説明

ビデオ・コンテンツ・ストリームを管理するシステムおよび方法

【課題】 分散ビデオ・コンテンツに関するチャネル変更時間を短縮する。
【解決手段】 ビデオ・コンテンツ・ストリームを管理するシステムおよび方法が開示される。この方法は、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームをサーバ部で受信し、そして各ビデオ・ストリームをサーバ部のメモリ内でバッファすることを含む。また、この方法は、マルチキャスト・ビデオ出力をサーバ部で、またユニキャスト・ビデオ出力をサーバ部で生成することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ビデオ・コンテンツ・ストリームを管理するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なアナログ・タイプのケーブル放送ビデオ・サービスでは、チャネル切替えがほぼ瞬間的である。デジタル・ケーブル・システムでは、正しい周波数に同調するための、またトランスポート・ストリームからデジタル・ビット・ストリームを抽出するための時間の、チャネル変更時間が幾分長くなる可能性がある。典型的なシステムでは、表示するために、ビデオ番組ストリームが識別され、抽出され、復号される。衛星をベースとするダイレクト放送システムに関するチャネル変更時間も、デジタル・ケーブル・システムに関する時間と同様のものとすることができる。チャネル変更時間は、トランスポンダおよび衛星内のチャネルの位置によって影響を受ける可能性がある。たとえば、次のチャネルが別個のトランスポンダ上に、また別個の衛星上にある場合には、スイッチ・マトリックスは、衛星間で移行を行った後で、チャネル・ビット・ストリームをデコーダに送達しなければならず、したがってチャネル変更時間をさらに増大する。
【0003】
ビデオ・コンテンツは、インターネット・プロトコル(IP)ネットワークを介して送達させることができる。IPネットワークでは、放送TVサービスの各チャネルを、IPマルチキャスト・ストリームとして送達することができる。ネットワークに接続されたセット・トップ・ボックスは、マルチキャスト・グループ/チャネルのメンバに対するメンバーシップをネットワークに要求することができる。セット・トップ・ボックスは、ユーザからチャネル変更要求を受け取ってから、そのマルチキャスト・グループ・チャネルを離れ、チャネル変更要求に関連する新しいマルチキャスト・グループ・チャネルに加わる。このプロセスは、他のビデオ送達フォーマットに関するチャネル変更時間より数秒長くかかる可能性がある。チャネル変更間のこの遅延時間により、ユーザ体験は快くないものになるおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、分散ビデオ・コンテンツに関するチャネル変更時間を短縮するためのシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、添付の特許請求の範囲における特徴と共に指摘されている。しかし、他の特徴が、添付の図面と共に以下の詳細な説明で述べられている。
【0006】
ビデオ・コンテンツ・ストリームを管理するためのシステムおよび方法が開示される。この方法は、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームをサーバ部で受信すること、および、各ビデオ・ストリームをサーバ部のメモリ内でバッファすることを含む。また、この方法は、マルチキャスト・ビデオ出力をサーバ部で、またユニキャスト・ビデオ出力をサーバ部で生成することを含む。
【0007】
特定の実施形態では、この方法は、マルチキャスト・ビデオ出力をサーバから複数のセット・トップ・ボックスに送ることを含む。他の特定の実施形態では、ユニキャスト・ビデオ出力が、単一のセット・トップ・ボックスに送られる。他の特定の実施形態では、その単一のセット・トップ・ボックスは、複数のセット・トップ・ボックスのうちの1つである。
【0008】
特定の実施形態では、この方法は、セット・トップ・ボックスから、チャネル要求をサーバ部で受信すること、および、要求されたチャネルに関連する、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームから、ユニキャスト・ビデオ出力を生成することを含む。他の特定の実施形態では、この方法は、そのユニキャスト・ビデオ出力をセット・トップ・ボックスに送ることを含む。他の特定の実施形態では、この方法は、セット・トップ・ボックスを、要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・グループに加えることを含む。他の特定の実施形態では、そのマルチキャスト・グループに関連するマルチキャスト・ビデオ出力が、セット・トップ・ボックスに送られる。
【0009】
特定の実施形態では、開示されている方法は、選択されたチャネルに対応するチャネル変更要求を第1のサーバに送信すること、選択されたチャネルに対応するユニキャスト・ビデオ出力を第1のサーバから受信すること、および、ユニキャスト・ビデオ出力を受信した後で、その新しいチャネルに対応するマルチキャスト・ビデオ出力を第1のサーバから受信することを含む。
【0010】
