説明

ビーム形成回路

【課題】広帯域の高周波信号を受信することが可能で、また、小型化を図ることができるビーム形成回路を提供する。
【解決手段】複数のアンテナ素子11が受信した高周波信号を用いて、キャリア波とする光波を受信信号毎に変調するE/O変換部13と、E/O変換部13が受信信号毎に生成した各光波を入射し、キャリア波とする光波の周波数を有するローカル光とキャリア波の周波数にオフセットを加えた周波数を有する信号光に分波する光分波器24と、信号光を入射して各アンテナ素子11の受信信号に対応する位相変調を行った信号光を生成する位相変調器25と、ローカル光を入射して各アンテナ素子11の受信信号に対応する強度変調を行ったローカル光を生成する強度変調器26と、位相変調器25からの信号光と強度変調器26からのローカル光とを合波して高周波信号へ復調し受信ビームを生成するO/E変換部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マルチビームフェーズドアレーアンテナ(以下、MB−PAAと記載する)に用いられるビーム形成回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MB−PAAは、複数のアンテナ素子を平面状に配列したものであり、受信動作時に給電回路によって各アンテナ素子の給電位相を制御することにより、電気的なビーム走査を行っている。
そのため、MB−PAAの給電回路には、アンテナ素子毎に供給電力の振幅と位相とを制御するビーム形成回路が必要になる。このビーム形成回路(以下、BFNと記載する)には、大きく分けてアナログ方式とデジタル方式のものがある。
【0003】
図11は、従来のアナログ方式のBFNを用いたMB−PAAの概略構成を示すブロック図である。この図はN個の受信ビームを出力する構成例を示したものであり、複数のアンテナ素子101毎に低雑音増幅器102を備えている。また、各低雑音増幅器102の出力信号を、受信ビーム毎に設けられている各減衰器103へ分配するように構成されている。また、各減衰器103にはそれぞれ移相器104が接続されている。なお、図11に示された減衰器103および移相器104は、アナログデバイスによって構成されている。
【0004】
図11に示した各アンテナ素子101が受信した高周波信号は、例えば非特許文献1に記載されているように、各低雑音増幅器102によって増幅され、各低雑音増幅器102の出力信号がN個の減衰器103へ分配される。各減衰器103は、それぞれの低雑音増幅器102から出力された高周波信号の振幅を適当な大きさに調整する。
各移相器104は、それぞれの減衰器103によって振幅が調整された高周波信号の位相を適当に調整する。このように各減衰器103および各移相器104によって、それぞれの受信ビーム形成に応じた振幅と位相に設定された各高周波信号は、受信ビーム毎に合成されて受信ビームB1〜BNからなる受信マルチビームが生成される。
【0005】
図12は、従来のデジタル方式のBFNを用いたMB−PAAの概略構成を示すブロック図である。この図は、図11に例示したものと同様に、N個の受信ビームを出力する構成例を示したものであり、アレーアンテナを形成するように配列された複数のアンテナ素子101、および各々のアンテナ素子101に接続された低雑音増幅器102を備えている。また、各低雑音増幅器102の出力信号を入力するダウンコンバータ105と、ダウンコンバータ105のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタルコンバータ106とを、それぞれアンテナ素子101毎に、即ち低雑音増幅器102と同数備えている。また、各アナログ・デジタルコンバータ106の出力信号を入力し、受信マルチビームを生成するデジタル信号処理回路107を備えている。
【0006】
図12に示した各アンテナ素子101が受信した高周波信号は、例えば特許文献1に記載されているように、各低雑音増幅器102によって増幅され、各ダウンコンバータ105へ入力される。ダウンコンバータ105は、低雑音増幅器102によって増幅された高周波信号の周波数帯域を所定の低い周波数帯域に変換し、ベースバンド信号を生成する。
アナログ・デジタルコンバータ106は、ダウンコンバータ105から入力したアナログ信号のベースバンド信号をデジタル信号へ変換し、デジタル信号処理回路107へ出力する。デジタル信号処理回路107は、各アナログ・デジタルコンバータ106から入力した各デジタルベースバンド信号が示す内容に応じて振幅や位相を設定し、これらの信号を受信ビーム毎に加算して、例えばN個の受信ビームB1〜BNからなる受信マルチビームを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6882311 B2公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Akira Akaishi,Masaaki Iguchi,Masaaki Shimada,Tomonori Kuroda and Masanobu Yajima,“Ka−band Active Phasee Array Antenna for WINDS Satellite”AIAA21th,ICSSC,2003−4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のアナログ方式のBFNは、アンテナ素子の数と受信ビームの数の積で表される個数の移相器ならびに減衰器を備えている。このように、アナログ方式のBFNは、膨大な数の移相器が必要になることから、ビーム形成回路もしくは当該回路を有する装置の寸法や重量が大きくなり、また、消費電力も相当に大きくなるという問題点があった。
