フィンガーポンプ装置
【課題】組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便がなく、更に、ステム駆動レバーを装置本体に組み付ける際に、ロック機構が作業の邪魔になることがなく、組立作業性に優れたフィンガーポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ポンプステム9を押し下げ可能に支持した装置本体33に、ステム駆動レバー35が回動可能に結合されると共に、ステム駆動レバー35の回動を規制するロック機構37を備えるフィンガーポンプ装置において、ロック機構37を、ステム駆動レバー35に移動可能に装備される切換部材43と、装置本体33に突設されたストッパ突起45とで構成することで、ステム駆動レバー35の組み付け前にロック機構37の組み立てを完了させなければならないという不便が無くなり、組立作業性を向上させることができる。
【解決手段】ポンプステム9を押し下げ可能に支持した装置本体33に、ステム駆動レバー35が回動可能に結合されると共に、ステム駆動レバー35の回動を規制するロック機構37を備えるフィンガーポンプ装置において、ロック機構37を、ステム駆動レバー35に移動可能に装備される切換部材43と、装置本体33に突設されたストッパ突起45とで構成することで、ステム駆動レバー35の組み付け前にロック機構37の組み立てを完了させなければならないという不便が無くなり、組立作業性を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着して使用され、装置に具備したステム駆動レバーを操作するとポンプステムが押し下げられて容器内の液体を噴射するフィンガーポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記フィンガーポンプ装置は、例えば、ペットボトルやガラス瓶等の容器の口部に装着することで、容器の内部の液体の噴射を可能にするもので、例えば、液体洗剤や香水等の噴射、あるいは殺虫用の薬液の噴射など、各種の用途に利用可能である。
【0003】
図10は、上記フィンガーポンプ装置の従来例を示したものである。
ここに示したフィンガーポンプ装置1は、下記特許文献1に開示されたもので、容器3の口部にねじ込み等により固定される装置本体5と、該装置本体5の軸中心部に押し下げ可能に支持されて押し下げ動作により容器3内の液体をステム先端の噴射ヘッド7から噴射するポンプステム9と、一端が装置本体5に回動可能に支持されて回動操作時にポンプステム9を押し下げるステム駆動レバー11と、持ち運び時に誤ってステム駆動レバー11を回動させないように、ポンプステム9を押し下げない位置にステム駆動レバー11を固定するロック機構13と、を備えている。
【0004】
ステム駆動レバー11は、図11に示すように、ポンプステム9の後方に延出している一端が、装置本体5に一体形成されたレバー支持部17に、支持ピン15により回転自在に結合されている。
【0005】
ロック機構13は、図11に示すように、装置本体5に係合するピン21によって装置本体5に回動可能に結合されたレバー部材23に、ステム駆動レバー11の動きを規制するストッパ片24を一体形成したものである。
レバー部材23は、図11に矢印Xで示すように、ピン21を中心として回動し、図10(a)に示すロック位置に位置決めされた状態と、図10(b)に示すロック解除位置に位置決めされた状態に位置切替することができる。
【0006】
レバー部材23が図10(a)に示したロック位置に回動した状態では、ストッパ片24が図11に示したように装置本体5とステム駆動レバー11との間の隙間に挟まり、ポンプステム9を押し下げる方向へのステム駆動レバー11の回動を規制する。
レバー部材23が図10(b)に示したロック解除位置に回動した状態では、レバー部材23の回動に伴ってストッパ片24が装置本体5とステム駆動レバー11との間の隙間から離脱して、ポンプステム9を押し下げる方向へステム駆動レバー11を回動させることが可能になる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−209319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、前述したフィンガーポンプ装置1を組み立てる際には、ステム駆動レバー11を装置本体5に組み付ける前に、ロック機構13を構成するレバー部材23を装置本体5に組み付けることが必要不可欠となり、組み付け工程の優先順位があるために、誤ってステム駆動レバー11を先に装置本体5に組み付けると、ステム駆動レバー11を取り外して作業をやり直さなければならない。
