説明

フィルムセンサ

【課題】視認性に優れると共に誤作動の発生を防止することができ、加えて優れた帯電防止性を発揮することで長期に亘って表示不良を防止することができるフィルムセンサを提供する。
【解決手段】フィルムセンサ1は、偏光フィルム2と、帯電防止層3と、静電容量センサ4とを、この順に備えている。静電容量センサは、透明フィルム5と、該透明フィルムの一方の側に形成された透明電極パターン6と、該透明電極パターンを埋設するように透明フィルム5の一方側に形成された接着層7とを有している。帯電防止層3は、偏光フィルム2と透明フィルム5との間に配置されており、且つ透明フィルム5に合着されている。この帯電防止層3の表面抵抗値は、1.0×10〜1.0×1011Ω/□である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指やスタイラスペン等の接触によって情報を入力することが可能な入力表示装置に適用されるフィルムセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、偏光フィルムの片側に静電容量センサを備えるフィルムセンサが知られている(特許文献1)。このフィルムセンサは、上面に伝導性層が備えられた伝導性フィルムと、上記伝導性層上に備えられた接着剤層と、上記接着剤層上に備えられた偏光フィルムとで構成されている。このようなフィルムセンサを、例えば液晶パネルの表面に貼着することで、視認性に優れた入力表示装置を得ることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−081810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のフィルムセンサでは、偏光フィルムなどが静電気で帯電すると、静電容量センサに誤作動が生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、視認性に優れると共に誤作動の発生を防止することができ、加えて優れた帯電防止性を発揮することで長期に亘って表示不良を防止することができるフィルムセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のフィルムセンサは、偏光フィルムと、帯電防止層と、静電容量センサとが順に積層されてなり、前記静電容量センサは、透明フィルムと、前記透明フィルムの一方の側に形成された透明電極パターンと、前記透明電極パターンを埋設するように前記透明フィルムの一方の側に形成された接着層とを有し、前記透明フィルムは、前記帯電防止層と前記透明電極パターンとの間に配置され、前記帯電防止層の表面抵抗値は、1.0×10〜1.0×1011Ω/□であることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記透明フィルムが前記帯電防止層と前記接着層との間に介在することにより、前記帯電防止層と前記接着層とが所定間隔で配置される。
【0008】
また好ましくは、前記接着層が前記透明フィルムの一方の側に形成された後、前記帯電防止層が前記透明フィルムの他方の側に形成される。
【0009】
また好ましくは、前記帯電防止層は、界面活性剤、アルカリ金属塩、多価アルコール、導電性微粒子及び導電性ポリマーのうちいずれかを含み、更に好ましくは、前記アルカリ金属塩がビス(トリフルオロアルカンスルホニル)イミドアルカリ金属塩である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、透明フィルムが帯電防止層と透明電極パターンとの間に配置されており、帯電防止層の表面抵抗値が1.0×10〜1.0×1011Ω/□である。帯電防止層の表面抵抗値を上記範囲とすることにより、静電気等に起因する偏光フィルムの帯電が抑制される。また、静電容量センサが、透明電極パターンと使用者の指との間で生じる電気容量の変化を正確に検知することができる。さらに、上記配置によれば、帯電防止層が接着層と接触しないため、帯電防止層に含まれる成分の拡散を防止することができ、帯電防止機能が長期的に維持される。したがって、視認性に優れると共に誤作動の発生を防止することができ、加えて優れた帯電防止性を発揮することで長期に亘って表示不良を防止することができる。そしてこの結果、正常な動作が長期に亘って持続するフィルムセンサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るフィルムセンサの構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1における帯電防止層の表面抵抗値と、フィルムセンサで発生する誤作動及び帯電防止性(表示不良)との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るフィルムセンサの構成を概略的に示す断面図である。尚、図1における各層の厚みは、その一例を示すものであり、本発明のフィルムセンサにおける各層の厚みは、図1のものに限られないものとする。
