フィルタ装置及び燃料タンクユニット
【課題】 燃料タンクの形状が複雑な場合であっても、燃料タンクの形状に応じた適切な位置に配置することを可能とする。
【解決手段】 このフィルタ装置20は、燃料タンク100内に設置される燃料ポンプ12の燃料吸入口18に接続され、燃料タンク100から燃料ポンプ12内に吸入される燃料から異物を除去する。フィルタ装置20は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームを有する。そして、フィルタ装置20は、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されている。
【解決手段】 このフィルタ装置20は、燃料タンク100内に設置される燃料ポンプ12の燃料吸入口18に接続され、燃料タンク100から燃料ポンプ12内に吸入される燃料から異物を除去する。フィルタ装置20は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームを有する。そして、フィルタ装置20は、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ポンプの燃料吸入側に取付けられるフィルタ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ装置としては特許文献1に記載のものが知られている。このフィルタ装置は、袋状に形成されたフィルタ(メッシュ)と、このフィルタを中空状に保持するフレームによって構成される。フレームは、燃料吸引時に袋状のフィルタが密着しないようにフィルタ内に挿入されている。このフィルタ装置は、燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられ、燃料ポンプと共に燃料タンク内に配置される。燃料ポンプが作動すると、燃料タンク内の燃料は、フィルタ装置により異物が除去されてから燃料ポンプに吸引される。
【特許文献1】特開平7−148405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、燃料タンクの扁平化から燃料タンクの高さ方向の寸法が短くなっており、燃料ポンプ及びフィルタ装置の燃料タンクへの搭載性の向上が大きな課題となっている。このため、特許文献1のフィルタ装置では、フレームを樹脂によって形成することで可撓性が付与され、フィルタ装置を燃料タンクの底面に押し付け、フレーム(すなわち、フィルタ装置)を湾曲させた状態で燃料タンクに搭載することが可能となっている。これによって、燃料タンクへの搭載性の向上が図られている。
しかしながら、特許文献1のフィルタ装置は、燃料タンクに押し付けられて湾曲するため、任意の方向に湾曲させることができない。このため、燃料タンクの形状が複雑となると、燃料タンクの形状に応じた最適な位置にフィルタ装置を配置することができなくなる。例えば、図38に示すように燃料タンクの底面に段差がある場合に、フィルタ装置を下段202bに押し付けると、フィルタ装置の中央が上段202aの角202cに当接し、それ以上フィルタ装置を傾けることができなくなるため、フィルタ装置の全高が高くなる(図中、204aがフィルタ装置の軸線を表している。)。一方、図39に示すようにフィルタ装置を上段202aに押し付けて湾曲させると、フィルタ装置の全高は抑えられるものの、フィルタ装置の先端が下段202bから離れ、燃料タンク内の燃料を最大限吸引することができなくなる(図中、204bがフィルタ装置の軸線を表している。)。
【0004】
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料タンクの形状が複雑な場合であっても、燃料タンクの形状に応じた適切な位置に配置することが可能となるフィルタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に係る第1のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、そのフィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームとを有する。そして、フレームは、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されている。
このフィルタ装置では、外部から力を作用させなくても、フレームが折り曲げられた状態(湾曲状態又は屈曲状態)を維持できるように構成されている。このため、フィルタ装置を燃料タンクに押し付けなくても、フレーム(すなわち、フィルタ)を折り曲げられた状態とすることができる。したがって、燃料タンクの形状が複雑であっても、燃料タンクの形状に応じてフレーム(フィルタ)を折り曲げることができ、フィルタ装置を適切な位置に配置することができる。
【0006】
上記フィルタ装置の一態様においては、フレームが、燃料ポンプ側に設けられる第1フレーム部材と、第1フレーム部材に回動可能に取付けられる第2フレーム部材とを備えることが好ましい。このフィルタ装置では、第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して回動することで、フィルタ装置を折り曲げた状態とすることができる。また、第1フレーム部材に対する第2フレーム部材の角度を調整することで、フィルタ装置の折り曲げ角度を調整することもできる。
【0007】
上述の構成を採用する場合、第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して所定の角度となるように第2フレーム部材を保持する保持手段をさらに有することが好ましい。このような構成によると、フィルタ装置が安定して折り曲げられた状態を維持することができる。保持手段としては、例えば、第1フレーム部材と第2フレーム部材との間に設けられるスナップフィット機構又はノッチ機構等を用いることができる。
【0008】
また、第2フレーム部材は、その剛性が第1フレーム部材の剛性より低くされていることが好ましい。このような構成によると、フィルタ装置は先端側(燃料ポンプへの取付端側と反対側)で撓み易くなる。このため、フィルタ装置の先端が燃料タンクの底面に接触しても、フィルタ装置の先端が変形し、フィルタ装置の破損等が防止される。
【0009】
また、第2フレーム部材は、第1フレーム部材に組み付けられる組付け部と、組付け部よりフィルタの長手方向に延びる縦フレーム部と、この縦フレーム部からフィルタの幅方向両側に張出した横フレーム部とによって構成することができる。この場合、縦フレーム部及び/又は横フレーム部の剛性が組付け部の剛性より低くされていることが好ましい。このような構成によると、第2フレーム部材の第1フレーム部材に対する組付けを強固に行いつつ、その先端を撓みやすくすることができる。
なお、縦フレーム部の先端及び/又は横フレーム部の先端には、フィルタを所定形状に保持するための保持部を設けることが好ましい。このような構成によると、フィルタの長手方向先端及び/又は幅方向両端が保持部で支持されるため、フィルタの端部まで中空状態で保持され、燃料の吸入効率を高めることができる。
【0010】
上記フィルタ装置の他の態様においては、フレームは、フィルタの長手方向に延びるメインフレーム部と、そのメインフレーム部の少なくとも一箇所を折り曲げられた状態に保持する保持手段とを有することが好ましい。
このフィルタ装置では、保持手段によってメインフレーム部が折り曲げられた状態で保持される。このため、外部から力が作用しなくても(例えば、フィルタ装置が燃料タンクに押し付けられなくても)、フィルタ装置を折り曲げた状態とすることができる。
この態様のフィルタ装置の一実施例では、メインフレーム部の少なくとも一箇所に厚みが小さい箇所(薄肉部)を設け、その薄肉部でメインフレーム部を折り曲げ可能に構成する。そして、薄肉部の両側(燃料ポンプへの取付端側と反取付端側)をスナップフィット機構等によって連結する。これによって、外部から力が作用しなくても、メインフレーム部は薄肉部において折り曲げられた状態となる。
【0011】
本願に係る第2のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有する。フレームは、少なくともその一部に芯材が配設されている。そして、芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、可塑性を有している。
このフィルタ装置では、フレームの少なくとも一部に芯材が配設され、フレームと芯材とが一体化されている。芯材の強度はフレームを形成する材料のそれより高いため、芯材と一体化された部分では、フレームの形状は芯材の形状に倣った形状となる。また、芯材は可塑性を有するため、折り曲げることができる。したがって、芯材を折り曲げることで、フレーム及びフィルタを折り曲げた状態とすることができる。
【0012】
上記フィルタ装置においては、フレームと芯材を別部材とし、フレームに芯材を取付けるように構成することができる。あるいは、フレームに芯材をインサートして、両者を一体成形することもできる。
フレームに芯材を取付ける場合、例えば、フィルタの長手方向に延びる縦フレーム部に芯材を取付けるための環状部を複数形成し、それら環状部に芯材を挿通する構成を採ることができる。このような構成によると、縦フレーム部(フィルタの長手方向に延びる部位)を折り曲げた状態とすることができ、その結果、フィルタを長手方向に折り曲げた状態とすることができる。
【0013】
本願に係る第3のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームとを有する。フレーム又はフィルタには、少なくともその一部に芯材が取付けられる。そして、芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、予め所定の形状に成形されている。
このフィルタ装置では、フレーム又はフィルタの少なくとも一部に芯材が取付けられている。芯材の強度はフレームの材料より高いため、芯材が取付けられた部分では、フレーム(フィルタ)の形状は芯材の形状に倣った形状となる。芯材は予め所定の形状に形成されているため、芯材が取付けられたフレームも所定の形状となる。したがって、芯材を所望の形状に予め成形しておくことで、フレーム及びフィルタを所望の形状とすることができる。このため、燃料タンクの形状に応じてフィルタ装置を適切な位置に配置することができる。
