説明

フィルタ清浄ツールおよび方法

ディーゼル粒子フィルタ(DPF)から粒子状物質を除去するツールは、開口端を有するチャンバを画定する容器と、DPFの第1の軸方向端部を支持し、DPFの缶の外側面と容器とのまわりにシールを形成する、開口端に連結された支持体とを含む。DPFの第2の軸方向端部に近接して取り付けられた空気ノズルは、空気の細流をDPFに通し、空気の細流は、DPF要素束の一部を通り、第1の軸方向端部から出て容器に至る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許開示は、概して、内燃機関部品用の保守およびサービスツールに関し、より具体的には、ディーゼル粒子フィルタに蓄積した灰を除去するサービスツールに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関内の燃料燃焼の副産物の1つとして、通常すすと称される炭素粒子がある。排出基準は通常、エンジンが環境に排出してもよいすすの量の限度を指定し、この限度は通常、動作中のエンジンで生じるすすのレベル未満である。したがって、環境に排出されるすすの量を制御および制限するために、エンジンまたは車両メーカによって様々な部品およびシステムが採用されている。
【0003】
エンジンから環境に排出されるすすの量を制限するのに通常使用される装置の一つは、粒子トラップまたはディーゼル粒子フィルタ(DPF)と呼ばれる。そのような装置は、例えば、セラミック材料でできた多孔質基材を含み、多孔質基材は、排出物の組成を変える様々な化合物でコーティングすることができる。基材の多孔性は、フィルタを横切るおよび/または貫通する排気ガス流内の炭素粒子またはすすを物理的に捕捉するフィルタとして機能する。炭素粒子をガス流からそのように物理的に除去することで、フィルタが粒子状物質で徐々に飽和状態になると容易に分かる。
【0004】
典型的なDPFは、束ねて配置された細長いフィルタ要素の集合体でできている。各フィルタ要素は、略管形状の、例えば、六角形または八角形などの多角形断面を有する。フィルタ要素は、通常互いに束ねられて、より大きい、典型的には円筒形状であり、断面形状が概ねドーム状のフィルタを形成する。フィルタ要素の内部面は、全体として、すすおよび灰粒子が収集される比較的大きな表面積を提供する。
【0005】
すす粒子は、酸化プロセスによってDPFから定期的に除去されるが、灰粒子は、このように除去することができず、長い間にDPF内に集積する。灰粒子は通常、エンジン内の潤滑オイルが燃焼した結果であり、DPFに灰粒子が集積することで、DPFを通る排気ガスの流れに対する表面積が小さくなり、したがって、エンジンからの排気ガスがますます制限され、このため、燃料消費が増大し、DPF再生の頻度も高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本開示は、ディーゼル粒子フィルタ(DPF)から粒子状物質を除去するツールについて記載する。例示的な実施形態では、DPFは、第1および第2の軸方向端部を画定する缶内に閉じ込められたフィルタ要素束を含んだ。ツールは、開口端を有するチャンバを画定する容器を含む。容器の開口端に連結された支持体は、DPFの第1の軸方向端部を支持し、DPFの缶の外側面と容器のチャンバとの間にシールを形成する。DPFの第2の軸方向端部に近接して取り付けられた空気ノズルは、空気の細流を第2の軸方向端部に通す。空気流は、フィルタ要素束の少なくとも一部を通り、フィルタ束から粒子状物質を除去し、DPFの第1の軸方向端部を通って容器内に出る。空気が、容器の開口端およびDPFを逆流するときに、フィルタ要素束の残りの部分が容器から出た空気を濾過する。
【0007】
別の態様では、本開示は、エンジン排気ガス流から灰および他の粒子をフィルタで除去するDPFなどのディーゼル粒子フィルタ(DPF)から粒子状物質を除去する方法について記載する。DPFの濾過機能は、エンジン排気ガス流がDPFの第1の軸方向端部に入り、第2の軸方向端部から出るときに働く。本方法は、第2の軸方向端部からフィルタのフィルタ要素のごく一部を通り、第1の軸方向端部から出る高速空気の細流を吹き込むことを含む。空気流は、灰および他の粒子状物質を搬送する、使用済みの清浄用空気として第1の軸方向端部を出る。DPFの第1の軸方向端部は、使用済みの清浄用空気を収容する溜め桝によって閉じ込められる。使用済みの清浄用空気の流速は、溜め桝内で低下するので、灰および他の粒子の一部は、使用済みの清浄用空気流から落ちて溜め桝に集積する。次いで、使用済みの清浄用空気流をDPFの第1の軸方向端部に通し、第2の軸方向端部から出すことで、灰および他の粒子のさらなる部分が、使用済みの清浄用空気流から除去される。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、ディーゼル粒子フィルタ(DPF)に蓄積した灰および他の粒子状物質を除去するツールについて記載する。ツールは、DPFの第1の端部を開口端に通して受け入れるように構成された溜め桝を含む。支持ブラケットは、DPFの第1の端部が溜め桝の開口端に配置された場合に、反対側のDPFの第2の端部に連結することができる。回転可能な担体が支持ブラケットに対して回転し、空気ノズルが、回転可能な担体にスライド可能に配置される。空気ノズルは、担体が支持ブラケットに対して少なくとも1つの所定の角度位置に配置されたときに、担体に対して漸進的にスライドするように配置される。こうして、空気ノズルの半径方向位置が、回転軸に対して漸進的に変えられる。動作時、空気の噴流が、空気ノズルから供給される。空気の噴流は、DPFの第2の端部から第1の端部に向かう方向にDPFの一部を通る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示によるディーゼル粒子フィルタ(DPF)用の灰除去ツールの第1の実施形態の、一部を断面で示した側面図である。
