説明

ピペット先端部における粒子凝集

単一の使い捨てプローブ先端部において粒子凝集反応を行う装置および関連方法を開示する。プローブ先端部は、サンプル取得のためのサンプル空洞と、遠心分離又は他の手段により粒子を捕捉するための少なくとも1つの側面空洞と、凝集用試薬とサンプルを混合するための移行ゾーンと、粒子凝集を光学的に検出するための検出ゾーンと、を含む。プローブ先端部の内部容積を通る流体の運動を制御する機構を、プローブ先端部に取り付けることができる。プローブ先端部は、ハイスループット凝集型アッセイを自動化するのに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔出願の分野〕
本出願は、単一の使い捨て先端部要素内部で粒子凝集の存在または欠如を迅速に検知する装置および方法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
リガンドとリガンド結合分子との相互作用に基づく診断アッセイは、当技術分野で周知であり、生体サンプル内の様々な抗原または抗体を検出するために臨床研究室で広く使用されている。歴史的に、凝集アッセイは、大きな免疫複合構造体の形成および沈殿を通じて抗原と抗体との間の特定の相互作用を検出する単純な方法を提供した。
【0003】
一般的に細胞、特に赤血球はまた、様々な凝集方法の影響を受けやすい。直接および間接クームズ試験などの従来の血液型分類試験は、血液型適合性を判断するため、または溶血性貧血などの深刻な自己免疫疾患を診断するために、赤血球の凝集に依存している。
【0004】
直接クームズ試験または直接抗グロブリン試験は、生体内で患者の赤血球の表面抗原に結合した抗体または補体系因子(complement system factors)を検出するのに用いられる。陽性クームズ試験では、ヒト抗体により結合された患者の赤血球へのウサギ抗ヒト抗体(クームズ試薬)の添加は、赤血球の凝集および沈殿を生じ、それにより、自己免疫溶血性貧血を示す。
【0005】
間接クームズ試験または間接抗グロブリン試験では、患者の血清が、見込みのあるドナーの赤血球と共にインキュベートされる。患者の血清中の抗体がドナーの赤血球に結合すると、クームズ試薬の添加により、ドナーの赤血球の凝集および沈殿が生じ、それにより、患者の血液と見込みのあるドナーの血液とが不適当であることが示される。逆に、凝集がないことは、患者の血清中の抗体が、ドナーの赤血球上の表面抗原を認識しないことを示す。したがって、ドナーの血液は、適合性があり、輸血に使用されることができる。
【0006】
凝集イムノアッセイは、単純で費用対効果が高いが、微量の抗原の検出に必要な感受性をしばしば欠いており、また、結果の解釈が主観的になりやすい。より最近では、感受性および再現性が増大した凝集型アッセイが、「均一なラテックス粒子」としばしば呼ばれる、サブミクロンサイズのポリスチレンミクロスフェアに抗体を付着させることにより、達成された。これらのブラウン粒子は、グラフトコロイド(grafted colloids)間で凝集が起こる際の散乱光の増加のため、検出感受性を著しく改善した。凝集イムノアッセイに対するこれらの改善は、広範な疾患関連抗原の検出用の市販の診断キットの急速な発展をもたらした。細胞に基づく凝集アッセイ、例えばクームズアッセイ、または簡易化血液型分類法、例えば米国特許第5,338,689号に開示されたID-Micro Typing System, Inc.(Stiftung fur diagnostische Forschung)、は、輸血に対する高まる需要、および救急施設での輸血のための血液型の迅速な判断の要求を特に考慮して、有益な臨床診断ツールを提供し続けている。
【0007】
長年にわたる改善にもかかわらず、凝集型アッセイ、特に細胞に基づく凝集型アッセイは、実験プロトコルにより指示されるような複数の洗浄工程および試薬の連続添加に対する必要性のため、依然として困難かつ面倒である。したがって、これらのアッセイは、容易には自動化されない。大量のヒト患者サンプル、例えば血液サンプルを扱うことにより、実験誤差、再現性、汚染、ならびにHIVおよび肝炎ウイルスBおよびCなどのヒト病原体による、研究室の人員の感染のリスクも増大する。
【0008】
これらの問題に取り組もうとする試みに関する情報を、米国特許第4,087,248号;4,590,157号;4,775,515号;4,960,566号;4,963,498号;5,019,351号;5,144,139号;5,174,162号;5,891,740号;5,942,442号;5,976,896号;6,218,193号;6,261,847号;6,375,817号;6,517,778号;米国特許出願公開第US 2003/0022382号;US 2005/0048519号;US 2006/0194342号、PCT国際出願第PCT/US87/02054号;PCT/US94/01182号;PCT/GB1999/000052号;PCT/GB2005/004166号;PCT/EP2005/001029号;PCT/GB1990/000202号,ヨーロッパ特許文献第EP 212314号、EP 340562号、EP 483117号;EP 542655号、ならびに日本特許文献第JP 58073866号、JP 62240843号、およびJP 2005164330号に見ることができる。しかしながら、これらの参考文献のそれぞれは、以下の欠点のうち1つ以上を被る:すなわち、研究室の人員の介入を繰り返し必要とする粒子凝集反応、粒子凝集反応に必要な工程全てを行うことのできる装置の説明書の欠如、このような装置を用いた、複数の粒子凝集反応の自動化の欠如、およびこのような装置における粒子凝集反応を検出する手段の欠如、である。
【0009】
前記の理由から、粒子凝集型アッセイの自動化を実行することにより、必要とするオペレーターとの相互作用を最小限にし、それにより、これらの重要な臨床アッセイの安全性、信頼性、費用効果、および効率を改善するために、当技術分野ではまだ満たされない必要性がある。
【0010】
〔出願の概要〕
1つ以上の使い捨てプローブ先端部における粒子凝集反応の、必要とされる全工程を行う方法を記載する。本発明は、複数のプローブ先端部内部で粒子凝集を視覚的に検出する装置にさらに関する。
【0011】
一態様によると、プローブ先端部は、先端部内への試薬およびサンプルの吸引後、視覚的に検出可能な凝集反応を行うのに使用される。プローブ先端部は、プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートを含む。プローブ先端部の内部容積は、(a)第1のポートと流体連通するサンプル空洞と、(b)サンプル中の粒子がサンプルの残部から分離された後で、その粒子を捕捉するように構成された、少なくとも1つの側面空洞であって、側面空洞は、サンプル空洞と流体連通している、少なくとも1つの側面空洞と、(c)サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞は、サンプル空洞と流体接続している、検出空洞と、(d)サンプル空洞と検出空洞との間に配された移行ゾーンであって、移行ゾーンは、その攪拌により検出ゾーンとサンプル空洞との間の移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、(e)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬およびサンプルがプローブ先端部の内部容積内へ吸引されるか、またはその内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポートと、を含む。
【0012】
別の態様によると、プローブ先端部内のサンプルは、細胞懸濁液を含む。1つのバージョンでは、細胞懸濁液は、ドナーの赤血球などの赤血球、または患者の血清およびドナーの赤血球を含む。
【0013】
別の態様では、サンプルは、抗体またはクームズ試薬などのリガンド結合分子を含む。
【0014】
別の態様では、粒子はミクロスフェアである。1つのバージョンでは、ミクロスフェアは、リガンド結合分子に結合し、リガンド結合分子は抗体であり、粒子は細胞、例えば赤血球である。
【0015】
別の態様では、凝集は赤血球凝集である。
【0016】
さらに別の態様によると、サンプル空洞の垂直な軸と、少なくとも1つの側面空洞の垂直な軸とは、45°以下の角度を形成する。
【0017】
さらに別の態様では、サンプルの残部からの粒子の分離は、遠心分離による分離または磁場における分離により生じる。
【0018】
さらに別の態様では、遠心分離は、プローブ先端部の垂直な主軸の周りでのプローブ先端部の回転により生じる。
【0019】
さらに別の態様では、側面空洞は、側面空洞内に吸引された試薬による、遠心分離粒子の再懸濁を可能にするよう構成される。
【0020】
別の態様では、側面空洞は、プローブ先端部のサンプル空洞および検出空洞内へ、再懸濁された遠心分離粒子が流れ込むことを可能にするよう構成される。
【0021】
別の態様では、サンプル空洞の壁の内径が、検出空洞の壁の内径より大きい。
【0022】
別の態様では、検出空洞は、凝集の光学的検出を可能にするため、光学的に透明である。
【0023】
別の態様では、プローブ先端部は、検出空洞での蛍光検出を可能にする材料から作られる。
【0024】
別の態様では、検出空洞の壁は、ある所定の波長で光を伝達することができる。
【0025】
別のバージョンによると、試薬およびサンプルを内部に吸引した後で視覚的に検出可能な凝集反応を行うプローブ先端部が、提供される。プローブ先端部は、プローブ先端部の内部容積と流体連通する第1のポートを含む。先端部の内部容積は、(a)第1のポートと流体連通するサンプル空洞と、(b)サンプル内部の凝集粒子を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞は、サンプル空洞と流体接続する、検出空洞と、(c)サンプル空洞と検出空洞との間に配された移行ゾーンであって、移行ゾーンは、その攪拌により検出ゾーンとサンプル空洞との間の移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、(d)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬およびサンプルがプローブ先端部の内部容積内へ吸引されるかまたは内部容積から分配されることを可能にするように構成される、第2のポートと、(e)プローブ先端部の内部空洞と流体連通する第3のポートと、を含む。
【0026】
先端部の一実施形態では、第3のポートは、プローブ先端部に関して横方向に配される。
【0027】
別の実施形態によると、第3のポートは、変位空洞と流体連通しており、変位空洞は、プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成される。
【0028】
変位空洞は、ピストンを含んでよく、変位空洞の容積は、変位空洞でのピストンの前後運動に基づいて変化する。変位空洞内部におけるこの前後のピストン運動により、空気柱が変位し、空気柱は、次に、プローブ先端部の移行ゾーンを通じてサンプルおよび試薬に対して前後の力を及ぼす。ピストンの運動は、独立していてよい。別のバージョンによると、先端部の変位空洞内部でのピストンの運動は、回転子内部の変位空洞の回転と調和されてよい。回転子は、回転子の軸の周りでプローブ先端部を支持している。
【0029】
さらに別のバージョンによると、複数のプローブ先端部内で凝集反応を検出する装置が提供される。装置は、複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダーであって、複数のプローブ先端部はそれぞれ、(i)プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、(ii)ポートと流体連通するサンプル空洞、(iii)サンプル中の粒子をサンプルの残部から分離した後でその粒子を捕捉するように構成された少なくとも1つの側面空洞であって、側面空洞はサンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、(iv)サンプル内部の凝集粒子を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞は、サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、(v)サンプル空洞と検出空洞との間に配された移行ゾーンであって、移行ゾーンは、その攪拌により検出ゾーンとサンプル空洞との間の移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、ならびに(vi)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬およびサンプルが、プローブ先端部の内部容積内へ吸引されるか、内部容積から分配されるのを可能にするように構成されている、第2のポート、を含む、複数のホルダーと、サンプルの残部からサンプル中の粒子を分離する手段と、を含む。