【0010】
また、デジタル方式のBFNは、アンテナ素子が受信した高周波信号をベースバンド信号に変換し、これをアナログ・デジタルコンバータでデジタル信号に変換して、デジタル信号処理によって受信ビームを生成している。
上記のベースバンド信号からデジタル信号を生成するアナログ・デジタルコンバータや、受信ビームを生成するデジタル信号処理回路等は、信号の内容を確実に処理するためにベースバンド信号の伝送速度の2倍以上の処理速度が必要になる。しかしながら、アナログ・デジタルコンバータやデジタル信号処理回路を成すプロセッサ等は、処理速度に限界がある。そのため、デジタル方式のBFNは、これらデバイスの処理速度によって受信帯域の広帯域化に制約が生じるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、広帯域の高周波信号を受信することが可能で、また、小型化を図ることができるビーム形成回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るビーム形成回路は、複数のアンテナ素子が受信した高周波信号を用いて、キャリア波とする光波を前記アンテナ素子の受信信号毎に変調する光変調部と、前記光変調部が前記受信信号毎に生成した各光波を入射し、前記キャリア波の周波数を有するローカル光と前記キャリア波の周波数にオフセットを加えた周波数を有する信号光に分波する光分波部と、前記信号光を入射して前記各アンテナ素子の受信信号に対応する位相変調を行った信号光を生成する位相変調部と、前記ローカル光を入射して前記各アンテナ素子の受信信号に対応する強度変調を行ったローカル光を生成する強度変調部と、前記位相変調部からの信号光と前記強度変調部からのローカル光とを合波して高周波信号へ復調し受信ビームを生成する光復調部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記光分波部は、前記光変調部から出射された各光波を伝送する第1のファイバアレーと、前記第1のファイバアレーからの光波を前記受信ビーム毎にまとめたビーム光を出射するマイクロレンズと、前記マイクロレンズから出射されたビーム光を偏光方向に応じて前記ローカル光と前記信号光とに分波する空間光分波器と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記位相変調部は、前記光分波部からの信号光に所定量の偏光を与えるファラデー回転子と、前記ファラデー回転子を通過して偏光された信号光を反射することにより位相を付加する空間光位相変調器と、前記空間光変調器によって反射されて再び前記ファラデー回転子を通過した垂直偏光波の信号光を反射し前記位相変調を行った信号光として出射する偏光分波器と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記強度変調部は、前記光分波部からのローカル光に所定量の偏波回転を与える1/2波長板と、前記1/2波長板を通過して偏波回転されたローカル光を反射することにより楕円偏波を与える空間光位相変調器と、前記空間光変調器によって反射されて再び前記1/2波長板を通過したローカル光の垂直方向の偏光成分を反射し前記強度変調を行ったローカル光として出射する偏光分波器と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記光復調部は、前記位相変調部から出射される信号光と前記強度変調部から出射されるローカル光とを合成したビーム光を出射する光合波器と、前記光合波器からコリメートレンズを介して入射したビーム光を伝送する第2のファイバアレーと、前記第2のファイバアレーから入射したビーム光を高周波信号に変換し受信ビームを生成する光復調器と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、広帯域の受信信号から受信ビームを生成することを可能とし、また回路装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例によるビーム形成回路を用いたマルチビームフェーズドアレーアンテナの概略構成図である。
【図2】図1に示したE/O変換部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したファイバアレーの概略構成を示す説明図である。
【図4】図1に示した空間光分波器の概略構成を示す説明図である。
【図5】図2に示すE/O変換部の光変調器の出力光スペクトラムを示す説明図である。
【図6】エタロンフィルタの通過特性及び反射特性を示す説明図である。
【図7】図1に示した位相変調器の概略構成を示す説明図である。
