説明

ビデオデータ記録再生装置

【課題】複写による利用者側の利便性の向上と著者権の尊重を両立させるビデオデータ記録再生装置を得る。
【解決手段】ビデオデータをプロテクトをかけた信号形態で記録媒体2に記録するビデオデータ記録機能手段と、記録媒体に記録されているビデオデータのプロテクトを解除して再生品質の異なる複数種類の再生方式で再生可能な再生機能手段と、前記再生機能手段による再生方式の種類を選択するプロテクト解除論理演算機能手段8を設け、記録したビデオデータの再生品質を制御する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像,文字および音声などを含むテレビ放送や映画のビデオデータを記録媒体に記録し、記録されたビデオデータを再生するビデオデータ記録再生装置に係り、特に著作権保護のためのプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テレビ放送や映画などのビデオデータを記録再生する代表的な機器としてビデオテープレコーダーを例にとると、記録(複写)後の映像再生表示をオリジナルと異なった状態で表示する機能としてコピーガード機能があり、この機能が働くと、複写したデータはオリジナルと同じ品質で再生して表示することは不可能である。
【0003】デジタル衛星などを使用して放送されるコピーガードのかかった映像ソフト(ビデオデータ)は、録画をしておいて時間をずらして見ることができないために、視聴時間に大きな制約を受ける。また、映画会社が発売する新作映画(作品)は、不正コピー防止のためにコピーガードをかけたビデオテープの販売にとどまっており、この不正コピー防止対策が作品を拡販する上での障害になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コピーガード機能は、テレビ放送される映像データの著作権保護に有効であるが、このようなテレビ放送をビデオテープレコーダーの留守録画機能で録画しておいて視聴しようとすると、オリジナルと同じ状態で視聴することができないので、利用者にとっては極めて不便である。このようなことは、他の記録方式のビデオデータ記録再生装置、例えばDVD(Digital Versatile Disc)記録再生装置においても同様である。
【0005】本発明は、テレビ放送や映画などのビデオデータの著作権を保護しつつ利用者に便利なプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置を提供することにある。
【0006】具体的には、テレビ放送のビデオデータの記録やディスクなどに記録された映画のビデオデータの複写による記録および再生を可能とするが、記録したテレビ放送や映画のビデオデータは、著作権を尊重した範囲内での利用(再生)のみを可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、著作権を保護することができるような状態で再生することが可能なようにビデオデータを記録および再生する制御機能手段を備えたビデオデータ記録再生装置であって、具体的には、前記ビデオデータをプロテクトをかけた信号形態で記録媒体に記録するビデオデータ記録機能手段と、記録媒体に記録されているビデオデータのプロテクトを解除して再生品質の異なる複数種類の再生方式で再生可能な再生機能手段と、前記再生機能手段による再生方式の種類を選択するプロテクト解除論理演算機能手段を設けたことを特徴とする。
【0008】前記プロテクト解除論理演算機能手段は、記録媒体に記録されているビデオデータの再生回数に応じて再生方式を選択し、および/または、記録媒体に記録されているビデオデータの累積再生時間に応じて再生方式を選択し、および/または、異なる装置により記録された記録媒体のビデオデータに対しては、再生品質の低い再生方式を選択するようにする。
【0009】また、前記再生機能手段には、垂直解像度を50%に低下させて再生する再生方式および/またはカラー映像のビデオデータをモノクロ映像の画質で再生する再生方式をもたせる。
【0010】再生方式を判定するための情報はビデオデータを記録した記録媒体の一部に記録しておいて、ビデオデータの再生と保護に使用するようにする。
【0011】そして、例えば、タイマーを使用して録画したテレビ放送は、1回だけはオリジナルと同じ品質で再生するようにして利用者側の利便性を向上させ、その後の再生は品質を低下させて著者権を保護するようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態をDVD記録再生装置を例にとって説明する。
【0013】図2は、DVD記録再生装置のDVDに記録するデータの分類を示している。(a)は、従来のDVD記録再生装置におけるDVD1の例を示しており、ここで記録するデータをデータCとする。このデータCは、DVD記録再生装置で記録再生する映像や音声のビデオデータおよびこれらを読み書きするための制御や管理のためのデータである。(b)は、本発明を適用したDVD記録再生装置においてDVD2に記録するデータの分類を示している。データDに加えてデータJ,データPを設ける。ここで、データDはデータCと同じビデオデータであるが、本発明を適用しないDVD記録再生装置とはデータの信号形態を変え、本発明を適用しないDVD記録再生装置では正常な再生を行うことができないようなデータ形態とする。データJには、再生の可否や再生方式を決定するための判定条件を記録する。ここでの判定条件は、オリジナルデータの記録や複写したデータの再生条件に限らず、それらの更なる複写データの再生方式を決定する条件も含ませる。データPには、複写されたデータの累積再生時間や累積再生回数および再生頻度等の再生状況に関するデータを記録する。ここで記録する再生状況に関するデータは、当該データの再生状況だけではなく、複写が数回にわたっている場合には、それらの利用状況も含める場合もある。