開示されているシステムは、プロセッサと、プロセッサによってアクセス可能なコンピュータ可読媒体と、そのコンピュータ可読記憶媒体内に埋め込まれたコンピュータ・プログラムとを含むサーバを含む。特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームを複数のバッファ内でバッファするための命令と、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームのうちの1つから、少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ出力を生成するための命令と、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームのうちの1つから、ユニキャスト・ビデオ出力を生成するための命令とを含む。
【0011】
他の特定の実施形態では、開示されているシステムは、プロセッサと、プロセッサによってアクセス可能なコンピュータ可読媒体と、そのコンピュータ可読記憶媒体内に埋め込まれたコンピュータ・プログラムとを含むセット・トップ・ボックスを含む。コンピュータ・プログラムは、チャネル変更要求を受信するための命令と、チャネル変更要求を第1のサーバに送信するための命令と、第1のサーバがセット・トップ・ボックスを、要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・グループに加える間に、要求されたチャネルに関連するユニキャスト・ビデオ出力を受信するための命令と、第1のサーバがセット・トップ・ボックスをマルチキャスト・グループに加えた後で、第1のサーバからマルチキャスト・ビデオ出力を受信するための命令とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】例示的なビデオ・コンテンツ・ネットワークの図である。
【図2】マルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリームを生成するための例示的な方法を示すための流れ図である。
【図3】マルチキャストおよびユニキャストのビデオ・コンテンツ・ストリームを共に管理する例示的な方法を示すための流れ図である。
【図4】サーバ故障時におけるビデオ・コンテンツ・ストリームを管理する方法の例示的な実施形態を示すための流れ図である。
【図5】マルチキャストおよびユニキャストのビデオ・ストリームを含むメモリ・アーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、ビデオ・コンテンツ・ネットワーク100の特定の実施形態が示されている。このビデオ・コンテンツ・ネットワークは、第1のIPネットワーク104に結合させ得るハードウェア・エンコーダ102を含む。さらに、第1のIPネットワーク104は、コンテンツ・ソース105および獲得サーバ106に結合させ得る。さらに、獲得サーバ106は、第2のIPネットワーク108に、また第3のIPネットワーク110に結合させ得る。さらに、第3のIPネットワーク110は、セット・トップ・ボックス112に結合させ得る。セット・トップ・ボックス112は、ビデオ・ディスプレイ114に結合させ得る。
【0014】
図のように、第2のIPネットワーク108は、ユニキャスト−マルチキャスト・ビデオ(UMV)サーバ116に結合させ得る。さらに、獲得サーバ106は、第2のIPネットワーク108および第3のIPネットワーク110を介して、マルチキャスト・ビデオ・ストリーム118をUMVサーバ116に送ることができる。さらに、UMV116サーバは、ユニキャスト・ビデオ・ストリーム120およびマルチキャスト・ビデオ・ストリーム122をセット・トップ・ボックス112に送ることができる。
【0015】
特定の、例示されている実施形態では、セット・トップ・ボックス112は、一体型モデム124と、プロセッサ126と、メモリ128などコンピュータ可読媒体とを含む。さらに、UMVサーバ116は、メモリ132などコンピュータ可読媒体に結合されたプロセッサ130を含むことができる。
【0016】
第1のIPネットワーク104、第2のIPネットワーク108、第3のIPネットワーク110は、異なるタイプのビデオ・トラフィックの論理的な分離を例示するために、別々に示されていることが理解されるであろう。特定の実施形態では、トラフィックのすべてが、単一のIPネットワーク上で展開されてもよい。
【0017】
特定の実施形態では、ハードウェア・エンコーダ102が、ビデオ・コンテンツ・ソース105によって提供されたビデオ・コンテンツ・ストリームを符号化する。ビデオ・コンテンツ・ソースは、マルチキャスト可能なインターネット・ビデオ・サービス、または他の適切なコンテンツ・ソースを含むことができる。図のように、ハードウェア・エンコーダ102は、符号化されたビデオ・コンテンツ・ストリームを獲得サーバ106に送信することができる。さらに、獲得サーバ106は、デジタル著作権管理(DRM)を適用すること、およびピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)ストリームを生成することによって、ビデオ・コンテンツ・ストリームを処理することができる。さらに、獲得サーバは、処理されたビデオ・コンテンツ・ストリームに基づいて、マルチキャスト・ストリーム118を提供することができる。
【0018】
