説明

ピンニング工法用の注入ノズルおよびこれを用いたピンニング工法

【課題】 躯体とモルタルとの間およびモルタルと仕上げ材との間に生じた「浮き」に、十分に接着剤を注入することができるピンニング工法用の注入ノズルおよびこれを用いたピンニング工法を提供する。
【解決手段】 仕上げ材4およびモルタル3を貫通し且つ躯体2を所定の深さまで穿孔した挿填穴8に、その開口部を封止しながら接着剤Rを注入するピンニング工法用の注入ノズル16において、注入器本体15に装着され、内部に注入器本体15に連なる接着剤流路58を有するノズルボディ26と、基端側をノズルボディ26に保持され、先端部に吐出口35を有すると共に、内部に吐出口35と接着剤流路58とを連通する第1注入流路37を有するノズル内筒25と、を備えると共に、ノズル内筒25を保持するノズルボディ26の内筒保持部40とノズル内筒25との間隙に、接着剤流路58に連なると共にノズルボディ26の先端部に開放される第2注入流路52を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる「浮き」が生じた外壁や内壁等の壁体の補修に使用されるピンニング工法用の注入ノズルおよびこれを用いたピンニング工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の注入ノズルとして、軸心に形成された樹脂流路を有するノズル本体(ボディ本体)と、基端部がノズル本体に保持され、樹脂流路に連なると共に注入流路を形成した注入針(ノズル内筒)と、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この場合、ノズル本体は、フッ素ゴムで構成され、先端側には、挿填穴の開口部を封止するテーパ部を有している。一方、この注入ノズルを用いたピンニング工法として、仕上げ材(タイルや石材等)、モルタルおよびコンクリート躯体からなる外壁の要補修箇所に、挿填穴を穿孔する穿孔工程と、穿孔した挿填穴に注入ノズルを装着した樹脂注入器を使用して接着系の樹脂(接着剤)を注入する樹脂注入工程と、樹脂が注入された挿填穴にアンカーピンを挿填するピン挿填工程と、を備えたものが知られている。
【0003】
この場合、樹脂注入工程において、穿孔した挿填穴に、樹脂注入器の注入ノズルを挿入し押圧すると、テーパ部は、挿填穴の開口部に密接し且つ封止する。この状態で樹脂注入器を操作(ポンピング)すると、樹脂は、挿填穴の最深部から徐々に満たされ、コンクリート躯体とモルタルとの間の浮き部に行き渡る。さらに所定の回数ポンピングを行うことにより、樹脂の注入が完了する。
【特許文献1】特開2003−147971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような注入ノズルでは、挿填穴廻りにおいて、コンクリート躯体とモルタルとの間のみならず、モルタルと仕上げ材との間にも「浮き」が生じている場合、「浮き」の部分ではエアーが抜けるため、先にコンクリート躯体とモルタルとの間の「浮き」のほうにのみ樹脂が広がってしまい、モルタルと仕上げ材との間の「浮き」に樹脂が達しないことがある。かかる場合には、注入ノズルを引き抜きながら、この部分に樹脂を注入せざるを得なかった。但し、注入ノズルを引き抜くと、挿填穴の開口部の封止が解かれてしまうため、モルタルと仕上げ材との間の「浮き」に、樹脂を十分に行き渡らせることができない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、モルタルと仕上げ材との間に生じた「浮き」にも十分に接着剤を注入することができるピンニング工法用の注入ノズルおよびこれを用いたピンニング工法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のピンニング工法用の注入ノズルは、注入器本体に装着して用いられ、仕上げ材およびモルタルを貫通し且つ躯体を所定の深さまで穿孔した挿填穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入するピンニング工法用の注入ノズルにおいて、注入器本体に装着され、内部に注入器本体に連なる接着剤流路を有するノズルボディと、基端側をノズルボディに保持され、先端部に吐出口を有すると共に、内部に吐出口と接着剤流路とを連通する第1注入流路を有するノズル内筒と、を備えると共に、ノズル内筒を保持するノズルボディの内筒保持部とノズル内筒との間隙に、接着剤流路に連なると共にノズルボディの先端部に開放される第2注入流路を構成したことを特徴とする。
【0007】