【0014】
また、本願は新規な燃料タンクユニットを提供する。すなわち、本願の燃料タンクユニットは、燃料タンクと、燃料タンク内に配置された燃料ポンプと、燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられた上述したフィルタ装置のいずれかを備える。そして、フィルタ装置のフレームが、燃料タンクの底面に倣って折り曲げられている。
この燃料タンクユニットでは、燃料タンクの底面に倣ってフィルタ装置のフレームが折り曲げられるため、フィルタ装置が燃料タンクの底面に倣って配置される。このため、燃料タンクが複雑な形状となる場合(例えば、段付きの燃料タンク)であっても、燃料タンクの最も低い面にフィルタの先端を配置でき、かつ、フィルタ装置の全高を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具現化した一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るフィルタ装置20の燃料タンク100への設置状態を示す図である。図1に示すように、フィルタ装置20には燃料ポンプ12が接続されている。燃料ポンプ12及びフィルタ装置20は、燃料タンク100内に設置される。図から明らかなように、燃料タンク100の底面には段差100cが設けられており、上段100aと下段100bが設けられている。
【0016】
燃料ポンプ12の上面には、外部コネクタ14と吐出管取付部16が設けられている。外部コネクタ14は図示しない電源装置に接続される。電源装置は、外部コネクタ14を介して燃料ポンプ12へ電力を供給する。吐出管取付部16には、図示しない吐出管が取付けられる。吐出管の他端にはインジェクタが接続され、このインジェクタからエンジンに燃料が供給される。
燃料ポンプ12の下面には燃料吸入口18が設けられている。燃料吸入口18にはフィルタ装置20が取付けられている。燃料ポンプ12が作動すると、燃料タンク100内の燃料は、フィルタ装置20によって異物を取り除かれ、燃料吸入口18を通って燃料ポンプ12内に吸引される。燃料ポンプ12内に吸引された燃料は、吐出管取付部16から燃料タンク100外に吐出される。
【0017】
図2〜4に示すように、フィルタ装置20は、フィルタ70と、フィルタ70の内部に収容されるフレーム22とで構成されている。フィルタ70は、織布および不織布等の濾布によって構成され、その上下面には燃料をろ過する網目が形成されている。フィルタ70は、フレーム22を包み込むようにして少なくとも1枚以上の濾布(例えば、不織布等)の周囲70Aを重ね合わせ、その周囲70Aを溶着することで袋状に形成されている。フィルタ70は、内部に収容されたフレーム22によって内側から押し拡げられて中空状態とされる。したがって、燃料ポンプ作動時においてもフレーム22によってフィルタ70が中空状態を維持し、確実に燃料タンク100内の燃料を吸い込むことができるようになっている。
【0018】
また、フィルタ70の下面には当接部56,58が設けられている(図3,4参照)。図1,4に示すように、フィルタ装置20が燃料タンク100内に設置されると、当接部56が燃料タンク100の底面上段100aに当接し、当接部58が燃料タンク100の底面下段100bに当接する。これによって、フィルタ70が燃料タンク100の底面100a,100bに直に接触せず、フィルタ70の磨耗等が防止される。
【0019】
図5〜7によく示されるようにフレーム22は、接続部材23、第1フレーム部材30及び第2フレーム部材40によって構成されている。接続部材23は樹脂により成形されている。接続部材23には、取付孔24と、この取付孔24に連通する燃料流路26が形成されている。取付孔24には燃料ポンプ12の燃料吸入口18が挿し込まれるようになっている。すなわち、接続部材23はフィルタ70に形成された取付孔(図示省略)からフィルタ70外に突出して配置されており、接続部材23の取付孔24に燃料ポンプ12が接続可能となっている(図3,4参照)。なお、接続部材23とフィルタ70とはインサート成型等によって成型されており、両者の隙間からフィルタ70内に異物が入り込まないようになっている。
【0020】
上述した接続部材23には第1フレーム部材30が固定されている。第1フレーム部材30は、連結プレート32、支持プレート36及び保持プレート38によって構成されている。連結プレート32、支持プレート36及び保持プレート38は樹脂によって一体に成形されている。
連結プレート32は、第1フレーム部材30の一端(接続部材23側の端部)に設けられている。連結プレート32は方形状に形成されており、その内部に燃料流路34が形成されている。燃料流路34は連結プレート34を貫通し、その一端(接続部材23側)は燃料流路26に連通し、その他端はフィルタ70の内部空間に連通する。したがって、フィルタ70内に吸引された燃料は、連結プレート34の端面34a側から燃料流路34,26及び燃料吸入口18を通って、燃料ポンプ12内に吸引されるようになっている。
【0021】
連結プレート32の端面34aには、フィルタ70の幅方向に互いに間隔を空けて2つの支持プレート36が連設されている。2つの支持プレート36はフィルタ70の長手方向先端に向かって延びており、これら支持プレート36の間に燃料流路34が開口している。支持プレート36の外側にはリブ36bが形成されている。リブ36bによって支持プレート36の強度が向上し、支持プレート46が撓み難いようになっている、
2つの支持プレート36の先端(第2フレーム部材40側)は、保持プレート38によって互いに連結されている。保持プレート38には、スリット状の差込孔38aが形成されている(図12参照)。また、各支持プレート36の先端には貫通孔36aが形成されている。
【0022】
上記第1フレーム部材30には第2フレーム部材40が組付けられる。第2フレーム部材40は、取付腕42、横プレート46、保持片44、縦フレーム部48及び横フレーム部50等によって構成されている。取付腕42、横プレート46、保持片44、縦フレーム部48及び横フレーム部50等は、樹脂によって一体に成形されている。
横プレート46の両端には取付腕42が設けられている。取付腕42は、横プレート46の端部から第1フレーム部材30側に向かって延びている。各取付腕42の先端(第1フレーム部材30側)には外側に突出する突出部(軸)42aが形成されている。突出部42aは、支持プレート36の貫通孔36aに遊嵌する。このため、取付腕42は、突出部42aを中心として、支持プレート36に対して回動可能となっている。
なお、2本の取付腕42は、突出部42aが設けられた端部が開放されている。このため、取付腕42の突出部42a側の端部は容易に撓むことができる。したがって、取付腕42の突出部42a側の端部を内側に撓ませて、取付腕42の突出部42aを支持プレート36の貫通孔36aに簡単に組付けることができる。一方、支持プレート36はリブ36bによって補強され、撓み難くなっている。このため、支持プレート36に外力が作用しても変形することがなく、取付腕42が支持プレート36から脱落し難いようになっている。
【0023】
横プレート46には保持片44が連設されている。保持片44は、横プレート46から下方に延び、その下端で第1フレーム部材30側に屈曲し、その先端は保持プレート38まで延びている(図6,7参照)。保持片44の先端は2つに割れており、左右それぞれに爪44aが形成されている(図10,11,13参照)。保持片44の先端が2つに割れているため、爪44aは幅方向(フィルタ70の幅方向)に変形可能となっている。
【0024】
図6,8,10に示されるように、第1フレーム部材30に対して第2フレーム部材40が直線状となっている状態では、保持片44の爪44aが保持プレート38の差込孔38aに差込まれていない。この状態から第2フレーム部材40を回動させると(図6において時計回りの方向)、保持片44の爪44aが保持プレート38に当接して内側に変形し、保持プレート38の差込孔38aに差込まれる。第2フレーム部材40をさらに回動させると、保持片44の爪44aが保持プレート38を貫通する状態となる(図9,11に示す状態)。図11に示されるように、保持片44の爪44aが差込孔38aを貫通すると、爪44aがその弾性によって元の形状に復帰する(すなわち、左右に開く)。このため、保持片44の爪44aが保持プレート38に係合し、第2フレーム部材40が反時計周りに回動することが規制される(すなわち、第1フレーム部材30に対して直線状に戻ることが規制される)。また、保持片44の当接部44bが保持プレート38に当接することで、第2フレーム部材40が時計周りに回動することも規制される。これによって、第2フレーム部材40は、第1フレーム部材30に対して所定の角度で折れ曲がった状態で保持される(図7の状態)。すなわち、第1フレーム部材30の保持プレート38と第2フレーム部材40の保持片44によって構成されるスナップフィット機構によって、第2フレーム部材40は第1フレーム部材30に対して所定の角度で保持される。
【0025】
図5〜7に戻って、上述の保持片44には、フィルタ70の長手方向へ延びる縦フレーム部48と、この縦フレーム部48からフィルタ70の幅方向両側に張出した横フレーム部50が連設されている。縦フレーム部48と横フレーム部50は、その断面積が取付腕42、横プレート46、保持片44のそれらより小さく、これらの部位42,46,44より撓み易くなっている。
また、縦フレーム部48の先端には、フィルタ70の幅方向に張り出した横リブ54が設けられており、横フレーム部50の左右両端には保持部52が形成されている。保持部52には、フィルタ70の厚み方向に突出する突部52aと、フィルタ70の幅方向に張出した突部52bが形成されている。フレーム22がフィルタ70内に収容された状態では、横リブ54及び保持部52の突部52a及び突部52bがフィルタ70の内側に当接する。なお、横リブ54及び保持部52は、縦フレーム部48や横フレーム部46に対して剛性が高められている。このため、燃料ポンプ12が作動してフィルタ70に吸引力が作用しても、フィルタ70が中空状態を維持できるようになっている。