【0030】
一実施形態によると、サンプル中の粒子は、遠心分離手段により、サンプルの残部から分離されることができる。
【0031】
この遠心分離は、プローブ先端部の垂直な主軸の周りでプローブ先端部を回転させることを通じて、1つのバージョンに従って達成され得る。あるいは、サンプル中の粒子は、磁性手段によってサンプルの残部から分離されてもよい。
【0032】
さらに別のバージョンによると、複数のプローブ先端部内部で凝集反応を検出する装置が提供される。装置は、複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダーを含み、複数のプローブ先端部はそれぞれ、(a)プローブ先端部の内部容積と流体連通する第1のポートを含み、この内部容積は、(i)第1のポートと流体連通するサンプル空洞、(ii)サンプル内部の凝集粒子を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞はサンプル空洞と流体接続する、検出空洞、(iii)サンプル空洞と検出空洞との間に配された移行ゾーンであって、移行ゾーンは、その攪拌により検出ゾーンとサンプル空洞との間の移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成される、移行ゾーン、(iv)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬およびサンプルがプローブ先端部の内部容積内へ吸引されるか、または内部容積から分配されるのを可能にするように構成されている、第2のポート、ならびに(v)プローブ先端部の内部空洞と流体連通する第3のポートを含む。
【0033】
第3のポートは、プローブ先端部に対して横方向に配されてよく、または代わりに、第3のポートは、変位空洞と流体連通してよく、装置は、変位に関して配されたピストンをさらに含む。
【0034】
一実施形態では、変位空洞の容積は、変位空洞でのピストンの運動と共に変化し、変位空洞内部でのピストンの前後運動により、空気柱が変位し、空気柱は次に、プローブ先端部の移行ゾーンを通じて、サンプルおよび試薬に対して前後の力を及ぼす。
【0035】
ピストンの運動は、様々な手段により生じることができる。1つのバージョンでは、この運動は、独立した駆動機構によるものである。別のバージョンでは、駆動機構は、先端部を収容する回転子内部での変位空洞の回転と調和し、先端部は、回転子の軸の周りを回転する。装置は、プローブ先端部で凝集を検出する手段をさらに含む。
【0036】
さらに別のバージョンによると、単一のプローブ先端部で凝集反応を行う方法が説明され、この方法は、(a)プローブ先端部を準備する工程であって、プローブ先端部は、プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートを含み、内部容積は、(i)第1のポートと流体連通するサンプル空洞、(ii)サンプル中の粒子をサンプルの残部から分離した後でその粒子を捕捉するように構成された少なくとも1つの側面空洞であって、側面空洞は、サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、(iii)サンプル内部の凝集を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞は、サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、(iv)サンプル空洞と検出空洞との間の移行ゾーンであって、移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成された、移行ゾーン、ならびに、(v)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬がプローブ先端部の内部容積内へ吸引されるか、またはその内部容積から分配されるのを可能にするように構成されている、第2のポート、を含む、工程と、(b)プローブ先端部のサンプル空洞内へサンプルを吸引する工程と、(c)サンプルの残部から粒子を分離し、プローブ先端部の少なくとも1つの側面空洞の中に粒子を捕捉する工程と、(d)サンプルの上澄みをプローブ先端部から分配する工程と、(e)プローブ先端部内へ凝集用試薬を吸引する工程と、(f)少なくとも1つの側面空洞からサンプルペレットを再懸濁させる工程と、(g)再懸濁したサンプルペレットを検出空洞に動かす工程と、を含み、再懸濁したサンプルペレットの凝集は検出空洞で検出される。
【0037】
1つのバージョンによると、サンプルペレットは、プローブ先端部の移行ゾーンでの回転混合により再懸濁することができる。サンプルは、一実施形態によると、細胞懸濁液を含み、細胞懸濁液は、赤血球、患者の全血、および/または患者の血清、およびドナーの赤血球を含むことができる。凝集用試薬は、リガンド結合分子を含むことができ、リガンド結合分子は抗体である。別の実施形態では、凝集用試薬は、クームズ試薬を含む。別の実施形態では、凝集用試薬はミクロスフェアを含み、ミクロスフェアはリガンド結合分子に結合される。凝集用試薬は既知の血液型の赤血球も含んでよい。
【0038】
別の実施形態では、粒子は、遠心分離によって、または磁場における分離によって、サンプルの残部から分離される。
【0039】
さらに別のバージョンによると、単一のプローブ先端部において視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットが提供され、キットは、(a)第1のポートを含むプローブ先端部であって、第1のポートは、プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成されており、内部容積は、(i)ポートと流体連通するサンプル空洞、(ii)サンプル中の粒子がサンプルの残部から分離された後でその粒子を捕捉するように構成された側面空洞であって、側面空洞はサンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、(iii)サンプル中の凝集を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞は、サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、(iv)サンプル空洞と検出空洞との間の移行ゾーンであって、移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成された、移行ゾーン、ならびに(v)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬が、プローブ先端部の内部容積内へ吸引されるかまたは内部容積から分配されるのを可能にするように構成される、第2のポート、を含む、プローブ先端部と、(b)凝集用試薬と、を含む。凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子、またはリガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含んでよく、リガンド結合分子は抗体である。別の実施形態では、凝集用試薬はクームズ試薬を含む。別の実施形態では、凝集用試薬は既知の血液型の赤血球を含む。
【0040】
本明細書で説明するキットの別の実施形態では、粒子は、遠心分離によって、または磁場における分離によって、サンプルの残部から分離される。
【0041】
さらに別のバージョンによると、単一のプローブ先端部で視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットが提供される。キットは、(a)プローブ先端部であって、プローブ先端部は、プローブ先端部の内部容積と流体接続する第1のポートを含み、内部容積は、(i)第1のポートと流体連通するサンプル空洞、(ii)サンプル内の凝集を検出するように構成された検出空洞であって、検出空洞はサンプル空洞と流体接続している、検出空洞、(iii)サンプル空洞と検出空洞との間の移行ゾーンであって、移行ゾーンの中を前後に動くサンプルを回転混合するように構成された、移行ゾーン、(iv)検出空洞と流体接続する第2のポートであって、第2のポートは、試薬がプローブ先端部の内部容積内へ吸引されるか、または内部容積から分配されるのを可能にするように構成されている、第2のポート、(v)先端部のサンプル空洞および検出空洞と流体連通する第3のポート、ならびに(vi)第3のポートと流体連通する変位空洞であって、変位空洞はピストンを有する、変位空洞、を含む、プローブ先端部と、(b)凝集用試薬と、を含む。凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子、またはリガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含み、リガンド結合分子は抗体を含む。凝集用試薬は、クームズ試薬、または既知の血液型の赤血球を含むことができる。
【0042】
別の実施形態では、変位空洞の容積は、変位空洞におけるピストンの運動に基づいて変化し、変位空洞内部でのピストンの前後運動により、空気柱が変位し、空気柱は、次に、プローブ先端部の移行ゾーンを通じてサンプルおよび試薬に対して前後の力を及ぼす。ピストンの運動は、独立したものであるか、または回転子内部での、回転子の軸の周りにおける変位空洞の回転と調和していてよい。
【0043】
本出願は、この概要に開示した実施形態に限定されるものではなく、請求項により示されるように、当技術分野で十分なスキルを持つ人の力量の及ぶ範囲の改変およびバリエーションを含むことを意図していることが、理解されるべきである。
【0044】
先に述べた実施形態には多くの利点がある。その利点には、研究所の人員による最小限の介入を必要とする、単一のプローブ先端部で凝集反応を実施する能力が含まれる。反応は、費用対効果が高く、当技術分野で知られる従来のカートリッジ法より速い。したがって、本明細書に開示する方法は、ハイスループット凝集型アッセイの自動化に特に有用である。
【0045】
〔詳細な説明〕
<定義>
特に定めのない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。以下の定義は、本出願の開示および請求項を解釈するのに役立つよう提供されるものである。この項における定義が他の部分での定義と矛盾する場合、この項で述べた定義が支配するものとする。
【0046】
本明細書で使用される用語「複数(plurality)」は、2つ以上の量を指す。
【0047】
毛管作用および/または重力によって流体が1つの要素からもう一方の要素へ移動できるとき、ある要素は別の要素と「流体連通」している。これらの要素は、直接接触していてよいが、直接接触している必要はない。すなわち、この流体が通過できる他の要素が介在していてよい。毛管作用および/または重力によって流体が1つの要素からもう一方の要素に移動できない場合、ある要素は別の要素と「流体連通していない」。典型的には、これらの要素は、物理的に分離されている、すなわち、離間している。
【0048】
本明細書で使用される用語「粒子」は、リガンドまたはリガンド結合分子が結合され得る、凝集アッセイで使用する任意の粒子を含むが、これに限定されない。粒子は、細胞、例えば、細菌、または赤血球もしくは白血球であってよい。別の実施形態では、粒子は、ラテックスで作られるが、リガンドが結合され得る他のタイプの粒子も、本発明の範囲に含まれる。これらの不活性粒子は、任意の適切な材料、例えばガラスもしくはセラミックスもしくは炭素、および/または1つ以上のポリマー、例えばナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(商標))、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、スチレン‐ジビニルベンゼンポリマー(styrene-divinylbenzene polymers)、例えばセファデックス、セファロースもしくはセファクリル(スウェーデン・ウプサラのPharmacia ABが販売)、アガロース、セルロース、セルロース誘導体、もしくはデキストランで構成されてよく、かつ/あるいは、金属を含んでよい。多孔性ガラスまたはシリカゲル粒子も適切であることができる。粒子のさらなる例は、プラスチック粒子、セラミック粒子、炭素粒子、ポリスチレンミクロビーズ、ガラスビーズ、磁性ビーズ、中空ガラス球、金属粒子、複合組成物の粒子、微小粒子(microfabricated or micromachined particles)を含むが、これらに限定されない。
【0049】