この場合、第1注入流路および第2注入流路は、接着剤の注入初期において、第1注入流路を流れる接着剤の流動抵抗が、第2注入流路を流れる接着剤の流動抵抗に比して小さくなるように、構成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、ノズルボディにより挿填穴の開口部を封止しつつ挿填穴に接着剤を注入してゆくと、接着剤は、先ずノズル内筒の第1注入流路を介して吐出口から吐出し、挿填穴の最深部から徐々に満たされてゆく。やがて、接着剤は、躯体とモルタルとの間の浮き部に達し、浮き部に流入してゆく。また、これと相前後して、接着剤は、ノズルボディとノズル内筒との間隙に設けた第2注入流路を介してノズルボディの先端部から吐出し、挿填穴の手前から満たされてゆく。やがて、接着剤は、モルタルと仕上げ材との間の浮き部に行き渡る。
【0009】
この場合、ノズルボディは、ノズル内筒を保持すると共に外周面で挿填穴の開口部を封止するボディ本体と、ボディ本体を注入器本体に装着するための装着金具と、から成り、ボディ本体は、弾性材料で構成されていることが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、ノズルボディを挿填穴の開口部に押圧すると、ボディ本体の外周面がこれに密接すると共に弾性材料が適宜変形し、開口部を封止する。この封止により、挿填穴からの接着剤の戻りが阻止され、接着剤を過不足なく充填できる。なお、弾性材料は、作業者の押圧力でわずかに変形する程度のものであり、第2注入流路が閉塞されることはない。
【0011】
この場合、ノズルボディは、ノズル内筒を保持すると共に外周面で挿填穴の開口部を封止するボディ本体と、ボディ本体を注入器本体に装着するための装着金具と、から成り、ボディ本体は、内筒保持部を構成するノズル外筒と、ノズル外筒を包含すると共に開口部を封止する封止部材と、を有し、ノズル外筒は、硬質樹脂材料または金属材料で構成され、封止部材は、弾性材料で構成されていることが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、注入ノズルのノズルボディを挿填穴の開口部に押圧すると、ボディ本体の外周面がこれに密接すると共に弾性材料が適宜変形し、開口部を封止する。この封止により、挿填穴からの接着剤の戻りが阻止され、接着剤を過不足なく充填できる。また、ノズル外筒は硬質であるため、ノズルボディの押圧による第2注入流路の変形を防ぐことができ、接着剤の流量および流動抵抗等を安定させることができる。
【0013】
この場合、弾性材料は、フッ素ゴムであることが、好ましい。
【0014】
この構成によれば、フッ素ゴムは、耐溶剤性であるため、接着剤による経時的な劣化を防ぐことができる。
【0015】
この場合、ノズル内筒は、内筒保持部に進退自在に保持されていることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、接着剤を注入すると、ノズル内筒の第1注入流路を流れる接着剤の粘性抵抗(流動抵抗)により、ノズル内筒は、ノズルボディに対し注入方向に前進し、挿填穴の最深部に突き当たるため、挿填穴の深さが区々であっても、挿填穴の最深部から常に接着剤を注入することができる。これにより、挿填穴の最深部にエアー溜りができることはない。もっとも、予めノズル内筒を最大に延ばしておいて、挿填穴の最深部にノズル内筒を突き当て(後退)、その後、接着剤を注入することもできる。
【0017】
本発明のピンニング工法は、上記の注入ノズルと、注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体とから成る接着剤注入器を用い、躯体、モルタルおよび仕上げ材から成る壁体を補修するピンニング工法において、仕上げ材およびモルタルを貫通し、且つ躯体を所定の深さまで穿孔して挿填穴を形成する穿孔工程と、接着剤注入器により挿填穴の開口部を封止しつつ挿填穴に接着剤を注入する接着剤注入工程と、接着剤が注入された挿填穴に、アンカーピンを挿填するピン挿填工程と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、壁体の要補修箇所に挿填穴を穿孔した後、接着剤注入器により挿填穴の最深部から接着剤を注入する。この後、接着剤が注入された挿填穴に、躯体、モルタルおよび仕上げ材に亘るようアンカーピンを最深部まで挿填する。そして、接着剤が硬化することにより、接着剤とアンカーピンを介して仕上げ材およびモルタルは、躯体に固定される。この場合、第1注入流路および第2注入流路を有する上記の注入ノズルを用いるため、接着剤が挿填穴の最深部側および開口部側から注入されることになり、接着剤を躯体とモルタルとの間の浮き部およびモルタルと仕上げ材との間の浮き部に十分に行き渡らせることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、第2注入流路により挿填穴の開口部側からも接着剤を注入してゆくことができるため、モルタルと仕上げ材との間に生じた「浮き」にも十分に接着剤を注入することができる。したがって、「浮き」が生じた壁体の完璧な補修が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るピンニング工法用の注入ノズル、およびこれを用いたピンニング工法について説明する。このピンニング工法は、「浮き」が生じた建物の外壁、吹き抜けやホール等の内壁(壁体)の要補修箇所に穿孔した挿填穴に、その開口部から接着剤注入器の注入ノズルを挿入して接着剤を注入し、その後、アンカーピンを挿填して、これを補修するものである。以下、建物の外壁に施工する場合について説明する。
