説明

フィルム残径検出装置、搬送装置および貼合システム

【課題】フィルムの残径を精度よく検出することが可能なフィルム残径検出装置を提供する。
【解決手段】芯材2に巻かれた帯状のフィルムFの残径Dfを検出するフィルム残径検出装置1であって、基体4と、基体4に回転可能に接続され、フィルムFの表面に当接してフィルムFの送り出しに従って回転する回転体7と、基体4に固定され、当該固定位置から芯材2のフィルムFから露出した部分2Sまでの距離を検出する検出部8と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム残径検出装置、搬送装置および貼合システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、芯材に巻かれた帯状のフィルムを巻き出して供給する供給部を備えた搬送装置が知られている。例えば特許文献1では、フィルムの巻き取りトルクを制御しつつ、フィルムの供給量とフィルムの厚みとに基づいてフィルムの残径を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4569811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、搬送装置を工場等のライン設備で用いる場合には、搬送装置を長時間稼動させる必要がある。そのため、搬送装置を例えば個人的、家庭的な一般的な用途に用いる場合に比べて、高い生産性が要求される。高い生産性を満足させるためには、フィルムの残径を精度よく検出することが重要となる。しかしながら、特許文献1に示すフィルムの残径検出方法においては、そのような技術が開示されていない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、フィルムの残径を精度よく検出することが可能なフィルム残径検出装置および貼合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明のフィルム残径検出装置は、芯材に巻かれた帯状のフィルムの残径を検出するフィルム残径検出装置であって、基体と、前記基体に回転可能に接続され、前記フィルムの表面に当接して前記フィルムの送り出しに従って回転する回転体と、前記基体に固定され、当該固定位置から前記芯材の前記フィルムから露出した部分までの距離を検出する検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のフィルム残径検出装置において、前記基体の前記回転体が接続された部分には偏芯部材が設けられ、前記偏芯部材を介して前記回転体が前記基体に接続されており、前記偏芯部材の回転中心と前記回転体の回転中心とは異なる位置に配置されており、前記偏芯部材を回転させることにより、前記回転体の配置位置が調整されることを特徴とする。
【0008】
本発明のフィルム残径検出装置において、前記検出部は、前記フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、前記芯材の前記フィルムから露出した部分に当接して接触を検知するリミットスイッチであることを特徴とする。
【0009】
本発明のフィルム残径検出装置において、前記検出部はレーザー変位センサーであることを特徴とする。
【0010】
本発明のフィルム残径検出装置において、前記基体の一端部は回転可能になっており、前記基体の他端部には前記回転体が配置され、前記基体、前記回転体、及び前記検出部からなる構造体の重心が前記基体の他端部側に位置し、当該構造体が前記基体の一端部の回転軸回りに回転することにより、前記回転体が前記フィルムの表面に当接した状態が維持されることを特徴とする。
【0011】
本発明の搬送装置は、芯材に巻かれた帯状のフィルムを巻き出して供給する供給部と、 前記芯材に巻かれた帯状のフィルムの残径を検出する上述したフィルム残径検出装置と、 を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の搬送装置は、前記供給部から供給される前記フィルムの搬送経路に設けられた、前記フィルムの送り出し量を測定する測長器と、前記測長器の測定結果に基づいて、前記フィルムの残径が所定の値となったときに、前記回転体が前記フィルムの表面に当接するように前記基体の回転動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の搬送装置は、前記フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、前記供給部に前記フィルムよりも残径が大きい新フィルムを継ぐフィルム継ぎ部を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の貼合システムは、上述した搬送装置と、前記供給部から供給された前記フィルムを貼合対象物に貼合する貼合装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィルムの残径を精度よく検出することが可能なフィルム残径検出装置、搬送装置および貼合システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態のフィルム残径検出装置を示す模式図である。
【図2】同、フィルム残径検出装置の要部を示す平面図である。
