説明

ビルディングにおけるフロア数の決定

【課題】ビルディングのフロアの数を決定する方法およびモジュールを提供すること。
【解決手段】本発明は、ビルディングの画像データに基づいてビルディングのフロアの数を決定するための方法に関する。上記方法は、画像データに示されたビルディングの正面の背景色を決定するステップと、ビルディングの正面の背景色から所定の偏差を検出するステップと、ビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するステップと、所定の偏差の決定された平均数に基づいてビルディングのフロアの数を推定するステップと含む。フロアの数は、決定された平均数に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディングのフロアの数を決定するための方法に関し、フロアの数を決定するモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
乗り物のドライバーに対して運転の推薦を提供するナビゲーションシステムが長年の間に知られている。これらのナビゲーションシステムは、運転する方向を示す矢印を単に示すことによって運転に対する推奨を提供し得る。さらに、道路のネットワークを示すマップデータが、ドライバーに対して鳥瞰透視図において表示され得る。次に、推薦されたルートは、運転の推薦と共にディスプレイ上に示される道路ネットワーク上に強調され得る。
【0003】
近年には、表示されたナビゲーション情報は、ますますユーザーに優しくなり、ドライバーによって見られるようにディスプレイ上にシーンの3次元の透視図を表示することが既知である。このコンテンツにおいて、道路に隣接するビルディングが、道路に加えて表示される。
【0004】
そこには、乗り物の周囲を含む道路ネットワークの画像データを含むデータベースが存在する。これらの画像において、道路から見られるようなビルディングまたは他の標識が示される。より大きな地理領域の周囲の画像を提供するのに必要とされるデータの量は、通常に約2メガピクセルを含むビルディングの正面を示すビルディングの画像のように非常に大きい。これらの詳細な画像データは、全国または全大陸のマップデータを含む、乗り物内に組み込まれるナビゲーションシステムに関連して使用されることができない。同時には、乗り物の周囲の3次元表示は、3次元表示が示されるマップデータのユーザーに必要とされ、ユーザーは、窓の外を見るときに、表示されたビルディングが実物と比較される場合に、少なくとも乗り物の周囲に示される、表示されたビルディングを認識し得る。これは、表示されたビルディングのフロアの数が現実のビルディングのフロアの数に対応する場合に可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(要約)
従って、画像データに示されたビルディングのフロアの数を効率的に、かつ信頼し得るように決定する可能性を提供するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このニーズは、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項において、本発明の好ましい実施形態が説明される。
【0007】
本発明の第1の局面に従って、ビルディングの画像データに基づいてビルディングのフロアの数を決定するための方法が提供され、方法は、画像データに示されたビルディングの正面の背景色を決定するステップを含む。さらに、背景色から所定の偏差は、ビルディングの正面において検出され、ビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数は、検出された所定の偏差に基づいて決定される。所定の偏差の決定された平均数に基づいてビルディングのフロアの数が推定され、フロアの数は、決定された平均数に対応する。正面の背景色、すなわちテクスチャは、容易に決定され得る。正面における窓または扉は、正面と比較して異なる色を有する。正面の背景色において窓または扉の形状を有する所定の偏差が検出される場合に、正面における窓または扉が検出される。垂直方向における窓/扉の数から、平均値および平均数が計算され得、平均数は、高い見込みでフロアの数に対応する。ビルディングのフロアの数がフロア平面と共に既知である場合に、ビルディングの概略図が生成され得、現実的にビルディングの外観と類似する。
【0008】
一実施形態に従って、所定の偏差は、ビルディングの正面を複数の垂直断面に分けることによって決定され得る。次に、背景色からの所定の偏差は、各垂直断面に対して決定され得、所定の偏差の平均数は、さまざまな垂直断面に対して決定されたそれぞれの所定の偏差に基づいて決定され得る。正面のいくつかの断面において所定の偏差の数を決定することによって、決定された平均数がフロアの数に対応する見込みがさらに増大される。
【0009】
平均数を決定する1つの追加の可能性は、複数の垂直断面内に所定の偏差を有しない第1の垂直断面の決定であり、第1の垂直断面には、所定の偏差が検出されない。次に、所定の偏差を有しないこれらの第1の垂直断面は、所定の偏差の平均数の決定から除外され得る。第1の垂直断面において、窓または扉が検出されていない。このような垂直断面は、主に窓を有しない正面を示す。この断面において所定の偏差の数が平均偏差の決定内に含まれた場合に、計算された平均数は、フロアの数に対応しない場合がある。