【0021】
図1は、外壁に対して接着剤注入器を使用する場合の模式図である。図1に示すように、建物の外壁1は、図示左側から、下地となるコンクリート躯体2と、その表面に塗着させたモルタル3と、これに貼ったタイルなどの仕上げ材4とで、構成されており、コンクリート躯体2とモルタル3との間には第1浮き部(空隙)6、およびモルタル3と仕上げ材4との間には第2浮き部7が生じている。外壁1には、これを補修するべく、仕上げ材4およびモルタル3を貫通し且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した挿填穴8が形成されている。そして、その挿填穴8に対し、接着剤注入器10による接着剤Rの注入とアンカーピン70(図4および図7参照)の挿填とが行われることで、外壁1の補修が行われる。
【0022】
ここで、図2を参照して、接着剤注入器10について説明する。接着剤注入器10は、主体を為し接着剤Rを供給するポンプ形式の注入器本体15と、注入器本体15の先端部に着脱自在に装着されたピンニング工法用の注入ノズル16と、で構成されている。
【0023】
注入器本体15は、基端側に延在する筒状のケーシング18と、ケーシング18が着脱自在に取り付けられるポンプ本体19と、ポンプ本体19に保持された略「L」字状のレバー20とを備えている。ケーシング18内には、接着剤Rが充填されており、ポンプ本体19には、図示右側からケーシング18がセットされ、図示左側から注入ノズル16が装着される。そして、注入器本体15は、手動でレバー20を操作(ポンピング)することにより、接着剤Rを一定量ずつ注入ノズル16から吐出させるようになっている。なお、接着剤Rは、接着系の樹脂であるエポキシ樹脂を用いているが、これに限らず、粘性を有する無機接着剤等でもよい。
【0024】
注入ノズル16は、図3に示すように、先端側に位置する細径のノズル内筒25と、注入ノズル16の主体を為すノズルボディ26と、で構成されており、ノズルボディ26は、ノズル内筒25の基端側を保持するボディ本体27と、ボディ本体27を保持した状態で注入器本体15に装着するための装着金具28と、で構成されている。
【0025】
装着金具28は、注入器本体15のポンプ本体19に螺合するジョイント部材29と、ジョイント部材29をボディ本体27に固定的に取り付けるための筒状の締結部材30とで構成されている。注入ノズル16は、ノズル内筒25の基端側をボディ本体27に対し入れ子形式で係合させ、ボディ本体27の基端側にジョイント部材29の先端側を差し込むと共に、ボディ本体27の先端側から締結部材30をかぶせ、締結部材30をジョイント部材29に螺合することにより、組み立てられている。
【0026】
ノズル内筒25は、ステンレス等の金属パイプや樹脂パイプを用いて注射針様に形成され、ボディ本体27内にスライド自在(進退自在)に保持されており、先端部に開口した吐出口35と、基端部に形成した規制部36と、を有している。ノズル内筒25の軸心には、規制部36から吐出口35に連通する第1注入流路37が形成されており、この第1注入流路37には、規制部36を介してジョイント部材29の接着剤流路(後述する)58が連通している。吐出口35は、斜めに切断して断面楕円状の開口となっており、ノズル内筒25の先端部を挿填穴8の最深部に突き当てた状態であっても閉塞することがなく、接着剤Rを適切に注入することができる。規制部36は、接着剤流路58から流れてくる接着剤Rを導入しやすいようロート状に拡開形成され、これと共に、注入ノズル16を引き抜く際の抜け落ちを防止している。また、ノズル内筒25の長さは、吐出口35を挿填穴8の最深部に突き当てた状態において、挿填穴8の最深部と後述するノズル外筒40の抜止め部51との間よりも長く(100mm程度)形成されている。なお、ノズル内筒25の径は、例えば、外径2mm、内径1.8mmに形成されている。
【0027】
ボディ本体27は、ノズル内筒25が遊挿されるノズル外筒40と、ノズル外筒40を包含する封止部材41と、で構成されている。封止部材41は、フッ素ゴムで構成されており、先端側に向かって先細りのテーパ状に形成されたテーパ部43と、テーパ部43に連なり筒状に形成された円筒部44と、円筒部44よりも太径の太筒部45と、で一体に成形されている。この場合、フッ素ゴムは耐溶剤性であるため経時的な劣化を防止する。太筒部45内部には、後述するジョイント部材29の差込部55が嵌合する円筒状の装着溝46が、基端側を開放するようにして設けられている。また、テーパ部43から円筒部44にかけて、その軸心には、装着溝46に連通すると共に、装着溝46より細径の貫通孔47が設けられている。