【図2】本開示による空気ナイフ機構の外観図である。
【図3】図4に示す空気ナイフ機構の分解図である。
【図4】本開示による制御システムのブロック図である。
【図5】本開示による、動作中のツールの断面図である。
【図6】本開示による代替実施形態の部分外観図である。
【図7】本開示による支持脚の部分断面図である。
【図8】本開示による防塵システムの外観図である。
【図9】本開示による防塵システムの外観図である。
【図10】本開示による空気ノズルの2つの代替実施形態の断面図である。
【図11】本開示による空気ノズルの2つの代替実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、DPF内に蓄積および集積した灰を空気ナイフを使用して除去するシステムおよび方法に関する。当然ながら、清浄するために車両または機械から取り外したDPFは、灰に加えて、DPFに蓄積したすすまたは他の粒子を含むこともある。簡単にするために、下記でフィルタ内の灰について言及する場合、当然ながら、灰には、DPF内のすすまたは他の粒子も含まれ得る。さらに、本明細書に開示した実施形態は、車両または機械から取り外したDPFを清浄するための構造的構成に関するが、DPFを清浄するために使用する原理は、DPFが引き続き車両または機械に搭載されている間にDPFを清浄するのに適応することもできる。さらに、開示した実施形態が、現場でDPFを清浄するために容易に輸送できるツールに関するとしても、当然ながら、本明細書に開示した構造および方法は、機械、車両を整備する、またはそれらの部品およびシステムを再生するショップに永続的に設置される機械に同様に適用可能である。
【0011】
前記を考慮して、フィルタ清浄ツール100の第1の実施形態が、側部から見た部分断面図で図1に示されている。示すように、フィルタ清浄ツール100は、清浄するために、所定の位置でフィルタ清浄ツールに連結されたDPF102を有する。フィルタ清浄ツール100は溜め桝104を含み、図示した実施形態では、溜め桝は、例えば、この用途に合わせた30ガロンまたは55ガロンの鋼製バレルなどの標準サイズの鋼製バレルでできている。通常、任意の形状を有する任意の容器を使用することができる。溜め桝104は、概略的には、DPF102から分離した灰粒子が落ち込み、収集され得るようにDPF102の下に配置された容器である。したがって、溜め桝104は、灰粒子が収集される内部収集空洞106を画定する。DPFを処理する合間のツール100の清浄を容易にするために、溜め桝104は、DPF102の清浄作業が完了した後に取り外すことができ、蓄積された灰を処理するために封止することができるライナ108を含むことができる。用途に適した専用ライナを使用することもできるが、図示した実施形態のライナ108は、ポリエチレンシートでできた袋である。しかし、GORE−TEX(登録商標)でできたライナなど、他のタイプの多孔質または非多孔質材料を使用してもよい。
【0012】
溜め桝104の底部部分は閉じられ、収集空洞106の底部を画定するが、代替の実施形態、特に、ライナ108を有する実施形態では、溜め桝104の底部は、水などの液体が溜まるのを阻止するために、少なくとも部分的に開放することができるのは当然のことである。溜め桝104の上部部分は、図1に概略的に示すように、DPF102の底部を収容するために全体的に開放されている。図示した実施形態では、アダプタカラー110が、溜め桝104の開口端に配置されている。
【0013】
アダプタカラー110は、DPFを溜め桝104の開口上に支持および位置決めする。図示した実施形態では、アダプタカラー110は、DPF102の外側部分と係合するシール112を含む。シール112は、溜め桝104の開口に嵌り、アダプタカラー110を支持し、さらには、溜め桝104上に配置されながらDPF102の重量を支持するアダプタカラー110のリング部分114に配置されている。図示した実施形態では、アダプタカラー110は水平トレー116を含み、この水平トレーは、単に、シール112の下で周辺に延びるフランジであってよいし、または、その代わりに、有孔プレート、メッシュ、または細い縦棒を配列したものであってもよい。これらのおよび他の空気透過性構成は、DPF102を支持するように構成され、清浄プロセス時にDPF102から落ちた灰が、トレー116を通り抜け、溜め桝104に落ちるのを可能にする。
【0014】
清浄するためにDPF102が用意されると、ツール100の一部がDPFの上部に組み込まれ、必要に応じて、DPF102の外側円筒ハウジングの縁に固定される。言い換えると、DPF102は、図2および図3に関連して詳細に説明されるツールの清浄ヘッドを支持する。図1に示すように、ガントリまたは支持ブラケット118が、脚部120によってDPF102上に支持されている。脚部120は、支持ブラケット118が、DPF102の面に対して適切な距離、位置、および傾きで配置されるのを保証する。図示した実施形態では、清浄プロセス時に、任意選択の複数のストラップ119を使用して、DPF102をアダプタリング110に固定するだけでなく、支持ブラケット118のDPF102に対する相対位置を固定する。ストラップ119は任意選択である。通常、クランプ、スプリング、または弾性ひも(図示せず)を使用して、DPF102と支持ブラケット118との間の連結体をツール100に固定することができる。以下にさらに詳細に説明するように、支持ブラケット118は、DPF102より上で(図2に示すような)空気ナイフアセンブリ300を連結および懸架するのを可能にして、空気ナイフによって供給された圧縮空気の噴流が、DPF102内から灰の蓄積物を離脱させ、除去することができるようにする。次いで、離脱した灰粒子は、収集用の溜め桝104に落ちる。
【0015】
