処理プログラムに従って制御されるキャラクタ)NPCが表示される。
【0028】
本例のビデオゲームにおいては、図2に示すゲーム画面に表示されているバトルフィールドにおいて、敵キャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとが戦闘を行う。プレイヤは、コントローラによりプレイヤキャラクタPCを操作して、敵キャラクタNPCに対して攻撃を加えたりすることでゲームを行う。
【0029】
戦闘場面においては、一般に、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの視界内(例えば正面)に位置していると、敵キャラクタNPCからの攻撃を受けやすくなるなどのリスクが大きくなる。リスクを抑えるためには、敵キャラクタNPCの視界外(側面、背面)に移動することが好ましい。しかし、敵キャラクタNPCの視界内に捕らわれている状態から視界外に出ることは通常の移動速度では困難である。そこで、使用されるのがサイトアウト動作である。「サイトアウト動作」とは、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCから攻撃対象として狙われている状況でプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの背後等に回り込む動作等によって、プレイヤキャラクタPCを敵キャラクタNPCの視界外に急速に離脱させる動作を意味する。
【0030】
サイトアウト動作を行うには、例えば次のような条件が課せられる。
本例のビデオゲームでは、プレイヤによるサイトアウト動作の準備操作を必要とする。プレイヤがサイトアウト準備操作を行うと、例えば図3に示すように、プレイヤキャラクタPCの周辺にサイトアウト動作準備アイコンSOが表示され、サイトアウト動作準備状態に設定される。サイトアウト動作準備状態に設定されているときに、例えば図4に示すようにプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの認識範囲(視界内)に入った状態(サイトインアイコンSIが表示される)になると、サイトアウト動作を行うための条件が整ったことになる。なお、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの認識範囲(視界内)に入り、かつ敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCの認識範囲(視界内)に入った状態(相互サイトイン状態)になったときに、サイトアウト動作を行うための条件が整ったこととするようにしてもよい。また、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCの認識範囲(視界内)に入った状態であるときにのみ、サイトアウト準備操作が受け付けられるようにしてもよい。上記のようなサイトアウト動作を行うための条件を満たした状態で、プレイヤがサイトアウト操作を行うと、例えば図5に示すように、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの背後に回り込むサイトアウト動作が実行される。サイトアウト動作が実行されると、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを見失った状態となり、戦闘におけるリスクが低減された状態となる。
【0031】
なお、サイトアウト動作が実行された場合には、図5に示されているように、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを見失っていることを示すサイトオフアイコンNIが敵キャラクタNPCの近傍に表示される。なお、本例のビデオゲームでは、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離により複数種類のサイトアウト動作が対応付けられているものとし、また、サイトアウトアウト動作により敵キャラクタNPCに及ぼす効果も複数種類設けられているものとする。
【0032】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図6はビデオゲーム処理装置100が実行するサイトアウト動作処理の例を示すフローチャートである。ここでは、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCのプレイヤXによるコントローラを用いた操作を受け付け、サイトアウト動作処理において、敵キャラクタNPCの認識範囲内に位置しているプレイヤキャラクタPCを認識範囲外に高速(コントローラの移動操作による移動速度と比較して高速であることを意味し、敵キャラクタが見失う程度の速さとされる。)に退避させるための処理が実行される。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0033】
サイトアウト動作処理において、制御部11は、先ず、プレイヤ操作受付部16を介してプレイヤの操作によるサイトアウト動作の準備操作を受け付ける(ステップS101)。制御部11は、サイトアウト動作の準備操作を受け付けると(ステップS101のY)、制御部11は、サイトアウト動作管理テーブル12aに登録されているサイトアウト動作管理情報におけるプレイヤキャラクタPCの状態をサイトアウト準備状態に変更する。この際、制御部11は、サイトアウト準備アイコンSOを用いてプレイヤキャラクタPCの状態変化を、その変化前と識別可能に表示する(図2参照)。なお、「準備操作」は、例えばコントローラに設けられている所定の操作ボタンの押下操作であるものとする。なお、サイトアウト準備状態を継続するために該当する操作ボタンを継続して押下しておく必要があることとしてもよいし、該当する操作ボタンを1度押下操作すれば別途解除操作がなされるまでサイトアウト準備状態が継続されることとしてもよい。
【0034】
図7は、サイトアウト動作管理テーブル12aにおけるサイトアウト動作管理情報の格納状態を示す説明図である。図7に示すように、サイトアウト動作管理情報は、プレイヤキャラクタPCのサイトアウト準備状態の種類と、プレイヤキャラクタPCをサイトインした敵キャラクタを特定可能な情報と、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作の目標として選択した敵キャラクタを特定可能な情報と、サイトアウト動作が可能か否かの判定結果とが対応付けされた情報である。
【0035】
本例においては、プレイヤキャラクタPCのサイトアウト準備状態には「待機」、「ため」、「準備」、「疲労」があるものとする。「待機」とはプレイヤによるサイトアウト動作の準備操作を受け付ける前の状態であり、その準備操作を受け付けると「待機」から「ため」状態に移行する。「ため」状態から所定の時間が経過すると「準備」の状態となる。プレイヤキャラクタPCのサイトアウト準備状態が「準備」で、サイトイン敵キャラクタとターゲット敵キャラクタとが同一の場合にはサイトアウト可否情報として「可能」が設定され、それ以外の場合は「否」が設定される。サイトアウト動作が実行されることなく「準備」状態からさらに所定の時間が経過すると「疲労」状態に移行する。一度「疲労」状態へ移行するとプレイヤキャラクタPCは動作不能となり、一定時間その状態が維持される。なお、本例においては一定時間経過前であっても、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCから攻撃を受けた場合には「ため」、「準備」、「疲労」状態が「待機」状態に移行する構成としている。
【0036】
次に、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCから攻撃を受けたか、若しくはプレイヤXがサイトアウト準備状態解除操作を行ったか否かを判定する(ステップS102)。攻撃を受けず、準備状態解除操作もされていなければ(ステップS102のN)、ステップS103に移行する。攻撃を受け、若しくは準備解除操作がされた場合には(ステップS102のY)、制御部11は、サイトアウト動作管理テーブル12aにおけるサイトアウト準備状態を「待機」に変更し、表示部14の表示画面上にサイトインアイコンが表示されている場合にはそれを消去し(ステップS102a)、サイトアウト動作処理を終了する。
【0037】
ステップS103では、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの認識範囲内に位置しているか否か判定する。ここで、図8は、敵キャラクタ管理テーブル12bにおける敵キャラクタ管理情報の格納状態を示す説明図である。図8に示すように、敵キャラクタ管理情報は、ゲーム画面上に表示されている敵キャラクタNPCの種類と、各敵キャラクタの種類に設定されたゲーム画面上におけるプレイヤキャラクタPCの認識可能範囲としての視界と、後述するサイトアウトカウンタ能力の有無と、行動パターン情報などが対応付けされた情報である。本例においては敵キャラクタのプレイヤキャラクタPCの認識可能範囲としての視界は3次元座標で設定されているものとする。
【0038】
制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの視界内に位置していると判定すると(ステップS103のY)、プレイヤキャラクタPCの近傍にサイトインアイコンSIを表示する(ステップS104)。なお、サイトインアイコンSIを表示する条件として、制御部11が、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを攻撃するための処理を開始することを加えてもよい。
【0039】
次いで、制御部11は、プレイヤによるサイトアウト操作(例えばコントローラに設けられているアナログスティックを移動方向に倒す操作)を受け付ける(ステップS105)。制御部11は、サイトアウト操作を受け付けると(ステップS105のY)、表示部14の表示画面上のサイトインアイコンSIを消去し(ステップS106)、サイトアウト動作管理テーブル12aを参照し、サイトアウト可否情報が「可能」となっていれば(ステップS107のY)、サイトアウト動作を開始する(ステップS108)。一方、サイトアウト可否情報が「否」となっている場合は、制御部11、はサイトアウト動作処理を終了する。なお、この際プレイヤキャラクタPCにサイトアウト動作以外の動作をさせるような処理を行うようにしてもよい。
【0040】
制御部11は、ステップS108にて、サイトアウト動作におけるプレイヤキャラクタPCの移動経路を決定する。図9は、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCの移動経路の決定方法を示す説明図である。図9に示すように、制御部11は、先ず、表示部14の表示画面上に対応するサイトアウト動作の目的地DEの位置情報を決定する(図9(A))。次に、表示部14の表示画面上に対応する目的地DEまでの中継地点RP1〜RP2の位置情報を決定する(図9(B))。なお、目的地DEや中継地点RP1〜RP2の表示部14の表示画面上の位置を示す座標は、プログラムにより設定する構成としてもよいし、プレイヤが選択する構成としてもよい。
【0041】
制御部11は、サイトアウト動作の移動経路を示す位置情報を決定すると、プレイヤキャラクタPCをその位置情報に対応した移動経路に沿って移動させる(ステップS109)。この際、図9(C)に示すような移動エフェクトMEを表示部14の表示画面上に表示するようにしてもよい。