特定の実施形態では、マルチキャスト・コンテンツ・ストリーム118は、UMVサーバ116部で受信される。さらに、UMVサーバ116は、マルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム118をバッファすることができる。さらに、UMVサーバ116は、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム118に基づいて、ユニキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム120およびマルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム122を提供することができる。例示的な実施形態では、セット・トップ・ボックス112は、ユニキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム120およびマルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム122を受信し、これらのストリームのうちの1つまたは複数をビデオ・ディスプレイ114部で表示することができる。
【0019】
特定の実施形態では、セット・トップ・ボックス112のメモリ128は、プロセッサ126にとってアクセス可能である。さらに、コンピュータ・プログラムがメモリ128内に埋め込まれてもよい。特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、チャネル変更要求を受信するための命令と、チャネル変更要求を含む出力を、UMVサーバ116など第1のサーバに送信するための命令と、ユニキャスト・ビデオ・ストリーム120などユニキャスト・ビデオ出力を受信するための命令とを含む。特定の実施形態では、ユニキャスト・ビデオ出力は、要求されたチャネルに関連する。他の特定の実施形態では、ユニキャスト・ビデオ出力は、サーバがセット・トップ・ボックスを、要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・グループに加える間に受信される。他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、第1のサーバがセット・トップ・ボックス112をマルチキャスト・グループに加えた後で、第1のサーバから、マルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム122などマルチキャスト・ビデオ出力を受信するための命令を含む。
【0020】
他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、第1のサーバがいつサービスを提供していないか検知するための命令と、第1のサーバがサービスを提供していないことに応答して、マルチキャスト・ビデオ・ストリーム118などマルチキャスト・ビデオ・ストリームを、獲得サーバ106など第2のサーバから受信するための命令とを含む。特定の実施形態では、第1のサーバがいつサービスに戻ったか検知するための命令と、第1のサーバがサービスに戻ったことに応答して、マルチキャスト・ビデオ出力を第1のサーバから受信するための命令。
【0021】
図1に示されているように、UMVサーバ116は、プロセッサ130にとってアクセス可能であるメモリ132を含むことができる。さらに、コンピュータ・プログラムがメモリ132内に埋め込まれてもよい。特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、マルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリーム118など複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームを複数のバッファ内でバッファするための命令と、複数のバッファから、マルチキャスト・ビデオ・ストリーム122など少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ出力を生成するための命令と、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームから、ユニキャスト・ビデオ・ストリーム120など少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ出力を生成するための命令とを含む。他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、セット・トップ・ボックス112などセット・トップ・ボックスからチャネル変更要求を受信するための命令を含む。他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、サーバ内のバッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームからユニキャスト・ビデオ出力を生成するための命令とを含む。特定の実施形態では、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームは、要求されたチャネルに対応する。他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、サーバ116部でセット・トップ・ボックス112をマルチキャスト・グループに加えるための命令を含む。特定の実施形態では、マルチキャスト・グループは、要求されたチャネルに対応する。他の特定の実施形態では、コンピュータ・プログラムは、マルチキャスト・グループに関連するマルチキャスト・ビデオ出力をセット・トップ・ボックスに送信するための命令を含む。
