ピザ生地及びその製造方法並びにピザ及びその製造方法
【課題】 ピザの食べやすさを向上させるとともに迅速にピザを提供することのできるピザ生地を得る。
【解決手段】 平たい原生地からカップ状、詳細にはコーン形状に形成し、かつ半焼成状態とすることで、ピザ生地1の本体2を得た。本体2をカップ状としたことで、チーズや具材をその内部に収納できるため、そのピザ生地1から作られるピザは、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。これにより、ピザの食べやすさを向上させることができるとともに迅速にピザを提供でき、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザが食べられるようになる。
【解決手段】 平たい原生地からカップ状、詳細にはコーン形状に形成し、かつ半焼成状態とすることで、ピザ生地1の本体2を得た。本体2をカップ状としたことで、チーズや具材をその内部に収納できるため、そのピザ生地1から作られるピザは、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。これにより、ピザの食べやすさを向上させることができるとともに迅速にピザを提供でき、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザが食べられるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザ生地及びその製造方法並びにピザ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ピザは、所定の形状(例えば、円形状)で平たく成形されたピザ生地の上にピザソースを塗り、各種具材をトッピングした後、それを焼成することによって作られる(特許文献1参照)。そして、それを図11に示す三角形状などに切り分けた後、一片のピザ51を手で持ちながら食べるのがピザの一般的な食べ方である。
【0003】
このような従来の平たい形状のピザ51には、その食べやすさの点で問題があった。すなわち、ピザ51のベース52は小麦粉等を材料にしたピザ生地を焼成しただけであるし、そのベース52にはピザソース等の水分が染み込んだりする。このため、三角形状に切り分けたピザ51を手で持ったとき、手で支えていない部分が下に垂れ下がりやすい。そして、その垂れ下がりが生じると、食べづらいし、単にトッピングされているだけの具材53がベース52上からポロポロと落ちてしまう。また、垂れ下がりがなくても、傾いてしまえば、同様に具材53がベース52上から落ちてしまう。そこで従来、ピザ51を食べる際には、ピザ51が垂れ下がったり具材53が落ちたりしないよう、持ち方などに気を配りながら食べなければならないという問題があった。
【0004】
そして、このような問題があるために、テーブルが設置された店舗内で食べるというのが従来のピザ51の食べ方の一般的なスタイルであった。
【特許文献1】特開2004−267146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ピザそれ自体は手軽な食品であるため、本発明者は、ピザの持ち易さや食べ易さを向上させることができれば、場所を選ばずにどこでも気軽にピザを食べられるようにすることができると考えた。また、完全に生の状態のピザ生地からピザを仕上げるまでには焼成に長時間を要するためファーストフードとしての適性面では問題があるが、この問題点をも解決すれば美味しいピザを一層手軽かつ迅速に提供することができると考えるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ピザの食べやすさを向上させるとともに迅速にピザを提供することのできるピザ生地及びその製造方法、そのピザ生地を用いたピザ及びそのピザの製造方法を得ることを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段を項分けして記載するとともに、各手段における作用、効果その他の関連事項を記載する。
【0008】
手段1.上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【0009】
手段1によれば、ピザ生地をカップ状としたことで、そのピザ生地から作られるピザは平たいピザとは異なり、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。これにより、ピザの食べやすさを向上させることができ、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザを食べられるようになる。
【0010】
もっとも、ピザ生地をカップ状にすると、原料を発酵させただけの原生地ではその原生地の軟らかさのためにカップ状という形状を保持することが困難となる。これでは、具材やチーズなどの内容物をピザ生地に入れにくく、ピザを作りにくいという問題が生じる。また、保存性や搬送性にも劣る。そこで、手段1にように、半焼成状態のピザ生地とすれば、カップ形状を保持することが可能となり、その扱いが容易となる。そうすると、ピザ生地に内容物を入れやすくなる。これにより、ピザの製造効率を高めることができる。
【0011】
手段2.前記上面の全体が開口されている上記手段1のピザ生地。
【0012】
手段2によれば、開口部分を十分に大きくすることができるため、具材やチーズ等の内容物を入れる作業を容易に行うことができる。また、このようなピザ生地を用いてピザを作った場合、消費者にはその内容物がよく見える。これにより、消費者はピザの内容物を直ちに確認できるし、消費者の購買意欲を高めることもできる。
【0013】
手段3.扇形に成形された原生地が巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている上記手段1又は2のピザ生地。
【0014】
手段3によれば、扇形に成形された原生地を巻くことで、円錐形状に近い形状のカップ状をなすピザ生地が得られる。これにより、横断面が角型のものに比べて、角がない分、ピザ生地が持ちやすくなる。また、錐状であることによって開口面積を確保しつつも持ちやすくなる。また、原生地を巻くだけカップ状に形成されるため、ピザ生地の製造も容易である。
【0015】
手段4.帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている上記手段1又は2のピザ生地。
【0016】
手段4によれば、帯状に成形された原生地を螺旋状に巻くことにより、錐形状に近い形状で、かつカップ状をなすピザ生地が得られる。これにより、開口面積を確保しつつも持ちやすくなる。なお、この場合においても、円錐状であることがより好ましい。また、原生地を巻くだけカップ状に形成されるため、ピザ生地の製造も容易である。
【0017】
手段5.前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている上記手段4のピザ生地。
【0018】
手段5によれば、全体として錐状であることから、開口側は底部側よりも空間部分の面積が大きいために壊れやすい状態となっている。この点、その開口側では原生地が複数回(少なくとも2回)重ねて巻かれることで、その部分での強度を高めることができる。
【0019】
手段6.小麦粉等を混合、発酵させた原生地を扇形に成形し、それを錐形状の芯に巻き付け、次いで、芯の底面を下にして置いた状態でその芯に巻きつけられた原生地を半焼成し、その後、芯と分離させるようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【0020】
手段6によれば、上記手段1乃至3のいずれかのピザ生地を効率よく製造することができる。すなわち、原生地を芯に巻き付けた状態で半焼成作業を行うため、その作業時に形状を崩すおそれが少なくなり、不良品の発生を大幅に削減できる。
【0021】