【0042】
制御部11は、プレイヤキャラクタPCが目的地DEに到着したか否かを判断し(ステップS110)、目的地に到着していないと判断した場合は(ステップS110のN)、プレイヤキャラクタPCが表示部14の表示画面上における背景や、他のキャラクタに接触したか否かを判断する(ステップS110a)。ここで接触していないと判断した場合は、制御部11は、サイトアウト動作処理を続行する(ステップS110のN)。接触したと判断した場合(ステップS110aのY)又はステップS110で目的地に到着したと判断した場合(ステップS110のY)には、制御部11は、ステップS111に移行する。
【0043】
制御部11は、表示部14の表示画面上にプレイヤキャラクタPCによる移動終了モーションを表示する処理を実行し(ステップS111)、敵キャラクタ管理テーブル12bに格納された敵キャラクタ管理情報を更新し(ステップS112)、ここでのサイトアウト動作処理を終了する。
【0044】
なお、本例においてはプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの認識範囲内に位置した場合にサイトインアイコンSIを表示する構成としたが、他の条件をトリガにしてもよい。例えば、敵キャラクタNPCの状態がプレイヤキャラクタPCへの攻撃を示すものになったときにサイトインアイコンSIを表示するように構成してもよい。
【0045】
また、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離によってサイトアウト動作の種類を変更する構成としてもよい。例えば、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離が所定の距離未満である場合には上述したような敵の背後等に回り込む動作を行い、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離が所定の距離以上である場合には、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの左右いずれかの敵キャラクタNPCの認識範囲としての視界外に瞬時に移動する動作を実行するようにしてもよい。この場合、例えばサイトアウト動作管理テーブル12aにプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離に対応させたサイトアウト動作の種類を記憶させておき、制御部11は、それを参照してプレイヤキャラクタPCを移動させる処理を行うようにすればよい。
【0046】
さらに、ゲーム画面上に敵キャラクタNPCが複数表示されるようにしてもよい。この場合、プレイヤキャラクタPCが複数の敵キャラクタNPCからサイトインされる状況が考えられる。そのような場合は、例えばどの敵キャラクタに対してサイトアウト動作を行うかプレイヤに選択可能となるようにしたり、プログラムによりすべての敵キャラクタの認識範囲から外れた位置にプレイヤキャラクタPCを移動させるようにするなど、サイトアウト動作の種類を複数設ける構成にしてもよい。
【0047】
次に、サイトアウト動作処理が実行された際の敵キャラクタNPCの制御処理について説明する。図10は、ビデオゲーム処理装置100が実行する敵キャラクタ制御処理を示すフローチャートである。敵キャラクタ制御処理において、制御部11は、先ず、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに設定された視覚内に位置しているか否かを検知する(ステップS201)。
【0048】
制御部11は、敵キャラクタNPCの視覚内にプレイヤキャラクタが位置していることを検知すると、敵キャラクタ管理テーブル12bの敵キャラクタ管理情報における行動情報を変更し(ステップS202)、変更した内容で敵キャラクタNPCの動作制御を実行する(ステップS203)。すなわち、制御部11は、表示部14の表示画面上に表示された敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを攻撃するように制御する。
【0049】
ここで、例えば敵キャラクタNPCの近傍に、攻撃目標としているプレイヤキャラクタの方向を示すアイコンを表示し、敵キャラクタNPCのプレイヤキャラクタPCに対する攻撃優先度を示すヘイト値の高さに応じてそのアイコンの表現方法を識別可能に変更するような構成にしてもよい。この場合、例えば敵キャラクタ管理テーブル12bにプレイヤキャラクタとの距離に対応させた敵キャラクタのヘイト値を記憶させておき、制御部11は、それを参照して該アイコンの表現方法を決定する処理を行うようにすればよい。
【0050】
制御部11は、プレイヤの操作によるプレイヤキャラクタPCのサイトオフ動作を検知すると(ステップS204のY)、敵キャラクタNPCの状態をサイトオフ状態に設定する(ステップS205)。サイトアウト動作を検知するまでは、ステップS202で変更された動作設定で敵キャラクタNPCの表示制御が継続される。
【0051】