【図8】図1に示した強度変調器の概略構成を示す説明図である。
【図9】空間光位相変調器の概略構成を示す説明図である。
【図10】図1に示に示した光復調器の概略構成図である。
【図11】従来のアナログ方式のBFNを用いたMB−PAAの概略構成を示すブロック図である。
【図12】従来のデジタル方式のBFNを用いたMB−PAAの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のビーム形成回路は、受信用マルチビームフェーズドアレーアンテナにおいて、各アンテナ素子が受信した高周波信号を光波に変換し、アンテナ素子の受信信号が示した振幅と位相とを光波の処理として一括制御し、所定のビーム数となるように光波を高周波信号に変換して所定数の受信ビームを生成するものである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例によるビーム形成回路を用いたマルチビームフェーズドアレーアンテナの概略構成図である。この図は、複数のアンテナ素子11を平面上に配列したアレーアンテナに接続された光制御型のBFN1の構成を示すブロック図であり、このBFN1は、例えば4つの受信ビームを生成するように構成されたものである。
各アンテナ素子11は、受信した高周波信号を増幅する低雑音増幅器12がそれぞれ接続されている。各低雑音増幅器12は、増幅した高周波信号をBNF1へ出力するように接続されている。
【0021】
BNF1は、各低雑音増幅器12から高周波信号を入力するE/O(Electrical/Optical)変換部13、E/O変換部13から出力される光信号の振幅および位相を調整する振幅・位相分布形成部14、振幅・位相分布形成部14によって処理された光信号から4つの受信ビームを生成するO/E(Optical/Electrical)変換部15を備えている。
E/O変換部13は、各低雑音増幅器12からそれぞれ高周波信号を入力する光変調器21と、光変調器21にレーザ光を供給するレーザ発光器22とを備えている。光変調器21は、アンテナ素子11と同数備えられ、各低雑音増幅器12の出力信号をそれぞれ入力し、また、レーザ発光器22が発光したレーザ光を入射するように接続構成されている。
【0022】
振幅・位相分布形成部14は、各光変調器21から出力される光変調信号を各々入力する光分配器23、および、光分配器23から出力される光波を後述する信号光とローカル光に分波する空間光分波器24を備えている。
光分配器23は、光変調器21と同数備えられ、各光変調器21から出力される光変調信号を、BFN1から出力される受信ビームと同数に分けるように構成されており、図1に例示したものは、光変調信号を4つに分けるように構成されている。
また、振幅・位相分布形成部14は、空間光分波器24から信号光を入射する位相変調器25、空間光分波器24からローカル光を入射する強度変調器26、および、位相変調器25から出射される信号光の経路を受信ビーム毎に揃えるドーププリズム27を備えている。
【0023】
また、振幅・位相分布形成部14は、各光分配器23から出力される光変調信号を伝送するファイバアレーFA1、ファイバアレーFA1から空間へ出射される光波を拡大するマイクロレンズ28を備えている。
マイクロレンズ28は、BFN1から出力される受信ビームの数量と同数備えられ、図1に例示したものには4つのマイクロレンズ28が備えられている。
また、振幅・位相分布形成部14は、ドーププリズム27から出射される信号光と強度変調器26から出射されるローカル光とを合波し、コリメータレンズ29へ入射させる偏光分波器(Polarizing Beam Spritter、以下PBSと記載し、各PBSの符号をカッコ内に記載する)P4、および、コリメータレンズ29によって収束された光波を伝送するファイバアレーFA2を備えている。
コリメータレンズ29は、BFN1から出力される受信ビームの数量と同数備えられ、図1に例示したものには4つ備えられている。
【0024】
空間光分波器24は、PBS(P1)を備え、位相変調器25はPBS(P2)を備え、強度変調器26は、PBS(P3)を備えている。
マイクロレンズ28を介したファイバアレーFA1と空間光分波器24との間、空間光分波器24と位相変調器25との間、また、空間光分波器24と強度変調器26との間にリレー光学系L1が形成される。
リレー光学系L1は、ファイバアレーFA1、位相変調器25、強度変調器26について、位相変調器25および強度変調器26の入射面で互いに焦点が存在する共役関係となるように、これらのものが設定配置されている。
また、位相変調器25とドーププリズム27との間、強度変調器26もしくはPBS(P3)とPBS(P4)との間、また、PBS(P4)と各コリメータレンズ29との間にリレー光学系L2が形成される。
リレー光学系L2は、位相変調器25、強度変調器26、ファイバアレーFA2について、ファイバアレーFA2の入射面で互いに焦点が存在する共役関係となるように、これらのもが設定配置されている。
【0025】