【0014】図3は、本発明になるDVD記録再生装置におけるプロテクト機能を実現するために必要な機能手段のブロック図である。このDVD記録再生装置において必要な機能手段は、時刻情報を発生する時計機能手段3と、装置のID情報を記録および読み出す機器ID機能手段4と、パスワードの入力,読み出し,記録を行うパスワード機能手段5と、コピーガード機能手段6と、再生品質可変機能手段7と、プロテクト解除制御処理を行う論理演算機能手段8であり、これらをDVD記録再生装置のビデオデータ記録再生に関する機能手段に追加することによって実施することができる。
【0015】装置のID情報は、装置の製造過程で書き込むか、製造後に放送や通信を通じて書き込むか、リモコンなどの入力手段を用いて書き込むなどの何れかの方法で書き込みを行うようにする。
【0016】コピーガード機能手段6は、このDVD記録再生装置により記録したビデオデータを著作権保護のためのプロテクト機能をもたない他の機種では再生できないようなデータ形態で記録するためのデータ処理を行う機能手段であり、ビデオデータにスクランブルをかけたりビデオデータの中に他の機種での再生を妨げるようなダミー信号を挿入し、また、これらを解除する機能手段である。
【0017】再生品質可変機能手段7は、ビデオデータ再生機能手段におけるデータ再生機能(再生方式)を制御することによりビデオデータの再生品質の変更を実現するものである。この再生品質可変機能を実現するために、ビデオデータをオリジナルと同一状態で再生する再生機能の他に、例えば、ビデオデータをNTSC方式の水準で再生する再生方式を実現することができる信号処理部を使用する。また、ビデオデータを50%に低下させる再生方式を実現するために、第1フィールドまたは第2フィールドの垂直同期信号を削除して垂直解像度を1/2に低下させる機能をもった垂直同期処理回路を使用し、あるいはビットマップデータにおける隣接するビットのドットデータを同一データに揃える信号処理部を使用する。また、カラー映像のビデオデータをモノクロ映像として再生する再生方式を実現するために、色信号の発生を停止する機能をもった色信号処理回路を使用する。また、正常な再生機能を喪失(ホワイトノイズ状態での再生)させる再生方式を実現するために、ビデオデータの再生を停止する機能をもった信号処理部を使用する。
【0018】論理演算機能手段8は、プロテクト解除制御処理と前記再生品質可変手段(再生方式)を選択する選択制御処理を行う。
【0019】これらの追加すべき機能手段は、従来のDVD記録再生装置における記録再生に関する機能手段に追加するか、または、同等の機能手段が別用途のために既に組み込まれている場合はその機能手段を利用してもよい。
【0020】
【表1】


【0021】表1は、再生品質を判定するための判定条件を示している。期間,機器のID,パスワード,利用状況などの項目の情報を使用して、複数の再生方式の中から1つの方式を選択するための判定条件を定めるようにする。期間に関する判定条件を例にとると、絶対期間では、複写(記録)日に関係なく絶対的な期間を定め、また、相対期間の場合には、複写の日から1ヶ月以内や最初の再生から2ヶ月以内などのようなさまざまな条件を設定することになる。
【0022】図1は、本発明になるDVD記録再生装置において前記論理演算機能手段8が実行する再生制御処理の基本的な流れを示している。この再生制御処理の特徴は、再生指示(ステップ10)とデータPの更新(ステップ19)の間に付加した再生方式判定と選択的な再生のためのアルゴリズムにある。すなわち、データの再生の指示操作(ステップ10)があると記録ディスクからのデータJの読み込み(ステップ11)とデータPの読み込み(ステップ12)と機器のIDの読み込み(ステップ13)とパスワードの読み込み(ステップ14)と現在時刻の読み込み(ステップ15)を実行し、これらを判定情報として再生方式を選択するための判定(ステップ16)を行う。
【0023】ステップ16の判定において、再生不可の場合にはビデオデータを表示する動作を停止したりホワイトノイズでの表示を行う(ステップ20)。再生可能の場合には、データDを読み出し(ステップ17)、選択された再生方式でビデオデータの再生表示を行い(ステップ18)、データPを更新して記録ディスクに書き込んで保存する(ステップ19)。更新して記録ディスクに書き込んだデータPは、次のデータ再生時に再生方式を選択するための情報として使用する。
【0024】再生には必ず前記判定および再生方式選択のアルゴリズムの経由を必要とし、ここで選択された再生方式のみで再生を行うことができるようにする。複数の再生方式で再生することが可能と判定される場合には、操作者がその中から1つの再生方式を選択するか、あらかじめ再生方式に優先順位をつけておき、優先順位の高い再生方式で再生を行う等の方法で最終的な再生方式を1つに定めるようにする。
【0025】
【表2】


