説明

フィルムの開閉方法

【課題】重力に頼らずに、簡単にフィルムの展張が可能なフィルムの開閉装置を提供する。
【解決手段】(イ)フィルムを閉じる場合には、中央部の巻き取り用の棒2を回転させることにより、棒2の左右のフィルムが同時に巻き取られ、フィルムは固定端近くに巻き取られる。この場合、棒3もフィルムの固定端近くまで移動するため、紐4は予めそれだけの長さを棒5に巻き取っておく必要がある。(ロ)フィルムを開く場合には、棒5を回転させることにより紐4が棒5に巻き取られて棒3が引っ張られ、フィルムが開く。この場合、棒2は回転しながら固定端近くから元のフィルム中央部へ移動していく。(ハ)なお、フィルムの開閉に重力を必要としないため、水平方向へのフィルムの展張や重力に逆らった方向への展張も可能となり、簡単な構造で多様な展張が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
この発明は、温室等の保温用のフィルムの開閉に関するものである。近年、地球温暖化防止が叫ばれ、温室等においてフィルムの多層化による省エネが必要となってきているが、従来のフィルムの多層化は設備費がかかりなかなか改善が図られないのが現状である。そこで、フィルムの簡単な開閉方法を開発することにより、フィルムの多層化の普及が容易となり、温室等の省エネ化が図られ、環境の改善に寄与する。
【背景技術】
【0002】
従来、温室等のフィルムの簡単な開閉には図1に示すようにフィルム1の端に巻き取り棒2を取り付け、これを回転させることによりフィルムの開閉を行っていた。
しかしながら、この方法は重力を利用しているために、水平に張られたフィルムの開閉には利用できず、その場合にはフィルムを複数箇所で紐に連結してフィルムのしわを伸び縮みさせる方式が一般的であり、装置が複雑化し高額な設備費が必要であり、普及が進んでいないのが現状である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況であるため、重力に頼らない簡単なフィルムの展張方法が強く望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いま、その構成を図2により説明すると、
(イ)フィルム1の中央部に巻き取り用の棒2が取り付けられており、またフィルムの一方の端は固定され、他方の端には棒3が取り付けられている。棒3には引っ張り用の紐4が取り付けられ、この紐4が巻き取り用の棒5に取り付けられている。
(ロ)フィルムを閉じる場合には、中央部の巻き取り用の棒2を回転させることにより、棒2の左右のフィルムが同時に巻き取られ、フィルムは固定端近くに巻き取られる。この場合、棒3もフィルムの固定端近くまで移動するため、紐4は予めそれだけの長さを棒5に巻き取っておく必要がある。
(ハ)フィルムを開く場合には、棒5を回転させることにより紐4が棒5に巻き取られて棒3が引っ張られ、フィルムが開く。この場合、棒2は回転しながら固定端近くから元のフィルム中央部へ移動していく。
(ニ)なお、フィルムの開閉に重力を必要としないため、水平方向へのフィルムの展張や重力に逆らった方向への展張も可能となり、簡単な構造で多様な展張が可能となる。
以上のように装置する。
【作用】
【0005】
次に本発明の作用を述べる。
温室等の夜間の保温ではフィルムの多層化が有効であることは周知の事実であり、コストをなるべくかけないでフィルムの多層化を図ることが普及を図る上で重要なことである。本発明は図2に示すように、フィルムの中央に巻き取り用の棒2を取り付けて、フィルムを閉じる場合、これを回転させることでフィルムを巻き取っている。この時、棒3は回転することなく移動する。一方、フィルムを開く場合に棒5で紐4を巻き取ると、フィルムの取り付けられた棒3が回転することなく広がる。これによって、重力に頼らずフィルムの開閉が可能となり、水平や傾斜に逆らった方向あるいは円弧形状等へのフィルムの簡単な展張が可能となる。
【実験例】
【0006】
フィルムを水平に設置した場合の実験を行ったが、フィルムはほとんど抵抗を感じることなくスムーズに開閉が可能であった。また、棒3が水平に移動するが、スリップによるフィルムの破損等は確認されなかった。
【発明の効果】
【0007】
地球温暖化の影響は地球環境に深刻な影響を与えており、省エネルギーの必要性は今後益々重要性を増すものと考えられる。フィルムの多層化による保温技術は省エネルギーの基本技術であり、本発明により簡単に多様な多層化が実現できることは社会的な要請に応えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の簡単なフィルムの開閉方法
【図2】 本発明によるフィルムの開閉方法
【符号の説明】
1はフィルム
2はフィルム巻き取り棒
3はスライド棒
4は紐
5は紐巻き取り棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図2に示すように、フィルム1の中央部に取り付けた棒2を回転することによりフィルム1を閉じ、また、棒5を回転させることで、紐4で連結されたフィルム1の端に取り付けた棒3を引っ張ることによりフィルム1を開く方法及びこの方法を用いたフィルム開閉装置

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate