説明

フィルム貼着方法

【課題】 偏光板などのフィルムを液晶パネルなどの板状体に貼着する際の損傷を防止して、貼着作業を確実に行いうるフィルム貼着方法を提供する。
【解決手段】 ローラ37付き回転板30と水平移動板20とを用いて粘着性のフィルムを板状体に貼着するフィルム貼着方法であって、回転板30の回転によって、回転板30に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を、水平移動板20に固定した板状体の末梢部側端部に接触させる回転工程を手動で実施すると共に、前記接触の際に、前記吸引を遮断することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム貼着方法およびこの方法を実施するための装置に関する。詳細には、本発明は、液晶パネルなどの板状体に偏光板などのフィルムを貼着するフィルム貼着方法に関し、特に、小型の液晶パネルに偏光板を手動操作で貼着するのに適した、フィルム貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の偏光板貼着装置は、その大半が自動化されており、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。この偏光板貼着装置によれば、液晶パネルを吸引支持するローラ付き水平移動板(スライドテーブル)と、偏光板を吸引支持する回転板(回転フラップ)とを備え、駆動機構によって回転フラップを回転させて、偏光板の一部を液晶パネルの一部に接触させて貼着を開始し、次いで、スライドテーブルを平行移動させながら、ローラの押圧によって偏光板残部を液晶パネルに貼着して貼着を完了させている。
しかしながら、既知の偏光板貼着装置では、偏光板は、前記接触において、非手動式・駆動機構による回転板の回転によって過度の外力を受ける一方、スライドテーブルの平行移動による非手動式・貼着作業の間にも、その吸引が維持されているため、ローラによる過度の押圧力を受け、その結果、偏光板が損傷を受けるという問題があった〔特許文献1・段落番号0007、参照〕。
【0003】
【特許文献1】特開平8−82792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題点に鑑み、本発明の課題は、偏光板などのフィルムを液晶パネルなどの板状体に貼着する際の損傷を防止して、貼着作業を確実に行いうるフィルム貼着方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および効果】
【0005】
本発明によれば、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、回転工程を手動で実施すると共に、従来必要とされた接触後のフィルム(偏光板)吸引を、遮断することにより、フィルム破損を確実に防止でき、これにより前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき、本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ローラ付き回転板と水平移動板とを用いて粘着性のフィルムを板状体に貼着するフィルム貼着方法であって、
前記回転板の回転によって、前記回転板に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を、前記水平移動板に固定した板状体の末梢部側端部に接触させる回転工程を手動で実施すると共に、前記接触の際に、前記吸引を遮断することを特徴とするフィルム貼着方法を提供する。
本発明によれば、既知の自動化・回転工程の排除と共に、吸引の遮断によっても、偏光板(フィルム)と、液晶パネル(板状体)との間に空気が介在することなくかつフィルムを損傷することなく確実に貼着できるという、技術的効果を奏することができ、これは、比較的小さい板状体を採用しているため、吸引の遮断後貼着工程の間にも、残存する負圧によってフィルム残部が板状体上に垂れ下がることなく、確実に貼着できたものと考えられる。
【0006】
好適には、前記フィルムは偏光板であって、前記板状体は液晶パネルであるである。
本発明は、その第2の態様によれば、本発明のフィルム貼着方法を実施するためのフィルム貼着装置であって、
水平移動板を含み、この水平移動板を水平移動させる水平移動機構と、
回転板を含み、この回転板を回転させる回転機構と、
前記回転板にフィルムを吸引固定する吸引機構と、