更に、ステム駆動レバー11を装置本体5に取り付ける際に、先に装置本体5に取り付けられているレバー部材23が、ステム駆動レバー11の取付位置付近で揺動するため、ステム駆動レバー11の取付作業が行い難い場合がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便がなく、更に、ステム駆動レバーを装置本体に組み付ける際に、ロック機構が作業の邪魔になることがなく、ステム駆動レバーの取り付けを容易にして、生産性を向上させることのできるフィンガーポンプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、押し下げ動作により容器内の液体を噴射するポンプステムを押し下げ可能に支持して容器の口部に固定される装置本体と、一端が前記装置本体に回動可能に支持されて回動操作時に前記ポンプステムを押し下げるステム駆動レバーと、前記ポンプステムを押し下げない位置に前記ステム駆動レバーを固定するロック機構とを備えるフィンガーポンプ装置において、
前記ロック機構は、
前記ステム駆動レバー上に設定されたロック位置とロック解除位置との間を移動可能に前記ステム駆動レバーに組み付けられた切換部材と、
前記切換部材が前記ロック位置にあるときに該切換部材が当接するように前記装置本体上に突設されて、前記切換部材との当接により前記ステム駆動レバーの回動を規制するストッパ突起と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ロック機構として装置本体とは別体に製造される切換部材は、装置本体に組み付けるステム駆動レバーに対して組み付けられるもので、組み付けタイミングが、装置本体にステム駆動レバーを組み付けた後でも、装置本体にステム駆動レバーを組み付ける前でも、いずれも可能であり、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便が生じない。
【0012】
また、ロック機構を構成する切換部材は、装置本体にステム駆動レバーを組み付けた後で、ステム駆動レバーに組み付けるようにすれば、ステム駆動レバーを装置本体に取り付ける際に、ロック機構となる切換部材の出っ張り等が取り付け作業を邪魔することがなく、ステム駆動レバーの取り付けが容易になることによって、フィンガーポンプ装置の生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るフィンガーポンプ装置1の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロックされている状態の側面図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB−B断面図、図4は図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを後方の斜め上方から見た分解斜視図、図5は図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを前方の斜め下方から見た分解斜視図、図6は本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロック解除されている状態の側面図、図7は図6のC矢視図、図8は図7のD−D断面図、図9は図8に示したロック解除状態でステム駆動レバーが回動した状態を示す縦断面図である。
【0015】
この一実施の形態のフィンガーポンプ装置31は、不図示の容器の口部にねじ込み等により固定される装置本体33と、該装置本体33の軸中心部に押し下げ可能に支持されて押し下げ動作により容器内の液体をステム先端の噴射ヘッド7から噴射するポンプステム9と、一端が装置本体33に回動可能に支持されて回動操作時にポンプステム9を押し下げるステム駆動レバー35と、持ち運び時に誤ってステム駆動レバー35を回動させないように、ポンプステム9を押し下げない位置にステム駆動レバー35を固定するロック機構37とを備えている。
【0016】
ステム駆動レバー35は、図3に示すように、ポンプステム9の後方に延出している一端35aが、装置本体33に一体形成されたレバー支持部39に、支持ピン41により回転自在に結合されている。図4の符合35dは、支持ピン41を嵌入させる穴である。
【0017】
ステム駆動レバー35は、図3に示すように、噴射ヘッド7に対応する位置に、噴射ヘッド7を挿通させるヘッド挿通穴35bが形成されている。このヘッド挿通穴35bは、ステム駆動レバー35の回動方向に沿って長い長穴に形成されている。
【0018】
ヘッド挿通穴35bよりも先方に延出したステム駆動レバー35の他端35cは、指を掛けやすいように、斜め下方に傾斜している。
【0019】
本実施の形態の場合、ロック機構37は、図3から図5に示すようにステム駆動レバー35に装着される切換部材43と、装置本体33上に突設されたストッパ突起45とで構成されている。
【0020】
切換部材43には、図4及び図5に示したようにステム駆動レバー35に形成されたスライドガイド穴47に挿入されるガイドブロック48が突設されている。
切換部材43は、ガイドブロック48をスライドガイド穴47に嵌合させることにより、ステム駆動レバー35上に設定されたロック位置とロック解除位置との間をステム駆動レバー35の前後方向に略水平にスライド移動可能にステム駆動レバー35に組み付けられる。
【0021】
図3は、ガイドブロック48がスライドガイド穴47の一番奥まで押し込まれて、スライドガイド穴47の開口部の上縁47aにガイドブロック48の基端の段差部43aが当接して、切換部材43が停止している状態を示している。この図3に示した停止位置が、ロック位置である。
