説明

ピッチ変更移載装置

【課題】吊り下げハンガーに吊り掛ける際には、効率的に勝つ確実に処理するに適したピッチ間隔で配設されるが、その前段階では、前段階に適したピッチ間隔で配設されることが多く、その場合には、両ピッチ間隔が一致しないことが多く見られる。その場合には、手作業でワークWを1個づつ移し替えている。このような手作業では、作業が繁雑になり、効率よく作業を行うことが出来ない。
【解決手段】把持部材40は、第1所定ピッチP1で収納容器70に配列された1列のワークWを把持し、第1ピッチ変更部材32に搬送して、この第1ピッチ変更部材32に移し替えて第2所定ピッチ間隔P2に変更し、再度把持部材40で1列のワークWを把持して、吊り下げハンガーHまで搬送し、1列のワークWを吊り下げハンガーH移し替えて、ワークWを第2ピッチ間隔で保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1所定ピッチ間隔で配列された複数部品を第2所定ピッチ間隔の配列に変更するピッチ変更移載装置に関し、特に第1保持具に第1所定ピッチ間隔で配設された1列の複数部品を把持して、第2所定ピッチ間隔にピッチ変更した後、再度把持して第2保持具に移載するピッチ変更移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、小物部品のメッキ処理などの表面処理においては、横方向に複数の保持部が所定間隔で配列され、この複数保持部が縦方向に複数列配設された吊り下げハンガーを備え、この吊り下げハンガーに小物部品が保持されて、表面処理槽などに浸漬して表面処理されている。特に小物部品が棒状部品の場合には、保持部がバネ式の把持部からなり、棒状部品がこの把持部に挟まれている。(特許文献1)
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3098700号公報
【0004】
この特許文献1では、略円柱状のワークW10を吊り下げハンガーの保持部に把持する把持部材として、図18に示すように、薄い金属板を略U字状に屈曲させたU字型保持部材102を棒状本体101の長さ方向に所定間隔で複数箇所に設けたワーク保持具100が用いられる。このワーク保持具100では、前記U字型保持部材102の2つの保持片103,104が、内側で対向する面部によってワークW10を保持するための保持部であり、前記保持片103と保持片104との間にワークを挿入後、保持片103,104を接近する方向(内側)へ押し曲げることによって双方の面部がワーク外面部の一側と他側とを両側から挟み、保持することが知られている。
【0005】
また、把持部材としては、図19に示すように、棒状本体111と、前記棒状本体の長さ方向に所定間隔で複数箇所形成され、前記棒状本体に設けられた固定側保持部121と前記固定側保持部に対してそれぞれ接近離隔可能に配置された可動側保持部131とからなるワーク保持部120と、前記棒状部材に形成され、前記可動側保持部をそれぞれ対応する前記各固定側保持部に対して弾性支持する弾性部材140とを有し、前記固定側保持部がワーク外面部の一側に位置する固定側挟持片122よりなり、前記可動側保持部が前記固定側挟持片に対向配置されワーク外面部の他側に位置する可動側挟持片132よりなり、前記弾性部材が前記可動側挟持片を前記固定側挟持片に対して接近する方向に押圧する構成も開示されている。この図19に示すものでは、図18のものに対して、確実にホールドする点では優れている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、吊り下げハンガーに取り付ける前の状態では、複数のワークのピッチ間隔が所定間隔で用意され、吊り下げハンガーに掛ける際には異なるピッチ間隔になることがある。即ち、吊り下げハンガーに吊り掛ける際には、効率的に勝つ確実に処理するに適したピッチ間隔で配設されるが、その前段階では、前段階に適したピッチ間隔で配設されることが多く、その場合には、両ピッチ間隔が一致しないことが多く見られる。その場合には、上記特許文献1では対応できない。
【0007】
即ち、この把持部は、多数の棒状小物部品を効率的に表面処理するために、表面処理に適したピッチ間隔に配列されて設けられている。それに対して、搬入される棒状小物部品は、前処理や搬送に適したピッチ間隔で収納容器等の第1保持部に保持されている。そのために、第1保持部に保持された小物部品のピッチ間隔と第2保持部(吊り下げハンガーの把持部)にセットされる小物部品のピッチ間隔が異なり、自動化が困難であった。実際には、手作業で第1保持部から棒状小物部品を1個づつ取外し、1個づつ吊り下げハンガーの把持部に移して保持するようにしている。また、表面処理した後も、手作業で1個づつ吊り下げハンガーの把持部から取外し、元の第1保持部に戻している。
このような手作業では、多数の棒状部品を同時に表面処理しようとする場合、作業が繁雑になり、効率よく作業を行うことが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、第1所定ピッチ間隔で配列された複数部品を第2所定ピッチ間隔の配列に変更するピッチ変更移載装置であって、該ピッチ変更移載装置は、上記第1所定ピッチで上記第1保持具に配列された1列の複数部品群を把持し、第2所定ピッチに変更された後に第2保持具に移載する把持部材と、第1保持具と第2保持具との間に配設され、上記把持部材によって第1保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第1所定ピッチから第2所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にするピッチ変更部材とを有し、上記把持部材を上記第1保持具に移動させて1列の複数部品群を把持し、この状態で上記把持部材を上記ピッチ変更部材まで搬送し、該複数部品群を該ピッチ変更部材に移載し、該ピッチ変更部材上でピッチ変更された該複数部品群を再び該把持部材に把持して、該把持部材を第2保持具に搬送し、該複数部品群を第2保持具に移載する構成である。
【0009】