【0022】
図2を参照すると、マルチキャスト・ビデオ・コンテンツ・ストリームを生成する例示的な方法が示されている。ステップ200では、ハードウェア・エンコーダがビデオ・コンテンツを受信する。ステップ202に進むと、そのビデオ・コンテンツはハードウェア・エンコーダによって符号化され、ステップ204で、符号化されたコンテンツが獲得サーバに送信される。ステップ206に移動すると、獲得サーバは、そのビデオ・コンテンツにデジタル著作権管理を適用し、ステップ208で、獲得サーバは、ピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)ストリームを生成する。ステップ210に進むと、獲得サーバは、マルチキャスト・ビデオ・ストリームをUMVサーバに送信する。次いで、この方法は、ステップ212で終了する。
【0023】
図3を参照すると、マルチキャストおよびユニキャストのビデオ・コンテンツ・ストリームを共に管理する例示的な方法が示されている。図のように、ステップ300では、UMVサーバが、獲得サーバから複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信する。ステップ302に移動すると、UMVサーバは、複数のマルチキャスト・ビデオ・ストリームをメモリ内でバッファする。次に、ステップ304では、UMVサーバは、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームからマルチキャスト・ビデオ出力およびユニキャスト・ビデオ出力を生成する。ステップ306では、現在のチャネルに関するマルチキャスト・ビデオ出力が、UMVサーバから複数のセット・トップ・ボックスに送られる。
【0024】
ステップ308に進むと、セット・トップ・ボックスからのチャネルを求める要求が、UMVサーバによって受信される。ステップ310では、ユニキャスト・ビデオ出力がUMVサーバ内で生成される。特定の実施形態では、ユニキャスト・ビデオ出力、要求されたチャネルについて、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームから生成される。ステップ312に移動すると、ユニキャスト・ビデオ出力が、UMVサーバからセット・トップ・ボックスに送られる。ステップ314では、そのセット・トップ・ボックスが、現在のチャネルに関する現在のマルチキャスト・グループを離れる。ステップ316に進むと、UMVサーバはそのセット・トップ・ボックスを、要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・グループに加える。判断ステップ318に移動すると、UMVサーバは、セット・トップ・ボックスが要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・グループに加えられたかどうか判定する。加入が完了していない場合、ステップ320で、UMVサーバは、引き続き新しいチャネルに関するユニキャスト・ビデオ出力をセット・トップ・ボックスに送り、ステップ318に戻る。
【0025】
判断ステップ318に戻ると、加入が完了しているとUMVサーバが決定した場合、この方法はステップ330に進み、UMVサーバは、要求されたチャネルに関連するマルチキャスト・ビデオ出力をセット・トップ・ボックスに送る。特定の実施形態では、マルチキャスト・ビデオ出力は、バッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームから生成される。この方法は、ステップ332で終了する。
【0026】
図4を参照すると、サーバ故障時におけるビデオ・コンテンツ・ストリームを管理する方法の例示的な実施形態が示されている。ステップ400では、セット・トップ・ボックスが、UMVサーバから、現在のチャネルに関するマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。判断ステップ402に進むと、セット・トップ・ボックスは、チャネル変更要求が受信されたかどうか判定する。チャネル変更要求が受信されていない場合、この方法は、ステップ400に戻る。チャネル変更要求が受信された場合、セット・トップ・ボックスは、ステップ404でチャネル変更要求をUMVサーバに送信する。特定の実施形態では、チャネル変更要求は、セット・トップ・ボックスでのチャネル選択に応答して送信される。ステップ405に進むと、セット・トップ・ボックスは、UMVサーバから、新しいチャネルに関するユニキャスト・ビデオ出力を受信する。ステップ406では、チャネル変更動作が完了した後で、セット・トップ・ボックスが新しいチャネルに関するマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。特定の実施形態では、ユニキャスト・ビデオ出力とマルチキャスト・ビデオ出力が、共にバッファされたマルチキャスト・ビデオ・ストリームに基づくものである。
【0027】
判断ステップ408に移動すると、セット・トップ・ボックスは、UMVサーバが故障しているかどうか判定する。UMVサーバが故障していない場合、この方法はステップ410に進み、UMVサーバは、セット・トップ・ボックス電力がオフであるかどうか判定する。セット・トップ・ボックス電力がオンである場合、この方法はステップ400に戻る。セット・トップ・ボックス電力がオフである場合、この方法はステップ412に進み、終了する。
【0028】
