説明

フィギュア

【課題】フィギュアの顔表情または体型が任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持できるフィギュアを提供する。
【解決手段】 フィギュア100は、フィギュア本体11、頭部12とから構成され、頭部12は、芯材12aと、表層材12bと、頭髪部材12cとから構成されている。芯材12aは、胴体と一体成型によって形成される。表層材12bは、シリコーン系のエラストマーもしくはゲルから形成される。この表層材12bは、接着剤により芯材12aに固定される。また、表層材12bの顔面部に、印刷により顔が形成される。これにより、使用者の好みによってフィギュアの顔面部に押圧を施し、顔面部を変形させることで、フィギュア顔の表情を任意に変形させることができ、かつその変形を所定の時間にわたって維持できる。そのため、玩具としての面白さを向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔表情または体型が変えられるフィギュアに関する。例えば、硬質な芯材と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とから構成され、または押圧により変形可能な可塑性材料のみを用いて形成されたフィギュアの表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成される構造とすることによって、使用者の好みによってフィギュアの顔表情または体型が任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持できるようにしたフィギュアに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック等の素材ででき、携帯電話のストラップ等に付いた「そっくり人形」は、芸能人等の大量生産が可能な人気のあるデザインに限定される。任意なものを作成することが困難である。
【0003】
この問題を解決するため、写真から人物そっくりの人形を作成する自販機型システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このそっくり人形システムは、コインベンダー、コンピュータ制御装置、モニターディスプレイ、スキャナー、CCDカメラ、CD−ROMドライブ等のメモリー媒体、制御ソフト、簡単に写真画像が加工できる「そっくり人形画像作成ソフト」、人形に直接印刷可能な専用プリンター等で構成された自販機型システムと、表面にプリンターのインクが付着しやすいようにコーティング加工を施し、プラスチック等の素材により作られた人形を販売する自動販売機を組み合わせたシステムで、スキャナーやCCDカメラによって読み取らせた人物の顔写真や服の写真をディスプレイ上で「そっくり人形画像作成ソフト」を用いて人形向けに加工し、直接人形に印刷することができる。
【0004】
また、顔面部に顔写真が印刷された顔シートを貼り付けた顔部材を装着することにより形成した人形が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この場合、人形は、少なくとも頭部を有する人形本体と、頭部に装着される顔部材と、この顔部材に貼り付けられる顔シートと、顔部材を装着した頭部に装着される頭髪部材とから構成される。頭部は合成樹脂による一体成型によって形成され、当該形成によって前部に顔部材の装着部を設け、顔部材はこの装着部に装着されることにより頭部と一体となって顔面部を構成する。また、顔シートには、人の顔を撮影もしくは描くことことにより得られた画像が印刷等により設けられる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−243538号公報(第2頁、第2図)
【特許文献2】特開2003−284872号公報(第3〜5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の人形(フィギュア)は、人形の顔面部に顔の絵柄を直接に印刷し、または顔シートに顔の絵柄を印刷することにより顔を形成するものであるので、人形の顔面部の表情が変えることができず、玩具としての面白みに欠けるという欠点があった。
【0007】
そこで、この発明は、フィギュアの顔表情または体型が任意に変形させることができ、かつその変形を所定の時間にわたって維持できるようにしたフィギュアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るフィギュアは、芯材と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とを備え、前記表層材は、前記芯材を覆うように積層され、該表層材の表面には、撮影によるデジタル画像処理に基づいて特徴部位が印刷されることを特徴とするものである。
【0009】
これにより、使用者がフィギュアの顔面部等に押圧など力を施し、顔面部等を変形させることで、フィギュアの顔表情または体型を任意に変形させることが可能となる。
【0010】
また、本発明に係るフィギュアは、頭部と身体部とを有する硬質な芯材と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とを備え、前記表層材は、前記硬質な芯材の頭部のみ、または全体を覆うように形成され、前記表層材の表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成されることを特徴とするものである。
