説明

ビーズ組立治具及び該ビーズ組立治具を備えたビーズ玩具セット

【課題】 筒状体のビーズ装飾品を容易に製作可能とするビーズ組立治具、及びビーズの寸法誤差に左右されず美観に優れたビーズピースを製作するための前記ビーズ組立治具を備えたビーズ玩具セットを提供する。
【解決手段】 内周面を有して筒状に延びる筒状部2と、該筒状部2の内周面から突出する複数のリブ3を備え、該リブ3は、該筒状部2の上端近傍から下端近傍まで突出し、該リブ3の下端においては前記内周面に対して略垂直に伸長するビーズ組立治具1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状のビーズピースを筒状体に組立てるためのビーズ組立治具及び該ビーズ組立治具を備えたビーズ玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりビーズを用いて絵模様を製作するビーズ玩具があり、例えば、ビーズを熱融解して互いを融着することにより模様を作るビーズ玩具や、接着面にビーズを接着させて模様を作るビーズ玩具等がある。
【0003】
本願出願人は、液体に接触することにより表面が溶解し乾燥により接着力が活性化する略真球形状の樹脂ビーズの表面を湿潤状態とすることにより、隣り合うビーズ同士を接着させてビーズ絵模様を製作するビーズ玩具セットを提案している(例えば、特許文献1参照)。本願出願人はまた、前記水融解性の略真球形状のビーズを配列するための互いに連結可能なビーズ保持トレイも提案しており、これにより、長尺やサイズの大きなビーズ絵模様の製作を可能としている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
上記水融解性のビーズによるビーズ絵模様の製作において、当該ビーズを平面的に配列して平面絵模様を製作するのはもちろん、複数の平板状ビーズピースを組み合わせてピース同士の接触部分を湿潤乾燥することにより互いを接着させて立体的な装飾品を製作することができる。また、筒状や環状の装飾品は、帯状に作成したビーズピースの両端部を互いに接着させて製作し、例えば、円筒状の型等の外周面に帯状のビーズピースを両端部を接触させて巻き付け、輪ゴム等の紐状固定具で固定してから両端部を湿潤乾燥させて製作していた。
【特許文献1】実用新案登録第3131292号公報
【特許文献2】実用新案登録第3132468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の方法で筒状や環状の装飾品を製作する場合、帯状ビーズピースの両端部の外方向に開こうとする力、つまり帯状に戻ろうとする力により端部同士がずれて上手く接着できないことがあった。装飾品の径が小さくなるにつれてこの力は大きくなり製作が困難となるとともに、上手く接着できても端部接着部分が角張った状態で接着されてしまう等の問題があった。
【0006】
また、ビーズの寸法誤差により、長尺な帯状ビーズピースを作成すると、その寸法誤差の累積によりビーズが所定位置に嵌らずピース平面に凹凸ができて美観が損なわれることがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑み、帯状のビーズピースを筒状体に組立てたビーズ装飾品を容易に製作可能とするビーズ組立治具、及びビーズの寸法誤差に左右されず美観に優れたビーズピースを製作するための前記ビーズ組立治具を備えたビーズ玩具セットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、帯状ビーズピースを環状に組立てるためのビーズ組立治具であって、内周面を有し筒状に延びる筒状部と、該筒状部の内周面から突出する複数のリブを備え、該リブは、該筒状部の上端近傍から下端近傍まで突出し、該リブの下端においては前記内周面に対して略垂直に伸長することを特徴とするビーズ組立治具に関する。
【0009】
本発明のビーズ組立治具は、前記筒状部の下端内周面から連続して延在する底部を備え、前記内周面に対して略垂直に伸長するリブを該底部上面に位置させる。
【0010】
前記内周面から突出するリブのリブ厚みはビーズの半径乃至直径とし、リブ幅はビーズの略半径乃至直径よりも僅かに大きい長さとすることが好ましく、前記リブの間隔を30°〜180°とすることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、水融解性の樹脂ビーズでビーズ装飾品を製作するためのビーズ玩具セットであって、上記ビーズ組立治具と、ビーズ保持トレイと、イラストシートを備えることとする。
【0012】
