説明

フィルム継ぎ装置

【課題】 装置をコンパクトに構成しつつ、余剰フィルム用の切断手段を不要とし、余剰フィルムを減少させることのできるようにすること
【解決手段】 シール装置17と、フィルム押し込み装置20とを対向配置させ、その間に供給用と予備用の帯状フィルムを位置させる。第2カッター装置12にて供給用の帯状フィルム8bの所定位置を横方向に横断するようにカットした後、帯状フィルム8bを所定距離だけ搬送した後、第2フィルム抑え装置16で帯状フィルムを抑える。また、予備用の帯状フィルム8aを第1フィルム抑え装置13にて固定する。この状態で、押し込み板24により両帯状フィルムをシーラ17a,17b間に押し込むと、両帯状フィルムの先端がシーラに取付けられた吸引装置18,19に対向し、吸引保持される。そして、一対のシーラで帯状フィルムを挟み込むと、シールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に実装される包装用フィルム(帯状フィルム)を接続するフィルム継ぎ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、自動包装機は、フィルム供給装置から連続して供給される帯状の包装フィルムを用いて被包装物を包み込み、所定位置をシール・カットして包装体を製造する。
【0003】
このフィルム供給装置は、包装フィルムをロール状に巻き取った原反ロールを回転自在に支持し、その原反ロールから包装フィルムを繰り出して包装機本体側に供給する。当然のことながら、1本の原反ロールからの包装フィルムの供給は有限であり、巻き取られている包装フィルムがすべて繰り出された場合には、別の原反ロールから包装フィルムを供給することになるが、この切り替えを自動的に行うフィルム継ぎ装置(「フィルムスプライサー」と称されることもある)がある。このフィルム継ぎ装置は、複数(通常は2本)の原反ロールをそれぞれ回転自在に支持する。そして、一方の原反ロールからの包装フィルム(A)の終端部位に、他方の原反ロールの包装フィルム(B)の先端を接続することで、包装フィルム(B)は包装フィルム(A)に続いて連続して包装機本体側に供給されることになる。
【0004】
この係る2つの包装フィルム(A),(B)の接続は、通常、両包装フィルム(A),(B)の端部同士を重ねた状態で接着テープを用いて行うことが多いが、たとえば特許文献1に開示されたフィルム継ぎ装置のように、ヒートシール方式により両包装フィルム同士を溶着して一体化するものもある。このヒートシール式のフィルム継ぎ装置は、自動包装機からのフィルム継ぎの指示を受けるとすると、最初に、走行中の包装フィルムを停止し、終端切断手段によって、停止した包装フィルムに対して終端部分を形成すると共に、形成された終端部分を切り離し、その後、シール手段によって、切り離された包装フィルムの終端部分と待機中の包装フィルムの始端部分を合掌状に重ね合わせると共に溶着し、溶着された待機中の包装フィルムを自動包装機に送り出すために走行開始するようになっている。
【0005】
特許文献1に開示された基本構成のフィルム継ぎ装置は、余剰フィルムを切断するための切断手段が必要であり、また切断したフィルムはゴミとなり、回収を行う必要がある。そこで、特許文献1では、フィルム継ぎ機構のフィルム接合機構の配設位置をできるだけ正面視左側にして、このフィルム接合機構内に押し込められた現用側フィルム終端部分と予備側フィルム始端部分に施すヒートシール位置をできるだけ最端部になるように構成したフィルム継ぎ装置を挙げている。このように構成した結果、余剰シール端部が最小状態になり、この余剰シール端部を切り離して破棄する必要がなくなる。即ち、フィルム接合機構内に配設されている余剰カッター用エアーシリンダや余剰カッター刃等の部材並びに駆動制御が不要となり、構成の単純化並びにコスト削減が図れるとしている。
【特許文献1】特開2008−1429
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたフィルム継ぎ機構では、フィルム接合機構の配設位置をできるだけ正面視左側にすることにより切断手段等は不要となるが、押し込み板のストロークが大きくなり、装置が大型化してしまうという新たな問題が起こる。
【0007】
本発明は、装置を大型化することなく、余剰フィルム用の切断手段を不要とし、余剰フィルムを減少させることのできるフィルム継ぎ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明に係るフィルム継ぎ装置は、(1)原反ロールを支持するための第1支持部及び第2支持部と、前記第1支持部に装着される原反ロールから繰り出される第1帯状フィルムの搬送経路の途中に配置され、その第1帯状フィルムを横方向にカットする第1カッター装置と、前記第2支持部に装着される原反ロールから繰り出される第2帯状フィルムの搬送経路の途中に配置され、その帯状フィルムを横方向にカットする第2カッター装置と、前記第2カッター装置の下方に配置され、前記第1支持部並びに前記第2支持部にそれぞれ装着される原反フィルムから繰り出される第1,第2帯状フィルムの端部同士をシールする上下一対のシーラを備えたシール装置と、前記上下一対のシーラのそれぞれに取り付けられ、前記第1帯状フィルムあるいは第2帯状フィルムの端部を吸引保持する吸引装置と、前記第1帯状フィルムを挟んで前記シール装置と反対側に配置され、その第1帯状フィルムを前記上下一対のシーラの間に押し込む押し込み板を備えたフィルム押し込み装置と、前記シール地点よりも下流側であって、前記第1フィルムあるいは前記第2フィルムを抑え、搬送を一時停止するフィルム抑え装置(実施形態の“第2フィルム抑え装置16“に対応)と、を備え、前記第2帯状フィルムが包装機本体へ供給されている場合において、前記第2カッター装置にて前記第2帯状フィルムをカットした後、当該第2帯状フィルムを一定距離搬送させた後、前記フィルム抑え装置にて第2帯状フィルムを抑えるとともに、前記押し込む板にて前記第1帯状フィルムと第2帯状フィルムを押し込むように制御する手段を備えるようにした。