【0028】
ノズル外筒40は、ステンレス等の金属パイプや樹脂パイプにより円筒状に形成され、上記の貫通孔47に嵌合している。ノズル外筒40は、貫通孔47よりも若干長めに形成されると共に、若干太径に形成されている。このため、この貫通孔47にノズル外筒40を貫通孔47の基端部に合わせて圧入すると、先端部がテーパ部43の先端部より若干突出し、ノズル外筒40は、貫通孔47に強密着してこれに保持される。もっとも、ノズル外筒40の長さを貫通孔47と同長にし、ノズル外筒40の先端部とテーパ部43の先端部とを面一にしてもよい。また、ノズル外筒40と貫通孔47を同径とし、ノズル外筒40を貫通孔47に液密に接着してもよい。これにより、ノズル外筒40は、押圧による第2注入流路52の変形を防ぎ、接着剤Rの流量および流動抵抗を安定させる。
【0029】
ノズル外筒40の先端部には、ノズル内筒25との間に後述する第2注入流路52の漏出口50が形成され、基端部には、拡開形成したロート状の抜止め部51が形成されている。ノズル外筒40の軸心には、その全長に亘ってノズル内筒25が遊挿されており、ノズル内筒25とノズル外筒40との間隙には、漏出口50に連なる第2注入流路52が構成されている。すなわち、ボディ本体27の部分において、ノズル内筒25とノズル外筒40とは2重管の形態となっており、ノズル内筒25の内面は、第1注入流路37が構成され、ノズル内筒25とノズル外筒40との間隙には第2注入流路52が構成されている。そして、接着剤注入時には、ノズル内筒25の先端に開口した吐出口35は、挿填穴8の最深部に臨み、ノズル外筒40の先端に開口した漏出口50は、挿填穴8の開口部近傍に臨む。また、第2注入流路52は、第1注入流路37と同様に、その抜止め部51を介してジョイント部材29の接着剤流路58と連通している。この場合も、この抜止め部51により、接着剤流路58から流れてくる接着剤Rを第2注入流路52内へ導入すると共に、ノズル外筒40の抜け落ちを防止する。
【0030】
なお、ノズル外筒40は、例えば、長さ40mm程度、外径3mm、内径2.6mmに形成されている。ここで、上記の第1注入流路37および第2注入流路52は、接着剤Rの注入初期において、第1注入流路37を流れる接着剤Rの流動抵抗が、第2注入流路52を流れる接着剤Rの流動抵抗に比して小さくなるように構成されている。すなわち、接着剤Rの注入初期においては、主として第1注入流路37から接着剤Rが注入され、コンクリート躯体2とモルタル3との間の第1浮き部6まで接着剤Rが行き渡った時点で、今度は、主として第2注入流路52から接着剤Rが注入される。
【0031】
より具体的には、図5および図6に示すように、ノズルボディ26を挿填穴8の開口部に押圧すると、開口部が封止され、これと同時に、ノズルボディ26の先端部すなわち漏出口50は、第2浮き部7よりも手前側の位置に臨む。この封止状態を保ちつつ、挿填穴8に接着剤Rを注入すると、先ずノズル内筒25の第1注入流路37を流れる接着剤Rの粘性抵抗(流動抵抗)および規制部36が受ける接着剤Rの注入力により、ノズル内筒25が注入方向に前進してゆく。ノズル内筒25が挿填穴8の最深部に当接すると、注入初期において、第1注入流路37の流動抵抗のほうが小さいため、第1注入流路37を介して吐出口35から接着剤Rが吐出し、挿填穴8の最深部から接着剤Rが徐々に満たされてゆく。やがて、接着剤Rはコンクリート躯体2とモルタル3との間の第1浮き部6に達し、第1浮き部6に広がるように流入してゆく。さらに接着剤Rを注入すると、すでに流入した接着剤Rにより、第1注入流路37の流動抵抗が大きくなり、今度は、内圧の加わっていない第2注入流路52を介して、接着剤Rが漏出口50から吐出し、挿填穴8の手前から接着剤Rが満たされてゆく。やがて、接着剤Rは、モルタル3と仕上げ材4との間の第2浮き部7に行き渡り、第1浮き部6および第2浮き部7に過不足なく充填されることとなる。
【0032】
図3に示すように、ジョイント部材29は、ステンレスやスチール等の金属材で形成されており、封止部材41の装着溝46に嵌入される差込部55と、差込部55の基端側に連なる太径の太径螺合部56と、太径螺合部56の基端側に連なる細径螺合部57と、で一体に形成されている。また、ジョイント部材29の軸心には注入器本体15に連なる接着剤流路58が形成され、上述のように接着剤流路58は、第1注入流路37および第2注入流路52に連通している。差込部55は、装着溝46と同径の円筒状に形成され、装着溝46に差し込むことで接着剤流路58と各注入流路37、52とが連通される。太径螺合部56は、差込部55よりも太径の円筒状に形成され、外周面には雄ねじが螺刻されると共に、外周面基端側には、平坦に研削された一対のスパナ掛け部59が形成されている。細径螺合部57の外周面にも、雄ねじが螺刻されており注入器本体15と螺合するようになっている。接着剤流路58となるジョイント部材29の内径は、ノズル内筒25の規制部36およびノズル外筒40の抜止め部51の径よりも大きく構成される。