【0014】
本発明のフィルムセンサ1は、図1に示すように、偏光フィルム2と、帯電防止層3と、静電容量センサ4とを、この順に備えている。静電容量センサは、透明フィルム5と、該透明フィルムの一方の側に形成された透明電極パターン6と、該透明電極パターンを埋設するように透明フィルム5の一方側に形成された接着層7とを有している。
【0015】
帯電防止層3は、偏光フィルム2と透明フィルム5との間に配置されており、且つ透明フィルム5に合着されている。この帯電防止層3の表面抵抗値は、1.0×10〜1.0×1011Ω/□(ohms per square)である。また、透明フィルム5は、帯電防止層3と透明導体パターン6との間に配置されている。そして、透明フィルム5が帯電防止層3と接着層7との間に介在することにより、帯電防止層3と接着層7とが、透明フィルム5の厚みの分だけ離間して配置されている。
【0016】
一般に、静電容量センサは、その表面に使用者の指が接近したときに、透明電極パターンと指とが形成する微弱な静電容量を検出するものである。ここで、透明電極パターンと使用者の指との間に、静電気を帯びた偏光フィルムがあると、静電容量センサに誤作動を生じることがある。一方、偏光フィルムの帯電を減少させるために、透明電極パターンと使用者の指との間に、電気伝導性の優れた層(例えば、表面抵抗値が1.0×10Ω/□未満の導電層)を設けると、今度は静電容量センサに所望する電気容量(capacitance)が得られないという問題がある。
【0017】
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、帯電防止層の表面抵抗値とその配置位置に着目した。そして、帯電防止層の表面抵抗値を特定の値とすることにより、静電容量センサの誤作動を防止しつつ、優れた帯電防止性を発揮できるという知見を得たのである。
【0018】
また本発明者らは、透明フィルムが、帯電防止層と透明電極パターンとの間に配置されることにより、優れた帯電防止性を長期に亘って持続できるという知見を得た。従来のフィルムセンサのように、偏光フィルムと透明電極パターンを埋設する接着層とが接触しないため、偏光フィルムに隣接して帯電防止層を配置した場合も、その成分(代表的には、帯電防止剤)が、上記接着層に拡散することを防ぐことができるからである。
【0019】
次に、フィルムセンサ1の各構成要素の詳細を以下に説明する。
【0020】
(偏光フィルム)
本発明に用いられる偏光フィルムは、該偏光フィルムに入力する光を互いに直交する2つの偏光成分に分離し、一方の偏光成分を透過させ、他方の偏光成分を吸収する機能を有している。上記偏光フィルムは、面内に吸収軸と透過軸とを有する。上記吸収軸は入射する光を最大に吸収する方向であり、上記透過軸は光を最大に透過する方向である。一般に、上記吸収軸と上記透過軸とは互いに直交する。
【0021】
上記偏光フィルムは、上記の機能を有するものであれば特に制限はないが、好ましくは、二色性元素を含有するポリビニルアルコール系樹脂の延伸フィルムである。また、上記偏光フィルムは、上記延伸フィルムの両側に保護フィルムを積層して構成されるものであってもよい。上記延伸フィルムの厚みは、通常、1.0μm〜30μmである。このような偏光フィルムは、例えば日東電工株式会社より入手できる。
【0022】
(帯電防止層)
本発明に用いられる帯電防止層は、偏光板と静電容量センサとの間に配置されている。この帯電防止層の厚みは、例えば0.1μm〜80μmである。上記帯電防止層の単位面積当りの表面抵抗値は、1.0×10〜1.0×1011Ω/□(ohms per square)である。帯電防止層の表面抵抗値が1.0×10Ω/□未満であると静電容量センサの誤作動が生じ、一方、表面抵抗値が1.0×1011Ω/□を超えると表示不良が生じる。本発明のフィルムセンサは、このような帯電防止層を用いることにより、静電容量センサに誤作動が生じることを防止しつつ、優れた帯電防止性を発揮することができる。