手段7.小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【0022】
手段7によれば、上記手段1、2、4又は5のピザ生地を効率よく製造することができる。すなわち、原生地を芯に巻き付けた状態で焼成作業を行うため、その作業時に形状を崩すおそれが少なくなる。しかも、原生地は帯状でよいため、その成形作業も容易になる。これにより、不良品の発生を大幅に削減しつつ製造効率を高めることができる。また、帯状にした原生地を巻き付けて焼成すると、焼成による原生地の変形に伴う応力がほどよく各所に分散される効果があり、焼成後に一部がひび割れるおそれが少ない。
【0023】
手段8.前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む上記手段7のピザ生地の製造方法。
【0024】
手段8によれば、第1の焼成段階では、原生地を芯に巻き付けた状態で焼成作業を行うことにより、焼成作業時に形状を崩すおそれを少なくできる。また、第1の焼成を行うことにより、生地の外側に対し熱が直接加えられるし、得られた一次焼成生地を芯から外して再度焼成する第2の焼成を行うことで、一次焼成生地の内側にも熱が直接加えられる。このように、生地の内外に熱を直接加えることで、生地の内外が形状保持に十分な程度に焼成されるとともに、原生地を巻いた際に生じた隙間を膨らみによって埋めることもできる。
【0025】
手段9.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【0026】
手段9によれば、食べ初めから食べ終わりまで、具材とチーズの両者を一緒に味わうことができる。すなわち、カップ内に具材層とチーズ層が一層づつ設けられた場合であると、具材層の部分を食しているときは具材の味のみ、チーズ層の部分を食しているときはチーズの味のみというように、具材とチーズをそれぞれ個別に味わうだけとなる。これでは、具材とチーズの両者を一緒に味わう本来のピザではなくなってしまう。この点、本手段によれば、具材層とチーズ層が交互に複数設けられているため、一般的な平たいピザと同様、具材とチーズの両者を一緒に味わうことができ、前述のような問題を解消できる。
【0027】
なお、チーズは熱せられると溶けて流動性をもつため、具材層とチーズ層は、特にその境界部分で絡み合う。このため、各層を薄く形成すれば、具材とチーズとが混ざり合った状態に近い状態にすることもできる。
【0028】
手段10.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【0029】
手段10によっても、上記9と同様、具材層とチーズ層を一層だけ設けた場合と異なり、具材とチーズを一緒に味わうことができるピザが得られる。特に、混合状態としておけばその効果は一層顕著となる。
【0030】
手段11.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【0031】
手段11によれば、具材層とチーズ層とを交互に複数設けた状態を作った状態で本焼成を行うことにより、上記手段9のピザを容易に製造することができる。
【0032】
手段12.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【0033】
手段12によれば、具材とチーズとを予め混合させた状態で本焼成を行うことにより、上記手段10のピザを容易に製造することができる。
【0034】
なお、半焼成とは、小麦粉等を混合、発酵させた生の原生地が少なくとも前記カップ状としての形状を保持できる程度の焼き加減(好ましくは、カップ状ピザ生地の搬送時や積み重ね時に破損しない程度の焼き加減)であり、かつ、最終完成品であるピザほどには焼けていない焼き加減をいう。また、本焼成とは、最終完成品であるピザとして美味しく食べられる程度の十分な焼き加減をいう。
【0035】
また、ピザを製造するに際して、ピザソースは、半焼成状態とされたカップ状のピザ生地の内周面に塗りつけられていることが好ましい。従って、そのように内周面にピザソースを刷毛等で塗りつけた後に、具材やチーズが投入されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
[第1の実施形態]
以下、発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は第1の実施形態のピザ生地を示す斜視図、図2はそのピザ生地の製造する各工程を示す概略図である。
【0037】
図1に示すように、ピザ生地1は本体2により構成されている。この本体2は原生地を半焼成することで形成されている。原生地は、小麦粉、食塩、イースト等を含む原料に水を加え、それを練り、さらにそれを発酵させることで調製される。
【0038】
前記本体2はその外形形状として円錐形状(コーン(cone)形状)をなし、かつ円錐の底面側で開口するカップ状に形成されている。そして、ピザ生地1はこの本体2の開口部分を上にして使用される。本体2の開口端部3は、その開口端が一平面に位置するように形成されている。このため、本体2の開口部分はその周囲全体にわたって開放状態となっている。
【0039】
また、本体2の外面4及び内面5はそれぞれ凹凸のない形状に形成されている。そして、本体2の内面5によって形成される内部空間6も円錐形状をなす。本体2の厚さは全体的にほぼ均一なため、この内部空間6の円錐形状と本体2の外形形状である円錐形状とは相似形となっている。本体2の底部7についてはその厚さが他の部分よりも分厚く形成されている。
【0040】
次に、ピザ生地1の製造方法について、図2に基づいて説明する。この製造過程は、大きく、成形作業、巻き付け作業、半焼成作業、分離作業の各作業工程からなる。
【0041】
まず、成形作業工程では、図2(a)に示すように、原生地11をほぼ一定の厚さで扇形に成形する。また、扇形を形成する二つの略直線部分のうち、一方の側は扇形の頂点部12から円弧部分に至るまでの範囲で糊しろ部13となっている。そして、この糊しろ部13に小麦粉を水で溶いて作られた糊を塗布する。後述する巻き付け作業工程で、扇形に成形された原生地11は、円錐形状をなす芯14に巻き付けられる。この芯14は所望するピザ生地1のサイズに合わせて作られている。そのような芯14の側面の周囲全体が糊しろ部13を余らせながら原生地11で覆われるよう、原生地11が成形される。
【0042】
次に、巻き付け作業工程に移り、図2(b)に示すように、ステンレス製の前記芯14に扇形の原生地11を巻き付ける。この巻き付け時には、前記糊を塗った面を内側にして、糊しろ部13と反対側の直線部分から巻き付けるようにする。そして、糊しろ部13を原生地11の外面に重ね合わせ、糊しろ部13に塗布された糊によって、その重ね合わせた部分を接着させる。これにより、原生地11は芯14に巻き付けられた状態で保持される。
【0043】
次に、半焼成作業工程に移り、図2(c)に示すように、原生地11を巻いた状態の芯14をその底面を下にした状態で窯15に入れて焼成する。なお、この焼成はオーブン等の他の手段を使用してもよい。この作業工程では、完全に生地を焼成する前の半焼成状態でその焼成を止める。そして、その半焼成状態となったピザ生地1が巻き付けられた状態の芯14を窯15内から取り出す。次の分離作業工程では、図2(d)に示すように、ピザ生地1と芯14とを分離させる。これにより、半焼成状態のピザ生地1が得られる。
【0044】
次に、このピザ生地1を使用して作られる2種類のピザ21,22について、その製造方法とともに図3及び図4に基づいて説明する。
【0045】