O/E変換部15は、ファイバアレーFA2によって伝送された光波を高周波信号からなる受信ビームに変換する光復調器30を、BFN1から出力する受信ビームの数量と同数備える。図1に例示したO/E変換部15は、4つの光復調部30を備えて受信ビームB1〜B4を出力するように構成されている。
【0026】
次に動作について説明する。
各アンテナ素子11が受信した高周波信号は、各アンテナ素子11に接続されている低雑音増幅器12によって、所定の信号レベルに増幅される。低雑音増幅器12は、BFN1において、高周波信号を光変調信号に変換したとき、当該光変調信号の信号強度が以降の処理を行うことが可能なレベルとなるように、アンテナ素子11から入力した高周波信号を増幅する。
【0027】
BFN1のE/O変換部13は、各低雑音増幅器12から高周波(マイクロ波)信号を入力すると、それぞれの光変調器21が入力した高周波信号を光変調信号に変換する。
このとき、各光変調器21は、レーザ発光器22から供給されたレーザ光をキャリア波として用い、また入力した高周波信号を変調波として振幅ならびに位相を反映させ、例えば残留搬送波単側波帯変調を行う。なお、レーザ光を変調した光波は直線偏光となっている。
各光変調器21から出力された光変調信号は、当該光変調器21に接続された光ファイバケーブル等を介してそれぞれの光分配器23に伝送される。
図1に例示した光分配器23は、入力した光変調信号を4つに分け、それぞれの光波をファイバアレーFA1を成す各光ファイバへ分配する。
【0028】
ファイバアレーFA1は、上記のように各光ファイバの一端を光分配器23の出力部に接続させており、当該光ファイバの他端をマイクロレンズ28の近傍に配置し、各光ファイバの他端から出射される光波がそれぞれのマイクロレンズ28を透過するように設置されている。
4つのマイクロレンズ28は、各々受信ビームに対応させて配置されている。ファイバアレーFA1を成す各光ファイバの他端は、受信ビーム毎に対応させて束ねられ、それぞれのマイクロレンズ28に、合成によって所定のビーム光となる各光波が入射するように配置固定されている。
【0029】
ファイバアレーFA1から出射され、各マイクロレンズ28を透過したそれぞれのビーム光は、空間光分波器24のPBS(P1)へ入射し、ローカル光と信号光に分波される。
空間光分波器24は、PBS(P1)や後述するエタロンフィルタ等のバンドパスフィルタを備え、光波に含まれるローカル光を透過し、また信号光を反射する。
空間光分波器24において反射された信号光は、位相変調器25へ向かう。
信号光を入射した位相変調部25は、各ビーム光の中のアンテナ素子11に対応する部分で必要な位相を当該信号光に付加する。換言すると、各アンテナ素子11の受信信号に応じた位相を、他のアンテナ素子11の受信信号のものと識別することができるように、ビーム光である信号光の上記受信信号と対応する部分に付加する。
位相変調器25によって位相変調が行われた信号光は、PBS(P2)を透過し、さらにドーププリズム27およびPBS(P4)を経てコリメータレンズ29へ入射する。
コリメータレンズ29へ入射した信号光は、一点に収束されてファイバアレーFA2を成す光ファイバの一端へ入射する。ファイバアレーFA2へ入射した信号光は、当該ファイバアレーFA2の他端に接続されている光復調器30へ入射する。
【0030】
一方、空間光分波器24を通過したローカル光は、強度変調器26へ入射する。
強度変調器26は、各ビーム光の中のアンテナ素子11に対応する部分で必要な強度分布を与える。
換言すると、各アンテナ素子11の受信信号の振幅に対応する光強度となるように、ビーム光であるローカル光の上記受信信号に対応する部分を強度変調する。
その際、他のアンテナ素子11の受信信号のものと識別することができるように、それぞれの受信信号に応じた光強度が与えられることから、当該ローカル光の強度分布が形成される。
強度変調器26において上記のような強度分布が与えられたローカル光は、PBS(P3)によって反射されて光合波器をなすPBS(P4)に入射し、当該PBS(P4)によって前述の信号光と合波されてコリメータレンズ29へ入射する。
【0031】
コリメータレンズ29へ入射したビーム光は、一点に収束されてファイバアレーFA2の一端に入射する。
ファイバアレーFA2は、受信ビームB1〜B4毎に、コリメータレンズ29を介して入射するビーム光を空間的にサンプリングして光復調器30へ伝送する。
光復調部30は、ファイバアレーFA2を介して入射したビーム光を、所定の周波数帯域の高周波信号に変換し、当該高周波信号からなる受信ビームを生成する。
各光復調器30へ入射される夫々のビーム光は、複数のアンテナ素子11が受信した各高周波信号を光波に変換して合成したものであり、それぞれの光復調器30から出力される受信ビームB1〜B4は、それぞれ所定のアンテナ素子11の受信信号が合成されたものとなる。
なお、上記のファイバアレーFA1やファイバアレーFA2は、例えば偏波保持ファイバによって構成されている。
【0032】
次に各部の詳細な動作を説明する。
図2は、図1に示したE/O変換部の概略構成を示すブロック図である。なお、説明を簡略化するため、図2には光変調器21を一つ図示する。