請求項2の発明は、第1所定ピッチ間隔で配列された複数部品を第2所定ピッチ間隔の配列に変更するピッチ変更移載装置であって、該ピッチ変更移載装置は、上記第1所定ピッチで上記第1保持具に配列された1列の複数部品群を把持し、第2所定ピッチに変更された後に第2保持具に移載する把持部材と、第1保持具と第2保持具との間に配設され、上記把持部材によって第1保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第1所定ピッチから第2所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にするピッチ変更部材とを有し、上記把持部材は、上記第1所定ピッチ及び上記第2所定ピッチに配設された1列の複数部品群を把持できる長さを有する第1把持プレートと、該第1把持プレートに対面して配設され相対的に平行移動可能な第2把持プレートと、上記第1把持プレート及び上記第2把持プレートの少なくとも一方を移動させる間隔変更手段とを備え、上記把持部材を上記第1保持具に移動させて、上記間隔変更手段で拡大された上記第1把持プレートと上記第2把持プレートとの間隔内に、第1所定ピッチで配設された1列の複数部品群を位置させた後、上記間隔変更手段によって上記第1把持プレートと上記第2把持プレートとの間隔を狭めて1列の複数部品群を把持し、この状態で上記把持部材を上記ピッチ変更部材まで搬送し、上記第1把持プレートと第2把持プレートとの間隔を拡大して該複数部品群の把持状態を解除して、該複数部品群を該ピッチ変更部材に移載し、該ピッチ変更部材上でピッチ変更された該複数部品群を再び上記第1把持プレートと第2把持プレートとの間に把持して、上記把持部材を第2保持具に搬送し、該複数部品群を第2保持具に移載する構成である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のピッチ変更移載装置において、該部品は棒状小物部品であって、該部品は棒状小物部品であって、該把持部材の第1把持プレート及び第2把持プレートは、該棒状小物部品の軸部を挟んで把持する構成である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか記載のピッチ変更移載装置において、間隔変更手段は空圧シリンダからなる構成である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか記載のピッチ変更移載装置において、上記第2保持具は、該棒状小物部品の軸部を挟んで保持する保持部を上記第2所定ピッチに配列して複数個備え、該複数個の保持部を1列として複数列備える吊り下げハンガーである構成である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5記載のピッチ変更移載装置において、上記吊り下げハンガーは処理液槽に浸漬される表面処理用のハンガーであって、上記棒状小物部品は該処理液槽で表面処理されるようになっている構成である。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし6記載のピッチ変更移載装置において、上記ピッチ変更部材は、第2所定ピッチ間隔に配設された部品受け凹部を備え、上記部品受け凹部の上方位置に上記第1所定ピッチに位置する部品を受ける開口部を備え、該開口部と上記部品受け凹部とを連通し、上記開口部の部品を上記部品受け凹部にガイドする傾斜面が設けられている構成である。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記第2所定ピッチの間隔は上記第1所定ピッチの間隔より狭く、上記第1所定ピッチの間隔の0.5倍より広い構成である。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1ないし8いずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記把持部材の上記第1プレートと上記第2プレートとは対向面にそれぞれ平面部を備え、且つ少なくとも一方の平面部にはクッション部材が配設され、該クッション部材を介して1列の複数部品群を把持することで、任意のピッチ間隔の複数部品群を把持できるようになっている構成である。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記部品受け凹部に搬入される1列の複数部品群の先端部を受け止める縦壁部が該部品受け凹部に取り付けられている構成である。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10記載のピッチ変更移載装置において、該縦壁部が該部品受け凹部に対して、その位置を調整可能に取り付けられている構成である。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、さらに、上記把持部材によって第2保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第2所定ピッチから第1所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にする第2ピッチ変更部材を備える構成である。
【0020】
請求項13の発明は、請求項12記載のピッチ変更移載装置において、上記第2ピッチ変更部材は、第1所定ピッチ間隔に配設された第2部品受け凹部を備え、上記第2部品受け凹部の上方位置に上記第2所定ピッチに位置する部品を受ける第2開口部を備え、該第2開口部と上記第2部品受け凹部とを連通し、上記第2開口部の部品を上記第2部品受け凹部にガイドする第2傾斜面を備え、上記第2部品受け凹部に搬入される1列の複数部品群の先端部を受け止める第2縦壁部が該第2部品受け凹部に取り付けられている構成である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、1列分を一度にピッチを変更して移載出来るので、作業効率が非常に良い。移載の自動化も容易である。
【0022】
請求項2の発明によれば、簡単な構造で1列分を一度にピッチを変更して移載出来る。その上、異なるピッチであっても対応可能である。
【0023】