まず一方のピザ21は、図3(a)に示すように、半焼成後の本体2に、その内容物として、玉ねぎやマッシュルーム、ベーコンなどの各種具材23とチーズ24とが複数の層状に充填されたものである。これは次にようにして作られる。まず、ピザ生地1の内面5に刷毛等によって万遍なくピザソースが塗りつけられる。その後、図3(b)に示すように、前記ピザ生地1の本体2内に各種具材23と固形チーズ25をそれぞれ交互に複数回に分けて入れる。より詳しくは、各種具材23を最初に、そして、固形チーズ25を最後に入れることが必要である。その後、ピザ生地1を本焼成する。これにより、前述した一方のピザ21が得られる。このように具材23と固形チーズ25とを交互に複数回入れることにより、本焼成の際に、具材23に溶け出したチーズがほどよく絡み、美味しいピザ21が得られる。また、最初に固形チーズ25を入れるとそのチーズが溶け出したとしても具材23と絡まないし、底部7が破れ易くなるので避けるべきである。さらに、最後に具材23を入れるとそこがチーズと絡まず食感が落ちるので避けるべきである。
【0046】
なお、図3(a)では、説明の便宜上、具材23とチーズ24とが境界線で完全に分離した層として図示しているが、固形チーズ25は熱せられると溶けて流動性をもつし、投入作業時に両者が若干混ざり合うなどして、完全に分離した層とならない場合もあり得る。また、ピザ21を製造する際の作業効率等から、一つの層の厚さが一様でないことも、各層ごとの厚さが均等でない場合もあり得る。
【0047】
次に、他方のピザ22は、図4(a)に示すように、焼成後の本体2に、その内容物として、前記各種具材23とチーズ24の混合物26が充填されたものである。これは次のようにして作られる。まず、図4(b)に示すように、ピザ生地1の本体2内に各種具材23と固形チーズ25を混合したものを本体2内に投入する。このようにすることで具材23が溶け出したチーズとほどよく絡み、美味しいピザ22が得られるし、その投入作業も図3のものと比べて容易なものとなる。なお、各種具材23と固形チーズ25を別々に投入した後、それらを撹拌して混ぜるようにしてもよい。その後、ピザ生地1を本焼成する。これにより、前述したピザ22が得られる。
【0048】
以上のようなピザ21,22の製造は、ピザ生地1を製造した施設とは別の店舗において行われる。すなわち、ピザ生地1を製造した後に、それを店舗へ配送する。その後、店舗において、消費者の要望に応じて具材23を選択し、前述の方法に従ってピザ21,22を製造する。
【0049】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0050】
本実施の形態では、ピザ生地1は本体2によって外形が円錐形状をなすカップ状に形成されているため、それを用いて作られるピザ21,22は従来の平たいピザとは異なり、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。そして、円錐形状をなすため外面4に角がないだけでなく、本体2の外面4には凹凸部も設けられていない。このため、より手で持ちやすい形状となっていて、ピザ21,22の持ちやすさが向上している。これにより、従来の平たいピザに比べてピザの食べやすさを向上させることができ、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザが食べられるようになる。
【0051】
また、このピザ生地1はその本体2が半焼成状態とされているため、カップ形状の保持が可能となり、その扱いが容易となっている。このため、ピザ21,22を作る際に、本体2内に具材23や固形チーズ25などを入れやすい。これにより、ピザ21,22の製造効率を高めることができる。しかも、ピザ生地1は既に半焼成状態にあるため、この状態からピザ21,22の完成までの焼成時間(本焼成に要する時間)を短くすることができる。そして、このような効果は、数多くの注文に迅速に対応できるという点で大きなメリットがある。また、その他、ピザ生地1の扱いが容易であることは、その運搬や保存が容易となる。
【0052】
さらに、ピザ21,22の製造は、半焼成状態のピザ生地1に具材23や固形チーズ25などを入れて本焼成する作業だけで足りるため、その製造作業を行う店舗には大型の製造設備等が不要となる。このため、比較的小さな店舗でも、この半焼成のピザ生地1を用いたピザ21,22の製造・販売が可能となり、フランチャイズ展開が容易となるというメリットもある。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、発明を具体化した第2の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図5は第2の実施形態のピザ生地を示す斜視図であり、図7はこのピザ生地を製造する工程の一部を示す斜視図である。
【0054】
図5に示すように、ピザ生地31は本体32により構成されている。この本体32は第1の実施形態と同様、原生地を半焼成することで形成されている。
【0055】
本体32はその外形形状として円錐形状(コーン(cone)形状)をなし、かつ円錐の底面側で開口するカップ状に形成されている。この円錐形状は帯状の生地が螺旋状に巻かれることで形成され、中でも本体32の開口側はその部分の強度を高めるために生地が二重に巻かれている(図6参照)。そして、ピザ生地31は本体32の開口部分を上にして使用される。本体32の開口端部33はその開口端が一平面に位置するように形成されている。このため、本体32の開口部分はその周囲全体にわたって開放状態となっている。
【0056】
また、本体32は生地が巻かれて形成されているために、その外面34には段差が形成されているが、その内面は後述するように半焼成されることで凹凸のない形状に形成されている。そして、その内面によって形成される内部空間も円錐形状をなす。また、本体32の底部37はその厚さが他の部分よりも分厚く形成されている。
【0057】
次に、このピザ生地31の製造方法について、図6及び図7に基づいて説明する。この製造過程は、大きく、成形作業、巻き付け作業、半焼成作業の各作業工程からなる。
【0058】
まず、成形作業工程において、図7(a)に示すように、原生地41を所定の幅、長さ、厚さをもつ帯状に成形する。本実施の形態では、幅4.5cm、長さ70cm、厚さ2mmの生地に成形した。
【0059】
次に、巻き付け作業工程に移り、図7(b)に示すように、ステンレス製で円錐形状をなす芯44に帯状の原生地41を巻き付ける。この巻き付けは次のように行う。すなわち、図6に示すように、帯状の原生地41を芯44の底面側から巻き始める。最初にまず二重巻きとした後、芯44の頂点部に向かって一部を重ねながら螺旋状に芯44に巻き付けていく。
【0060】
次に、半焼成作業工程に移る。この半焼成作業工程は2段階の焼成作業によって構成されている。第1の焼成作業では、図7(c)に示すように、原生地41を巻き付けた状態の芯44を、その底面を下にして焼成手段で焼成する。本実施の形態ではオーブン45により、200℃で3分50秒間、焼成を行う。すると、原生地41は内側と外側に向かって膨らむ。このうち、内側への膨らみは芯44によって規制されるため、芯44の側面に沿うようにして膨らむ。この膨らみにより、原生地41を芯44に巻き付けることで生じた内側の段差が埋められ、ほぼ凹凸のない内面が形成される。また、この段階の焼成では、芯44が存在するために原生地41の内側には熱が直接加わらない。このため、内側では外側よりも焼成度が低く、膨らみも不十分な状態にある。第1の焼成作業により、原生地41はこのような状態をなす一次焼成生地42となる。
【0061】
この第1段階の焼成後、オーブン45から芯44と一次焼成生地42を取り出し、図7(d)に示すように、両者を分離させる。そして、分離した一次焼成生地42を室温で一定時間放置し、それを冷却する。次いで、第2の焼成作業を行う。第2の焼成作業では、図7(e)に示すように、冷却後の前記一次焼成生地42を焼成手段で再度焼成する。本実施の形態では、オーブン45により、280℃で3分30秒間、焼成を行う。すると、一次焼成生地42はその外側では外面に焦げ目がつくほどに焼成される。また、内側では膨らみを規制するものが存在せず、熱も直接的に加わるため、その内側でも十分に膨らむ。そして、前記第1段階の焼成での膨らみとこの第2段階の焼成での膨らみがあいまって、原生地41を巻いた際に生じた隙間が埋められる。第2の焼成作業により、一次焼成生地42はこのような状態をなす二次焼成生地43となる。