【図3】同、フィルム残径検出装置の要部を示す斜視図である。
【図4】同、フィルム残径検出装置の動作を示す説明図である。
【図5】同、回転体の配置状態を示す説明図である。
【図6】同、偏芯部材の回転によるベアリングとリミットスイッチとの相対位置関係を示す説明図である。
【図7】第2実施形態のフィルム残径検出装置を示す斜視図である。
【図8】貼合システムの一例を示す概略構成図である。
【図9】液晶パネルの一例を示す平面図である。
【図10】フィルムの一例を示す断面図である。
【図11】フィルム継ぎ部の一例を示す模式図である。
【図12】フィルム継ぎ部を備えた製造システムの一例を示す模式図である。
【図13】フィルム継ぎ動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のフィルム残径検出装置1を示す模式図である。図2は、本実施形態のフィルム残径検出装置1の要部を示す平面図である。図3は、本実施形態のフィルム残径検出装置1の要部を示す斜視図である。
【0019】
図1〜図3に示すフィルム残径検出装置1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどの基板に貼り付ける偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルム(以下、単にフィルムという)を供給部20から巻き出して供給する際に、ボビン2(芯材)に巻かれた帯状のフィルムFの残径を検出するものである。なお、フィルムは、可撓性を有する帯状の機能性フィルムであれば特に限定されるものではない。
【0020】
図1〜図3に示すように、フィルム残径検出装置1は、ステージ3と、ステージ3に回転可能に接続されたアーム4と、アーム4に回転可能に接続されフィルムFの表面に当接してフィルムFの送り出しに従って回転するベアリング7(回転体)と、アーム4に固定され当該固定位置からボビン2のフィルムFから露出した部分2Sまでの距離を検出する検出部8と、測長器105(図8参照)の測定結果によりフィルムFの残径の大まかな値を演算する演算部9と、これらの機構の統括制御を行う制御部10と、を含んで構成されている。なお、図3に示すように、ボビン2は架台21に回転可能に支持されている。
【0021】
ステージ3は、ステージ本体11と、ピストン・シリンダー機構12と、ステージ3本体に固定されピストン・シリンダー機構12を回転可能に支持する第1支持部15と、ステージ3本体に固定されアーム4を回転可能に支持する第2支持部16と、を備えている。
【0022】
ピストン・シリンダー機構12は、ピストン13と、当該ピストン13を摺動可能に収容するシリンダー14と、を備えている。ピストン13の一端部(シリンダー14に収容された部分とは反対側の部分)は、アーム4に回転可能に接続されている。シリンダー14の一端部は、第1支持部15に回転可能に接続されている。
【0023】
ピストン13は、制御部10の制御により、シリンダー14の長手方向に沿って摺動する。ピストン13の摺動に従って、アーム4がステージ3の第2支持部16の回転軸16a回りに回転する。例えば、ピストン13が最も高い位置(上死点)に移動すると、アーム4はステージ3の第2支持部16に対して略垂直に起立する。一方、ピストン13が最も低い位置(下死点)に移動すると、アーム4はステージ3の第2支持部16の回転軸16aを中心にボビン2に向けて回転する。
【0024】
アーム4は、ステージ3の第2支持部16に一端部が回転可能に支持された第1アーム5と、第1アーム5の他端部に一端部が回転可能に接続された第2アーム6と、を備えている。アーム4(第1アーム5)は、制御部10の制御により、ステージ3の第2支持部16の回転軸16a回りに回転する。第2アーム6は、制御部10の制御により、一端部が第1アーム5の他端部の回転軸5a回りに回転する。
【0025】
ベアリング7は、第2アーム6の他端部に回転可能に接続されている。具体的には、図2(a),(b)に示すように、第2アーム6の他端部にはベアリングシャフト17が固定されており、ベアリング7は当該ベアリングシャフト17に回転可能に支持されている。ベアリング7としては、例えばウレタンモールドベアリングを用いることができる。
【0026】
検出部8は、第2アーム6の他端部においてベアリング7よりも第1アーム5に近い側に固定されている。検出部8は、当該固定位置からボビン2のフィルムFから露出した部分2Sまでの距離を検出する。本実施形態においては、検出部8としてリミットスイッチを用いる。リミットスイッチ8は、ボビン2に巻かれたフィルムFの残径Dfが所定の値まで小さくなったときに、ボビン2のフィルムFから露出した部分2Sに当接して接触を検知するものである。
【0027】
リミットスイッチ8は、予め、前記露出部分2Sから離間した状態となっている。リミットスイッチ8は、ボビン2に巻かれたフィルムFの残径Dfが十分に大きいときには、前記露出部分2Sから離間している。リミットスイッチ8は、供給部20からのフィルムFの送り出しに伴いフィルムFの残径Dfが小さくなるのに従って、前記露出部分2Sに近づく。そして、フィルムFの残径Dfが所定の値まで小さくなったときに前記露出部分2Sに当接する。
【0028】