請求項3の発明によれば、棒状の小物部品に対して作業を効率化することが出来、好ましい装置である。
【0024】
請求項4の発明によれば、低コストで且つ確実に把持できる。
【0025】
請求項5の発明によれば、多数の部品を吊り下げるハンガーに適用可能である。
【0026】
請求項6の発明によれば、多数の部品を吊り下げハンガーに吊り下げて表面処理するものに対して、作業効率を高め、且つ自動化も容易である。
【0027】
請求項7の発明によれば、簡単な構成で、且つ確実にピッチ変更を行なうことが出来る。
【0028】
請求項8の発明によれば、僅かのピッチ差のために移し変える場合に、簡単な構成で確実に変更できる。
【0029】
請求項9の発明によれば、1列分のワークのピッチが異なるものに対しても把持部材を共通に使用できる。
【0030】
請求項10の発明によれば、ピッチ変更と共にワークの長さ方向を揃えることが出来るので、低コストで確実にワークの端部を把持できる。
【0031】
請求項11の発明によれば、長さの異なるワークに対して、別のピッチ変更部材を用意しなくても良いので、低コスト化でき、省スペース化できる。
【0032】
請求項12の発明によれば、吊り下げハンガーから取外した後、第2所定ピッチから逆に所定第1ピッチに戻す際にも、使用できる。
【0033】
請求項13の発明によれば、第2所定ピッチから逆に所定第1ピッチに戻す際にも簡単且つ確実にピッチ変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1ないし図16は、本発明の第1実施形態を示す。図1は第1実施形態の全体概略図を示す。図2はワークが第1保持具である収納容器に収納されている状態を示し、図3はこの収納容器を傾斜台にセットした状態を示し、図4は図3における収納穴とワークとの関係を示す説明図である。図5及び図6は収納容器からワークを取り出す状態を説明する図である。図7及び図8はピッチ変更部材を説明する一部省略正面図及びその平面図を示す。図9はワークをピッチ変更部材に移載する状態を説明する説明図であり、押込み部材を省略して示す。図10はワークをピッチ変更部材に移載した後の状態を示す説明図である。図11は移載時のワークの移動状態を説明する説明図である。図12は吊り下げハンガーの概略図を示し、図13はこの吊り下げハンガーの保持部とワークとの関係を示す。図14は、吊り下げハンガーの保持部にワークを押し込む状態を説明する説明図である。図15は図1の部分図を示す。図16は取外し補助部材の部分図を示す。
【0035】
第2保持具である吊り下げハンガーHには、ワークWを保持する把持部1が第2所定ピッチP2の間隔で設けられている。1列に10個のワークの把持部1が設けられ、この把持部1が複数列設けられ、吊り下げハンガーHの両面に対称に設けられている。把持部1は2つのバネ式把持爪からなっている。把持爪1は中央部にワークWの軸部を受ける椀部2を備え、椀部2の先端から先に拡がった挿入部3を備えている。多数の棒状ワークWは、図示してないが、吊り下げハンガーHの把持爪1に第2所定ピッチ間隔で把持されて、処理槽に搬送されて浸漬されて、メッキ処理、アルマイト処理などの表面処理されるようになっている。
【0036】
この吊り下げハンガーHにワークWを取り付ける及び取外すための取付/取外し装置10が、図1に示すように、吊り下げハンガーHを吊り下げるレールRに近接して配設されている。吊り下げハンガーHに吊り下げられる多数のワークWを第1所定ピッチP1の間隔で収納した収納容器70(第1保持具)が、取付/取外し装置10の近くに用意されている。
【0037】
取付/取外し装置10は、直方体形状に立設された支柱11を備え、その支柱11の上下方向中央位置にベース部12が設けられている。支柱11の上端部に設けられた横桁部材13、13にX方向にスライド可能にフレーム14が横架されている。フレーム14に、Y方向にスライド可能に支持部材15が設けられている。支持部材15の上面にシリンダ16が立設されている。シリンダ16には、把持部材40の支持ロッド51が接続され、把持部材40をZ方向に移動させるようになっている。把持部材40については後で説明する。モータ17がフレーム14に設けられ、横桁部材13、13間でフレーム14をX方向にスライドさせるようになっている。モータ18がフレーム14に設けられ、フレーム14に対してブラケット15をY方向にスライドさせるようになっている。
【0038】
ベース部12には、吊り下げハンガーHを横に倒して置くハンガー載置部20が設けられている。このハンガー載置部20は、図15に示すように、吊り下げハンガーHよりも一回り大きい大きさの略長方形の開口部21を備え、開口部21の両短辺部側に吊り下げハンガーHを支持するハンガー支持部22が設けられている。このハンガー支持部22は、吊り下げハンガーHの上端部中央のハンガー上軸部J1を支持する上支持部22aと下端部中央のハンガー下軸部J2を支持する下支持部22bを有し、上支持部22aと下支持部22bとで吊り下げハンガーHを反転可能に支持する。押し付けシリンダ23は、上支持部22aに連結されて配設され、上支持部22aのロッドをハンガー上軸部J1に押し付け、下方側に押す。その結果、ハンガー上軸部J1が上支持部22aで上下方向および左右方向で位置決めされ、ハンガー下軸部J2が下支持部22bに押付け支持されることで前後方向に位置決めされる。回転止めシリンダ24、24が押し付けシリンダ23の側方位置に配設され、吊り下げハンガーHの上端部材J3を下から支えることで、吊り下げハンガーHの反転を防止して固定する。回転モータ25が下支持部22bに連結され、下支持部22bに支持したハンガー下軸部J2を回転することで吊り下げハンガーHを反転するようになっている。
【0039】
ハンガー載置部20に隣接してピッチ変更部30が設けられている。ピッチ変更部30には、収納容器70を傾斜して置く傾斜台31が設けられている。この傾斜台31の後側に第1ピッチ変更部材32、第2ピッチ変更部材33が傾斜して配設される置台34が設けられている。置台34は、複数種類の第1ピッチ変更部材32・第2ピッチ変更部材33が、ワークWの径・長さ等の差異に対応した大きさで用意して配設できるように、複数設けられている。
【0040】
傾斜台31に載置される収納容器70には、図2、図4及び図6に示すように、1列に第1所定ピッチP1の間隔で10個の収納穴71が設けられ、この1列の収納穴71が複数列設けられ、その結果多数の収納穴71は碁盤の目のように設けられている。多数のワークWはこれらの収納穴71に規則正しく挿入整列されて、1つの収納容器70に収まって搬送される。収納容器70の収納穴71は、ワークWの外径より少し大きめに形成され、ワークWが収納されやすいようになっている。又少し外径の異なるワークにも対応できるようになっている。そして、図3及び図4に示すように、収納容器70が傾斜台31に傾斜して載置されることで、ワークWが収納穴71の下側に揃えることが出来るようになっている。
【0041】
載置部20及びピッチ変更部30の上方位置に、3次元(X、Y、Z方向)に移動可能に把持部材40が配設されている。把持部材40は、第1把持プレート41と第2把持プレート42を備える。第1把持プレート41と第2把持プレート42は、1列分のワークWを把持することが出来る長さを有し、それぞれ内側が平坦面41a、42aで構成され、それぞれ平坦面41a、42aにクッション材52が貼り付けてある。それによって、ワークWのピッチ間隔が第1所定ピッチであっても第2所定ピッチであっても、また他の所定ピッチ間隔であっても把持できるようになっている。
【0042】
第2把持プレート42を第1把持プレート41に対して接離するように平行移動させる把持用シリンダ43が第1把持プレート41の後側両端部に取り付けられている。把持用シリンダ43のロッド44が第1把持プレート41の両端部を貫通して第2把持プレート42に取り付けられている。第1把持プレート41の上部にベース部材45が配設されている。このベース部材45の上端部及び下端部にそれぞれ軸受け部45a、45bが設けられている。軸受け部45a、45bに回転軸46a、46bが回転可能に設けられ、この回転軸46a、46bがタイミングベルト47で回転可能に連結されている。回転軸46bに第1把持プレート41が固定されている。回転軸46aの端部に回転用モータ48が連結されている。回転用モータ48を回転すると、回転軸46aが回転し、タイミングベルト47が回動し、回転軸46bが回転して第1把持プレート41が回転するようになっている。
軸受け部45aに取り付けブラケット49が固定されている。取り付けブラケット49は支持プレート50にボルト等で取り付けられている。支持プレート50は支持ロッド51に接続されている。上記支持ロッド51は、前記シリンダ16に上下方向(Z方向)に移動可能に接続されている。
【0043】
把持部材40には、図5及び図6に示すように、押込み部材55が設けられている。この押込み部材55は、図13及び図14に示すように、把持部材40に把持したワークWを吊り下げハンガーHの把持部1に挿入する際に、ワークWを押込むように作用する。押込み部材55は、ベース部材45に取り付けられたフレーム56を備え、フレーム56の下端部にワークWの軸部を押し込む押込み部57が上下動可能に取り付けられている。押込み部57には、フレーム56に設けられたガイド部56aに上下動可能に支持されたガイドロッド59が接続され、ベース部材45に直角で上下動作できるようになっている。フレーム56の上面部には、押込み部57をフレーム56に対して上下動させるシリンダ58が取り付けられている。このシリンダ58は軸径が異なるワークWに対しても対応できるように、押込み部57の位置を変更できるようになっている。なお、この実施形態では、ワークWを吊り下げハンガーHの把持部1に挿入する際に、押込み部57を余分に下方に押し込むようになっていないが、必要であれば、ワークWを押込む際に押込み部57を余分に下方に押し込むようにしても良い。
【0044】
図7及び図8に示すように、第1ピッチ変更部材32は、第2所定ピッチP2の間隔で1列分のワークWの軸部を受ける断面略円弧状の受け凹部35を備えている。この受け凹部35の上方は大きく開放された開口部36となっており、開口部36に第1所定ピッチP1のワークWが位置できるようになっている。この開口部36と上記受け凹部35とが傾斜面37で連結されている。この傾斜面37は、中央位置に設けられる受け凹部35に対する傾斜面37に対して、端部側に位置する受け凹部35の傾斜面37の傾斜角度θのほうが少しずつ小さくなるように設定され、開口部36に位置する第1所定ピッチP1のワークWの1列分が同時に傾斜面37を滑って、第2所定ピッチP2にある受け凹部35に位置して、ワークW1列分が同時にピッチ変更できるようになっている。第1ピッチ変更部材32には、図10に示すように、縦壁部38が取り付けられ、ワークWの先端部のストッパとなっており、ワークWを揃えるようになっている。
【0045】
第2ピッチ変更部材33は、第1ピッチ変更部材32とピッチ間隔が逆であるが類似した形状であり、第2所定ピッチP2のワークWを第1所定ピッチP1に変更するものである。第2ピッチ変更部材33の詳細説明は省略するが、受け凹部35a、開口部36a及び傾斜面37aが設けられ、縦壁部(図示せず)が取り付けられている。なお、縦壁部38aの反対側には鏡面部を取り付けて、ワークWの下面を映し出すことで、ワークWの下面の損傷などをチェックできるようにしても良い。
【0046】
図15に示すように、取外し補助部材60は、ハンガー載置部20の開口部21の長辺側に近接して設けられたガイド部材61、61を有する。両ガイド部材61、61は、ベース部12に対して、Z方向に上下動可能に取り付けられ、開口部21の4角に取り付けた上下動用シリンダ62で上下動するようになっている。一方のガイド部材61にブロック本体63がスライド可能に設けられている。一方のガイド部材61にガイドレール61a及び送り軸61bが設けられ、順送り用モータ67を回転すると送り軸61bが回転して、ブロック本体63がX方向に送られる。
【0047】