前記回転板を回転させて、前記回転板に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を前記水平移動板に固定した板状体の抹消側端部に接触した際に、前記吸引を解除する吸引解除機構と、
前記水平移動機構と共働して、フィルム残部を板状体残部に付着させるローラ機構とを備えることを特徴とするフィルム貼着装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
前記したように、本発明は、ローラ(37)付き回転板(30)と水平移動板(20)とを用いて粘着性のフィルム(P)を板状体(L)に貼着するフィルム貼着方法であって、
前記回転板の回転によって、前記回転板に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を、水平移動板に固定した板状体の末梢側端部に接触させる回転工程を手動で実施すると共に、前記接触の際に、前記吸引を遮断することを特徴とするフィルム貼着方法を提供する〔番号は、図1等、参照。〕
本明細書において、フィルムと板状体とが接触する貼着開始位置から、貼着が終了する貼着終了位置まで板状体等が移動する方向を、「貼着移動方向」と呼び、水平移動板および固定した板状体に関し、貼着開始位置側を「基部側」および貼着終了位置側を「末梢側」と呼ぶ。また、貼着移動方向に沿った面を「長辺側面」および貼着移動方向に垂直な方向に沿った面を「短辺側面」と呼ぶ。また、回転板に関し、回転によって平行移動板(固定板状体)に当接する、平行移動板(固定板状体)に対向する面を「対向面」と呼び、対向面と反対の面を「背面」と呼び、回転板および固定したフィルムの両者に関し、回転板の自由先端側の端部を「自由先端側端部」と呼ぶ。最後に本明細書において、「上方/下方」、「上面/下面」などの用語は、特に断らない限り、本発明のフィルム貼着装置の使用状態を基準とする。
【0008】
次に、添付図面を参照しながら本発明の実態形態、変形例等を説明することにより、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施形態等に制限されるものではない。
図1は、本発明のフィルム貼着装置の実施形態をそのセット位置で示す、抹消側上方から見た斜視図、図2は、図1のフィルム貼着装置のメカニカルバルブを含め、その要部を拡大した斜視図、図3は、図2のメカニカルバルブの作動を説明するための概略構成図、図4は、本発明のフィルム貼着装置の実施形態をそのセット位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図、図5は、図1のフィルム貼着装置の吸引部を拡大して示す平面図、図6は、本発明のフィルム貼着装置の実施形態をその貼着開始位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図、図7は、本発明のフィルム貼着装置の実施形態をその貼着終了位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図、図8は、図1のフィルム貼着装置の押圧ローラの変形例を示す要部拡大断面図である。
なお、図4は、セット位置(液晶パネル等は、未セット状態からセット状態へ)を示すと同時に回収位置(液晶パネル等は、セット状態から未セット状態へ)を示し、同様に図6は、貼着開始位置(液晶パネル等はセット済み)を示すと同時に、収納位置(液晶パネル等は、未セット)を示す。
【0009】
−フィルム貼着装置1…実施形態−
この実施形態は、フィルムとして偏光板Pを用い、板状体として小型の液晶パネルLを用いる。
本発明の貼着装置1は、水平移動板20を含む水平移動機構と、回転板30を含む回転機構と、水平移動機構と共働してフィルムを貼着するローラ機構と、偏光板P/液晶パネルLを吸引等する吸引機構と、メカニカルバルブを含む吸引解除機構を備える。
<水平移動機構>
水平移動機構は、支持基台10と、この支持基台10の上面に設けたガイドレール11と、このガイドレール11に水平移動自在に付設した水平移動板20とを備える。
水平移動板20は、その抹消側短辺側面において把持部21を備え、この把持部21を図中手前側(抹消側)に手動により牽引することにより、図1に示すセット位置の水平移動板20をガイドレール11に沿って引き出すことができる。支持基台10にはストッパ12が固定される一方、水平移動板20の長辺側面には当接ブロック22が突出しており、後者の当接ブロック22が前者のストッパ12に当接する位置(貼着終了位置)まで、水平移動板20を移動することができる。