【0023】
上記帯電防止層は、例えばアクリルを主成分とする材料であり、好ましくは帯電防止剤を含む。この帯電防止層は、帯電防止剤を分散させた感圧接着剤(PSA)を、偏光フィルムに貼着することにより形成してもよいし、任意のコーティング剤若しくは溶剤に混合して、又は原液のまま偏光フィルムに直接塗布して形成してもよい。上記帯電防止層を、帯電防止剤の塗布により形成する場合には、かかる帯電防止層と静電容量センサとの間には、別途、他の接着層が設けられる。
【0024】
帯電防止層は、好ましくは、アルカリ金属塩、界面活性剤、多価アルコール、導電性微粒子及び導電性ポリマーのいずれかを含み、さらに好ましくはアルカリ金属塩としてビス(トリフルオロアルカンスルホニル)イミドアルカリ金属塩(Bis (trifluoroalkanesulfonyl) imide alkaline metal salt)を含む。上記帯電防止層は、例えば、東京化成工業株式会社より入手できる。
【0025】
上記界面活性剤としては、スルホン酸系化合物等の陰イオン性ないし両性の界面活性剤、エチレンオキサイド等の非イオン性界面活性剤などを用いることができる。上記多価アルコールとしては、ポリエチレングリコールのエステル化反応物などを用いることができる。上記導電性微粒子としては、導電性のカーボンブラック(CB)や、カーボンナノチューブ(CNT)などを用いることができる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロールなどを用いることができる。
【0026】
上記帯電防止層の表面抵抗値は、上記帯電防止剤の種類や含有量を変化させることにより、適宜、増加あるいは減少させることができる。
【0027】
(静電容量センサ)
本発明に用いられる静電容量センサは、光学的に等方性を示す透明フィルムと、該透明フィルムの一方の側に形成された透明電極パターンと、該透明電極パターンを埋設するように該透明フィルムの一方の側に形成された接着層とを有する。
【0028】
上記透明電極パターンは、通常、透明フィルムの端部に形成された引き回し線(不図示)に電気的に接続される。
本発明において、上記透明フィルムは、帯電防止層と透明電極パターンとの間に配置される。このような形態によれば、偏光フィルムと、透明電極パターンを埋設する接着層とが接触しないため、上記偏光フィルムに隣接して帯電防止層を積層した場合であっても、上記帯電防止層の成分(代表的には、帯電防止剤)が上記接着層に拡散するのを防止することができる。その結果、本発明のフィルムセンサは、優れた帯電防止性を長期に亘って持続することが可能となる。
【0029】
上記透明フィルムは、好ましくは、光学的に等方性を示すか、又は可視光領域(380nm〜780nm)のいずれかに波長λに対してλ/4の面内の位相差値を有する。上記透明フィルムが光学的に等方性を示す場合、かかる透明フィルムの波長590nmにおける面内の位相差値は、好ましくは、10nm未満である。上記透明フィルムが可視光領域のいずれかの波長λに対してλ/4の面内の位相差値を有する場合、かかる透明フィルムの波長590nmにおける面内の位相差値は、好ましくは、127.5nm〜167.5nm(590/4=147.5nm(許容範囲±20nm)である。
【0030】
上記透明フィルムを形成する材料は、耐熱性に優れる観点から、好ましくはポリシクロオレフィン又はポリカーボネートである。上記透明フィルムの厚みは、例えば10μm〜200μmである。上記透明フィルムは、その表面に易接着層やハードコート層を備えていてもよい。上記透明フィルムは、例えば日本ゼオン株式会社や帝人化成株式会社から入手できる。
【0031】
上記透明電極パターンは、代表的には、透明導電体により形成される。透明導電体は、可視光領域(380nm〜780nm)で透過率が80%以上で、且つ表面抵抗値が500Ω/□以下である材料をいう。上記透明導電体は、好ましくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化インジウム−酸化亜鉛複合酸化物である。
【0032】
透明電極パターンの形状は、櫛形状の他に、ストライプ形状やひし形形状など、用途に応じて任意の形状を採用することができる。透明電極パターンの高さは、例えば10nm〜100nmであり、幅は0.1mm〜5.0mmである。
【0033】