【0033】
締結部材30は、ステンレスやスチール等の金属材により筒状に形成されており、注入ノズル16において最も太い径となる太径締結部65と、太径締結部65に連なり先端側に形成された細径締結部66とを有している。太径締結部65の内径は、封止部材41の太筒部45と同径に形成され、その基端側内周面には、雌ねじが螺刻されている。細径締結部66は、封止部材41の円筒部44を覆うよう形成され、その内径も、封止部材41の円筒部44と同径に形成される。そして、太径締結部56と細径締結部57との内側段部が、封止部材41の円筒部44と太筒部45との外側段部に係合し、締結部材30が、ジョイント部材29と共にボディ本体27を保持するようになっている。
【0034】
これにより、ボディ本体27の装着溝46に、ジョイント部材29の差込部55を差し込み、先端側から締結部材30をかぶせて、ジョイント部材29の太径螺合部56の雄ねじと、締結部材30の細径締結部66の雌ねじとを螺合すると、装着溝46と差込部55とが強密着し、接着剤流路58と各注入流路37、52が連結される。注入器本体15から接着剤Rが、ジョイント部材29の接着剤流路58に流れ込むと、接着剤Rは、ノズル内筒25の規制部36から第1注入流路37に流れ込むものと、ノズル外筒40の抜止め部36から第2注入流路52に流れ込むものとに分流し、それぞれ吐出口35および漏出口50から吐出する。なお、ノズル内筒25は、上記した長さに形成されているため、ノズル外筒40の抜止め部51を塞ぐことはない。
【0035】
次に、図4を参照して、アンカーピン70について説明する。アンカーピン70は、ステンレス等で構成されており、挿填穴8の開口部より太径で薄肉(0.3mm〜0.5mm)に形成された円板状のピン頭部71と、ピン頭部71と一体に形成された棒状のピン胴部72と、から構成されている。挿填穴8に挿填したアンカーピン70は、そのピン頭部71が、挿填穴8の開口部に当接し、ピン胴部72が、挿填穴8の最深部まで達する。
【0036】
ピン胴部72には、引抜き強度を高めるべくその外周面に雄ねじが螺刻されており、挿填穴8の径よりも幾分細径に形成されている。ピン頭部71は、天面である上端面が仕上げ材4の色彩に合致するように焼付け塗装等により着色されている。
【0037】
そして、アンカーピン70は、挿填穴8に挿填されると、ピン胴部72が接着剤Rを介してコンクリート躯体2、モルタル3および仕上げ材4をアンカリングする。そして、ピン頭部71が挿填穴8の開口部を閉塞すると共に、ピン頭部71の天面が仕上げ材4の表面からその厚み分、突出して仕上げ材4と面一ではないが、薄肉に形成されているため、目立ち難いものとなる。すなわち、アンカーピン70は挿填穴8からの接着剤Rの溢れを防止し、この状態で接着剤Rが凝固することで、ピン胴部72が接着剤Rを介して挿填穴8に固着される。
【0038】
次に図5ないし図7の工程図を参照して、上記の接着剤注入器10を用いた外壁1の補修を行うピンニング工法について施工手順に従って説明する。このピンニング工法は、外壁1を打鍵して挿填穴8の穿孔位置(浮き部)を決定する打鍵工程と、その穿孔位置の外壁1に挿填穴8を穿孔する穿孔工程と、接着剤注入器10を使用して挿填穴8に接着剤Rを注入する接着剤注入工程と、接着剤Rが注入された挿填穴8にアンカーピン70を挿填するピン挿填工程と、から成る。
【0039】
打鍵工程では、ハンマー等を用いて外壁1を打鍵し、その打鍵音に基づいて外壁1の要補修箇所、すなわちコンクリート躯体2とモルタル3との第1浮き部6、モルタル3と仕上げ材4との第2浮き部7を探査し、挿填穴8の穿孔位置を決定する。これに続いて、穿孔位置に適宜、穿孔位置のマーキングが行われる。
【0040】
穿孔工程では、ダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具75を使用して、マーキングした外壁1の各穿孔位置を穿孔する。すなわち、仕上げ材4およびモルタル3を貫通するようにしてコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔し、挿填穴8を形成する。この際、外壁1に対し穿孔は直角に行い、コンクリート躯体2への穿孔深さは30mm以上とする。また、挿填穴8は、アンカーピン70が遊嵌できるように一回り大きな径(1mm〜2mm太径)を形成する。その後、コンクリート躯体2の切粉等が挿填穴8内に残留しているため、切粉等をブロア等で噴気、または真空集塵機等で吸引、清掃し除去する。もっとも、冷却水と共に切粉が流出する場合には、この除去工程は、省略される。