【0026】
次に、上述したフィルタ装置20の燃料タンク100への設置手順の一例を説明する。まず、フィルタ装置20を直線状の状態(図3に示す状態)で、フィルタ装置20の取付孔24に燃料ポンプ12の燃料吸入口18を差込み、フィルタ装置20の先端を折り曲げる。次に、フィルタ装置20の燃料ポンプ12側が燃料タンク100の底面上段100a側となり、フィルタ装置20の先端が燃料タンク100の底面下段100b側となるようにフィルタ装置20および燃料ポンプ12の向きを調整する(図1参照)。そして、フィルタ装置20を燃料タンク100に設置する。フィルタ装置20が燃料タンク100に設置された状態では、当接部56が燃料タンク100の底面上段100aに当接し、当接部58が燃料タンク100の底面下段100bに当接している。
なお、燃料タンク100やフィルタ装置20の製造誤差等によって、フィルタ装置20の先端が燃料タンク100の底面下段100bに強く押し付けられてしまう場合がある。かかる場合には、フィルタ装置20のフレーム22の先端部分(詳細には縦フレーム部48及び横フレーム部50が撓み、その製造誤差を吸収するようになっている。これによって、フィルタ装置20の破損を防止している。
【0027】
図1から明らかなように、フィルタ装置20が燃料タンク100に設置された状態では、フィルタ装置20が燃料タンク100の底面の形状(段付き形状)に応じて折れ曲がっている。このため、フィルタ装置20の先端を燃料タンク100の底面下段100bに配置することができる一方で、フィルタ装置20の燃料ポンプ12側の端部を燃料タンク100の底面上段100aに沿って略平行に配置することができる。このため、フィルタ装置20の全高が低く抑えられている。
【0028】
上述の説明から明らかなように、本実施形態のフィルタ装置20では、第1フレーム部材30に対して第2フレーム部材40が回動することで、フィルタ装置20が折れ曲がった状態となる。したがって、燃料タンク100の底面に段差100cがある場合でも、フィルタ装置20を燃料タンク100の底面に沿って配置することが可能となる。
また、フィルタ装置20を燃料タンク100の段差100cに合わせて折り曲げて配置することで、フィルタ70の表面が段差100cの角に接触することがない。このため、フィルタ70の磨耗や破損等を防止することができる。
なお、二輪車用の燃料タンクは、自動車用の燃料タンクと比較して複雑な形状を有し、燃料タンクの容量も小さい。本実施形態のフィルタ装置20は、長手方向に折り曲げ可能で、かつ、長手方向先端部が湾曲可能となっているため、二輪車用の燃料タンクに好適に搭載することができる。
【0029】
ところで、上述の実施形態においては、スナップフィット機構を用いて第2フレーム部材を第1フレーム部材に対して折り曲げた状態に保持したが、第2フレーム部材を折り曲げた状態に保持するための機構としては種々の機構を採用することができる。例えば、スナップフィット機構に替えてノッチ機構を用いることができる。ノッチ機構を利用する場合の一例を図14〜17を参照して説明する。
図14に示すように、第1フレーム部材30’の先端(第2フレーム部材40’側)には円盤状の第1連結板72が配設される。第1連結板72の中央には貫通孔74が穿設されている(図15参照)。貫通孔74の周囲には、等間隔(本例では90°間隔で計4箇所)に凸部76が設けられる。図15から明らかなように、凸部76は第1連結板72の片側の面にのみ設けられている。
一方、図16に示すように、第2フレーム部材40’の先端(第1フレーム部材30’側)には円盤状の第2連結板80が配設される。第2連結板80の中央には軸82が突設されている(図17参照)。軸82の周囲には、等間隔(本例では45°間隔で計8箇所)に貫通孔84が設けられる。
第1連結板72と第2連結板80の組み付けは、第1連結板72の貫通孔74に第2連結板80の軸82を嵌合させるだけでよい。第1連結板72と第2連結板80を組み付けることで、第1フレーム部材30’に対して第2フレーム部材40’が回動可能に組み付けられる。第1フレーム部材30’に第2フレーム部材40’が組み付けられた状態では、第1連結板72の凸部76が第2連結板80の貫通孔84のいずれかに係合する。凸部76が貫通孔84に係合することで、第2フレーム部材40’が第1フレーム部材30’に対して所定の角度で折れ曲がった状態に保持される。
また、貫通孔84が複数設けられていることから、凸部76が係合する貫通孔84の位置を変えることによって、第1フレーム部材30’に対する第2フレーム部材40’の角度を調整することもできる。このため、車種の違いやモデルチェンジ等によって燃料タンクの形状が変化した場合でも、燃料タンクの形状に合わせてフィルタ装置の折れ曲がり角度を調整することができる。特に、二輪車はモデルチェンジの間隔が短く、燃料タンクの形状も頻繁に変更される。このため、フィルタ装置の折れ曲がり角度が調整できると、その効果は大きい。
【0030】
また、ノッチ機構を用いて第2フレーム部材を第1フレーム部材に対して所定の角度に保持する場合、図18〜26に示すような構成を採ることもできる。すなわち、図21〜23に示すように、第2フレーム部材40”の先端側面(第1フレーム部材30”への取付側の側面)には軸92が突設され、その底面には突起90が形成される。一方、図24〜26に示すように、第1フレーム部材30”の先端には貫通孔88が形成される。また、第1フレーム部材30”の側面(第2フレーム部材40”への取付側の側面)には、階段状に形成された係止部86が設けられる。
図18〜20に示すように、第1フレーム部材30”の貫通孔88に第2フレーム部材40”の軸92を嵌合させることで、第1フレーム部材30”に対して第2フレーム部材40”が回動可能に組み付けることができる。第1フレーム部材30”に第2フレーム部材40”が組み付けられた状態では、第1フレーム部材30”の係止部86は、第2フレーム部材40”の先端外周面に沿って配置されている。第2フレーム部材40”が第1フレーム部材30”に対して回動すると、第2フレーム部材40”の突起90が第1フレーム部材30”の係止部86の各段86a,86b,86cに係合することができる。これによって、第1フレーム部材30”に対して第2フレーム部材40”が所定の角度に保持される。また、突起90が係合する係止部の段86a,86b,86cを変えることによって、第1フレーム部材30”に対する第2フレーム部材40”の角度を変更することもできる。
【0031】
さらに、上述した実施形態では、第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を別部材としたが、第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を樹脂等によって1体として成形することもできる。すなわち、図37に示すフレーム部材140は、上述した実施形態の第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を樹脂により一体成形したものである。図37に示すように、フレーム部材140の燃料ポンプ側141と先端側144との連結部には切り欠142が形成されている。したがって、フレーム部材140は、切り欠142の部分で容易に折れ曲がることができる。なお、上述の例ではフレーム部材140に切り欠142を1箇所だけ設けたが、燃料タンクの形状によっては切り欠を複数箇所設けてもよいし、フレーム部材の可撓性の程度によっては切り欠を設けなくてもよい。
フレーム部材140の燃料ポンプ側141には保持プレート148が設けられており、保持プレート148には差込孔148aが形成されている。一方、フレーム部材140の先端側144には保持片146が設けられており、保持片146の先端には爪146aが形成されている。このため、フレーム部材140が切り欠142で折れ曲がると、保持片146の爪146aが保持プレート148の差込孔148aを貫通する。これによって、フレーム部材140の先端側144が燃料ポンプ141側に対して折り曲げられた状態で保持されることとなる。このような構成によると、フレームを一体化できるため、フィルタ装置を組立てる際の工数を少なくすることができる。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態に係るフィルタ装置について図27〜32を参照して説明する。なお、本実施形態においてフィルタの構成等は、既に説明した実施形態と同様に構成することができるため、ここではフレームの構成についてのみ説明する。
図27〜29に示すようにフレーム101は、取付フランジ104と、縦フレーム部106と、複数の横フレーム部108a〜108eによって構成される。縦フレーム部106並びに複数の横フレーム部108a〜108eは、樹脂により成形されている。このため、縦フレーム部106及び横フレーム部108a〜108eは、ある程度の可撓性を備えている。
取付フランジ104の一端面には取付口102が設けられている。取付口102には、接続部材(燃料ポンプの吸込管が接続される部材)が嵌合等によって取付けられる。縦フレーム部106は、取付フランジ104からフィルタの長手方向に延びている。縦フレーム部106内には芯材110がインサートされている。芯材110は、縦フレーム部106を形成する樹脂よりも強度が高く、可塑性を有する材料によって構成されている。芯材110には、例えば、軟鋼線を用いることができる。軟鋼線を用いる場合、その材質は、鉄材(メッキ品もしくは耐食性を有するもの)やステンレス等を用いることが好ましい。横フレーム部108a〜108eは、縦フレーム部106の長手方向に略一定の間隔を空けて配置されている。各横フレーム部108a〜108eは、縦フレーム部106からフィルタの幅方向両側に張出し、その両端で略垂直下方に屈曲している。
ここで、芯材110は可塑性を有するため、芯材110を折り曲げた状態とすることができる。また、芯材110はフレーム101を形成する樹脂よりも強度が高いため、芯材110が折れ曲がると、縦フレーム部106も折れ曲がった状態となる。このため、図30〜32に示すように、縦フレーム部106を点Aで折り曲げると、フレーム101の先端側を燃料ポンプ側に対して折れ曲がった状態とすることができる。