【0010】
平均数の決定をさらに向上させるためのもう1つの可能性は、以下:複数の垂直断面内に第2の垂直断面が決定され、第2の垂直断面には、所定の偏差の数は、閾値より多い分で他の垂直断面において決定された所定の偏差の数と異なることである。他の垂直断面において決定された所定の偏差の数を決定するために、偏差を有しない第1の垂直断面が既に除外され得る。次に、これらの第2の垂直断面はまた、平均数の決定から除外され得る。これらの第2の垂直断面の除外は、フロアの数の決定の信頼性をさらに向上させることを助ける。例として、正面は、1つの窓のみが垂直方向において提供される断面を含み得、ビルディングは、4つまたは5つのフロアを有する。垂直断面が平均数の決定に対して考慮された場合に、結果は、間違う場合がある。従って、これらの第2の垂直断面が平均数の決定から除外される場合に、フロアの数の決定の精度がさらに向上される。
【0011】
正面の色における偏差が検出された窓に対応するか否かを決定するために、所定の形状が決定され得、検出された偏差が所定の偏差に比較され得る。例として、偏差は、偏差が所定の範囲内にある高さに対する幅の比率を有する実質的に長方形である場合に、所定の偏差であるように考えられ得る。範囲を決定することによって、異なる窓の形式が窓の検出に含まれ得る。
【0012】
フロアの数が決定された場合に、ビルディングのグラフィック表示が生成されることを可能にするビルディングの他の情報と共にフロアの数を格納することが可能である。グラフィック表示のフロアの数が現実に対応する場合に、グラフィック表示が示されるユーザーは、表示されたビルディングを容易に認識し得る。
【0013】
減少された記憶容量と共にビルディングの現実的な表示を可能にするビルディングデータを格納するための1つの可能性は、フロアの数が格納され、ビルディングのフロア平面にリンクされる場合である。フロア平面およびフロアの数に基づいて、ビルディングの現実的な表示が生成され得る。
【0014】
さらに、フロアの数が既知である場合に、垂直方向に隣接する所定の偏差に基づいて、そしてフロアの数に基づいてビルディングの正面上の異なるフロアを決定することが可能である。この知識を用いて、このビルディングの表示画像は、ビルディングのそれぞれのフロアに対する異なるテクスチャで生成され得る。表示された情報がナビゲーション目的のために使用される場合に、そしてユーザーによって指示された目的地位置があるフロアに位置する場合に、目的の位置があるディスプレイ上のフロアを示すことが可能である。
【0015】
異なるフロアを決定する1つの可能性は、2つの垂直方向に隣接する偏差の間の距離を決定することによって2つのフロアの間の境界を決定することであり、境界は、2つの垂直方向に隣接する偏差の距離の半分であるように決定される。
【0016】
本発明はさらに、ビルディングの画像データに基づいてビルディングのフロアの数を決定するためのモジュールに関し、モジュールは、画像データに示されたビルディングの正面の背景色を決定するように構成される処理ユニットを含む。処理ユニットはさらに、ビルディングの正面の背景色から所定の偏差を検出するように構成され、そしてビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するように構成される。さらに、処理ユニットは、決定された平均数に基づいてビルディングのフロアの数を推定するように設計され、フロアの数は、決定された平均数に対応する。処理ユニットは、前および後により詳細に議論されるように平均数を決定し得る。
【0017】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
ビルディングの画像データに基づいて該ビルディングのフロアの数を決定する方法であって、
該方法は、
該画像データに示された該ビルディングの正面の背景色を決定するステップと、
該ビルディングの正面の該背景色から所定の偏差を検出するステップと、
該検出された所定の偏差に基づいて、該ビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するステップと、
該所定の偏差の該決定された平均数に基づいて、該ビルディングの該フロアの数を推定するステップと
を含み、
該フロアの数は、該決定された平均数に対応する、方法。
(項目2)
上記所定の偏差は、上記ビルディングの正面を複数の垂直断面に分けることによって決定され、上記背景色からの所定の偏差は、各垂直断面に対して決定され、上記所定の偏差の平均数は、さまざまな垂直断面に対して決定されたそれぞれの所定の偏差に基づいて決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記所定の偏差の平均数を決定するために、
上記複数の垂直断面内に所定の偏差を有しない第1の垂直断面を決定するステップであって、該第1の垂直断面において、所定の偏差が検出されない、ステップと、
該所定の偏差の平均数の決定から所定の偏差を有しない該第1の垂直断面を除外するステップと
が実行される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記所定の偏差の平均数を決定するために、
上記複数の垂直断面内に第2の垂直断面を決定するステップであって、該第2の垂直断面において、所定の偏差の数は、閾値より多い数だけ、他の垂直断面において決定された上記所定の偏差の数と異なる、ステップと、
該所定の偏差の平均数の決定から該第2の垂直断面を除外するステップと
が実行される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記正面における偏差は、実質的に、該偏差が所定の範囲内にある、高さに対する幅の比率を有する長方形である場合に、所定の偏差であると考慮される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記フロアの数が格納され、上記ビルディングのグラフィック表示が生成されることを可能にする該ビルディングの他の情報にリンクされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記フロアの数が格納され、上記ビルディングのフロア平面にリンクされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記ビルディングのフロア平面および上記決定されたフロアの数を用いて、該ビルディングの表示画像を生成するステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
垂直方向に隣接する所定の偏差の間の垂直距離に基づいて、かつ、上記推定されたフロアの数に基づいて、上記ビルディングの正面上の異なるフロアを決定するステップと、
該ビルディングのそれぞれの異なるフロアに対して、異なるテクスチャを用いて該ビルディングの表示画像を生成するステップと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
2つのフロアの間の境界は、2つの垂直方向に隣接する所定の偏差の間の距離を決定することによって決定され、該境界は、該2つの垂直方向に隣接する偏差の距離の半分であるように決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
ビルディングの画像データに基づいて該ビルディングのフロアの数を決定するモジュールであって、該モジュールは、該画像データに示された該ビルディングの正面の背景色を決定するように構成され、かつ該ビルディングの該正面の該背景色から所定の偏差を検出するように構成された処理ユニットを含み、該処理ユニットはさらに、該ビルディングの該正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するように構成され、かつ該決定された所定の偏差の平均数に基づいて該ビルディングの該フロアの数を推定するように構成され、該フロアの数は、該決定された平均数に対応する、モジュール。
【0018】
(摘要)
本発明は、ビルディングの画像データに基づいてビルディングのフロアの数を決定するための方法に関する。上記方法は、画像データに示されたビルディングの正面の背景色を決定するステップと、ビルディングの正面の背景色から所定の偏差を検出するステップと、ビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するステップと、所定の偏差の決定された平均数に基づいてビルディングのフロアの数を推定するステップと含む。フロアの数は、決定された平均数に対応する。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、ビルディングの画像データを用いてフロアの数の決定を可能にするモジュールの概略図を示す。
【図2】図2は、フロアの数を決定するために、図1のモジュールによって実行されたメインステップを含むフローチャートを示す。
【図3】図3は、ビルディングの正面の概略図と、正面の背景色からの平均偏差がどう決定されることとを示す。
【図4】図4は、異なるフロアが示される、表示されたビルディングの概略図である。
【図5】図5は、正面の画像がどう背景色および窓を知るように生成され得る概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(簡単な説明)
図1において、モジュール10が概略的に示され、画像データに示されるビルディングのフロアの数は、モジュール10を用いて高精度で決定され得る。モジュールは、ビルディングの画像データを含むデータベース12に接続される。これらの画像データは、乗り物が街道ネットワークに進むと同時に周囲からの画像を撮ることによって生成され得る。画像データは、飛行機または他の飛行する乗り物を用いてさらに生成され得る。画像データを含むデータベースは、モジュール10に直接に接続され得る。もう1つの実施形態において、データベース12は、モジュール10から離れて配置され得、部分的にモジュール10に伝送され得る。
【0022】