演算部9は、後述する測長器105(図8参照)の測定結果に基づいてフィルムFの残径Dfの大まかな値を演算する。例えば、原反フィルムの長さ(例えばセット時のフィルムのもとの長さ)から後述する測長器105により測定された当該フィルムFの送り出し量を減ずることにより、フィルムFの残径Dfの大まかな値が演算される。
【0029】
制御部10は、演算部9により演算されたフィルムFの残径Dfがある程度の値となったときに、ベアリング7がフィルムFの表面に当接するようにアーム4の回転動作を制御する。すなわち、図1に示すように、演算されたフィルムFの残径Dfがある程度の値となるまでは、ピストン13が最も高い位置(上死点)に位置しており、アーム4はステージ3の第2支持部16に対して略垂直に起立している。一方、演算されたフィルムFの残径Dfがある程度の値となったときには、ピストン13が最も低い位置(下死点)に移動し、アーム4はステージ3の第2支持部16の回転軸16aを中心にボビン2に向けて回転する。
【0030】
図4は、フィルム残径検出装置1の動作を示す説明図である。
図4(a)に示すように、第2アーム6の一端部は回転可能になっている。第2アーム6は、制御部10の制御により一端部が第1アーム5の他端部の回転軸5a回りに回転する。このほか、第2アーム6は、重力が作用することにより回転する。具体的には、第2アーム6、ベアリング7、及びリミットスイッチ8からなる構造体22の重心が第2アーム6の他端部側に位置しており、当該構造体22が第2アーム6の一端部の回転軸(第1アーム5の他端部の回転軸5a)回りに回転するようになっている。これにより、ベアリング7がフィルムFの表面に当接した状態が維持される。なお、ベアリング7は、ボビン2から送り出されたフィルムFではなく、ボビン2に巻かれたフィルムFの表面に当接する。
【0031】
図4(b)に示すように、構造体22は、フィルムFの残径Dfの減少に従って、回転軸5aを中心に右回りに回転する。ベアリング7は、供給部20からのフィルムFの送り出しに従って、ベアリングシャフト17を中心に左回りに回転する。
【0032】
図4(c)に示すように、フィルムFの残径Dfが所定の値まで小さくなると、リミットスイッチ8がボビン2の露出部分2Sに当接する。リミットスイッチ8がボビン2の露出部分2Sに当接することによって、フィルムFの残径Dfを検出することができる。すなわち、リミットスイッチ8がロールの交換時期を知らせるセンサーとして機能する。
【0033】
リミットスイッチ8がボビン2の露出部分2Sに当接したという信号は不図示の配線を介して制御部10に伝達される。そして、フィルムFが残り少ない状態のロールと新しいロールとの交換が行われる。
【0034】
ここで、フィルムFの残径Dfは、ベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置から求めることができる。例えば、フィルムの残径をDf、ボビン2の回転中心からベアリング7の外周面までの距離をL1、ボビン2の回転中心からリミットスイッチ8の接触部までの距離をL2とすると、Df=L1−L2で表される。
【0035】
すなわち、予めベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置を調整することにより、ロールの交換時期となるフィルムFの残径Dfを調整することができる。なお、本実施形態において、ベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置は適宜変更可能となっている。
【0036】
図5は、ベアリング7の配置状態を示す説明図である。
図5(a)に示すように、例えばベアリング7の位置を相対的に高い位置(ベアリング7の回転中心がボビン2の回転中心2aから遠い状態)に設定することができる。これにより、フィルムFの残径Dfにある程度のゆとりをもって、ロールの交換時期を知ることができる。
【0037】
一方、図5(b)に示すように、例えばベアリング7の位置を相対的に低い位置(ベアリング7の回転中心がボビン2の回転中心2aに近い状態)に設定することもできる。これにより、フィルムFの残径Dfが残り少ない状態で、ロールの交換時期を知ることができる。
【0038】
図6は、偏芯部材18の回転によるベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置関係を示す説明図である。
【0039】
図6(a)に示すように、第2アーム6のベアリング7が接続された部分には偏芯部材18が設けられている。すなわち、ベアリング7は偏芯部材18を介して第2アーム6に接続されている。偏芯部材18の回転中心18aとベアリング7の回転中心7aとは異なる位置に配置されている。偏芯部材18は、制御部10の制御により回転する。偏芯部材18を回転させることにより、ベアリング7の配置位置が調整される。なお、図6(a)におけるベアリング7の外周面とリミットスイッチ8の接触部との間の距離(以下、単にベアリング7とリミットスイッチ8との間の距離という)をH1とする。
【0040】
例えば、図6(b)に示すように、偏芯部材18を図示しないボビン2に向けて右回りに回転させた場合、ベアリング7とリミットスイッチ8との間の距離H2は図6(a)に示す距離H1よりも小さくなる(H2<H1)。つまり、ベアリング7の位置が相対的に低い位置(ベアリング7の回転中心7aがボビン2の回転中心2aに近い状態)に設定される。よって、フィルムFの残径Dfが残り少ない状態で、ロールの交換時期を知ることができる。