ここで、本例において「サイトオフ状態」とは、サイトアウト動作よりプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの視界外に出たことにより敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを見失った状態を意味する。このとき制御部11は、プレイヤキャラクタPCの攻撃により敵キャラクタNPCが受けるダメージが大きくなる(クリティカルヒットとなる)確率を示すクリティカルヒット率をあらかじめ定められたサイトオフ状態であるときのクリティカルヒット率に設定する。ここで、クリティカルヒット率はあらかじめ定められていて記憶部12に格納されているものとする。なお、サイトオフ状態であるときのクリティカルヒット率は、例えば100%や90%と高く設定されており、サイトオフ状態が解除されるまではプレイヤキャラクタPCの攻撃が敵キャラクタNPCにヒットするごとに減少する構成としてもよい。また、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離によってサイトアウト動作の種類を変更する構成とされている場合に、サイトアウト動作の種類に応じてサイトオフ状態の種類も複数設ける構成としてもよい。この場合、例えば表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの距離が所定の距離以上である場合には、クリティカルヒット率が設定されず、後述のサイトオフモーションを表示する処理のみがされるように構成してもよい。
【0052】
制御部11は、ステップS205で敵キャラクタNPCをサイトオフ状態に設定すると、表示部14の表示画面上に敵キャラクタNPCによるサイトオフモーションを表示する処理を行う。制御部11は、サイトオフモーションとして、サイトオフアイコンNIを敵キャラクタNPCの近傍に表示し(図5参照)、敵キャラクタNPCの動作を一定時間停止する。
【0053】
次に制御部11は、サイトオフ設定解除トリガの検知を行う(ステップS206)。本例においては、サイトオフ設定解除トリガとして一定時間の経過と、プレイヤキャラクタPCによる敵キャラクタNPCへの攻撃が設定されている。制御部11は、サイトオフ設定解除トリガを検知するまでサイトオフモーションを表示する処理を行い(ステップS207のN)、サイトオフ設定解除トリガを検知すると(ステップS207のY)、サイトオフ設定を解除し(ステップS208)、ここでの敵キャラクタ制御処理を終了する。
【0054】
なお、本例においては、敵キャラクタNPCの種類によってサイトアウトカウンタをサイトオフ設定解除トリガとして設定されているものもあることとする。この場合、制御部11は、ステップS206サイトオフモーション表示を行うとともに、敵キャラクタ管理テーブル12bを参照し、敵キャラクタがサイトアウトカウンタ能力を設定されているか否かを判断する。ここで、サイトアウトカウンタとは、図11に示すように、敵キャラクタNPCによるサイトアウト動作処理によりゲーム画面上を移動した直後のプレイヤキャラクタPCへの攻撃を意味する。
【0055】
制御部11は、敵キャラクタ管理テーブル12bを参照し、敵キャラクタNPCのサイトアウトカウンタ能力が「有り」となっている場合には、敵キャラクタNPCに対しサイトアウトカウンタ動作を行わせる処理を行う。なお、この際、制御部11は、サイトオフアイコンNIに換えて、サイトアウトカウンタ動作を行うことを表現するサイトアウトカウンタアイコンを敵キャラクタNPCの近傍に表示するようにしてもよい。
【0056】
また、サイトアウトカウンタの対策として、プレイヤキャラクタPCによる連続サイトアウトが実行可能となるような構成としてもよい。この場合、制御部11は、サイトアウト処理が実行された後、敵キャラクタNPCによる攻撃を受ける前、若しくはプレイヤによる操作を受け付ける前にサイトアウト動作管理テーブル12aを参照し、サイトイン敵キャラクタとして敵キャラクタ情報がある場合は、その敵キャラクタを目標とするサイトアウトを可能と判定する。この状態のときに、プレイヤによるサイトアウト操作を受け付けると、制御部11は、プレイヤキャラクタPCを敵キャラクタNPCの視界から外すように移動処理を行うようにすればよい。
【0057】
なお、上記の例では、プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定したあと、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを認識可能な範囲内にプレイヤキャラクタPCが存在しているか否かを判定する構成としていたが、処理の順番は逆であってもよい。
【0058】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCを表示部14の表示画面上に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する処理を行い、敵キャラクタNPCがプレイヤキャラクタPCを認識可能な範囲内にプレイヤキャラクタPCが存在しているか否かを判定し、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作の準備状態に設定されており、かつプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC認識範囲内に存在していると判定されている場合に、プレイヤキャラクタPCの状態を敵キャラクタNPCを目標とするサイトアウト動作の実行可能状態に設定し、プレイヤキャラクタPCを敵キャラクタ認識範囲から外れさせるサイトアウト動作をプレイヤキャラクタPCに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付け、実行命令を受け付けたことに応じて、サイトアウト動作処理を実行する構成としているので、簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行することができるようになる。
【0059】