【0009】
第1,第2回転支持軸は、実施形態では第1,第2回転支持軸に対応する。実施形態では、それぞれ1本の回転軸に原反ロールを挿入して装着するようにしたが、たとえば平行に配置した2本の回転軸の上に原反ロールを置くなど、各種の機構・構造を採ることができる。また、実施形態では、包装機本体側にシール装置が位置する構成としたが、それとは逆に包装機本体側にフィルム押し込み装置を配置する構成としても良い。
【0010】
実施形態のように、帯状フィルムの搬送をフィードローラを用いるフィードローラ駆動式の包装機に適用する場合には、前記第1帯状フィルムの搬送経路上であって、前記シール装置による前記第1,第2帯状フィルムの端部同士をシールするシール地点よりも上流側に配置され、前記第1帯状フィルムを抑えて一時的に固定する第1フィルム抑え装置13を設けると良い。また、原反ロールに直接駆動モータの動力を連結する原反駆動式の包装機に適用する場合には、係る第1フィルム抑え装置は無くても良い。
【0011】
包装機本体側への帯状フィルムの供給が第2帯状フィルムであり、第1帯状フィルムは予備用として待機している場合、第1帯状フィルムの先端を繰り出し、シール装置とフィルム押し込み装置との間の空間に所定長さだけ垂れ下げておく。この所定長さは、フィルム押し込み装置にて第1帯状フィルムをシール装置内に押し込んだ際に、その第1帯状フィルムの先端がシーラから少しはみ出る位置(そのシーラに取り付けられた吸引装置に対向する位置)とするのが好ましい。そして、第2帯状フィルムの残りが、少なくなり、設定された長さ以下になった場合には、第2カッター装置にて第2帯状フィルムを横方向にカットする。この状態では、フィルム抑え装置は作動(帯状フィルムの固定)はせず、たとえば、そのまま包装機本体への供給を続けることで、第2カッター装置におけるカット後も第2帯状フィルムの搬送を継続し、そのカットした先端(後端)位置をさらに前進移動させる。なお、この搬送は、包装機本体への供給と連動させても良いし、包装機本体側への供給を一時停止した状態で第2帯状フィルムの搬送を行うようにしてもよい。そして、所定距離だけ搬送したならば、フィルム抑え装置を作動させ、その位置において第2帯状フィルムを抑えて固定する。なお、この状態でも、フィルム抑え装置から第2帯状フィルムの先端まではフリーとなっているので、そのフリーな部分での第2帯状フィルムの移動は可能である。また、適宜なタイミングで第1帯状フィルムの原反ロールからの繰り出しを固定する。この固定は、上述したように、フィードローラ駆動方式により第1フィルム抑え装置が存在する場合にはその第1フィルム抑え装置も作動させ、その設置位置において第1帯状フィルムを固定することになるし、原反駆動式の場合には原反ロールの駆動を停止することで行う。また、フィードローラ駆動式において、原反ロール(或いはそれを指示する回転軸等)に対してブレーキを掛ける制動装置を設け、原反ロールの回転自体を抑止することで、帯状フィルムの繰り出しを固定することもできる。もちろん、他の方式もとれる。この固定により、原反ロールからの第1帯状フィルムの繰り出しは抑制される。この第1帯状フィルムも、固定された部分(実施形態では第1フィルム抑え装置の設置位置)から第1帯状フィルムの先端まではフリーとなっているので、そのフリーな部分での移動は可能である。また、この状態では、シール装置とフィルム押し込み装置との間の空間内に、第1,第2帯状フィルムが、上下方向に延びるように位置するとともに、互いに重なるようにして存在している。
【0012】
次いで、フィルム押し込み装置を作動させ、押し込み板をシール装置に向けて移動させる。これにより、その押し込み板の先端が、第1,第2帯状フィルムをシール装置に向けて押し込む。すると、第1,第2帯状フィルムは、適宜位置がフィルム抑え装置にて固定されているので、その固定位置から先端までのフリーな部分が押し込み処理に追従してシール装置側に移動し、最終的に各先端部分は上下のシーラ間の空間内に位置する。そして、押し込まれた第1,第2帯状フィルムの先端は、それぞれ上下のシーラに取り付けられた吸引装置に吸引保持される。また、第2帯状フィルムをカット後に所定距離だけ移動させたことで、押し込み板の移動ストロークを短くしたとしても、この押し込み処理完了後の第2帯状フィルムの先端は、シーラから少し突出して吸引装置19の吸引部分に対向することになり、余剰のフィルムを短くすることができる。
【0013】
その後、押し込み板は後退移動するが、第1,第2帯状フィルムはその先端が吸引装置にて吸引保持されているので、その状態を維持する。そして、その第1,第2帯状フィルムは、上下のシーラにて挟み込まれてシールされ、接続・一体化される。そして、上下のシーラが離反すると共に、フィルム抑え装置等による第1,第2帯状フィルムへの固定を解除すると、先行する第2帯状フィルムが搬送されて包装機本体側への供給がされると、それに続く第1帯状フィルムも第2帯状フィルムとともに搬送され、その後、第1帯状フィルムによる包装機本体側への供給へ移行する。
【0014】