【0041】
接着剤注入工程では、ボディ本体27のテーパ部43が当接してその挿入深さを規制されるまで、挿填穴8に注入ノズル16を挿入し、テーパ部43で挿填穴8の開口部を封止する。この状態では、ノズル内筒25の吐出口35が挿填穴8の最深部に達していないものとなっているが、この状態で、テーパ部43で挿填穴8の開口部を押し付けて、注入器本体15のレバー20を操作(ポンピング)して、接着剤Rを挿填穴8に注入していく。
【0042】
ポンピングを開始すると、ノズル内筒25が、ボディ本体27に対し最深部へと前進する。ノズル内筒25の先端部が、挿填穴8の最深部に当接すると、吐出口35より接着剤Rが吐出され、挿填穴8の最深部から徐々に注入されてゆく。やがて、コンクリート躯体2とモルタル3との間の第1浮き部6に流入し、これと相前後して、漏出口50からも接着剤Rが吐出され、モルタル3と仕上げ材4との間の第2浮き部7に流入する。このとき、第1浮き部6と第2浮き部7との間の挿填穴中間部には、エアー溜りができるが、注入ノズル16を挿填穴8から引き抜くときの負圧により、エアーは抜けることになる。
【0043】
ピン挿填工程では、接着剤Rが注入された挿填穴8に対し、アンカーピン70のピン胴部72を案内させながら挿填していく。アンカーピン70は、挿填穴8内の接着剤Rを押し込むように最深部に対し挿填されていく。それに伴い、接着剤Rは、ピン胴部72となじむように隙間に流動し、さらにその一部は挿填穴8の開口部に向かって押し出されていく。アンカーピン70のピン胴部72が最深部に達するところで、ピン頭部71が挿填穴8の開口部を閉止する。この場合、接着剤注入工程において、ノズル内筒25を引き抜いた後に生ずる接着剤Rが注入されていない未注入部分の体積と、アンカーピン70の体積とがほぼ同一となるように構成しているため、挿填穴8にアンカーピン70を挿入したときに、挿填穴8から接着剤Rがほとんど漏れ出ることなく、挿填穴8を接着剤Rでほぼ満たすことができる。そして、この状態で養生することにより、アンカーピン70は接着剤Rを介して、コンクリート躯体2およびモルタル3、モルタル3および仕上げ材4を十分な引抜き強度を持ってアンカリングする。
【0044】
以上のように、本実施形態の注入ノズル16によれば、第1注入流路37に連なる吐出口35より挿填穴8の最深部から、第2注入流路52に連なる漏出口50より挿填穴8の手前側から接着剤Rを注入してゆくことができるため、コンクリート躯体2とモルタル3との間、モルタル3と仕上げ材4との間に生じた「浮き」に十分に接着剤Rを注入(挿填穴8を中心にほぼ円形に広がる)することができる。したがって、外壁1に対しアンカーピン70と接着剤Rを有効に作用させることができ、「浮き」が生じた外壁1の完璧な補修が可能となる。
【0045】
次に、第1実施形態のピンニング工法におけるアンカーピンの変形例について図7(b)を参照して説明する。このアンカーピン80はステンレス等で構成され、ピン胴部82と、仕上げ材4を押さえるためのピン頭部81とで、一体に形成されている。また、ピン胴部82の外周面には、引抜き強度を高めるべく雄ねじが螺刻されている。ピン頭部81は皿状に形成され、且つ第1実施形態と同様に、挿填穴8の開口部径より幾分大きな径に形成されている。すなわち、ピン頭部81は、皿ネジ等の頭部と同様の形態を有し(但し、工具用の溝はない)、十分な強度を持たせ得るようにしている。また、ピン頭部81の天面は、第1実施形態と同様に、仕上げ材4の表面の色彩に合致するように焼付け塗装等により着色されている。
【0046】
ここで、上記のアンカーピン80を用いた場合のピンニング工法について説明する。但し、以下の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。第1実施形態と同様に、先ずダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具75により、仕上げ材4およびモルタル3を貫通してコンクリート躯体2に所定の深さまで挿填穴8を穿孔する。次に、アンカーピン80のピン頭部81の形状に対応させて、挿填穴8の開口縁部を皿もみ形状に面取りする。面取りを行ったら、挿填穴8内を清掃する。そして、挿填穴8に接着剤Rの注入を行い、第1浮き部6と第2浮き部7とに接着剤Rが行き渡ったら、挿填穴8にアンカーピン80を挿填する。その際、アンカーピン80のピン頭部81が挿填穴8の開口縁部に接するまで、すなわち、アンカーピン80のピン頭部81の表面が仕上げ材4の表面と面一になるように、アンカーピン80を押し込むようにする。その後、接着剤Rが硬化するまで養生を行う。
【0047】