【0062】
この第2段階からなる焼成後、オーブン45から二次焼成生地43を取り出す。図7(f)に示すこの二次焼成生地43は、2段階の焼成を経ているものの、依然として完全に焼成される前の段階にあり、半焼成状態となっている。この二次焼成生地43がピザ生地31である。なお、以上説明した寸法や温度・時間などは一例に過ぎない。
【0063】
このピザ生地31を用いれば、第1の実施形態におけるピザ生地1を用いた場合と同様の方法で、具材23とチーズ24が層状となったピザ21及び両者が混合されたピザ22を作ることができる。
【0064】
そして、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の優れた効果を得ることができる。
【0065】
加えて、第2の実施形態では、第1の実施形態のように原生地11を扇形に形成するのではなく、原生地41を帯状に形成したので、原生地41の成形が極めて容易なものとなる。
【0066】
また、第1の実施形態のような扇形の原生地11をカップ状にして半焼成するものでは、原生地11の糊しろ部13における重ね部位に、焼成時の原生地11の変形に伴う応力が集中してしまう。そのため、当該部位にひび割れが生じ易く、そのひび割れが生じないように繊細な調整が要求される。この点、第2の実施形態では、原生地41を帯状にしてこれをカップ状にした上で半焼成するものであるから、焼成時において原生地41の変形に伴う応力が各所に分散される。そのため、繊細な調整なくして半焼成後のピザ生地31にひび割れが生じにくいという利点がある。
【0067】
また、第2の実施形態では、本体32の開口端部33で生地が二重に巻かれている。本体32の開口端部33は底部37側よりも空間部分の面積が大きいために壊れやすい状態にある。そこで、このように生地が二重巻きとなっていることで、その開口部分での強度が高められている。これにより、本体32の破損のおそれを少なくできる。
【0068】
さらに、第2の実施形態のピザ生地31は、その製造段階において、2段階の焼成作業が行われることで、半焼成状態とされている。すなわち、第1の焼成では原生地41を芯44に巻き付けた状態で焼成を行い、第2の焼成では芯44を外して焼成を行っている。第1の焼成によれば、芯44があることで焼成作業時に形状を崩すおそれを少なくできる。また、第2の焼成によれば、一次焼成生地42の内側にも熱が直接加えられる。このため、2段階の焼成により生地の内外に熱を直接加えることが可能となる。これにより、生地の内外で形状保持に十分な程度の焼成ができるとともに、原生地41を巻いた際に生じた隙間を生地の膨らみによって確実に埋めることもできる。これは、原生地41を帯状に成形したことによる隙間の可能性が高まることとの関係で顕著な効果である。
【0069】
[別の実施形態]
なお、第1及び第2の実施形態に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0070】
上記両実施の形態では、本体2,32の外形形状を円錐形状としたが、その形状は他の形状であってもよい。例えば、横断面が円形ではなく、楕円形をなす形状としてもよい。また、図8に示すように、本体47を、楕円形状をなす開口部に対して底部が一直線状に閉塞された形状としてもよい。また、図10に示すように本体49を四角錐形状とするなど角錐形状としてもよい。また、図9に示すように底面を有する本体48として形成してもよい。さらに、錐状ではなくお椀型としてもよい。これらの各例においても、第2の実施形態に示されているように、帯状の原生地41を巻きつけて成形することが好ましい。
【0071】
上記両実施の形態において、本体2,32の開口側の外面4,34に受け部材を設けて、本体2,32の開口部分から内容物が本体2,32を持つ手の位置まで垂れ落ちることを防止するようにしてもよい。この場合、受け部材は本体2,32の成形と同時に原生地11,41から作り出すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態のピザ生地を示す斜視図。
【図2】図1のピザ生地を製造する各作業工程を示す概略図。
【図3】(a)は図1のピザ生地を用いたピザを示す断面図、(b)は(a)に示すピザの製造方法の一部を示す概略図。
【図4】(a)は図1のピザ生地を用いたピザを示す断面図、(b)は(a)に示すピザの製造方法の一部を示す概略図。
【図5】第2の実施形態におけるピザ生地を示す正面図。
【図6】図5のピザ生地の製造時において、原生地が二重に巻かれる様子を示す斜視図。
【図7】図5のピザ生地を製造する各作業工程を示す概略図。
【図8】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図9】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図10】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図11】従来のピザを示す斜視図。
【符号の説明】
【0073】
1,31…ピザ生地、2,32…本体、3,33…開口端部、4,34…本体の外面、5…本体の内面、7,37…底部、11,41…原生地、14,44…芯、21,22…ピザ、23…内容物としての各種具材、24…内容物としてのチーズ、26…内容物としての混合物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザ生地及びその製造方法並びにピザ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ピザは、所定の形状(例えば、円形状)で平たく成形されたピザ生地の上にピザソースを塗り、各種具材をトッピングした後、それを焼成することによって作られる(特許文献1参照)。そして、それを図11に示す三角形状などに切り分けた後、一片のピザ51を手で持ちながら食べるのがピザの一般的な食べ方である。
【0003】
このような従来の平たい形状のピザ51には、その食べやすさの点で問題があった。すなわち、ピザ51のベース52は小麦粉等を材料にしたピザ生地を焼成しただけであるし、そのベース52にはピザソース等の水分が染み込んだりする。このため、三角形状に切り分けたピザ51を手で持ったとき、手で支えていない部分が下に垂れ下がりやすい。そして、その垂れ下がりが生じると、食べづらいし、単にトッピングされているだけの具材53がベース52上からポロポロと落ちてしまう。また、垂れ下がりがなくても、傾いてしまえば、同様に具材53がベース52上から落ちてしまう。そこで従来、ピザ51を食べる際には、ピザ51が垂れ下がったり具材53が落ちたりしないよう、持ち方などに気を配りながら食べなければならないという問題があった。
【0004】
そして、このような問題があるために、テーブルが設置された店舗内で食べるというのが従来のピザ51の食べ方の一般的なスタイルであった。
【特許文献1】特開2004−267146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ピザそれ自体は手軽な食品であるため、本発明者は、ピザの持ち易さや食べ易さを向上させることができれば、場所を選ばずにどこでも気軽にピザを食べられるようにすることができると考えた。また、完全に生の状態のピザ生地からピザを仕上げるまでには焼成に長時間を要するためファーストフードとしての適性面では問題があるが、この問題点をも解決すれば美味しいピザを一層手軽かつ迅速に提供することができると考えるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ピザの食べやすさを向上させるとともに迅速にピザを提供することのできるピザ生地及びその製造方法、そのピザ生地を用いたピザ及びそのピザの製造方法を得ることを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段を項分けして記載するとともに、各手段における作用、効果その他の関連事項を記載する。