前記イラストシートには丸柄により任意の帯状図柄が描かれ、該帯状図柄は所定箇所の丸柄を間引いて余白部を設けて構成された図柄であることが好ましく、更に、複数丸柄の小図柄を描いたシートを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のビーズ組立治具に水融解性のビーズで作成した帯状のビーズピースを両端部を接触させて挿入し、接触した両端部一帯を湿潤乾燥させることにより、容易に筒状体のビーズ装飾品を製作することができる。
【0014】
本発明のビーズ組立治具は、内周面に複数のリブを備え、該リブは底部上面に伸長しているため、ビーズ組立治具に挿入された帯状ビーズピースがビーズ組立治具の内周面と底面に直接接触することがない。従って、余分な水分がビーズに付着するのを防ぎ、且つ、乾燥を促進することができる。
【0015】
また、リブを帯状ビーズピースがビーズ組立治具の筒状部内周面に接触しない間隔で設け、該リブの厚みをビーズの直径よりも小さくしているため、帯状ビーズピースと筒状部内周面との間に補助ビーズピースを挿入することができ、該帯状ビーズピースの両端部の接着を補強できる。
【0016】
更に、本発明のビーズ玩具セットはビーズ組立治具、ビーズ保持トレイ及びイラストシートを備えているため、ビーズ保持トレイの下にイラストシートを敷き、ビーズ組立治具の大きさに合わせた帯状ビーズピースを容易に作成することができる。
【0017】
また、該イラストシートには所定の箇所の丸柄を間引いて構成された帯状図柄が描かれているため、ビーズに寸法誤差があってもビーズを間引いた空間部分で寸法誤差を吸収してビーズをずれなく所定位置に配置することができるので、美観に優れたビーズ装飾品を製作でき、更に、帯状ビーズピースを環状に湾曲させることも容易となる。そして、複数丸柄の小図柄を描いたイラストシートを合わせて備えれば、美麗な小片のビーズピースであって帯状ビーズピースの両端部の接続を補強しつつ美しい環状のビーズ装飾品とすることのできる補助ビーズピースを合わせて製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るビーズ組立治具は、内周面を有し筒状に延びる筒状部、該筒状部の下端内周面から連続して延在する底部、及び、該筒状部の内周面の上端近傍から下端近傍まで突出し、下端においては底部上面に伸長する複数のリブを備えている。当該リブは、30°〜180°の間隔で設けられ、前記内周面から突出するリブのリブ厚みはビーズの半径乃至直径とされ、このリブのリブ幅はビーズの略半径乃至直径よりも僅かに大きい長さとされる。
【0019】
また、本発明に係るビーズ玩具セットは、上記ビーズ組立治具、ビーズ保持トレイ、及び、イラストシートを備え、該イラストシートには丸柄により所定箇所を間引いて余白部を設けて構成した任意の帯状図柄が描かれている。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明のビーズ組立治具及びビーズ玩具セットの一実施形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、本実施形態に何ら限定されるものではない。
【0021】
図1は本発明に係るビーズ組立治具の斜視図であり、図2は本発明に係るビーズ組立治具の中央断面立面図である。図3はビーズ保持トレイを示す図であり、図4はイラストシートを示す図である。図5はビーズピースの斜視図である。図6及び図7は筒状のビーズ装飾品の製作工程を説明する図である。図8は本発明に係るビーズ玩具セットを用いて製作したビーズ装飾品の斜視図である。
【0022】
本発明のビーズ組立治具1は、帯状に作成したビーズピースの両端部を接着し、筒状体とする際に使用するためのものである。該ビーズ組立治具1は、図1に示したように、内周面を有する筒状部2と、該筒状部2の下端に連続する底部4と、該筒状部2の内周面から突出する複数のリブ3とを備えている。
【0023】
前記筒状部2は、略正円の筒状体であり、内周面を有して筒状に所定高さ分延びている。該筒状部2の直径は、使用するビーズの直径や製作する装飾品のサイズにより適宜変更可能であるが、筒状部2の直径を小さくしすぎると帯状ビーズピースを湾曲させたときにビーズ同士の接着部分で折曲する恐れがあり、該帯状ビーズピースを筒状体とするのが困難となるため好ましくない。例えば、王冠を模したビーズ装飾品を製作する場合は筒状部2の直径を5cm〜20cm程度とすることが好ましいが、より大きな直径とすることもある。また、直径が大きい場合は、幼児や小児では作成しづらくなるも、完成時の達成感等の楽しみを大きくすることができる。
【0024】