粒径は、0.1μm〜1000μm(0.1ミクロン〜1000ミクロン)であってよい。好ましくは、粒径は1〜200μm(1〜200ミクロン)である。これらの粒子は、一般に、ビーズ、ビーズゲル(beaded gels)またはミクロスフェアの形態であるが、任意の形状を有してよい。原則として、任意のリガンドは、例えばHeamらがMethods in Enzymology Vol. 35:102-117 (1987)で説明したように、既知の技術を用いて、アガロースビーズ(例えばPharmaciaのSepharose)などの固相マトリックスに共有結合することができる。一般に、ビーズは、最初に、グルタルアルデヒド、カルボニルジイミダゾール(carbonyldiimidizole)、臭化シアンヒドロキシスクシンイミド(cyanogen bromide hydroxysuccinimide)、塩化トシル(tosyl chloride)または同種のものといった、化学薬品により活性化される。選択されたリガンドは次に、ビーズに共有結合し、担体に対するリガンドの非常に安定した結合がもたらされる。
【0050】
本明細書で使用される「リガンド」は、リガンド結合分子に結合できるあらゆる分子である。別の好適な実施形態では、リガンドは、本明細書で定義するような分析物の表面に露出される。一実施形態では、リガンドは、抗体のエピトープである。例えば、リガンドは、ウイルス、細菌または寄生生物の構成要素であってよい。リガンドは、赤血球などの細胞の表面抗原であってよい。イムノグロブリン分子を結合し、本明細書で使用する粒子に共有結合され得るいくつかのリガンドも既知である。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/GおよびKappaLock(商標)(参照により、内容が全体として本明細書に組み込まれる米国特許第5,665,558号も参照のこと)である。リガンドは、使用もしくは試験される抗体のイソタイプに結合でき、または代わりに、IgM抗体のための架橋抗体、例えばIgG抗−IgMを使用することができる。よって、IgG抗−IgM抗体は、「橋」としてリガンドに結合され、IgM抗体は、IgG抗−IgM抗体に結合する。
【0051】
本明細書で使用する用語「リガンド結合」は、結合対のメンバー、すなわち2つの異なる分子を指し、分子のうち1つは、科学的または物理的手段により、第2の分子に特異的に結合する。抗原および抗体の結合対メンバーに加えて、他の結合対は、制限のない例として、ビオチンおよびアビジン、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクターおよびレセプター分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害薬および酵素、ペプチド配列およびその配列もしくはタンパク質全体に特異的な抗体、ポリマー酸および塩基、染料およびタンパク質結合剤、ペプチドおよび特異タンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、S-ペプチドおよびリボヌクレアーゼS−タンパク質)、ならびに同種のものを含む。さらに、結合対は、元の結合メンバー(original binding member)の類似体、例えば分析物‐類似体、もしくは組み換え技術もしくは分子工学により作られた結合メンバーである、メンバーを含み得る。結合メンバーが、免疫反応物質である場合、それは、例えばモノクローナルまたはポリクローナル抗体、組み換えタンパク質または組み換え抗体、キメラ抗体、前記の混合物またはフラグメント、ならびに、結合メンバーとしての使用の適合性が当業者に周知であるそのような抗体、ペプチドおよびヌクレオチドの製剤であってよい。リガンド結合メンバーは、ポリペプチド親和性リガンドであってよい(例えば、参照により、内容が全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,326,155号を参照)。一実施形態では、リガンド結合メンバーは標識される。標識は、蛍光標識、化学発光標識、または生物発光標識、酵素−抗体構造物、または当技術分野で既知の同様の他の適切な標識から選択されてよい。
【0052】
本明細書で使用される用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の双方を含み、未変化分子、そのフラグメント(例えばFv、Fd、Fab、Fab’およびF(ab)’2フラグメント)、または未変化分子および/もしくはフラグメントのマルチマーもしくは凝集物であってよく、自然に発生するか、または例えば免疫化、合成もしくは遺伝子工学により産生されてよい。
【0053】
本明細書で使用する抗体または抗原は、試験されている抗体または抗原によって決まる。例えば、血液型抗原、よって、識別されたこれらの抗原に対する抗体の数は、非常に多く、より多くの抗原および抗体が絶えず判定されている。国際輸血学会は、赤血球抗原の包括リストを、Blood Group Terminology 1990, Vox. Sang. 58:152-169に公表している(1990年、抗体および抗原A、B、D、C、c、C、E、e、K、Fy、Fy、Jk、Jk、Sおよびsを含むがこれらに限定されない)。
【0054】
本明細書で使用される「凝集」とは、試薬、通例抗体または他のリガンド結合物による、細胞または粒子抗原の懸濁液のクランピングを指す(例えば、米国特許第4,305,721号、5,650,068号および5,552,064号を参照のこと。これらの内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)。
【0055】
「赤血球凝集」は、赤血球の凝集を指す。赤血球凝集は、(既知の抗体で)赤血球表面抗原を識別するか、または(既知の表面抗原を発現する赤血球で)抗体をスクリーニングするために使用されることができる。
【0056】
本明細書で使用される用語「サンプル」は、少なくとも1つの分析物を含有する疑いのある物質を指す。サンプルは、供給源から入手されたときに、または、サンプルの性質を変えるための前処理の後で、直接使用され得る。サンプルは、生理学的流体など、あらゆる生物学的供給源から引き出すことができ、生理学的流体には、血液、唾液、眼用レンズ流体(ocular lens fluid)、脳脊髄液(cerebral spinal fluid)、汗、尿、乳、腹水液(ascites fluid)、raucous、滑液、腹水(peritoneal fluid)、羊水または同種の物が含まれる。サンプルは、使用前に、前処理、例えば血液からの血漿の調製、粘性流体の希釈など、を行われてよい。処理方法は、濾過、蒸留、濃縮、妨害成分の不活性化、および試薬の添加を含むことができる。生理学的流体のほかに、他の液体サンプルを使用することができる。さらに、分析物を含有することが疑われる固体物質をサンプルとして使用することができる。場合によっては、固体サンプルを修飾して、液体培地を形成するか、または分析物を放出することが有益かもしれない。
【0057】
本明細書で使用される用語「分析物」は、検出もしくは測定されるべき化合物または組成物を指し、この化合物または組成物は、少なくとも1つのエピトープまたは結合部位もしくはリガンドを有するものである。分析物は、自然に存在する結合メンバーが存在するか、または結合メンバーが調製され得る、任意の物質であってよい。分析物は、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物(細菌、ウイルス、もしくは寄生生物など)、アミノ酸、核酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス粒子、および前記物質のいずれかの代謝産物、または前記物質のいずれかに対する抗体を含むが、これらに限定されない。用語「分析物」は、任意の抗原物質、ハプテン、抗体、巨大分子、およびこれらの組み合わせも含む。一実施形態では、分析物は細胞表面抗原である。別の実施形態では、分析物は、赤血球の表面抗原である。
【0058】
本明細書で使用される「クームズ試薬」は、動物で生じ、以下のヒトイムノグロブリン、補体、または特異的イムノグロブリン、例えばクームズ試験で使用される抗ヒトIgG、のうち1つに向けられた、抗体の製剤を指す。
【0059】
本明細書で使用される「遠心分離」は、回転軸の周りでの物体の回転を指す。例示的な一実施形態では、遠心分離は、図1に示されるような、プローブ先端部自体の垂直な主軸104の周りでの、プローブ先端部の回転を指す。
【0060】
本明細書で使用される「プローブ先端部」は、1つ以上の内部空洞を含む装置である。一実施形態では、プローブ先端部は、内部空洞の変形なしで遠心分離され得る、成型された中実材料で構成される。別の実施形態では、この材料は、プローブ先端部の内壁への、生体サンプルの付着を促進しない。別の実施形態では、プローブ先端部は、プラスチック材料で作られる。例示的な実施形態では、プローブ先端部は、アクリル樹脂(acrylic)で作られる。別の実施形態では、プローブ先端部は、1つ以上の穴と流体連通する内部空洞を有する成型構造体により画定される。
【0061】
本明細書で使用される用語「空洞」は、説明したプローブ先端部内部の任意の3次元封入体を指す。例示的な実施形態では、1つ以上の空洞は互いに流体連通している。
【0062】
本明細書で使用する「移行ゾーン」は、プローブ先端部の内部空洞内の領域を指し、この領域では、サンプルおよび/または試薬が、プローブ先端部内の隣接するチャンバ間でのサンプルの垂直(例えば上下)運動によって動かされ、収容されるサンプルおよび/または試薬の回転混合を促進する。一実施形態では、移行ゾーンは、サンプルが内部を動くプローブ先端部の隣接部分の規定内径よりも小さな規定内径を有する。同様の「移行ゾーン」が米国特許第6,641,993号、および公表された米国特許出願公開第US 2007/0054405号に記載されており、これらの内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0063】
本明細書で使用される「細胞懸濁液」は、液体中の細胞混合物を指す。細胞は、真核細胞または原核細胞であってよい。一実施形態では、細胞は細菌である。別の実施形態では、細胞は、病原菌である。好適な実施形態では、細胞は血液細胞である。別の好適な実施形態では、細胞は赤血球である。
【0064】
本明細書で使用されるように、本出願で使用される「赤血球」(RBC)は、遠心分離により、またはFicoll勾配など密度勾配を通じて、全血から分離され得る。一実施形態では、赤血球は、3%、5%、10%、20%、30%または40%のヘマトクリットを有する。好適な実施形態では、ヘマトクリットは、30%〜40%である。
【0065】
本明細書で使用される「捕捉する(to capture)」は、1つ以上の部分またはサンプル成分が、サンプルを収容する表面、チャンバ、チップ、チューブ、または任意の容器の1つ以上のエリアの中または上に保持され、サンプルの残部がそのエリアから除去され得る、分離のタイプを指す。一実施形態では、「捕捉する」とは、プローブ先端部の少なくとも1つの側面空洞内部に、本明細書で使用する粒子が収集されることを指す。別の実施形態では、粒子は、プローブ先端部自体の垂直な主軸の周りでのプローブ先端部の遠心分離を通じて、先端部の少なくとも1つの側面空洞に捕捉される。別の実施形態では、本出願で使用する磁性粒子は、磁場によって捕捉される。
【0066】
本明細書で使用される「検出」は、典型的には光検出器を用いた、粒子凝集の検出を指す(例えば米国特許第5,256,376号および公開済みの米国特許出願US 2004/0166551号を参照のこと。これらの内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)。一実施形態では、検出とは、生物発光または化学発光または蛍光の検出を指す。
【0067】
本明細書で使用される用語「攪拌」は、プローブ先端部の内部空洞の中でのサンプルおよび/または試薬の回転混合を生じる、プローブ先端部の運動を指す。一実施形態では、攪拌は、プローブ先端部の内部空洞に陽圧または陰圧を及ぼすピストンにより発生される。
【0068】
本明細書で使用される用語「ピストン」は、プローブ先端部の内部容積に陰圧または陽圧を加えることができる任意の構成要素を指す。一実施形態では、ピストンは、形状が円筒形であり、チャネルの内壁に対して気密の形で(すなわち、ピストンの円筒形の表面と壁との間に空気の実質的な漏れがない)スライドするように、チャネル内部に嵌まる。ピストンの運動は、プローブ先端部の内部容積に対して真空または圧力のいずれかを与え、それにより、プローブ先端部の内部空洞の中で流体の運動を引き起こす。
【0069】
用語「蛍光検出」は、フルオロフォア共役リガンドまたはリガンド結合物の検出を指す(例えば米国特許第6,596,546号を参照のこと。この内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)。
【0070】
本明細書で使用される「ある所定の波長で光を伝達する(transmitting light at certain pre-determined wavelengths)」とは、プローブ先端部の検出空洞の壁が、蛍光リガンドの励起に必要な波長の電磁放射線、および後の蛍光放射に特徴的な波長の電磁放射線を伝達する能力を指す。
