説明

ファイバー光ケーブルアセンブリの製造方法

ファイバー光ケーブルアセンブリを形成するための方法が、(a)不透水性の熱可逆性架橋ポリマーコーティングでコートされるパラアラミドなどの第1の高靭性強化糸を、保護コーティングを結合切断によって水膨潤性高吸収性ポリマーに変換するために十分な時間の間45〜200℃の温度にかける工程と、(b)工程(a)からの前記第1の強化糸の1つまたは複数を1つまたは複数の光ガラスファイバー伝送媒体と組み合わせる工程と、(c)保護スリーブを工程(b)の少なくとも1つのアセンブリの上に適用する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラミドなどの高靭性ファイバーを処理するための方法およびファイバー光ケーブルアセンブリにおいてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パラアラミド糸は、光通信ケーブルの強化材としてのそれらの使用について公知である。光ケーブルおよび強化糸は他の部品と共にスリーブ内に密封される。水がスリーブ内に侵入するのを防ぎ、入れられた部品の劣化を生じさせないことが望ましい。水が光ケーブルシステムに侵入するのを防ぐ問題を解決することが継続的に必要とされている。
【0003】
Willemsenに対する米国特許第6,319,558号明細書には、少なくとも60の膨潤度を有すると共に多量の水を吸収および保持することができる親水性の性質を有する高吸収材料を提供された糸の製造方法が記載されており、その方法は、水溶性の予備高吸収材料の水溶液を糸上に適用した後に、水溶性の予備高吸収材料を高吸収材料に架橋または重合させるために糸を乾燥および加熱する工程を有する。
【0004】
Schoeckらに対する米国特許第6,500,541号明細書には、アルコールに可溶性であるナイロンバインダーによってフィラメント表面に付着された高吸収性ポリマー(SAP)粒子を含有する合成ポリマーフィラメントが記載されている。このようなSAPがコートされたフィラメントは次いで電気通信ケーブルにそれらの構成部品として組み込まれ、強化された防水機能を達成することができる。
【0005】
Changらに対する米国特許第6,454,003号明細書には、約0.05〜約10ミクロンの未膨張体積の平均粒度直径を有する膨張性架橋ポリマー微小粒子、約9,000〜約200,000ppmの不安定架橋剤および0〜約300ppmの不安定でない架橋剤の架橋剤含有量を含む組成物が記載されている。
【0006】
The Journal of Materials Chemistry、17巻、34号、3575 〜3580ページのLongらによる記事は、インプリントリソグラフィに使用するための熱可逆性架橋ポリマー材料について記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(a)不透水性の熱可逆性架橋ポリマーコーティングでコートされた150〜12000dtexの線密度、10〜65g/dtexの靭性、150〜2700g/dtexの弾性率、および1〜8パーセントの破断点伸びを有する第1の強化糸を、保護コーティングを結合切断によって水膨潤性高吸収性ポリマーに変換するために十分な時間の間45〜200℃の温度にかける工程と、
(b)工程(a)からの第1の強化糸の1つまたは複数を1つまたは複数の光ガラスファイバー伝送媒体と組み合わせる工程と、
(c)保護スリーブを工程(b)の少なくとも1つのアセンブリの上に適用する工程とを含む、ファイバー光ケーブルアセンブリを形成するための方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の強化糸
本明細書において使用するために用語「ファイバー」は、その長さに垂直なその断面積にわたって長さ対幅の高い比を有する比較的可撓性で、肉眼でみて均一体として定義される。ファイバーの横断面は任意の形状でありうるが、典型的に円形である。本明細書において、用語「フィラメント」は、用語「ファイバー」と交換可能に使用される。ファイバーは任意の長さでありうる。ファイバーは、典型的に1メートルまたはそれよりもっと長いフィラメントである連続フィラメントでありうる。フィラメントは、しばしば多フィラメント糸の一部として連続的な形態において紡糸されてスプール上に巻き付けられ、次に、所望の量がスプール上に置かれた後に切断される。
【0009】