前記底部4は、前記筒状部2の下端内周面から連続して延在し、該筒状部2の下端側を閉塞している。該底部4は、帯状ビーズピースの両端部を接着する際に使用する水分のうち余分な水分を滴下させ、治具外へ飛散させないようにしている。
【0025】
そして、前記リブ3は、筒状部2の内周面の上端から下端まで突出した周縁リブ3aと、該周縁リブ3aの下端から底部4の上面を筒状部2の内周面に対して略垂直に伸長した底部リブ3bとを有し、図1及び図2に示したように、側面視略L字形状に形成されている。
【0026】
周縁リブ3aは帯状ビーズピースの外周面を支持するとともに、前記筒状部2の内周面と帯状ビーズピースとの間に空間を設けて後述する補助ビーズピースを挿入可能とするものであり、該周縁リブ3aのリブ厚みdはビーズの半径乃至直径程度とし、リブ幅wはビーズの略半径乃至直径よりも僅かに大きい長さとしている。リブ厚みdがビーズの半径よりも小さい場合、補助ビーズピースを挿入する十分な空間を設けることができなくなり好ましくなく、リブ厚みdをビーズの直径よりも大きくすると、該補助ビーズピースを筒状部2の内周面と帯状ビーズピースとで挟持できなくなるため好ましくない。また、リブ幅wをビーズの略半径よりも短くすると、該リブ3がビーズ同士の接着部分に接触した場合にその接着部分を破断したり、支持安定性が悪くなるため好ましくなく、リブ幅wをビーズの直径よりも大きくしすぎると、リブ3に接触するビーズが多くなり余分な水分が滞留して樹脂滓となり美観を損なう恐れがあるので好ましくない。
【0027】
底部リブ3bは帯状ビーズピースの最下段のビーズが底部4と直接接触するのを防ぐために設けられる。該底部リブ3bの高さhは所望高さとし、リブ幅wはビーズの直径と略等しいか直径よりも僅かに大きくするものである。これは底部リブ3bが帯状ビーズピースを安定的に支持するために少なくとも1個のビーズを支持するように構成するためである。また、帯状ビーズピースの最下段を波模様とする場合はビーズ数個分のリブ幅wとすることもある。そして、リブ長さLはビーズの半径よりも長く伸長して、確実にビーズを支持する。
【0028】
図1及び図2に示した本実施形態のビーズ組立治具1において、周縁リブ3aと底部リブ3bのリブ幅wは同じ幅とし、ビーズの略半径乃至直径よりも僅かに大きい長さなどとして構成している。
【0029】
前記リブ3は複数個設けられており、帯状のビーズピースを両端部が接触するように湾曲させてビーズ組立治具1内に挿入したときに帯状ビーズピースが筒状部2の内周面に接触しない間隔で設ける。本発明において、リブ3の数及び設置間隔は筒状部2の直径に合わせて適宜調整すればよく、リブ間の角度を30°〜180°の複数とし、好ましくは30°〜120°程度として3個以上の配置とすれば、帯状ビーズピースの下端を安定的に保持することができる。図1に示したビーズ組立治具1は、6個のリブ3を等間隔で配置して構成しているが、間隔を異にして配置しても良い。
【0030】
従って、帯状のビーズピースをビーズ組立治具1内に挿入したとき、該帯状ビーズピースは、外周面において筒状部2から突出した周縁リブ3aと接触し、最下段のビーズが底部4の上面に伸長した底部リブ3bと接触することとなる。底部リブ3bのリブ幅wはビーズの直径と略等しいか直径よりも僅かに大きい長さ程度であるため、少なくとも1つのビーズが各底部リブ3b上に載置されることとなり、帯状ビーズピースを安定して保持することが可能となる。
【0031】
このビーズ装飾品の製作に水融解性の樹脂ビーズを使用する場合、ビーズ同士の接着に水などの液体を使用するが、液体の塗布量が多すぎるとビーズの融解量が増え、水中に溶け出した接着成分が滓のようになってビーズに付着し、美観が損なわれる場合がある。従って、余分な水分は除去することが好ましく、ビーズ組立治具1の底部4には底部リブ3bが伸長しているため、ビーズピースと底部4の間に空間ができ、余分な水分は該底部4に落下させることが可能となる。
【0032】
また、ビーズ組立治具1の筒状部2にも周縁リブ3aが突出しているため、挿入された帯状ビーズピースは当該周縁リブ3aと接触するビーズのみで支持されて筒状体を形成する。従って、帯状ビーズピースと筒状部2の内周面との間に空間が形成され、該空間に位置するビーズに付着した余分な水分を下方に落下させたり、該空間にビーズで作成した補助ビーズピースを挿入して帯状ビーズピースの両端部同士の接着を補強したり、装飾を施すことができる。
【0033】
ビーズ組立治具1は、合成樹脂、セラミック素材、木材、金属等の形状加工が可能な材料により作製することができ、例えば、合成樹脂を射出成形したり、合成樹脂薄板を真空成形することにより一体成型として作製することができる。
【0034】