【0071】
以下の説明は、本出願のある好適な実施形態、および1つ以上の使い捨て先端部内部での凝集検出の特定の方法論に関する。論考から容易に明らかとなるであろうが、本明細書に記載する発明の概念は、抗原、抗体、タンパク質、ウイルスなどを検出するための血液型分類に加えて、他の反応プロセスにも適切に適用されることができる。さらに、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「横(lateral)」、「上(above)」、「下(below)」などの用語は、添付図面と共に使用される、便利な基準枠を与えるために使用される。しかしながら、これらの用語は、特に定めのない限り、本発明を制限することを意図するものではない。
【0072】
図1を参照すると、本出願で使用される、粒子凝集を検出するための使い捨てプローブ先端部100が図示されている。プローブ先端部100は、隣接する相互接続された3つの内部空洞またはチャンバ120、130、140および150により画定される。各チャンバは、共通の壁により連結されている。プローブ先端部100の第1の入力ポート110は、当技術分野で既知のように、陰圧または陽圧をプローブ先端部の内部空洞に加えるため、ポンプまたは他の手段(不図示)に接続されることができる。この陰圧または陽圧は、プローブ先端部の内部空洞の中における1つ以上の液体の運動を容易にする。プローブ先端部100内部で液体を動かすため本発明のプローブ先端部と共に使用され得る運動機構が、米国特許出願公開第US 2002/0076826号およびUS 2002/0081747号にさらに詳細に説明されており、これらの出願公開はそれぞれ、参照により全体として組み込まれる。所定の密度および粘度を有する流体が必ずしも必要ではない。本明細書に記載する実施形態では、内部空洞は、サンプル空洞120、サンプル空洞に隣接した側面空洞130、およびサンプル空洞120の下に配される検出空洞150を含む。
【0073】
図3は、プローブ先端部を貫通する水平断面300で、プローブ先端部の垂直な主軸104に沿って下方を見る観察者310の位置からの図320を示す。この実施形態では、側面空洞130は、サンプル空洞120の周辺部の周りに単一のトラフ様構造体を形成して、リップ240を形成する。別の実施形態では、プローブ先端部100の垂直な主軸104、および側面空洞130の垂直な主軸180は、組み合わせられて、90°未満の鋭角190を形成する。あるいは、これらの垂直な軸は、65°以下の鋭角を形成することができ、好ましくは、45°以下の鋭角を形成することができる。
【0074】
再び図1および図2を参照すると、移行ゾーン140が、サンプル空洞120と検出空洞150との間に位置しており、サンプル空洞120から検出空洞150にかけて、移行ゾーン140の壁192の内径が漸減するかまたは内側にテーパー状になることにより特徴付けられている。したがって、移行ゾーン140の上部における内壁の直径は、移行ゾーン140の下部における内壁の直径より実質的に大きい。図4に示され、本明細書にさらに詳細に説明するように、この段部構造体は、移行ゾーン140の中を前後に動く流体の回転混合に好都合であり、プローブ先端部100内部での粒子凝集を促進する。遠心分離がない場合の凝集反応の説明はまた、米国特許第6,641,993号、ならびに米国特許出願公開第US 2007/0054405号、US 2002/0076826号およびUS 2002/0081747号にさらに詳細に開示されており、これらの内容は、全体として本明細書に組み込まれる。
【0075】
図1および図2は、検出空洞150の1つの壁の外部で、その壁に隣接して設置される、光ダイオードまたはLEDなどのエミッター184をさらに示す。典型的には、粒子凝集は、当技術分野で周知の技術を用いて、検出空洞150内部の試験サンプルにより、光散乱の量を測定することで、検出される。センサー188が、エミッター184の反対側の適切な位置で軸方向に整列されて、伝達された光176を捕捉する。一実施形態では、エミッター184は、可視光を放射し、センサー188は、検出空洞150内部の光散乱の量を測定する。当業者は、エミッター184が、粒子凝集を検出するために選択された方法に応じて、任意の波長の電磁放射線を提供することもできることを、認識するであろう。例えば、粒子凝集は、凝集塊でのフルオロフォア共役抗体の取り込みを結果として生じ得る。次に、粒子凝集の測定は、検出空洞150内部での蛍光の検出を必要とする。エミッター184は、凝集塊内でフルオロフォア共役抗体を励起するため、正確な波長で電磁放射線172を放射する必要がある。センサー188は、次に、検出空洞150内部で凝集塊から放射される蛍光176の量を測定する。
【0076】
プローブ先端部100は、前述したような適切な形状に成型されることができる任意の材料で作られてよい。本明細書に記載するようなプローブ先端部の作製に有用な材料の例は、アクリル樹脂などの射出成形可能なプラスチック材料である。好ましくは、分析されるサンプルは、プローブ先端部100の内部空洞の壁に付着せず、プローブ先端部のこれらの表面は、プローブ先端部の内表面に対するサンプルまたは試薬のこのような付着を避けるように処理され得る。さらに、検出空洞150の壁は、光源184から発せられる光172がセンサー188まで検出空洞を横切ることを可能にする、アクリル樹脂などの、透明で澄んだプラスチックである材料で作られる。一実施形態では、プローブ先端部100のプラスチックは、約220nm〜1,600nmの波長の電磁放射線の透過範囲をもたらす。
【0077】
第1の入力ポート110を通してプローブ先端部100の内部空洞に加えられた陰圧または陽圧に反応して、プローブ先端部の内部空洞の中の試験サンプルおよび/または試薬は、第2のポート160を通して吸引または分配されることができる。一実施形態では、1つ以上の粒子凝集用試薬が、本明細書に記載するプローブ先端部に予め充填されていてよい。
【0078】
図2を参照すると、プローブ先端部100は、その垂直な主軸104の周りで遠心分離され得る。遠心分離は、主軸104に垂直なサンプル空洞120内部に存在する粒子に対して、矢印210で示される遠心力を及ぼす。別の実施形態では、粒子200は磁性粒子である。強力な磁場の存在下で、粒子200は、磁気吸引力210に反応して、サンプル空洞120から側面空洞130に向かって動くことができる。サンプル空洞120内部での粒子200に対するこれらの力の作用は、これらの力が本質的に遠心性であるか磁性であるかにかかわらず、側面空洞の外壁220に沿った側面空洞130内への粒子の運動、および側面空洞130の下部でのペレット230としての最終的な収集を促進することである。プローブ先端部100の主軸104と側面空洞130の主軸との間の鋭角190は、リップ240を形成し、このリップは、側面空洞への粒子の捕捉をさらに容易にする。
【0079】
適切なプローブ先端部100の前記の構造的な説明を用いて、血液型分類のための凝集反応に関する方法を説明する。詳細に説明するように、以下の説明は例示的なものであり、ゆえに、赤血球以外の抗原キャリアを使用する可能性があることが、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0080】
図5A〜図5Kを参照すると、間接クームズ凝集試験の分析に必要な個々の工程が、図1〜図3(b)のプローブ先端部100を用いて本明細書に示される。間接試験は、抗体を含有する可能性がある血清を、既知の血液型の赤血球の懸濁液と混合することと、抗ヒトイムノグロブリン(クームズ試薬)を加えることと、その後、赤血球の凝集について試験することと、からなる。
【0081】
患者から採取した血液は、まずヘパリン、または等価なポリアニオンで処理されて、凝固を防ぐ。血液は次に遠心分離される。血清を含む上澄みが収集され、37℃で1〜60分間、ドナーの赤血球と共にインキュベートされる。
【0082】
図5Aを参照すると、プローブ先端部100のポート160が、まず、患者の血清およびドナーの赤血球を含むサンプル540に浸漬される。反対側の入力ポート110に取り付けられたポンプ(不図示)が次に、空洞120、130および150により形成されたプローブ先端部100の内部容積から、矢印で示す空気を吸引する。プローブ先端部からの空気510の変位により、陰圧が先端部内部に作り出され、この陰圧は、プローブ先端部の円筒形下方チャンバ150内への、サンプル540の運動520および530を促進する。一実施形態では、サンプル540の0.1〜50μLのアリコートが、吸引される。好適な実施形態では、0.1〜10μLのサンプル540が、プローブ先端部100の内部空洞150の中へ吸引される。
【0083】
図5B〜図5Dに示すように、プローブ先端部100のポート160はサンプル540から取り去られる。ポート110に取り付けられたポンプは、空気510をプローブ先端部から吸引し、この空気が次に、プローブ先端部100の内部容積を通して、空洞150からサンプル空洞120および隣接する側面空洞130まで、方向570に、吸引されたサンプル560を動かす。ポート110は、次に、サンプル580がサンプル空洞120内に確実に残るよう、閉じられる。
【0084】
一実施形態では、プローブ先端部100は、その後、その垂直な主軸104の周りで、矢印590で示すように、先端部を回転させることにより遠心分離される。遠心分離により、垂直な主軸104に実質的に垂直であるサンプルチャンバ120内部で、矢印554により示される遠心力が生成される。図5Eに示すように、遠心力554は、コーティングされた赤血球に対して作用し、それらの赤血球を、サンプルチャンバ120から、側面空洞220の外壁に沿って動かして、側面空洞の下部にペレット558を形成し、サンプルの残部からそれらを分離する(図2(b)も参照のこと)。図5Fに示すように、ポート110を通して陽圧568を加えることで、その後、サンプルの上澄み566をプローブ先端部100から排出する、矢印562で示す運動が生じる。
【0085】
図5G〜図5Hを参照すると、プローブ先端部100のポート160は、次に、凝集用試薬、すなわち抗ヒトイムノグロブリン578(クームズ試薬)に浸漬される。ポート110を通じた、矢印572で示される陰圧の印加は、プローブ先端部の下方空洞150から、サンプル空洞120および側面空洞130への抗ヒトイムノグロブリン578の吸引を引き起こす。ポート110を通じた、矢印586で示す交互の陽圧および陰圧の印加は、側面空洞130の下部における赤血球ペレット558の再懸濁を促進する。ポート110を通じた陽圧は次に、再懸濁液を移行ゾーン140へ動かす。図5Iに示すように、ポート110を通じた、交互の陽圧および陰圧の印加592は、再懸濁液が矢印594で示すように前後に移行ゾーン140を通過する際に、抗ヒトイムノグロブリン584との赤血球588の回転混合を促進する(図4も参照のこと)。一実施形態では、流体は、以下に説明するように、25μLずつ、移行ゾーンの中を上または下に動き、その後に、可変の期間の中止が続く。
【表1】

【0086】
最後に、図5Jおよび図5Kに示すように、ポート110を通じた、矢印596で示す陽圧の印加により、細胞凝集を測定する検出空洞150へと細胞懸濁液が押される。検出空洞の上半分と同じ高さの、光源184から放射される光598は、細胞懸濁液を横切り、センサーまたは光検出器188により捕捉される。光検出の方法は、米国特許出願公開第US 2007/0054405号にさらに詳細に開示されており、この内容は、参照により全体として本明細書に先に組み込まれたものである。2つのシナリオが可能である。細胞懸濁液595が均一な場合、凝集はなく、光吸収は高い。凝集がないことは、患者の血清がドナーの赤血球と反応しないこと、および、ドナーが、輸血目的で患者と適合性があることを示す(図5Jを参照)。しかしながら、細胞が、検出空洞150の下部まで重力下で沈む凝集塊597を形成する場合、光吸収は低い。凝集が存在することは、患者の血清が、ドナーの赤血球と反応可能な1つ以上の抗体を含むことを示す。よって、ドナーの血液は、患者への輸血に適さない。
【0087】
当業者は、説明した実施形態が、いくつかの方法で変えられ、かつ依然として本出願の意図する範囲に含まれ得ることを、認識するであろう。例えば、本明細書に記載したプローブ先端部は、一連の2つ以上のプローブ先端部に使用されてよい。例えば、第1のプローブ先端部が、患者のヘパリン化血液を収集し、遠心分離により血液の細胞分画を側面空洞内へとペレット化するように、使用されてよい。血清の上澄みがその後、サンプル空洞から、容器の中に分配され、その容器から、前記のように、上澄みは、第2のプローブ先端部で処理され得る。別の実施形態では、プローブ先端部は1つ以上の凝集用試薬を吸引することができる。
【0088】