上述の説明から明らかなように、第2実施形態のフィルタ装置では、フィルタ装置を折り曲げる位置及び角度並びに折り曲げ数等が制限されないため、複雑な形状の燃料タンクにも対応することができる。
なお、芯材は縦フレーム部にインサートする必要は必ずしもなく、縦フレーム部に別途芯材を固定するようにしてもよい。芯材の固定方法は、種々の方法を用いることができ、例えば、次に説明する第3実施形態の方法(芯材に環状の取付部を複数設け、それら取付部に棒状の芯材を挿通する方法)等を用いることができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態に係るフィルタ装置について図33〜36を参照して説明する。図33〜36に示すように、フィルタ装置120は、燃料ポンプへの接続部122と、この接続部122から側方に延設されたフィルタ部128と、フィルタ部128に取付けられるプレート部材136によって構成される。
図33によく示されるように、フィルタ部128は、袋状のフィルタ127と、このフィルタ127内に収容されたフレーム123によって構成される。フィルタ127の底面にはプレート取付部130a〜130cが設けられている。
フレーム123は、フィルタ127の長手方向に所定間隔で配された長方形状のフレーム枠126a〜126dと、隣接するフレーム枠同士を連結する縦フレーム124a〜124cから構成されている。フレーム枠126a〜126dと縦フレーム124a〜124cは樹脂によって成形されており、ある程度の可撓性を有している。
このフィルタ装置120のプレート取付部130a〜130cには、図34に示すようなプレート部材132が取り付けられる。プレート部材132は、フィルタ127の長手方向の長さと略同一の長さを有するプレート部134と、プレート部134の一端から立設されたストッパ部136により構成されている。プレート部材132は、フレーム123を形成する樹脂よりも強度の高い樹脂によって形成されている。プレート部134は、予め湾曲した形状に形成されている。したがって、図35に示すように、ストッパ部136がフィルタ127の先端に当接するまでプレート部材134をプレート取付部130a〜130cに右側より挿し込むと、フィルタ部128が湾曲した状態となる。
上述の説明から明らかなように、第3実施形態のフィルタ装置120でも、フィルタ装置120を長手方向に湾曲した状態とすることができる。
【0034】
以上、本発明の好適ないくつかの実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した各実施形態では、フィルタ装置を長手方向に折り曲げるようにしたが、フィルタ装置を幅方向に折り曲げるようにしてもよい。また、長手方向に複数箇所で折り曲げることもできる。
また、上述した各実施形態のフィルタ装置の燃料タンクへの設置方法は、実施形態に開示した方法に限られない。例えば、燃料タンクの段差に合わせてフィルタ装置を折り曲げ、フィルタ装置の先端を燃料タンクの底面に押し付けてさらに湾曲させてもよい。
【0035】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態のフィルタ装置の燃料タンクへの設置状態を示す側面図。
【図2】本実施形態のフィルタ装置の平面図。
【図3】図2に示すフィルタ装置の側面図(屈曲前の状態)。
【図4】図2に示すフィルタ装置の側面図(屈曲後の状態)。
【図5】図2に示すフィルタ装置を構成するフレームの平面図。
【図6】図5に示すフレームの側面図(屈曲前の状態)。
【図7】図5に示すフレームの側面図(屈曲後の状態)。
【図8】スナップフィット機構を拡大して示す側面図(屈曲前の状態)。
【図9】スナップフィット機構を拡大して示す側面図(屈曲後の状態)。
【図10】スナップフィット機構を拡大して示す平面図(屈曲前の状態)。
【図11】スナップフィット機構を拡大して示す平面図(屈曲後の状態)。
【図12】第1フレーム部材の保持プレートを第2フレーム部材側から見た図。
【図13】第2フレーム部材の保持片を第1フレーム部材側から見た図。
【図14】第2フレーム部材を所定の角度に保持するためのノッチ機構を説明するための図であり、第1フレーム部材側に設けられる組付け部の側面図。
【図15】図14のXV−XV線断面図。
【図16】第2フレーム部材側に設けられる組付け部の側面図。
【図17】図16のXVII−XVII線断面図。
【図18】第2フレーム部材を所定の角度に保持するための他のノッチ機構を説明するための側面図(屈曲前の状態)。
【図19】図18に示すノッチ機構の平面図。
【図20】図18に示すノッチ機構を第2フレーム部材側から見た断面図。
【図21】図18に示すノッチ機構を構成する第2フレーム部材側の端部の側面図。
【図22】図21に示す第2フレーム部材側の端部の平面図。
【図23】図21に示す第2フレーム部材側の端部を第1フレーム部材側から見た図。
【図24】図21に示す第1フレーム部材側の端部の側面図。
【図25】図24に示す第1フレーム部材側の端部の平面図。
【図26】図24に示す第1フレーム部材側の端部を第2フレーム部材側から見た図。
【図27】本発明の他の実施形態に係るフィルタ装置を構成するフレームの側面図(屈曲前の状態)。
【図28】図27に示すフレームの平面図(屈曲前の状態)。
【図29】図27に示すフレームを右側から見た図(屈曲前の状態)。
【図30】図27に示すフレームの側面図(屈曲後の状態)。
【図31】図30に示すフレームの平面図(屈曲後の状態)。
【図32】図30に示すフレームを右側から見た図(屈曲後の状態)。
【図33】他の実施形態に係るフィルタ装置のフィルタ部の側面図。
【図34】プレート部材の側面図。
【図35】図33のフィルタ部に図34のプレート部材が取付けられた状態を示す側面図。
【図36】図33の右端側からフィルタ部とプレート部材を見た図。
【図37】図1に示すフィルタ装置の変形例の一部拡大側面図。
【図38】従来のフィルタ装置を底面に段が形成された燃料タンクに設置した状態の一例を示す模式図。
【図39】従来のフィルタ装置を底面に段が形成された燃料タンクに設置した状態の他の例を示す模式図。
【符号の説明】
【0037】
12・・燃料ポンプ
20・・フィルタ装置
22・・フレーム
30・・第1フレーム部材
36・・支持フレーム
38・・保持プレート
40・・第2フレーム部材
42・・取付腕
44・・保持片
44a・・爪
48・・縦フレーム部
50・・横フレーム部
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ポンプの燃料吸入側に取付けられるフィルタ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ装置としては特許文献1に記載のものが知られている。このフィルタ装置は、袋状に形成されたフィルタ(メッシュ)と、このフィルタを中空状に保持するフレームによって構成される。フレームは、燃料吸引時に袋状のフィルタが密着しないようにフィルタ内に挿入されている。このフィルタ装置は、燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられ、燃料ポンプと共に燃料タンク内に配置される。燃料ポンプが作動すると、燃料タンク内の燃料は、フィルタ装置により異物が除去されてから燃料ポンプに吸引される。
【特許文献1】特開平7−148405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、燃料タンクの扁平化から燃料タンクの高さ方向の寸法が短くなっており、燃料ポンプ及びフィルタ装置の燃料タンクへの搭載性の向上が大きな課題となっている。このため、特許文献1のフィルタ装置では、フレームを樹脂によって形成することで可撓性が付与され、フィルタ装置を燃料タンクの底面に押し付け、フレーム(すなわち、フィルタ装置)を湾曲させた状態で燃料タンクに搭載することが可能となっている。これによって、燃料タンクへの搭載性の向上が図られている。
しかしながら、特許文献1のフィルタ装置は、燃料タンクに押し付けられて湾曲するため、任意の方向に湾曲させることができない。このため、燃料タンクの形状が複雑となると、燃料タンクの形状に応じた最適な位置にフィルタ装置を配置することができなくなる。例えば、図38に示すように燃料タンクの底面に段差がある場合に、フィルタ装置を下段202bに押し付けると、フィルタ装置の中央が上段202aの角202cに当接し、それ以上フィルタ装置を傾けることができなくなるため、フィルタ装置の全高が高くなる(図中、204aがフィルタ装置の軸線を表している。)。一方、図39に示すようにフィルタ装置を上段202aに押し付けて湾曲させると、フィルタ装置の全高は抑えられるものの、フィルタ装置の先端が下段202bから離れ、燃料タンク内の燃料を最大限吸引することができなくなる(図中、204bがフィルタ装置の軸線を表している。)。
【0004】
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料タンクの形状が複雑な場合であっても、燃料タンクの形状に応じた適切な位置に配置することが可能となるフィルタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に係る第1のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、そのフィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームとを有する。そして、フレームは、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されている。
このフィルタ装置では、外部から力を作用させなくても、フレームが折り曲げられた状態(湾曲状態又は屈曲状態)を維持できるように構成されている。このため、フィルタ装置を燃料タンクに押し付けなくても、フレーム(すなわち、フィルタ)を折り曲げられた状態とすることができる。したがって、燃料タンクの形状が複雑であっても、燃料タンクの形状に応じてフレーム(フィルタ)を折り曲げることができ、フィルタ装置を適切な位置に配置することができる。
【0006】