【0011】
例えば、表層材は、シリコーン、ウレタン、アクリル、ビニル系のエラストマーもしくはゲルから形成される。この表層材の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲である。
【0012】
また例えば、前記顔および服装は、デジタルの画像情報を加工して印刷される。また、前記顔および服装は、温度変化により色が変わる示温塗料で印刷される。さらに、前記顔と身体部分は、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われる。
【0013】
これにより、使用者がフィギュアの顔面部等に押圧など力を施し、顔面部等を変形させることで、フィギュアの顔表情または体型を任意に変形させることが可能となる。また、頭部の顔等は、示温塗料で印刷されことで、使用者の手の温度(体温)によりフィギュア顔の色が変わることが可能となる。また、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われることで、インキの密着性を向上することが可能となる。
なお、頭部の内層および身体は、硬質材料から形成されるため、フィギュアの基本体形を維持することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係るフィギュアは、頭部と身体部は、押圧により変形可能な可塑性材料から形成され、表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成されることを特徴とするものである。
【0015】
例えば、前記可塑性材料は、シリコーン、ウレタン、アクリルまたはビニル系のエラストマーもしくはゲルから形成される。また、前記可塑性材料の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲である。
【0016】
また例えば、前記顔および身体部分は、デジタルの画像情報を加工して印刷される。また、前記顔および身体部分は、温度変化により色が変わる示温塗料で印刷される。さらに、前記顔および身体部分は、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われる。
【0017】
これにより、使用者がフィギュアの顔面部等に押圧など力を施し、顔面部等を変形させることで、フィギュアの顔表情または体型を任意に変形させることが可能となる。また、頭部の顔等は、示温塗料で印刷されことで、使用者の手の温度(体温)によりフィギュア顔の色が変わることが可能となる。また、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われることで、インキの密着性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フィギュアは、芯材(例えば硬質な芯材)と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とから構成され、または押圧により変形可能な可塑性材料のみを用いて形成されたフィギュアの表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成されるものであり、使用者の好みによってフィギュアの顔表情または体型が任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持できる。そのため、玩具としての面白さを向上することができる。
【0019】
また、表層材または可塑性材料は、シリコーン、ウレタン、アクリル、ビニル系のエラストマーもしくはゲルから形成される。さらに、表層材または可塑性材料の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲であるため、変形を所定の時間にわたって維持でき、使用者のタッチ感もよくなる。
【0020】
また、頭部の顔等は、示温塗料で印刷されことで、使用者の手の温度(体温)によりフィギュア顔の色が変わることができる。
また、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われることで、インキの密着性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態のフィギュアについて説明する。
図1は、第1の実施の形態としてのフィギュアの構成を示す図である。図2は、フィギュアの構成を示す断面図である。
【0022】
図1および図2に示すように、フィギュア100は、フィギュア本体11、頭部12とから構成されている。頭部12は、芯材12aと、表層材12bと、頭髪部材12cとから構成されている。顔面部に、印刷により口1、鼻2、目3、眉毛4が形成される。なお、フィギュア本体11に布など材料から形成された服13が装着されている。
【0023】
フィギュア本体11は、胴体と頭部12の芯材12aとから構成される。胴体と頭部の芯材12aとは、例えば、ポリプロピレン(PP)から一体成型によって形成される。
【0024】
頭部12は、硬質な芯材12aと、外圧により変形可能な可塑性を有する表層材12bから構成されている。図2に示すように、頭部12の内側は硬質な芯材12aを有し、この芯材12aの外側に表層材12bが設けられる。
【0025】