さらに別の実施形態では、アガロースまたはラテックスビーズ、および同種の物といった、他の粒子が、細胞の代わりに使用されてもよい。イムノグロブリン分子を結合し、粒子、例えばタンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/GおよびKappaLock(商標)に共有結合し得る、いくつかのリガンドが、既知である。タンパク質Gは、IgGイムノグロブリンを使用または試験するアッセイで使われる、特に好適なリガンドである。タンパクGが好ましい1つの理由は、大部分のIgGイムノグロブリンに対して、タンパク質Aよりも高い親和性を有することである。タンパク質Gはまた、IgGの特定のサブクラス、例えばヒトIgG3、マウスIgG1およびラットIgG2a、に、タンパク質Aより著しく高い親和性で、結合する。タンパク質Gは、ヒトIgM、IgAおよびIgDには結合しない。
【0089】
タンパク質Gは、G群連鎖球菌から分離および純化された細菌細胞壁タンパク質である。タンパク質Gは、哺乳類IgGイムノグロブリンに対して、それらのFcタンパク質を介して、結合する。タンパク質Gは、IgGイムノグロブリンのFc部分のみ結合するので、イムノグロブリンの抗体部分は、その対応する抗原との反応に利用可能なままであるが、イムノグロブリンは、粒子に結合したままである。天然のタンパク質Gは、DNA分析により配列決定されている。DNA分析から、アルブミンおよび細胞表面の結合のための2つのIgG結合ドメインおよび部位が識別されている。
【0090】
ImmunoPure(登録商標)固定化タンパク質Gは、アガロースゲルビーズ粒子の表面で固定されたタンパク質Gを有する市販の粒子製品である。この製品は、イリノイ州ロックフォードのPierceから入手可能である。この固定化タンパク質Gは、アルブミンおよび細胞表面結合領域を除去し、それにより、イムノグロブリン以外のいかなるものの結合も最小化するように、遺伝子改変されている。ImmunoPure(登録商標)固定化タンパク質Gは、架橋された6%のビーズ状アガロースに共有結合された(ビーズのグルタルアルデヒド活性化)、組み換えタンパク質Gからなる。この材料は、50%スラリー中に供給される。材料は、ゲル1mL当たり11mgのヒトIgGを結合することができる。
【0091】
タンパク質Aは、黄色ブドウ球菌のいくつかの株により生成される、細胞壁成分である。タンパク質Aは、イムノグロブリン分子、特にIgGのFc領域を特異的に結合することができる。タンパク質A分子は、数種のIgGからFc領域と相互作用できる、4つの高親和性結合部位を有する。タンパク質Aは、いくつかのIgGサブグループと相互作用し、他とは相互作用しない。例えば、ヒトIgG1、IgG2およびIgG4は、強力に結合するが、IgG3は結合しない。そして、モノクローナル抗体がタンパク質Aに結合しない場合もある。
【0092】
固定化タンパク質Aはまた、米国イリノイ州61105ロックフォードのPierce Biotechnology, Inc.から市販されている。この固定化タンパク質Aは、架橋したビーズ状アガロースに共有結合した、高度に純化されたタンパク質Aである。この固定化タンパク質Aの典型的な結合能力は、ゲル1mL当たりヒトIgG12〜15mgである。
【0093】
タンパク質A/Gは、タンパク質Aおよびタンパク質G双方のIgG結合プロファイルを組み合わせる、遺伝子改変タンパク質である。タンパク質A/Gは、非病原型のバチルスから分泌された遺伝子融合産物である。この遺伝子改変タンパク質A/Gは、タンパク質Aから4つのFc結合ドメインを、そしてタンパク質Gから2つのFc結合ドメインを、含有するように設計されている。
【0094】
タンパク質A/Gは、全てのヒトIgGサブクラスに結合する。さらに、タンパク質A/Gは、IgA、IgE、IgMに、そしてIgDに結合するが、より少ない程度に、IgDに結合する。したがって、タンパク質A/Gは、非IgGクラスのイムノグロブリンの試験、またはそれを用いた試験における好適なリガンドであり得る。
【0095】
Pierceは、ImmunoPure(登録商標)固定化タンパク質A/Gの商標で、ビーズ状アガロースに共有結合した固定化タンパク質A/Gも提供している。
【0096】
KappaLock(商標)は、マサチューセッツ州ウェルズリー12ファルマスロードのAaston, Inc.から入手可能な、普遍的なk軽鎖結合タンパク質(universal kappa light chain binding protein)である。これは、ペプトストレプトコッカス属の菌株のDNAから遺伝子改変されている。このタンパク質は、全抗体型の軽鎖のk領域(kappa region)に結合する。KappaLock(商標)は、天然由来の細菌タンパク質のアルブミンおよび細胞壁結合領域を欠失させるように遺伝子改変されている。結果として得られた、改変されたタンパク質は、4つの抗体結合ドメインを有し、特異的に、重鎖に、またはイムノグロブリンのFc領域に、結合しない。k軽鎖は、異なるクラスの抗体間で共有されているので、KappaLock(商標)は、重鎖クラスにもかかわらず、k軽鎖を有する抗体に結合する。
【0097】
KappaLock(商標)は、様々な担体、特にアガロースビーズにおいて固定化され得る。固定化されたKappaLock(商標)は、マウスIgG、ウサギIgG、ヒトIgG、ヒトIgAおよびヒトIgMを捕捉する。
【0098】
好適なリガンド全てが、例えばHeamらのMethods in Enzymology Vol. 35:102-117 (1987)により説明されたような、既知の技術を用いて、アガロースビーズ(例えばPharmaciaのSepharose)などの固相マトリックスに共有結合されることができる。概して、これらのビーズは、グルタルアルデヒド、カルボニルジイミダゾール、臭化シアンヒドロキシスクシンイミド、塩化トシルまたは同種のものといった化学薬品により最初に活性化される。選択されたリガンドは次に、ビーズに共有結合され、担体に対して、リガンドが非常に安定して結合する。
【0099】
さらに別の実施形態では、粒子は、表面に抗体を発現するバクテリオファージにより結合され得る。例えば、内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第6,979,534号を参照のこと。米国特許第6,979,534号は、細胞における、抗原含有部分を識別する方法を教示しており、この方法は、細胞集団、および既知の第1の抗体を表面に発現するバクテリオファージ集団を含む、混合物を提供することを含む。細胞における、抗原含有部分の存在は、第1の抗体を細胞のうち少なくとも2つに結合させ、バクテリオファージも、細胞のうちその少なくとも2つに結合させ、バクテリオファージに特異的な第2の抗体を加えることによって、示される。凝集の存在により、抗原含有部分が、第1の抗体に特異的な抗原含有部分とみなされる。
【0100】
別の実施形態によると、ビーズは、磁性ビーズである。磁性粒子は、遠心分離の非存在下で、単に側面空洞に隣接して強力な磁石を利用することにより、前記のように、側面空洞に対して捕捉され、サンプルの残部から分離されることができる。細胞分離などの目的で細胞に磁性が与えられ得る多くの方法が、当技術分野で知られている。例えば、細胞は、特定の細胞型に特有の、表面抗原特異的なビオチン化抗体または他のリガンド結合分子と共にインキュベートされ得る。ストレプトアビジン共役磁性ビーズ(Invitrogen/ Dynal Biotech)の添加により、その後、ビオチン化抗体に結合し、それにより、細胞を磁性にし、よって、磁場を用いて細胞分離を施すことができる。磁性ビーズの制御された輸送に関する説明が、米国特許第7,217,561号に開示されており、この内容は、全体として本明細書に組み込まれる。
【0101】
本発明で使用される細胞は、当技術分野で既知の標識抗体を用いて、タグを付けられてもよい。例えば、標識抗体は、フルオロフォア共役抗体であってよい。凝集はその後、凝集細胞から放射される蛍光を検出することにより、監視されることができる。
【0102】
本明細書で使用されるプローブ先端部の内部容積の中の液体を変位させるために、陰(真空)圧または陽(ポンプ)圧を加えることができる空気式手段の使用も、本開示により企図される。
【0103】
図6(a)は、サンプル空洞610、移行ゾーン620、検出空洞630および変位空洞640それぞれからなる内部容積を有する第2の実施形態によるプローブ先端部を示し、これらの空洞はすべて相互接続されている。図6(b)は、変位空洞640内部に移動可能に配されたピストン660をさらに示す。図6(c)〜図6(d)を参照すると、分析されるべきサンプル650は、原則的に、サンプル空洞610で粒子凝集用試薬670に加えられる。変位空洞640内部でのピストン660の外側への運動690により、プローブ先端部の内部容積の中に陰圧が生じ、検出空洞630内へのサンプルおよび試薬の次の運動654が生じる。変位空洞640を出入りするピストンのストローク運動658により、移行ゾーン620を通る、液体の類似の前後運動(analogous back and forth movement)が生じ、それにより、これらの流体の回転混合666が促進される。移行ゾーン620での回転混合に使用され得る一連の運動は、以下の実施例で詳細に説明する。
【0104】
変位空洞640でのピストン660の回収690により、粒子懸濁液が検出ゾーン630の中へ吸引され、検出ゾーンで、凝集粒子が、振動運動中に重力および流動場により沈殿する。次に光吸収598の量が、エミッター184およびセンサー188を用いて決定され、光吸収がないことは、粒子凝集を示す。
【0105】
例示的な一実施形態では、ピストン660の運動は、回転可能な装置;例えばインキュベーター(図10を参照)の駆動機構にピストンを取り付けることによる、回転または円振動に関連する。インキュベーターは、前記のようなプローブ先端部を保持するようにサイズ決めされた複数のスロットを有する、少なくとも1つの円形回転子を含む。駆動機構は、例として駆動機構が回転子の回転に対して制御される、ベルトドライブまたはギアドライブを媒介としてよい。回転子が回転すると、ピストンが前後に動き、先端部内側の流体の振動を駆動する力を与える。流動場および重力の影響の結果として、あらゆる大きな凝集構造体が、先端部の下部に運ばれる。一方、陰性反応では、凝集がなく、ほぼ均質な混合が観察される。次に凝集の量が、検出チャンバ150における吸収を測定するため、光源およびセンサーを用いて、正確に評価され得る。
【0106】
図7は、自動化が可能な、プローブ先端部組立体の構成を示す。図7(a)は、一連の6つのプローブ先端部782を示し、これらのプローブ先端部は、各プローブ先端部750の上部に配された鼻(proboscis)(図7(a)を参照)を通じて、一連のピストン780(図7(f)を参照)まで、またはプローブ先端部の下部に配された変形可能な膜778(図7(g)を参照)により、ポンプ(図7(b))に接続され得る。プローブ先端部は、粒子凝集用試薬730で予め充填されて、粘着シートでシールされていてよい。サンプルは、複数のウェルを有するマルチウェルプレートから充填されることができる。図7(c)〜図7(e)および図8(a)〜図8(b)は、凝集反応が一連のプローブ先端部において促進されるときの、先端部を連続的に示す。一実施形態では、一連のピストンの調和した運動のため、ドライブベルト850が使用される。ピペット操作工程自動化のためのコンピューター手段およびそのプログラミング、ピストンの運動、マイクロタイタープレートの運動、ならびにプローブ先端部の運動も、本発明により企図される。自動化プラットフォームが、本明細書で定義したような複数のプローブ先端部の遠心分離のための遠心分離機、または凝集アッセイの要件に従って磁場を適用するための手段を含むこともできる。
【0107】
本明細書の開示は、主題発明の1つ以上のプローブ先端部を有するパッケージユニットを含むキットフォーマットも提供し、いくつかの実施形態では、様々な試薬の容器を含む。キットは、以下のアイテムのうち1つ以上を収容することができる:抗体(例えば:クームズ試薬)を含むがこれに制限されない凝集用試薬、緩衝剤、説明書、および制御装置。キットは、本発明による方法を実施するため、適切な割合で混ぜ合わせられる試薬の容器を含むことができる。試薬容器は、主題方法を行うときに測定工程を不要にする単位量の試薬を含有するのが好ましい。キットは、凝集アッセイ用試薬を予め充填されたプローブ先端部をさらに含むことができる。
【0108】
本発明は、以下の実施例を参照してさらに例示される。以下のものはほんの一例であること、および細部の改変が、本発明の意図する範囲に依然として含まれる状態で行われ得ること、が理解されるであろう。
【0109】
<実施例:プローブ先端部における間接および直接クームズ試験>
流動チャネルに段部を備える単一の毛管が、血液型分類および抗体スクリーニング(直接および間接クームズ試験、図9(a)〜図9(d)を参照)を行うために使用された。最初に、ガラスの毛管992が、管996の短い部分に連結されて、段部を備えた先端部を作った。毛管は25μLの容積を有し、長さが54mmであった。管996は、3mmの直径、および6mmの長さを有した。ハミルトンシリンジ(不図示)を用いて、流体の流れを駆動した。以下の試薬をアッセイで使用した:
試薬 製品コード
(Ortho-Clinical Diagnostics, Inc.)
