説明

ピアノ蓋の支持装置

ピアノリッドの重量を支持するための機構。ピアノリッドの開閉時にユーザを支持するために1以上の空気圧シリンダとアームが使用されている。1実施態様では、各空気圧シリンダ下方にてガイドカップがピアノのフレームに着脱式に取り付けられている。ピアノリッドが開状態のとき、空気圧シリンダのピストンアームがガイドカップと係合する。空気圧シリンダがピアノフレームに取り付けられていないので、工具を使用せずにピアノリッドを完全に外すことができる。別実施態様では、ピアノの後方フレーム上で合う取付ブラケットを提供しており、損傷を与えることなくこの機構のあらゆるピアノへの後設置を可能にしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアノのリッド(蓋)の持ち上げおよび支持においてユーザを補助するための機構並びに方法に関する。特に本発明は、ピアノリッドの開閉時にユーザを補助するための少なくとも1体の空気圧シリンダを使用する。
【0002】
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願61/021,263号(2008年1月15日出願)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
ピアノリッド(蓋)を開けてその状態を保つことがしばしば必要である。ピアノリッドを開けてその重量を暫く支持するためにヒンジとブレースが使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピアノリッドの開動作、開いた状態の保持および最終的にそれを閉じるにはいくつかの問題が存在する。ピアノリッドは、非常に重く、持ち上げが困難である。リッドが持ち上げられるとブレースの端部を受領機構に配置させることが難しい。多くのブレースは、容易に外れ、リッドを落下させることがある。重いリッドが閉じられると、それは、容易に利用者の力に打ち克って、急に落下し、ユーザまたはピアノを傷つける可能性がある。
【0005】
前述の関連技術例およびこれに関する限定は、説明を目的としており、これらに限定するものではない。関連技術のその他の限定は、明細書を読んで図面を見れば専門家にはすぐに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1特徴は、ピアノリッドの開動作においてユーザを補助することである。
【0007】
本発明の別な特徴は、ピアノリッドの閉動作を緩衝することである。
【0008】
後述する本発明の実施例および特徴は、代表的なシステム、工具および方法に関するものであり、説明を目的としており、本発明の範囲を限定しない。様々な実施態様では、前述の1以上の問題点が減少または除去され、その他の実施態様はその他の改良に関する。
【0009】
1実施態様は、ピアノフレームに取り付けられた空気圧シリンダを開示している。1本のアームがピアノリッドに回動式に取り付けられている。空気圧シリンダとそのアームは、連結されている。開示している実施態様は、1本のアームと1体の空気圧シリンダを有する。さらに多い本数のアームや空気圧シリンダも利用可能である。空気圧シリンダとアームは、ピアノに後設置できる。
【0010】
別な実施態様は、ピアノフレームに取り付けられた内側ブレースを開示している。1本のアームがピアノリッドに着脱式に取り付けられている。ブレースは、それに着脱式に取り付けられた2体の空気圧シリンダを有する。ブレースとシリンダは、アームに回動式に取り付けられている。さらに多い数のシリンダも利用可能である。空気圧シリンダとアームは、ピアノに後設置できる。
【0011】
さらに別な実施態様は、ピアノリッドに着脱式に取り付けられた2本のアームを開示している。それぞれのアームは、空気圧シリンダに取り付けられている。1体のガイドカップが各アームと空気圧シリンダ下方にてピアノフレームに着脱式に取り付けられている。ピアノリッドが閉じられると、空気圧シリンダのベース部がガイドカップと係合する。さらに多くのアームと空気圧シリンダも利用可能である。空気圧シリンダは、ピアノフレームに取り付けられていないため、工具を使用せずにピアノリッドを完全に取り外すことができる。
【0012】
別な実施態様は、ハウジングに着脱式に取り付けられた1本のアームを開示している。ハウジングは取付ブラケットに着脱式に取り付けられている。そのアームは、対になっている空気圧シリンダに取り付けられている。ガイドカップは、ハウジング内で各アームと空気圧シリンダ下方にて取り付けられている。ピアノリッドが閉じられると空気圧シリンダのベース部がガイドカップと係合する。取付ブラケットは、ピアノを改造せずにピアノの後方フレームの上方に配置することもできる。
【0013】