上記透明電極パターンは、透明フィルムに、例えば、スパッタ法又は真空蒸着法により透明導電体層を形成した後、透明導電体層の表面に所望のパターンのフォトレジストを形成し、その後塩酸に浸漬して透明導電体層の不要な部分を除去して得ることができる。
【0034】
上記接着層は、上記透明電極パターンを埋設するように透明フィルム上に形成されている。この接着層を形成する材料としては、透明性に優れる点から、好ましくはアクリル系粘着剤である。上記アクリル系粘着剤の厚みは、好ましくは10μm〜200μmである。接着層は、市販の光学透明粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)を用いることも可能である。このアクリル系粘着剤は、例えば日東電工株式会社(製品名:LUCIACS(登録商標)CS9621T)より入手できる。
【0035】
上述したように、本実施形態によれば、透明フィルム5が帯電防止層3と透明電極パターン6との間に配置されており、帯電防止層3の表面抵抗値が1.0×10〜1.0×1011Ω/□である。帯電防止層3の表面抵抗値を上記範囲とすることにより、静電気等に起因する偏光フィルム2の帯電が抑制される。また、静電容量センサ4が、透明電極パターン6と使用者の指との間で生じる電気容量の変化を正確に検知することができる。さらに、上記配置によれば、帯電防止層3が接着層7と接触しないため、帯電防止層3に含まれる帯電防止剤が接着層7に拡散するのを防止することができ、帯電防止層3の帯電防止機能が長期的に維持される。したがって、視認性に優れると共に誤作動の発生を防止することができ、加えて優れた帯電防止性を発揮することで長期に亘って表示不良を防止することができる。
【0036】
以上、本実施形態に係るフィルムセンサについて述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0037】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
先ず、厚み50μmのポリシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社、商品名「ZEONOR(登録商標)」)の一方の側に、スパッタ法によりインジウムスズ酸化物を堆積させて、厚み20nmのインジウムスズ酸化物の非晶質からなる透明導体膜を形成した。この透明導体膜を、140℃の加熱オーブン内で30分間加熱処理し、上記非晶質を結晶質膜に変化させた。上記インジウムスズ参加物の結晶質膜からなる透明導電膜の表面に、ストライプ状パターンのフォトレジスト膜を形成した後、透明導電膜を塩酸に浸漬することにより、透明導電膜の不要部分を除去して、透明電極パターンを得た。そして、上記ポリシクロオレフィンフィルムの一方の側に、アクリル系粘着剤層(日東電工株式会社製、商品名「LUCIACS(登録商標)」)を、上記透明電極パターンが埋設するように積層して、静電容量センサを作製した。
【0039】
次に、上記静電容量センサのポリシクロオレフィンフィルムの他方の側(透明電極パターンとは反対側)に、表面抵抗値が2.0×10Ω/□の帯電防止層と、偏光フィルム(日東電工株式会社製、商品名「NPF(登録商標)」)を順次積層して、フィルムセンサを得た。上記帯電防止層には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを、該帯電防止層の総重量に対して7重量%分散させたアクリル系感圧接着剤を用いた。
【0040】
このように作製したフィルムセンサを、インプレーンスイッチング(In-Plane Switching)方式の液晶パネルを有する表面型静電容量方式(Surface Capacitive Type)タッチパネルのタッチセンサとして使用した。
【0041】
(実施例2)
表面抵抗値が2.0×1011Ω/□のタッチパネルを用いた以外は、実施例1と同様の構成の入力表示装置を作製した。上記帯電防止層には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを、該帯電防止層の総重量に対して1重量%分散させたアクリル系感圧接着剤(厚み25μm)を用いた。
【0042】
(比較例1)
表面抵抗値が5.0×10Ω/□の帯電防止層を用いた以外は、実施例1と同様の構成の入力表示装置を作製した。上記帯電防止層には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを、該帯電防止層の総重量に対して10重量%分散させたアクリル系感圧接着剤(厚み25μm)を用いた。