ブロック本体63に、吊り下げハンガーHの把持部1に把持した1列分のワークWを外す際に持ち上げる持ち上げ部材64がY方向にスライド可能に設けられている。持ち上げ部材64は合成樹脂からなる上部材64a及び下部材64bを備え、持ち上げ部材64の先端部69で上部材64a及び下部材64bは一体に形成されている。先端部69には、他方のガイド部材61を挟むように保持する凹部65が設けられている。持ち上げ部材64の上部材64a及び下部材64bは、ブロック本体63に設けられたガイド穴にスライド可能に挿入されている。上部材64a及び下部材64bとの間に移動用シリンダ66のピストンロッド68が配設され、このピストンロッド68の先端が持ち上げ部材64の先端部69に接合されている。移動用シリンダ66はブロック本体63に設けられ、ピストンロッド68をY方向に移動させることで持ち上げ部材64を吊り下げハンガーHの1列分のワークWを持ち上げる位置と、吊り下げハンガーHから外れた位置との間で移動させる。吊り下げハンガーHの把持部1の1列分と次の1列分の間隔幅でX方向に送る順送り用モータ67がガイド部材61の端部に設けられ、送り軸61bを回転させてブロック本体63を順送りするようになっている。
移動用シリンダ66のピストロッド68をY方向に前後進させることで、持ち上げ部材64の先端部69を前後進させ、上部材64aがワークWの下方位置の持ち上げ位置とワークWの下方位置から外れた送り位置とで移動可能となっている。持ち上げ部材64の上部材64aがワークWを持ち上げる際の補助機能を果たす。
【0048】
持ち上げ部材64の上部材64aが薄肉板状の合成樹脂製可撓性部材からなっており、持ち上げ部材64を持ち上げた際に、吊り下げハンガーHに保持された1列分のワークWが両端側から順次持ち上げられることで、一度に持ち上げられることを防止している。即ち、吊り下げハンガーHの把持部1の椀部2から1列分のワークWを一度に無理やり持ち上げて把持部1から外す場合には、大きな力が必要となり、その結果勢いで一部のワークWが大きく持ち上げられ外れて落ちる可能性がある。このことを防止する為に、持ち上げた際に上部材64aが撓み、1列分のワークWが順に外れるようにしている。持ち上げ部材64は、上記構造に限られるものではなく、撓むことが出来れば他の構成であっても良く、また合成樹脂材に限られるものではなく、例えばゴムベルトのようなものであっても良い。
【0049】
作動について説明する。
図1に示すように、レールRに吊り下げられた吊り下げハンガーHが、作業員によって、レールRから降ろされて、取付/取外し装置10のハンガー載置部20に置かれる。吊り下げハンガーHのハンガー上軸部J1をハンガー支持部22の上支持部22aに支持し、ハンガー上軸部J2をハンガー支持部22の下支持部22bに支持して、押し付けシリンダ23で吊り下げハンガーHを下端側に押し込み、位置決めする。その上で、回転止めシリンダ24、24を吊り下げハンガーHの上端部材J3の下側に位置させて下から支えるようにして吊り下げハンガーHの回転を阻止する状態として固定する。
【0050】
一方、ワークWは、図1に示すように、収容容器70の収納穴71にワークWが第1ピッチ間隔P1で整列されて収納された状態で、積層されて搬入される。そして、1つの収納容器70が、作業員によって、取付/取外し装置10のピッチ変更部30の傾斜台31にセットされる。図4に示すように、多数のワークWが収納穴71の下側に位置を揃えられて、ワークWの端部が収納穴71から露出している。
【0051】
上記状態に吊り下げハンガーHと収納容器70とをセットした後、1列分毎にワークWが自動的に順次第1所定ピッチ間隔P1から第2所定ピッチ間隔P2に変更されて、吊り下げハンガーHに装着される。この自動装着について説明する。
制御装置80の制御によって、把持部材40が、図5に示すように、傾斜台31上に載置された収納容器70内のワークWの露出した端部を把持できる位置に移動する。そして、第2把持プレート42は第1把持プレート41から離れる方向にシリンダ43で移動し、両把持プレート41、42の幅はワークWの軸部を挿入できる幅になる。また、傾斜台31の傾斜角度に応じて、両把持プレート41、42が少し回転する。ワークWの軸線と直角な方向に両把持プレート41、42が並ぶような角度にセットされる。その状態で、両把持プレート41、42が下降し、その後斜め下方に移動して、両把持プレート41、42の間にワークWの露出した軸部を位置させる。そして、シリンダ43を作用させて、第2把持プレート42を第1把持プレート41の方向に移動させて、1列分のワークWを把持する。ワークWを把持できた状態で、図6に示すように、ワークWを収納容器70の収納穴71から引き抜くように把持部材40を上昇させる。
【0052】
なお、把持部材40を下降する前に、両把持プレート41、42の間隔を拡げること及び傾斜させることを行ったが、下降後に斜めに移動させる前であれば、上記タイミングに限られるものではなく、早くても遅くても良い。また、ワークWの軸端部を把持する際には第2把持プレート42を第1把持プレート41の方向に移動させたが、第1把持プレート41を第2把持プレート42の方向にも移動させるようにして、両把持プレート41、42を狭める方向に移動させるようにしても良い。即ち、把持部材40を斜めに移動させて、両把持プレート41、42間にワークWの軸端部を位置させた後、第1把持プレート41をワークWの軸端部方向に移動させてワークWの軸端部に当接させて位置決めし、その後第2把持プレート42を第1把持プレート41の方向に移動させてワークWの軸端部を把持するようにしても良い。このようにすれば、確実に把持できる。
【0053】
ワークWを把持して把持部材40を上昇させた後、図9に示すように、ワークWが略水平になるように両把持プレート41、42を回転させて、把持部材40を第1ピッチ変更部材32の上方位置に搬送する。そして、把持部材40を下降させる。ワークWが第1ピッチ変更部材32の開口部35の位置に来た時に、把持用シリンダ43を作動させて第2把持プレート42を第1把持プレート41から離れる方向(下方)に移動させて、ワークWの把持状態を解除することで、ワークWが落下する。落下に伴い、図11に示すように、ワークWは傾斜面36に沿って斜め下方に滑り、受け凹部34に達し支持される。このことで、1列分のワークWの間隔が、第1所定ピッチP1から第2所定ピッチP2に変更される。その後、この受け凹部34にある1列分のワークWを把持するために、支持ロッド51を下降させて、第1把持プレート41を下降させてワークWに当接させて位置決めし、把持用シリンダ43を作動させて第2把持プレート42を上昇させてワークWを把持する。この時、第1把持プレート41と第2把持プレート42との中間位置にワークWの軸芯が来るように設定されている。1列分のワークWを第2所定ピッチ間隔P2で把持した後、把持部材40を上昇させて、ハンガー載置部20に横倒しでセットされた吊り下げハンガーHの上方位置まで搬送される。この際に、押込み部材55はワークWの軸径に応じた位置にセットされているので、把持部材40に把持されたワークWは、押込み部材55に当接するか近接した位置にある。