【0022】
一方、切換部材43は、図3に示すロック位置から矢印E方向に引き出すと、図8に示すように、ガイドブロック48内に装備されている弾性係止片51の突起51aが、スライドガイド穴47の開口部の下縁に装備された抜け止め突起47bに係合して、停止した状態になる。この図8に示した停止位置が、ロック解除位置である。
【0023】
ロック位置からロック解除位置に切換部材43を移動させるための切換部材43の引き出し操作は、楕円の樽形を呈している切換部材43の両側面を把持して行う。
【0024】
通常は必要ないが、ステム駆動レバー35に装着された切換部材43を、ステム駆動レバー35から取り外す方法について説明する。
図7及び図8に示すように、切換部材43をロック解除位置に移動させたときには、弾性係止片51の先方の隙間53が、ステム駆動レバー35の上面側に露出した状態になる。従って、切換部材43の上方からこの隙間53に針金等のフック部材を差し込んで、突起51aを上方に引き起こすことで、突起51aと抜け止め突起47bとの係合を外すことができ、突起51aと抜け止め突起47bとの係合が外れた状態で切換部材43を引き出せば、切換部材43をステム駆動レバー35から取り外すことができる。
【0025】
ストッパ突起45は、図3に示したように切換部材43がロック位置にあるときに、該切換部材43のガイドブロック48の下縁48aが当接するように、装置本体33上に突設されていて、この切換部材43のガイドブロック48との当接によりステム駆動レバー35の回動を規制する。
【0026】
ストッパ突起45は、ガイドブロック48の幅方向に延在する板部45aの頂部が、ガイドブロック48の下縁48aに当接するもので、板部45aには、その両側に該板部45aに直交する補強リブ45bが連設されて、十分な座屈強度を得るようになっている。
補強リブ45bは、レバー支持部39の一部を兼ねている。
【0027】
切換部材43が、図8に示すようにロック解除位置に有るときには、ガイドブロック48がストッパ突起45の上方から退避していて、ロック機構37によるロック機能は働かない。
【0028】
以上に説明したフィンガーポンプ装置31は、図8に示したように切換部材43がロック解除位置にある状態で、ステム駆動レバー35の他端35cを装置本体33側に引くと、図9に示すように、ステム駆動レバー35が支持ピン41を中心に下方に回動し、ヘッド挿通穴35bの上縁部55が噴射ヘッド7に当接し、噴射ヘッド7を押し下げる。
これによりポンプステム9が押し下げられて、ポンプステム9のポンプ動作により容器内の液体が噴射ヘッド7から噴射される。
ステム駆動レバー35の他端35cを引く力を解除すると、ポンプステム9の復元力又は不図示の戻りばねによる復元力で、ステム駆動レバー35は図8に示した状態に戻る。
【0029】
以上に説明したフィンガーポンプ装置31では、ロック機構37として装置本体33とは別体に製造される切換部材43は、装置本体33に組み付けるステム駆動レバー35に対して組み付けられるもので、組み付けタイミングが、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付けた後でも、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付ける前でも、いずれも可能であり、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便が生じない。
【0030】
また、ロック機構37を構成する切換部材43は、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付けた後で、ステム駆動レバー35に組み付けるようにすれば、ステム駆動レバー35を装置本体33に取り付ける際に、ロック機構37となる切換部材43の出っ張り等が取り付け作業を邪魔することがなく、ステム駆動レバー35の取り付けが容易になることによって、フィンガーポンプ装置の生産性を向上させることができる。
【0031】
なお、本発明に係るフィンガーポンプ装置において、ステム駆動レバー上での切換部材の移動形態は、上記実施の形態に示した直線的なスライド移動に限らない。例えば、切換部材がステム駆動レバーに回動可能に取り付けられる構成に設計変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロックされている状態の側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを後方の斜め上方から見た分解斜視図である。
【図5】図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを前方の斜め下方から見た分解斜視図である。
【図6】本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロック解除されている状態の側面図である。
【図7】図6のC矢視図である。
【図8】図7のD−D断面図である。