前述の例示的特徴および実施態様に追加して、さらに別な特徴および実施態様も、本明細書の一部を成す添付の図面を参考にすることで明解になるであろう。同じ参照符号は、図面を通して対応する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ピアノリッドの重量を支持するための機構の1実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、ピアノリッドの重量を支持するための機構の第2実施例を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す実施例の斜視図である。
【図4】図4は、ピアノリッドの重量を支持するための機構の第3実施例を示す断面図である。
【図5】図5は、図4に示す実施例と類似する実施例を図示しており、リッドが部分的に開いた状態を示す。
【図6】図6は、図4に示す実施例と類似する実施例を示しており、リッドは、90°以上持ち上げられており、ピアノから離れている。
【図7】図7は、ピアノの重量を支持するための機構の第4実施例を示す断面図である。
【図8】図8は、図7に示す実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の開示実施例について詳細に説明する前に、本発明は、他の実施態様でも実施可能であるため、本発明の利用は、特定の実施例の細部に限定されないことが理解されるべきである。代表的実施態様は、図面の参考図で説明している。ここに開示されている実施態様や図は、限定というよりも説明と解釈すべきである。さらにここで使用している用語は、説明を目的としており、本発明を限定しない。
【実施例】
【0016】
図1は、ピアノ100を図示しており、ピアノ100は、リッド支持部1000を含んでおり、リッド102の下側に取り付けられた1本のアーム101を有している。
【0017】
リッド102は、ヒンジ114によってピアノ100の後方フレーム104に取り付けられている。リッド102は、開位置で示されている。
【0018】
アーム101は、約40インチ(約102センチ)、幅約1インチ(約2.5cm)で高さ約1インチ(約2.5cm)である。あるいはアーム101は、リッド102の重心を表わす部位Pまで延びる。図示の実施例では、アーム101は、16ゲージの軟鋼である。16ゲージの軟鋼を例示しているが、例えば金属、プラスチック、セラミック等を含む類似する強度および剛性の任意の材料を利用でき、これらに限られない。
【0019】
2つのホイール(輪)116aと116bは、アーム101の第2端部の内部で回転する。図示の実施例では、ホイール116aと116bは、直径が約15ミリでナイロン製である。ナイロン製のホイールを例示しているが、類似の強度および剛性を有する任意の材料で製造したホイールを使用することもできる。ホイール116aと116bは、アーム101の第2端部から約1ミリから2ミリ突き出ており、リッド102と接触する。アーム101は、リッド102が閉位置にあるとき、リッド102の下側と略平行になる。リッド102が閉位置から開位置に回動すると、アーム101の第2端部は、ピアノリッド102の下側を移動し、アーム101の第2端部とピアノリッド102との間の角度は、約30°から40°の範囲に増加する。
【0020】
アーム101の第1端部は、回動点115にて取付ブラケット112に連結されている。取付ブラケット112は、伝響板111の穴部110を通って下方に延びている脚部113を有する。図示の実施例では、取付ブラケット112は、1インチ×1インチアングル軟鋼である。1インチ×1インチアングル軟鋼が例示されているが、例えば金属、プラスチック、セラミック等を含む類似する強度および剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。
【0021】
穴部110の直径は、約2インチ(約5cm)である。取付ブラケット112は、後方フレーム104の上部内側103に取り付けられている。取付ブラケット112の上部は、ヒンジ114と略同一平面である。ヒンジ114のジョイントは、取付ブラケット112とは、反対側で後方フレーム104に配置されている。
【0022】
調整式回動コネクタ105は、式W=(X・F)/L(W=持ち上げ重量、X=回動点119の中央から回動点115の中央までの距離、L=ホイール116aと116bから回動点115までの距離、F=空気圧シリンダ107がリッド102の重量を持ち上げるために必要とする力)によって定められた距離にてアーム101に着脱式に取り付けられている。
【0023】
ボルト120は、回動コネクタ105を調整するようにスロット117内をスライドできる。空気圧シリンダ107のピストンアーム106は、回動点119にて調整式回動コネクタ105に着脱式に取り付けられている。空気圧シリンダ107の下方部108は、取付ブラケット112の脚部113に回動式に取り付けられている。脚部113は、ピアノ100の後方フレーム104の下部内側109に連結されている。