さらに、モジュールは、ユーザーに所定の目的地をガイドするナビゲーションシステに対して現在使用されるようなマップ情報を含むマップデータ13に接続される。マップデータは、道路ネットワークを含み、さらに、特に、ビルディングを含む周囲の道路についての情報を含む。例として、データベース13は、道路ネットワークに加えてビルディングのフロア平面を含み得る。モジュール10は、データベース12に含まれる画像データを用いてビルディングのフロアの数を決定するように構成される処理ユニット11を含む。ビルディングのフロアの数の決定は、図2〜5を参照してさらに詳細に議論される。フロア数が処理ユニットによって決定される場合に、ビルディングのフロア数が、データベース13に含まれるマップデータに加えられ得る。街道ネットワークを含むマップデータ、ビルディングのフロア平面およびフロアの対応する数は、次に、ナビゲーションシステムに関連して使用され得る。図1に示されるシステムは、ナビゲーションシステムの一部分であり得る。しかしながら、モジュール10によって決定されるマップデータまたはフロアデータがさらなる使用のためにナビゲーションシステムに提供されることも可能である。
【0023】
フロアの数を決定するための方法が、以下により詳細に、そして図2および図3を参照してさらに詳細に議論される。図3において、データベース12に格納される画像の1つの例がより詳細に示される。画像は、正面31を有するハウジング300を示す。示される実施形態において、ビルディングは、3つの異なるフロアを有し、長方形のフロア平面を有する。
【0024】
図2に関連して、画像データに基づいてフロアの数を決定するために実行されたステップがより詳細に議論される。方法は、ステップS20において開始し、第1のステップにおいて正面がビルディングにおいて識別される。図3から理解され得るように、ハウジングの正面31は、画像データにおいてエッジを検出することが可能である既知の後処理のアルゴリズム(例えば、Cannyフィルタまたはガウスフィルタ)を用いることによって画像内に決定され得る。例として、前面正面31は、通常に水平線である軒溝33によって屋根32に対して定められる。当分野において既知のエッジ検出アルゴリズムを用いて、画像は、正面の端、例えば、左端34および右端35が検出され得るような方法で処理され得る。これらの端は、軒溝と共に正面を形成する(ステップS21)。次のステップにおいて、正面の背景色は、正面のテクスチャに対応する正面のRGB値を決定することによって決定される(ステップS22)。従って、正面は、長方形の端において単一色の表面を検出することによって画像において検出され得る。他の例において、均一のテクスチャは、正面が均一の色を有する必要がないが、異なる色の均一のパターンも有し得る場合に検出される。都市領域において、隣接するビルディングは、しばしば互いに接続される。2つの隣接するビルディングを区別することを可能にするために、以下の事実:ビルディングの高さ、正面の異なる色、窓の異なる形状および整列、および/または道路までビルディングの異なる距離が考慮に入れられ得る。
【0025】
図3において見られ得るように、正面は、異なる垂直断面36、例えば、異なる断面36a〜36hに分けられる(ステップS23)。次に、異なる断面は、背景色からの偏差を検出するためにさらに処理される。画像に示される窓37または扉38は、背景と異なる色を有する。色を決定する1つの可能性は、立方体の形を有するコード化された空間の使用である。この空間の色は、3つのパラメータL、a、bによって説明される。Lは、ポイントの明るさを説明し、値Lmaxが白色を表し、最小値Lminが黒色を表す。パラメータaおよびbは、境界を有せず、正のaが赤色を示し、その一方で負のaが緑を表す。正のbの値は、黄色を示し、負のbは、青色を示す。断面36aにおいて、破線で示される表面が検出される。検出された偏差は、次にカテゴリー化され、検出された偏差が所定の形状に対応する形状を有する場合に、偏差は、ビルディングのフロアの数を決定するために使用される所定の偏差として分類される。例として、正面に見つけられた偏差は、偏差が実質的に長方形の形状を有する場合に、所定の偏差であるように考えられる。さらに、高さに対する幅の比率のある範囲が決定され得る。例として、長方形であり、かつ2:1から1:8の間の高さに対する幅の比率を有する各偏差は、窓または扉として分類され得る。しかしながら、他の形状が検出され、例えば、丸い形状、または図3に示されるような扉の場合であり得、扉38がその上部部分において長方形ではないように上の部分を除いて長方形である形状の場合に、偏差も所定の偏差であるように考えられ得ることが理解されるべきである(ステップS24)。
【0026】
偏差の数は、各垂直断面36a〜36hに対して検出される。図3から理解され得るように、断面36cおよび36gにおいて、偏差が見つけられることができず、このことは、所定の偏差の定義下に分類される。
【0027】
示される実施形態において、各断面に対して見つけられた所定の偏差の数は、以下のようである。
【0028】
【化1】