【0041】
一方、図6(c)に示すように、偏芯部材18を図示しないボビン2とは反対側に向けて左回りに回転させた場合、ベアリング7とリミットスイッチ8との間の距離H3は図6(a)に示す距離H1よりも大きくなる(H3>H1)。つまり、ベアリング7の位置が相対的に高い位置(ベアリング7の回転中心7aがボビン2の回転中心2aから遠い状態)に設定される。よって、フィルムFの残径Dfにある程度のゆとりをもって、ロールの交換時期を知ることができる。
【0042】
このように、偏芯部材18の回転を制御することにより、ベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置を調整して、ロールの交換時期となるフィルムFの残径Dfを調整することができる。
【0043】
以上のようなフィルム残径検出装置1によれば、検出部8によってフィルムFの残径Dfを直接的に測定することができる。また、フィルムFの送り出しに従ってベアリング7が回転するので、供給部20からフィルムFが送り出される際にベアリング7がフィルムFの表面に当接した状態が維持される。そのため、フィルムFの送り出しに伴う検出部8の固定位置からボビン2の露出部分2Sまでの距離の変化(フィルムFの残径Dfの減少)が安定する。したがって、検出部8により検出される値が安定した値となる。よって、フィルムFの残径Dfを精度よく検出することが可能なフィルム残径検出装置1を提供することができる。
【0044】
また、偏芯部材18によりベアリング7とリミットスイッチ8との相対位置が調整されるので、適宜ロールの交換時期を早くしたり遅くしたりすることができる。
【0045】
また、検出部8がリミットスイッチであるので、接触式のフィルム残径検出装置1を実現することができる。
【0046】
また、重力の作用により構造体22が第2アーム6の一端部の回転軸(第1アーム5の他端部の回転軸5a)回りに回転するので、供給部20からフィルムFが送り出される際にベアリング7がフィルムFの表面に当接した状態が維持される。よって、制御部10の制御を必要とせずに構造体22が回転するので、フィルムFの残径Dfを精度よく検出することが容易となる。
【0047】
また、演算部9により演算されたフィルムFの残径Dfがある程度の値となったときに、制御部10によりアーム4の回転動作が制御されるので、作業者によらずに自動でフィルム残径検出装置1をセットすることができる。よって、手間をかけずにフィルムFの残径Dfを精度よく検出することができる。
【0048】
なお、本実施形態においては、検出部8としてリミットスイッチを用いた例を挙げて説明したがこれに限らない。例えば、検出部としてレーザー変位センサーを用いることもできる。レーザー変位センサーは、半導体レーザーなどの発光素子と光位置検出素子とを含んで構成されている。レーザー変位センサーは、半導体レーザーから対象物(ボビン2の露出部分2S)に向けてレーザー光が射出されると、対象物で反射された光が光位置検出素子によって受光されるように構成されている。対象物が移動すると、光位置検出素子による受光位置も移動するので、受光位置を検出することで当該レーザー変位センサーの固定位置から測定対象物までの距離を検出できる。
【0049】
検出部としてレーザー変位センサーを用いることにより、非接触式のフィルム残径検出装置を実現することができる。
【0050】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態のフィルム残径検出装置1Aを示す斜視図である。
本実施形態のフィルム残径検出装置1Aは、アーム6Aがボビン2の架台21に回転可能に接続されている点が上記第1実施形態のフィルム残径検出装置1と異なる。なお、フィルム残径検出装置1Aの動作は上記実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0051】
図7に示すように、フィルム残径検出装置1Aは、アームシャフト23と、アームシャフト23に回転可能に接続されたアーム6Aと、ベアリング7と、リミットスイッチ8と、演算部(図示略)と、これらの機構の統括制御を行う制御部(図示略)と、を含んで構成されている。
【0052】
アームシャフト23は、ボビン2の架台21に設けられた支持部材25に固定されている。支持部材25には、アームシャフト23を固定するためのクランプレバー24が設けられている。例えば、クランプレバー24を右回りに回転させるとアームシャフト23がロック(固定)されるようになっている。また、クランプレバー24を左回りに回転させるとアームシャフト23のロックが解除されるようになっている。
【0053】
例えば、作業者が目視によりフィルムFの残径Dfの大まかな値を確認する。フィルムFの残径Dfがある程度の値と確認された場合は、フィルム残径検出装置1Aを架台に取り付け、アームシャフト23をロックする。一方、フィルムFの残径Dfが十分に大きい場合は、アームシャフト23のロックを解除して、フィルム残径検出装置1Aを架台から取り外したりする。
【0054】
図7に示すように、アーム6Aの一端部は回転可能になっている。アーム6Aは、重力が作用することにより回転する。具体的には、アーム6A、ベアリング7、及びリミットスイッチ8からなる構造体22Aの重心がアーム6Aの他端部側に位置しており、当該構造体22Aがアーム6Aの一端部の回転軸回りに回転するようになっている。これにより、ベアリング7がフィルムFの表面に当接した状態が維持される。