【図9】図8に示したロック解除状態でステム駆動レバーが回動した状態を示す縦断面図である。
【図10】(a)は従来のフィンガーポンプ装置のロック機構がロック位置に有るときの側面図、(b)は同ロック機構がロック解除位置に有るときの側面図である。
【図11】図10に示したフィンガーポンプ装置においてロック機構の取付位置を示す装置本体及びステム駆動レバーの断面図である。
【符号の説明】
【0033】
7:噴射ヘッド、9:ポンプステム、31:フィンガーポンプ装置、33:装置本体、35:ステム駆動レバー、35a:一端、35b:ヘッド挿通穴、35c:他端、35d:穴、37:ロック機構、39:レバー支持部、41:支持ピン、43:切換部材、43a:段差部、45:ストッパ突起、45a:板部、45b:補強リブ、47:スライドガイド穴、47a:上縁、47b:抜け止め突起、48:ガイドブロック、51:弾性係止片、51a:突起、53:隙間、55:上縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着して使用され、装置に具備したステム駆動レバーを操作するとポンプステムが押し下げられて容器内の液体を噴射するフィンガーポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記フィンガーポンプ装置は、例えば、ペットボトルやガラス瓶等の容器の口部に装着することで、容器の内部の液体の噴射を可能にするもので、例えば、液体洗剤や香水等の噴射、あるいは殺虫用の薬液の噴射など、各種の用途に利用可能である。
【0003】
図10は、上記フィンガーポンプ装置の従来例を示したものである。
ここに示したフィンガーポンプ装置1は、下記特許文献1に開示されたもので、容器3の口部にねじ込み等により固定される装置本体5と、該装置本体5の軸中心部に押し下げ可能に支持されて押し下げ動作により容器3内の液体をステム先端の噴射ヘッド7から噴射するポンプステム9と、一端が装置本体5に回動可能に支持されて回動操作時にポンプステム9を押し下げるステム駆動レバー11と、持ち運び時に誤ってステム駆動レバー11を回動させないように、ポンプステム9を押し下げない位置にステム駆動レバー11を固定するロック機構13と、を備えている。
【0004】
ステム駆動レバー11は、図11に示すように、ポンプステム9の後方に延出している一端が、装置本体5に一体形成されたレバー支持部17に、支持ピン15により回転自在に結合されている。
【0005】
ロック機構13は、図11に示すように、装置本体5に係合するピン21によって装置本体5に回動可能に結合されたレバー部材23に、ステム駆動レバー11の動きを規制するストッパ片24を一体形成したものである。
レバー部材23は、図11に矢印Xで示すように、ピン21を中心として回動し、図10(a)に示すロック位置に位置決めされた状態と、図10(b)に示すロック解除位置に位置決めされた状態に位置切替することができる。
【0006】
レバー部材23が図10(a)に示したロック位置に回動した状態では、ストッパ片24が図11に示したように装置本体5とステム駆動レバー11との間の隙間に挟まり、ポンプステム9を押し下げる方向へのステム駆動レバー11の回動を規制する。
レバー部材23が図10(b)に示したロック解除位置に回動した状態では、レバー部材23の回動に伴ってストッパ片24が装置本体5とステム駆動レバー11との間の隙間から離脱して、ポンプステム9を押し下げる方向へステム駆動レバー11を回動させることが可能になる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−209319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、前述したフィンガーポンプ装置1を組み立てる際には、ステム駆動レバー11を装置本体5に組み付ける前に、ロック機構13を構成するレバー部材23を装置本体5に組み付けることが必要不可欠となり、組み付け工程の優先順位があるために、誤ってステム駆動レバー11を先に装置本体5に組み付けると、ステム駆動レバー11を取り外して作業をやり直さなければならない。
更に、ステム駆動レバー11を装置本体5に取り付ける際に、先に装置本体5に取り付けられているレバー部材23が、ステム駆動レバー11の取付位置付近で揺動するため、ステム駆動レバー11の取付作業が行い難い場合がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便がなく、更に、ステム駆動レバーを装置本体に組み付ける際に、ロック機構が作業の邪魔になることがなく、ステム駆動レバーの取り付けを容易にして、生産性を向上させることのできるフィンガーポンプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、押し下げ動作により容器内の液体を噴射するポンプステムを押し下げ可能に支持して容器の口部に固定される装置本体と、一端が前記装置本体に回動可能に支持されて回動操作時に前記ポンプステムを押し下げるステム駆動レバーと、前記ポンプステムを押し下げない位置に前記ステム駆動レバーを固定するロック機構とを備えるフィンガーポンプ装置において、