本発明のために適した第1の強化糸は、150〜12000dtexの線密度、10〜65g/dtexの靭性、150〜2700g/dtexの弾性率、および1〜8パーセントの破断点伸びを有する。第1の強化糸フィラメントのために適したポリマー材料には、ポリアミド、ポリアゾールおよびそれらの混合物が含まれる。
【0010】
ポリマーがポリアミドであるとき、アラミドが好ましい。用語「アラミド」は、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香族環に直接に結合しているポリアミドを意味する。適したアラミドファイバーは、Man−Made Fibres−Science and Technology、2巻、Fibre−Forming Aromatic Polyamidesと題された節の297ページ,W.Blackら著、Interscience Publishers,1968年に記載されている。
【0011】
好ましいアラミドはパラアラミドである。好ましいパラアラミドは、PPD−Tと呼ばれるポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である。PPD−Tとは、p−フェニレンジアミンとテレフタロイルクロリドとのモル対モル重合により生じるホモポリマーならびに、また、p−フェニレンジアミンと共に少量の他のジアミンのおよびテレフタロイルクロリドと共に少量の他の二酸塩化物の組み入れにより生じるコポリマーを意味する。原則として、他のジアミンおよび二酸塩化物が重合反応を妨げる反応性基を全く持たないことのみを条件として、他のジアミンおよび他の二酸塩化物を、p−フェニレンジアミンまたはテレフタロイルクロリドの最大約10モルパーセント程度まで、またはおそらくはわずかにより多い量使用することができる。また、PPD−Tは、例えば、2,6−ナフタロイルクロリドまたはクロロ−もしくはジクロロテレフタロイルクロリドまたは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの他の芳香族ジアミンおよび他の芳香族二酸塩化物の組み入れにより生じるコポリマーを意味する。
【0012】
添加剤をアラミドと共に用いることができ、他のポリマー材料を最大10重量パーセント以上もアラミドとブレンドすることができることが見出された。アラミドのジアミンの代わりに用いられた他のジアミンを10パーセント以上、または二酸塩化物またはアラミドの代わりに用いられた他の二酸塩化物を10パーセント以上有するコポリマーを使用することができる。
【0013】
ポリアゾールもまた、本発明の第1の強化糸のための適したポリマーである。いくつかの好ましい実施形態においてポリアゾールはポリベンザゾールおよびポリピリダゾールなどのポリアレナゾールである。適したポリアゾールはホモポリマー、およびコポリマーも含む。添加剤をポリアゾールと共に使用することができ、他のポリマー材料を最大10重量パーセントまでポリアゾールとブレンドすることができる。また、ポリアゾールのモノマーの代わりに用いられた他のモノマーを10パーセント以上有するコポリマーを使用することができる。適したポリアゾールホモポリマーおよびコポリマーを公知の手順によって製造することができる。
【0014】
好ましいポリベンザゾールは、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、およびポリベンゾオキサゾールであり、より好ましくは、30gpd以上の第1の強化糸の靭性を有するファイバーを形成しうるポリマーである。ポリベンザゾールがポリベンゾチオアゾールである場合、好ましくはそれはポリ(p−フェニレンベンゾビスチアゾール)である。ポリベンザゾールがポリベンゾオキサゾールである場合、好ましくはそれはポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)、より好ましくは、PBOと呼ばれるポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)である。
【0015】
好ましいポリピリダゾールはポリピリジイミダゾール、ポリピリドチアゾール、およびポリピリドキサゾールであり、より好ましくは、30gpd以上の第1の強化糸の靭性を有するファイバーを形成しうるポリマーである。いくつかの実施形態において、好ましいポリピリダゾールはポリピリドビスアゾールである。好ましいポリ(ピリドビスオザゾール)は、PIPDと呼ばれるポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾールである。ポリピリドビスアゾールなどの適したポリピリダゾールを公知の手順によって製造することができる。