【0055】
本実施形態によれば、フィルムFの残径Dfを精度よく検出することが可能なフィルム残径検出装置1Aを簡素な構成で実現することができる。
【0056】
(貼合システム)
図8は、貼合システム100の一例を示す概略構成図である。
図8に示す貼合システム100は、上記実施形態のフィルム残径検出装置1を備える。貼合システム100は、貼合エリアA1において、例えば液晶パネルや有機ELパネル等の貼合対象物に、偏光板や反射防止フィルム、光拡散フィルム等の光学部材を貼合することができる。これにより、貼合システム100は、貼合対象物及び光学部材を含んだデバイスを製造することができる。貼合システム100は、上記のデバイスを製造する製造システムの一部又は全部であってもよい。
【0057】
図8に示す貼合システム100は、フィルムFを搬送しながら、フィルムFをハーフカットすることにより長手方向の複数の位置に切込線を形成し、切込線によって長手方向に区画された複数のシート片を形成することができる。貼合システム100は、複数のシート片と、液晶表示素子の製造ラインの上流から搬送されてくる各液晶パネルPとを貼合エリアA1で貼合することができる。貼合システム100の詳細な説明に先立ち、まずフィルムの構成例及び液晶パネルの構成例について説明する。
【0058】
図9は、液晶パネルPの構成例を示す平面図である。図9には、液晶層の厚み方向から平面視した液晶パネルPが図示されている。図9に示す液晶パネルPは、第1基板P1と、第1基板P1に対向して配置された第2基板P2と、第1基板P1と第2基板P2との間に封入された液晶層P3と、を備える。液晶パネルPは、平面視した液晶層P3の外周の内側に収まる範囲が表示領域P4になっている。
【0059】
図10は、フィルムFの構成例を示す断面図である。本例のフィルムFは、長尺の帯状であり、その長手方向に直交する断面が図10に図示されている。以下の説明では、フィルムFの長手方向を単に長手方向ということがある。
【0060】
図10に示すフィルムFは、光学部材F1と、光学部材F1の一方の面に設けられた粘着層F2と、粘着層F2を介して光学部材F1と分離可能に積層されたセパレータF3と、光学部材F1の他方の面に設けられた表面保護フィルムF4とを有する。
本例のフィルムFの光学部材F1は、偏光板として機能し、液晶パネルPの表示領域P4の全域とその周辺領域とにわたって、貼合される。
【0061】
光学部材F1は、当該光学部材F1の表面に粘着層F2を残しつつ粘着層F2からセパレータF3が分離された状態で、貼合対象物に粘着層F2を介して貼合される。セパレータF3は、粘着層F2から分離されるまでの間に、粘着層F2及び光学部材F1を保護している。表面保護フィルムF4は、光学部材F1とともに貼合対象物に貼合されて、光学部材F1に対して貼合対象物とは反対側に配置される。本例の表面保護フィルムF4は、適宜選択されるタイミングで光学部材F1から分離される。表面保護フィルムF4は、光学部材F1から分離されるまでの間に、光学部材F1を保護する。
【0062】
なお、光学部材F1は、表面保護フィルムF4を含んでいなくてもよい。また、表面保護フィルムF4は、光学部材F1から分離されなくてもよい。以下の説明において、フィルムFからセパレータF3を除いた部分を貼合フィルムF5ということがある。
【0063】
光学部材F1は、偏光子F6と、偏光子F6の一方の面に接着剤等で接合された第1フィルムF7と、偏光子F6の他方の面に接着剤等で接合された第2フィルムF8とを有する。第1フィルムF7と第2フィルムF8は、例えば、偏光子F6を保護する保護フィルムである。この保護フィルムの具体例としては、トリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等が挙げられる。
【0064】
なお、光学部材F1は、1層の光学層からなる単層構造でもよく、複数の光学層が互いに積層された積層構造でもよい。光学層は、上記の偏光子F6の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよい。第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、液晶表示素子の最外面を保護するハードコート処理やアンチグレア処理を含む防眩などの効果が得られる表面処理が施されていてもよい。また、第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、設けられていなくてもよい。例えば、フィルムFは、第1フィルムF7が省略されており、セパレータF3が光学部材F1の一方の面に粘着層F2を介して貼り合わされている構造でもよい。
【0065】
次に、本実施形態の貼合システム100について、詳しく説明する。
貼合システム100は、フィルムFが巻回されたロール103からフィルムFを繰り出して、フィルムFのうちの少なくともセパレータF3を長手方向に搬送可能な搬送装置101を備える。搬送装置101は、セパレータF3をキャリアとして、貼合フィルムF5をセパレータF3とともに搬送する。
【0066】
