説明

フィルムホルダーのフィルム検出装置

【目的】 フィルムホルダー内のフィルムの在否を検出できるようにして、さらに、フィルムホルダー内のフィルムが終わっているのに撮影をしたり、また、フィルムが残っているのにフィルムホルダーをカメラ本体から外したり、あるいは、フィルムが残っているのにフィルムホルダーの裏蓋を開けてフィルムを駄目にしてしまうことを防止できるようにする。
【構成】 フィルムパック50を収納し、カメラ本体(1)側の取付座6に取り付けるフィルムホルダー10に、フィルム51の在否を検出するフォトリフレクター17を設ける。そして、フィルムホルダー10にフォトリフレクター17と接続された回路基板(18)を設け、この回路基板(18)と接触可能な接続端子(20)をカメラ本体(1)側の取付座6に設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムパックを収納してカメラ本体に取り付けるフィルムホルダーのフィルムの在否を検出するフィルム検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フィルムパックを収納し、カメラ本体に取り付けるフィルムホルダーにおいて、従来、フィルムホルダー内にフィルムがあるかないかを知るためには、フィルム引き出し口を覗いてみなければ判らなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来では、フィルムホルダー内にフィルムがないのに撮影したり、また、フィルムが入っているのにフィルムホルダーをカメラ本体から外したり、あるいは、フィルムが入っているのにフィルムホルダーの裏蓋を開けてしまい、フィルムが感光して駄目になってしまうという問題があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、フィルムホルダー内のフィルムの在否を検出できるようにしたフィルムホルダーのフィルム検出装置を提供することにある。
【0005】さらに、本発明の目的は、フィルムホルダー内のフィルムが終わっているのに撮影をしたり、また、フィルムが残っているのにフィルムホルダーをカメラ本体から外したり、あるいは、フィルムが残っているのにフィルムホルダーの裏蓋を開けてフィルムを駄目にしてしまうことを防止できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、フィルムパックを収納し、カメラ本体に取り付けるフィルムホルダーのフィルム検出装置であって、フィルムホルダーに、フィルムの在否を検出するフォトリフレクターを設けた構成を特徴としている。
【0007】そして、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記フィルムホルダーに前記フォトリフレクターと接続された回路基板を設け、この回路基板と接触可能な接続端子を前記カメラ本体側に設けた構成を特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、フィルムの在否を検出するフォトリフレクターを設けたフィルムホルダーなので、従来のようにフィルム引き出し口を覗いてみなくとも、フィルムがあるかないかが判るようになる。
【0009】そして、請求項2記載の発明によれば、フィルムホルダーに前記フォトリフレクターと接続された回路基板を設けて、カメラ本体側に設けた接続端子と接触可能に構成したので、例えば、レリーズロック装置あるいは警告表示装置等を作動させるための信号が得られるようにる。従って、フィルムホルダー内のフィルムが終わっているのに撮影をしたり、また、フィルムが残っているのにフィルムホルダーをカメラ本体から外したり、あるいは、フィルムが残っているのにフィルムホルダーの裏蓋を開けてフィルムを駄目にしてしまうことが防止できるようになる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明に係るフィルムホルダーのフィルム検出装置の実施例を図1から図5に基づいて説明する。先ず、図1は本発明を適用した一例としてのカメラを示すもので、1はカメラ本体、2は撮影レンズ、3はファインダー、4はストロボ、5はグリップ、6は取付座、7はロック部、8は取付ビス、10はフィルムホルダー、11は裏蓋、12はロックバー、13はロックバー回転軸である。
【0011】図示のように、実施例では、カメラ本体1は、4眼の投影レンズ2,2,2,2を備える証明写真用カメラであり、このカメラ本体1の後側に枠状の取付座6が取付ビス8,8,8,8により固定される。この取付座6には、ロック部7があって、このロック部7によりフィルムホルダー10を取り付けて係止可能となっている。