また水平移動板20は、その基部側短辺側面において、鉄などの磁性金属からなる円形の磁性板23を備える。他方、支持基台10の基部に固定した直方体状固定ブロック13は、磁性板23と対向する位置に円板状の永久磁石からなる保持磁石14を備える。さらに、水平移動板20および固定ブロック13は、各々、磁性板23および保持磁石14に隣接する位置にスペーサ24および15を突出状態で備え、スペーサ24およびスペーサ15は、相互に当接することにより磁性板23と保持磁石14との間に微小隙間を形成してこれら要素の直接的な接触を回避し、これらにより、かかる要素の破損を防止すると共に、水平移動板20の抹消側への平行移動に要する牽引力を、適切に制御することができる。
また、ガイドレール11は、水平移動板20が図7に示す貼着終了位置から図4に示す貼着開始位置まで自重で戻るように、基部方向に向かって下方傾斜するように配置してもよい。この構成と共に、前記した保持磁石14と磁性板23との組み合わせによって、貼着作業完了後の水平移動板20を貼着開始位置に自動復帰させることができ、次の偏光板の貼着作業を迅速に開始することができる。
【0010】
<回転機構>
回転機構は、回転板30を、所定の角度で回転させる機構であって、回転板30と、この回転板30を回転自在に支持する回転軸31と、回転板30の回転を補助する弾性部材53とを含む。
回転板30は、その自由先端部背面に把持部32を備え、把持部32を掴んで回転板30を矢示方向に回転させることができる〔図1〕。
回転軸31は、支持基台10の基部側端部付近に配置される。すなわち、基部側端部に設けた直方体状の固定ブロック13は、その長辺側面の両方において、支持基台10から立設した一対のブラケット16を備え、これらブラケット16の間に、回転軸31が架け渡され、この回転軸31は、回転板30の基部側端部を貫通し、回転板30は、回転軸31を介して回転することができる。なお、回転軸31は、回転によって液晶パネルLの末梢側端部が偏光板Pの末梢側端部に当接するような高さを有する。
なおまた、過剰な回転を防止すべく、支持基台10の上面には当接体17が起立しており、回転板30の対向面が、ピストン部材41を押圧した後に当接体17と当接するように構成することで、ピストン部材41の過度の押し込みによる偏光板P等の損傷を防止することができる。
<<弾性部材53>>
弾性部材53は、次のように懸架される。すなわち、回転板30および一方のブラケット16は、各々、長辺側面側に突出する係止部材51および52を備え、これら係止部材51と52と間において、つるまきばねからなる弾性部材53が1つ懸架される。弾性部材53は、ゴムなど他の弾性材料から形成されてもよく、また両方のブラケット16を用いて2つ設けてもよい。
また弾性部材53は、次のように機能して回転板30の回転を補助することができる。すなわち、弾性部材53は、回転板30とブラケット16との間に懸架され、回転途中の所定の位置において最も伸びが大きくなると共に回転開始時〔図4〕/回転終了時〔図6〕において前記最大伸びよりも伸びが小さくなるように設けた係止部材51と係止部材52との間に懸架される。したがって、回転板30は、貼着開始位置〔図6〕への回転では、前記最大伸びの地点を越えれば、ほぼ力をかけなくとも、所望の位置に回転でき、同様に、セット位置〔図4〕への回転では、前記最大伸びの地点を越えれば、ほぼ力をかけなくとも、所望の位置に回転でき、このように、弾性部材53は、回転板30の回転移動を補助することができる。なお、セット位置において、回転板30と平行移動板20とがなす角度は、90度以上である。
さらに、弾性部材53は、図6に示す貼着開始位置において、押圧ローラ37に対して下方への押圧力を生じさせることができるので、接触時において把持部32を手動によって押圧することが殆どまたは全く必要がなく、作業性を向上することができる。
【0011】
<ローラ機構>
ローラ機構は、回転板30の自由先端部対向面に回転自在に付設した押圧ローラ37を含む。押圧ローラ37は、回転板30の回転によって水平移動板20の吸引部25と接触して、液晶パネルと偏光板とからなる接触体を押圧する。
なお、押圧ローラ37は、かかる接触体の厚み変化などに起因する当該接触体の水平方向の傾きに整合させるべく、次のような高さ調節構造を備えることもできる〔図8、参照〕。図示した押圧ローラ37は、回転軸37aの両端部がベアリング60に支持されており、回転軸37aの一方端のみを図示している。ベアリング60は、内輪61と外輪62との間に多数のボール63が配置された構成であり、内輪61により回転軸37aを支持する一方、外輪62がばね部材64,65を介してケース66の内面に支持される。