図1に示したようにE/O変換部13は、レーザ発光器22と複数の光変調器21によって構成されている。レーザ発光器22は、例えば、図2に示したように偏波面保持型のPM−EDFL(Polarization Maintaining Er−doped Fiber Laser)である。
【0033】
光変調器21は、低雑音増幅器12から出力された高周波信号の位相を変調する位相変調器211と、例えばLiNbO(ニオブ酸リチウム)から成る基板を用いたマッハツェンダー型の干渉計(LN−MZM:LiNbO Mach−Zehnder Modulator)212とを有している。
レーザ発光器22の出射部分と干渉計212の入力部との間は、偏波保持ファイバ(Polarization Maintaining Fiber)PMFによって接続されている。また、干渉計212の出力部にも偏波保持ファイバPMFが接続され、この偏波保持ファイバPMFによって光変調器21と光分配器23とが接続されている。
【0034】
光変調器21は、前述のように残留搬送波単側波帯変調を行うもので、レーザ発光器22が発生したレーザ光をキャリア波として使用する。レーザ発光器22は、例えば周波数fcのレーザ光を発光し、偏波保持ファイバPMFを用いて干渉計212へ入力する。
光変調器21は、低雑音増幅器12からの高周波信号を位相変調器211へ入力し、所定の位相量を付加する。位相変調器211によって変調された高周波信号は、上記のレーザ光と共に干渉計212へ入力される。ここで、位相変調器211から出力される高周波信号の周波数を例えばfmとする。
【0035】
干渉計212は、周波数fcのレーザ光を周波数fmの高周波信号で強度変調し、周波数fcの光波(ローカル光)と、高周波信号で周波数がオフセットされた光波、即ち周波数fc+fmの光波(信号光)とを生成する。
上記のローカル光と信号光からなる光波は、干渉計212の出力部に接続された偏波保持ファイバPMFを介して振幅・位相分布形成部14へ伝送される。
【0036】
振幅・位相分布形成部14は、前述のように各光変調器23からの光波を光分配器23に入力し、各光分配器23において受信ビームの数量に分ける。各光分配器23によって分けられた光波は、ファイバアレーFA1へ入力される。
図3は、図1に示したファイバアレーの概略構成を示す説明図である。この図は、ファイバアレーFA1の構成例を示したもので、図3(a)にはファイバアレーFA1の端部を束ねて固定するレンズホルダ214を当該ファイバアレーFA1と共に示している。また、図3(b)にはレンズホルダ214を斜視した概観を示し、図3(c)にはレンズホルダ214に配置固定された複数のマイクロレンズ28を正面視したときの態様を示している。
【0037】
ファイバアレーFA1の一端は、前述のように各光分配器23の出力部に接続され、例えばコネクタ213や図示を省略した光ファイバケーブル等を介して接続されている。
ファイバアレーFA1の他端は、MB−PAAにおいて平面状に配置された各アンテナ素子11の配列と対応するように、当該ファイバアレーFA1を成す各光ファイバの端部が二次元的に束ねられている。この端部は、BFN1から出力される受信ビームB1〜B4毎となるように束ねられ、伝送した光波が受信ビームB1〜B4毎に設けられている各マイクロレンズ28へ入射するように配置固定されている。
【0038】
換言すると、各受信ビームB1〜B4に対応するそれぞれのマイクロレンズ28は、ファイバアレーFA1の他端から出射される、受信ビームB1〜B4毎に束ねられた各信号光およびローカル光を入射するように、レンズホルダ214に配置固定されている。
各マイクロレンズ28は、コリメートレンズとして構成されたものであり、入射した信号光およびローカル光をコリメートし、これらの光波を平行光線のビーム光として出射する。
なお、ここで例示したBFN1は、出力する受信ビームが4つであるため、マイクロレンズ28も上述のように4つ備えられているが、受信ビームを多数出力するビーム形成回路では、例えば図3(c)に示すように、相当数のマイクロレンズ28がレンズホルダ214の正面においてマトリクス状に配設される。
【0039】
図4は、図1に示した空間光分波器の概略構成を示す説明図である。この図は、図1の空間光分波器24の概観を図4(a)に示し、また、空間光分波器24の概略構成を図4(b)に示す。
なお、図4(b)に示した矢印S1はローカル光の偏波状態を示し、矢印S2は信号光の偏波状態を示している
空間光分波器24は、前述のようにPBS(P1)を備え、さらに1/4波長板241、エタロンフィルタ242、1/4波長板243を備えている。
【0040】
図5は、E/O変換部の光変調器の出力光スペクトラムを示す説明図であり、この出力光はローカル光をキャリアとする残留搬送波単側波帯変調波であることを表している。また、図中、実線の上向きの矢印はローカル光スペクトラムを示し、破線の上向きの矢印は上側波帯の信号光スペクトラムを示している。
光変調器21の出力光は、光分配器23およびマイクロレンズ28を経由して空間光分波器24へ入射される。光波の強度は、図5に示したようにローカル光と信号光において、それぞれピークとなり、これらのピークは図示したように十分な周波数間隔を有している。ここで例示した光波は、ローカル光に対して信号光は周波数が18GHzほど高くオフセットされている。