灰除去ツール100は、有利にも、持ち運び可能なように構成されるので、フィルタの清浄を現場で行うことができる。この可搬性能は、作業現場から移動させるには大きすぎるか、または高価すぎるかのいずれかの装置を整備する場合に特に有効である。したがって、灰除去ツール100は、手車または台車122と一体化されている。台車122は、フレーム部分124、取っ手126、およびホイール128を含む。台車122は、灰除去ツール100に機動性を付与し、有利にも、現場サービス訪問時に、サービストラックに格納することができる。台車122は、灰除去ツール100の構成要素と、空気ナイフを動作させるための圧縮空気源(図示せず)、例えば、ツール100の様々な電子システムを動作させるバッテリまたは電源などの電力源等の他のシステムとの間を接続する特徴部をさらに含むことができる。図示した実施形態では、台車122は、圧縮空気接続ポート130および電気接続リード132を含む。灰除去ツール100は、台車122に取り付けられ、空気ナイフアセンブリ300の動作を観測および制御するように構成された電子コントローラ134をさらに含む。
【0016】
空気ナイフアセンブリ300の外観図が図2に示され、分解図が図3に示されている。空気ナイフアセンブリ300は、支持ブラケット118(図1)につながるベースプレート302を含む。動作中に回転軸306のまわりに回転できる回転可能な担体304が、ベースプレート302より下に懸架されている。DPF102をツール100上に設置すると(図1)、回転軸306は、DPF102の中心線とほぼ一列に整列するように配置され、DPF102の中心線は、円筒形状のDPF要素の場合にその断面領域の中心点と合致する。回転可能な担体304は、インデックス機構308をさらに含み、インデックス機構308は、回転可能な担体304が回転するときに、空気ノズル310を回転軸306に向かって内側にか、または回転軸306から遠ざかる外側にかのいずれかに、すなわち、半径方向に割り出しする。
【0017】
図示した実施形態の回転可能な担体304は、ベルト駆動機構312によって回転される。この実施形態では、ベルト駆動装置が示されているが、図6の実施形態に示すダイレクトドライブ装置を含む他の駆動装置も考えられる。ベルト駆動機構312は、ベルト316によって相互連結された2つのプーリ314を含む。プーリ314の一方は、回転可能な担体304の回転中心である回転軸318のまわりに配置されている。第2のプーリ314は、電気モータ324によって駆動されるギヤ装置322の出力シャフト320に連結されている。したがって、動作中、出力シャフト320の回転動作は伝達されて、回転可能な担体304をベースプレート302に対して回転させる。図示した実施形態では、モータ324を動作させる動作制御信号および電力は、コントローラ134(図1)により、適切な接続体(図示せず)を介して供給される。
【0018】
回転可能な担体304が回転すると、ベースプレート302上で、回転可能な担体304の経路に関して直径上の両側の位置に配置された摩擦パッド326は、回転可能な担体304の各一回転ごとに2回インデックスホイール328に接触する。インデックスホイール328は、回転可能な担体304の長手方向に延び、担体に対して回転するように構成されたねじ付きシャフト330に連結されている。空気ノズルベースブロック332は、ねじ付きシャフト330と係合し、回転可能な担体304の長手方向に移動できるねじ付き開口333(図3)を含む。ベースブロック332は、ねじ付きシャフト330の回転により、ベースブロック332が、回転可能な担体304に沿って直線運動をするように、ねじ付きシャフト330に対して回転しないようにされる。したがって、インデックスホイール328と摩擦パッド326との接触により、インデックスホイール328がある程度回転し、ひいては、ねじ付きシャフト330が回転する。
【0019】
ねじ付きシャフト330が漸進的に回転することで、回転可能な担体304に対する空気ノズル310の位置が漸進的に進み、これは、回転軸306に対する空気ノズル310の半径方向距離が、半径方向内側また外側に変わることを意味する。空気ノズルをそのように漸進的に半径方向に割り出しすることで、回転および割り出しを繰り返しながら、空気ノズル310が、確実に、DPF102(図1)の全円形領域を順次、全面的にたどるようになる。
【0020】
当然ながら、動作中に、空気ノズル310が順次たどるDPF102の面に沿った経路では、ベースプレート302に対する回転可能な担体304の回転速度が一定と仮定すると、回転軸306から異なる半径距離に配置された領域上での空気ノズル310の滞留時間は異なることになる。このため、担体304の回転速度は、より一定の滞留時間となるように調整することができる。担体304の回転速度または角速度は、さまざまな方法で調整することができ、例えば、速度は、空気ノズル310の回転軸306からの半径方向距離によって決めてよいし、または、単に、実行された回転回数に基づいて調整されてもよい。図示した実施形態では、この調整は、空気ノズル310が回転可能な担体304の外側部分に沿って所定の位置に配置される清浄プロセスの開始から測定した時間値に基づいて、コントローラ134によって行われる。担体304の回転速度を増減させる所定の増減率は、DPFの任意の所与の部分に対する所望の空気ノズル滞留時間、DPFの長さ、DPFの直径、空気ノズルを通る空気流、割り出しされる距離の増分度、回転可能な担体304が行う回転の総数、および他のパラメータに基づいて調整することができる。
【0021】