【0026】表2は、再生方式を例示している。再生方式Aは、オリジナルと同等の画質で再生する再生方式であり、画質順位は「1」である。再生方式Bは、NTSC方式の水準の画質で再生する再生方式であり、画質順位は「2」である。再生方式Cは、NTSC方式の50%の解像度の画質での再生方式であり、画質順位は「3」である。再生方式Dは、NTSC方式の50%の解像度でモノクロ映像の画質で再生する再生方式であり、画質順位は「4」である。再生方式Eはホワイトノイズで再生する再生方式であり、画質順位は「5」である。
【0027】
【表3】


【0028】表3は、各判定基準における判定条件と対応する再生方式の関係を例示している。判定基準毎に必要な条件を設定し、それらの条件を総て満たした場合に、その判定基準で定めた再生方式を選択して再生を実行するようにする。
【0029】判定基準(1)を例にとると、パスワードが一致し、且つ複写(記録)後1週間以内であり、更に再生機器のIDも一致した場合に、再生方式Aでの再生を可能にする。複数の判定基準を満たしている場合には、画質順位の最も高い再生方式を選択して再生するのを基本とする。また、判定に必要な条件を示すデータが欠落している場合については、その判定基準については条件を満たしていないものとして扱うようにする。
【0030】総ての判定基準(1)〜(5)について満足しない場合には、再生動作不可またはホワイトノイズでの再生方式とする。
【0031】図4は、アナログ方式のテレビ放送を受信してビデオデータの記録および再生を行う本発明になるDVD記録再生装置のブロック図である。
【0032】チューナー401は、目的のテレビ放送を選択して受信する。ダミー信号追加回路402は、受信したビデオ信号の垂直帰線期間部分に白レベルや黒レベルの基準を狂わせることにより従来の再生装置では正常な状態で再生することができないような信号形態にするためのダミー信号を挿入する。A/D変換器403は、ダミー信号が追加されたアナログ形態のビデオ信号をディジタル形態のビデオ信号に変換する。記録信号処理部404は、A/D変換器403から出力されるビデオ信号をピックアップ405によって記録ディスク(DVD)406に書き込むための信号形態に変換し、ビックアップ405によってDVD406から読み出した信号をD/A変換器407に供給する。また、この記録信号処理部404は、データJ,Pをビデオ信号の垂直帰線期間領域内に挿入して取り扱う。D/A変換器407は記録信号処理回路404からディジタル形態のビデオ信号を入力してアナログ形態のビデオ信号に変換してダミー信号除去回路408に供給する。ダミー信号除去回路408は、D/A変換器407から入力したビデオ信号からダミー信号を除去して前記A/D変換器403に供給する。
【0033】再生信号処理部409は、入力されるビデオ信号を輝度信号と色信号と同期信号に分離して輝度信号処理回路410と色信号処理回路411と同期分離回路412に供給する。
【0034】D/A変換器413は輝度信号処理回路410から出力される輝度信号と色信号処理回路411から出力される色信号をアナログ形態の信号に変換し、マトリックス回路414はこれらの信号に基づいてRGB信号を生成し、映像出力回路415はRGB信号によってカラーCRT416の電子銃を駆動する。
【0035】水平同期処理回路417と垂直同期処理回路418は、同期分離回路412から出力される同期信号に基づいて水平および垂直同期信号を生成し、水平および垂直出力回路419,420は前記カラーCRT416の水平偏向コイルおよび垂直偏向コイルを駆動する。
【0036】中央処理部421は、クロック信号発生部222,メモリ423,操作入力部424および前記記録信号処理部404からの信号を入力し、ドライブ制御部425を介して前記ピックアップ405およびディスク駆動モータ426を制御すると共に前記各機能手段を制御する処理を行う。ビデオ信号を処理する記録再生機能手段と連係する制御信号系については図示を省略する。前述した時計機能手段3と機器ID機能手段4とパスワード機能手段5と論理演算機能手段8は、主として、この中央処理部421とクロック信号発生部422とメモリ423と操作入力部424によって実現される機能手段である。
【0037】図5は、ディジタル方式のテレビ放送を受信してビデオデータの記録を行う本発明になるDVD記録再生装置のブロック図である。図4に示したアナログ方式のDVD記録再生装置と共通の機能手段には同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0038】録再信号処理部501は、記録時には、チューナー401で受信した放送信号をピックアップ405に供給してDVD406に記録し、再生時には、ピックアップ405によりDVD406から読み出した信号を所定の再生方式でビデオ信号に変換して輝度信号処理回路410,色信号処理回路411,同期分離回路412に引き渡す。また、この録再信号処理部501は、コピーガードのためのスクランブル処理などのプロテクト処理機能も備える。
【0039】中央処理部502は、前記各機能手段を制御する。
【0040】図6は、ビデオデータを記録するDVD406におけるデータ記録領域を示している。領域406aはディスクの物理的仕様を記録するリードイン領域、406bはデータファイルや各データファイルの再生品質(再生方式)判定条件などの再生制限情報(データJ)や再生来歴情報(データP)などを記録する管理情報記録領域、406cはビデオデータ(データD)を記録するデータ記録領域、406dは他の領域と区別するためのリードアウト領域である。