マイクロレンズ28によってコリメートされてPBS(P1)に入射する光波は、垂直方向の直線偏光となっているので、PBS(P1)の内部を通過して1/4波長板241へ入射する。
1/4波長板241へ入射した光波は、当該1/4波長板241によって右旋円偏光が与えられ、エタロンフィルタ242へ向かって出射される。
【0041】
図6は、エタロンフィルタの通過特性及び反射特性を示す説明図である。この図は、エタロンフィルタ242へ入射された光波の透過率と反射率を示したもので、エタロンフィルタ242は、ローカル光の周波数において透過率がピークとなり、また反射率が急峻に低下する特性を有することを表している。なお、図示した数値は一例であり、エタロンフィルタ242は、図6に示した数値を有するものに限定されない。
1/4波長板241によって右旋円偏光とされた光波は、エタロンフィルタ242に入射し、この入射した光波のうちローカル光はエタロンフィルタ242を透過し、信号光はエタロンフィルタ242によって反射される。
エタロンフィルタ242を透過したローカル光は、1/4波長板243へ入射し、当該1/4波長板243によって水平方向の直線偏光波とされて空間光分波器24から出射される。
【0042】
一方、エタロンフィルタ242によって反射された信号光は、この反射によって右旋円偏光が左旋円偏光になり、この偏光状態で先程とは逆方向から1/4波長板241へ入射し、水平方向の直線偏光波となる。この1/4波長板241から出射された信号光は、PBS(P1)へ入射し、当該PBS(P1)に反射されて空間光分波器24から出射される。
【0043】
図7は、図1に示した位相変調器の概略構成を示す説明図である。この図は、位相変調器25を構成するPBS(P2)、ファラデー回転子251、空間光位相変調器252の概略配置と、これらの各部によって偏光される光波の偏光状態S3を示している。なお、説明を分かり易くするため、図7には、一つの信号光を入射光として示しているが、位相変調器25には各受信ビームB1〜B4に対応する信号光が入射される。
【0044】
PBS(P2)に入射した入射光、即ち空間光分波器24から出射された信号光は、前述の水平偏光波の状態を保ったままPBS(P2)を通過し、ファラデー回転子251へ入射する。ファラデー回転子251は、45°の偏光を与えるように構成されており、水平偏光波の信号光を45°偏光させる。このように偏光された信号光は、空間光位相変調器252へ入射し、当該空間光位相変調器252によってアンテナ素子11の受信信号に対応する位相量が与えられる。詳しくは、各アンテナ素子11の受信信号の位相量が識別することができるように、信号光に各位相が付加される。
空間光位相変調器252によって反射され、このとき上記のように位相が付加された信号光は、先程とは逆方向からファラデー回転子251へ入射し、さらに45°の偏光が与えられ、垂直偏光波となってPBS(P2)へ入射する。PBS(P2)は、垂直偏光波となった信号光を反射し、位相変調光となった信号光をE/O部15へ向けて出射する。
なお、PBS(P2)は、後述するPBS(P3)と同様に垂直偏光波のみを反射するものである。
【0045】
図8は、図1に示した強度変調器の概略構成を示す説明図である。この図は、強度変調器26を構成するPBS(P3)、1/2波長板261、空間光位相変調器262の概略配置と、これらの各部によって偏光される光波の偏光状態S4を示している。なお、説明を分かり易くするため、図8には、一つのローカル光を入射光として示しているが、強度変調器26には、前述のように各受信ビームB1〜B4に対応するローカル光が入射される。
【0046】
PBS(P3)に入射した入射光、即ち空間光分波器24から出力されたローカル光は、前述の水平偏光波の状態を保ったままPBS(P3)を通過し、1/2波長板261へ入射する。1/2波長板261は、入射したローカル光に45°の偏波回転を与えて空間光位相変調器262へ出射する。
空間光位相変調器262は、偏波回転が与えられたローカル光を反射する際に位相を変化させ、楕円偏光とされたローカル光を1/2波長板261へ向けて出射する。先程とは逆方向から1/2波長板261へ入射されたローカル光は、当該1/2波長板261を通過してPBS(P3)へ向けて出射される。
【0047】
空間光位相変調器262が反射したローカル光は、再び1/2波長板261を通過するときには楕円偏光の離心率が変化せず、光波全体が回転する。このように偏光したローカル光は、空間光位相変調器262から1/2波長板261を通過してPBS(P3)にて反射されるとき、垂直方向の直線偏光成分のみが反射される。
ここで、ローカル光に与えられる楕円偏光の離心率は、空間光位相変調器262が当該ローカル光を反射する際に付加する位相量によって定められる。
このことから、PBS(P3)の反射光の強度は、空間光位相変調器262によって付加される位相量に依存し、入射したローカル光に対して、空間光位相変調器262が与える位相量が変化すると楕円偏光の離心率が変化し、PBS(P3)が反射する光波の強度が変化する。
【0048】
