説明

ピーク座標推定装置及びピーク座標推定方法

【課題】ピーク座標推定の精度を高めることのできるピーク座標推定装置を得る。
【解決手段】暫定ピーク検出部1は、暫定ピーク判定領域で、中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、中心座標を暫定ピーク座標として検出する。対象範囲決定部2は、暫定ピーク座標と、暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する。重心座標算出部3は、対象範囲において、暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1次元または多次元の座標値を持つ信号の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定装置及びピーク座標推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像などの2次元の信号において、ある一点(一座標)に強い信号を与えて特徴点とし、後で信号値から特徴点の位置(座標)を推定したい場合がある。例えば、デジタル画像(以下、単に画像という)において、マークとなる特徴点を幾つか画像に上書きしておき、拡大縮小、回転、反転などの編集がなされた後の画像から特徴点を検出することで、オリジナルの画像との位置合わせをするような場合である。この場合、2次元信号のローカルピーク(以下、単にピークという)を判定し、ピーク座標を求める技術(ピーク座標推定)が必要となる。しかも、画像の場合、画素値はピクセル単位(整数単位)であるが、編集後の画像における真のピーク位置はサブピクセル単位(小数単位)となることがあり、サブピクセル精度でのピーク位置の推定が必要となる。従来、このようなピーク位置の推定を行う装置として、信号値を重みとして重心座標を求める(座標を加重平均する)ようにしたものがあった(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/001973号パンフレット
【特許文献2】特開2009−193329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、重心座標を計算する際、座標の範囲を適宜設定するといったことは行っておらず、ピーク座標を推定する際に必ずしも高い精度が得られるとは限らなかった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ピーク座標推定の精度を高めることのできるピーク座標推定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るピーク座標推定装置は、信号値と座標値とが対となった信号における所定の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定装置において、定義域中の全ての座標の信号値のうち、任意の座標を中心とする一定の領域を暫定ピーク判定領域として、暫定ピーク判定領域で、中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、中心座標を暫定ピーク座標として検出する暫定ピーク検出部と、暫定ピーク座標と、暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する対象範囲決定部と、対象範囲において、暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する重心座標算出部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明のピーク座標推定装置は、暫定ピーク座標と、暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成し、この対象範囲において暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求めるようにしたので、ピーク座標推定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置のピーク座標推定手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置が想定するピークを画像の画素値に与えることで画像に特徴点を埋め込む場合の一例を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置の暫定ピーク検出部の処理を一例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置の対象範囲を決定する処理の一例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置の重心座標を算出する処理の一例を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるピーク座標推定装置の対象範囲を決定する処理の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1では、特徴点の埋め込まれたデジタル画像(以下、単に画像という)から、その画像の画素値のローカルピーク(以下、単にピークという)を検出することで、画像に埋め込まれた特徴点を検出し、その特徴点の座標を推定する、ピーク座標推定装置について説明する。
【0010】
初めに、本実施の形態のピーク座標推定装置が前提とする、画像への特徴点の埋込について説明する。画像は二次元の信号である。例えば、横1024画素、縦768画素の画像であれば、f(x,y)(x∈[0,1023]、y∈[0,767])という関数で表される信号である。この信号値のことを画像の場合は画素値と呼ぶ。この信号にピークを埋め込むことで、画像に特徴点を埋め込むことができる。図3は、画像に特徴点を埋め込む例を示している。座標値(68,35)の画素値を200で上書きすることで特徴点を埋め込んでいる。このように、周囲の平均的な画素値に対し十分大きな値で上書きすることで、特徴点を埋め込むことができる。