一方、第1帯状フィルムが包装機本体側へ供給されている場合において、その第1帯状フィルムの後端に第2帯状フィルムの先端を接続して切り替える場合には、以下のようにして行うことができる。上記構成では、シール装置とフィルム押し込み装置との間の空間に上下にまっすぐに配置された第1,第2帯状フィルムは、第1帯状フィルムが第2帯状フィルムよりもフィルム押し込み装置側に位置しているので、第1帯状フィルムによる包装機本体側へのフィルム供給中であっても、第2帯状フィルムを繰り出しその先端を上側のシーラに取り付けられた吸引装置に吸着させることができる。従って、たとえば、係る準備を予め行っておき、第1帯状フィルムの残量が少なくなったならば、所定のタイミングで第1カッター装置にて第1帯状フィルムをカットする。その後、第1帯状フィルムを所定距離だけ搬送したならばフィルム抑え装置にて第1帯状フィルムを押さえ込んで固定し、それ以上の搬送を抑止する。
【0015】
次いで、フィルム押し込み装置を作動させ、押し込み板にて第1帯状フィルムを上下のシーラ間の空間内に押し込み、その先端を下側のシーラに取り付けられた吸引装置に吸引保持させる。
【0016】
その後、押し込み板は後退移動するが、第1,第2帯状フィルムはその先端が吸引装置にて吸引保持されているので、その状態を維持する。そして、その第1,第2帯状フィルムは、上下のシーラにて挟み込まれてシールされ、接続・一体化される。そして、上下のシーラが離反すると共に、フィルム抑え装置等による第1,第2帯状フィルムへの固定を解除すると、先行する第1帯状フィルムが搬送されて包装機本体側への供給がされると、それに続く第2帯状フィルムも第1帯状フィルムとともに搬送され、その後、第2帯状フィルムによる包装機本体側への供給へ移行する。
【0017】
このように、シール装置とフィルム押し込み装置とを適宜の配置とすることで、フィードローラ駆動式であっても第2帯状フィルムの搬送経路上に第1フィルム抑え装置に対応するものを特に設けなくても第1帯状フィルムから第2帯状フィルムへの切り替えも行うことができ、装置構成が簡略化する。もちろん、フィードローラ駆動式において第1フィルム抑え装置に相当するものを第2帯状フィルムの搬送経路の所定位置に設置することで、第2帯状フィルムから第1帯状フィルムへの切り替えと同様の手順により第1帯状フィルムから第2帯状フィルムへの切り替えを行うこともでき、本発明は係る構成を排除するものではない。
【0018】
(2)前記第1帯状フィルムと前記第2帯状フィルムは、一定距離離した状態で前記シール装置と前記フィルム押し込み装置との間に位置させ、その状態で前記押し込み板が前記第1帯状フィルムと前記第2帯状フィルムを前記シール装置に向けて押し込むように動作するように構成すると良い。このようにすると、両帯状フィルムの接触面積が小さくなり、両者間での摩擦抵抗が小さく、スムーズにシール装置(シーラ間)内へ押し込むことができる。
【0019】
(3)前記押し込み板の上面の先端より一段奥側に、フィルムガイドを設けと好ましい。上下のシーラ間の離反距離を大きくすると、そのシーラ間の空間内に押し込む際の帯状フィルムの供給を斜めにすることができ、しかも供給角度を大きくすることができる。そして、第1,第2帯状フィルムのそれぞれの供給角度を異ならせると、押し込み完了の最終工程付近まで両帯状フィルム同士の接触面積を小さくすることができ、最後まで摩擦抵抗を小さくすることができるので好ましい。しかし、そのようにシーラ間の間隔を大きくとると、特に、上側のシーラに対向する帯状フィルムの先端と、吸引装置との間隔も広くなり、スムーズに吸引保持されなくなる恐れもある。そこで、フィルムガイドを設け、そのフィルムガイドにより帯状フィルムを上方に持ち上げることで吸引装置との距離を短くし、スムーズに吸引保持させることができるようになる。
【0020】
(4)前記上下一対のシーラ間は、前記押し込み板で前記第1,第2帯状フィルムを挿入した際に、その帯状フィルムが前記シーラに触れないように構成するとよい。このようにすると、帯状フィルムがシーラ間の空間内に押し込まれる際に、シーラからの接触抵抗を受けず、スムーズに挿入されるので好ましい。係る処理を行うために、適宜位置にガイドを設け、挿入角度を制御すると良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、装置をコンパクトにすることができるとともに、余剰フィルム用の切断手段を不要とし、余剰フィルムを減少させることのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1,図2は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施形態のフィルム継ぎ装置は、原反ロールを支持する第1,第2回転支持軸1,2を備える。この第1,第2回転支持軸1,2は、所定の間隔を置いて平行に配置され、機枠等に対して軸受けにより回転自在に片持ち支持されている。それぞれの回転支持軸1,2には、原反ロール3,4が装着される。各原反ロール3,4は、第1,第2回転支持軸1,2に対して公知の連結機構により固定されそれぞれの回転支持軸1,2と一体になって回転する。これら第1,第2回転支持軸1,2に装着された原反ロール3,4は、いずれか一方が包装機本体へ帯状フィルムを要求するために使用され、他方が予備用となる。この予備用の原反ロールは、先行して現在供給している帯状フィルムがなくなった場合に、それに連続して供給することになる。このようにして、両原反ロールは、交互に包装機本体に対して帯状フィルムを供給するものとなる。なお、第1回転支持軸1に取り付けた原反ロール3と、第2回転支持軸2に取り付けた原反ロール4のいずれを最初に包装機本体に供給するものとするかは任意である。