搬送装置101は、セパレータF3の搬送経路(以下、単に搬送経路という)の始点に相当する供給部102と、搬送経路の終点に相当する巻取機104と、供給部102と巻取機104との間にセパレータF3の搬送経路を形成する複数のローラと、複数のローラの少なくとも1つに設けられた測長器105とを備える。以下の説明において、搬送経路上の任意の位置に対して、搬送経路の始点(供給部102)へ近づく側を上流側、搬送経路の終点(巻取機104)へ近づく側を下流側という。
【0067】
本実施形態の貼合システム100は、搬送経路に配置されて搬送中のフィルムFに対して処理を施す複数の装置を備える。貼合システム100は、供給部102よりも搬送経路の下流に配置されてフィルムFにハーフカットを施す切断装置106と、貼合エリアA1に配置された貼合装置107と、貼合システム100の各部を制御する制御装置108と、を備える。
【0068】
搬送装置101の供給部102は、ロール103を保持して回転させることができ、ロール103から搬送経路へフィルムFを繰り出す繰出機によって構成されている。巻取機104は、光学部材F1がセパレータF3と分離されている場合に、ほぼセパレータF3のみを回収する。
【0069】
複数のローラは、フィルムFのうちの少なくともセパレータF3が掛け渡されることによって、搬送経路を形成する。複数のローラは、搬送中のフィルムFの進行方向を変化させるローラや搬送中のフィルムFのテンションを調整可能なローラ等から選択されるローラによって構成されている。
【0070】
測長器105は、測長器105が取り付けられたローラの回転角及び外周の長さに基づいて、フィルムFが搬送された距離(搬送距離)を測定することができる。測長器105の測定結果は、制御装置108へ出力される。制御装置108は、測長器105の測定結果に基づいて、フィルムFが搬送されている間の任意の時刻にフィルムFの長手方向の各点が搬送経路上のいずれの位置に存在しているかを示すシート位置情報を生成する。
【0071】
切断装置106は、フィルムFの長手方向と直交する幅方向の全幅にわたって、フィルムFの厚み方向の一部を幅方向にわたって切断(ハーフカットと呼ばれることもある)することができる。
【0072】
本実施形態の貼合システム100は、貼合フィルムF5と貼合する液晶パネルPを貼合エリアA1へ搬送可能なパネル搬送装置109を備える。パネル搬送装置109は、液晶パネルPを保持可能なパネル保持部110と、貼合システム100へ液晶パネルPが搬入される搬入エリアから貼合エリアA1までパネル保持部110を移動可能なパネル移動部111と、貼合エリアA1にて液晶パネルPを所定の方向に送ることが可能なコンベアー112とを備える。
本実施形態において、パネル搬送装置109の各部は、制御装置108に動作タイミング等が制御される。
【0073】
パネル保持部110は、液晶表示素子の製造ラインの上流からコンベアー112等によって搬入エリアへ運ばれた液晶パネルPを、制御装置108により制御されて、真空吸着等によって着脱可能に保持する。パネル移動部111は、コンベアー112に対してパネル保持部110を垂直方向及び水平方向に移動可能である。パネル移動部111は、パネル保持部110に液晶パネルPが保持されている状態で、パネル保持部110を搬入エリアから貼合エリアA1まで移動し、実質的に液晶パネルPを貼合エリアA1まで移動することができる。
【0074】
パネル保持部110は、制御装置108に制御されて、貼合エリアA1にて液晶パネルPの吸着を解除し、液晶パネルPをコンベアー112へ受け渡すことができる。コンベアー112は、貼合エリアA1まで運ばれた液晶パネルPと、貼合エリアA1まで運ばれて液晶パネルPと貼合される貼合フィルムF5とを互いに位置合わせするように、貼合装置107に液晶パネルPを供給することができる。パネル移動部111及びコンベアー112は、切断装置106によって形成されたシート片が貼合エリアA1に運ばれてくるタイミングで液晶パネルPが貼合エリアA1に到着するように、制御装置108により制御される。
【0075】
本実施形態の回収機構112は、搬送経路に配置された先端部を有するナイフエッジ113と、搬送装置101を構成する複数のローラの1つであるガイドローラ114と、巻取機104と、搬送装置101を構成する複数のローラのうちでガイドローラ114から巻取機104までの搬送経路に配置されるローラと、を含んで構成されている。
【0076】
本実施形態において、回収機構112まで搬送されたフィルムFは、ナイフエッジ113の先端部へ向って搬送される。セパレータF3は、先端部とガイドローラ114とに掛け渡されて、回収機構112によって搬送されることにより、ナイフエッジ113の先端部を支点として屈曲する。一方、貼合フィルムF5は、貼合エリアA1に向けて進行する。これにより、セパレータF3は、長手方向における搬送経路の下流側から上流側へ向って順に貼合フィルムF5から分離する。このようにして、分離処理が実行される。貼合フィルムF5と分離されたセパレータF3は、ガイドローラ114を介して巻取機104へ巻き取られて回収される。このようにして、セパレータ回収処理が実行される。
【0077】
本実施形態の貼合装置107は、ナイフエッジ113の先端部においてセパレータF3から分離した光学部材(貼合フィルムF5)を貼合対象物に貼合する貼合処理を、実行することができる。
【0078】
本実施形態の貼合装置107は、1対の貼合ローラを備える。1対の貼合ローラは、互いの回転軸がほぼ平行になるように、配置されている。本実施形態の1対の貼合ローラは、互いに離間する方向に移動可能に設けられている。