【0054】
図14に示すように、ワークWを把持して把持部材40が吊り下げハンガーHの上方位置まで搬送されると、把持部材40(ワークW)が下降し、ワークWの軸部が把持爪1の挿入部3に挿入される。それとともに、挿入補助部材である押込み部材55も把持部材40と一緒に下降するので、ワークWが下方に押し下げられて、ワークWが把持爪1の椀部2の位置まで押し込まれる。なお、押し込み時には、押し込み部材55の押込み部57がシリンダ58によって少し下降し、ワークWを椀部2の位置まで押し込まれるようにしても良い。
押し込みが完了すると、押し込み部材55の押込み部57が上昇してワークWと接触しない位置に戻り、第1把持部材41及び第2把持部材42との間隔が開けられて、ワークWの把持状態が解除される。そして、把持部材40が少し水平移動して、第2把持部材42がワークWの端部と干渉しない位置まで移動する。その後、把持部材40が上昇する。これによって、1列分のワークWを吊り下げハンガーHに保持することが完了する。
【0055】
その後、把持部材40は再び収容容器70の上方位置まで移動する。そして、今までと同様な作動を繰り返す。即ち、把持部材40が次の1列のワークWを把持して、第1ピッチ変更部材32で第1所定ピッチ間隔P1から第2所定ピッチ間隔P2に変更して移送し、吊り下げハンガーHに装着する。この動作が繰り返されて吊り下げハンガーHの1面いっぱいにワークWが装着されると、回転止めシリンダ24が吊り下げハンガーHの上端部材J3から離れる方向に移動し、ハンガー載置部20の回転止めが解除される。そして、回転モータ25が作動して吊り下げハンガーHが反転する。反転後、回転モータ25が停止して、回転止めシリンダ24がロック方向に作動し、吊り下げハンガーHが回転止めされ、反転動作が完了する。そして、今までと同様に把持部材40が収容容器70内のワークWを把持してピッチ変更して吊り下げハンガーHに装着される。これを繰り返して、吊り下げハンガーHの1面いっぱいにワークWが装着される。その後、吊り下げハンガーHのロックを解除して、作業者が吊り下げハンガーHをレールRに吊りかけ、空の新しい吊り下げハンガーHをハンガー載置部20にセットする。なお、収納容器70は空になると別の収納容器と取り替える。
【0056】
ワークWを取り付けた吊り下げハンガーHは表面処理槽に運ばれ、そこでメッキ処理やアルマイト処理などの表面処理を施される。その後、表面処理の完了後ワークWを取外すために、ワークWを装着した吊り下げハンガーHは取付/取外し装置10の近くに搬送される。ワークWを装着した吊り下げハンガーHが、作業者によってレールRから外されて、ハンガー載置部20に横倒しに載置される。この吊り下げハンガーHをハンガー支持部22で固定する。その後、把持部材40で把持してワークWを取外す。
【0057】
この取外し作業を、図15により、説明する。処理済みのワークWが保持された吊り下げハンガーHがハンガー載置部20に横たわってセットされている。このセットは、前述した空の吊り下げハンガーHをハンガー載置部20に横たわってセットする場合と同じであり、ここでは説明を省略する。そして、ワークWを把持してない空の把持部材40を、上記ハンガー載置部20に横たわった吊り下げハンガーHの上方位置まで搬送する。
そして、第1把持プレート41と第2把持プレート42との間隔を開けた状態で、第1把持プレート41がワークWの把持する軸部の上方位置までで、第2把持プレート42がワークWの把持する軸部の下方位置まで、把持部材40を下降させる。そして、把持部材40をX方向に移動させて、第1把持プレート41と第2把持プレート42との間にワークWの把持する軸部を位置させる。その後、第1把持プレート41と第2把持プレート42を互いに近づく方向に移動させて、ワークWの軸部を把持する。
【0058】
上記作動を並行して、取外し補助部材60が順送り用モータ67でY方向に移動して、1列のワークWの下側に対応する位置に移動している。そして、移動用シリンダ66のピストンロッド68をY方向に移動させて、持ち上げ部材64をY方向に移動させて、持ち上げ部材64の先端部69に設けた凹部65をガイド部材61にセットする。
持ち上げ部材64のセットと上記把持部材40によるワークWの把持が完了して、把持部材40を上昇させて、ワークWを吊り下げハンガーHから取外す準備が整った時点で、把持部材40の上昇に合せてシリンダ62を作動させて持ち上げ部材64を上昇させる。この際に、持ち上げ部材64の上部材64aは可撓性樹脂の薄板からなるので、1列のワークWは10個が同時に持ち上げられるのではなく、両端に位置するワークWから順に持ち上げられる。その結果、持ち上げ部材64でワークWを持ち上げすぎてワークWが把持部材40から外れてしまうことを防止できるようになっている。
【0059】
ワークWを持ち上げると、把持部材40に1列分のワークWが把持された状態で、吊り下げハンガーHから離れ、ピッチ変更部30に搬送される。この1列分のワークWは第2所定ピッチP2の間隔であるので、収納容器70に戻すためには、第1所定ピッチP1の間隔に変更する必要がある。このピッチ変更を第2ピッチ変更部材33で行なう。このピッチ変更は、前述した第1所定ピッチ間隔P1から第2所定ピッチ間隔P2に変更する際に第1ピッチ変更部材32を使った場合と類似しており、ここでの説明者省略する。
第2ピッチ変更部材33によって第1所定ピッチP1の間隔に変更されたら、再度ワークWを把持して、傾斜台31上の収納容器70上まで搬送して、収納容器70にワークWを収納する。
【0060】
(実施形態2)