ツール100(図1)で使用する電力および制御システム400のブロック図が図4に示されている。システム400は、ツール100と一体化されてよいし、または、スタンドアロンユニットとして、もしくは、それに代えて、例えば、サービストラックによって現場に搬送された他の構成要素の集合体として、ツール100に外部で連結されてもよい。システム400は、空気供給管404を介して空気を空気ノズル、例えば、空気ノズル310(図3)に供給する加圧空気貯蔵器402を含む。図示した実施形態では、貯蔵器402からツールのノズルへの空気流は、例えば、ボール式弁などの遮断弁406によって制御することができ、その圧力は、圧力レギュレータ408によって調整することができる。示すように、圧力レギュレータ408は、動作中に、例えば、80psiなどの最小限の圧力が、空気ノズルに供給されるのを保証する圧力スイッチとすることができる。この最小限の圧力は、DPFから灰粒子を効果的に離脱させるのに十分な圧力であるが、他の圧力設定を使用することもできる。さらに、空気流は、空気流中に配置された適切な装置(図示せず)によってパルス状にすることができる。
【0022】
システム400は、電力入力410をさらに含む。電力入力410は、例えば、バッテリまたは発電機などの24ボルト電源に接続することができ、こうして供給された電力は、圧力レギュレータ408の圧力スイッチ、電子コントローラ412、ブレーカ414、様々な表示灯および表示装置(図示せず)、ならびに他の部品などのツールの電子または電気部品を作動させるのに使用することができる。
【0023】
図示した実施形態では、システム400は、モータ制御出力416を含む。示すように、モータ制御出力416は、空気ノズルを回転させる電気モータ、例えば、図2および図3に示すような電気モータ324の動作および回転数を制御する電気信号を供給する。代替実施形態では、空気ノズルを動作させるモータは、空気または油圧アクチュエータ等を使用するなど、他のタイプの動力によって駆動することができる。
【0024】
モータ制御出力416からモータに供給されるモータ制御信号の調整は、電子コントローラ412によって行われる。すでに説明したように、DPFの面を回る空気ノズルの回転速度は、回転中心からの空気ノズルの半径方向距離が漸進的に変わる間、DPFの面の全表面領域にわたって、空気ノズルの一定の滞留時間が得られるように調整することができる。そのような調整は、コントローラ412または他の適切な装置によって提供することができる。図示した実施形態では、コントローラ412は、空気ノズルがDPFの面の中心からその外縁部に向かって移動するときに、モータの回転数を漸進的に上げるように設定できるタイマーである。タイマーは、長期にわたりモータ電流を増加させるいくつかの所定の設定の1つにセットすることができる。この種のモータ制御は、単純であるが、DPFの面の様々な領域にわたって空気ノズルに一定の滞留時間をもたらすのにきわめて効果的である。当然ながら、空気ノズルが、DPFの面の様々な領域を順次たどり、DPFの長さおよび直径に応じて、特定の滞留時間に調整され得るように、長期にわたるモータ回転数の調整により、空気ノズルの速度が一定にされる。
【0025】
図4に定性的に示すように、コントローラ412は、長期にわたって電圧出力を増加させるように構成されている。図では、電圧出力は、単位を分とした時間をその水平軸にプロットし、電圧値をその垂直軸にプロットしたグラフにおいて直線として示されている。コントローラ412の適切な設定を選択して、DPFの直径寸法をセットすることで、増大する電圧出力およびプロセス時間を適切に設定することができる。
【0026】
清浄ツール600の代替実施形態の部分外観図が図6に示されている。以下の説明において、すでに説明した対応する特徴部および要素と同じか、または類似する構造的特徴部および/または要素は、分かりやすくするために、前に使用されたものと同じ参照数字で表される。図示したツール600は、すでに示し、説明したように、台車122によって搬送される溜め桝104およびアダプタカラー110を含む。図6では、ツール600は、ツールに取り付けられストラップ119によって固定されシール112と係合したDPF102を有する。
【0027】
図6の図解を見ると、DPF102のフィルタ要素束604の概ね平坦な面602が見える。フィルタ要素束604は、DPF102内で中心に配置され、フィルタ缶606によって囲まれており、この場合に、フィルタ缶は金属でできていて、フィルタ束604を囲む縁部608を形成している。縁部608は、離隔距離を保ってフィルタ要素束604から軸方向に突出し、この離隔距離は、各特定のDPFの設計に応じて変えるか、またはなくすことができる。この実施形態では、支持ブラケット118は、フィルタ缶606に対して中心に支持され、3つの支持脚120によってフィルタ要素束604の平坦な面602にほぼ平行に配置されている。脚部120は、支持ブラケット120をフィルタ缶606上で中心に配置し、支持ブラケット118をDPF102の平坦な面602に対して実質的に平行に置くように構成されている。
【0028】
図6に示す実施形態の脚部120の1つの詳細断面図が、各脚部120の特定の特徴部を強調して図7に示されている。各支持脚120は、全体的に湾曲した上部部分704を有する支持部702を含み、支持部702は、支持部702の一部を通って軸方向に延びるねじ付き開口706を形成している。留め具708は、支持部702を支持ブラケット118に固定している。図示した実施形態では、中心線、すなわち、一般的には、DPF102の長手方向対称軸に対する支持部702の半径方向位置は、支持部702の湾曲した上側部分704と一連のノッチ710の1つとの間の嵌め合い係合によって決まる。ノッチ710は、支持ブラケット118の一部の下面に沿った、細長いスロット711の周囲の所定の位置に形成されている。当然ながら、他の嵌め合い形状を使用することもできる。
【0029】