【0016】
また、ポリアミドとポリアゾールフィラメントとの混合物を含む第1の強化糸が本発明において利用されてもよい。
【0017】
第1の強化糸のためのコーティング
コーティングは架橋されたポリマーである。ここで用いられるとき、第1の強化糸に適用されたコーティングは2つの機能を果たす。まず最初に、コーティングは、第1の強化糸の摩耗をその製造、保管および光ケーブル部品との最初の組み立ての間、防ぐための取り扱い補助の働きをする。第2の機能は、コーティングが、ケーブルスリーブの内部の湿気に暴露されたときに膨張して防湿層となる膨潤性ポリマーコーティングの先駆物質として働くことである。また、このような材料は、高吸収材料として公知である。この第2の機能は、コートされた第1の強化糸を光ケーブルと組み合わせる前に、コートされた第1の強化糸を糸上の架橋されたポリマーコーティングの熱的切断を引き起こすために十分な温度にかけることによって達成される。
【0018】
適したコーティング材料は、ブロックトイソシアネート、ディールス・アルダー反応生成物、アゾ基含有分子またはそれらの混合物である。好ましいディールス・アルダー反応生成物は、置換されたフランとマレイミドとの間の反応生成物である。ディールス・アルダー生成物の例は、フルフラールアルコールと、アクリレートまたはメタクリレート側基でさらに官能化されたヒドロキシエチル官能化マレイミドとの間の反応から形成され、架橋された構造体を提供する生成物である。
【0019】
1つの実施形態において、熱可逆性コーティングの熱可逆性架橋剤は、第1の強化糸とコーティングとの総重量に基づいて0.001重量%〜1.5重量%の量で存在する。架橋剤は、0.01%〜1.0%の量または0.1%〜0.5%の量でも存在しうる。熱可逆性架橋コーティングは、第1の強化糸とコーティングとの総重量に基づいて0.1重量%〜20重量%の量で存在する。コーティングは、1%〜15%または2%〜8%の量でも存在しうる。熱可逆性架橋剤とは、加熱下で結合切断しうる共有結合を含有する化合物を意味する。
【0020】
コーティングは、第1の強化糸をモノマーの槽中に浸漬し、その後に、加熱環境内でモノマーの重合を行うことによって第1の強化糸に適用されてもよい。代替方法において、コーティングを予備重合してもよく、水性または油性媒体中に重合されたコーティングを含有する分散体またはスラリーを調製してもよい。好ましくは、水性媒体を使用する。スラリーは、約40%の固形分を含有する。第1の強化糸をポリマー分散体に浸漬し、次に、乾燥装置を通過させて揮発物を所望のレベルに低減させる。乾燥後の揮発分は10%以下、または7%未満または5%未満でさえある。乾燥装置内の温度は、少なくとも10℃またはさらに少なくとも15℃など、架橋されたコーティングポリマーの結合切断温度未満であるのがよい。
【0021】
光ガラスファイバー伝送媒体
これは導波管としても公知である。任意の市販の導波管が本発明において用いられてもよい。
【0022】
第2の強化糸および外側スリーブ
いくつかの実施形態において、第2の強化糸が第1の強化糸およびガラスファイバー伝送媒体と組み合わせられる。第2の強化糸のための一般的な材料は、EガラスまたはSガラスなどのガラスファイバーである。これらの材料の両方とも、糸またはロービングの形態で入手可能である。Eガラスは市販の低アルカリガラスである。1つの典型的なEガラス組成物は、54重量%のSiO2、14重量%のAl23、22重量%のCaO/MgO、10重量%のB23および2重量%未満のNa2O/K2Oからなる。また、いくつかの他の材料が不純物レベルにおいて存在してもよい。Sガラスは、市販のマグネシアアルミナシリケートガラスである。1つの典型的なSガラス組成物は、65重量%のSiO2、25重量%のAl23および10重量%のMgOからなる。また、いくつかの他の材料が不純物レベルにおいて存在してもよい。この組成物は、Eガラスよりも剛性が高く、強く、そして高価である。
【0023】
外側スリーブはポリマーである。ポリエチレンがスリーブのための好ましい材料である。
【0024】
方法
防水能力を有するファイバー光ケーブルアセンブリが、
(a)不透水性の熱可逆性架橋ポリマーコーティングでコートされた第1の強化糸を、保護コーティングを結合切断によって水膨潤性高吸収性ポリマーに変換するために十分な時間の間45〜200℃の温度にかける工程と、