【0023】
さらに、第1,第2回転支持軸1,2の近傍には、原反ロールの外径を測定するための外径測定装置5が設けられる。この外径測定装置5は、第1,第2回転支持軸1,2間の所定位置に配置された回転軸5aを回転中心として生逆回転可能なアーム5bの先端に接触ローラ5cを備えた構成を採る。この接触ローラ5cが、原反ロール3,4の表面に接触する。これにより、原反ロール3,4の外径が小さくなるにつれて、接触ローラ5cの位置も下降移動し、アーム5bも起立状態から徐々に倒れていき、水平状態に近づく。そのアーム5bの角度(たとえば水平方向とのなす角)から、原反ロールの外径を求めることができ、その外径が所定の閾値以下になると原反ロールから帯状フィルムがすべて引き出された(引き出させる直前である)ことがわかる。そして、フィルム継ぎ装置は、この外径測定装置5の出力に基づいて現在帯状フィルムを供給している原反ロールのフィルム切れを検知し、予備用の原反ロールからの帯状フィルムの供給に切り替える処理を行う機能を備える。
【0024】
一方、第1,第2回転支持軸1,2の下方空間には、それぞれの原反ロール3,4から引き出された帯状フィルム8を掛け渡し、所定の経路で搬送するための複数のローラが配置される。具体的には、原反ロール3,4の直下にテンションローラ6を配置し、このテンションローラ6にて引き出された帯状フィルム8に対して一定のテンションを与え、ピンと張った状態にする。このテンションローラ6の下流側には、複数のフリーローラ7を配置する。このフリーローラ7は、フリー状態で自転可能となり、帯状フィルム8の搬送をガイドする。さらに、帯状フィルム8の搬送経路の下流側には、ダンサローラ9,フィードローラ10を順次配置している。
【0025】
ダンサローラ9は、斜めに配置されたガイドレール9aに沿って昇降移動可能となっており、帯状フィルム8のたるみを吸収する。つまり、ダンサローラ9は、バネ等により下方に付勢されており、図示のようにダンサローラ9が下端位置に位置した場合には、帯状フィルム8は、そのダンサローラ9の部分で大きく迂回することになるので帯状フィルム8の搬送経路が最も長くなる。よって、図示の状態から、原反ロール3からの帯状フィルムの供給(引き出し)が停止(一時停止)された場合には、ダンサローラ9が上昇移動することで、大きく迂回させていた帯状フィルム部分から包装機本体側へのフィルム供給をするようになる。
【0026】
フィードローラ10は、図示省略する駆動モータに連携され、回転することで帯状フィルム8に対し、前方への搬送力を与える。これにより、フィードローラ10が連続して回転すると、帯状フィルム8は連続して原反ロール3(4)から引き出されて包装機本体側に供給され、フィードローラ10の回転が停止されると、帯状フィルム8の原反ロール3(4)からの引き出しが停止される。
【0027】
一方、第1回転支持軸1に装着された原反ロール3から引き出された帯状フィルム8の搬送経路の途中に、第1カッター装置11を設け、第2回転支持軸2に装着された原反ロール4から引き出された帯状フィルム8の搬送経路の途中に、第2カッター装置12を設けた。これら第1カッター装置11並びに第2カッター装置12は、ともに、原反ロール3,4から引き出された帯状フィルム8を横方向にカットするもので、ロータリーカッターから構成される。このカッター装置11でカットされた部分が、現在包装機本体側に供給されている帯状フィルム8の終端部位となり、このようにカッター装置11でカットすることで、進行方向に対して直交するようにきれいにカットできると共に、その終端位置を認識することができる(カットしたタイミングと、フィードローラ10の回転量等から、現在の終端位置を求めることができる)。
【0028】
第1カッター装置11の下流側直近位置には、第1フィルム抑え装置13を配置している。この第1フィルム抑え装置13は、各種のシリンダ13aと、受け板部13bとから構成され、シリンダ13aのシリンダロッドが突出することでそのシリンダロッドの先端と受け板部13bにて帯状フィルム8を上下から挟み込むことで帯状フィルム8を押さえ込み、移動を停止する。また、第1カッター装置11の上流側・下流側の帯状フィルム8の搬送経路上や、第2カッター装置12の下流側の帯状フィルム8の搬送経路上には、フィルム抑えブラシ14,15が配置され、帯状フィルム8の浮き上がり等を抑制している。
【0029】
一方、第2カッター装置12の下方所定位置には、シール装置17が配置されている。このシール装置17は、それぞれ同期して昇降移動する上側シーラ17aと下側シーラ17bとを備えている。それら上側,下側シーラ17a,17bは、待機状態では、上下に大きく離反し、両者の対向するシール面間には、大きな空間が空くようになり、シール処理時に互いに接近移動し、対向するシール面同士が接触して両原反ロール3,4からそれぞれ引き出された2枚の帯状フィルム8同士を熱シールするようになっている。このシーラは、ヒートシーラであり、短時間で熱シールすることができる。
【0030】