【0012】フィルムホルダー10は、図2および図3にも示すように、裏蓋11を備えており、この裏蓋11は、裏蓋回転軸14を中心に開閉可能に組み付けられている。また、裏蓋11は、閉鎖されたときにロックバー回転軸13を中心に回転するロックバー12によって係止される。そして、フィルムホルダー10には、フィルムパック50が収納可能となっている。また、フィルムホルダー10は、フィルムパック50から引き出されたフィルム51が通過するフィルム引き出し口15を下面に備えている。フィルム引き出し口15の内方には、このフィルム引き出し口15をフィルム51が通過するときに現像液パック52の現像液を印画紙53およびネガ部54(図5参照)に展開する一対のローラー16,16が備えられている。なお、フィルムパック50としては、フィルム51を手で引き出す時に現像を行うタイプのものを使用している。
【0013】さらに、フィルムホルダー10の下部には、フィルム51の白タブ55があるかないかを検出するフォトリフレクター17が設けられており、このフォトリフレクター17は、図示しないリード線もしくはフレキシブルプリント基板を介して回路基板18と接続されている。この回路基板18は、フィルムホルダー10の前記取付座6に対する取付面に設けられている。また、フィルムホルダー10には、フィルム51が感光するのを防ぐ遮光板19が差し込まれている。なお、図2において、56はフィルムホルダー10の下面から先端が出る遮光紙であり、また、図3において、31は取付座6に支持した遮光筒である。
【0014】そして、前記カメラ本体1側の取付座6には、図3および図4に示すように、フィルムホルダー10の取付座6に対する取付面に設けた回路基板18と対応して、弾性を有する導電性金属板による接片21,22および接点部材23,24からなる接続端子20が設けられている。即ち、取付座6には、弾性を有する導電性金属板による第1の接片21および第2の接片22が、フィルムホルダー10の回路基板18と各々接するよう取付座6を貫通して固定した第1の接点部材23および第2の接点部材24とそれぞれ接する状態で、絶縁シート25を介装して取付ビス26,26により取り付けられており、こうしてフィルムホルダー10の回路基板18との接続端子20が構成されている。
【0015】以上の接続端子20を介して、前記カメラ本体1側に設けた従来公知のレリーズロック装置と警告表示装置に、フィルムホルダー10に設けた前記フォトリフレクター17からの信号が送られるよう構成されている。即ち、図示しないが、例えば、マグネットを使い、レリーズレバーの押動を係止するようなものによるレリーズロック装置に前記第1の接片21を介して前記フォトリフレクター17からの信号が送られるよう構成し、また、例えば、前記ファインダー3内にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等によってフィルムがないことを表示するようなものによる警告表示装置に前記第2の接片22を介して前記フォトリフレクター17からの信号が送られるよう構成する。なお、前記フィルムパック50を分解して示した図5において、57はガイド部材、58はネガ引き出し部である。
【0016】次に、以上のように構成したフィルムホルダーのフィルム検出装置による作用について、図5を参照しつつ説明する。先ず、フィルムパック50をフィルムホルダー10にセットし、フィルムホルダー10の裏蓋11を閉鎖して、その閉鎖状態をロックバー12により係止する。そして、フィルムホルダー10をカメラ本体1側の取付座6にロック部7により取り付けた後、フィルムホルダー10から遮光板19を引き抜く。この時、フィルムパック50内のフィルム51は遮光紙56に挟まれており、ネガ部54が感光しないようになっている。また、遮光紙56およびネガ部54は、端部の一部がガイド部材57に止められているが、公知のように切れ目が入っていて、引くと切れて抜くことができるようになっている。
【0017】従って、撮影する前には、先ず、フィルムホルダー10の下面から先端が出た遮光紙56を手で引き抜く。この時、遮光紙56に貼り付けられていた白タブ55が剥がれ、遮光紙56の代わりにフィルムホルダ10の下面から白タブ55が出てくる。このようにして遮光紙56を引き抜くと、ネガ部54が露出し、撮影が可能となる。カメラ本体1による所定の撮影を行った後、白タブ55を引くと、ネガ引き出し部58がフィルムホルダー10下面のフィルム引き出し口15から外に出てくる。同時に、ネガ部54が印画紙53部分と重なる。なお、白タブ55はネガ引き出し部58から剥がれる。