頭部12は、頭髪部材12cが設けられている。この頭髪部材12cは、例えばPVC樹脂から形成される。また、頭髪部材12cは、頭部12に着脱可能に装着される。なお、この頭髪部材12cは、表層材12bと同様な材料を用い、一体成型によって形成されてもよい。
【0026】
硬質な芯材12aは、ポリプロピレン(PP)による胴体と一体成型によって形成される。ポリプロピレンは、折れにくく、かつ頭部12の表層材12bとの密着性がよく、使用者が握り際の感触がよいという利点がある。また、表層材12bは、シリコーン系のエラストマーもしくはゲルから形成される。
【0027】
この表層材12bは、接着剤により芯材12aに固定される。なお、表層材12bとしてウレタン、アクリル、ビニル系のエラストマーもしくはゲルから成形されるようにしてもよい。また、表層材12bを接着以外の方法を用いて芯材12aに固定してもよい。
【0028】
また、頭部12の表層材12b、即ちエラストマーもしくはゲルの圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲である。このような材料を用いる場合、使用者の好みによってフィギュア顔の表情が任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持でき、使用者のタッチ感もよくなる。
【0029】
この例では、表層材12bにはコスモ・ゲル(商品名)が用いられる。このコスモ・ゲルの物性は、圧縮永久ひずみ率:12.0〜19.5%、反発弾性率:25〜27%、引張強度:7.9〜29.1kg/cm、使用温度範囲:−40〜120℃である。
【0030】
表層材12bの顔面部となる前面部は、フィギュア100の顔を立体的に表すために、人体の顔の凹凸にあわせて、鼻と耳の位置が若干突出し、目の位置が凹みのある状態となっている。
【0031】
また、表層材12bの顔面部に、印刷により顔が形成される。例えば、顔は、示温塗料で印刷され、温度変化(手で触る等)により色が変わる。さらに、頭部の顔は、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われる。
【0032】
このように構成されたフィギュア100は、使用者の好みによってフィギュアの顔面部に押圧等の力を施し、顔面部を変形させることができる。例えば、図3に示すように使用者が手でフィギュアの顔面部に圧力と矢印に示す引っ張る力を加えると、顔面部の口、鼻、目、眉毛等が口1a、鼻2a、目3a、眉毛4a等のようになる。
【0033】
以下、フィギュア100の製造方法について説明する。図4は、フィギュア100の製造方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、ステップS1で、頭部の芯材12aおよび胴体を一体成型によって形成する。次に、ステップS2で、頭部12の表層材12bを成型する。ここで、例えばシリコーン系のエラストマーもしくはゲルを用いて、人体の顔の凹凸にあわせて、鼻と耳の位置が若干突出し、目の位置が凹みのある表層材12bを成型する。
【0034】
次に、ステップS3で、上述した図2に示すように、頭部の表層材12bを頭部の芯材12aの外部に装着する。そして、ステップS4で、頭髪部材12cを装着する。
【0035】
次に、ステップS5で、表層材12bの顔面部に対してプライマー処理を行う。最後に、ステップS6で、表層材12bの顔面部に顔を印刷する。印刷処理は後述する図8に示す過程で行う。
【0036】
なお、上述した表層材12bは、フィギュア本体11および頭髪部材12cを成型用金型の中に設置して、エラストマーもしくはゲルを注入する方法で形成してもよい。
また、表層材12bは、頭部のみではなく、フィギュア本体11の全体を覆うように形成してもよい。
【0037】
図5は、表層材の顔面部に顔を印刷するための印刷システムの構成例を示す図である。図5に示すように、印刷システム200は、複数の入力機能付出力端末20と、複数の出力端末20Aと、管理用サーバー30とから構成されている。
【0038】
図6は、入力機能付出力端末20の構成を示す図である、図6に示すように、入力機能付出力端末20は、CCDカメラ21と、コンピュータ22と、印刷機23と、スキャナー24と、表示部25と、操作部26と、身体・髪型データベース27と、携帯電話等からの情報を受信する受信部28とを有している。
【0039】
CCDカメラ21は、使用者の顔を撮影するものである。このCCDカメラ21により撮影した画像データは、コンピュータ22に入力される。
【0040】
コンピュータ22は、登録者ポイントシステム22aと、登録者入力システム22bと、加工ソフトを格納する記憶部22cと、課金システム22dと、見本データベース22eと、出力用ソフトを格納する記憶部22fとを備える。このCCDカメラ21では、CCDカメラ21またはスキャナー24から入力された画像データを処理すると共に、入力から入力された選択情報に基づいて、身体および髪型を選択するようになされる。
【0041】
印刷機23は、コンピュータ22で処理された画像データに基づいて、フィギュア100の顔を印刷するようになされる。この印刷機23は、インクジェット式印刷により、立体物のフィギュア100の顔を印刷することが可能である。
【0042】
スキャナー24はプリント写真などの画像を読み取り、読み取った画像データをコンピュータ22に入力する。
【0043】
表示部25は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、画像データを表示するものである。使用者は表示部25に表示された画像を参照しながら、修正を行い、さらに身体および髪型を選択することができる。