Anti-A BioClone(登録商標) 711220
ORTHO(登録商標)Anti-IgG Green 716760
抗体増強溶液 718780
ORTHO(登録商標)Anti-Kell 715150
AFFIRMAGEN(登録商標)(3%) 719210
SELECTOGEN(登録商標)(3%) 719610
ORTHO(登録商標)Coombs Control 719810
Anti-A BioCloneは、ABO血液型分類試薬を含む。ORTHO(登録商標)Anti-IgG Greenは、抗ヒトグロブリン試薬を含む。ORTHO(登録商標)Anti-Kellは血液型分類試薬を含み、AFFIRMAGEN、SELECTOGENおよびORTHO(登録商標)Coombs Controlは赤血球試薬である。
【0110】
33%のヘパリン化血液が遠心分離されて一部の血清を除去し、血液HCTが約30〜40%の血液HCTになった。全ての実験は、37℃で行われた細胞コーティングを除いて、室温で実施された。
【0111】
<直接クームズ試験>
以下の試薬が、毛管(総容積10μL)内に吸引された:
直接I試験(図9(a)):
Anti-A BioClone(登録商標)およびAFFIRMAGEN(登録商標)A細胞(陽性反応)もしくはAnti-A BioClone(登録商標)およびAFFIRMAGEN(登録商標)B細胞(陰性反応)、または、
直接II試験(図9(b)):
ORTHO(登録商標)Anti-IgG GreenおよびORTHO(登録商標)Coombs Control(陽性対照)もしくはORTHO(登録商標)Anti-IgG GreenおよびAFFIRMAGEN(登録商標)A細胞(陰性対照)
【0112】
25μLずつハミルトンシリンジの中でプランジャを動かすことにより、段部上の前後運動がその後、達成された。各運動の後には、表I(直接IおよびIIの列)で大まかに述べるように、可変継続期間の休止が続いた。プロトコルの完了時、細胞懸濁液が、視覚的検査に適した毛管の中に引き込まれた。陽性反応(982および986)では、凝集細胞複合体が、毛管内で重力により沈殿したが、陰性反応(984および990)では、細胞は、浮遊状態のままであった(図9(a)〜図9(b)を参照)。凝集量は、毛管チューブの上半分の中における光の吸収(930)の測定により定量化された(図9(c)を参照)。
【0113】
<間接クームズ試験(図9(d)および図9(e))>
ORTHO(登録商標)Anti-Kellは、SELECTOGEN(登録商標)細胞(K+)と混合され、その混合物は、37℃の温度で30分間インキュベートされた。同様に、ORTHO(登録商標)Anti-Kellは、SELECTOGEN(登録商標)細胞(K−)と混合され、37℃の温度で30分インキュベートされた。食塩水が次に加えられ、混合物は遠心分離されて、流体から細胞を分離した。このプロセスを、3回繰り返した。洗浄細胞は、食塩水中で再懸濁された。
【0114】
ORTHO(登録商標)Anti-IgG Greenは次に、陽性反応(960)については、コーティングされたSELECTOGEN(登録商標)細胞(K+)に、または陰性対照(950)についてはSELECTOGEN(登録商標)細胞(K−)に添加されて、毛管(総容積10μL)内に吸引された。段部上での25μLずつの前後運動は、ハミルトンシリンジの中でプランジャを動かすことにより達成された。各運動の後には、大まかに説明したように(表I、間接の列を参照)、可変継続期間の休止が続いた。プロトコルの完了時、細胞懸濁液は、視覚的検査に適した毛管に引き入れられた。陽性反応(960)では、凝集細胞複合体は、毛管の中で重力により沈殿し、陰性反応(950)では、細胞は浮遊状態のままであった(図9(d)を参照)。凝集量は、毛管チューブの上半分の中における光の吸収970の測定により定量化された(図9(e)を参照)。10X、25X、50Xおよび100Xは、サンプルの希釈を示す。
【表2】

【0115】
図1〜図10の部品リスト
100 プローブ先端部
104 プローブ先端部の垂直な主軸
110 入力ポート
120 サンプル空洞
130 側面空洞
140 移行ゾーン
150 検出空洞
160 入力ポート
170 プローブ先端部の壁
172 電磁放射線
176 伝達された光
180 側面空洞の垂直な主軸
184 エミッターまたは光源
188 センサーまたは光検出器
190 プローブ先端部の垂直な主軸と側面空洞の垂直な主軸との間の角度
192 内壁−移行ゾーン
200 粒子
210 向ける力(Direction force)
220 側面空洞外壁
230 粒子のペレット
240 リップ
300 プローブ先端部の断面の位置
310 プローブ先端部を通して断面を見下ろす観察者の位置
320 観察者310の位置からの断面の図320
410 流体の垂直運動
420 凝集粒子
430 剪断移動(Shear migration)
440 流動場
450 重力
460 速度場
470 上澄み
480 サイクル1
490 サイクル2
492 サイクル3
494 移行ゾーン
498 検出空洞
510 ポート110を通してプローブ先端部の内部空洞から吸引されている空気
520 サンプルの吸引
530 方向−試薬の運動
540 サンプル
550 空気の吸引
554 遠心力の方向
556 サンプルの上澄み
558 粒子のペレット
560 吸引されるサンプル
562 方向
566 サンプル上澄み
568 陽圧
570 液体の運動の方向
572 陰圧
574 凝集用試薬
578 試薬の吸引
580 サンプル
582 運動の方向
584 凝集用試薬
586 陰圧または陽圧の印加
588 再懸濁した細胞の回転混合
590 プローブ先端部の回転
592 陽圧または陰圧の印加
594 空気の吸引または排出
595 再懸濁した非凝集細胞
596 陽空気圧(positive air pressure)の印加
597 凝集細胞
598 可視光の進路
610 サンプル空洞
620 移行ゾーン
630 検出空洞
640 変位空洞
650 サンプル
654 混合物の変位
658 矢印
660 ピストン
662 サンプルおよび粒子凝集用試薬の前後運動
666 サンプルおよび試薬の回転混合
670 試薬
680 サンプルおよび試薬の混合物
690 ピストンの運動
710 鼻(Proboscis)の挿入
720 段部
730 試薬
740 空隙
750 鼻(proboscis)用の穴
760 予め充填された試薬
770 分配サンプル
780 混合されたサンプルおよび試薬
778 変形可能な膜
780 ピストン
782 プローブ先端部
790 凝集分離
800 プローブ先端部の組立体
810 ピストンの組立体
820 サンプル
830 凝集用試薬
840 サンプルおよび凝集用試薬の混合物
850 ドライブベルト
860 先端部−キュベットの運動方向
870 ピストン運動の方向
900 直接凝集(ABO)
910 直接抗グロブリンのケース(IgG)
920 場所の関数としての吸光度
930 吸光度
940 液体カラム位置(下から上)
950 陰性selectogen細胞(−)
960 陽性Selectogen細胞(+)
970 吸光度の積分
980 時間(秒)
982 陽性(タイプA)
984 陰性(タイプA)
986 陽性(クームズ試薬)
990 陰性(タイプB)
992 毛管
996 管
1000 インキュベーターディスク
1002 振動運動の方向
1004 先端部でポンプを駆動する、中心を外れたディスク
1008 光
【0116】
本発明は、その好適な実施形態を参照して具体的に図示および説明されてきたが、形態および細部における様々な変更が、以下の請求項により包含される本発明の意図する範囲から逸脱せずに行われてよいことを、当業者は理解するであろう。
【0117】
〔実施の態様〕
(1) 試薬およびサンプルを内部に吸引した後で視覚的に検出可能な凝集反応を行うプローブ先端部において、
a)プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートと、
b)前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞と、
c)前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞と、
d)前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞と、
e)前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、
f)前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポートと、
を含む、プローブ先端部。
(2) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルは、細胞懸濁液を含む、プローブ先端部。
(3) 実施態様2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、赤血球を含む、プローブ先端部。
(4) 実施態様2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、ドナーの赤血球を含む、プローブ先端部。
(5) 実施態様2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、患者の血清、およびドナーの赤血球を含む、プローブ先端部。
(6) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルは、リガンド結合分子を含む、プローブ先端部。
(7) 実施態様6に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、プローブ先端部。
(8) 実施態様6に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、クームズ試薬である、プローブ先端部。
(9) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、ミクロスフェアである、プローブ先端部。
(10) 実施態様9に記載のプローブ先端部において、
前記ミクロスフェアは、リガンド結合分子に結合する、プローブ先端部。
【0118】
(11) 実施態様10に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、プローブ先端部。
(12) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、細胞である、プローブ先端部。
(13) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、赤血球である、プローブ先端部。
(14) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記凝集は、赤血球凝集である、プローブ先端部。
(15) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプル空洞の垂直な軸と、前記少なくとも1つの側面空洞の垂直な軸とが、45°以下の角度を形成する、プローブ先端部。
(16) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルの残部からの前記粒子の前記分離は、遠心分離による分離、または磁場における分離から生じる、プローブ先端部。
(17) 実施態様16に記載のプローブ先端部において、
前記遠心分離は、前記プローブ先端部の垂直な主軸の周りでの前記プローブ先端部の回転から生じる、プローブ先端部。
(18) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記側面空洞は、前記側面空洞内に吸引された前記試薬による、遠心分離された前記粒子の再懸濁を可能にするように構成されている、プローブ先端部。
(19) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記側面空洞は、再懸濁した、遠心分離された前記粒子が、前記プローブ先端部の前記サンプル空洞および検出空洞内へ流れ込むことを可能にするように構成されている、プローブ先端部。
(20) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプル空洞の壁の内径が、前記検出空洞の壁の内径より大きい、プローブ先端部。
【0119】
(21) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記検出空洞は、凝集の光学的検出を可能にするように、光学的に透明である、プローブ先端部。
(22) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記プローブ先端部は、前記検出空洞における蛍光または化学発光の検出を可能にする材料から作られる、プローブ先端部。
(23) 実施態様1に記載のプローブ先端部において、
前記検出空洞の壁が、ある所定の波長で光を伝達することができる、プローブ先端部。
(24) 試薬およびサンプルを内部に吸引した後で視覚的に検出可能な凝集反応を行うプローブ先端部において、
a)プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートと、
b)前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞と、
c)前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞と、
d)前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、
e)前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポートと、
f)前記プローブ先端部の前記空洞と流体連通する第3のポートと、
を含む、プローブ先端部。
(25) 実施態様24に記載のプローブ先端部において、
前記第3のポートは、前記プローブ先端部に対して横方向に配されている、プローブ先端部。
(26) 実施態様24に記載のプローブ先端部において、
前記第3のポートは、変位空洞と流体連通しており、
前記変位空洞は、前記プローブ先端部の前記内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成されている、プローブ先端部。
(27) 実施態様26に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞は、ピストンを含む、プローブ先端部。
(28) 実施態様27に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、プローブ先端部。
(29) 実施態様27に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、プローブ先端部。
(30) 実施態様27に記載のプローブ先端部において、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、プローブ先端部。
【0120】
(31) 複数のプローブ先端部内部で凝集反応を検出する装置において、
a.複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダーであって、前記複数のプローブ先端部はそれぞれ、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、複数のホルダーと、
b.前記サンプルの残部から前記サンプル中の前記粒子を分離する手段と、
を含む、装置。
(32) 実施態様31に記載の装置において、
前記粒子を分離する前記手段は、遠心分離である、装置。
(33) 実施態様32に記載の装置において、
前記遠心分離は、前記プローブ先端部の垂直な主軸の周りでの前記プローブ先端部の回転から生じる、装置。
(34) 実施態様31に記載の装置において、
前記粒子を分離する前記手段は、磁場における前記粒子の運動を必要とする、装置。
(35) 複数のプローブ先端部内部で凝集反応を検出する装置において、
複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダー、
を含み、
前記複数のプローブ先端部はそれぞれ、
i.プローブ先端部の内部容積と流体連通する第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
iv.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
v.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、ならびに、
vi.前記プローブ先端部の前記空洞と流体連通する第3のポート、
を含む、装置。
(36) 実施態様35に記載の装置において、
前記第3のポートは、前記プローブ先端部に対して横方向に配される、装置。
(37) 実施態様35に記載の装置において、
前記第3のポートは、前記内部容積の変位空洞と流体連通する、装置。