【0008】
手段1.上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【0009】
手段1によれば、ピザ生地をカップ状としたことで、そのピザ生地から作られるピザは平たいピザとは異なり、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。これにより、ピザの食べやすさを向上させることができ、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザを食べられるようになる。
【0010】
もっとも、ピザ生地をカップ状にすると、原料を発酵させただけの原生地ではその原生地の軟らかさのためにカップ状という形状を保持することが困難となる。これでは、具材やチーズなどの内容物をピザ生地に入れにくく、ピザを作りにくいという問題が生じる。また、保存性や搬送性にも劣る。そこで、手段1にように、半焼成状態のピザ生地とすれば、カップ形状を保持することが可能となり、その扱いが容易となる。そうすると、ピザ生地に内容物を入れやすくなる。これにより、ピザの製造効率を高めることができる。
【0011】
手段2.前記上面の全体が開口されている上記手段1のピザ生地。
【0012】
手段2によれば、開口部分を十分に大きくすることができるため、具材やチーズ等の内容物を入れる作業を容易に行うことができる。また、このようなピザ生地を用いてピザを作った場合、消費者にはその内容物がよく見える。これにより、消費者はピザの内容物を直ちに確認できるし、消費者の購買意欲を高めることもできる。
【0013】
手段3.扇形に成形された原生地が巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている上記手段1又は2のピザ生地。
【0014】
手段3によれば、扇形に成形された原生地を巻くことで、円錐形状に近い形状のカップ状をなすピザ生地が得られる。これにより、横断面が角型のものに比べて、角がない分、ピザ生地が持ちやすくなる。また、錐状であることによって開口面積を確保しつつも持ちやすくなる。また、原生地を巻くだけカップ状に形成されるため、ピザ生地の製造も容易である。
【0015】
手段4.帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている上記手段1又は2のピザ生地。
【0016】
手段4によれば、帯状に成形された原生地を螺旋状に巻くことにより、錐形状に近い形状で、かつカップ状をなすピザ生地が得られる。これにより、開口面積を確保しつつも持ちやすくなる。なお、この場合においても、円錐状であることがより好ましい。また、原生地を巻くだけカップ状に形成されるため、ピザ生地の製造も容易である。
【0017】
手段5.前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている上記手段4のピザ生地。
【0018】
手段5によれば、全体として錐状であることから、開口側は底部側よりも空間部分の面積が大きいために壊れやすい状態となっている。この点、その開口側では原生地が複数回(少なくとも2回)重ねて巻かれることで、その部分での強度を高めることができる。
【0019】
手段6.小麦粉等を混合、発酵させた原生地を扇形に成形し、それを錐形状の芯に巻き付け、次いで、芯の底面を下にして置いた状態でその芯に巻きつけられた原生地を半焼成し、その後、芯と分離させるようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【0020】
手段6によれば、上記手段1乃至3のいずれかのピザ生地を効率よく製造することができる。すなわち、原生地を芯に巻き付けた状態で半焼成作業を行うため、その作業時に形状を崩すおそれが少なくなり、不良品の発生を大幅に削減できる。
【0021】
手段7.小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【0022】
手段7によれば、上記手段1、2、4又は5のピザ生地を効率よく製造することができる。すなわち、原生地を芯に巻き付けた状態で焼成作業を行うため、その作業時に形状を崩すおそれが少なくなる。しかも、原生地は帯状でよいため、その成形作業も容易になる。これにより、不良品の発生を大幅に削減しつつ製造効率を高めることができる。また、帯状にした原生地を巻き付けて焼成すると、焼成による原生地の変形に伴う応力がほどよく各所に分散される効果があり、焼成後に一部がひび割れるおそれが少ない。
【0023】
手段8.前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む上記手段7のピザ生地の製造方法。
【0024】
手段8によれば、第1の焼成段階では、原生地を芯に巻き付けた状態で焼成作業を行うことにより、焼成作業時に形状を崩すおそれを少なくできる。また、第1の焼成を行うことにより、生地の外側に対し熱が直接加えられるし、得られた一次焼成生地を芯から外して再度焼成する第2の焼成を行うことで、一次焼成生地の内側にも熱が直接加えられる。このように、生地の内外に熱を直接加えることで、生地の内外が形状保持に十分な程度に焼成されるとともに、原生地を巻いた際に生じた隙間を膨らみによって埋めることもできる。
【0025】
手段9.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【0026】
手段9によれば、食べ初めから食べ終わりまで、具材とチーズの両者を一緒に味わうことができる。すなわち、カップ内に具材層とチーズ層が一層づつ設けられた場合であると、具材層の部分を食しているときは具材の味のみ、チーズ層の部分を食しているときはチーズの味のみというように、具材とチーズをそれぞれ個別に味わうだけとなる。これでは、具材とチーズの両者を一緒に味わう本来のピザではなくなってしまう。この点、本手段によれば、具材層とチーズ層が交互に複数設けられているため、一般的な平たいピザと同様、具材とチーズの両者を一緒に味わうことができ、前述のような問題を解消できる。
【0027】
なお、チーズは熱せられると溶けて流動性をもつため、具材層とチーズ層は、特にその境界部分で絡み合う。このため、各層を薄く形成すれば、具材とチーズとが混ざり合った状態に近い状態にすることもできる。
【0028】
手段10.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【0029】
手段10によっても、上記9と同様、具材層とチーズ層を一層だけ設けた場合と異なり、具材とチーズを一緒に味わうことができるピザが得られる。特に、混合状態としておけばその効果は一層顕著となる。
【0030】
手段11.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【0031】
手段11によれば、具材層とチーズ層とを交互に複数設けた状態を作った状態で本焼成を行うことにより、上記手段9のピザを容易に製造することができる。
【0032】
手段12.上記手段1〜5のいずれかのピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【0033】
手段12によれば、具材とチーズとを予め混合させた状態で本焼成を行うことにより、上記手段10のピザを容易に製造することができる。
【0034】
なお、半焼成とは、小麦粉等を混合、発酵させた生の原生地が少なくとも前記カップ状としての形状を保持できる程度の焼き加減(好ましくは、カップ状ピザ生地の搬送時や積み重ね時に破損しない程度の焼き加減)であり、かつ、最終完成品であるピザほどには焼けていない焼き加減をいう。また、本焼成とは、最終完成品であるピザとして美味しく食べられる程度の十分な焼き加減をいう。
【0035】