【0024】
図示の実施例の空気圧シリンダ107は、約50ニュートンから約1300ニュートンの力を発揮する性能でよい。図示の実施例では、空気圧シリンダ107は、7.5インチ(約19cm)の延伸長、1インチ(約2.5cm)の直径、3/8インチ(約1cm)のシリンダロッド、および2インチ(約5.1cm)のストロークを有し、1000ニュートンの力を発揮する。図示されたシリンダは、www.easyliftsprings.comで紹介されている。
【0025】
図2と図3では、第2実施例のリッドサポート2000、すなわちピアノリッドの重量を支持する機構を示している。
【0026】
リッド202は、ピアノ100の後方フレーム204にヒンジ214によって取り付けられている。リッド202は、開位置で示されている。アーム201は、リッド202の下側を回転する。アーム201の第1端部は、回動点215にてブラケット213の後方部上方212に取り付けられている。
【0027】
ブラケット213は、ピアノ100の後方フレーム204の上部内側203と伝響板211に取り付けられている。ブラケット213の上部は、ヒンジ214と略同一平面である。ヒンジ214のジョイントは、ブラケット213の反対側で後方フレーム204に配置されている。図示の実施例では、ブラケット213は、1インチ×1インチの角管で製造されており、16ゲージの軟鋼製である。1インチ×1インチの角管、16ゲージの軟鋼製のものを例示しているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似する強度や剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。
【0028】
アーム201は、約40インチ(約102cm)長、約1インチ(約2.5cm)幅および約1インチ(約2.5cm)高である。あるいはアーム201は、リッド202の重心まで延びる。図示の実施例では、アーム101は、16ゲージの軟鋼製である。16ゲージの軟鋼製のものを例示しているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似する強度や剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。ホイール216は、アーム201の第2端部の内部に取り付けられている。
【0029】
図2に示すように第2同一ホイールがホイール216の真後ろに取り付けられている。図示の実施例では、ホイール216は、直径約15ミリでナイロン製である。ナイロン製のホイールが図示されているが、類似する強度や剛性の任意の材料のものを利用できる。ホイール216は、アーム201の第2端部から約1ミリから約2ミリ突き出ており、リッド202と接触している。アーム201は、リッド202が閉位置にあるときにリッド202の下側と略平行になる。リッド202は、閉位置から開位置に回動し、アーム201の第2端部は、ピアノリッド202の下側を移動し、アーム201の第2端部とピアノリッド202との間の角度は、約30°から約40°の範囲に増加する。
【0030】
調整式回動コネクタ205は、アーム201の両側に、式W(X・F)/L(W=持ち上げ重量、X=回動点219の中央から回動点215の中央までの距離、L=ホイール216から回動点215までの距離、F=空気圧シリンダ207と207aがリッド202の重量を持ち上げるために必要とする力)によって定められた距離にて着脱式に取り付けられる。
【0031】
ボルト220は、回動コネクタ205を調整するようにスロット217内をスライドできる。空気圧シリンダ207と207aのピストンアーム206は、調整式回動コネクタ205に回動点219にて着脱式に取り付けできる。空気圧シリンダ207と207aの下方部208は、ブラケット213の領域Aの両側に回動点224にて着脱式に取り付けられている。
【0032】
オプションで構造的支持を提供するために、脚部223をブラケット213の下方部213に取り付けることができる。脚部223は、伝響板211内の穴部210を通って延びており、ナット222aと222bでブラケット221に着脱式に取り付けられている。図示の実施例では、穴部210の直径は、約1/2インチ(約1.3cm)である。ブラケット221は、ボルトでピアノ100の後方フレーム204の下方部209に取り付けられている。
【0033】
図示の実施例では、空気圧シリンダ207は、約50ニュートンから約1300ニュートンの力を発揮する。図示の実施例では、空気圧シリンダ207は7.5インチ(約19cm)の延伸長、1インチ(約2.5cm)の直径、3/8インチ(約1cm)のシリンダロッド、および2インチ(約5.1cm)のストロークを有しており、1000ニュートンの力を発揮する。図示のシリンダは、www.easyliftsprings.comで紹介されている。