【0041】図7は、図4および図5に示した本発明になる前記DVD記録再生装置における中央処理部421,502が実行する記録制御処理のフローチャートである。
【0042】操作入力部424からビデオデータDの書き込み(録画)を指示されると(ステップ701)、記録対象のビデオ信号を受信して読み込む制御処理(ステップ702)と該ビデオ信号から映像・音声情報と再生制限情報の分離制御処理を行う(ステップ703)。そして、再生制限情報を解析して再生制限の有無を判定し(ステップ704)、再生制限がなければ映像・音声情報をDVD406に普通に書き込むための制御処理を行い(ステップ705)、再生制限がある場合にはプロテクト機能を機能させるための制御処理(ステップ706〜)を行う。
【0043】ステップ706では現在時刻を記録開始時刻情報としてメモリ423に書き込んで一時保存する。次に、このDVD記録再生装置の機器IDをメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ707)、スクランブル解除のパスワードや放送局側で定めたパスワードを取り込んでメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ708)、映像・音声情報と再生制限情報を読み込み(ステップ709)、読み込んだ映像・音声情報と再生制限情報を分離し(ステップ710)、映像・音声情報はDVD406のデータ記録領域406cに書き込み(ステップ711)、再生制限情報はメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ712)、記録終了時刻情報である現在時刻をメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ713)、その後、メモリ423に一時保存されている前記各情報を再生判定条件(データJ)としてDVD406の管理情報記録領域406bに記録する(ステップ714)。
【0044】図8は、図4および図5に示した本発明になる前記DVD記録再生装置における中央処理部421,502が実行する再生制御処理のフローチャートである。
【0045】操作入力部424からビデオデータDの再生(読み出し)を指示されると(ステップ801)、読み出しを指示されたデータDに対応するデータJ,PをDVD406から読み出す(ステップ802)。そして、データJ,Dを解析して再生制限の有無を判定し(ステップ803)、再生制限がなければDVD406からビデオデータDを普通に読み出して表示させる制御処理を実行し(ステップ804,805)、再生制限がある場合にはプロテクト機能を働かせて再生するための制御処理(ステップ806〜)を行う。
【0046】ステップ806ではDVD406からデータJを読み出してメモリ423に書き込んで一時保存し、次いで、データPを読み出してメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ807)、再生装置の機器IDをメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ808)、操作入力部424からパスワードを取り込んでメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ809)、現在時刻を再生開始時刻情報としてメモリ423に書き込んで一時保存する(ステップ810)。そして、これらの情報を解析して再生可否と再生方式を判定し(ステップ811)、再生不可であるときにはデータDの表示を停止(非表示または動作停止)し(ステップ812)、表示可能であるときには選択した再生方式での再生制御処理(ステップ813〜)を行う。
【0047】ステップ813ではDVD406からデータDを読み出し、判定に応じて選択した再生方式(再生画質)での表示を行うように各機能手段の再生動作機能を制御し(ステップ814)、データDの再生表示を行う(ステップ815)。
【0048】データDの表示が終了すると、現在時刻を再生終了時刻情報としてメモリ423に書き込んで一時保存し(ステップ816)、データDの再生来歴情報(累積再生時間と回数=データP)を更新してDVD406に書き込む(ステップ817)。
【0049】以上、本発明の実施形態をDVD記録再生装置の例で説明したが、ビデオテープレコーダーやその他のビデオデータ記録再生機器に適用できることはいうまでもない。
【0050】また、オリジナルデータの1回目の記録(複写)について説明したが、この複写データの更なる複写データについても適用できる。すなわち、複写データを更に複写する場合の再生条件についての指定や指定データの記録媒体への記録や中間複写媒体の再生状況を記録し、これらを再生方式の判定に使用することができることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】本発明は、再生を制限する条件でビデオデータを記録(複写)して利用することができるようにしたことにより、著作権を保護しつつ利用者に便利なビデオデータ記録再生装置とすることができる。
【0052】例えば、再生回数制限を条件にして記録(複写)を許容すれば、放送による映像ソフトを録画して時間をずらして見ることが可能になり、しかも、不特定多数の利用による損失は防止できる。これまでは不正コピーを防止するため、コンテンツ提供側も流通も利用者も、不便さと多大なコスト負担が必要であったが、本発明により、不正コピーによる損失を防ぎながら適正コピーは可能となるために、利便性と経済性が大きくが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるDVD記録再生装置における論理演算機能手段が実行する再生制御処理のフローチャートである。