また、ピザを製造するに際して、ピザソースは、半焼成状態とされたカップ状のピザ生地の内周面に塗りつけられていることが好ましい。従って、そのように内周面にピザソースを刷毛等で塗りつけた後に、具材やチーズが投入されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
[第1の実施形態]
以下、発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は第1の実施形態のピザ生地を示す斜視図、図2はそのピザ生地の製造する各工程を示す概略図である。
【0037】
図1に示すように、ピザ生地1は本体2により構成されている。この本体2は原生地を半焼成することで形成されている。原生地は、小麦粉、食塩、イースト等を含む原料に水を加え、それを練り、さらにそれを発酵させることで調製される。
【0038】
前記本体2はその外形形状として円錐形状(コーン(cone)形状)をなし、かつ円錐の底面側で開口するカップ状に形成されている。そして、ピザ生地1はこの本体2の開口部分を上にして使用される。本体2の開口端部3は、その開口端が一平面に位置するように形成されている。このため、本体2の開口部分はその周囲全体にわたって開放状態となっている。
【0039】
また、本体2の外面4及び内面5はそれぞれ凹凸のない形状に形成されている。そして、本体2の内面5によって形成される内部空間6も円錐形状をなす。本体2の厚さは全体的にほぼ均一なため、この内部空間6の円錐形状と本体2の外形形状である円錐形状とは相似形となっている。本体2の底部7についてはその厚さが他の部分よりも分厚く形成されている。
【0040】
次に、ピザ生地1の製造方法について、図2に基づいて説明する。この製造過程は、大きく、成形作業、巻き付け作業、半焼成作業、分離作業の各作業工程からなる。
【0041】
まず、成形作業工程では、図2(a)に示すように、原生地11をほぼ一定の厚さで扇形に成形する。また、扇形を形成する二つの略直線部分のうち、一方の側は扇形の頂点部12から円弧部分に至るまでの範囲で糊しろ部13となっている。そして、この糊しろ部13に小麦粉を水で溶いて作られた糊を塗布する。後述する巻き付け作業工程で、扇形に成形された原生地11は、円錐形状をなす芯14に巻き付けられる。この芯14は所望するピザ生地1のサイズに合わせて作られている。そのような芯14の側面の周囲全体が糊しろ部13を余らせながら原生地11で覆われるよう、原生地11が成形される。
【0042】
次に、巻き付け作業工程に移り、図2(b)に示すように、ステンレス製の前記芯14に扇形の原生地11を巻き付ける。この巻き付け時には、前記糊を塗った面を内側にして、糊しろ部13と反対側の直線部分から巻き付けるようにする。そして、糊しろ部13を原生地11の外面に重ね合わせ、糊しろ部13に塗布された糊によって、その重ね合わせた部分を接着させる。これにより、原生地11は芯14に巻き付けられた状態で保持される。
【0043】
次に、半焼成作業工程に移り、図2(c)に示すように、原生地11を巻いた状態の芯14をその底面を下にした状態で窯15に入れて焼成する。なお、この焼成はオーブン等の他の手段を使用してもよい。この作業工程では、完全に生地を焼成する前の半焼成状態でその焼成を止める。そして、その半焼成状態となったピザ生地1が巻き付けられた状態の芯14を窯15内から取り出す。次の分離作業工程では、図2(d)に示すように、ピザ生地1と芯14とを分離させる。これにより、半焼成状態のピザ生地1が得られる。
【0044】
次に、このピザ生地1を使用して作られる2種類のピザ21,22について、その製造方法とともに図3及び図4に基づいて説明する。
【0045】
まず一方のピザ21は、図3(a)に示すように、半焼成後の本体2に、その内容物として、玉ねぎやマッシュルーム、ベーコンなどの各種具材23とチーズ24とが複数の層状に充填されたものである。これは次にようにして作られる。まず、ピザ生地1の内面5に刷毛等によって万遍なくピザソースが塗りつけられる。その後、図3(b)に示すように、前記ピザ生地1の本体2内に各種具材23と固形チーズ25をそれぞれ交互に複数回に分けて入れる。より詳しくは、各種具材23を最初に、そして、固形チーズ25を最後に入れることが必要である。その後、ピザ生地1を本焼成する。これにより、前述した一方のピザ21が得られる。このように具材23と固形チーズ25とを交互に複数回入れることにより、本焼成の際に、具材23に溶け出したチーズがほどよく絡み、美味しいピザ21が得られる。また、最初に固形チーズ25を入れるとそのチーズが溶け出したとしても具材23と絡まないし、底部7が破れ易くなるので避けるべきである。さらに、最後に具材23を入れるとそこがチーズと絡まず食感が落ちるので避けるべきである。
【0046】
なお、図3(a)では、説明の便宜上、具材23とチーズ24とが境界線で完全に分離した層として図示しているが、固形チーズ25は熱せられると溶けて流動性をもつし、投入作業時に両者が若干混ざり合うなどして、完全に分離した層とならない場合もあり得る。また、ピザ21を製造する際の作業効率等から、一つの層の厚さが一様でないことも、各層ごとの厚さが均等でない場合もあり得る。
【0047】
次に、他方のピザ22は、図4(a)に示すように、焼成後の本体2に、その内容物として、前記各種具材23とチーズ24の混合物26が充填されたものである。これは次のようにして作られる。まず、図4(b)に示すように、ピザ生地1の本体2内に各種具材23と固形チーズ25を混合したものを本体2内に投入する。このようにすることで具材23が溶け出したチーズとほどよく絡み、美味しいピザ22が得られるし、その投入作業も図3のものと比べて容易なものとなる。なお、各種具材23と固形チーズ25を別々に投入した後、それらを撹拌して混ぜるようにしてもよい。その後、ピザ生地1を本焼成する。これにより、前述したピザ22が得られる。
【0048】
以上のようなピザ21,22の製造は、ピザ生地1を製造した施設とは別の店舗において行われる。すなわち、ピザ生地1を製造した後に、それを店舗へ配送する。その後、店舗において、消費者の要望に応じて具材23を選択し、前述の方法に従ってピザ21,22を製造する。
【0049】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0050】
本実施の形態では、ピザ生地1は本体2によって外形が円錐形状をなすカップ状に形成されているため、それを用いて作られるピザ21,22は従来の平たいピザとは異なり、簡単に手で持ちながら食べることが可能となる。そして、円錐形状をなすため外面4に角がないだけでなく、本体2の外面4には凹凸部も設けられていない。このため、より手で持ちやすい形状となっていて、ピザ21,22の持ちやすさが向上している。これにより、従来の平たいピザに比べてピザの食べやすさを向上させることができ、ひいては場所を選ばずにどこでも気軽にピザが食べられるようになる。
【0051】
また、このピザ生地1はその本体2が半焼成状態とされているため、カップ形状の保持が可能となり、その扱いが容易となっている。このため、ピザ21,22を作る際に、本体2内に具材23や固形チーズ25などを入れやすい。これにより、ピザ21,22の製造効率を高めることができる。しかも、ピザ生地1は既に半焼成状態にあるため、この状態からピザ21,22の完成までの焼成時間(本焼成に要する時間)を短くすることができる。そして、このような効果は、数多くの注文に迅速に対応できるという点で大きなメリットがある。また、その他、ピザ生地1の扱いが容易であることは、その運搬や保存が容易となる。
【0052】