上記フィルタ装置の一態様においては、フレームが、燃料ポンプ側に設けられる第1フレーム部材と、第1フレーム部材に回動可能に取付けられる第2フレーム部材とを備えることが好ましい。このフィルタ装置では、第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して回動することで、フィルタ装置を折り曲げた状態とすることができる。また、第1フレーム部材に対する第2フレーム部材の角度を調整することで、フィルタ装置の折り曲げ角度を調整することもできる。
【0007】
上述の構成を採用する場合、第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して所定の角度となるように第2フレーム部材を保持する保持手段をさらに有することが好ましい。このような構成によると、フィルタ装置が安定して折り曲げられた状態を維持することができる。保持手段としては、例えば、第1フレーム部材と第2フレーム部材との間に設けられるスナップフィット機構又はノッチ機構等を用いることができる。
【0008】
また、第2フレーム部材は、その剛性が第1フレーム部材の剛性より低くされていることが好ましい。このような構成によると、フィルタ装置は先端側(燃料ポンプへの取付端側と反対側)で撓み易くなる。このため、フィルタ装置の先端が燃料タンクの底面に接触しても、フィルタ装置の先端が変形し、フィルタ装置の破損等が防止される。
【0009】
また、第2フレーム部材は、第1フレーム部材に組み付けられる組付け部と、組付け部よりフィルタの長手方向に延びる縦フレーム部と、この縦フレーム部からフィルタの幅方向両側に張出した横フレーム部とによって構成することができる。この場合、縦フレーム部及び/又は横フレーム部の剛性が組付け部の剛性より低くされていることが好ましい。このような構成によると、第2フレーム部材の第1フレーム部材に対する組付けを強固に行いつつ、その先端を撓みやすくすることができる。
なお、縦フレーム部の先端及び/又は横フレーム部の先端には、フィルタを所定形状に保持するための保持部を設けることが好ましい。このような構成によると、フィルタの長手方向先端及び/又は幅方向両端が保持部で支持されるため、フィルタの端部まで中空状態で保持され、燃料の吸入効率を高めることができる。
【0010】
上記フィルタ装置の他の態様においては、フレームは、フィルタの長手方向に延びるメインフレーム部と、そのメインフレーム部の少なくとも一箇所を折り曲げられた状態に保持する保持手段とを有することが好ましい。
このフィルタ装置では、保持手段によってメインフレーム部が折り曲げられた状態で保持される。このため、外部から力が作用しなくても(例えば、フィルタ装置が燃料タンクに押し付けられなくても)、フィルタ装置を折り曲げた状態とすることができる。
この態様のフィルタ装置の一実施例では、メインフレーム部の少なくとも一箇所に厚みが小さい箇所(薄肉部)を設け、その薄肉部でメインフレーム部を折り曲げ可能に構成する。そして、薄肉部の両側(燃料ポンプへの取付端側と反取付端側)をスナップフィット機構等によって連結する。これによって、外部から力が作用しなくても、メインフレーム部は薄肉部において折り曲げられた状態となる。
【0011】
本願に係る第2のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有する。フレームは、少なくともその一部に芯材が配設されている。そして、芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、可塑性を有している。
このフィルタ装置では、フレームの少なくとも一部に芯材が配設され、フレームと芯材とが一体化されている。芯材の強度はフレームを形成する材料のそれより高いため、芯材と一体化された部分では、フレームの形状は芯材の形状に倣った形状となる。また、芯材は可塑性を有するため、折り曲げることができる。したがって、芯材を折り曲げることで、フレーム及びフィルタを折り曲げた状態とすることができる。
【0012】
上記フィルタ装置においては、フレームと芯材を別部材とし、フレームに芯材を取付けるように構成することができる。あるいは、フレームに芯材をインサートして、両者を一体成形することもできる。
フレームに芯材を取付ける場合、例えば、フィルタの長手方向に延びる縦フレーム部に芯材を取付けるための環状部を複数形成し、それら環状部に芯材を挿通する構成を採ることができる。このような構成によると、縦フレーム部(フィルタの長手方向に延びる部位)を折り曲げた状態とすることができ、その結果、フィルタを長手方向に折り曲げた状態とすることができる。
【0013】
本願に係る第3のフィルタ装置は、燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去する。このフィルタ装置は、袋状のフィルタと、フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームとを有する。フレーム又はフィルタには、少なくともその一部に芯材が取付けられる。そして、芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、予め所定の形状に成形されている。
このフィルタ装置では、フレーム又はフィルタの少なくとも一部に芯材が取付けられている。芯材の強度はフレームの材料より高いため、芯材が取付けられた部分では、フレーム(フィルタ)の形状は芯材の形状に倣った形状となる。芯材は予め所定の形状に形成されているため、芯材が取付けられたフレームも所定の形状となる。したがって、芯材を所望の形状に予め成形しておくことで、フレーム及びフィルタを所望の形状とすることができる。このため、燃料タンクの形状に応じてフィルタ装置を適切な位置に配置することができる。
【0014】
また、本願は新規な燃料タンクユニットを提供する。すなわち、本願の燃料タンクユニットは、燃料タンクと、燃料タンク内に配置された燃料ポンプと、燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられた上述したフィルタ装置のいずれかを備える。そして、フィルタ装置のフレームが、燃料タンクの底面に倣って折り曲げられている。
この燃料タンクユニットでは、燃料タンクの底面に倣ってフィルタ装置のフレームが折り曲げられるため、フィルタ装置が燃料タンクの底面に倣って配置される。このため、燃料タンクが複雑な形状となる場合(例えば、段付きの燃料タンク)であっても、燃料タンクの最も低い面にフィルタの先端を配置でき、かつ、フィルタ装置の全高を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具現化した一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るフィルタ装置20の燃料タンク100への設置状態を示す図である。図1に示すように、フィルタ装置20には燃料ポンプ12が接続されている。燃料ポンプ12及びフィルタ装置20は、燃料タンク100内に設置される。図から明らかなように、燃料タンク100の底面には段差100cが設けられており、上段100aと下段100bが設けられている。
【0016】
燃料ポンプ12の上面には、外部コネクタ14と吐出管取付部16が設けられている。外部コネクタ14は図示しない電源装置に接続される。電源装置は、外部コネクタ14を介して燃料ポンプ12へ電力を供給する。吐出管取付部16には、図示しない吐出管が取付けられる。吐出管の他端にはインジェクタが接続され、このインジェクタからエンジンに燃料が供給される。
燃料ポンプ12の下面には燃料吸入口18が設けられている。燃料吸入口18にはフィルタ装置20が取付けられている。燃料ポンプ12が作動すると、燃料タンク100内の燃料は、フィルタ装置20によって異物を取り除かれ、燃料吸入口18を通って燃料ポンプ12内に吸引される。燃料ポンプ12内に吸引された燃料は、吐出管取付部16から燃料タンク100外に吐出される。
【0017】
図2〜4に示すように、フィルタ装置20は、フィルタ70と、フィルタ70の内部に収容されるフレーム22とで構成されている。フィルタ70は、織布および不織布等の濾布によって構成され、その上下面には燃料をろ過する網目が形成されている。フィルタ70は、フレーム22を包み込むようにして少なくとも1枚以上の濾布(例えば、不織布等)の周囲70Aを重ね合わせ、その周囲70Aを溶着することで袋状に形成されている。フィルタ70は、内部に収容されたフレーム22によって内側から押し拡げられて中空状態とされる。したがって、燃料ポンプ作動時においてもフレーム22によってフィルタ70が中空状態を維持し、確実に燃料タンク100内の燃料を吸い込むことができるようになっている。
【0018】
また、フィルタ70の下面には当接部56,58が設けられている(図3,4参照)。図1,4に示すように、フィルタ装置20が燃料タンク100内に設置されると、当接部56が燃料タンク100の底面上段100aに当接し、当接部58が燃料タンク100の底面下段100bに当接する。これによって、フィルタ70が燃料タンク100の底面100a,100bに直に接触せず、フィルタ70の磨耗等が防止される。
【0019】
図5〜7によく示されるようにフレーム22は、接続部材23、第1フレーム部材30及び第2フレーム部材40によって構成されている。接続部材23は樹脂により成形されている。接続部材23には、取付孔24と、この取付孔24に連通する燃料流路26が形成されている。取付孔24には燃料ポンプ12の燃料吸入口18が挿し込まれるようになっている。すなわち、接続部材23はフィルタ70に形成された取付孔(図示省略)からフィルタ70外に突出して配置されており、接続部材23の取付孔24に燃料ポンプ12が接続可能となっている(図3,4参照)。なお、接続部材23とフィルタ70とはインサート成型等によって成型されており、両者の隙間からフィルタ70内に異物が入り込まないようになっている。
【0020】
上述した接続部材23には第1フレーム部材30が固定されている。第1フレーム部材30は、連結プレート32、支持プレート36及び保持プレート38によって構成されている。連結プレート32、支持プレート36及び保持プレート38は樹脂によって一体に成形されている。