なお、押圧ローラ37の支持は、両端を上下動可能に支持する以上の構成〔図8〕に加え、中央部を揺動可能に軸支する構成であってもよい。
【0012】
<吸引機構>
吸引機構は、水平移動板20の上面に設けた、多数の吸引孔25aを有する吸引部25を含み、更に、この吸引部25に、吸引管26を介して接続した真空エジェクタや真空ポンプ等の真空源(図示せず)とを含み、これらの要素によって、真空を形成し、水平移動板20の上面に液晶パネルLを吸引支持することができる。吸引部25は、その表面には、長辺両側面に達する切り欠き27を備え、これらは、液晶パネルPの装着および取出しに使用される。
吸引機構は、回転板30についても同様な要素を含み、回転板30の対向面(図1では手前側に露出する面)に設けた、多数の吸引孔33aを有する吸引部33を含み、更に、この吸引部33に、吸引管34を介して接続した真空エジェクタや真空ポンプ等の真空源(図示せず)とを含み、これらの要素によって真空を形成し、回転板30の対向面に偏光板Pを吸引支持することができる。また同様に吸引部33は、その表面において、長辺両側面に達する切り欠き35を備え、これは、液晶パネルPの装着および取出しに使用される。
なお、吸引部33は、回転板30に設けた調整レール36に沿って所望の位置で固定して、偏光板Pの抹消側端部と、液晶パネルLの抹消側端部とが適切な位置〔貼着開始位置、図6〕で接触するよう、吸引部33の位置を微調整することができる。
なおまた、この回転板30に関する吸引機構は、メカニカルバルブ40が付設されている点で、平行移動板20に関する前記吸引機構とは異なっている〔以下の吸引解除機構、参照〕。
吸引部25,33は、図5に示すように、液晶パネルLや偏光板Pを装着する区画をサイズ毎〔2、3、4および5インチパネル〕に明示してもよく、サイズに合致する区画にそれぞれ支持することで、液晶パネルLおよび偏光板Pの接触を正確に行うことができる。
<吸引解除機構…メカニカルバルブ40>
回転板30に関する、前記した吸引管34は、その途中においてメカニカルバルブ40を備え、メカニカルバルブ40の開閉により、偏光板の吸引および吸引解除を切り替えることができる。
メカニカルバルブ40は、固定ブロック13の上面に設けられており〔図2、参照〕、このバルブ40は、固定ブロック13上面に設けたハウジング42と、上下方向移動自在に設けたローラ付きアーム49と、上下方向に往復運動自在なピストン部材41とを備え、回転板30を回転させると、回転板30の基部側端部がローラ付きアーム49を介してピストン部材41をその上面の押圧により下降させ、吸引管34を遮断することができる。
更に詳しくは、ピストン部材41は、図3(a)に示すように、ハウジング42内においてばね43により上方に付勢されることで、回転板30の吸引部33と連通する吸引流路fを開いた状態に維持する一方、ピストン部材41がばね43の付勢力に抗して下方に押圧されると、図3(b)に示すように、吸引流路fが閉じた状態になる。このようにして、ピストン部材41の上下動により、回転板30の吸引部33に連通する吸引流路fの開閉が切り替えられる。
なお以上の説明により明らかであるが、メカニカルバルブ40は、回転板30の回転により液晶パネルと偏光板とが接触すると、回転板30の基部側端部がピストン部材41を押圧するように配置される。
この実施形態の偏光板貼着装置1によれば、回転板30の吸引部33に吸引保持した偏光板Pは、回転板30の回転に連動して開閉するメカニカルバルブ40の作用によって、液晶パネルLとの接触時に吸引状態が解除されるため、偏光板Pは、残存する負圧によって変形可能な状態で押圧ローラ37による押圧貼着される。したがって、過剰な外力の偏光板Pへの作用を防止することができ、シンプルな構成により、偏光板Pの破損を生じることなく貼着作業を確実に行うことができる。
【0013】
−フィルム貼着方法…実施形態−
この実施形態は、前記したフィルム貼着装置1を用い、次のような工程を含んでなり、吸引用の真空形成を除き、全て手動で実施することができる。
(1)準備工程
この工程は、収納位置〔図6〕からセット位置〔図4〕までの工程である。
作業者は、まず、収納位置〔図6、液晶パネルL/偏光板Pは、未セット〕から、回転板30を、その把持部32を把持し矢印〔図6〕の方向に沿って、図4のセット位置まで手動で回転する。
このセット位置において、足踏みペダル(図示せず)を踏んで、吸引作動状態にさせ、水平移動板20の吸引部に液晶パネルLを吸引支持すると共に、回転板30の吸引部33に偏光板Pを吸引支持する。偏光板Pは、保護テープを剥離して、粘着性の状態にする。
(2)回転工程