【0034】
図4、図5および図6に示す第3実施例、すなわちリッド支持部3000は、ピアノリッド302の重量を支持するための機構であり、ピアノ100のリッド302の下側に取り付けられたアーム301を有する。アーム301の第1端部316は、陥没開口部317を有する。アーム301は、約40インチ(約102cm)長、約1インチ(約2.5cm)幅および約1インチ(約2.5cm)高である。あるいはアーム301は、リッド302の重心まで延びる。図示の実施例では、アーム301は、16ゲージの軟鋼である。16ゲージの軟鋼製のものを例示しているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似する強度や剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。
【0035】
調整式回動コネクタ305は、アーム301の両側に、式W(X・F)/L(W=持ち上げ重量、X=回動点319中央からピン315中央までの距離、L=アーム301からピン315までの距離、F=空気圧シリンダ307がリッド302の重量を持ち上げるために必要とする力)によって定められた距離にて着脱式に取り付けられている。ボルト320は、回動コネクタ305を調整するようにスロット317内をスライドできる。
【0036】
空気圧シリンダ307のピストンアーム306は、回動点319にて調整式回動コネクタ305に取り付けられている。ブラケット313の上方部318は、ピアノ100の後方フレーム304の上方部に取り付けられている。ガイドカップ321は、ブラケット313の領域Dに取り付けられている。領域Dは、ブラケット313の前面部からブラケット313の全深さの約1/3の距離である。
【0037】
ガイドカップ325は、円錐形である。ガイドカップ325のベース部Eは、空気圧シリンダ307のピストンアーム322をちょうど受け入れる大きさである。リッド302が閉められているとき、重力がピストンアーム322をガイドカップ321へと引っ張るであろう。ガイドカップ325の円錐形状が空気圧シリンダ307のピストンアーム322をガイドカップ325のベース部Eに留めるであろう。
【0038】
図示の実施例では、ブラケット313は、1インチ×1インチの角管で、16ゲージの軟鋼製である。1インチ×1インチの角管、16ゲージの軟鋼製のものを例示しているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似する強度や剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。図示の実施例では、空気圧シリンダ307は、約50ニュートンから約1300ニュートンの力を発揮するものでよい。
【0039】
図示の実施例では、シリンダは、7.5インチ(約19cm)の延伸長、1インチ(約2.5cm)の直径、3/8インチ(約1cm)のシリンダロッドおよび2インチ(約5.1cm)のストロークを有し、1000ニュートンの力を発揮する。図示されたシリンダは、www.easyliftsprings.comで紹介されている。
【0040】
ブラケット313の上方部318とアーム301の陥没開口部317との相互作用は、ピアノ100の後方フレーム304にリッド302を取り付けるためのヒンジとして作用する。ピン315が陥没開口部317に挿入され、創出されたヒンジのジョイントとして作用する。ピン315の内部333は、その周囲の一部が欠けている。
【0041】
図示の実施例では、ピン315は、長さ約2.5インチ(約6.4cm)である。ピン315の内部333の周囲の欠落部は、陥没開口部317のサイズと合わせてある。アーム301の陥没開口部317は、ピン315の周囲の180°を超えている。このようにリッド302は、ピアノ100からリッド302を外すためには、90°以上持ち上げられなければならない(図6の90°と示された点線90)。リッド302が約90°以上持ち上げられると、ピン315の内部333周囲の欠落部がリッド302をピアノ100から完全に外させる。
【0042】
オプションで構造的支持を提供するために脚部323をブラケット313の下方部に取り付けることができる。脚部323は、伝響板211の穴部310を通って延びており、ナット222aと222bでブラケット321に着脱式に取り付けられている。穴部310の直径は、約1/2インチ(約1.3cm)である。ブラケット321は、ボルト324を使用してピアノ100の後方フレーム304の下方部309に取り付けられている。
【0043】
図示の第3実施例3000は、図4、図5および図6に例示したものの鏡像であり、ピアノの反対側にアーム構造部を有している。
【0044】