ステップ408に戻ると、UMVサーバが故障している場合、この方法はステップ414に進み、セット・トップ・ボックスは、獲得サーバからのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを求める要求を送る。ステップ415に移動すると、セット・トップ・ボックスは、獲得サーバからマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。
【0029】
判断ステップ416に進むと、セット・トップ・ボックスは、UMVサーバがサービスに戻っているかどうか検出する。UMVサーバがサービスに戻っている場合、この方法はステップ400に進み、セット・トップ・ボックスは、UMVサーバからマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。ステップ416でUMVがサービスに戻っていない場合、この方法はステップ418に進み、引き続き獲得サーバからマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。次いで、この方法は判断ステップ420に進み、セット・トップ・ボックスへの電力がオフにされているかどうか判定する。セット・トップ・ボックス部での電力がオンにされている場合、この方法はステップ418に戻り、引き続き獲得サーバからマルチキャスト・ビデオ出力を受信する。判断ステップ420でセット・トップ・ボックスへの電力がオフにされている場合、この方法はステップ412に進み、終了する。
【0030】
図5を参照すると、マルチキャストおよびユニキャストのビデオ・コンテンツ・ストリームを共に含むメモリ・アーキテクチャの例示的な実施形態が示されている。このアーキテクチャは、バッファされたデータ・ストリーム500を含む。特定の実施形態では、バッファされたデータ・ストリーム500は、獲得サーバからビデオ入力502を受け取る。さらに、バッファされたデータ・ストリーム500は、一連のデータ・パケット504を含む。さらに、バッファされたデータ・ストリーム500は、高速チャネル変更(FCC)/誤り訂正バッファ506を含む。バッファされたデータ・ストリーム512は、マルチキャスト・ビデオ出力510を生成するために、マルチキャスト複製点508をさらに含む。さらに、バッファされたデータ・ストリーム500は、FCCユニキャスト・ビデオ出力512を含む。
【0031】
バッファされたデータ・ストリーム500は、マルチキャスト・ビデオ出力510を複数のセット・トップ・ボックスに送るために、マルチキャスト複製点508部でアクセスを受けることができる。チャネル変更要求がセット・トップ・ボックスから受信された場合、ユニキャスト・ビデオ信号をセット・トップ・ボックスに送るために、適切なチャネルについて、FCCユニキャスト・ビデオ出力512にアクセスすることができる。
【0032】
開示されているシステムおよび方法は、IPマルチキャスト環境において迅速なチャネル変更を実現することにより、ユーザ体験の改善を可能にすることができる。開示されているシステムおよび方法は、チャネル変更要求に応答して、サーバからセット・トップ・ボックスにユニキャスト・ビデオ出力を送る。ユニキャスト・ビデオ出力がセット・トップ・ボックス部で受信されつつある間に、サーバはセット・トップ・ボックスを、チャネル要求に関連するマルチキャスト・グループに加える。マルチキャスト・グループが加入を受けた後で、サーバは、ユニキャスト・ビデオ出力を送るのを停止し、そのマルチキャスト・グループに関連するマルチキャスト・ビデオ出力をセット・トップ・ボックスに送る。これにより、チャネル変更時間がより短縮され、ユーザ体験が改善される可能性がある。たとえば、ユーザがセット・トップ・ボックス部でチャネルを選択したとき、そのチャネルに関連するユニキャスト・ビデオ出力がセット・トップ・ボックスにブロードキャストされる。ユーザは、セット・トップ・ボックスがマルチキャスト・グループに加えられる間に、ユニキャスト・ビデオ出力を観視することができる。セット・トップ・ボックスがマルチキャスト・グループに加えられたとき、ユーザは、マルチキャスト・ビデオ出力の表示を受ける。
【0033】
上記で開示されている主題は、例示的なものとみなすべきであり、限定的なものとみなすべきではなく、また、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に入るような修正、強化、および他の実施形態すべてを包含するものとする。したがって、本発明の範囲は、法律によって許される最大限の範囲で、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の最も広く許される解釈によって決定すべきであり、前述の詳細な説明によって制限も限定も受けないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビデオ・ストリームをサーバ部で受信すること、
前記複数のビデオ・ストリームのそれぞれを前記サーバ部のバッファ内でバッファすることであって、前記バッファがチャネルに関連するバッファであること、
前記チャネルに関連する少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを前記バッファで生成することであって、前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームが前記バッファのマルチキャスト複製点から生成されるマルチキャスト・ビデオ・ストリームであること、および、