3つの所定の偏差は、断面36a、36bおよび36fに対して垂直方向において検出され、断面36cおよび36gにおいて所定の偏差があらず、断面36dにおいて4つの所定の偏差があり、そして断面36eおよび36hにおいて1つの所定の偏差がある。各断面において見つけられた所定の定義の数に基づいて、フロアの数が推測され得る。最後に、所定の偏差が検出されなかった垂直断面(示される実施形態における断面36cおよび36g)が識別され、これらの断面が計算から除外される(ステップS25)。さらに、1つの偏差のみが見つけられた2つの断面(ここでは、断面36eおよび36h)が見つけられ、その一方で、他の残りの断面において、3つまたは4つの偏差が見つけられる。ステップS25において偏差を有しない断面を除外した後に、偏差の数が他の断面において見つけられた偏差の数と大いに異なる断面が除外される。この比較に対して、偏差が見つけられなかった断面が既に除外される。従って、所定の偏差が見つけられる垂直断面が、互いに比較され、見つけられた偏差の数が所定の閾値(ここでは、2)より多い分で他の断面において見つけられた数と異なる場合に、対応する断面も除外される(ステップS26)。従って、示される実施形態において、断面36eおよび36hが計算から除外される。残りの断面(断面36a、36b、36dおよび36f)は、次に所定の偏差の平均数を決定するために使用される。示される実施形態において、残りの断面における所定の偏差の数は、以下の3、3、4、3のようである。次に、残りの断面に対する平均の偏差は、示される実施形態において3.25である。ここで、平均数は、平均に基づいて、次の整数、示される実施形態において3を取ることによって計算される。計算された値が3.8または3.9であった場合に、数4は、平均偏差として決定され得る。従って、決定された平均に最も近く位置する次の整数が平均数として使用される(ステップS27)。示される例において、所定の偏差(窓または扉)の計算された数は3である。次のステップにおいて、フロアの数は、決定された平均数から推定され得、フロアの数が単に平均数に対応し、実施形態において3である(ステップS28)。ステップS28において決定された計算が図3に示される図に比較される場合に、フロアの正しい数が画像処理から推定されることが推定され得る。ステップS29において、フロアの数は、マップデータベース13内の他の情報と一緒に、例えば、フロア平面と一緒に格納され得る。方法は、ステップS30において終了する。示される実施形態において、平均偏差は、決定された平均を次の整数に回ることによって決定される。
【0029】
図4に関連して、既知のフロア平面41を有するビルディング40が示される実施形態が示される。フロアの数は、図2および図3に関連して上に説明されるように決定されていることが仮定される。示される実施形態においてフロアの決定された数は、4である。図1に示される処理ユニットはさらに、グラウンドフロアの情報と、フロアの数についての情報とを用いて画像データを生成するように構成され得る。これらの2つの部分の情報を用いて、ビルディングがどうのように見える現実的な表示が得られる。
【0030】
さらに、処理ユニット11は、決定されたフロアの数の知識を用いて、検出された所定の偏差を用いてビルディングの異なるフロアを決定するように構成され得る。図4に示される実施形態において、2つの窓42および43が示される。これらの2つの窓は、前述のような所定の偏差として検出される。垂直方向において2つの隣接する窓が識別された場合に、2つの隣接する窓の間の距離は、画像データ上に決定され得る。この知識を用いて、2つのフロアの間の境界は、2つの窓42と窓43との間の距離の半分をとることによって決定され得る。2つのフロアの間の境界の決定のために、所定の偏差が決定されたフロアの数または平均偏差に対応する垂直断面が使用され得る。これは、異なる境界または間違った境界が1つのビルディングに対して決定されることを防ぐのを助ける。2つのフロアの間の境界が分かれば、異なるテクスチャを有する異なるフロアを表示することが可能である。これは、ユーザーにとって、異なるフロアを区別することが容易になる。ビルディングの表示された画像がナビゲーションシステムに関連して使用される場合に、所望の目的地のフロア数が既知である場合に、所望の目的地が位置するフロアを詳細に示すことが可能である。
【0031】
決定されたフロアの数についての情報および背景色の情報はまた、以下の方法:背景色、正面の色、決定された背景の色を有する、生成され得る正面の寸法有する第1の層を知ることで画像データに格納するように使用され得る。図5に示される実施形態において、この層、背景テクスチャが参照数字51を用いて示される。さらに、窓または扉が、所定の偏差の検出を用いて決定される。第2のデータ層が、生成され得、検出された窓を含む。図5の上方の右部分において、窓の層が参照数字52によって示される。次に、これらの2つの層は、図5の下方部分の画像53において示されるような色の表示を生成するように組み合わせられ得る。次に、この表示は、ユーザーに表示され得る。
【0032】
所定の偏差が正面において検出された場合に、異なる形状の窓および扉が検出されることが可能である。次に、異なる偏差は、ライブラリに格納され得、このライブラリは、正面に見つけられた偏差をライブラリに格納された既知の所定の偏差に比較することによって所定の偏差を識別するために使用され得る。検出された形状が所定の偏差内になり、しかしなお形状のライブラリに含まれていない場合に、偏差の新たに見つけられた形が、ライブラリに加えられ、かつ所定の偏差であるように分類される。