図4は、開位置にあるリッド302を示している。
【0045】
図5は、開位置から持ち上げられた状態のリッド302を示している。
【0046】
図6は、ピアノから完全に外された状態のリッド302を示している。
【0047】
図7と図8に示すように、第4実施例のリッド支持部4000は、ピアノリッド402の重量を支持するための機構であり、ピアノ100の後方フレーム上方に配置された取付ブラケット413を有する。
【0048】
図示の実施例では、ブラケット413は、16ゲージの軟鋼シートメタル製である。16ゲージの軟鋼シートメタル製のものを例示しているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似の強度および剛性の任意の材料が利用でき、これらに限らない。取付ブラケット413の内面は、ピアノ表面の引っ掻き傷を防止するようにフェルトで被覆されている。フェルトが好適材料であるが、引っ掻き傷を防止できるであろう任意の材料が利用できる。取付ブラケット413は、その前面415の略中央に陥没部414を有する。取付ブラケット413は、穴部(図示せず)を陥没部414の両側部に有する。コネクタ428aは、取付ブラケット413の前面415に対して略直角に延びている。コネクタ428aは、スロット429aを含んでいる。鏡像のコネクタが取付ブラケット413の他側部から延びているが図示していない。取付ブラケット413の上部は、ピアノ100の後方フレーム404にリッド402を連結しているヒンジと略同一平面にある。リッド402をピアノ100の後方フレーム404に連結しているヒンジのジョイントは、取付ブラケット413の前面415の反対側で後方フレーム1404に配置されている。
【0049】
図示の実施例では、取付ブラケット413は、長さ約10インチ(約25.4cm)、高さ約1.25インチ(約3.2cm)および幅約1.5インチ(約3.8cm)から2インチ(約5.1cm)である。図示の実施例では、取付ブラケット413の陥没部414の長さは、約2.5インチ(約6.4cm)である。
【0050】
取付ブラケット413には、ハウジング417が取り付けられている。図示の実施例では、ハウジング417は、16ゲージの軟鋼シートメタル製である。16ゲージの軟鋼シートメタル製のものが例示されているが、例えば金属、プラスチックおよびセラミック等を含んだ類似の強度および剛性の任意の材料が利用でき、これらに限られない。
【0051】
ハウジング417の幅は、取付ブラケット413の陥没部の幅とおおよそ等しい。図示の実施例では、ハウジング417は、長さ約4インチ(約10.2cm)、高さ約5.5インチ(約14cm)で幅約2.5インチ(約6.4cm)である。ハウジング417は、延伸部418aを有する。図示の実施例では、延伸部418aは、0.75インチ(約2cm)幅である。延伸部418aは、取付ブラケット413の前面415の後方に延び、ネジ419aによってそこに取り付けられている。
【0052】
図示の実施例ではネジ419aは、ソケットヘッドボルト5/16インチ(約0.8cm)‐18インチ(約46cm)×3/4インチ(約1.9cm)である。延伸部418aの後面は、フェルトで被覆されている。フェルトが好適材料であるが、引っ掻き傷を防止できる任意の材料が利用できる。ハウジング417は、その他面に鏡像の延伸部を有しているが、図示していない。ネジ430aがさらにハウジング417を取付ブラケット413に取り付けている。ネジ430aは、スロット429a内をスライドできる。利用時にネジ430aとスロット429aとの相互作用により、ボルト419aが締め付けられたときのコネクタ428aとハウジング417の移動が防止される。
【0053】
ブラケット406aは、ボルト419aが締め付けられたときにコネクタ428aとハウジング417が移動することも防止する。ネジ430a、スロット429aおよびブラケット406aは、全部一緒に利用できる。あるいは、ユーザは、ネジ430aとスロット429aまたはブラケット406aのいずれかを選択できる。ボルト419aが締め付けられたときにコネクタ428aとハウジング417の移動を防止できるあらゆる方法が利用できることは理解できよう。ハウジング417のベース部419は、領域Dにガイドカップ421aと421bを有する。領域Dは、約ハウジング417の前面部の約1/3の距離である。ガイドカップ421aと421bは円錐形である。
【0054】