前記チャネルに関連する少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを前記バッファで生成することを含み、
前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームおよび前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームが複数のビデオ・ストリームに基づいて生成される方法。
【請求項2】
複数のセット・トップ・ボックスの内の第1のセット・トップ・ボックスから前記チャネルのための要求を受信すること、および
前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを前記サーバから前記第1のセット・トップ・ボックスに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のセット・トップ・ボックスが前記チャネルに関連するマルチキャスト・グループに加えられるまで、前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを前記サーバが引き続き送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセット・トップ・ボックスが前記チャネルに関連するマルチキャスト・グループに加えられた後で、前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを前記第1のセット・トップ・ボックスへと送信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームが前記第1のセット・トップ・ボックスから前記チャネルのための要求を受信することに応答して生成され、前記第1のセット・トップ・ボックスが少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信した後、前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームの生成を終了することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のビデオ・ストリームがネットワークを通じて前記サーバと結合される獲得サーバからマルチキャストを介して受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バッファがビデオ入力ストリームを受信しバッファするように動作する高速チャネル変更バッファを含み、前記高速チャネル変更バッファが前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームおよび前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを提供するように動作する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記高速チャネル変更バッファが前記マルチキャスト複製点を含み、前記マルチキャスト複製点が、マルチキャスト・グループと関連する前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを、前記マルチキャスト・グループに加えられる複数のセット・トップ・ボックスへと提供するように動作する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マルチキャスト複製点は前記バッファのユニキャスト・ビデオ・ストリーム点とは異なり、前記マルチキャスト複製点が前記高速チャネル変更バッファの冒頭部分であり、前記ユニキャスト・ビデオ・ストリーム点が前記高速チャネル変更バッファの最後尾である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
選択されたチャネルに対応するチャネル変更要求をセット・トップ・ボックスから第1のサーバに送信し、
前記セット・トップ・ボックスで、前記第1のサーバが運転中であるかどうかを決定し、
前記第1のサーバが運転中である場合、前記選択されたチャネルと関連するマルチキャスト・グループを加える前にユニキャスト・ビデオ・ストリームを前記第1のサーバにおけるバッファから受信し、そして、
前記選択されたチャネルと関連する前記マルチキャスト・グループを加えた後で、前記バッファのマルチキャスト複製点からマルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信することを含む方法。
【請求項11】
前記チャネル変更要求は前記セット・トップ・ボックスで受信したチャネル選択に応答して送信され、前記マルチキャスト・グループが加えられるまで前記ユニキャスト・ビデオ・ストリームは受信され、前記ユニキャスト・ビデオ・ストリームと前記マルチキャスト・ビデオ・ストリームは共に、前記選択されたチャネルと関連するバッファされたビデオ・ストリームに基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のサーバが運転中でない場合、前記選択されたチャネルのための要求を獲得サーバへ送信すること、および、
前記獲得サーバから前記マルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のサーバがサービスを再開した後に、前記第1のサーバから前記マルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