さらにこのシール装置17の側面(帯状フィルム8の搬送経路と反対側)には、吸引装置18,19が配置されている。つまり、上側シーラ17aには、上側吸引装置18が取り付けられ、下側シーラ17bには下側吸引装置19が取り付けられている。各吸引装置18,19は、それぞれ取り付けられたシーラ17a,17bと一体になって昇降移動する。さらに、吸引装置18,19の吸着面は、各シーラ17a,17bのシール面とほぼ面一に設定している。そして、上側吸引装置18は、予備側の原反ロールから引き出された帯状フィルム8の先端部位を吸引保持し、下側吸引装置19は、現在包装機本体側に供給されている帯状フィルム8の後端部位を吸引保持する。よって、このようにそれぞれの帯状フィルム8の端部同士が、それぞれの吸引装置18,19で保持された状態で上側シーラ17a,下側シーラ17bが互いに接近移動して両帯状フィルム8を挟み込むことでシールされる。このとき、帯状フィルム8の先端同士は、両吸引装置18,19にて吸引されているので、上側シーラ17aと下側シーラ17bが互いに接近する際には、共にピンと張った状態のまま接近し、接触する。よって、きれいに熱シールされる。
【0031】
さらに、第1カッター装置11の下方には、上記のシール装置17と対向してフィルム押し込み装置20が配置されている。このフィルム押し込み装置20は、上側シーラ17a,下側シーラ17のシール方向と直交する方向に伸びるように配置された、ガイドレール21と、このガイドレール21上を往復移動するスライダ22と、スライダ22の上面に固定されたブロック23を介して接続させれた押し込み板24と、押し込み板24の先端24aの上面に連結ブロック25を介して接続されたフィルムガイド板26と、を備えている。スライダ22は、図示省略する駆動モータ或いはシリンダ等の駆動源から動力を直接或いは所定の動力伝達機構を介して受け、所定のタイミングで往復移動する。
【0032】
これにより、押し込み板24並びにフィルムガイド板26は、スライダ22と一体になって往復移動する。つまり、図1に示すように、押し込み板24の先端24aが、シール装置17(上側シーラ17a,17b)さらには吸引装置18,19内を貫通し反対側に突出する位置(押し込み位置)と、その押し込み位置から後退して押し込み板24の先端24aがシール装置17よりも十分手前側の待機位置(帯状フィルム8が上下に移動する経路よりもさらに手前側で、その帯状フィルム8の移動の邪魔をしない位置)との間で往復移動する。
【0033】
また、フィルムガイド板26は、押し込み板24の先端24aよりは一段手前側(後方側)に位置し、予備側の原反ロール(3または4)から引き出された帯状フィルム8の先端部位を上方に押し上げ、上側吸引装置18に接触させて吸着の補助をする。よって、押し込み板24が押し込み位置に位置した場合、このフィルムガイド板26が上側シール装置18に近接するように設定される。
【0034】
このシール装置17の下流側は、両原反ロール3,4から引き出されるいずれの帯状フィルム8も搬送される共通のフィルム搬送経路となるが、この共通のフィルム搬送経路の所定位置(ダンサローラ9よりは上流側)に、第2フィルム抑え装置16を配置指定する。この第2フィルム抑え装置16も、第1フィルム抑え装置13と同様に、各種のシリンダ16aと、受け板部16bとから構成され、シリンダ16aのシリンダロッドが突出することでそのシリンダロッドの先端と受け板部16bにて帯状フィルム8を上下から挟み込むことで帯状フィルム8を押さえ込み、移動を停止する。
【0035】
また、シール装置17の上側シーラ17aと下側シーラ17bとの間に押し込まれる帯状フィルム8a,8bが、少なくとも両シーラ間に入り込んだ直後から所定期間は上側シーラ17a,下側シーラ17bと接触しないように構成すると良い。係る構成は、シーラ間への進入角度を規制するガイド板や、ガイド棒等を適宜位置に配置することで実現できる。
【0036】
さらに、本実施形態では、第1回転支持軸1の原反ロール3から引き出された帯状フィルム8の搬送経路上、より具体的には、第1カッター装置11の下流側であって帯状フィルム8の搬送方向が下方に向けられた直後付近にカール防止ガイド部材30を設けた。このカール防止ガイド部材30は、図2(a)に示すように、斜めに傾斜するガイド板30aに対して所定の間隔をおいて棒状のガイドロッドロッド30bを配置した構成を採る。ガイドロッド30bの両端が、支柱等によりガイド板30aに連結される。そして、帯状フィルム8は、このガイドロッド30bと、ガイド板30aとの間に形成される隙間内を通過するように設定する。これにより、帯状フィルム8の両側縁が浮き上がろうとしても、ガイドロッド30bによりそれが抑えられる。なお、係るカール防止ガイド部材30を設けない場合、図2(b)に示すように帯状フィルム8がカールしてその両側縁が浮き上がった状態となり、その後の搬送経路上で平坦でピンと張ったシート状での搬送を阻害する恐れがある。
【0037】
次に、具体的な帯状フィルムの継ぎ工程を説明しつつ、上記構成のフィルム継ぎ装置における機能(制御)を説明する。つまり、本実施携帯のフィルム継ぎ装置は、以下に示す制御を行うための制御部を備えている。
【0038】
まず、図3から図5は、第2回転支持軸2の原反ロール4から引き出される帯状フィルム(便宜上、以下の説明では、符号を”8a”とする)が、現在包装機本体側に供給されるフィルムとなり、この原反ロール4からの帯状フィルム8aの供給終了に伴い、予備側であった第1回転支持軸1の原反ロール3から引き出される帯状フィルム(便宜上、以下の説明では、符号を“8b”とする)からの供給に切り替える場合を示している。このとき、帯状フィルム8aの後端に、予備用の帯状フィルム8bの先端をシールして接続し、帯状フィルム8aに続いて帯状フィルム8bを連続して包装機本体側へ供給するようになっている。
【0039】