アーム401は、ピン420を介してハウジング417に取り付けられている。ピン420は、アーム401の第1端部を横断してハウジング417に取り付けられている。図示の実施例では、ピン420の直径は、約3/8インチ(約1cm)である。アーム401の第2端部は、ホイール416aを介してリッド402の下側を回転する。図7に例示するように、同形状の第2ホイールは、ホイール416aの真後ろに配置されている。ホイール416aは、アーム402の第2端部の内部に取り付けられている。アーム401は、リッド402が閉位置にあるときにリッド402の下側に略平行である。リッド402が閉位置から開位置に回動すると、アーム401の第2端部は、ピアノリッド402を横断し、アーム401とピアノリッド402との間の角度は、約30°から40°の範囲に増加する。アーム401は、長さ約40インチ(約102cm)、幅約1インチ(約2.5cm)および高さ約1インチ(約2.5cm)である。図示の実施例では、アーム401は、16ゲージの軟鋼製である。あるいは、アーム401は、リッド402の重心まで延びる。図示の実施例ではホイール416aは、直径約15ミリでナイロン製である。ナイロン製のホイールを例示しているが、類似の強度および剛性である任意の材料で製造されたホイールが利用できる。ホイール416aは、アーム401の第2端部から約1ミリから2ミリ突き出ており、リッド402と接触している。
【0055】
ブラケット423は、アーム401の下側に着脱式に取り付けられている。ピン424は、ブラケット423に取り付けられている。空気圧シリンダ407aと407bは、アイレット425aと425bを介してピン424の両側部に取り付けられている。図示の実施例では、ピン424とアイレット425aと425bは、それぞれ約3/8インチ(約1cm)の直径を有する。アーム401上のブラケット423の位置は、式W=(X・F)/L(W=持ち上げ重量、X=ピン424中央ピン420中央までの距離、L=ホイール416aと416bからピン420までの距離、F=空気圧シリンダ407aと407bがリッド402の重量を持ち上げるために必要とする力)によって定められている。
【0056】
ガイドカップ421aと421bのベース部Eは、空気圧シリンダ407aと407bのピストンアーム422aと422bをちょうど受け入れる大きさである。リッド402が閉状態であるとき、重力がピストンアーム422aと422bをガイドカップ421aと421b内に引っ張る。ガイドカップ421aと421bの円錐形状が、空気圧シリンダ407aと407bのピストンアーム422aと422bをガイドカップ421aと421bのベース部E内に留める。
【0057】
空気圧シリンダ407は、約50ニュートンから約1300ニュートンの力を発揮する。好適実施態様では、シリンダ107は、7.5インチ(約19cm)の延伸長、1インチ(約2.5cm)の直径、3/8インチ(約1cm)のシリンダロッド、2インチ(約5.1cm)のストロークを有し、1000ニュートンの力を発揮する。好適なシリンダは、www.easyliftsprings.comで紹介されている。
【0058】
利用時、取付ブラケット413は、存在しているヒンジ間の選択された点にてピアノ100の後方フレーム上に配置されている。ネジ419aと419bは、リッド支持部4000をピアノ100に締め付けるために使用されている。よってピアノリッド402を容易に開閉することができる。さらにピアノリッド402を開状態と閉状態の間の任意の位置で留めることができる。
【0059】
多くの例示的特徴と実施態様について説明したが、専門家であればこれらのある程度の変形、置換、追加およびサブコンビネーションについて理解できるであろう。したがって添付の「請求の範囲」は、これらの変形、置換、追加およびサブコンビネーションを本発明の精神と範囲内に含んでいると解釈されるべきである。ここで説明した各装置の実施例は、多くの均等物を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピアノリッドの支持装置であって、
取付ブラケットに回動式に取り付けられた第1端部と、前記ピアノリッドの下側と接触する第2端部とを有する1本のアームと、を含んでおり、
前記リッドが閉位置にあるとき前記アームは、前記ピアノリッドの下側に対して略平行になり、
前記リッドが閉位置から開位置へと回動するとき、前記アームの前記第2端部は、前記ピアノリッドの下側を移動し、前記アームの前記第2端部と前記リッドとの間の角度が約40°に増加し、
前記取付ブラケットは、ピアノの後方フレームに取り付けられており、本支持装置は、
前記アームに回動式に取り付けられた空気圧シリンダをさらに含んでいることを特徴とするピアノリッドの支持装置。
【請求項2】
取付ブラケットは、該ブラケット下方に延びている脚部をさらに含んでおり、
該ブラケットは、伝響板下方で後方フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
複数の空気圧シリンダを有することを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
取付ブラケットの上部は、ピアノリッドを後方フレームに連結しているヒンジと略同一平面になることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