操作部26は、例えばLCDからなるタッチパネルである。この操作部26は、画像修正情報の入力、身体および髪型を選択する情報の入力を行うことができる。
【0044】
図7は、入力機能付出力端末20においてフィギュア100の顔を印刷する状態を示す図である。また、図8はフィギュア100の印刷処理を示すフローチャートである。
【0045】
図7および図8に示すように、使用者はフィギュア100の料金を投入した後、CCDカメラ(デジタルカメラ)21により撮影を行い(ステップS61)、CCDカメラ21から撮影した画像信号は、コンピュータ22に送られ(ステップS62)、コンピュータ22で、画像データを処理して、自動印刷機23に送信する(ステップS63)。ここで、例えば画像の漫画化、モデファイ、特徴のみ抽出等の処理を行う。自動印刷機23において、画像データを受信した後、固定ロボットアーム23aを制御し、収納部からフィギュア(またはパーツ、パーツの場合、組み立てを行い、)を取り出し、組み立てられたフィギュア100をインクジェット噴出口23bの近くに搬送する(ステップS64)。そして送られた立体の画像情報に合わせて動きながら印刷が行われる(ステップS65)。1回転にて印刷は終了しフィギュア100は自動的に固定ロボットアーム23aから離れ、印刷工程を終了する。使用者は入力機能付出力端末20の取り出し口から完成品を受け取る。
【0046】
なお、コンピュータ22で画像データを処理する段階で、使用者は画面(表示部25)に表示された画像を好みによって手を加えることが可能である。
また、画像データは使用者がデジタルカメラ付き携帯電話等で撮影した顔画像データから入力されてもよい。また、使用者自身が持ち込んだプリント顔画像データから入力されてもよい。
【0047】
このように本実施の形態においては、フィギュア100は、フィギュア本体11、頭部12とから構成され、頭部12は、芯材12aと、表層材12bと、頭髪部材12cとから構成されている。芯材12aは、胴体と一体成型によって形成される。表層材12bは、シリコーン系のエラストマーもしくはゲルから成形される。この表層材12bは、接着剤により芯材12aに固定される。また、表層材の顔面部に、印刷により顔が形成される。
【0048】
これにより、使用者の好みによってフィギュアの顔面部に押圧等の力を施し、顔面部または体型を変形させることで、フィギュアの顔表情および体型を任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持できる。そのため、玩具としての面白さを向上することができる。
【0049】
また、頭部の顔は、示温塗料で印刷されことで、使用者の手の温度(体温)によりフィギュア顔の色が変わることができる。表情がより豊かになる。
また、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われることで、インキの密着性を向上することができる。
【0050】
以下、この発明の第2の実施の形態のフィギュアについて説明する。図9は、第2の実施の形態としてのフィギュアの構成を示す断面図である。この図9は後述する図10に示すフィギュア300のB−B断面を示している。
【0051】
図9に示すように、フィギュア300は、フィギュア本体11A、頭髪部材12cとから構成されている。頭髪部材12cは、頭部12Aに装着される。なお、フィギュア本体11Aに布など材料から形成された服13が装着されている。
【0052】
フィギュア本体11Aは外圧により変形可能な可塑性材料のみを用いて形成された。この可塑性材料は、シリコーン、ウレタン、アクリル、ビニル系のエラストマーもしくはゲルである。さらに、可塑性材料の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲である。
【0053】
また、可塑性材料により形成されたフィギュア本体11Aの表面に印刷により顔、または顔、人体部、および服装が形成される。印刷方法は上述したフィギュア100と同様である。
なお、頭髪部材12cも同様な可塑性材料を用いて一体成型するようにしてもよい。
【0054】
図10は、フィギュア300の変形を示す図である。図10に示すように、例えば使用者が手でフィギュアの手に矢印に示す引っ張る力を加えると、体型が変わる。
【0055】
このように本実施の形態においては、フィギュア300は、フィギュア本体11Aと、頭髪部材12cとから構成されている。フィギュア本体11Aは、シリコーン系のエラストマーもしくはゲルから成形される。このフィギュア本体11の顔面部に、印刷により顔が形成される。
【0056】
これにより、使用者の好みによってフィギュアの顔面部に押圧等の力を施し、顔面部または体型を変形させることで、フィギュアの顔表情および体型を任意に変形させることができ、かつその変形を所定時間にわたって維持できる。そのため、玩具としての面白さを向上することができる。
【0057】
なお、上述実施の形態においては、フィギュア100の頭部は2層構造とされたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、3層構造にしてもよい。この場合、頭部20は、硬質な芯材と、中間層と、外圧により変形可能な可塑性を有する表層材から構成される。
【0058】