(38) 実施態様37に記載の装置において、
前記変位空洞は、ピストンを含む、装置。
(39) 実施態様38に記載の装置において、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、装置。
(40) 実施態様38に記載の装置において、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、装置。
【0121】
(41) 実施態様38に記載の装置において、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、装置。
(42) 実施態様35に記載の装置において、
前記プローブ先端部での凝集を検出する手段、
をさらに含む、装置。
(43) 単一のプローブ先端部において凝集反応を行う方法において、
a)プローブ先端部を提供する工程であって、前記プローブ先端部は、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記ポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、ならびに、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、工程と、
b)前記プローブ先端部の前記サンプル空洞内へサンプルを吸引する工程と、
c)前記粒子を前記サンプルの残部から分離し、前記プローブ先端部の前記少なくとも1つの側面空洞の中に前記粒子を捕捉する工程と、
d)サンプルの上澄みを前記プローブ先端部から分配する工程と、
e)凝集用試薬を前記プローブ先端部内へ吸引する工程と、
f)サンプルペレットを前記少なくとも1つの側面空洞から再懸濁する工程と、
g)再懸濁した前記サンプルペレットを前記検出空洞まで動かす工程であって、前記再懸濁したサンプルペレット中の凝集が、前記検出空洞で検出される、工程と、
を含む、方法。
(44) 実施態様43に記載の方法において、
前記サンプルペレットは、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンでの回転混合により再懸濁される、方法。
(45) 実施態様43に記載の方法において、
前記サンプルは、細胞懸濁液を含む、方法。
(46) 実施態様43に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、赤血球を含む、方法。
(47) 実施態様45に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、患者の全血を含む、方法。
(48) 実施態様45に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、患者の血清、およびドナーの赤血球を含む、方法。
(49) 実施態様43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子を含む、方法。
(50) 実施態様49に記載の方法において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、方法。
【0122】
(51) 実施態様43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、方法。
(52) 実施態様43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、ミクロスフェアを含む、方法。
(53) 実施態様43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子に結合したミクロスフェアを含む、方法。
(54) 実施態様43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、方法。
(55) 実施態様43に記載の方法において、
前記粒子は、遠心分離によって、または磁場での分離によって、前記サンプルの残部から分離される、方法。
(56) 単一のプローブ先端部で視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットにおいて、
a)プローブ先端部であって、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記ポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、ならびに、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、プローブ先端部と、
b)凝集用試薬と、
を含む、キット。
(57) 実施態様56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子を含む、キット。
(58) 実施態様56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含む、キット。
(59) 実施態様57に記載のキットにおいて、
前記リガンド結合分子は、抗体である、キット。
(60) 実施態様56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、キット。
【0123】
(61) 実施態様56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、キット。
(62) 実施態様56に記載のキットにおいて、
前記粒子は、遠心分離によって、または磁場における分離によって、前記サンプルの残部から分離される、キット。
(63) 単一のプローブ先端部で視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットにおいて、
a)プローブ先端部であって、
i.プローブ先端部の内部容積と流体接続する第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
iv.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
v.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
vi.前記先端部の前記サンプル空洞および検出空洞と流体連通する第3のポート、
vii.前記第3のポートと流体連通する前記内部容積の変位空洞であって、前記変位空洞は、ピストンを有する、変位空洞、
を含む、プローブ先端部と、
b)凝集用試薬と、
を含む、キット。
(64) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子を含む、キット。
(65) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含む、キット。
(66) 実施態様64に記載のキットにおいて、
前記リガンド結合分子は、抗体である、キット。
(67) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、キット。
(68) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、キット。
(69) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、キット。
(70) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、キット。
【0124】
(71) 実施態様63に記載のキットにおいて、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、キット。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】第1の実施形態に従って作られたプローブ先端部の断面図を表す。
【図2】図1のプローブ先端部の部分拡大図を示し、先端部の側面空洞内における分離粒子の捕捉を示す。
【図3(a)】図1および図2の先端部の断面図を示す。
【図3(b)】線3(b)‐3(b)に沿った図3(a)の先端部の断面図である。
【図4(a)】図1〜図3(b)の先端部の部分断面図を表し、プローブ先端部の過渡的ゾーン(transient zone)における回転混合を示す。
【図4(b)】図1〜図4(a)のプローブ先端部の一部の連続図を示し、プローブ先端部内部での、非凝集細胞からの凝集細胞の分離を示す。
【図5(a)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(b)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(c)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(d)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(e)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(f)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(g)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(h)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(i)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(j)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図5(k)】図1のプローブ先端部の連続的断面図を示し、プローブ先端部で凝集反応を形成する方法を表している。
【図6(a)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(b)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(c)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(d)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(e)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(f)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図6(g)】相互駆動されるピストン660を含む、第2の実施形態に従って作られたプローブ先端部を含む装置を示し、先端部は粒子凝集に使用されている。
【図7(a)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、陰圧または陽圧が各プローブ先端部の上部の鼻(proboscis)を通じてプローブ先端部の内部容積に加えられている。
【図7(b)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、陰圧または陽圧が各プローブ先端部の上部の鼻を通じてプローブ先端部の内部容積に加えられている。
【図7(c)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、陰圧または陽圧が各プローブ先端部の上部の鼻を通じてプローブ先端部の内部容積に加えられている。
【図7(d)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、陰圧または陽圧が各プローブ先端部の上部の鼻を通じてプローブ先端部の内部容積に加えられている。
【図7(e)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、陰圧または陽圧が各プローブ先端部の上部の鼻を通じてプローブ先端部の内部容積に加えられている。
【図7(f)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、ピストンまたは変形可能な膜を用いて各プローブ先端部の下部に圧力が加えられる。
【図7(g)】複数のプローブ先端部で粒子凝集を検出するための、第3の実施形態による装置の断面図であり、ピストンまたは変形可能な膜を用いて各プローブ先端部の下部に圧力が加えられる。
【図8(a)】第4の実施形態に従って作られた、組立体を用いて複数のプローブ先端部で粒子凝集させる装置の連続図を示す。
【図8(b)】第4の実施形態に従って作られた、組立体を用いて複数のプローブ先端部で粒子凝集させる装置の連続図を示す。
【図8(c)】第4の実施形態に従って作られた、組立体を用いて複数のプローブ先端部で粒子凝集させる装置の連続図を示す。
【図8(d)】第4の実施形態に従って作られた、組立体を用いて複数のプローブ先端部で粒子凝集させる装置の連続図を示す。
【図9(a)】プローブ先端部での直接クームズ試験を示す。
【図9(b)】プローブ先端部での直接クームズ試験を示す。
【図9(c)】プローブ先端部での直接クームズ試験を示す。
【図9(d)】プローブ先端部での間接クームズ試験を示す。
【図9(e)】プローブ先端部での間接クームズ試験を示す。
【図10】中心を外れたインキュベーターディスクの断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬およびサンプルを内部に吸引した後で視覚的に検出可能な凝集反応を行うプローブ先端部において、
a)プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートと、
b)前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞と、
c)前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞と、
d)前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞と、
e)前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、
f)前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポートと、
を含む、プローブ先端部。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルは、細胞懸濁液を含む、プローブ先端部。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、赤血球を含む、プローブ先端部。
【請求項4】
請求項2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、ドナーの赤血球を含む、プローブ先端部。
【請求項5】
請求項2に記載のプローブ先端部において、
前記細胞懸濁液は、患者の血清、およびドナーの赤血球を含む、プローブ先端部。
【請求項6】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルは、リガンド結合分子を含む、プローブ先端部。
【請求項7】
請求項6に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、プローブ先端部。
【請求項8】
請求項6に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、クームズ試薬である、プローブ先端部。
【請求項9】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、ミクロスフェアである、プローブ先端部。
【請求項10】
請求項9に記載のプローブ先端部において、
前記ミクロスフェアは、リガンド結合分子に結合する、プローブ先端部。
【請求項11】
請求項10に記載のプローブ先端部において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、プローブ先端部。
【請求項12】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、細胞である、プローブ先端部。
【請求項13】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記粒子は、赤血球である、プローブ先端部。
【請求項14】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記凝集は、赤血球凝集である、プローブ先端部。
【請求項15】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプル空洞の垂直な軸と、前記少なくとも1つの側面空洞の垂直な軸とが、45°以下の角度を形成する、プローブ先端部。
【請求項16】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプルの残部からの前記粒子の前記分離は、遠心分離による分離、または磁場における分離から生じる、プローブ先端部。