【図2】DVD記録再生装置における記録ディスクにおける記録データの分類例を示している。
【図3】本発明になるDVD記録再生装置におけるプロテクト機能を実現するために必要な機能手段のブロック図である。
【図4】本発明になるアナログ方式のDVD記録再生装置のブロック図である。
【図5】本発明になるディジタル方式のDVD記録再生装置のブロック図である。
【図6】本発明になるDVD記録再生装置において使用するDVDにおけるデータ記録領域を示す図である。
【図7】本発明になる前記DVD記録再生装置における中央処理部が実行する記録制御処理のフローチャートである。
【図8】本発明になる前記DVD記録再生装置における中央処理部が実行する再生制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2…DVD、3…時計機能手段、4…機器ID機能手段、5…パスワード機能手段、6…コピーガード機能手段、7…再生品質可変機能手段、8…論理演算機能手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】テレビ放送や映画などのビデオデータの記録および再生を行うビデオデータ記録再生装置において、記録媒体に記録されているビデオデータを再生品質の異なる複数種類の再生方式で再生可能な再生機能手段と、前記再生機能手段による再生方式の種類を選択するプロテクト解除論理演算機能手段を設けたことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項2】請求項1において、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、テレビ番組や映画を記録または複写したビデオデータを再生する際には、再生方式の種類を選択する制御処理を実行するようにしたことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項3】請求項1または2において、前記プロテクト解除論理演算機能手段において再生方式の種類を判定するために使用するデータをテレビ放送や映画のビデオデータなどを記録する記録媒体の一部に記録する判定情報記録手段を設け、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、このデータを読み出して再生方式の種類を判定する論理演算を行うことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項4】テレビ放送や映画などのビデオデータの記録および再生を行うビデオデータ記録再生装置において、前記ビデオデータをプロテクトをかけた信号形態で記録媒体に記録するビデオデータ記録機能手段と、記録媒体に記録されているビデオデータのプロテクトを解除して再生品質の異なる複数種類の再生方式で再生可能な再生機能手段と、前記再生機能手段による再生方式の種類を選択するプロテクト解除論理演算機能手段を設けたことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項5】請求項4において、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、記録媒体に記録されているビデオデータの再生回数に応じて再生方式を選択することを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項6】請求項4において、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、記録媒体に記録されているビデオデータの累積再生時間に応じて再生方式を選択することを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項7】請求項4において、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、異なる装置により記録された記録媒体のビデオデータに対しては、再生品質の低い再生方式を選択するようにしたことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項8】請求項4において、前記プロテクト解除論理演算機能手段は、記録媒体に記録されているビデオデータの再生回数と累積再生時間と記録装置と再生装置の同異を論理判断して記録媒体のビデオデータの再生方式を選択するようにしたことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項9】請求項4〜8の1項において、前記再生機能手段は、垂直解像度を50%に低下させて再生する再生方式をもつことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。
【請求項10】請求項4〜8の1項において、前記再生機能手段は、カラー映像のビデオデータをモノクロ映像で再生する再生方式をもつことを特徴とするプロテクト機能を備えたビデオデータ記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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