【0033】
まとめると、本発明は、高い信頼性および精度を有する画像上に示されるビルディングのフロアの数を決定することを可能にする。
【符号の説明】
【0034】
300 ハウジング
31 正面
32 屋根
33 軒溝
34 左端
35 右端
36a〜36h 垂直断面
37 窓
38 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングの画像データに基づいて該ビルディングのフロアの数を決定する方法であって、
該方法は、
該画像データに示された該ビルディングの正面の背景色を決定するステップと、
該ビルディングの正面の該背景色から所定の偏差を検出するステップと、
該検出された所定の偏差に基づいて、該ビルディングの正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するステップと、
該所定の偏差の該決定された平均数に基づいて、該ビルディングの該フロアの数を推定するステップと
を含み、
該フロアの数は、該決定された平均数に対応する、方法。
【請求項2】
前記所定の偏差は、前記ビルディングの正面を複数の垂直断面に分けることによって決定され、前記背景色からの所定の偏差は、各垂直断面に対して決定され、前記所定の偏差の平均数は、さまざまな垂直断面に対して決定されたそれぞれの所定の偏差に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の偏差の平均数を決定するために、
前記複数の垂直断面内に所定の偏差を有しない第1の垂直断面を決定するステップであって、該第1の垂直断面において、所定の偏差が検出されない、ステップと、
該所定の偏差の平均数の決定から所定の偏差を有しない該第1の垂直断面を除外するステップと
が実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の偏差の平均数を決定するために、
前記複数の垂直断面内に第2の垂直断面を決定するステップであって、該第2の垂直断面において、所定の偏差の数は、閾値より多い数だけ、他の垂直断面において決定された前記所定の偏差の数と異なる、ステップと、
該所定の偏差の平均数の決定から該第2の垂直断面を除外するステップと
が実行される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記正面における偏差は、実質的に、該偏差が所定の範囲内にある、高さに対する幅の比率を有する長方形である場合に、所定の偏差であると考慮される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記フロアの数が格納され、前記ビルディングのグラフィック表示が生成されることを可能にする該ビルディングの他の情報にリンクされる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記フロアの数が格納され、前記ビルディングのフロア平面にリンクされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ビルディングのフロア平面および前記決定されたフロアの数を用いて、該ビルディングの表示画像を生成するステップをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
垂直方向に隣接する所定の偏差の間の垂直距離に基づいて、かつ、前記推定されたフロアの数に基づいて、前記ビルディングの正面上の異なるフロアを決定するステップと、
該ビルディングのそれぞれの異なるフロアに対して、異なるテクスチャを用いて該ビルディングの表示画像を生成するステップと
をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
2つのフロアの間の境界は、2つの垂直方向に隣接する所定の偏差の間の距離を決定することによって決定され、該境界は、該2つの垂直方向に隣接する偏差の距離の半分であるように決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ビルディングの画像データに基づいて該ビルディングのフロアの数を決定するモジュールであって、該モジュールは、該画像データに示された該ビルディングの正面の背景色を決定するように構成され、かつ該ビルディングの該正面の該背景色から所定の偏差を検出するように構成された処理ユニットを含み、該処理ユニットはさらに、該ビルディングの該正面の垂直方向において所定の偏差の平均数を決定するように構成され、かつ該決定された所定の偏差の平均数に基づいて該ビルディングの該フロアの数を推定するように構成され、該フロアの数は、該決定された平均数に対応する、モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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