【0043】
(比較例2)
表面抵抗値が2.0×1011Ω/□の帯電防止層を用いた以外は、実施例1と同様の構成の入力表示装置を作製した。上記帯電防止層には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを、該帯電防止層の総重量に対して1重量%分散させたアクリル系感圧接着剤(厚み25μm)を用いた。
【0044】
表示不良の評価方法
静電気放電銃(Electrostatic discharge Gun)を用いて、タッチパネルの視認側の表面に配置された偏光フィルムに静電気を印加して、目視観察により表示不良の有無を確認した。
【0045】
誤作動の評価方法
実施例1,2及び比較例1,2のタッチパネルを使用している状態で目視観察を行い、誤作動の有無を確認した。
【0046】
これらの評価方法にて評価した結果を表1に示す。尚、表1中、表示不良が生じなかった場合を「○」、表示不良が生じた場合を「×」で示す。
【表1】


表1の実施例1及び2に示すように、単位面積当りの表面抵抗値が2.0×10〜8.0×1010Ω/□である帯電防止層を用いたフィルムセンサでは、偏光フィルムが静電気によって帯電しても、液晶パネルに表示不良を生じなかった。また、静電容量センサの誤作動も生じなかった。
【0047】
一方、比較例1,2に示すように、上記表面抵抗値が1.0×10Ω/□未満である場合は、静電容量センサの誤作動が生じた。また、上記帯電防止層の表面抵抗値が1.0×1011Ω/□を超えると、液晶パネルの表示不良が生じた。これら実施例及び比較例の結果から、表面抵抗値と誤作動と帯電防止性(表示不良)は図2のような関係にあると推定される。
【0048】
したがって、本発明のフィルムセンサの構成において単位面積当りの表面抵抗値を1.0×10〜1.0×1011Ω/□、とりわけ2.0×10〜8.0×1010Ω/□とすることにより、誤作動の発生を防止しつつ、優れた帯電防止性を実現して表示不良を防止できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係るフィルムセンサは、その用途について特に制限はなく、好ましくはスマートフォンやタブレット端末(Slate PCともいう)等の携帯端末に採用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 フィルムセンサ
2 偏光フィルム
3 帯電防止層
4 静電容量センサ
5 透明フィルム
6 透明電極パターン
7 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光フィルムと、帯電防止層と、静電容量センサとが順に積層されてなり、
前記静電容量センサは、透明フィルムと、前記透明フィルムの一方の側に形成された透明電極パターンと、前記透明電極パターンを埋設するように前記透明フィルムの一方の側に形成された接着層とを有し、
前記透明フィルムは、前記帯電防止層と前記透明電極パターンとの間に配置され、
前記帯電防止層の表面抵抗値は、1.0×10〜1.0×1011Ω/□であることを特徴とするフィルムセンサ。
【請求項2】
前記透明フィルムが前記帯電防止層と前記接着層との間に介在することにより、前記帯電防止層と前記接着層とが所定間隔で配置されることを特徴とする、請求項1記載のフィルムセンサ。
【請求項3】
前記接着層が前記透明フィルムの一方の側に形成された後、前記帯電防止層が前記透明フィルムの他方の側に形成されることを特徴とする、請求項1記載のフィルムセンサ。
【請求項4】
前記帯電防止層は、界面活性剤、アルカリ金属塩、多価アルコール、導電性微粒子及び導電性ポリマーのうちいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載のフィルムセンサ。
【請求項5】
前記アルカリ金属塩がビス(トリフルオロアルカンスルホニル)イミドアルカリ金属塩であることを特徴とする、請求項4記載のフィルムセンサ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−104847(P2013−104847A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250903(P2011−250903)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】