【0079】
1対の貼合ローラは、貼合処理が実行されるときに、貼合エリアA1の近傍に配置される。貼合エリアA1へ搬送された液晶パネルPは、1対の貼合ローラの間に、コンベアー112によって搬送される。
【0080】
互いに貼合される液晶パネルP及び貼合フィルムF5は、貼合後に互いに接触するそれぞれの面が互いに平行かつ1対の貼合ローラの回転軸に対して平行になるように、1対の貼合ローラの間に運ばれる。1対の貼合ローラは、液晶パネルP及び貼合フィルムF5を、挟み込んで互いに押し合せて貼合する。貼合フィルムF5と貼合された液晶パネルPは、液晶表示素子の製造ラインの下流へ搬送される。このようにして、貼合処理が実行される。
【0081】
本実施形態によれば、上記実施形態のフィルム残径検出装置1を備えているので、フィルムFの残径Dfを精度よく検出することが可能な搬送装置101を提供することができる。また、フィルムFの残径Dfを精度よく検出することが可能な貼合システム100を提供することができる。
【0082】
なお、本実施形態においては、搬送装置が、フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、供給部にフィルムよりも残径が大きい新フィルムを継ぐフィルム継ぎ部を備えた構成を採用することもできる。フィルム継ぎ部は、フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、制御装置により新フィルムを継ぐ動作が制御される。例えば、フィルム継ぎ部としては、ターレット式のアンリール機などのオートスプライサーを用いることができる。
【0083】
図11は、フィルム継ぎ部200の一例を示す模式図である。図11(a)はフィルム継ぎ前の状態を示す図であり、図11(b)はフィルム継ぎ後の状態を示す図である。
図11(a)に示すように、フィルム継ぎ部200は、二本のアームが交差して形成された旋回アームを有している。当該旋回アームを構成するアームの一端部には、残量が残り少なくなったフィルム201(以下、旧フィルムという)が取り付けられている。一方、当該旋回アームを構成するアームの他端部には、未使用の新フィルム202が取り付けられている。
図11(b)に示すように、フィルム継ぎ部200は、旧フィルム201の残径が所定の値まで小さくなったときに、制御装置により旋回アームの旋回動作が制御される。当該旋回アームの旋回動作により、新フィルム202を継ぐ動作が行われる。
【0084】
この構成によれば、旧フィルム201の残径が所定の値まで小さくなったときに、作業者によらずに自動で新フィルム202をセットすることができる。よって、手間をかけずにフィルム継ぎを行うことができる。
【0085】
図12は、図11とは異なるフィルム継ぎ部を備えた製造システム300の一例を示す模式図である。
図12に示すように、製造システム300は、第1巻出部301、第2巻出部311、第1フィルム継ぎ部303、第2フィルム継ぎ部313、及び搬送機構312を備えている。
【0086】
第1巻出部301及び第2巻出部311は、フィルム310,320のロールをそれぞれ保持する装置であり、フィルム310,320に加えられる張力を調整可能な構成となっている。第1巻出部301から巻き出されたフィルム310は、各ガイドロールを介してライン側に送られる。第2巻出部311から巻き出されるフィルム320についても同様である。
【0087】
第1巻出部301及び第2巻出部311は、並設されている。第1巻出部301及び第2巻出部311は、フィルム310,320の巻芯301a,311aの長手方向(水平方向)にそれぞれ移動可能になっている。言い換えると、第1巻出部301は、フィルム310の幅方向に移動可能であり、第2巻出部311は、フィルム320の幅方向に移動可能な構造となっている。
【0088】
このような構成により、フィルムを交換する場合、上記水平方向に移動された巻出部に新たなフィルムのロールを設置することができる。第1巻出部301及び第2巻出部311が水平方向に移動するため、第1巻出部301及び第2巻出部311と搬送機構312との間に、第1巻出部301及び第2巻出部311の移動スペースを必要としない。その結果、第1巻出部301及び第2巻出部311と搬送機構312との間の空間を小さくすることができる。
【0089】
図13は、製造システム300におけるフィルム継ぎ動作を説明するための図である。
図13(a)に示すように、フィルム310の残量が減少した場合、フィルム310の搬送を止める。その後、吸着部304,304a及び切断貼合部305をフィルム310に対して垂直方向に移動させる。その後、吸着部304,304aによってフィルム310を吸着固定する。この際、切断貼合部305では、切断支持面305aがフィルム310に接触している。
【0090】
その後、図13(b)に示すように、フィルム310を切断する。切断後、切断貼合部305をフィルム310から離間させ、時計回りに1/3周回転させ、フィルム310に向けて移動させる。これにより、図13(c)に示すように、フィルム310の切断線を覆うように貼合面305bの粘着テープ(図示略)を貼り合わせる。
【0091】
さらに、フィルム320に対しても、フィルム310と同様に、フィルム320の切断線を覆うように貼合面315bの粘着テープ(図示略)を貼り合わせる(図13(d)及び(e)参照)。