連結プレート32は、第1フレーム部材30の一端(接続部材23側の端部)に設けられている。連結プレート32は方形状に形成されており、その内部に燃料流路34が形成されている。燃料流路34は連結プレート34を貫通し、その一端(接続部材23側)は燃料流路26に連通し、その他端はフィルタ70の内部空間に連通する。したがって、フィルタ70内に吸引された燃料は、連結プレート34の端面34a側から燃料流路34,26及び燃料吸入口18を通って、燃料ポンプ12内に吸引されるようになっている。
【0021】
連結プレート32の端面34aには、フィルタ70の幅方向に互いに間隔を空けて2つの支持プレート36が連設されている。2つの支持プレート36はフィルタ70の長手方向先端に向かって延びており、これら支持プレート36の間に燃料流路34が開口している。支持プレート36の外側にはリブ36bが形成されている。リブ36bによって支持プレート36の強度が向上し、支持プレート46が撓み難いようになっている、
2つの支持プレート36の先端(第2フレーム部材40側)は、保持プレート38によって互いに連結されている。保持プレート38には、スリット状の差込孔38aが形成されている(図12参照)。また、各支持プレート36の先端には貫通孔36aが形成されている。
【0022】
上記第1フレーム部材30には第2フレーム部材40が組付けられる。第2フレーム部材40は、取付腕42、横プレート46、保持片44、縦フレーム部48及び横フレーム部50等によって構成されている。取付腕42、横プレート46、保持片44、縦フレーム部48及び横フレーム部50等は、樹脂によって一体に成形されている。
横プレート46の両端には取付腕42が設けられている。取付腕42は、横プレート46の端部から第1フレーム部材30側に向かって延びている。各取付腕42の先端(第1フレーム部材30側)には外側に突出する突出部(軸)42aが形成されている。突出部42aは、支持プレート36の貫通孔36aに遊嵌する。このため、取付腕42は、突出部42aを中心として、支持プレート36に対して回動可能となっている。
なお、2本の取付腕42は、突出部42aが設けられた端部が開放されている。このため、取付腕42の突出部42a側の端部は容易に撓むことができる。したがって、取付腕42の突出部42a側の端部を内側に撓ませて、取付腕42の突出部42aを支持プレート36の貫通孔36aに簡単に組付けることができる。一方、支持プレート36はリブ36bによって補強され、撓み難くなっている。このため、支持プレート36に外力が作用しても変形することがなく、取付腕42が支持プレート36から脱落し難いようになっている。
【0023】
横プレート46には保持片44が連設されている。保持片44は、横プレート46から下方に延び、その下端で第1フレーム部材30側に屈曲し、その先端は保持プレート38まで延びている(図6,7参照)。保持片44の先端は2つに割れており、左右それぞれに爪44aが形成されている(図10,11,13参照)。保持片44の先端が2つに割れているため、爪44aは幅方向(フィルタ70の幅方向)に変形可能となっている。
【0024】
図6,8,10に示されるように、第1フレーム部材30に対して第2フレーム部材40が直線状となっている状態では、保持片44の爪44aが保持プレート38の差込孔38aに差込まれていない。この状態から第2フレーム部材40を回動させると(図6において時計回りの方向)、保持片44の爪44aが保持プレート38に当接して内側に変形し、保持プレート38の差込孔38aに差込まれる。第2フレーム部材40をさらに回動させると、保持片44の爪44aが保持プレート38を貫通する状態となる(図9,11に示す状態)。図11に示されるように、保持片44の爪44aが差込孔38aを貫通すると、爪44aがその弾性によって元の形状に復帰する(すなわち、左右に開く)。このため、保持片44の爪44aが保持プレート38に係合し、第2フレーム部材40が反時計周りに回動することが規制される(すなわち、第1フレーム部材30に対して直線状に戻ることが規制される)。また、保持片44の当接部44bが保持プレート38に当接することで、第2フレーム部材40が時計周りに回動することも規制される。これによって、第2フレーム部材40は、第1フレーム部材30に対して所定の角度で折れ曲がった状態で保持される(図7の状態)。すなわち、第1フレーム部材30の保持プレート38と第2フレーム部材40の保持片44によって構成されるスナップフィット機構によって、第2フレーム部材40は第1フレーム部材30に対して所定の角度で保持される。
【0025】
図5〜7に戻って、上述の保持片44には、フィルタ70の長手方向へ延びる縦フレーム部48と、この縦フレーム部48からフィルタ70の幅方向両側に張出した横フレーム部50が連設されている。縦フレーム部48と横フレーム部50は、その断面積が取付腕42、横プレート46、保持片44のそれらより小さく、これらの部位42,46,44より撓み易くなっている。
また、縦フレーム部48の先端には、フィルタ70の幅方向に張り出した横リブ54が設けられており、横フレーム部50の左右両端には保持部52が形成されている。保持部52には、フィルタ70の厚み方向に突出する突部52aと、フィルタ70の幅方向に張出した突部52bが形成されている。フレーム22がフィルタ70内に収容された状態では、横リブ54及び保持部52の突部52a及び突部52bがフィルタ70の内側に当接する。なお、横リブ54及び保持部52は、縦フレーム部48や横フレーム部46に対して剛性が高められている。このため、燃料ポンプ12が作動してフィルタ70に吸引力が作用しても、フィルタ70が中空状態を維持できるようになっている。
【0026】
次に、上述したフィルタ装置20の燃料タンク100への設置手順の一例を説明する。まず、フィルタ装置20を直線状の状態(図3に示す状態)で、フィルタ装置20の取付孔24に燃料ポンプ12の燃料吸入口18を差込み、フィルタ装置20の先端を折り曲げる。次に、フィルタ装置20の燃料ポンプ12側が燃料タンク100の底面上段100a側となり、フィルタ装置20の先端が燃料タンク100の底面下段100b側となるようにフィルタ装置20および燃料ポンプ12の向きを調整する(図1参照)。そして、フィルタ装置20を燃料タンク100に設置する。フィルタ装置20が燃料タンク100に設置された状態では、当接部56が燃料タンク100の底面上段100aに当接し、当接部58が燃料タンク100の底面下段100bに当接している。
なお、燃料タンク100やフィルタ装置20の製造誤差等によって、フィルタ装置20の先端が燃料タンク100の底面下段100bに強く押し付けられてしまう場合がある。かかる場合には、フィルタ装置20のフレーム22の先端部分(詳細には縦フレーム部48及び横フレーム部50が撓み、その製造誤差を吸収するようになっている。これによって、フィルタ装置20の破損を防止している。
【0027】
図1から明らかなように、フィルタ装置20が燃料タンク100に設置された状態では、フィルタ装置20が燃料タンク100の底面の形状(段付き形状)に応じて折れ曲がっている。このため、フィルタ装置20の先端を燃料タンク100の底面下段100bに配置することができる一方で、フィルタ装置20の燃料ポンプ12側の端部を燃料タンク100の底面上段100aに沿って略平行に配置することができる。このため、フィルタ装置20の全高が低く抑えられている。
【0028】
上述の説明から明らかなように、本実施形態のフィルタ装置20では、第1フレーム部材30に対して第2フレーム部材40が回動することで、フィルタ装置20が折れ曲がった状態となる。したがって、燃料タンク100の底面に段差100cがある場合でも、フィルタ装置20を燃料タンク100の底面に沿って配置することが可能となる。
また、フィルタ装置20を燃料タンク100の段差100cに合わせて折り曲げて配置することで、フィルタ70の表面が段差100cの角に接触することがない。このため、フィルタ70の磨耗や破損等を防止することができる。
なお、二輪車用の燃料タンクは、自動車用の燃料タンクと比較して複雑な形状を有し、燃料タンクの容量も小さい。本実施形態のフィルタ装置20は、長手方向に折り曲げ可能で、かつ、長手方向先端部が湾曲可能となっているため、二輪車用の燃料タンクに好適に搭載することができる。
【0029】
ところで、上述の実施形態においては、スナップフィット機構を用いて第2フレーム部材を第1フレーム部材に対して折り曲げた状態に保持したが、第2フレーム部材を折り曲げた状態に保持するための機構としては種々の機構を採用することができる。例えば、スナップフィット機構に替えてノッチ機構を用いることができる。ノッチ機構を利用する場合の一例を図14〜17を参照して説明する。
図14に示すように、第1フレーム部材30’の先端(第2フレーム部材40’側)には円盤状の第1連結板72が配設される。第1連結板72の中央には貫通孔74が穿設されている(図15参照)。貫通孔74の周囲には、等間隔(本例では90°間隔で計4箇所)に凸部76が設けられる。図15から明らかなように、凸部76は第1連結板72の片側の面にのみ設けられている。
一方、図16に示すように、第2フレーム部材40’の先端(第1フレーム部材30’側)には円盤状の第2連結板80が配設される。第2連結板80の中央には軸82が突設されている(図17参照)。軸82の周囲には、等間隔(本例では45°間隔で計8箇所)に貫通孔84が設けられる。
第1連結板72と第2連結板80の組み付けは、第1連結板72の貫通孔74に第2連結板80の軸82を嵌合させるだけでよい。第1連結板72と第2連結板80を組み付けることで、第1フレーム部材30’に対して第2フレーム部材40’が回動可能に組み付けられる。第1フレーム部材30’に第2フレーム部材40’が組み付けられた状態では、第1連結板72の凸部76が第2連結板80の貫通孔84のいずれかに係合する。凸部76が貫通孔84に係合することで、第2フレーム部材40’が第1フレーム部材30’に対して所定の角度で折れ曲がった状態に保持される。