さらに、ピザ21,22の製造は、半焼成状態のピザ生地1に具材23や固形チーズ25などを入れて本焼成する作業だけで足りるため、その製造作業を行う店舗には大型の製造設備等が不要となる。このため、比較的小さな店舗でも、この半焼成のピザ生地1を用いたピザ21,22の製造・販売が可能となり、フランチャイズ展開が容易となるというメリットもある。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、発明を具体化した第2の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図5は第2の実施形態のピザ生地を示す斜視図であり、図7はこのピザ生地を製造する工程の一部を示す斜視図である。
【0054】
図5に示すように、ピザ生地31は本体32により構成されている。この本体32は第1の実施形態と同様、原生地を半焼成することで形成されている。
【0055】
本体32はその外形形状として円錐形状(コーン(cone)形状)をなし、かつ円錐の底面側で開口するカップ状に形成されている。この円錐形状は帯状の生地が螺旋状に巻かれることで形成され、中でも本体32の開口側はその部分の強度を高めるために生地が二重に巻かれている(図6参照)。そして、ピザ生地31は本体32の開口部分を上にして使用される。本体32の開口端部33はその開口端が一平面に位置するように形成されている。このため、本体32の開口部分はその周囲全体にわたって開放状態となっている。
【0056】
また、本体32は生地が巻かれて形成されているために、その外面34には段差が形成されているが、その内面は後述するように半焼成されることで凹凸のない形状に形成されている。そして、その内面によって形成される内部空間も円錐形状をなす。また、本体32の底部37はその厚さが他の部分よりも分厚く形成されている。
【0057】
次に、このピザ生地31の製造方法について、図6及び図7に基づいて説明する。この製造過程は、大きく、成形作業、巻き付け作業、半焼成作業の各作業工程からなる。
【0058】
まず、成形作業工程において、図7(a)に示すように、原生地41を所定の幅、長さ、厚さをもつ帯状に成形する。本実施の形態では、幅4.5cm、長さ70cm、厚さ2mmの生地に成形した。
【0059】
次に、巻き付け作業工程に移り、図7(b)に示すように、ステンレス製で円錐形状をなす芯44に帯状の原生地41を巻き付ける。この巻き付けは次のように行う。すなわち、図6に示すように、帯状の原生地41を芯44の底面側から巻き始める。最初にまず二重巻きとした後、芯44の頂点部に向かって一部を重ねながら螺旋状に芯44に巻き付けていく。
【0060】
次に、半焼成作業工程に移る。この半焼成作業工程は2段階の焼成作業によって構成されている。第1の焼成作業では、図7(c)に示すように、原生地41を巻き付けた状態の芯44を、その底面を下にして焼成手段で焼成する。本実施の形態ではオーブン45により、200℃で3分50秒間、焼成を行う。すると、原生地41は内側と外側に向かって膨らむ。このうち、内側への膨らみは芯44によって規制されるため、芯44の側面に沿うようにして膨らむ。この膨らみにより、原生地41を芯44に巻き付けることで生じた内側の段差が埋められ、ほぼ凹凸のない内面が形成される。また、この段階の焼成では、芯44が存在するために原生地41の内側には熱が直接加わらない。このため、内側では外側よりも焼成度が低く、膨らみも不十分な状態にある。第1の焼成作業により、原生地41はこのような状態をなす一次焼成生地42となる。
【0061】
この第1段階の焼成後、オーブン45から芯44と一次焼成生地42を取り出し、図7(d)に示すように、両者を分離させる。そして、分離した一次焼成生地42を室温で一定時間放置し、それを冷却する。次いで、第2の焼成作業を行う。第2の焼成作業では、図7(e)に示すように、冷却後の前記一次焼成生地42を焼成手段で再度焼成する。本実施の形態では、オーブン45により、280℃で3分30秒間、焼成を行う。すると、一次焼成生地42はその外側では外面に焦げ目がつくほどに焼成される。また、内側では膨らみを規制するものが存在せず、熱も直接的に加わるため、その内側でも十分に膨らむ。そして、前記第1段階の焼成での膨らみとこの第2段階の焼成での膨らみがあいまって、原生地41を巻いた際に生じた隙間が埋められる。第2の焼成作業により、一次焼成生地42はこのような状態をなす二次焼成生地43となる。
【0062】
この第2段階からなる焼成後、オーブン45から二次焼成生地43を取り出す。図7(f)に示すこの二次焼成生地43は、2段階の焼成を経ているものの、依然として完全に焼成される前の段階にあり、半焼成状態となっている。この二次焼成生地43がピザ生地31である。なお、以上説明した寸法や温度・時間などは一例に過ぎない。
【0063】
このピザ生地31を用いれば、第1の実施形態におけるピザ生地1を用いた場合と同様の方法で、具材23とチーズ24が層状となったピザ21及び両者が混合されたピザ22を作ることができる。
【0064】
そして、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の優れた効果を得ることができる。
【0065】
加えて、第2の実施形態では、第1の実施形態のように原生地11を扇形に形成するのではなく、原生地41を帯状に形成したので、原生地41の成形が極めて容易なものとなる。
【0066】
また、第1の実施形態のような扇形の原生地11をカップ状にして半焼成するものでは、原生地11の糊しろ部13における重ね部位に、焼成時の原生地11の変形に伴う応力が集中してしまう。そのため、当該部位にひび割れが生じ易く、そのひび割れが生じないように繊細な調整が要求される。この点、第2の実施形態では、原生地41を帯状にしてこれをカップ状にした上で半焼成するものであるから、焼成時において原生地41の変形に伴う応力が各所に分散される。そのため、繊細な調整なくして半焼成後のピザ生地31にひび割れが生じにくいという利点がある。
【0067】
また、第2の実施形態では、本体32の開口端部33で生地が二重に巻かれている。本体32の開口端部33は底部37側よりも空間部分の面積が大きいために壊れやすい状態にある。そこで、このように生地が二重巻きとなっていることで、その開口部分での強度が高められている。これにより、本体32の破損のおそれを少なくできる。
【0068】
さらに、第2の実施形態のピザ生地31は、その製造段階において、2段階の焼成作業が行われることで、半焼成状態とされている。すなわち、第1の焼成では原生地41を芯44に巻き付けた状態で焼成を行い、第2の焼成では芯44を外して焼成を行っている。第1の焼成によれば、芯44があることで焼成作業時に形状を崩すおそれを少なくできる。また、第2の焼成によれば、一次焼成生地42の内側にも熱が直接加えられる。このため、2段階の焼成により生地の内外に熱を直接加えることが可能となる。これにより、生地の内外で形状保持に十分な程度の焼成ができるとともに、原生地41を巻いた際に生じた隙間を生地の膨らみによって確実に埋めることもできる。これは、原生地41を帯状に成形したことによる隙間の可能性が高まることとの関係で顕著な効果である。
【0069】
[別の実施形態]
なお、第1及び第2の実施形態に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0070】
上記両実施の形態では、本体2,32の外形形状を円錐形状としたが、その形状は他の形状であってもよい。例えば、横断面が円形ではなく、楕円形をなす形状としてもよい。また、図8に示すように、本体47を、楕円形状をなす開口部に対して底部が一直線状に閉塞された形状としてもよい。また、図10に示すように本体49を四角錐形状とするなど角錐形状としてもよい。また、図9に示すように底面を有する本体48として形成してもよい。さらに、錐状ではなくお椀型としてもよい。これらの各例においても、第2の実施形態に示されているように、帯状の原生地41を巻きつけて成形することが好ましい。
【0071】
上記両実施の形態において、本体2,32の開口側の外面4,34に受け部材を設けて、本体2,32の開口部分から内容物が本体2,32を持つ手の位置まで垂れ落ちることを防止するようにしてもよい。この場合、受け部材は本体2,32の成形と同時に原生地11,41から作り出すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態のピザ生地を示す斜視図。