この工程は、セット位置〔図4〕から貼着開始位置〔図6〕までの工程である。
偏光板Pの保護テープを剥離したのち、回転板30を、その把持部32を把持し矢印〔図4〕の方向に沿って、図6の貼着開始位置まで手動で回転する。この貼着開始位置において、偏光板Pの自由先端側端部が液晶パネルLの抹消側端部に接触すると共に、回転板30の基部側端部がローラ付きアーム49を介してピストン部材41をその上面の押圧により下降させ、吸引管34を遮断し、吸引部33による偏光板Pの吸引状態が解除される。
この貼着開始位置の状態で、液晶パネルと偏光板との接触部分は、押圧ローラ37の下端と、吸引部25との隙間を押圧ローラ37に押圧されながら通過しうる厚みを有する。
(3)水平移動工程(貼着工程)
この工程は、貼着開始位置〔図6〕から貼着終了位置〔図7〕までの工程である。
前記接触後、水平移動板20を、その把持部21を把持して貼着移動方向〔図7、矢印〕に平行移動させると、接触体Jに対する押圧ローラ37による押圧位置は、順次、基部側に移動し、水平移動板20を図7に示す貼着終了位置まで移動させると、偏光板Pは、その全体が液晶パネルLに貼着される。
(4)回収工程
この工程は、貼着終了位置〔図7〕から回収位置〔図4〕までの工程である。
貼着終了後、足踏みペダル(図示せず)をはなして吸引を停止し、回転板30を、図7の点線矢印方向に沿って回収位置〔図4〕まで回転し、この回収位置で偏光板P貼着・液晶パネルLを回収する。その後、水平移動板20をセット位置〔図4〕に戻して次の貼着作業を開始するか、または水平移動板20および回転板30を収納位置〔図6〕に移行させ、作業を終了することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のフィルム貼着装置の実施形態をそのセット位置で示す、抹消側上方から見た斜視図
【図2】図1のフィルム貼着装置のメカニカルバルブを含め、その要部を拡大した斜視図。
【図3】図2のメカニカルバルブの作動を説明するための概略構成図。
【図4】本発明のフィルム貼着装置の実施形態をそのセット位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図。
【図5】図1のフィルム貼着装置の吸引部を拡大して示す平面図。
【図6】本発明のフィルム貼着装置の実施形態をその貼着開始位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図。
【図7】本発明のフィルム貼着装置の実施形態をその貼着終了位置で示す、幅方向側上方から見た斜視図。
【図8】図1フィルム貼着装置の押圧ローラの変形例を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
【0015】
1:フィルム貼着装置 37:ローラ 30:回転板 20:水平移動板 P:フィルム L:板状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ付き回転板と水平移動板とを用いて粘着性のフィルムを板状体に貼着するフィルム貼着方法であって、
前記回転板の回転によって、前記回転板に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を、前記水平移動板に固定した板状体の末梢部側端部に接触させる回転工程を手動で実施すると共に、前記接触の際に、前記吸引を遮断することを特徴とするフィルム貼着方法。
【請求項2】
前記フィルムは偏光板であって、前記板状体は液晶パネルである請求項1記載のフィルム貼着方法。
【請求項3】
請求項1記載のフィルム貼着方法を実施するためのフィルム貼着装置であって、
水平移動板を含み、この水平移動板を水平移動させる水平移動機構と、
回転板を含み、この回転板を回転させる回転機構と、
前記回転板にフィルムを吸引固定する吸引機構と、
前記回転板を回転させて、前記回転板に吸引固定したフィルムの自由先端側端部を前記水平移動板に固定した板状体の抹消側端部に接触した際に、前記吸引を解除する吸引解除機構と、
前記水平移動機構と共働して、フィルム残部を板状体残部に付着させるローラ機構とを備えることを特徴とするフィルム貼着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−139917(P2010−139917A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317968(P2008−317968)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】