【0018】次に、ネガ引き出し部58を手で引くと、ローラー16,16間を通過する時に、現像液パック52から現像液が印画紙53とネガ部54の間に展開され、現像が行われる。そして、引き出されたフィルム51は、所定時間後に印画紙53からネガ部54を剥すことにより、写真ができあがる。さらに、撮影を行い、次の白タブ55を引き、前述したような過程を経て、写真ができる。
【0019】以上のようにして撮影が進み、フィルムパック50内のフィルム51がなくなると、当然、白タブ55もなくなる。こうして白タブ55がなくなると、この状態がフィルムホルダー10に設けたフォトリフレクター17によって検出される。このフォトリフレクター17による検出信号は、フィルムホルダー10に設けた回路基板18、取付座6に設けた接続端子20(接片21,22および接点部材23,24)を介してカメラ本体1に送られる。
【0020】そして、その検出信号によって、カメラ本体1側の前記レリーズロック装置と警告表示装置の双方あるいはその何れか一方等を作動させることが可能となっているため、撮影者は、従来のようにカメラホルダー10下面のフィルム引き出し口15をわざわざ覗いてみなくとも、フィルム51があるかないかを知ることができ、便利なものとなる。従って、従来問題となっていたように、例えば、フィルムホルダー10内のフィルム51が終わっているのに撮影をしたり、また、フィルム51が残っているのにフィルムホルダー10をカメラ本体1側の取付座6から外したり、あるいは、フィルム51が残っているのにフィルムホルダー10の裏蓋11を開けてフィルム51を駄目にしてしまうといったような事態を回避できるようになる。
【0021】なお、以上の実施例においては、証明写真用カメラに取り付けるフィルムホルダーに適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のインスタントカメラに取り付けるフィルムホルダーであってもよい。また、接続端子部の構成等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係るフィルムホルダーのフィルム検出装置によれば、フィルムの在否を検出するフォトリフレクターをフィルムホルダーに設けたため、従来のようにフィルム引き出し口を覗いてみなくとも、フィルムがあるかないかを知ることができる。
【0023】そして、請求項2記載の発明に係るフィルムホルダーのフィルム検出装置によれば、フィルムホルダーに前記フォトリフレクターと接続された回路基板を設けて、カメラ本体側に設けた接続端子と接触可能に構成したため、例えば、レリーズロック装置あるいは警告表示装置等を作動させるための信号を得ることができる。従って、フィルムホルダー内のフィルムが終わっているのに撮影をしたり、また、フィルムが残っているのにフィルムホルダーをカメラ本体から外したり、あるいは、フィルムが残っているのにフィルムホルダーの裏蓋を開けてフィルムを駄目にしてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのカメラを示すもので、カメラ本体およびフィルムホルダーの分解斜視図である。
【図2】図1の矢印A−A線に沿った断面図である。
【図3】図1の矢印B−B線に沿った断面図である。
【図4】図3の矢印C−C線に沿った断面図で、見やすくするために接続端子部を拡大して示した図である。
【図5】フィルムパックを分解して示した作用説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体
6 取付座
7 ロック部
10 フィルムホルダー
11 裏蓋
12 ロックバー
15 フィルム引き出し口
17 フォトリフレクター
18 回路基板
19 遮光板
20 接続端子
21,22 接片
23,24 接点部材
25 絶縁シート
26 取付ビス
50 フィルムパック
51 フィルム
52 現像液パック
53 印画紙
54 ネガ部
55 白タブ
56 遮光紙
57 ガイド部材
58 ネガ引き出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィルムパックを収納し、カメラ本体に取り付けるフィルムホルダーにおいて、このフィルムホルダーに、フィルムの在否を検出するフォトリフレクターを設けたことを特徴とするフィルムホルダーのフィルム検出装置。
【請求項2】 前記フィルムホルダーに前記フォトリフレクターと接続された回路基板を設け、この回路基板と接触可能な接続端子を前記カメラ本体側に設けたことを特徴とする請求項1記載のフィルムホルダーのフィルム検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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