前記ロック機構は、
前記ステム駆動レバー上に設定されたロック位置とロック解除位置との間を移動可能に前記ステム駆動レバーに組み付けられた切換部材と、
前記切換部材が前記ロック位置にあるときに該切換部材が当接するように前記装置本体上に突設されて、前記切換部材との当接により前記ステム駆動レバーの回動を規制するストッパ突起と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ロック機構として装置本体とは別体に製造される切換部材は、装置本体に組み付けるステム駆動レバーに対して組み付けられるもので、組み付けタイミングが、装置本体にステム駆動レバーを組み付けた後でも、装置本体にステム駆動レバーを組み付ける前でも、いずれも可能であり、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便が生じない。
【0012】
また、ロック機構を構成する切換部材は、装置本体にステム駆動レバーを組み付けた後で、ステム駆動レバーに組み付けるようにすれば、ステム駆動レバーを装置本体に取り付ける際に、ロック機構となる切換部材の出っ張り等が取り付け作業を邪魔することがなく、ステム駆動レバーの取り付けが容易になることによって、フィンガーポンプ装置の生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るフィンガーポンプ装置1の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロックされている状態の側面図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB−B断面図、図4は図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを後方の斜め上方から見た分解斜視図、図5は図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを前方の斜め下方から見た分解斜視図、図6は本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロック解除されている状態の側面図、図7は図6のC矢視図、図8は図7のD−D断面図、図9は図8に示したロック解除状態でステム駆動レバーが回動した状態を示す縦断面図である。
【0015】
この一実施の形態のフィンガーポンプ装置31は、不図示の容器の口部にねじ込み等により固定される装置本体33と、該装置本体33の軸中心部に押し下げ可能に支持されて押し下げ動作により容器内の液体をステム先端の噴射ヘッド7から噴射するポンプステム9と、一端が装置本体33に回動可能に支持されて回動操作時にポンプステム9を押し下げるステム駆動レバー35と、持ち運び時に誤ってステム駆動レバー35を回動させないように、ポンプステム9を押し下げない位置にステム駆動レバー35を固定するロック機構37とを備えている。
【0016】
ステム駆動レバー35は、図3に示すように、ポンプステム9の後方に延出している一端35aが、装置本体33に一体形成されたレバー支持部39に、支持ピン41により回転自在に結合されている。図4の符合35dは、支持ピン41を嵌入させる穴である。
【0017】
ステム駆動レバー35は、図3に示すように、噴射ヘッド7に対応する位置に、噴射ヘッド7を挿通させるヘッド挿通穴35bが形成されている。このヘッド挿通穴35bは、ステム駆動レバー35の回動方向に沿って長い長穴に形成されている。
【0018】
ヘッド挿通穴35bよりも先方に延出したステム駆動レバー35の他端35cは、指を掛けやすいように、斜め下方に傾斜している。
【0019】
本実施の形態の場合、ロック機構37は、図3から図5に示すようにステム駆動レバー35に装着される切換部材43と、装置本体33上に突設されたストッパ突起45とで構成されている。
【0020】
切換部材43には、図4及び図5に示したようにステム駆動レバー35に形成されたスライドガイド穴47に挿入されるガイドブロック48が突設されている。
切換部材43は、ガイドブロック48をスライドガイド穴47に嵌合させることにより、ステム駆動レバー35上に設定されたロック位置とロック解除位置との間をステム駆動レバー35の前後方向に略水平にスライド移動可能にステム駆動レバー35に組み付けられる。
【0021】
図3は、ガイドブロック48がスライドガイド穴47の一番奥まで押し込まれて、スライドガイド穴47の開口部の上縁47aにガイドブロック48の基端の段差部43aが当接して、切換部材43が停止している状態を示している。この図3に示した停止位置が、ロック位置である。
【0022】
一方、切換部材43は、図3に示すロック位置から矢印E方向に引き出すと、図8に示すように、ガイドブロック48内に装備されている弾性係止片51の突起51aが、スライドガイド穴47の開口部の下縁に装備された抜け止め突起47bに係合して、停止した状態になる。この図8に示した停止位置が、ロック解除位置である。
【0023】
ロック位置からロック解除位置に切換部材43を移動させるための切換部材43の引き出し操作は、楕円の樽形を呈している切換部材43の両側面を把持して行う。