ピアノリッドを後方フレームに連結しているヒンジのジョイントは、取付ブラケットとは反対側で前記後方フレームに配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
アームの第2端部とリッドとの間の角度は、前記リッドが閉位置から開位置に回動するときに約35°に増加することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
アームの第2端部とリッドとの間の角度は、前記リッドが閉位置から開位置に回動するときに約30°に増加することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ピアノリッドの支持装置であって、
前記ピアノリッドを支持するためのアーム手段を含んでおり、
前記アーム手段は、第1端部と第2端部とを有しており、
前記アーム手段は、前記リッドが閉位置にあるときに前記ピアノリッドに略平行であり、
前記リッドが閉位置から開位置に回動するとき、前記アーム手段の第2端部は、前記ピアノリッドの下側を移動し、前記アーム手段の第2端部と前記リッドとの間の角度が約40°に増加し、
本支持装置は、前記アーム手段の前記第1端部をピアノに連結するための連結手段をさらに含んでおり、
前記連結手段の一部は、前記ピアノリッドをピアノの後方フレームに連結しているヒンジと略同一平面にあり、
前記ヒンジのジョイントは、前記連結手段とは反対側で前記後方フレームに配置されており、
本支持装置は、ピアノリッドを開ける際にユーザを補助して前記ピアノの閉動作を緩衝する手段とをさらに含んでおり、
前記ピアノリッドを開ける際にユーザを補助して前記ピアノの閉動作を緩衝する手段は、空気圧シリンダを含んでおり、
本支持装置は、前記アームを、前記ピアノを開ける際にユーザを補助して前記ピアノの閉動作を緩衝する手段に連結する手段をさらに含んでいることを特徴とするピアノリッドの支持装置。
【請求項9】
連結手段は、取付ブラケットを含んでいることを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項10】
ピアノを開ける際にユーザを補助してピアノの閉動作を緩衝する手段は、複数の空気圧シリンダを含んでいることを特徴とする請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
リッドが閉位置から開位置に回動するとき、アームの第2端部と前記リッドとの間の角度が約35°に増加することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
リッドが閉位置から開位置に回動するとき、アームの第2端部と前記リッドとの間の角度は、約30°に増加することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
ピアノリッドの支持装置であって、
ピアノリッドの下側に取り付けられており、陥没開口部を有する第1端部と第2端部とを有する1本のアームと、
前記アームに回動式に取り付けられた空気圧シリンダと、
ピアノの後方フレームに取り付けられた取付ブラケットと、を含んでおり、
前記陥没開口部と前記取付ブラケットの上方部との相互作用がヒンジを創出し、本支持装置は、前記アームの前記陥没開口部に合う大きさのピンをさらに含んでおり、
前記ピンは、その内部表面の周囲の一部に欠落部を有しており、
前記ピンは、前記ヒンジのジョイントを形成しており、
前記陥没開口部は、前記ピンの周囲の180°を超えて延びており、
前記ピアノリッドを略90°以上回動させると前記ピアノから前記リッドが外れることを特徴とするピアノリッドの支持装置。
【請求項14】
取付ブラケットは、ガイドカップを含んでいることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
取付ブラケットは、該ブラケット下方に延びる脚部をさらに含んでおり、伝響板の下方で後方フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項13または14記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−522278(P2011−522278A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542416(P2010−542416)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/030859
【国際公開番号】WO2009/091742
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510174211)