強度変調器26は、空間光位相変調器262が反射したローカル光の位相量の変化に応じてPBS(P3)から出射される光波の強度を変化させ、当該ローカル光の強度変調を行う。また、強度変調器26は、各受信ビームB1〜B4に対応するローカル光に対して上記の強度変調を行い、前述のようにPBS(P4)に向けて出射する。
【0049】
図9は、空間光位相変調器の概略構成を示す説明図である。この図は、図7に示した空間光位相変調器252、ならびに図8に示した空間光位相変調器262の内部断面構成の一例を示したものである。
図示した空間光位相変調器は、シリコン駆動基板301の図中上側にアルミニウム電極302、誘電体ミラー303を順に積層配置し、誘電体ミラー303の上側に液晶セルLCを配置している。また、液晶セルLCの上側に透明電極304、カバーガラス305を順に積層配置している。
また、図示した空間光位相変調器は、図中左側において、アルミニウム電極302と透明電極304との間に電圧Vを印加し、図中右側において、上記の電極間に電圧V+ΔVを印加した状態を示している。
【0050】
この空間光位相変調器は、アルミニウム電極302と透明電極304との間に印加する電圧を制御して液晶セルLC内部の結晶体の向きを変化させ、等価的に反射光の位相を変化させている。
アルミニウム電極302と透明電極304との間に挟まれている液晶セルLCは、これら電極間に印加される電圧が低い場合、例えば印加電圧Vの場合には、長形の結晶体が両電極に対して平行な状態になる。このような状態の液晶セルLCへ入射し、その内部を通過して反射光となった光波には位相変調量が生じない。
また、アルミニウム電極302と透明電極304との間に印加される電圧が高い場合、例えば印加電圧V+ΔVの場合には、長形の結晶体が両電極に対して鉛直になる。このような状態の液晶セルLCの内部を通過した反射光には位相変調量Δψが生じる。
なお、液晶セルLCは、光波の位相を変化させる方向に対して、直交する偏光波の位相を変化させない性質を有している。
【0051】
このように、空間光位相変調器は、二つの電極間に印加する電圧を用いて光波の位相を制御するように構成されており、位相変調器25では、例えば、図示を省略した回路装置によって生成された各アンテナ素子11の受信信号の位相を示す信号電圧が、空間光位相変調器252のアルミニウム電極302と透明電極304との間に印加される。また、強度変調器26では、例えば、図示を省略した回路装置等によって生成された各アンテナ素子11の受信信号の振幅を示す信号電圧が、空間光位相変調部262のアルミニウム電極302と透明電極304との間に印加される。
【0052】
位相変調器25によって位相変調が行われた信号光と、強度変調器26によって強度変調が行われたローカル光は、前述のようにPBS(P4)へ入射する。なお、図1に示したBFN1は、ドーププリズム27を信号光の光路に挿入し、位相変調器25から出射された信号光を、ビーム毎に光路を揃えるように構成されているが、同様なドーププリズムを、強度変調器26から出射されるローカル光の光路に挿入し、当該ローカル光をビーム毎に揃えるように構成してもよい。
位相変調器25からの信号光は、PBS(P4)を通過し、また、強度変調器26からのローカル光は、上記の信号光に直交する方向からPBS(P4)へ入射し、当該PBS(P4)の内部で反射し、上記の信号光と合成され、受信ビームB1〜B4に対応するビーム光となって同一方向へ出射する。
PBS(P4)から出射された各ビーム光は、受信ビームB1〜B4毎に備えられた各コリメータレンズ29を介してファイバアレーFA2を成す各光ファイバの一端へ入射される。
【0053】
ファイバアレーFA2は、アンテナ素子11と同数の光ファイバをビーム光毎に束ねたもので、概ねファイバアレーFA1と同様に構成されている。
ファイバアレーFA2は、他端をO/E変換部15の光復調器30に接続させている。
図10は、図1に示した光復調器の概略構成図である。図示した光復調器30は、一つのビーム光に含まれる信号と同数の、即ち当該信号を出力したアンテナ素子11と同数の光波/高周波変換素子(Photo Diode、以下PDと記載する)401を備えている。PD401のアノードは、ファイバアレーFA2を成す光ファイバから出射された光波を入力するように構成されている。また、光復調器30に備えられた全てのPD401は、カソード同士が接続されており、当該接続点が光復調部30の出力部となっている。
【0054】
PD401は、ファイバアレーFA2からローカル光と信号光とを合成した光波を入力すると、フォトダイオードの非線形性によるホモダイン検波を行い、位相変調器25によって変調された位相と強度変調器26によって変調された光強度に比例する振幅とを有する、予め設定されている周波数の高周波(マイクロ波)信号を生成する。
光復調器30は、前述のように各PD401のカソード同士が接続されていることから、各PD401が生成した高周波信号が加算され、前述の出力部から受信ビームとして出力される。
【0055】
BFN1は、アナログ方式のBFNにおける減衰器や移相器等と同様な機能を有する光学系の装置によって構成され、光領域において信号を処理することから、大量の信号を取り扱うように構成した装置の小型軽量化を図ることができる。
また、波長の短い光領域を用いることから、装置全体を非常に小型に構成することができる。