まず、図3(a)に示すように、予め予備用の原反ロール3に巻き取られた帯状フィルム8bは、引き出してその先端がシール装置17に対向して所定長さ分だけ垂れ下がるようにしておく。この長さは、後述するように、押し込み板24で押し込んだ際に、その先端位置が上側吸引装置18にて吸引保持されるように設定すると良い。そして、原反ロール4の径が所定以下になり、帯状フィルム8aの残りが少なくなった場合、第2カッター装置12にて現在供給中の帯状フィルム8aを横方向にカットする。
【0040】
この状態で、少なくとも第2フィルム抑え装置16はOFFのままとしている。従って、帯状フィルム8aは、フィードローラの回転に伴い搬送される。よって、帯状フィルム8aは、第2カッター装置12にてすでにその後端が切断されているので、その切断後の搬送により帯状フィルム8aの後端縁の位置は、第2カッター装置12の位置から下流側に前進移動する。つまり、本実施形態では、フィルム切断後に帯状フィルム8aを所定距離搬送させるように制御する。なお、予備用の原反ロール3から繰り出された帯状フィルム8bについては、特に搬送力はかかっていないので、第1フィルム抑え装置13は、OFFのままでも、図示の状態を維持する。もちろん、この状態で、ONにしてシリンダを作動させて帯状フィルム8bを上下から挟み込んで固定するようにしてもよい。また、図示するように、帯状フィルム8aを包装機本体側へ供給している最中は、フィルム押し込み装置20の押し込み板24は、待機位置に位置する。
【0041】
次いで、上記のフィルム切断後に帯状フィルム8aを所定距離搬送移動したならば、第2フィルム抑え装置(ストッパー)16をONにして帯状フィルム8aを上下から挟み込んで固定する(図3(b)参照)。この固定により、当該位置における帯状フィルム8aの搬送は停止されるが、このように帯状フィルム8aを固定したとしても、図外のダンサローラの機能により、これ以降も所定長さ分だけは包装機本体側への帯状フィルム8aの供給を継続することができる。また、遅くともこの第2フィルム抑え装置16にて帯状フィルム8aを固定するときまでには、第1フィルム抑え装置13をONにして帯状フィルム8bを固定しておくのが好ましい。
【0042】
次いで、図3(c)に示すように、押し込み装置20を作動(駆動源となるシリンダ等をON)させ、押し込み板24をシール装置17に向けて前進移動させる。すると、図(c)に示すように、まず、押し込み板24の先端24aが、予備用の帯状フィルム8bに接触し、これをシール装置17に向けて押し込む。この状態では、2つの帯状フィルム8a,8bは、離反した状態となっている。
【0043】
この状態からさらに押し込み板24が前進移動すると、図4(a)に示すように、その先端24aが手前側の垂れ下がっている予備用の帯状フィルム8bをさらに押し込み、その奥側に位置する帯状フィルム8aに接触し、あわせてシール装置17側に向けて押し込むことになる。このとき、帯状フィルム8a,8b間には隙間が存在するため、図示するように、両帯状フィルム同士は、線接触するので押し込み中も両帯状フィルム間での摩擦抵抗が減少し、スムーズに押し込むことができる。
【0044】
また、帯状フィルム8aは第2フィルム抑え装置16により固定され、帯状フィルム8bは第1フィルム抑え装置13により固定されているので、押し込み板24による押し込み処理により、帯状フィルム8aは先端(上端)が下降移動し、帯状フィルム8bは先端(下端)が上昇移動する。また、原反ロール3から引き出された予備用の帯状フィルム8bは、第1フィルム抑え装置13にて挟まれた部分にてしっかりと固定されているので、押し込み板24による押し込み処理、さらには、両帯状フィルム8a,8b間の接触に伴う摩擦抵抗により、原反ロール3が回転して帯状フィルムが引き出されるのを抑止できる。
【0045】
図4(b)に示すように、さらに押し込み板24が前進移動し、その先端24aがシール装置17(吸引装置18,19)内を貫通して、その後方に突出する押し込み位置に至ると、現在包装機本体側に供給している(第2フィルム抑え装置16で固定されている)帯状フィルム8aの先端は、さらに下降して押し込み板24の下方に位置する。これにより、帯状フィルム8aは、帯状フィルム8bとの接触状態も解消され、自然落下によりその先端(後端)のフィルム部分が、下側吸引装置19にあたり、そこにおいて吸引保持される。また、第1回転支持軸1の原反ロール3から引き出された予備側の帯状フィルム8bは、押し込み板24の上面に配置されたフィルムガイド板26によって持ち上げられ、上側吸引装置18の近傍に配置され、その上側吸引装置18にてスムーズに吸引保持される。
【0046】
本実施形態では、図3(c),図4(a),図4(b)等から明らかなように、押し込み板24における帯状フィルムに対する押し込み開始から押し込み位置に至るまでの間、上側シーラ17aと下側シーラ17bとの間は、大きく開いた状態(初期状態)を維持しているので、両帯状フィルム8a,8bは、ともに所定角度で傾斜した状態で上側シーラ17aと下側シーラ17bとの間の空間に入り込む(押し込まれる)ので、両帯状フィルム8a,8b同士の接触面積を最後まで小さい状態を維持でき、両フィルム同士の摩擦も少なくスムーズに押し込むことができる。そして、このように上側シーラ17aと下側シーラ17bのシール面間の空間を大きく採ったことで、押し込み板24の先端24aの位置は、当該シール面から離反するが、その先端24aから手前側に一段高くなったフィルムガイド板26を設け上側に位置する帯状フィルム8bを上方に押し上げることができるので、上側吸引装置18による吸着もスムーズにできる。
【0047】