【0011】
次に、ピーク座標推定装置について説明する。図1は、この発明の実施の形態1のピーク座標推定装置の一例を示す構成図である。また、図2は、この発明の実施の形態1のピーク座標推定手順の一例を示すフローチャートである。図1のブロック構成を図2の処理ステップで示される動作に対応付けて説明する。
【0012】
図1に示す暫定ピーク検出部1は、二次元信号の定義域の部分集合となる矩形領域(暫定ピーク判定領域と呼ぶ)において、暫定ピーク判定領域の中心に位置する信号値が、暫定ピーク判定領域に含まれる信号値の中で最大であって、かつ、暫定ピーク判定領域に含まれる中心以外の信号値に対して突出している場合に、暫定ピーク判定領域の中心の座標を暫定ピーク座標として検出する(図2の暫定ピーク検出ステップに対応する)。「突出」の判断は、ここでは、暫定ピーク判定領域の中心に位置する信号値が、それを除く暫定ピーク判定領域の信号値の平均(周辺平均値と呼ぶ)に一定数を掛け合わせた値より大きいか否かによって行うものとする。
【0013】
図4は、本実施の形態のピーク座標推定装置の暫定ピーク検出部1の処理の一例を説明する図である。図では画像の一部分のみについて示している。図は、(83,60)が暫定ピーク座標かどうかを判断する場合について説明している。(83,60)を中心とし、5×5の大きさ矩形の暫定ピーク判定領域について、(83,60)の画素値169が最大となっているかどうかを調べる。この例では、169が最大である。次に、周辺平均値を算出し、169が、周辺平均値(約57.79)の2倍(約115.58)を超えているかどうかを調べる。即ち、ピークかどうかの判定は、図4中に示すように、中心座標(83,60)を除く、暫定ピーク判定領域に含まれる全ての座標の信号値の平均値に2を掛け合わせた値を閾値として、中心座標の画素値169がその閾値を超えるか否かにより行う。169は、115.58を超えているので、(83,60)を暫定ピーク座標と判断する。この2段階の手順を、画像の全ての画素(座標)に対して行い、暫定ピーク座標であれば抽出する。そのため、暫定ピーク検出部1は複数の暫定ピーク座標を抽出することもあるし、暫定ピーク座標を一つも抽出しないこともある。ここでは、(83,60)のみが暫定ピーク座標として検出されたものとして、これ以降説明する。
【0014】
図1に示す対象範囲決定部2は、暫定ピーク座標の周囲の整数座標のうち重心座標算出部3で使用する座標の集合(対象範囲と呼ぶ)を出力する(図2の対象範囲決定ステップに対応する)。ここで、対象範囲は、ピーク信号として有用な座標を拾い、ノイズと考えられる無用な座標を捨てる処理によって決定される。
【0015】
図5は、本実施の形態のピーク座標推定装置の対象範囲決定部2の処理の一例を説明する図である。ここでは、対象範囲決定までを大きく二つのステップで構成する。ステップ1では、周辺平均値の1.5倍(約86.69)を超えているかどうかを調べる。暫定ピーク判定領域に含まれる座標の中で、周辺平均値の1.5倍を超えている座標をピックアップし、対象範囲の候補とする。ステップ2では、ステップ1で候補となった座標であっても、ステップ1で除外された座標より暫定ピーク座標から遠い座標を除外する。こうすることで、(85,62)の画素値119が除外され、(83,59)、(82,60)、(83,60)、(84,60)、(83,61)が、対象範囲に決定される。
【0016】
図1に示す重心座標算出部3は、対象範囲に含まれる座標について、信号値を重みとして、重心を計算することで、重心座標を算出し、これを最終的に推定されたピーク座標として出力する(図2の重心座標算出ステップに対応する)。
図6は、本実施の形態のピーク座標推定装置の重心座標算出部3の処理の一例を説明する図である。対象範囲決定部2が決定した対象範囲に含まれる座標を対象とした重心座標の算出によって、推定されたピーク座標を(82.91,60.02)としている。
【0017】
以上のように、二次元信号において、ピーク座標を推定する際に、単に事前に決められた矩形等の領域を対象として重心座標を算出するのではなく、ピーク信号として有用と考えられる座標のみをピックアップする対象範囲決定部2を設けて、対象範囲決定部2が決定した対象範囲について重心座標を算出することで、対象範囲決定部2を設けない場合に比べて推定されたピーク座標の精度を高めることができる。
【0018】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、暫定ピーク判定領域を5×5の大きさの矩形領域としたが、その他の大きさや形状の領域であってもよい。例えば、7×7の矩形領域とすることや、3×3の矩形領域とすることもできる。また、中心からの距離が4以下の座標の集合とすることもできる。このように、暫定ピーク判定領域は、暫定ピークか否かを判定しようとする座標を中心とする任意の領域とすることができる。
【0019】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、暫定ピーク座標が一つ検出されたものとした。しかし、暫定ピーク座標が複数検出される場合や、一つも検出されない場合もある。複数検出される場合は、検出された暫定ピーク座標のそれぞれにおいて、これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置の動作を適用し、暫定ピーク座標の同数の推定されたピーク座標を出力すればよい。また、暫定ピーク座標が一つも検出されない場合は、その時点で処理を打ち切り、推定されたピーク座標を一つも出力しないで動作を終了すればよい。更に、暫定ピーク座標が一つも検出されなかった場合に、暫定ピーク検出部1が、周辺平均値に対して掛け合わせる数値をより小さな値に変更して暫定ピーク座標を検出されやすくし、暫定ピーク検出を再度実施することで、暫定ピーク座標を検出できる場合がある。このように、暫定ピーク検出部1が、暫定ピークを必ず検出するように内部パラメータを変更して繰り返す動作を備えてもよい。