すなわち、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作の準備状態に設定されており、かつプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC認識範囲内に存在していると判定されている場合にサイトアウト動作の実行可能状態に設定し、プレイヤによる特定の操作を受け付けたことに応じてサイトアウト動作処理を実行する構成としているので、サイトアウト動作の準備状態に設定するための所定の操作と、実行可能状態に設定されているときにサイトアウト動作処理を実行させるための特定の操作とを行うだけの簡単な操作によって、敵キャラクタの視界内から視界外に出るという戦闘中における複雑な動作を、敵キャラクタの視界内に位置しているリアリティのあるタイミングで実行することができるようになる。
【0060】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、敵キャラクタ認識範囲(例えば敵キャラクタから所定距離内であって真正面から左右に所定角度内の範囲)を決定し、決定された敵キャラクタ認識範囲内にプレイヤキャラクタPCが存在しているか否かを判定(例えば位置している座標により判定する)する構成とされているので、敵キャラクタがバトルフィールド上を移動したとしても視界内に位置しているか否かを特定することが可能となる。
【0061】
また、上述した実施の形態では、サイトアウト動作処理は、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵プレイヤキャラクタNPCとの距離に応じて複数種類設けられておりビデオゲーム処理装置100が、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵プレイヤキャラクタNPCとの距離に応じて異なる種類のサイトアウト動作処理を実行する構成としているので、プレイヤに与えられる選択肢が増え、ゲームのバリエーションを増加させることが可能となる。
【0062】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵プレイヤキャラクタNPCとの距離が所定距離未満である場合には、プレイヤキャラクタPCが敵プレイヤキャラクタNPCの背後に瞬時に回り込むサイトアウト動作をプレイヤキャラクタPCに動作させるサイトアウト動作処理を実行し、表示部14の表示画面上におけるプレイヤキャラクタPCと敵プレイヤキャラクタNPCとの距離が所定距離以上である場合には、プレイヤキャラクタPCが敵プレイヤキャラクタNPCの左右いずれかの敵キャラクタ認識範囲外に瞬時(見失うほど高速であることを意味する)に移動するサイトアウト動作をプレイヤキャラクタPCに動作させるサイトアウト動作処理を実行する構成とされているので、距離間隔に応じて回り込めるか否かを異ならせることができ、ゲームのバリエーションを増加させることが可能となる。
【0063】
また、上述した実施の形態では、ビデオ処理装置100が、敵キャラクタNPCに対する攻撃によるクリティカルヒット率を記憶する記憶部12を備え、敵キャラクタNPCを目標とするサイトアウト動作をプレイヤキャラクタPCに動作させるサイトアウト動作処理が実行されたことに応じて、記憶部12に記憶されているサイトアウト動作の目標とされた敵プレイヤキャラクタNPCのクリティカルヒット率をあらかじめ定められたサイトオフ状態であるときのクリティカルヒット率に設定する構成とされているので、プレイヤにサイトアウト操作を行うことのメリットを提供することができる。
【0064】
また、上述した実施の形態では、ビデオ処理装置100が、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作準備状態に設定されたときからの経過時間を計測し、プレイヤキャラクタPCがサイトアウト動作実行可能状態に設定されることなく計測時間があらかじめ定められた準備状態維持時間を経過したときに、プレイヤキャラクタPCの準備状態の設定を解除し、プレイヤキャラクタPCを動作不能な疲労状態に設定する構成とされているので、ゲームが単純化することを防止することが可能となる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、ビデオ処理装置100が、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、サイトイン状態であることを示すサイトインアイコンをプレイヤキャラクタPCの近傍に表示する構成とされているので、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCの認識範囲内に位置していることをプレイヤに容易に認識させることができる。
【0066】
なお、上述した実機の形態では特に言及していないが、ゲームをよりバラエティに富んだものとするために、サイトアウト動作に関する機能をさらに追加した構成としてもよい。
例えば、プレイヤキャラクタPCがサイトオフ状態の敵キャラクタNPCに対して攻撃した際にダメージ量を上昇させる機能や、サイトアウト動作による移動中にプレイヤによる攻撃操作を受け付けると、移動終了時の移動終了モーション表示(ステップS111)を省略できる機能や、プレイヤキャラクタPCが何らかの動作を実行中にプレイヤによるサイトアウト操作を受け付け、サイトアウト準備状態における「ため」から「準備」に移行するのにかかる時間の計測を開始する機能や、サイトアウト動作実行時にプレイヤキャラクタPCをサイトインしていた敵キャラクタのうち、サイトアウト動作の目標となる敵キャラクタNPC以外の敵キャラクタもサイトオフ状態にできる機能や、プレイヤキャラクタPCのサイトアウト準備状態が「ため」から「準備」に移行する間に敵キャラクタNPCの攻撃を受けても、サイトアウト準備状態が「待機」に移行しない機能などを含むような構成としてもよい。
【0067】