複数のノッチ710のそれぞれは、形成された支持部702を所定の位置に嵌合した形で受け入れ、配置するように構成され、所定の位置は、半径寸法、すなわち、一般的には、ツール600が受け入れるように構成された特定のDPFの外側寸法に合致する。このようにして、オペレータは、DPFをツール600に取り付ける前、または取り付け中に、適切な取り付けを保証するような態様で、支持ブラケット118上の各脚部120の位置を前もって確立することができる。ツール600に取り付けられる、または取り付けられているDPFの大きさに応じて、脚部120の適切な配置を容易にするために、マーク、または他の指示情報を支持ブラケット118の上面にノッチ710に隣接して印刷することができる。脚部120の取り付け、または調整をさらに容易にするために、図示した実施形態の留め具708は、支持部702の支持ブラケット118への手動取り付けを可能にするノブ712を含む。
【0030】
支持部702の一部に単にノッチを付けて、DPFの缶606の縁部608を嵌合した形で受け入れてもよいが、ブラケット118をDPF上でさらに横方向に固定できる1つの可能な構成が、図7の実施形態に示されている。示すように、支持部702は、ピン716によって支持部702に回転可能に連結されたヒンジ部材714を含む。ヒンジ部材714は、対応するストラップ119の端部に配置されたフック722を受け入れる開口720を形成する支持レバー718を含む。ヒンジ部材714は、缶606と係合する縁部728に沿ってその自由端に配置されたゴム、すなわち、一般的に、スリップしないコーティング層726を含む係合レバー724をさらに形成している。
【0031】
取り付けられると、脚部120は、支持ブラケット118をDPF102に対して軸方向および横方向の両方に拘束するように構成されている。図7に示す実施形態では、支持ブラケット118を軸方向に位置決めおよび拘束するために、支持部702のブラントエンド(blunt end)730が、缶606の上部縁部608に当接している。ストラップ119が固定された場合、ヒンジ部材714によって加えられる力により、横方向の位置決めおよび拘束が可能になる。より具体的には、各ストラップ119からの張力が各ヒンジ部材714に加えられ、係合レバー724を缶606に押し付けるように働く。滑らないコーティング層726は、それらの間の適切かつ確実な係合を保証し、通常、支持ブラケット118をDPF102に対して横方向に拘束する。
【0032】
ここで図6に戻ると、支持ブラケット118が、DPF102に取り付けられている。この実施形態では、回転可能な担体304の回転に影響を及ぼすダイレクトドライブ装置610が存在する。図示した実施形態のダイレクトドライブ装置610は、支持ブラケット118上でほぼ中心に取り付けられており、支持ブラケットは、この実施形態では、120°離れて配置された3つの対称離間分岐部612(2つが見えている)を含む。(図2に示す)ベルト駆動機構312と同様に、ダイレクトドライブ装置610は、ギヤボックス616に連結された電気モータ614を含む。ギヤボックス616の出力シャフトは、回転可能な担体304を支持し、さらに、空気ノズル(図示せず)に供給される圧縮空気(図示せず)の流路を提供するカップリング618に連結されている。
【0033】
ここで図8および図9を参照すると、任意選択の防塵システム800が、本明細書に提示したフィルタ清浄ツールの溜め桝104の開口に連結されて示されている。一実施形態では、防塵システム800は、例えば、図1に示すように、アダプタカラー110と一体化することができるし、または、代替方法として、溜め桝104に直接連結された、もしくはアダプタカラー110より上に配置された後付け部品とすることができる。明瞭にするために特定の部品を削除して、図8および図9の2つの視点で示すように、示した実施形態では、防塵システム800は、アダプタカラー110の一部と一体化されている。
【0034】
防塵システム800は、モータ804によって駆動され、フィルタ806の空気透過性塵収集器の下流に配置されたファン802を含む。モータ804およびファン802は、プラットフォーム808に載っており、フィルタ806とともに溜めアセンブリ810内に配置されている。溜めアセンブリ810は、図示した実施形態では、溜め桝104に連結されているという点でツールとかかわりをもつ。通常、溜めアセンブリ810は、すでに説明したように、清浄プロセス時に、DPFが載る水平トレー116を囲む領域と流体連通するように構成されている。示した実施形態では、水平トレー116は、平行に延びる複数の短いバーでできており、アダプタカラーの外側ケース(図示せず)内に閉じ込められる。
【0035】
防塵システム800は、特に、DPF清浄プロセスの完了直後に、例えば、処理済みDPFをツールから取り外し中に、および取り外し後に、溜め桝104の外で自然に浮遊することがある塵を収集する。示した実施形態では、ファン802は、トレー116の周囲から空気を引き込み、空気は、排出される前にフィルタ806を通過する。ファン802によってトレー116の周囲領域から引き込まれる空気は、浮遊する大部分の塵粒子を溜め桝104の開口端から一緒に搬送する。フィルタ806は、そのような塵のほとんどを収集するように構成されるので、ツールの低公害運転を可能にする。防塵システム800の作動は、例えば、DPF清浄サイクルの完了後に、3分〜5分などの所定の期間にわたってファン802を作動させることで、オペレータにより手動で、および/または電子コントローラ134により自動的に行うことができる。図9に破線で示すように、必要に応じて、第2のファン802およびフィルタ806を含む第2の溜めアセンブリ810を使用して、防塵性を向上させることができる。
【0036】
ここで図10および図11を参照すると、空気ノズル310(図2)の2つの代替実施形態が示されている。図2に示すように、空気ノズル310は、各フィルタ要素を通り、フィルタ要素から蓄積した灰を除去する空気流を送出するときに、DPFフィルタ束の面の上を移動して回る剛性部材である。図10および図11の実施形態では、入れ子式空気ノズル900、902の2つの実施形態が示されている。各入れ子式空気ノズル900、902は、剛性部材の空気ノズル310の代わりに使用することができ、有利にも、DPFのフィルタ要素への空気の送出を改善し、一方で、動作中の騒音も低減する。