本発明のビーズ組立治具1を用いて立体的な筒状体のビーズ装飾品を製作するためには、まず、帯状のビーズピース7を作成する。帯状ビーズピース7の作成には、水融解性のビーズ71と、該ビーズ71を配列するビーズ保持トレイ5と、帯状ビーズピース7の図柄を描いたイラストシート6を用いる。
【0035】
前記ビーズ71は、液体に接触することにより表面が溶解し乾燥により接着力が活性化する略真球形状の樹脂製ビーズであり、種々の色により着色がなされている。
【0036】
前記ビーズ保持トレイ5は、前記イラストシート6が視認可能なように、透明又は半透明とされる。該ビーズ保持トレイ5は、図3に示したように、所望肉厚の略正方形の樹脂製薄板であり、上面にはビーズ71を配列するための窪み51が全面に規則的に形成されている。この窪み51は窪み列を形成し、隣接する窪み列は半ピッチ分だけ列方向にずれて、載置されるビーズ同士が互いに接するようにされている。また、該窪み51は略半球形状に形成され、該窪み51の開口径はビーズ71を窪み51の上端周縁部のみで支持するようにビーズ71の直径よりも小さい大きさとされている。
【0037】
また、ビーズ保持トレイ5の第1の側壁と該第1の側壁に直交する第2の側壁には係止凸部52を設け、第1の側壁に対向する第3の側壁と第2の側壁に対向する第4の側壁の内側には該係止凸部52に係合する係止凹部(図示しない)を形成しており、ビーズ保持トレイ5は互いに連結可能とされている。
【0038】
そして、前記イラストシート6には、上面にビーズ71の直径と略等しい直径の丸柄61で種々の図柄が描かれている。図4(a)に示すイラストシート6には帯状ビーズピース7を作成するための長尺の帯状図柄62が描かれており、その長さはビーズ組立治具1のリブ面の円周と略等しい長さとされている。また、帯状図柄62には、中間部分の所定箇所の丸柄を間引いて余白部64を繰り返すように設け、帯状ビーズピース7においてビーズ71が密集しないように構成している。そして、帯状図柄62の両端の丸柄61は互いに組み合う構成にしている。
【0039】
また、図4(b)に示すような小片のビーズピースを作成するためのイラストシート6を備えることもある。このイラストシート6に描かれる小図柄63は、所望の形状で構成すれば良いが、前記ビーズ組立治具1のリブ間の間隙に挿入可能な大きさで構成する。
【0040】
前記ビーズ保持トレイ5、イラストシート6及びビーズ71を用いて帯状ビーズピース7及び小片の補助ビーズピース8を作成し、上述したビーズ組立治具1を用いて筒状体のビーズ装飾品10を製作する。以下、ビーズ装飾品10の製作方法を説明する。
【0041】
まず、イラストシート6をビーズ保持トレイ5で覆い、イラストシート6の図柄に従ってビーズ71をビーズ保持トレイ5に載置する。次に、霧吹きや刷毛などでビーズ71同士の接触部分を湿潤させる。その後、水分が蒸発するまで放置し、図5(a)に示したような帯状ビーズピース7及び図5(b)に示したような補助ビーズピース8を作成する。
【0042】
次に、図6に示したように、前記帯状ビーズピース7を湾曲させて両端部の端部ビーズ72同士を接触させてビーズ組立治具1に嵌め込み、該端部ビーズ72はリブ3の間に位置させる。その後、補助ビーズピース8を帯状ビーズピース7の端部ビーズ72が位置しているリブ間の空間に挿入する。このとき、図7(a)及び図7(b)に示したように、帯状ビーズピース7は外周面において周縁リブ3aと接触し、下端において底部リブ3bに支持された状態で配置され、補助ビーズピース8は該帯状ビーズピース7とビーズ組立治具1の筒状部2との間の空間であって、接触した端部ビーズ72同士が位置するリブ間の空間に配置される。
【0043】
尚、帯状ビーズピースは、図5(a)に示したように、ピース中間部分に空間を有しているため、平滑平面に並んで美麗な外観となるとともに、小さな力で湾曲させるように曲げることが容易にできる。
【0044】
次に、帯状ビーズピース7の両端部が接触した部分及び補助ビーズピース8一帯に霧吹き等で水分を塗布し、放置して乾燥させる。このとき、帯状ビーズピース7は両端部において外方向に開こうとする力が働くが、ビーズ組立治具1の筒状部2及び補助ビーズピース8により、外側からその力が抑圧され、従って、帯状ビーズピース7の両端部の端部ビーズ72同士は外れることなく接着されると共に、補助ビーズピース8も確実に接着し、接着部分が補強される。
【0045】
乾燥後、ビーズ組立治具1から取り出して、図8に示したようなビーズ装飾品10とする。その後、所望により他のビーズピースを接着して装飾を施すことができる。
【0046】