バッファと、
プロセッサと、
前記プロセッサによってアクセス可能なメモリと、
前記メモリ内に埋め込まれたコンピュータ・プログラムとを備えるサーバであって、前記コンピュータ・プログラムが、
複数のビデオ・ストリームを、チャネルと対応付けられる前記バッファ内に格納する、前記プロセッサによって実行可能な命令と、
前記チャネルと対応する少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを前記バッファで生成する、前記プロセッサによって実行可能な命令であって、前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを前記バッファのマルチキャスト複製点から生成する命令と、
前記チャネルと対応する少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームをバッファで生成する、前記プロセッサによって実行可能な命令とを備えるコンピュータ・プログラムであり、
前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームおよび前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームが前記複数のビデオ・ストリームに基づいて生成される、サーバ。
【請求項15】
前記コンピュータ・プログラムが、チャネル変更要求をセット・トップ・ボックスから受信する、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに備え、前記チャネル変更要求が前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを要求する、請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
前記コンピュータ・プログラムが、
前記チャネル変更要求を受信することに応答して前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを前記サーバから前記セット・トップ・ボックスに送信する前記プロセッサによって実行可能な命令であって、前記サーバが前記要求チャネルのための前記少なくとも1つのユニキャスト・ビデオ・ストリームを、前記セット・トップ・ボックスが要求されたチャネルと関連する前記マルチキャスト・グループに加えられるまで引き続き送信する命令と、
前記セット・トップ・ボックスが前記マルチキャスト・グループに加えられた後に、前記少なくとも1つのマルチキャスト・ビデオ・ストリームを前記セット・トップ・ボックスに送信する前記プロセッサによって実行可能な命令とをさらに含む、
請求項15に記載のサーバ。
【請求項17】
プロセッサと、
前記プロセッサによってアクセス可能なメモリと、
前記メモリ内に埋め込まれたコンピュータ・プログラムとを備えるセット・トップ・ボックスであって、前記コンピュータ・プログラムが、
サーバが前記セット・トップ・ボックスを、要求されたチャネルに対応するマルチキャスト・グループに加える間、前記サーバにおけるバッファから、前記要求されたチャネルと対応するユニキャスト・ビデオ・ストリームを受信する、前記プロセッサによって実行可能な命令と、
前記サーバが前記セット・トップ・ボックスを前記マルチキャスト・グループに加えた後で、前記バッファのマルチキャスト複製点からマルチキャスト・ビデオ・ストリームを受信する、前記プロセッサによって実行可能な命令とを備える、セット・トップ・ボックス。
【請求項18】
前記セット・トップ・ボックスで受信したチャネル選択に応答して前記チャネル変更要求が前記サーバへと送信され、前記マルチキャスト・グループが加えられるまで前記ユニキャスト・ビデオ・ストリームは前記サーバから受信され、
前記コンピュータ・プログラムが、
前記サーバがいつサービスを提供していないかを判定する、前記プロセッサによって実行可能な命令と、
前記サーバが運転中でない場合、マルチキャスト・ビデオ・ストリームを第2のサーバから受信するための要求を送信する、前記プロセッサによって実行可能な命令とをさらに備える、請求項17に記載のセット・トップ・ボックス。
【請求項19】
前記コンピュータ・プログラムが、
前記サーバがいつサービスを再開したかを判定する、前記プロセッサによって実行可能な命令と、
前記サーバがサービスを再開したと判定することに応答して、前記マルチキャスト・ビデオ出力を前記サーバから受信する、前記プロセッサによって実行可能な命令とをさらに備える、請求項18に記載のセット・トップ・ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−195981(P2012−195981A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159216(P2012−159216)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【分割の表示】特願2008−513505(P2008−513505)の分割
【原出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【出願人】(507220730)エイ・ティ・アンド・ティ インテレクチュアル プロパティ アイ,エル.ピー. (17)
【Fターム(参考)】