【0037】
示すように、入れ子式空気ノズル900、902は、空気ノズルベースブロック332(図3)につながり、貫通する空気路903を含む移送パイプ904を有する。図示した実施形態の移送パイプ904は、ベースブロック332に連結されたその第1の端部を有する細長い管状部材であり、その第2の端部または自由端905は、DPFの面からずれた高さに配置されている。入れ子式パイプは、移送パイプ904内に、または移送パイプ904と囲む関係で軸方向に配置される。下記に説明するように、入れ子式パイプは移送パイプ904に対してスライドする。
【0038】
図10に示す実施形態では、入れ子式空気ノズル900の入れ子式パイプ906は、開口端910からノズル端912を通って延びる内部穴908を有する細長い管状部材である。入れ子式パイプ906および内部穴908は、移送パイプ904とともに組み立てられたときに、移送パイプ904のその自由端905に隣接する部分が内部穴908内に配置されるような略円形とされる。この、または同様な構成により、入れ子式パイプ906が入れ子式に移送パイプ904上をスライドすることが可能になる。ノズル端912はノズル開口913を含み、ノズル開口は、ノズルベースブロック332を経由して供給された圧縮空気が、ノズル開口913を通って出ていく流路を画定するように、内部穴908および空気路903と流体連通している。ラジアルシール914は、内部穴908と移送パイプ904の外側面との間のスライド境界面に沿って配置されている。2つの部品間のこの、または他の同様の構成により、圧縮空気路に沿った空気の漏出を低減することができ、さらに、取り付け中に2つの部品を保持することもできる。このために、2つの部品の間の入れ子式移動を制限することができるストッパまたは他の特徴部を必要に応じて使用することができる。
【0039】
動作時、空気路903に供給された圧縮空気は、内部穴908を通り、ノズル開口913から出る。こうして供給された空気の圧力および推進力により、入れ子式パイプ906が移送パイプ904に対して入れ子式に伸長する。より詳細には、入れ子式パイプ906を伸長させようとする力が、移送パイプ904の自由端905の端面およびノズル開口913を囲む面に作用する、内部穴908内の空気の流体圧力によって生じる。ノズル端912に最も接近した内部穴908の端部の大きい方の垂直投影表面積を自由端905の小さい方の表面積と比較することで、入れ子式パイプ906を移送パイプ904から離れる方向にDPFの面916に押し付けようとする、図10および図11の図解に概略的に示した正味軸方向力Fが導かれる。このようにして、ノズル開口913からの空気は、各個別のフィルタ要素に入る前に、より小さい範囲に分散し、すでに示し、説明した空気ノズル310を用いた動作と比較して、動作中の騒音が低減される。例えば、約100psi(690kPa)の供給空気圧で動作する場合、入れ子式空気ノズル900を使用したときに、約70dBの騒音レベルが測定された。
【0040】
図11に示す入れ子式空気ノズル902の実施形態では、スライドパッド918が、入れ子式パイプ920のノズル端912で連結されている。当然ながら、入れ子式空気ノズル900、902とDPFの面916との間のスライド接触は、引っかき傷、凹凸面、または面916に存在する他の物理的特徴によって妨害されることがあり、回転可能な担体304(図3)を駆動するモータに余分な負荷をかける摩擦をさらに生じさせることがある。そのような問題を回避するために、必要に応じて、その下面に低摩擦コーティングを含むことができるスライドパッド918が、入れ子式空気ノズル902の端部とDPFの面916との間のより広い接触面積を提供し、さらに、動作中に、騒音およびDPFからの空気の吹き返しを低減するシールドを形成する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本開示は、空気ノズルまたは空気ナイフの使用により、DPFに蓄積した灰を除去する方法に適用可能である。通常、方法は、DPFの本体に沿って長手方向に延びる各DPFフィルタ要素または流路を通る、比較的集束した、または集中した空気の噴流を供給する空気ノズルで、DPFのほぼ全面を順次たどることを含む。空気が各フィルタ要素を通ることで、フィルタ要素に蓄積した、または固まり付いた灰粒子が離脱し、この灰粒子は、DPFが端面で立ちながら処理される場合に重力により搬送され、また、DPFを通り、空気ノズルと反対側の端部からDPFの外に出る空気流によって灰粒子に付与される推進力により搬送される。DPFの一方の端部は、空気ノズルからの加圧空気流にさらされるが、他方の端部は、除去された灰を収集するために閉じ込められる。大きく、重い方の灰粒子は、あとで処理するために収集することができるが、小さく、軽い方の灰粒子は、DPFを出た攪乱空気流中に少なくとも一時的に浮遊することがある。
【0042】
DPFの出口端を閉じ込めることで、そのような浮遊粒子を搬送する空気はツールの溜め桝に流入する。重い方の灰粒子は溜め桝に集積するが、溜め桝に集積しない軽い方の灰粒子を搬送する超過空気は、その時点で処理されていないフィルタ要素を通ることで、溜め桝から自由に出ていき、DPFを逆流する。有利にも、すでに説明したように、清浄中に、噴流からの比較的速い速度の空気がDPFの各フィルタ要素を通るので、各フィルタ要素に蓄積した灰および他の粒子が、DPFから離れる方向に搬送される。
【0043】