また、プレイヤキャラクタPCのステータス情報を含んだ複数種類のプレイヤキャラクタ情報管理テーブル群であるBEATシステム管理テーブル12cを記憶部12に含み、プレイヤが自分にあったプレイヤキャラクタ管理テーブルをプレイヤキャラクタPCに対応付けできるようにし、該プレイヤキャラクタ管理テーブル群の1つに、プレイヤキャラクタPCの戦闘回数に応じて上昇する熟練度に対応して前記複数のサイトアウト動作に関する機能が実行可能となるものを含む構成としてもよい。
【0068】
上記の構成とすることでプレイヤは自分にあった戦闘スタイルを選択することが可能となり、ゲームの趣向性を高めることができるようになる。
【0069】
なお、上述した実施形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ゲームサーバからインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0070】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、簡単な操作によって戦闘中における複雑な動作をリアリティのあるタイミングで実行する戦闘ゲームを提供するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態におけるビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】表示画面の例を示す説明図である。
【図3】表示画面の例を示す説明図である。
【図4】表示画面の例を示す説明図である。
【図5】表示画面の例を示す説明図である。
【図6】サイトアウト動作処理の例を示すフローチャートである。
【図7】サイトアウト動作管理情報の例を示す説明図である。
【図8】敵キャラクタ管理情報の例を示す説明図である。
【図9】サイトアウト動作の移動経路の決定方法の例を示す説明図である。
【図10】敵キャラクタ制御処理の例を示すフローチャートである。
【図11】表示画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
10 ゲームプログラム読み取り部
11 制御部
12 記憶部
14 表示部
15 音声出力部
16 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付手段と、
前記プレイヤ操作受付手段がプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定手段と、
前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定手段と、
前記準備状態設定手段により前記プレイヤキャラクタが前記準備状態に設定されており、かつ前記サイトイン判定手段により当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定手段と、
前記実行可能状態設定手段により前記実行可能状態に設定されているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付手段と、
前記サイトアウト操作受付手段が前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記敵キャラクタ認識範囲を決定する認識範囲決定手段を含み、
前記サイトイン判定手段は、前記認識範囲決定手段により決定された敵キャラクタ認識範囲内に前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記サイトアウト動作処理は、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離に応じて複数種類設けられており、
前記サイトアウト動作処理実行手段は、前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離に応じて異なる種類のサイトアウト動作処理を実行する
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記サイトアウト動作処理実行手段は、
前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離が所定距離未満である場合には、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタの背後に瞬時に回り込む前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理を実行し、
前記バトルフィールドにおける前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離が所定距離以上である場合には、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタの左右いずれかの敵キャラクタ認識範囲外に瞬時に移動する前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理を実行する
請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記敵キャラクタに対する攻撃によるクリティカルヒット率を記憶するクリティカルヒット率記憶手段と、
前記サイトアウト動作処理実行手段によって前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作を前記プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理が実行されたことに応じて、前記クリティカルヒット率記憶手段に記憶されている当該サイトアウト動作の目標とされた前記敵キャラクタのクリティカルヒット率をあらかじめ定められたサイトオフ状態であるときのクリティカルヒット率に設定するサイトオフ状態設定手段とを含む