図17に第2実施形態を示す。この第2実施形態は、第1実施形態の持ち上げ部材64の変形例を示し、異なる部位のみ説明する。上部材164aと下部材164bとをピストンロッド169の上側に設け、先端部169では一体とすると共に後端部でも一体として強度アップを図っている。そしてガイド部材66bが断面円形になっており、このガイド部材66bの形状に合せて、先端部69の凹部165を形成している。
【0061】
上記実施形態では第2ピッチ変更部材33に鏡面部38を設け、ワークWの下面を映し出し、ワークWの下面の損傷などをチェックできるようにしても良い。この鏡面部を作業員が目視するようにしても良いし、カメラ等で監視するようにしても良い。
上記実施形態では、第1ピッチ変更部材32、第2ピッチ変更部材33は、ワークの長さ等の差異に対応した長さで複数種類がセットされていたが、1種類だけセットするようにしたものでも良い。また、複数種類を置き換えて使用するようにしても良い。
上記実施形態では吊り下げハンガーHを反転するようになっているが、吊り下げハンガーHの両面に把持部を有しているからである。しかし、吊り下げハンガーHの片面のみに把持部を有している場合には、上記反転装置はなくても良いものである。
上記実施形態では、ワークWの押込み部材55は把持部材40に一体に設けられているが、ワークWの押込み部材55は把持部材40と別体にしても良く、把持部材40と一緒に移動することなく、ハンガー載置部20に取り付けるようにしても良い。
【0062】
上記実施形態では、置部34は第1ピッチ変更部材32用と、第2ピッチ変更部材33用の2つだけでなく、ワークWの長さ等の差異に対応した長さで複数種類が用意して配設できるように、各ピッチ用に複数設けられているが、各ピッチ用に1つだけ用意するようにして、長さの異なるワークWのために第1ピッチ変更部材32や第2ピッチ変更部材33を変更する必要がでた場合には、同じ置部34を使って交換するようにしても良い。また、縦壁部38は第1ピッチ変更部材32に固定されているが、第1ピッチ変更部材32に対して、ネジ等によって位置を調整できるように取り付けるようにしても良い。それによって、ワークWの長さに対して、縦壁部38の位置を変更するようにしても良い。複数種類の第1ピッチ変更部材32は置部34に対して同じ傾斜角度で置かれるが、別々の傾斜角度で置くようにしても良い。又は、第1ピッチ変更部材32に傾斜角度を変える角度変更機構を設けて角度を調整するようにしても良い。これらのことは、第2ピッチ変更部材33に対しても同じことが言える。
【0063】
上記実施形態では、ワークWを装着してない空の吊り下げハンガーHがレールRに吊り掛けられており、ワークWを装着した後の吊り下げハンガーHもレールRに吊り掛けられるとして説明したが、別々のレールであっても良い。また、空の吊り下げハンガーHはレールRに吊り下げられてなく、ワークWを装着した後の吊り下げハンガーHがレールRに吊り下げられるようにしても良い。
用途としては、自動車のブレーキピストン部品やバルブスプール等の部品表面に対するアルマイト処理するものなどに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態の全体概略図を示す。
【図2】ワークが第1保持具である収納容器に収納されている状態を示す。
【図3】収納容器を傾斜台にセットした状態を示す。
【図4】図3における収納穴とワークとの関係を示す説明図である。
【図5】収納容器からワークを取り出すために迎えに行く際を説明する図である。
【図6】収納容器からワークを取り出す状態を説明する図である。
【図7】第1ピッチ変更部材を説明する一部省略正面図及びその平面図を示す。
【図8】第2ピッチ変更部材を説明する一部省略正面図及びその平面図を示す。
【図9】ワークをピッチ変更部材に移載する状態を説明する説明図であり、押込み部材を省略して示す。
【図10】ワークをピッチ変更部材に移載した後の状態を示す説明図である。
【図11】移載時のワークの移動状態を説明する説明図である。
【図12】吊り下げハンガーの概略図を示す。
【図13】吊り下げハンガーの保持部とワークとの関係を示す。
【図14】吊り下げハンガーの保持部にワークを押し込む状態を説明する説明図である。
【図15】図1の部分図を示す。
【図16】取外し補助部材の部分図を示す。
【図17】第2実施形態に関わり、図16と同様な図を示す。
【図18】従来技術を示す。
【図19】他の従来技術を示す。
【符号の説明】
【0065】
W ワーク
P1 第1所定ピッチ
P2 第2所定ピッチ
H 吊り下げハンガー(第2保持具)
1 把持部(把持爪)
10 取付/取外装置
20 ハンガー載置部
21 開口部
22 ハンガー支持部
23 押し付けシリンダ
24 回転止めシリンダ
25 回転モータ
30 ピッチ変更部
31 傾斜台
32 第1ピッチ変更部材
33 第2ピッチ変更部材
34 置台
35 受け凹部
36 開口部
37 傾斜面
38 縦壁部
40 把持部材
41 第1把持プレート
42 第2把持プレート
43 把持用シリンダ
45 ベース部材
47 タイミングベルト
48 回転用モータ
49 取り付けブラケット
55 押込み部材
60 取外し補助部材
61 ガイド部材
64 持ち上げ部材
65 凹部
70 収容容器(第1保持具)
71 収納穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1所定ピッチ間隔で配列された複数部品を第2所定ピッチ間隔の配列に変更するピッチ変更移載装置であって、
該ピッチ変更移載装置は、上記第1所定ピッチで上記第1保持具に配列された1列の複数部品群を把持し、第2所定ピッチに変更された後に第2保持具に移載する把持部材と、
第1保持具と第2保持具との間に配設され、上記把持部材によって第1保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第1所定ピッチから第2所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にするピッチ変更部材とを有し、