動作時、灰をフィルタの外に搬送している空気流が、流れの変化を伴ってフィルタから溜め桝に至ることで、空気流、ひいては、空気流で搬送される灰粒子が減速し、枡の底部に落ちる。次いで、大きく、重い方の灰粒子を溜め桝に流入および堆積させた空気は方向を変え、枡を出てDPFを逆流する。溜め桝を出た溜め桝からの空気流が、DPFを通るのに利用できる断面積は比較的大きいので、溜め桝を出た空気の速度は遅いままであり、空気が通過するDPFの様々なフィルタ要素は、空中を浮遊する灰粒子のほとんどを収集する。この態様で、空気流が溜め桝に流入するときに、DPFを通過した清浄用空気流が減速することと、溜め桝からの排出空気に対して、清浄されるDPFが濾過処理を行うこととで、基本的に、DPFを清浄するのに使用される空気に対する2段階の濾過機能がもたらされる。
【0044】
DPFのこの逆流濾過機能が、図5の部分断面図に定性的に示されており、図5では、すでに説明した対応する特徴部および要素と同じか、または類似する構造的特徴部および要素は、分かりやすくするために、すでに使用されたものと同じ参照数字で表される。より具体的に、および図5を参照して、空気ノズル310が、DPF102の特定のフィルタ要素500上に1つの動作位置で示されている。特定のフィルタ要素500を清浄するために使用される、ノズル310からの空気流502が、下方に延びる開放された頭部矢印で示されている。特定のフィルタ要素500から離脱した灰の一部は、すでに説明したように、溜め桝104に落ちるが、こうして除去された、軽く、小さい方の灰粒子を含む、除去された灰の残りのきわめてごく一部が、溜め桝104内で雲504を形成している。当然ながら、これらの小さく、軽い方の灰粒子は、最初に排気ガス流からDPFによって捕捉されたのであるから、DPFが捕捉するのにそれでもなお十分な大きさである。
【0045】
DPF102のフィルタ要素の連続清浄による連続する空気供給により、溜め桝104内の空気、すなわち、灰の雲504が溜め桝104から押し出される。溜め桝104が、DPF102の下面に対して開放されたその端部を除いて密閉されていると仮定すると、灰の雲504は、開放された頭部矢印508で示すように、溜め桝104から上向き方向にDPF102の他のフィルタ要素を通って浮遊する。灰の雲504が、上向き方向508にDPF102を通るときに、より軽く、より小さい灰粒子が、別のフィルタ要素506によって収集されるので、きわめて清浄で灰のない空気がDPF102の上面から排出される。
【0046】
DPFの清浄中に、灰の雲から灰粒子をフィルタで除去するのにDPF自体を使用することは、灰除去ツールのコストが上がり、複雑さが増すことがある、ツールの清浄用空気の排気用の補助灰粒子フィルタ処理または除去装置の使用を不要にするので有益である。さらに、本明細書で説明した清浄プロセス後に、DPFに残った灰の量はごくわずかであることが認められた。
【0047】
当然ながら、前述の説明は、開示したシステムおよび技術の例を提示している。しかし、本開示の他の実施例は、前述の例とは細部で異なっていてよいと考えられる。本開示または本開示の実施例についての言及はすべて、その時点で説明される特定の例について言及することを意図されており、より一般的に、本開示の範囲に関する限定を含むよう意図されるものではない。特定の部分に対する差別および軽視の言葉はすべて、これらの部分を選好しないことを示すよう意図されているが、別途に示されていない限り、本開示の範囲からそのようなものを完全に除外することを意図されるものではない。本明細書で説明したすべての方法は、本明細書で別途指摘がない限り、または別段に文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶内に閉じ込められ、第1および第2の軸方向端部を有するフィルタ要素束を含むディーゼル粒子フィルタ(DPF)から粒子状物質を除去するツールであって、
開口端を有するチャンバを画定する容器と、
DPFが配置された場合に、DPFの第1の軸方向端部を支持し、DPFの缶の外側面と容器のチャンバとのまわりにシールを形成するように構成された、容器の開口端に連結された支持体と、
DFPの第2の軸方向端部に近接して取り付けられ、空気の細流を第2の軸方向端部に通すように構成された空気ノズルと、
を含み、空気流は、フィルタ要素束の少なくとも一部を通り、DPFの第1の軸方向端部から出て容器に入り、フィルタ要素束の残りの部分は、容器から出て、容器の開口端部およびDPFを逆流する空気を濾過するように配置される、ツール。
【請求項2】
空気ノズルは、DPFの第2の軸方向端部に取り付けられた空気ナイフアセンブリに連結され、空気ナイフアセンブリは、
駆動機構と、
DPFに対して相対回転するように構成された担体であって、相対回転は、担体およびDPFの一方に作用する駆動機構の動作による、担体と、
担体にスライド可能に配置された空気ノズルベースブロックと、
を含み、
空気ノズルは、空気ノズルベースブロックに連結され、担体およびDPFの相対回転中に、空気ノズルベースブロックが担体に対して漸進的にスライドするのに伴って、フィルタ束のほぼ全面を順次たどる、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
空気ノズルは、空気圧が存在する場合に、伸長し、DPFの面に接触するように構成された入れ子式空気ノズルである、請求項2に記載のツール。
【請求項4】
DPFに対する担体の所定の角度位置において、空気ノズルベースブロックの担体に対する軸方向位置を漸進的に進めるように構成されたノズル進行機構をさらに含む、請求項2に記載のツール。
【請求項5】
DPFの缶に連結された支持ブラケットをさらに含み、駆動機構は支持ブラケットに連結され、担体をDPFに対して回転させるように動作し、担体は、支持ブラケットによって回転可能に支持され、回転可能な担体は、フィルタ要素束に対して離隔距離を保って浮かぶ、請求項2に記載のツール。
【請求項6】
支持体は、空気透過性であり、DPFの第1の軸方向端部を支持するように構成された支持トレーを含む、請求項1に記載のツール。