また、光領域の信号を処理するデバイスを用いて信号の振幅および位相等の制御を行い、当該デバイスの動作周波数帯域の信号を高周波(マイクロ波)帯域の信号に反映することが可能になり、比較的容易な構成で広帯域の信号を取り扱うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明によるビーム形成回路は、回路装置の小型化を図ることが容易なため、多数のスポットビームを要する衛星搭載用のマルチビームアンテナに用いることに適している。また、通信信号の広帯域化を図ることができるため、高速通信用のマルチビームアンテナに用いることに適している。
【符号の説明】
【0057】
1 ビーム形成回路(BFN)
11、101 アンテナ素子
12、102 低雑音増幅器
13 E/O変換部
14 振幅・位相分布形成部
15 O/E変換部
21 光変調器
22 レーザ発光器
23 光分配器
24 空間光分波器
25 位相変調器
26 強度変調器
27 ドーププリズム
28 マイクロレンズ
29 コリメータレンズ
30 光復調器
103 減衰器
104 移相器
105 ダウンコンバータ
106 アナログ・デジタルコンバータ
107 デジタル信号処理回路
211 位相変調器
212 干渉計
213 コネクタ
214 レンズホルダ
241、243 1/4波長板
242 エタロンフィルタ
251 ファラデー回転子
252、262 空間光位相変調器
261 1/2波長板
301 シリコン駆動基板
302 アルミニウム電極
303 誘電体ミラー
304 透明電極
305 カバーガラス
401 PD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子が受信した高周波信号を用いて、キャリア波とする光波を前記アンテナ素子の受信信号毎に変調する光変調部と、
前記光変調部が前記受信信号毎に生成した各光波を入射し、前記キャリア波の周波数を有するローカル光と前記キャリア波の周波数にオフセットを加えた周波数を有する信号光に分波する光分波部と、
前記信号光を入射して前記各アンテナ素子の受信信号に対応する位相変調を行った信号光を生成する位相変調部と、
前記ローカル光を入射して前記各アンテナ素子の受信信号に対応する強度変調を行ったローカル光を生成する強度変調部と、
前記位相変調部からの信号光と前記強度変調部からのローカル光とを合波して高周波信号へ復調し受信ビームを生成する光復調部と、
を備えることを特徴とするビーム形成回路。
【請求項2】
前記光分波部は、
前記光変調部から出射された各光波を伝送する第1のファイバアレーと、
前記第1のファイバアレーからの光波を前記受信ビーム毎にまとめたビーム光を出射するマイクロレンズと、
前記マイクロレンズから出射されたビーム光を偏光方向に応じて前記ローカル光と前記信号光とに分波する空間光分波器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のビーム形成回路。
【請求項3】
前記位相変調部は、
前記光分波部からの信号光に所定量の偏光を与えるファラデー回転子と、
前記ファラデー回転子を通過して偏光された信号光を反射することにより位相を付加する空間光位相変調器と、
前記空間光変調器によって反射されて再び前記ファラデー回転子を通過した垂直偏光波の信号光を反射し前記位相変調を行った信号光として出射する偏光分波器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のビーム形成回路。
【請求項4】
前記強度変調部は、
前記光分波部からのローカル光に所定量の偏波回転を与える1/2波長板と、
前記1/2波長板を通過して偏波回転されたローカル光を反射することにより楕円偏波を与える空間光位相変調器と、
前記空間光変調器によって反射されて再び前記1/2波長板を通過したローカル光の垂直方向の偏光成分を反射し前記強度変調を行ったローカル光として出射する偏光分波器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のビーム形成回路。
【請求項5】
前記光復調部は、
前記位相変調部から出射される信号光と前記強度変調部から出射されるローカル光とを合成したビーム光を出射する光合波器と、
前記光合波器からコリメートレンズを介して入射したビーム光を伝送する第2のファイバアレーと、
前記第2のファイバアレーから入射したビーム光を高周波信号に変換し受信ビームを生成する光復調器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のビーム形成回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−26944(P2013−26944A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161633(P2011−161633)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、総務省委託「電波資源拡大のための研究開発」の一環、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】