【0020】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、暫定ピーク検出部1は、周辺平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値として、暫定ピーク判定領域の中心の信号値とその閾値を比較する処理によって、暫定ピーク座標を検出したが、他の処理によることもできる。例えば、周辺平均値の代わりに、暫定ピーク判定領域の全信号値の平均を使うこともできる。また、一定数として2を用いたが、他の値を使うこともできる。このように、暫定ピーク検出部1は、信号値の突出を判断して暫定ピーク検出座標を検出することが可能であれば、任意の構成とすることができる。
【0021】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、対象範囲決定部2は、信号値の大きさで対象範囲の候補を抽出するステップ1と、ステップ1で除外された座標より暫定ピーク座標から遠い座標を除外するステップ2の、2ステップからなる構成としたが、ステップ2は必須ではない。ただ、ステップ2を備えない場合、ピーク座標推定装置は、処理が軽減される分、高速動作するという利点を有するが、孤立する強ノイズを除去できなくなる。例えば、図5の例では、(85,62)は信号値は高いが、暫定ピークからは離れており、明らかにノイズであるため、ピーク信号として有用ではない。このような場合に、ステップ2を設けることで、ノイズを除去し、重心座標算出部3が算出する重心を、真のピーク座標に近づけることができる。このようにステップ2には、ピーク座標の推定精度を高める効果がある。また、ステップ1についても、周辺平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値としたが、周辺平均値の代わりに暫定ピーク判定領域の全信号値の平均を使うこともでき、また、一定数として1.5を用いたが、他の値を使うこともできる。
【0022】
更に、ステップ2における処理を図7のようにすることもできる。図5の例では、暫定ピーク座標から√2の距離にある(84,59)がステップ1で除外されたため、暫定ピーク座標から√2より大きい距離にある全ての座標が除外された。これと同じ考え方を図7の場合に適用すると、暫定ピーク座標から1の距離にある(84,60)がステップ1で除外されたため、暫定ピーク座標から1より大きい距離にある(81,61)や(82,61)はステップ2で除外の対象となる。しかし、これらの座標は暫定ピーク座標と高い信号値で接しているため、有用な信号と考えられる。そこで、図7に示したように、暫定ピーク座標から見てステップ1で除外となった座標の方向にあり、かつ距離がそれより大きい座標を、ステップ2で除外する。このようにすると、(84,60)は除外されるが、(81,61)や(82,61)は除外されなくなり、有用な信号を余さず拾うことができる。このようにすることで、更に推定されたピーク座標の推定精度を高めることができる。このように、対象範囲決定部2は、暫定ピーク座標の周辺の整数座標のうち重心座標算出に有用なピーク信号を持つ座標を抽出することが可能であれば、任意の構成とすることができる。
【0023】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、画像を扱い、画素値がピークを示す画素の位置を推定したが、扱う対象が画像でなくてもよい。例えば、画像の画素値を元に何らかの処理をした後の二次元信号(例えば、フーリエ変換係数や離散コサイン変換係数など)を本実施の形態のピーク座標推定装置で扱う信号とすることもできる。このように、本実施の形態のピーク座標推定装置は、任意の二次元信号を扱うことができる。
【0024】
これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置では、二次元信号を扱ったが、一次元の信号や三次元以上の信号を扱うこともできる。例えば、音波や気圧を扱うことができる。音波の場合、一次元の信号である。或いは、気圧の場合、三次元である。このような場合であっても、例えば、暫定ピーク判定領域を、中心座標からのユークリッド距離(或いはマンハッタン距離)が一定値以下の座標の集合とするなどし、これまで説明してきた本実施の形態のピーク座標推定装置と同様の構成とすることで、ピーク座標推定装置を構成することが可能である。このように、本実施の形態のピーク座標推定装置は、任意次元の信号を扱うことができる。
【0025】
以上説明したように、実施の形態1のピーク座標推定装置によれば、信号値と座標値とが対となった信号における所定の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定装置において、定義域中の全ての座標の信号値のうち、任意の座標を中心とする一定の領域を暫定ピーク判定領域として、暫定ピーク判定領域で、中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、中心座標を暫定ピーク座標として検出する暫定ピーク検出部と、暫定ピーク座標と、暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する対象範囲決定部と、対象範囲において、暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する重心座標算出部とを備えたので、ピーク座標推定の精度を高めることができる。
【0026】