また、貫通孔84が複数設けられていることから、凸部76が係合する貫通孔84の位置を変えることによって、第1フレーム部材30’に対する第2フレーム部材40’の角度を調整することもできる。このため、車種の違いやモデルチェンジ等によって燃料タンクの形状が変化した場合でも、燃料タンクの形状に合わせてフィルタ装置の折れ曲がり角度を調整することができる。特に、二輪車はモデルチェンジの間隔が短く、燃料タンクの形状も頻繁に変更される。このため、フィルタ装置の折れ曲がり角度が調整できると、その効果は大きい。
【0030】
また、ノッチ機構を用いて第2フレーム部材を第1フレーム部材に対して所定の角度に保持する場合、図18〜26に示すような構成を採ることもできる。すなわち、図21〜23に示すように、第2フレーム部材40”の先端側面(第1フレーム部材30”への取付側の側面)には軸92が突設され、その底面には突起90が形成される。一方、図24〜26に示すように、第1フレーム部材30”の先端には貫通孔88が形成される。また、第1フレーム部材30”の側面(第2フレーム部材40”への取付側の側面)には、階段状に形成された係止部86が設けられる。
図18〜20に示すように、第1フレーム部材30”の貫通孔88に第2フレーム部材40”の軸92を嵌合させることで、第1フレーム部材30”に対して第2フレーム部材40”が回動可能に組み付けることができる。第1フレーム部材30”に第2フレーム部材40”が組み付けられた状態では、第1フレーム部材30”の係止部86は、第2フレーム部材40”の先端外周面に沿って配置されている。第2フレーム部材40”が第1フレーム部材30”に対して回動すると、第2フレーム部材40”の突起90が第1フレーム部材30”の係止部86の各段86a,86b,86cに係合することができる。これによって、第1フレーム部材30”に対して第2フレーム部材40”が所定の角度に保持される。また、突起90が係合する係止部の段86a,86b,86cを変えることによって、第1フレーム部材30”に対する第2フレーム部材40”の角度を変更することもできる。
【0031】
さらに、上述した実施形態では、第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を別部材としたが、第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を樹脂等によって1体として成形することもできる。すなわち、図37に示すフレーム部材140は、上述した実施形態の第1フレーム部材30と第2フレーム部材40を樹脂により一体成形したものである。図37に示すように、フレーム部材140の燃料ポンプ側141と先端側144との連結部には切り欠142が形成されている。したがって、フレーム部材140は、切り欠142の部分で容易に折れ曲がることができる。なお、上述の例ではフレーム部材140に切り欠142を1箇所だけ設けたが、燃料タンクの形状によっては切り欠を複数箇所設けてもよいし、フレーム部材の可撓性の程度によっては切り欠を設けなくてもよい。
フレーム部材140の燃料ポンプ側141には保持プレート148が設けられており、保持プレート148には差込孔148aが形成されている。一方、フレーム部材140の先端側144には保持片146が設けられており、保持片146の先端には爪146aが形成されている。このため、フレーム部材140が切り欠142で折れ曲がると、保持片146の爪146aが保持プレート148の差込孔148aを貫通する。これによって、フレーム部材140の先端側144が燃料ポンプ141側に対して折り曲げられた状態で保持されることとなる。このような構成によると、フレームを一体化できるため、フィルタ装置を組立てる際の工数を少なくすることができる。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態に係るフィルタ装置について図27〜32を参照して説明する。なお、本実施形態においてフィルタの構成等は、既に説明した実施形態と同様に構成することができるため、ここではフレームの構成についてのみ説明する。
図27〜29に示すようにフレーム101は、取付フランジ104と、縦フレーム部106と、複数の横フレーム部108a〜108eによって構成される。縦フレーム部106並びに複数の横フレーム部108a〜108eは、樹脂により成形されている。このため、縦フレーム部106及び横フレーム部108a〜108eは、ある程度の可撓性を備えている。
取付フランジ104の一端面には取付口102が設けられている。取付口102には、接続部材(燃料ポンプの吸込管が接続される部材)が嵌合等によって取付けられる。縦フレーム部106は、取付フランジ104からフィルタの長手方向に延びている。縦フレーム部106内には芯材110がインサートされている。芯材110は、縦フレーム部106を形成する樹脂よりも強度が高く、可塑性を有する材料によって構成されている。芯材110には、例えば、軟鋼線を用いることができる。軟鋼線を用いる場合、その材質は、鉄材(メッキ品もしくは耐食性を有するもの)やステンレス等を用いることが好ましい。横フレーム部108a〜108eは、縦フレーム部106の長手方向に略一定の間隔を空けて配置されている。各横フレーム部108a〜108eは、縦フレーム部106からフィルタの幅方向両側に張出し、その両端で略垂直下方に屈曲している。
ここで、芯材110は可塑性を有するため、芯材110を折り曲げた状態とすることができる。また、芯材110はフレーム101を形成する樹脂よりも強度が高いため、芯材110が折れ曲がると、縦フレーム部106も折れ曲がった状態となる。このため、図30〜32に示すように、縦フレーム部106を点Aで折り曲げると、フレーム101の先端側を燃料ポンプ側に対して折れ曲がった状態とすることができる。
上述の説明から明らかなように、第2実施形態のフィルタ装置では、フィルタ装置を折り曲げる位置及び角度並びに折り曲げ数等が制限されないため、複雑な形状の燃料タンクにも対応することができる。
なお、芯材は縦フレーム部にインサートする必要は必ずしもなく、縦フレーム部に別途芯材を固定するようにしてもよい。芯材の固定方法は、種々の方法を用いることができ、例えば、次に説明する第3実施形態の方法(芯材に環状の取付部を複数設け、それら取付部に棒状の芯材を挿通する方法)等を用いることができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態に係るフィルタ装置について図33〜36を参照して説明する。図33〜36に示すように、フィルタ装置120は、燃料ポンプへの接続部122と、この接続部122から側方に延設されたフィルタ部128と、フィルタ部128に取付けられるプレート部材136によって構成される。
図33によく示されるように、フィルタ部128は、袋状のフィルタ127と、このフィルタ127内に収容されたフレーム123によって構成される。フィルタ127の底面にはプレート取付部130a〜130cが設けられている。
フレーム123は、フィルタ127の長手方向に所定間隔で配された長方形状のフレーム枠126a〜126dと、隣接するフレーム枠同士を連結する縦フレーム124a〜124cから構成されている。フレーム枠126a〜126dと縦フレーム124a〜124cは樹脂によって成形されており、ある程度の可撓性を有している。
このフィルタ装置120のプレート取付部130a〜130cには、図34に示すようなプレート部材132が取り付けられる。プレート部材132は、フィルタ127の長手方向の長さと略同一の長さを有するプレート部134と、プレート部134の一端から立設されたストッパ部136により構成されている。プレート部材132は、フレーム123を形成する樹脂よりも強度の高い樹脂によって形成されている。プレート部134は、予め湾曲した形状に形成されている。したがって、図35に示すように、ストッパ部136がフィルタ127の先端に当接するまでプレート部材134をプレート取付部130a〜130cに右側より挿し込むと、フィルタ部128が湾曲した状態となる。
上述の説明から明らかなように、第3実施形態のフィルタ装置120でも、フィルタ装置120を長手方向に湾曲した状態とすることができる。
【0034】
以上、本発明の好適ないくつかの実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した各実施形態では、フィルタ装置を長手方向に折り曲げるようにしたが、フィルタ装置を幅方向に折り曲げるようにしてもよい。また、長手方向に複数箇所で折り曲げることもできる。
また、上述した各実施形態のフィルタ装置の燃料タンクへの設置方法は、実施形態に開示した方法に限られない。例えば、燃料タンクの段差に合わせてフィルタ装置を折り曲げ、フィルタ装置の先端を燃料タンクの底面に押し付けてさらに湾曲させてもよい。
【0035】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態のフィルタ装置の燃料タンクへの設置状態を示す側面図。
【図2】本実施形態のフィルタ装置の平面図。
【図3】図2に示すフィルタ装置の側面図(屈曲前の状態)。
【図4】図2に示すフィルタ装置の側面図(屈曲後の状態)。
【図5】図2に示すフィルタ装置を構成するフレームの平面図。
【図6】図5に示すフレームの側面図(屈曲前の状態)。
【図7】図5に示すフレームの側面図(屈曲後の状態)。
【図8】スナップフィット機構を拡大して示す側面図(屈曲前の状態)。
【図9】スナップフィット機構を拡大して示す側面図(屈曲後の状態)。
【図10】スナップフィット機構を拡大して示す平面図(屈曲前の状態)。
【図11】スナップフィット機構を拡大して示す平面図(屈曲後の状態)。
【図12】第1フレーム部材の保持プレートを第2フレーム部材側から見た図。
【図13】第2フレーム部材の保持片を第1フレーム部材側から見た図。
【図14】第2フレーム部材を所定の角度に保持するためのノッチ機構を説明するための図であり、第1フレーム部材側に設けられる組付け部の側面図。
【図15】図14のXV−XV線断面図。
【図16】第2フレーム部材側に設けられる組付け部の側面図。
【図17】図16のXVII−XVII線断面図。
【図18】第2フレーム部材を所定の角度に保持するための他のノッチ機構を説明するための側面図(屈曲前の状態)。
【図19】図18に示すノッチ機構の平面図。
【図20】図18に示すノッチ機構を第2フレーム部材側から見た断面図。
【図21】図18に示すノッチ機構を構成する第2フレーム部材側の端部の側面図。