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記準備状態設定手段によって前記準備状態に設定されたときからの経過時間を計測する準備状態設定時間計測手段と、
前記プレイヤキャラクタが前記実行可能状態に設定されることなく前記準備状態設定時間計測手段の計測時間があらかじめ定められた準備状態維持時間を経過したときに、前記プレイヤキャラクタの前記準備状態の設定を解除し、当該プレイヤキャラクタを動作不能な疲労状態に設定する疲労状態設定手段とを含む
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
前記サイトイン判定手段により前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、サイトイン状態であることを示すサイトインアイコンを当該プレイヤキャラクタの近傍に表示するサイトインアイコン表示手段を含む
請求項1から請求項6のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項8】
前記実行可能状態設定手段は、前記サイトアウト動作処理実行手段によって前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作を前記プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理が実行された直後であって、かつ前記サイトイン判定手段により当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定されている場合に、当該プレイヤキャラクタの状態を当該敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に再度設定し、
前記サイトアウト動作処理実行手段は、前記実行可能状態設定手段により前記実行可能状態に再度設定されているときに前記サイトアウト操作受付手段が前記実行命令を再度受け付けたことに応じて、前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作を前記プレイヤキャラクタに動作させる前記サイトアウト動作処理を再度実行する
請求項1から請求項7のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項9】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付処理と、
前記プレイヤ操作受付処理にてプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定処理と、
前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定処理と、
前記準備状態設定処理にて前記プレイヤキャラクタを前記準備状態に設定しており、かつ前記サイトイン判定処理にて当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定している場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定処理と、
前記実行可能状態設定処理にて前記実行可能状態に設定しているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付処理と、
前記サイトアウト操作受付処理にて前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項10】
プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
プレイヤの操作を受け付けるプレイヤ操作受付処理と、
前記プレイヤ操作受付処理にてプレイヤによる所定の操作を受け付けたとき、前記プレイヤキャラクタの状態をサイトアウト動作の準備状態に設定する準備状態設定処理と、
前記プレイヤキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタが当該プレイヤキャラクタを認識可能な前記ゲーム画面に表示されるバトルフィールド上の範囲を示す敵キャラクタ認識範囲内に、前記プレイヤキャラクタが存在しているか否かを判定するサイトイン判定処理と、
前記準備状態設定処理にて前記プレイヤキャラクタを前記準備状態に設定しており、かつ前記サイトイン判定処理にて当該プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタ認識範囲内に存在していると判定している場合に、前記プレイヤキャラクタの状態を前記敵キャラクタを目標とする前記サイトアウト動作の実行可能状態に設定する実行可能状態設定処理と、
前記実行可能状態設定処理にて前記実行可能状態に設定しているときに、前記バトルフィールドにおいて前記プレイヤキャラクタを前記敵キャラクタ認識範囲から外れさせる前記サイトアウト動作を当該プレイヤキャラクタに動作させるサイトアウト動作処理の実行命令としてプレイヤによる特定の操作を受け付けるサイトアウト操作受付処理と、
前記サイトアウト操作受付処理にて前記実行命令を受け付けたことに応じて、前記サイトアウト動作処理を実行するサイトアウト動作処理実行処理とを
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−82376(P2010−82376A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257699(P2008−257699)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】