(b)工程(a)からの第1の強化糸の1つまたは複数を1つまたは複数の光ガラスファイバー伝送媒体と組み合わせる工程と、
(c)保護スリーブを工程(b)の少なくとも1つのアセンブリの上に適用する工程とによって作製される。
【0025】
工程(a)において、架橋された結合の好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%および最も好ましくは少なくとも90%が切断される。工程(a)の温度停止時間は、異なったコーティング材料に対しておよび第1の強化糸上の相対的なコーティング量に対して変化する。
【0026】
第1の強化糸と導波管ケーブルは、それらを並んで配置することにより、または強化糸が導波管の周りに螺旋状に巻き付けられることにより工程(b)において組み合わせられる。2つ以上の導波管がアセンブリにおいて使用されてもよい。任意選択的に特徴として、複数の導波管または強化糸がそれら自体、螺旋構造に形成されてもよい。
【0027】
1つのアセンブリにおいて組み合わせられた第1の強化糸と導波管との数は、特定の設計の必要性に応じて変化してもよい。例えば、いくつかの第1の強化糸が1つの導波管を囲むことができ、他の場合においていくつかの導波管が1つの第1の強化糸を囲んでもよい。同様に、2つ以上の第2の強化糸がアセンブリ内に存在してもよい。
【0028】
第2の強化糸が組み込まれるとき、第2の強化糸を心材として使用して、第1の強化糸と導波管とを第2の強化糸の周りに螺旋状に巻き付けることが一般的である。
【0029】
外側スリーブが工程(b)の1つまたは複数のアセンブリの上に置かれてもよい。いくつかの設計において多数のスリーブで覆われたアセンブリがより大きなアセンブリに組み合わせられ、次にそれがまた、スリーブによって囲まれる。
【実施例】
【0030】
以下の実施例において用いるために不透水性の熱可逆性架橋ポリマーを製造する。Kinematica,Inc.(Bohemia,NY)から入手可能なMegatron(登録商標)MT5000反応器は、固体および液体を導入するための装置を取り付けられており、反応器は、16000RPMで回転する高強度マイクロナイザーセル、不活性ガスでパージするためのシステム、一連の温度プローブの他、熱媒液が目標温度において循環されるジャケットからなる加熱および冷却装置を有する。マイクロナイザーが16000RPMの回転速度に設定され、ヒドロキノン安定化アクリル酸を約80重量%で含有する脱酸素水溶液400gが20%水酸化ナトリウム溶液で定量的に中和される。これは、マイクロナイザーの温度が35℃を超えないように行われる。メチレンビスアクリルアミドの脱酸素1%溶液5gと、J.Mater.Chem.,2007年、17、3575〜3580ページに記載されているように合成されたフルフリルアルコールとヒドロキシエチル(hyrdroxyethyl)官能化マレイミドとのメチアクリレート変性ディールス・アルダー反応生成物32gとが添加される。重合は重亜硫酸ナトリウム/臭素酸ナトリウムレドックス対で開始され、重合温度は、60℃を超えないように調節される。約30分後、反応器は2時間の間60℃に加熱される。不透水性の熱可逆性架橋ポリマーが限外ろ過によって細粉として得られる。
【0031】
以下の実施例において用いるために、上に記載されたような不透水性の熱可逆性架橋ポリマーを含むコーティングでコートされた糸が製造される。プロペラ形ブレードを有する標準実験室用攪拌機を用いて米国特許第5,270,113号明細書に開示されているように35重量パーセントの不透水性の熱可逆性架橋ポリマーの分散体を仕上油中で調製する。Cole−Parmer(Vernon Hills,IL)から入手可能なMasterflex 7523−70精密ポンプおよびLeesona(Burlington,NC)から入手可能なLeeson Model 861糸巻取り機を用いて、分散体をE.I. du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)(DuPont)から入手可能なパラアラミドファイバーの仕上げなし110dtex KEVLAR(登録商標)タイプ29糸上に適用する。コーティングプロセスは、コートされていない糸の乾燥重量に基づいて3%の不透水性の熱可逆性架橋ポリマーおよび5%の仕上油のコーティングをもたらす。
【0032】
実施例1