また、実施の形態1のピーク座標推定装置によれば、暫定ピーク検出部は、暫定ピーク座標の検出を、暫定ピーク判定領域に存在する座標の信号値の中で最大であって、かつ、中心座標を除く暫定ピーク判定領域に含まれる全ての座標の信号値の平均値または平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値として、中心座標の信号値がその閾値を超えるか否かにより行うようにしたので、暫定ピーク座標の検出を確実に行うことができる。
【0027】
また、実施の形態1のピーク座標推定装置によれば、対象範囲決定部は、対象範囲の判定を、暫定ピーク判定領域に存在する座標のうち、暫定ピーク座標を除く座標の信号値の平均値または平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値として、信号値がその閾値を超える座標であるか否かにより行うようにしたので、対象範囲の検出を確実に行うことができる。
【0028】
また、実施の形態1のピーク座標推定装置によれば、対象範囲決定部は、暫定ピーク座標からみて、信号値が閾値を超える座標が閾値以下である信号値の座標の外側に存在した場合、外側に存在する信号値の座標は対象範囲から除外するようにしたので、有用な信号を対象範囲に含めることができ、更に推定されたピーク座標の推定精度を高めることができる。
【0029】
また、実施の形態1のピーク座標推定方法によれば、信号値と座標値とが対となった信号における所定の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定方法において、暫定ピーク検出部が、定義域中の全ての座標の信号値のうち、任意の座標を中心とする一定の領域を暫定ピーク判定領域として、暫定ピーク判定領域で、中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、中心座標を暫定ピーク座標として検出する暫定ピーク検出ステップと、対象範囲決定部が、暫定ピーク座標と、暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する対象範囲決定ステップと、重心座標算出部が、対象範囲において、暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する重心座標算出ステップとを備えたので、ピーク座標推定の精度を高めることができる。
【0030】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 暫定ピーク検出部、2 対象範囲決定部、3 重心座標算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号値と座標値とが対となった信号における所定の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定装置において、
前記定義域中の全ての座標の信号値のうち、任意の座標を中心とする一定の領域を暫定ピーク判定領域として、当該暫定ピーク判定領域で、前記中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、当該中心座標を暫定ピーク座標として検出する暫定ピーク検出部と、
前記暫定ピーク座標と、当該暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する対象範囲決定部と、
前記対象範囲において、前記暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、当該重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する重心座標算出部とを備えたピーク座標推定装置。
【請求項2】
暫定ピーク検出部は、暫定ピーク座標の検出を、暫定ピーク判定領域に存在する座標の信号値の中で最大であって、かつ、中心座標を除く前記暫定ピーク判定領域に含まれる全ての座標の信号値の平均値または当該平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値として、前記中心座標の信号値がその閾値を超えるか否かにより行うことを特徴とする請求項1のピーク座標推定装置。
【請求項3】
対象範囲決定部は、対象範囲の判定を、暫定ピーク判定領域に存在する座標のうち、暫定ピーク座標を除く座標の信号値の平均値または当該平均値に一定数を掛け合わせた値を閾値として、信号値がその閾値を超える座標であるか否かにより行うことを特徴とする請求項1記載のピーク座標推定装置。
【請求項4】
対象範囲決定部は、暫定ピーク座標からみて、信号値が閾値を超える座標が当該閾値以下である信号値の座標の外側に存在した場合、当該外側に存在する信号値の座標は対象範囲から除外することを特徴とする請求項3記載のピーク座標推定装置。
【請求項5】
信号値と座標値とが対となった信号における所定の定義域からピーク信号の座標値を推定するピーク座標推定方法において、
暫定ピーク検出部が、前記定義域中の全ての座標の信号値のうち、任意の座標を中心とする一定の領域を暫定ピーク判定領域として、当該暫定ピーク判定領域で、前記中心座標の信号値が周辺の座標に位置する信号値に比較して突出した値であった場合、当該中心座標を暫定ピーク座標として検出する暫定ピーク検出ステップと、
対象範囲決定部が、前記暫定ピーク座標と、当該暫定ピーク座標の周辺に位置すると共に、予め定めた閾値以上の値を有する信号値の座標の集合を対象範囲として生成する対象範囲決定ステップと、
重心座標算出部が、前記対象範囲において、前記暫定ピーク座標の信号値を重みとして重心座標を求め、当該重心座標を推定されたピーク信号の座標値として算出する重心座標算出ステップとを備えたピーク座標推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3832(P2013−3832A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134107(P2011−134107)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】