【図22】図21に示す第2フレーム部材側の端部の平面図。
【図23】図21に示す第2フレーム部材側の端部を第1フレーム部材側から見た図。
【図24】図21に示す第1フレーム部材側の端部の側面図。
【図25】図24に示す第1フレーム部材側の端部の平面図。
【図26】図24に示す第1フレーム部材側の端部を第2フレーム部材側から見た図。
【図27】本発明の他の実施形態に係るフィルタ装置を構成するフレームの側面図(屈曲前の状態)。
【図28】図27に示すフレームの平面図(屈曲前の状態)。
【図29】図27に示すフレームを右側から見た図(屈曲前の状態)。
【図30】図27に示すフレームの側面図(屈曲後の状態)。
【図31】図30に示すフレームの平面図(屈曲後の状態)。
【図32】図30に示すフレームを右側から見た図(屈曲後の状態)。
【図33】他の実施形態に係るフィルタ装置のフィルタ部の側面図。
【図34】プレート部材の側面図。
【図35】図33のフィルタ部に図34のプレート部材が取付けられた状態を示す側面図。
【図36】図33の右端側からフィルタ部とプレート部材を見た図。
【図37】図1に示すフィルタ装置の変形例の一部拡大側面図。
【図38】従来のフィルタ装置を底面に段が形成された燃料タンクに設置した状態の一例を示す模式図。
【図39】従来のフィルタ装置を底面に段が形成された燃料タンクに設置した状態の他の例を示す模式図。
【符号の説明】
【0037】
12・・燃料ポンプ
20・・フィルタ装置
22・・フレーム
30・・第1フレーム部材
36・・支持フレーム
38・・保持プレート
40・・第2フレーム部材
42・・取付腕
44・・保持片
44a・・爪
48・・縦フレーム部
50・・横フレーム部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレームは、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
フレームは、燃料ポンプ側に設けられる第1フレーム部材と、第1フレーム部材に回動可能に取付けられる第2フレーム部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して所定の角度となるように第2フレーム部材を保持する保持手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
保持手段は、第1フレーム部材と第2フレーム部材との間に設けられたスナップフィット機構又はノッチ機構であることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
第2フレーム部材の剛性が、第1フレーム部材の剛性より低くされていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項6】
第2フレーム部材は、第1フレーム部材に組み付けられる組付け部と、組付け部よりフィルタの長手方向に延びる縦フレーム部と、この縦フレーム部からフィルタの幅方向両側に張出した横フレーム部とを有し、縦フレーム部及び/又は横フレーム部の剛性が組付け部の剛性より低くされていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項7】
縦フレーム部の先端及び/又は横フレーム部の先端には、フィルタを所定形状に保持するための保持部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
フレームは、フィルタの長手方向に延びる可撓性のあるメインフレーム部と、そのメインフレーム部の少なくとも一箇所を折り曲げられた状態に保持する保持手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレームは、少なくともその一部に芯材が配設されており、
その芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、可塑性を有していることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項10】
フレームと芯材は別部材であり、フレームに芯材が取付けられていることを特徴とする請求項9に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
フレームは、フィルタの長手方向に延びる縦フレーム部を有しており、その縦フレーム部には芯材を取付けるための環状部が複数形成されており、芯材がそれら環状部に挿通されていることを特徴とする請求項10に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
芯材がフレームにインサートされていることを特徴とする請求項9に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレーム又はフィルタには、少なくともその一部に芯材が取付けられており、
その芯材は、フレームを形成する樹脂よりも強度が高く、かつ、予め所定形状に成形されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項14】
燃料タンクと、
燃料タンク内に配置された燃料ポンプと、
燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられた請求項1〜13のいずれかに記載のフィルタ装置と、を備え、
フィルタ装置のフレーム体が、燃料タンクの底面に倣って折り曲げられていることを特徴とする燃料タンクユニット。
【請求項1】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレームは、少なくとも1箇所において、外部から力が作用しなくても折り曲げられた状態で維持できるように構成されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
フレームは、燃料ポンプ側に設けられる第1フレーム部材と、第1フレーム部材に回動可能に取付けられる第2フレーム部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
第2フレーム部材が第1フレーム部材に対して所定の角度となるように第2フレーム部材を保持する保持手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
保持手段は、第1フレーム部材と第2フレーム部材との間に設けられたスナップフィット機構又はノッチ機構であることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
第2フレーム部材の剛性が、第1フレーム部材の剛性より低くされていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項6】
第2フレーム部材は、第1フレーム部材に組み付けられる組付け部と、組付け部よりフィルタの長手方向に延びる縦フレーム部と、この縦フレーム部からフィルタの幅方向両側に張出した横フレーム部とを有し、縦フレーム部及び/又は横フレーム部の剛性が組付け部の剛性より低くされていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項7】
縦フレーム部の先端及び/又は横フレーム部の先端には、フィルタを所定形状に保持するための保持部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
フレームは、フィルタの長手方向に延びる可撓性のあるメインフレーム部と、そのメインフレーム部の少なくとも一箇所を折り曲げられた状態に保持する保持手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレームは、少なくともその一部に芯材が配設されており、
その芯材は、フレームを形成する材料よりも強度が高く、かつ、可塑性を有していることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項10】
フレームと芯材は別部材であり、フレームに芯材が取付けられていることを特徴とする請求項9に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
フレームは、フィルタの長手方向に延びる縦フレーム部を有しており、その縦フレーム部には芯材を取付けるための環状部が複数形成されており、芯材がそれら環状部に挿通されていることを特徴とする請求項10に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
芯材がフレームにインサートされていることを特徴とする請求項9に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
燃料タンク内に設置される燃料ポンプの燃料吸入口に接続され、燃料ポンプに吸入される燃料から異物を除去するフィルタ装置であって、
袋状のフィルタと、
フィルタ内に配設され、そのフィルタを所定形状に保持するフレームと、を有し、
フレーム又はフィルタには、少なくともその一部に芯材が取付けられており、
その芯材は、フレームを形成する樹脂よりも強度が高く、かつ、予め所定形状に成形されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項14】
燃料タンクと、
燃料タンク内に配置された燃料ポンプと、
燃料ポンプの燃料吸入口に取付けられた請求項1〜13のいずれかに記載のフィルタ装置と、を備え、
フィルタ装置のフレーム体が、燃料タンクの底面に倣って折り曲げられていることを特徴とする燃料タンクユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2006−144669(P2006−144669A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336227(P2004−336227)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
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