この実施例は、上述のようなコートされた糸を含有する構内光ファイバーケーブルの製造に関する。構内ケーブルは、ポリマージャケット内に含有された複数のタイトバッファ付き光ファイバーおよび複数の緩いアラミドおよび/またはガラスファイバーを含むケーブルである。Tensor Fiber Optic Technologies(Hickory,NC)によって設計された構内光ファイバー製造ラインは糸の巻取り後に管状炉を備えている。この設備を用いて、3つのコートされたKEVLAR(登録商標)糸が120℃の温度の管状炉を通過させられ、連続的な窒素パージを受ける。熱暴露時間は約1分である。管状炉を通過した後、3つの糸を導波管と組み合わせて、ポリエチレンコーティングを糸−導波管アセンブリの上に適用してタイトバッファ付き構内光ファイバーケーブルを形成する。
【0033】
糸のコーティングの吸水能力を以下に記載されたように評価した。熱処理された糸10(10.0)gを長さ約16cmの撚られていないファイバーに切断した。ファイバーを1000mlのビーカー内の500mlの蒸留水に浸漬した。得られたスラリーを手作業で1分間攪拌し、その後に、毎分手作業で攪拌しながら9分間浸漬した。10分後に、ビーカーの内容物を20メッシュの篩に流し込み、保持されたファイバーを1分間排液させた。ファイバー試料を2分間2000rpmで遠心分離機にかけ、非結合水を除去し、次に0.01gの精度まで秤量した。これはファイバー重量Aである。次に、ファイバー試料を105℃の換気炉内で一定重量まで乾燥させ、乾燥されたファイバー試料の重量を0.01gの精度まで定量した。これはファイバー重量Bである。糸の自由膨潤度を以下の式から計算した。
【数1】

【0034】
各々の定量を3回実施し、結果を平均した。糸は、300の平均自由膨潤度を示した。
【0035】
比較例A
コートされた糸が管状炉を通過されないことを除いて、この実施例を実施例1に従って調製する。糸のコーティングの吸水能力を上述のように評価した。糸は、35の平均膨潤度を示した。
【0036】
比較例Aと比較したとき、実施例1の膨潤度がほとんど10倍増加したことは、権利請求された方法の有効性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)不透水性の熱可逆性架橋ポリマーコーティングでコートされた150〜12000dtexの線密度、10〜65g/dtexの靭性、150〜2700g/dtexの弾性率、および1〜8パーセントの破断点伸びを有する第1の強化糸を、保護コーティングを結合切断によって水膨潤性高吸収性ポリマーに変換するために十分な時間の間45〜200℃の温度にかける工程と、
(b)工程(a)からの前記第1の強化糸の1つまたは複数を1つまたは複数の光ガラスファイバー伝送媒体と組み合わせる工程と、
(c)保護スリーブを工程(b)の少なくとも1つのアセンブリの上に適用する工程とを含む、ファイバー光ケーブルアセンブリを形成するための方法。
【請求項2】
少なくとも1つの第2の強化糸が工程(b)において前記第1の強化糸およびガラスファイバー伝送媒体と組み合わせられていてもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の強化糸の前記ポリマーが、p−アラミド、ポリベンザゾール、ポリピリダゾールまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可逆性コーティングの熱可逆性架橋剤が、第1の強化糸とコーティングとの総重量に基づいて0.001重量%〜0.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記熱可逆性架橋コーティングが、前記第1の強化糸とコーティングとの総重量に基づいて0.1重量%〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記p−アラミドがポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法によって製造されたファイバー光ケーブル。

【公表番号】特表2013−518311(P2013−518311A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551227(P2012−551227)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/022366
【国際公開番号】WO2011/094195
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】