さらに、図4(b)に示すように、押し込み板24が押し込み位置に至り、両帯状フィルム8a,8bがそれぞれの吸引装置18,19で吸引保持される際には、両帯状フィルム8a,8bの先端近傍のフィルム部位が吸着されるように調整されている。つまり、帯状フィルム8bについては、図3(a)において予め引き出して垂れ下がった長さを所望に設定し、帯状フィルム8aについては、図3(b)にて第2フィルム抑え装置16で固定するまでの搬送距離を調整する。このように適宜調整を行うことで、次工程での熱シールされる部分が、両帯状フィルム8a,8bの先端近傍位置とすることができ、シール部位より先端に余分なフィルム部位を余すことがない。
【0048】
しかも、第2カッター装置12で帯状フィルム8aを切断後に帯状フィルム8aを所定距離だけ搬送することにしたので、シール装置17をさほど奥まった位置に設置しなくても(押し込み板24の押し込みのための移動ストロークを長くしなくても)、押し込み完了時に帯状フィルム8a,8bの先端同士をシール装置17の近傍に位置させることができる。
【0049】
次いで、フィルム押し込み装置20は、押し込み板24を待機位置に復帰させるべく後退移動させる(図4(c)参照)。この後退移動に伴い。フィルムガイド板26は帯状フィルム8bから離反するが、その帯状フィルム8bは上側吸引装置18にて吸引保持されているので、帯状フィルム8bの先端が垂れ下がることはない。もちろん、帯状フィルム8aも下側吸引装置19に吸引保持されているので、その状態を維持する。
【0050】
また、この後退移動に追従して、下側シーラ17bが上昇移動し、上側シーラ17aと下側シーラ17bとが接近する。そして、図5(a)に示すように、少なくとも押し込み板24が待機位置に戻ったときには、両シーラ17a,17bが閉じて、両帯状フィルム8a,8b同士を挟み込んで熱シールする。上側シーラ17aと下側シーラ17bは、インパルス式であるので、常時加熱しているのではなく、閉じる直前の適宜のタイミングで加熱を開始すればよく、シール後は、加熱を停止する。この例では、下側シーラ17bのみが上昇移動するように説明したが、両シーラとも移動しても良いし、逆に上側シーラのみが下降移動してきても良い。
【0051】
この熱シール処理が完了したならば、図5(b)に示すように、下側シーラ17bが下降移動を開始し、両シーラが離反する。また、少なくとも下側シーラ17bが下降移動を開始する前には、下側吸引装置19による吸引処理を停止する。この例では、上側吸引装置18は吸引を係属しているので、接続された両帯状フィルム8a,8bは、上側吸引装置18に吸引保持された状態を維持している。また、このとき、第1フィルム抑え装置13によるフィルムの固定を解除している。
【0052】
次に、図5(c)に示すように、第2フィルム抑え装置16による帯状フィルム8aの固定を解除すると、先行する帯状フィルム8aが図外のフィードローラ10による搬送力を受けて搬送が再開され、これに伴い、先行する帯状フィルム8aと一体化された予備用の帯状フィルム8bも順次引き出されて搬送され、その後その帯状フィルム8bが包装機本体側へ供給される。また、適宜のタイミングで上側吸引装置18による吸引処理も停止しておくと、図5(b)示す両帯状フィルムの先端同士がシール装置17内に位置する状態から、図5(c)に示す両帯状フィルム8a,8bがシール装置17から離反して上下にまっすぐな通常の搬送経路に位置する状態に移行することができる。
【0053】
図6,図7は、第1回転支持軸1の原反ロール3からの帯状フィルム8bを包装機本体側に供給している状態で、この帯状フィルム8bの供給終了に伴い予備用の第2回転支持軸2の原反ロール4から引き出した帯状フィルム8aからの供給に切り替える場合を示している。
【0054】
まず、図6(a)に示すように、予備用の帯状フィルム8aを引き出し、その先端部位を上側吸引装置18に対向させ、そこで吸引保持させる。そして、原反ロール3の径が所定以下になり、帯状フィルム8bの残りが少なくなった場合、第1カッター装置11にて現在供給中の帯状フィルム8bを横方向にカットする。
【0055】
この状態では、少なくとも第2フィルム抑え装置16はOFFのままとしている。従って、帯状フィルム8bは、フィードローラの回転に伴い搬送される。よって、帯状フィルム8bは、第1カッター装置11にてすでにその後端が切断されているので、その切断後の搬送により帯状フィルム8bの後端縁の位置は、第1カッター装置11の位置から下流側に前進移動する。つまり、本実施形態では、フィルム切断後に帯状フィルム8bを所定距離搬送させるように制御する。また、図示するように、帯状フィルム8bを包装機本体側へ供給している最中は、フィルム押し込み装置20の押し込み板24は、待機位置に位置する。
【0056】
次いで、上記のフィルム切断後に帯状フィルム8bを所定距離搬送移動したならば、第2フィルム抑え装置(ストッパー)16をONにして帯状フィルム8bを上下から挟み込んで固定する(図6(b)参照)。この固定により、当該位置における帯状フィルム8bの搬送は停止されるが、このように帯状フィルム8bを固定したとしても、図外のダンサローラの機能により、これ以降も所定長さ分だけは包装機本体側への帯状フィルム8bの供給を継続することができる。
【0057】
次いで、押し込み装置20を作動(駆動源となるシリンダ等をON)させ、押し込み板24をシール装置17に向けて前進移動させる。すると、押し込み板24の先端24aが、帯状フィルム8bをシール装置17側に向けて押し込み、最終的に押し込み板24が押し込み位置に至ると、図6(c)に示すように、帯状フィルム8bの先端(後端)は、下降して押し込み板24の下方に位置する。これにより、帯状フィルム8bは、自然落下によりその先端(後端)のフィルム部分が、下側吸引装置19にあたり、そこにおいて吸引保持される。