【請求項7】
容器は、フィルタ要素束を通る空気流によってDPFから除去された粒子状物質を収集するように構成されたライナを受け入れるように構成される、請求項1に記載のツール。
【請求項8】
清浄用空気路は、空気ノズルから、第2の軸方向端部を通り、フィルタ要素束の少なくとも一部を通り、第1の軸方向端部を通り、容器に至るように画定され、排気路は、容器から、第1の軸方向端部を通り、フィルタ要素束の少なくとも残りの部分を通り、第2の軸方向端部を通るように画定される、請求項1に記載のツール。
【請求項9】
エンジン排気ガス流中にあるものなどの灰および他の粒子をフィルタで除去するように構成されたディーゼル粒子フィルタ(DPF)から粒子状物質を除去する方法であって、DPFによる濾過は、エンジン排気ガス流がDPFの第1の軸方向端部に入り、第2の軸方向端部から出るときに行われる、方法において、
第2の軸方向端部からフィルタのフィルタ要素のごく一部を通り、第1の軸方向端部から出る高速空気の細流を吹き込み、空気流は、使用済みの清浄用空気として第1の軸方向端部から出ることと、
使用済みの清浄用空気を収容するために、DPFの第1の端部を溜め桝に閉じ込めることと、
灰および他の粒子の一部が、使用済みの清浄用空気流から落ちるように、使用済みの清浄用空気の流速を溜め桝内で低下させることと、
使用済みの清浄用空気流をDPFの第1の軸方向端部に通し、第2の軸方向端部から出すことで、灰および他の粒子のさらなる部分を、使用済みの清浄用空気流から除去することと、
を含む方法。
【請求項10】
高速空気の細流をDPFの第2の軸方向端部に吹き込むことは、空気ノズルによって行われ、方法は、第2の軸方向端部のほぼ全表面領域を空気ノズルで順次たどることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の軸方向端部のほぼ全表面領域を空気ノズルで順次たどることは、
第2の軸方向端部から離隔距離を保って回転する担体にスライド可能に配置された空気ノズルを用意することと、
担体の回転に関する所定の角度位置において、担体に対する空気ノズルの位置を漸進的に変えることと、
によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
DPFは、第1および第2の軸方向端部間に平行な配置で延びるフィルタ要素の束を含み、空気の細流が吹き込まれて束のフィルタ要素の全部ではないが一部を通り、使用済みの清浄用空気流がフィルタ要素の残りの部分を通る、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
DPFの第1の軸方向端部を溜め桝の開口端上に支持し、第1の軸方向端部および溜め桝のまわりにシールを形成することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
溜め桝内の使用済みの清浄用空気流が、第1の軸方向端部を通ってDPFに入り、第2の軸方向端部を通って出るように、溜め桝内を少なくとも周囲空気圧に等しい空気圧に維持することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ディーゼル粒子フィルタ(DPF)に蓄積した灰を除去するツールであって、
DPFの第1の端部を開口端に通して受け入れるように構成された溜め桝と、
DPFの第1の端部が溜め桝の開口端に配置された場合に、反対側のDPFの第2の端部に連結するように構成された支持ブラケットと、
支持ブラケットに対して回転軸のまわりに回転するように配置された回転可能な担体と、
回転可能な担体にスライド可能に配置され、担体が、支持ブラケットに対して少なくとも1つの所定の角度位置に配置されたときに、担体に対して漸進的にスライドして、半径方向位置が、回転軸に対して漸進的に変わるように構成された空気ノズルと、
を含み、
DPFの第2の端部から第1の端部に向かう方向に、DPFの一部を通る空気の噴流が、空気ノズルによって供給される、ツール。
【請求項16】
空気ノズルは、担体が回転している間に、担体に対して漸進的にスライドしながら、DPFのほぼ全面を順次たどるように構成される、請求項15に記載のツール。
【請求項17】
溜め桝の開口端に配置され、DPFの第1の端部を支持および封止するように構成された支持体をさらに含む、請求項15に記載のツール。
【請求項18】
空気ノズルは、担体に連結された移送パイプと、同心上で、移送パイプの一部のまわりにスライド可能に配置された、自由端を有する入れ子式パイプとを含む入れ子式空気ノズルであり、入れ子式パイプを移送パイプに対して伸長させる空気圧が移送パイプに存在する場合に、入れ子式パイプの自由端がDPFと接触する、請求項15に記載のツール。
【請求項19】
溜め桝は、DPFから除去された特定の物質を収集するように構成されたライナを受け入れるように構成される、請求項15に記載のツール。
【請求項20】
溜め桝の開口端に連結された防塵システムをさらに含み、防塵システムは、
DPFがツールから取り外されるときに、開口端を囲む領域から排気口空気流を引き込むように構成されたファンと、
排気口空気流によって搬送された粒子を捕捉するように配置されたフィルタと、
を含む、請求項15に記載のツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−515188(P2013−515188A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544853(P2012−544853)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060859
【国際公開番号】WO2011/075598
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】