この構成によれば、アンカーピン80のピン頭部81が、仕上げ材4の表面と面一になり、且つアンカーピン80のピン頭部81は仕上げ材4に合わせて着色されているため、施工後、アンカーピン80が極めて目立ち難く、仕上げ材4の意匠性を損なうことがない。
【0048】
次に、アンカーピンの第2変形例について説明する。図7(c)に示すように、このアンカーピン90はステンレス等で構成され、ピン胴部92と、仕上げ材4を押さえるためのピン頭部91とで、一体に形成されている。また、ピン胴部92の外周面には、引抜き強度を高めるべく雄ねじが螺刻されている。ピン頭部91は、断面円形状に形成され、且つ第1実施形態と同様に、挿填穴8の開口部径より幾分大きな径に形成されている。ピン頭部91の天面には、第1実施形態と同様に、仕上げ材4の表面の色彩に合致するように焼付け塗装等により着色されている。
【0049】
ここで、上記のアンカーピン90を用いた場合のピンニング工法について説明する。先ずダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具75により、仕上げ材4およびモルタル3を貫通してコンクリート躯体2に所定の深さまで挿填穴8を穿孔する。この場合、ダイヤモンドコアドリルの基部に補助ビットを装着したものを用い、挿填穴8と、挿填穴8よりも径の大きい座ぐり穴94とを同時に形成する。その後、挿填穴8内を清掃し、次いで、挿填穴8に注入ノズル16を挿入し、テーパ部43を座ぐり穴94に押し付けて、挿填穴8に接着剤Rを注入する。第1浮き部6と第2浮き部7とに接着剤Rが行き渡ったら、挿填穴8にアンカーピン90を挿填する。その際、アンカーピン90のピン頭部91が座ぐり穴94に当接するよう、すなわち、アンカーピン90のピン頭部91の表面が仕上げ材4の表面と面一になるように、アンカーピン90を押し込むようにする。その後、接着剤Rが硬化するまで養生を行う。
【0050】
この構成によれば、アンカーピン90のピン頭部91が、仕上げ材4の表面と面一になり、且つアンカーピン90のピン頭部91は仕上げ材4に合わせて着色されているため、施工後、アンカーピン90が極めて目立ち難く、仕上げ材4の意匠性を損なうことがない。
【0051】
次に、本実施形態の接着剤注入器10における注入ノズルの他の実施形態について図8を参照して説明する。第2実施形態の注入ノズル100は、吐出口101を有する細径のノズル内筒102と、ノズル内筒102を先端側に進退自在に保持したボディ本体103と、ボディ本体103を注入器本体15に着脱自在に装着するジョイント部104と、ボディ本体103をジョイント部104に固定的に取り付ける締結部材105と、で構成されている。ここで、ボディ本体103を除いては、同様の構成であるため説明を省く。このボディ本体103は、フッ素ゴムで構成されると共に、第1実施形態のノズル外筒40を除いたものである。この場合、封止部材106の貫通孔107に、ノズル内筒102が遊挿され、ノズル内筒102と貫通孔107との間隙により第2注入流路108が構成されている。この場合の貫通孔107は、第1実施形態のノズル外筒40の内径とほぼ同径に形成されており、この貫通孔107形成部分は、請求項の「内筒保持部」を構成している。
【0052】
この注入ノズル100を用いて、ボディ本体103を挿填穴8の開口部に押圧すると、ボディ本体103のテーパ部109の外周面がこれに密接すると共に、フッ素ゴムが適宜変形して開口部を封止し、これと同時に、漏出口110は、第2浮き部7よりも手前側の位置に臨む。このとき、フッ素ゴムは、耐溶剤性であり、且つ硬質であるため、作業者の押圧力で僅かに変形する程度のものであり、第2注入流路108が閉塞されることはない。したがって、上記の注入ノズル16と同様に、接着剤Rは、第1浮き部6および第2浮き部7に行き渡る。また、この構成によれば、部品点数を少なくすることができ、より簡易な構成とすることができる。
【0053】
なお、第1注入流路37を構成するノズル内筒25、102の径(内径および外径)や、第2注入流路52、108を構成するノズル内筒25、102とノズル外筒40または貫通孔107との間隙寸法は、適宜変更可能であることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るピンニング工法用の注入ノズルを有する接着剤注入器を、外壁に形成した挿填穴に対して使用する断面模式図である。
【図2】接着剤注入器の平面図である。
【図3】(a)は、注入ノズルの平面図であり、(b)は、注入ノズルの断面図である。
【図4】アンカーピンの平面図である。
【図5】(a)は、本実施形態に係るピンニング工法の穿孔工程図であり、(b)は、接着剤注入工程の第1工程図であり、(c)は、第2工程図である。
【図6】(a)は、接着剤注入工程の第3工程図であり、(b)は、第4工程図であり、(c)は、第5工程図である。