上記把持部材を上記第1保持具に移動させて1列の複数部品群を把持し、この状態で上記把持部材を上記ピッチ変更部材まで搬送し、該複数部品群を該ピッチ変更部材に移載し、該ピッチ変更部材上でピッチ変更された該複数部品群を再び該把持部材に把持して、該把持部材を第2保持具に搬送し、該複数部品群を第2保持具に移載することを特徴とする。
【請求項2】
第1所定ピッチ間隔で配列された複数部品を第2所定ピッチ間隔の配列に変更するピッチ変更移載装置であって、
該ピッチ変更移載装置は、上記第1所定ピッチで上記第1保持具に配列された1列の複数部品群を把持し、第2所定ピッチに変更された後に第2保持具に移載する把持部材と、
第1保持具と第2保持具との間に配設され、上記把持部材によって第1保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第1所定ピッチから第2所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にするピッチ変更部材とを有し、
上記把持部材は、上記第1所定ピッチ及び上記第2所定ピッチに配設された1列の複数部品群を把持できる長さを有する第1把持プレートと、該第1把持プレートに対面して配設され相対的に平行移動可能な第2把持プレートと、上記第1把持プレート及び上記第2把持プレートの少なくとも一方を移動させる間隔変更手段とを備え、
上記把持部材を上記第1保持具に移動させて、上記間隔変更手段で拡大された上記第1把持プレートと上記第2把持プレートとの間隔内に、第1所定ピッチで配設された1列の複数部品群を位置させた後、上記間隔変更手段によって上記第1把持プレートと上記第2把持プレートとの間隔を狭めて1列の複数部品群を把持し、この状態で上記把持部材を上記ピッチ変更部材まで搬送し、上記第1把持プレートと第2把持プレートとの間隔を拡大して該複数部品群の把持状態を解除して、該複数部品群を該ピッチ変更部材に移載し、該ピッチ変更部材上でピッチ変更された該複数部品群を再び上記第1把持プレートと第2把持プレートとの間に把持して、上記把持部材を第2保持具に搬送し、該複数部品群を第2保持具に移載することを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は2記載のピッチ変更移載装置において、該部品は棒状小物部品であって、該把持部材の第1把持プレート及び第2把持プレートは、該棒状小物部品の軸部を挟んで把持することを特徴とする。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか記載のピッチ変更移載装置において、間隔変更手段は空圧シリンダからなることを特徴とする。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか記載のピッチ変更移載装置において、上記第2保持具は、該棒状小物部品の軸部を挟んで保持する保持部を上記第2所定ピッチに配列して複数個備え、該複数個の保持部を1列として複数列備える吊り下げハンガーであることを特徴とする。
【請求項6】
請求項5記載のピッチ変更移載装置において、上記吊り下げハンガーは処理液槽に浸漬される表面処理用のハンガーであって、上記棒状小物部品は該処理液槽で表面処理されるようになっていることを特徴とする。
【請求項7】
請求項1ないし6記載のピッチ変更移載装置において、上記ピッチ変更部材は、第2所定ピッチ間隔に配設された部品受け凹部を備え、上記部品受け凹部の上方位置に上記第1所定ピッチに位置する部品を受ける開口部を備え、該開口部と上記部品受け凹部とを連通し、上記開口部の部品を上記部品受け凹部にガイドする傾斜面が設けられていることを特徴とする。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記第2所定ピッチの間隔は上記第1所定ピッチの間隔より狭く、上記第1所定ピッチの間隔の0.5倍より広いことを特徴とする。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記把持部材の上記第1プレートと上記第2プレートとは対向面にそれぞれ平面部を備え、且つ少なくとも一方の平面部にはクッション部材が配設され、該クッション部材を介して1列の複数部品群を把持することで、任意のピッチ間隔の複数部品群を把持できるようになっていることを特徴とする。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、上記部品受け凹部に搬入される1列の複数部品群の先端部を受け止める縦壁部が該部品受け凹部に取り付けられていることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10記載のピッチ変更移載装置において、該縦壁部が該部品受け凹部に対して、その位置を調整可能に取り付けられていることを特徴とする。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載のピッチ変更移載装置において、さらに、上記把持部材によって第2保持具から搬出される1列の複数部品群を受け取って第2所定ピッチから第1所定ピッチに変更し、上記把持部材に移載可能にする第2ピッチ変更部材を備えることを特徴とする。
【請求項13】
請求項12記載のピッチ変更移載装置において、上記第2ピッチ変更部材は、第1所定ピッチ間隔に配設された第2部品受け凹部を備え、上記第2部品受け凹部の上方位置に上記第2所定ピッチに位置する部品を受ける第2開口部を備え、該第2開口部と上記第2部品受け凹部とを連通し、上記第2開口部の部品を上記第2部品受け凹部にガイドする第2傾斜面を備え、上記第2部品受け凹部に搬入される1列の複数部品群の先端部を受け止める第2縦壁部が該第2部品受け凹部に取り付けられていることを特徴とする。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−137498(P2006−137498A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325826(P2004−325826)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(500434071)株式会社コスモス (11)
【Fターム(参考)】