【0092】
次に、図13(f)に示すように、吸着部304,304a及び切断貼合部305を吸着部314,314a及び切断貼合部315に近接させ、フィルム310の切断面及びフィルム320の切断面どうしを合わせる。フィルム310,320の切断線を覆う粘着テープのうち、切断線を越えた部分(フィルム310,320に貼合していない部分)が、他方のフィルム320,310に貼合することにより、フィルム310,320が連結される。
【0093】
その後、図13(g)に示すように、切断貼合部305をフィルム310から離間させ、反時計回りに1/3周回転させ、フィルム310に向けて移動させる。一方、切断貼合部315をフィルム320から離間させ、時計回りに1/3周回転させ、フィルム320に向けて移動させる。
【0094】
最後に、吸着部304,304a及び切断貼合部305を図13(a)の位置に戻し、一連の工程が終了する。このようにして、図13(h)に示すように、フィルム310,320を連結することができる。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0096】
1…フィルム残径検出装置、2…ボビン(芯材)、2S…露出部分、4,6A…アーム(基体)、7…ベアリング(回転体)、7…ベアリング(回転体)の回転中心、8…検出部、10…制御部、18…偏芯部材、18a…偏芯部材の回転中心、20,102…供給部、22,22A…構造体、100…貼合システム、101…搬送装置、105…測長器、107…貼合装置、200…フィルム継ぎ部、Df…フィルムの残径、F…フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材に巻かれた帯状のフィルムの残径を検出するフィルム残径検出装置であって、
基体と、
前記基体に回転可能に接続され、前記フィルムの表面に当接して前記フィルムの送り出しに従って回転する回転体と、
前記基体に固定され、当該固定位置から前記芯材の前記フィルムから露出した部分までの距離を検出する検出部と、
を備えたことを特徴とするフィルム残径検出装置。
【請求項2】
前記基体の前記回転体が接続された部分には偏芯部材が設けられ、前記偏芯部材を介して前記回転体が前記基体に接続されており、前記偏芯部材の回転中心と前記回転体の回転中心とは異なる位置に配置されており、前記偏芯部材を回転させることにより、前記回転体の配置位置が調整されることを特徴とする請求項1に記載のフィルム残径検出装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、前記芯材の前記フィルムから露出した部分に当接して接触を検知するリミットスイッチであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム残径検出装置。
【請求項4】
前記検出部はレーザー変位センサーであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム残径検出装置。
【請求項5】
前記基体の一端部は回転可能になっており、
前記基体の他端部には前記回転体が配置され、前記基体、前記回転体、及び前記検出部からなる構造体の重心が前記基体の他端部側に位置し、
当該構造体が前記基体の一端部の回転軸回りに回転することにより、前記回転体が前記フィルムの表面に当接した状態が維持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム残径検出装置。
【請求項6】
芯材に巻かれた帯状のフィルムを巻き出して供給する供給部と、
前記芯材に巻かれた帯状のフィルムの残径を検出する請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム残径検出装置と、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記供給部から供給される前記フィルムの搬送経路に設けられた、前記フィルムの送り出し量を測定する測長器と、
前記測長器の測定結果に基づいて、前記フィルムの残径が所定の値となったときに、前記回転体が前記フィルムの表面に当接するように前記基体の回転動作を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記フィルムの残径が所定の値まで小さくなったときに、前記供給部に前記フィルムよりも残径が大きい新フィルムを継ぐフィルム継ぎ部を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の搬送装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の搬送装置と、
前記供給部から供給された前記フィルムを貼合対象物に貼合する貼合装置と、
を備えたことを特徴とする貼合システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−6664(P2013−6664A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140510(P2011−140510)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】