また、上述実施の形態において、フィギュア100の頭部の芯材は、胴体と一体成型によって形成されるものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、頭部の芯材と、胴体とは別々に形成されてもよい。この場合、頭部の芯材と胴体にはそれぞれ嵌合部を設けることで、頭部の芯材を胴体に簡単に装着さすることができる。
【0059】
また、上述実施の形態において、フィギュア本体11はポリプロピレン(PP)による形成されるものについて説明したが、これに限定されるものではない。他の樹脂材を用いてもよい。例えば、表層材12bと密着できるポリエチレン(PE)、ウレタン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、シリコーン等を用いるようにしてもよい。
【0060】
また、上述実施の形態において、硬質な芯材を用いたものであるが、これに限定されるものではない。柔らかい芯材(例えば変形可能な芯材)を用いてもよい。
【0061】
また、上述実施の形態において、フィギュア100,300は人形である例について説明したが、これに限定されるものではない。フィギュアとして犬、猫など動物のペットにもこの発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明は、顔の表情または体型が変えられるフィギュア(人形)を提供する目的に適用する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施の形態のフィギュアの構成例を示す図である。
【図2】フィギュア100の構成を示す断面図である。
【図3】フィギュア100の表情変形を示す図である。
【図4】フィギュア100の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】顔面部に顔を印刷するための印刷システムの構成例を示す図である。
【図6】入力機能付出力端末20を示す図である。
【図7】フィギュア100の顔を印刷する状態を示す図である。
【図8】フィギュア100の印刷処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態のフィギュアの構成を示す断面図である。
【図10】フィギュア300の変形を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 使用者
11,11A フィギュア本体
12,12A 頭部
12a 芯材
12b 表層材
12c 頭髪部材
20 入力機能付出力端末
20A 出力端末
21 CCDカメラ
22 コンピュータ
22a 登録者ポイントシステム
22b 登録者入力システム
22c,22f 記憶部
22d 課金システム
22e 見本データベース
23 印刷機
23a 固定ロボットアーム
23b インクジェット噴出口
24 スキャナー
25 表示部
26 操作部
27 身体・髪型データベース
28 受信部
30 管理用サーバー
100,300 フィギュア
200 印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とを備え、
前記表層材は、前記芯材を覆うように積層され、該表層材の表面には、撮影によるデジタル画像処理に基づいて特徴部位が印刷されることを特徴とするフィギュア。
【請求項2】
頭部と身体部とを有する硬質な芯材と、押圧により変形可能な可塑性を有する表層材とを備え、
前記表層材は、前記硬質な芯材の頭部のみ、または全体を覆うように形成され、
前記表層材の表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成されることを特徴とするフィギュア。
【請求項3】
前記頭部の表層材は、シリコーン、ウレタン、アクリルまたはビニル系のエラストマーもしくはゲルから形成されることを特徴とする請求項2に記載のフィギュア。
【請求項4】
前記頭部の表層材の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のフィギュア。
【請求項5】
頭部と身体部は、押圧により変形可能な可塑性材料から形成され、表面に、印刷により顔、または顔と身体部分が形成されることを特徴とするフィギュア。
【請求項6】
前記可塑性材料は、シリコーン、ウレタン、アクリルまたはビニル系のエラストマーもしくはゲルから形成されることを特徴とする請求項5に記載のフィギュア。
【請求項7】
前記可塑性材料の圧縮永久ひずみ率は、5〜60%の範囲であることを特徴とする請求項6に記載のフィギュア。
【請求項8】
前記顔および身体部分は、デジタルの画像情報を加工して印刷されることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のフィギュア。
【請求項9】
前記顔および身体部分は、温度変化により色が変わる示温塗料で印刷されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のフィギュア。
【請求項10】
前記顔および身体部分は、印刷前にプライマー処理が行われ、または印刷後にコーティング処理が行われることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のフィギュア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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