【0058】
その後、押し込み板24が後退移動するとともに、下側シーラ17bが上昇移動し、両帯状フィルム8a,8bの先端同士を熱シールする(図7(c)参照)。そして、この熱シール処理が完了したならば、図7(b)に示すように、下側シーラ17bが下降移動を開始し、両シーラが離反する。また、少なくとも下側シーラ17bが下降移動を開始する前には、下側吸引装置19による吸引処理を停止する。この例では、上側吸引装置18は吸引を継続しているので、接続された両帯状フィルム8a,8bは、上側吸引装置18に吸引保持された状態を維持している。
【0059】
次に、図7(c)に示すように、第2フィルム抑え装置16による帯状フィルム8bの固定を解除すると、先行する帯状フィルム8bが図外のフィードローラ10による搬送力を受けて搬送が再開され、これに伴い、先行する帯状フィルム8bと一体化された予備用の帯状フィルム8aも順次引き出されて搬送され、その後その帯状フィルム8aが包装機本体側へ供給される。また、適宜のタイミングで上側吸引装置18による吸引処理も停止しておくと、図7(b)示す両帯状フィルムの先端同士がシール装置17内に位置する状態から、図7(c)に示す両帯状フィルム8a,8bがシール装置17から離反して上下にまっすぐな通常の搬送経路に位置する状態に移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のフィルム継ぎ装置の好適な一実施形態を示す図である。
【図2】フィルムのカール防止ガイド部材を説明する図である。
【図3】フィルム継ぎの機能(制御)を説明する図である。
【図4】フィルム継ぎの機能(制御)を説明する図である。
【図5】フィルム継ぎの機能(制御)を説明する図である。
【図6】フィルム継ぎの機能(制御)を説明する図である。
【図7】フィルム継ぎの機能(制御)を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
1 第1回転支持軸
2 第2回転支持軸
3 原反ロール
4 原反ロール
8 帯状フィルム
8a 帯状フィルム(第2帯状フィルムに対応)
8b 帯状フィルム(第1帯状フィルムに対応)
10 フィードローラ
11 第1カッター装置
12 第2カッター装置
13 第1フィルム抑え装置
16 第2フィルム抑え装置
17 シール装置
17a 上側シーラ
17b 下側シーラ
18 上側吸引装置
19 下側吸引装置
20 フィルム押し込み装置
24 押し込み板
26 フィルムガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロールを支持するための第1支持部及び第2支持部と、
前記第1支持部に装着される原反ロールから繰り出される第1帯状フィルムの搬送経路の途中に配置され、その第1帯状フィルムを横方向にカットする第1カッター装置と、
前記第2支持部に装着される原反ロールから繰り出される第2帯状フィルムの搬送経路の途中に配置され、その帯状フィルムを横方向にカットする第2カッター装置と、
前記第2カッター装置の下方に配置され、前記第1支持部並びに前記第2支持部にそれぞれ装着される原反フィルムから繰り出される第1,第2帯状フィルムの端部同士をシールする上下一対のシーラを備えたシール装置と、
前記上下一対のシーラのそれぞれに取り付けられ、前記第1帯状フィルムあるいは第2帯状フィルムの端部を吸引保持する吸引装置と、
前記第1帯状フィルムを挟んで前記シール装置と反対側に配置され、その第1帯状フィルムを前記上下一対のシーラの間に押し込む押し込み板を備えたフィルム押し込み装置と、
前記シール地点よりも下流側であって、前記第1フィルムあるいは前記第2フィルムを抑え、搬送を一時停止するフィルム抑え装置と、を備え、
前記第2帯状フィルムが包装機本体へ供給されている場合において、前記第2カッター装置にて前記第2帯状フィルムをカットした後、当該第2帯状フィルムを一定距離搬送させた後、前記フィルム抑え装置にて第2帯状フィルムを抑えるとともに、前記押し込む板にて前記第1帯状フィルムと第2帯状フィルムを押し込むように制御する手段を備えたことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【請求項2】
前記第1帯状フィルムと前記第2帯状フィルムは、一定距離離した状態で前記シール装置と前記フィルム押し込み装置との間に位置させ、その状態で前記押し込み板が前記第1帯状フィルムと前記第2帯状フィルムを前記シール装置に向けて押し込むように動作することを特徴とする請求項1に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項3】
前記押し込み板の上面の先端より一段奥側に、フィルムガイドを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項4】
前記上下一対のシーラ間は、前記押し込み板で前記第1,第2帯状フィルムを挿入した際に、その帯状フィルムが前記シーラに触れないように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−137909(P2010−137909A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318633(P2008−318633)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】