【請求項17】
請求項16に記載のプローブ先端部において、
前記遠心分離は、前記プローブ先端部の垂直な主軸の周りでの前記プローブ先端部の回転から生じる、プローブ先端部。
【請求項18】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記側面空洞は、前記側面空洞内に吸引された前記試薬による、遠心分離された前記粒子の再懸濁を可能にするように構成されている、プローブ先端部。
【請求項19】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記側面空洞は、再懸濁した、遠心分離された前記粒子が、前記プローブ先端部の前記サンプル空洞および検出空洞内へ流れ込むことを可能にするように構成されている、プローブ先端部。
【請求項20】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記サンプル空洞の壁の内径が、前記検出空洞の壁の内径より大きい、プローブ先端部。
【請求項21】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記検出空洞は、凝集の光学的検出を可能にするように、光学的に透明である、プローブ先端部。
【請求項22】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記プローブ先端部は、前記検出空洞における蛍光または化学発光の検出を可能にする材料から作られる、プローブ先端部。
【請求項23】
請求項1に記載のプローブ先端部において、
前記検出空洞の壁が、ある所定の波長で光を伝達することができる、プローブ先端部。
【請求項24】
試薬およびサンプルを内部に吸引した後で視覚的に検出可能な凝集反応を行うプローブ先端部において、
a)プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポートと、
b)前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞と、
c)前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞と、
d)前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーンと、
e)前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポートと、
f)前記プローブ先端部の前記空洞と流体連通する第3のポートと、
を含む、プローブ先端部。
【請求項25】
請求項24に記載のプローブ先端部において、
前記第3のポートは、前記プローブ先端部に対して横方向に配されている、プローブ先端部。
【請求項26】
請求項24に記載のプローブ先端部において、
前記第3のポートは、変位空洞と流体連通しており、
前記変位空洞は、前記プローブ先端部の前記内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成されている、プローブ先端部。
【請求項27】
請求項26に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞は、ピストンを含む、プローブ先端部。
【請求項28】
請求項27に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、プローブ先端部。
【請求項29】
請求項27に記載のプローブ先端部において、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、プローブ先端部。
【請求項30】
請求項27に記載のプローブ先端部において、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、プローブ先端部。
【請求項31】
複数のプローブ先端部内部で凝集反応を検出する装置において、
a.複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダーであって、前記複数のプローブ先端部はそれぞれ、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、複数のホルダーと、
b.前記サンプルの残部から前記サンプル中の前記粒子を分離する手段と、
を含む、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置において、
前記粒子を分離する前記手段は、遠心分離である、装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、
前記遠心分離は、前記プローブ先端部の垂直な主軸の周りでの前記プローブ先端部の回転から生じる、装置。
【請求項34】
請求項31に記載の装置において、
前記粒子を分離する前記手段は、磁場における前記粒子の運動を必要とする、装置。
【請求項35】
複数のプローブ先端部内部で凝集反応を検出する装置において、
複数のプローブ先端部を設置するように構成された複数のホルダー、
を含み、
前記複数のプローブ先端部はそれぞれ、
i.プローブ先端部の内部容積と流体連通する第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.サンプル内の凝集粒子を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
iv.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間に配された前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンは、その攪拌により、前記検出空洞と前記サンプル空洞との間の前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
v.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬およびサンプルが前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、ならびに、
vi.前記プローブ先端部の前記空洞と流体連通する第3のポート、
を含む、装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、
前記第3のポートは、前記プローブ先端部に対して横方向に配される、装置。
【請求項37】
請求項35に記載の装置において、
前記第3のポートは、前記内部容積の変位空洞と流体連通する、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置において、
前記変位空洞は、ピストンを含む、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置において、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、装置。
【請求項40】
請求項38に記載の装置において、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、装置。
【請求項41】
請求項38に記載の装置において、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、装置。
【請求項42】
請求項35に記載の装置において、
前記プローブ先端部での凝集を検出する手段、
をさらに含む、装置。
【請求項43】
単一のプローブ先端部において凝集反応を行う方法において、
a)プローブ先端部を提供する工程であって、前記プローブ先端部は、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記ポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、ならびに、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、工程と、
b)前記プローブ先端部の前記サンプル空洞内へサンプルを吸引する工程と、
c)前記粒子を前記サンプルの残部から分離し、前記プローブ先端部の前記少なくとも1つの側面空洞の中に前記粒子を捕捉する工程と、
d)サンプルの上澄みを前記プローブ先端部から分配する工程と、
e)凝集用試薬を前記プローブ先端部内へ吸引する工程と、
f)サンプルペレットを前記少なくとも1つの側面空洞から再懸濁する工程と、
g)再懸濁した前記サンプルペレットを前記検出空洞まで動かす工程であって、前記再懸濁したサンプルペレット中の凝集が、前記検出空洞で検出される、工程と、
を含む、方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、
前記サンプルペレットは、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンでの回転混合により再懸濁される、方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法において、
前記サンプルは、細胞懸濁液を含む、方法。
【請求項46】
請求項43に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、赤血球を含む、方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、患者の全血を含む、方法。
【請求項48】
請求項45に記載の方法において、
前記細胞懸濁液は、患者の血清、およびドナーの赤血球を含む、方法。
【請求項49】
請求項43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子を含む、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、
前記リガンド結合分子は、抗体である、方法。
【請求項51】
請求項43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、方法。
【請求項52】
請求項43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、ミクロスフェアを含む、方法。
【請求項53】
請求項43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子に結合したミクロスフェアを含む、方法。
【請求項54】
請求項43に記載の方法において、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、方法。
【請求項55】
請求項43に記載の方法において、
前記粒子は、遠心分離によって、または磁場での分離によって、前記サンプルの残部から分離される、方法。
【請求項56】
単一のプローブ先端部で視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットにおいて、
a)プローブ先端部であって、
i.プローブ先端部の内部容積に対する陰圧または陽圧を許容するように構成された第1のポート、
ii.前記ポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.前記サンプル中の粒子を前記サンプルの残部から分離した後で前記粒子を捕捉するように構成された前記内部容積の少なくとも1つの側面空洞であって、前記側面空洞は、前記サンプル空洞と流体連通する、少なくとも1つの側面空洞、
iv.前記サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
v.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、ならびに、
vi.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
を含む、プローブ先端部と、
b)凝集用試薬と、
を含む、キット。
【請求項57】
請求項56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子を含む、キット。
【請求項58】
請求項56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含む、キット。
【請求項59】
請求項57に記載のキットにおいて、
前記リガンド結合分子は、抗体である、キット。
【請求項60】
請求項56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、キット。
【請求項61】
請求項56に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、キット。
【請求項62】
請求項56に記載のキットにおいて、
前記粒子は、遠心分離によって、または磁場における分離によって、前記サンプルの残部から分離される、キット。
【請求項63】
単一のプローブ先端部で視覚的に検出可能な凝集反応を行うキットにおいて、
a)プローブ先端部であって、
i.プローブ先端部の内部容積と流体接続する第1のポート、
ii.前記第1のポートと流体連通する前記内部容積のサンプル空洞、
iii.サンプル内の凝集を検出するように構成された前記内部容積の検出空洞であって、前記検出空洞は、前記サンプル空洞と流体接続する、検出空洞、
iv.前記サンプル空洞と前記検出空洞との間における前記内部容積の移行ゾーンであって、前記移行ゾーンの中を前後に動く前記サンプルを回転混合するように構成されている、移行ゾーン、
v.前記検出空洞と流体接続する第2のポートであって、前記第2のポートは、試薬が前記プローブ先端部の前記内部容積内へ吸引されるか、または前記内部容積から分配されることを可能にするように構成されている、第2のポート、
vi.前記先端部の前記サンプル空洞および検出空洞と流体連通する第3のポート、
vii.前記第3のポートと流体連通する前記内部容積の変位空洞であって、前記変位空洞は、ピストンを有する、変位空洞、
を含む、プローブ先端部と、
b)凝集用試薬と、
を含む、キット。
【請求項64】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、1つ以上のリガンド結合分子を含む、キット。
【請求項65】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、リガンド結合分子により結合されたミクロスフェアを含む、キット。
【請求項66】
請求項64に記載のキットにおいて、
前記リガンド結合分子は、抗体である、キット。
【請求項67】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、クームズ試薬を含む、キット。
【請求項68】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記凝集用試薬は、既知の血液型の赤血球を含む、キット。
【請求項69】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記変位空洞の容積が、前記変位空洞での前記ピストンの運動と共に変化する、キット。
【請求項70】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記変位空洞内部での前記ピストンの前後運動により、空気柱が変位され、前記空気柱は、次に、前記プローブ先端部の前記移行ゾーンを通じて前記サンプルおよび前記試薬に対して前後の力を及ぼす、キット。
【請求項71】
請求項63に記載のキットにおいて、
前記先端部の前記変位空洞内部での前記ピストンの運動が、回転子内部における、前記回転子の軸の周りでの前記変位空洞の回転と調和する、キット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図9(c)】
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【図9(d)】
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【図9(e)】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−514974(P2011−514974A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550755(P2010−550755)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/035813
【国際公開番号】WO2009/114333
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(501131014)オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Indigo Creek Drive, Rochester, NY 14626−5101, U.S.A.
【Fターム(参考)】