【図7】(a)は、アンカーピンのピン挿填工程図であり、(b)はアンカーピンの変形例1に係るピン挿填工程図であり、(c)は、アンカーピンの変形例2に係るピン挿填工程図である。
【図8】第2実施形態に係る注入ノズルの断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 外壁 2 コンクリート躯体
3 モルタル 4 仕上げ材
6 第1浮き部 7 第2浮き部
8 挿填穴 10 接着剤注入器
15 注入器本体 16 注入ノズル
25 ノズル内筒 26 ノズルボディ
27 ボディ本体 28 装着金具
35 吐出口 37 第1注入流路
40 ノズル外筒 41 封止部材
52 第2注入流路 58 接着剤流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器本体に装着して用いられ、
仕上げ材およびモルタルを貫通し且つ躯体を所定の深さまで穿孔した挿填穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入するピンニング工法用の注入ノズルにおいて、
前記注入器本体に装着され、内部に前記注入器本体に連なる接着剤流路を有するノズルボディと、
基端側を前記ノズルボディに保持され、先端部に吐出口を有すると共に、内部に前記吐出口と前記接着剤流路とを連通する第1注入流路を有するノズル内筒と、を備えると共に、
前記ノズル内筒を保持する前記ノズルボディの内筒保持部と前記ノズル内筒との間隙に、前記接着剤流路に連なると共に前記ノズルボディの先端部に開放される第2注入流路を構成したことを特徴とするピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項2】
前記第1注入流路および前記第2注入流路は、
前記接着剤の注入初期において、前記第1注入流路を流れる前記接着剤の流動抵抗が、前記第2注入流路を流れる前記接着剤の流動抵抗に比して小さくなるように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項3】
前記ノズルボディは、
前記ノズル内筒を保持すると共に外周面で前記挿填穴の開口部を封止するボディ本体と、
前記ボディ本体を前記注入器本体に装着するための装着金具と、から成り、
前記ボディ本体は、弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項4】
前記ノズルボディは、
前記ノズル内筒を保持すると共に外周面で前記挿填穴の開口部を封止するボディ本体と、
前記ボディ本体を前記注入器本体に装着するための装着金具と、から成り、
前記ボディ本体は、前記内筒保持部を構成するノズル外筒と、前記ノズル外筒を包含すると共に前記開口部を封止する封止部材と、を有し、
前記ノズル外筒は、硬質樹脂材料または金属材料で構成され、
前記封止部材は、弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項5】
前記弾性材料は、フッ素ゴムであることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項6】
前記ノズル内筒は、前記内筒保持部に進退自在に保持されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のピンニング工法用の注入ノズル。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のピンニング工法用の注入ノズルと、前記注入ノズルが着脱自在に装着される前記注入器本体とから成る接着剤注入器を用い、前記躯体、前記モルタルおよび前記仕上げ材から成る壁体を補修するピンニング工法において、
前記仕上げ材および前記モルタルを貫通し、且つ前記躯体を所定の深さまで穿孔して前記挿填穴を形成する穿孔工程と、
前記接着剤注入器により前記挿填穴の開口部を封止しつつ前記挿填穴に前記接着剤を注入する接着剤注入工程と、
前記接着剤が注入された前記挿填穴に、アンカーピンを挿填するピン挿填工程と、
を備えたことを特徴とするピンニング工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−115527(P2008−115527A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−132587(P2005−132587)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【特許番号】特許第3759157号(P3759157)
【特許公報発行日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(598078252)有限会社デー・ジー・ピー (5)
【出願人】(503032795)DGP・ホリ・コンダクター株式会社 (10)
【Fターム(参考)】