以上説明した如く、帯状ビーズピース7の両端部の接着に本発明のビーズ組立治具1を用いると、作業が容易であるうえ、帯状ビーズピース7の両端部をずれることなく接着することができる。
【0047】
また、帯状ビーズピース7の作成に使用するイラストシート6の帯状図柄には余白部64を設けているため、長尺の帯状ビーズピースでもビーズの寸法誤差による影響を受けることなく美観に優れたビーズピースを作成することができる。
【0048】
更に、本発明において、底部リブ3bにより帯状ビーズピース7の下端全体がビーズ組立治具1の底部4に接触することがないため、余分な水分が底部4に溜まってもビーズピースに付着することはなく、ビーズ装飾品10の下端に樹脂滓が付着するのを防止できる。
【0049】
また、周縁リブ3aにより帯状ビーズピース7の外周面との接触面を少なくしているため、ビーズ組立治具1とビーズ装飾品10が溶着しないので、美観を損なうことはない。
【0050】
本発明のビーズ組立治具1を使用することにより、容易に筒状や環状のビーズ装飾品10を製作することができ、帯状のビーズピース7を所望の図柄が描かれたイラストシート6を使用して作成することで、王冠や腕輪、ネックレス等種々の装飾品を製作することができる。
【0051】
上述の如く、本発明を好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るビーズ組立治具の斜視図である。
【図2】本発明に係るビーズ組立治具の中央断面立面図である。
【図3】ビーズ保持トレイを示す図である。
【図4】(a)及び(b)はイラストシートを示す図である。
【図5】(a)は帯状ビーズピースの斜視図であり、(b)は補助ビーズピースの斜視図である。
【図6】筒状のビーズ装飾品の製作工程を説明する図である。
【図7】(a)はビーズ組立治具にビーズピースを挿入した平面図であり、(b)はその中央断面図である。
【図8】本発明に係るビーズ玩具セットを用いて製作したビーズ装飾品の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ビーズ組立治具
2 筒状部
3 リブ
3a 周縁リブ
3b 底部リブ
4 底部
5 ビーズ保持トレイ
6 イラストシート
7 帯状ビーズピース
8 補助ビーズピース
10 ビーズ装飾品
51 窪み
52 係止凸部
61 丸柄
62 帯状図柄
63 小図柄
64 余白部
71 ビーズ
72 端部ビーズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状ビーズピースを環状に組立てるためのビーズ組立治具であって、
内周面を有し、筒状に延びる筒状部と、
該筒状部の内周面から突出する複数のリブを備え、
該リブは、該筒状部の上端近傍から下端近傍まで突出し、該リブの下端においては前記内周面に対して略垂直に伸長することを特徴とするビーズ組立治具。
【請求項2】
前記筒状部の下端内周面から連続して延在する底部を備え、前記内周面に対して略垂直に伸長するリブは該底部上面に位置することを特徴とする請求項1に記載のビーズ組立治具。
【請求項3】
前記内周面から突出するリブのリブ厚みはビーズの半径乃至直径とされ、リブ幅はビーズの略半径乃至直径よりも僅かに大きい長さとされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビーズ組立治具。
【請求項4】
前記リブの間隔は30°〜180°であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のビーズ組立治具。
【請求項5】
水融解性の樹脂ビーズでビーズ装飾品を製作するためのビーズ玩具セットであって、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のビーズ組立治具と、ビーズ保持トレイと、イラストシートを備えることを特徴とするビーズ玩具セット。
【請求項6】
前記イラストシートには丸柄により任意の帯状図柄が描かれ、該帯状図柄は所定箇所の丸柄を間引いて余白部を設けて構成された図柄であることを特徴とする請求項5に記載のビーズ玩具セット。
【請求項7】
前記イラストシートには丸柄により任意の図柄が描かれ、該イラストシートは、所定箇所に余白部を設けて構成された帯状図柄と複数丸柄の小図柄を描いたシートで構成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のビーズ玩具セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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