【図2】図1のピザ生地を製造する各作業工程を示す概略図。
【図3】(a)は図1のピザ生地を用いたピザを示す断面図、(b)は(a)に示すピザの製造方法の一部を示す概略図。
【図4】(a)は図1のピザ生地を用いたピザを示す断面図、(b)は(a)に示すピザの製造方法の一部を示す概略図。
【図5】第2の実施形態におけるピザ生地を示す正面図。
【図6】図5のピザ生地の製造時において、原生地が二重に巻かれる様子を示す斜視図。
【図7】図5のピザ生地を製造する各作業工程を示す概略図。
【図8】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図9】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図10】ピザ生地の別例を示す斜視図。
【図11】従来のピザを示す斜視図。
【符号の説明】
【0073】
1,31…ピザ生地、2,32…本体、3,33…開口端部、4,34…本体の外面、5…本体の内面、7,37…底部、11,41…原生地、14,44…芯、21,22…ピザ、23…内容物としての各種具材、24…内容物としてのチーズ、26…内容物としての混合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【請求項2】
前記上面の全体が開口されている請求項1に記載のピザ生地。
【請求項3】
扇形に成形された原生地が巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項4】
帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項5】
前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている請求項4に記載のピザ生地。
【請求項6】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を扇形に成形し、それを錐形状の芯に巻き付け、次いで、芯の底面を下にして置いた状態でその芯に巻きつけられた原生地を半焼成し、その後、芯と分離させるようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項7】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項8】
前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む請求項7に記載のピザ生地の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【請求項2】
前記上面の全体が開口されている請求項1に記載のピザ生地。
【請求項3】
前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項4】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項5】
前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む請求項4に記載のピザ生地の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【請求項1】
上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【請求項2】
前記上面の全体が開口されている請求項1に記載のピザ生地。
【請求項3】
扇形に成形された原生地が巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項4】
帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、前記カップ状とされている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項5】
前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている請求項4に記載のピザ生地。
【請求項6】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を扇形に成形し、それを錐形状の芯に巻き付け、次いで、芯の底面を下にして置いた状態でその芯に巻きつけられた原生地を半焼成し、その後、芯と分離させるようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項7】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項8】
前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む請求項7に記載のピザ生地の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に成形された原生地が螺旋状に巻かれて錐形状に形成されることにより、上面が開口したカップ状に形成され、かつ半焼成状態とされていることを特徴とするピザ生地。
【請求項2】
前記上面の全体が開口されている請求項1に記載のピザ生地。
【請求項3】
前記帯状に成形された原生地が前記開口側で複数回重ねて巻かれている請求項1又は2に記載のピザ生地。
【請求項4】
小麦粉等を混合、発酵させた原生地を帯状に成形し、それを錐形状の芯の側面に沿って一部を重ねながら螺旋状に巻き付け、その後原生地を半焼成するようにしたことを特徴とするピザ生地の製造方法。
【請求項5】
前記半焼成の工程は、原生地を芯に巻き付けた状態で行いそれにより生じた一次焼成生地を芯から分離する第1の焼成段階と、その芯から分離された状態で一次焼成生地を再度焼成する第2の焼成段階とを含む請求項4に記載のピザ生地の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが交互に複数層形成され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズとが混合状態で収納され、かつ本焼成されてなることを特徴とするピザ。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズを交互に複数回投入し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のピザ生地のカップ内に、具材とチーズの混合物を投入し、又は具材とチーズを投入してからそれらを撹拌し、それを本焼成するようにしたことを特徴とするピザの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−262703(P2006−262703A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80793(P2005−80793)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【特許番号】特許第3715644号(P3715644)
【特許公報発行日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(504382626)有限会社ブルーノ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【特許番号】特許第3715644号(P3715644)
【特許公報発行日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(504382626)有限会社ブルーノ (1)
【Fターム(参考)】
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