【0024】
通常は必要ないが、ステム駆動レバー35に装着された切換部材43を、ステム駆動レバー35から取り外す方法について説明する。
図7及び図8に示すように、切換部材43をロック解除位置に移動させたときには、弾性係止片51の先方の隙間53が、ステム駆動レバー35の上面側に露出した状態になる。従って、切換部材43の上方からこの隙間53に針金等のフック部材を差し込んで、突起51aを上方に引き起こすことで、突起51aと抜け止め突起47bとの係合を外すことができ、突起51aと抜け止め突起47bとの係合が外れた状態で切換部材43を引き出せば、切換部材43をステム駆動レバー35から取り外すことができる。
【0025】
ストッパ突起45は、図3に示したように切換部材43がロック位置にあるときに、該切換部材43のガイドブロック48の下縁48aが当接するように、装置本体33上に突設されていて、この切換部材43のガイドブロック48との当接によりステム駆動レバー35の回動を規制する。
【0026】
ストッパ突起45は、ガイドブロック48の幅方向に延在する板部45aの頂部が、ガイドブロック48の下縁48aに当接するもので、板部45aには、その両側に該板部45aに直交する補強リブ45bが連設されて、十分な座屈強度を得るようになっている。
補強リブ45bは、レバー支持部39の一部を兼ねている。
【0027】
切換部材43が、図8に示すようにロック解除位置に有るときには、ガイドブロック48がストッパ突起45の上方から退避していて、ロック機構37によるロック機能は働かない。
【0028】
以上に説明したフィンガーポンプ装置31は、図8に示したように切換部材43がロック解除位置にある状態で、ステム駆動レバー35の他端35cを装置本体33側に引くと、図9に示すように、ステム駆動レバー35が支持ピン41を中心に下方に回動し、ヘッド挿通穴35bの上縁部55が噴射ヘッド7に当接し、噴射ヘッド7を押し下げる。
これによりポンプステム9が押し下げられて、ポンプステム9のポンプ動作により容器内の液体が噴射ヘッド7から噴射される。
ステム駆動レバー35の他端35cを引く力を解除すると、ポンプステム9の復元力又は不図示の戻りばねによる復元力で、ステム駆動レバー35は図8に示した状態に戻る。
【0029】
以上に説明したフィンガーポンプ装置31では、ロック機構37として装置本体33とは別体に製造される切換部材43は、装置本体33に組み付けるステム駆動レバー35に対して組み付けられるもので、組み付けタイミングが、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付けた後でも、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付ける前でも、いずれも可能であり、組み付け順位を誤ると作業がやり直しになるといった不便が生じない。
【0030】
また、ロック機構37を構成する切換部材43は、装置本体33にステム駆動レバー35を組み付けた後で、ステム駆動レバー35に組み付けるようにすれば、ステム駆動レバー35を装置本体33に取り付ける際に、ロック機構37となる切換部材43の出っ張り等が取り付け作業を邪魔することがなく、ステム駆動レバー35の取り付けが容易になることによって、フィンガーポンプ装置の生産性を向上させることができる。
【0031】
なお、本発明に係るフィンガーポンプ装置において、ステム駆動レバー上での切換部材の移動形態は、上記実施の形態に示した直線的なスライド移動に限らない。例えば、切換部材がステム駆動レバーに回動可能に取り付けられる構成に設計変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロックされている状態の側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを後方の斜め上方から見た分解斜視図である。
【図5】図3に示したステム駆動レバーと切換部材とを前方の斜め下方から見た分解斜視図である。
【図6】本発明に係るフィンガーポンプ装置の一実施の形態の側面図で、ステム駆動レバーがロック機構によりロック解除されている状態の側面図である。
【図7】図6のC矢視図である。
【図8】図7のD−D断面図である。
【図9】図8に示したロック解除状態でステム駆動レバーが回動した状態を示す縦断面図である。
【図10】(a)は従来のフィンガーポンプ装置のロック機構がロック位置に有るときの側面図、(b)は同ロック機構がロック解除位置に有るときの側面図である。
【図11】図10に示したフィンガーポンプ装置においてロック機構の取付位置を示す装置本体及びステム駆動レバーの断面図である。
【符号の説明】
【0033】
7:噴射ヘッド、9:ポンプステム、31:フィンガーポンプ装置、33:装置本体、35:ステム駆動レバー、35a:一端、35b:ヘッド挿通穴、35c:他端、35d:穴、37:ロック機構、39:レバー支持部、41:支持ピン、43:切換部材、43a:段差部、45:ストッパ突起、45a:板部、45b:補強リブ、47:スライドガイド穴、47a:上縁、47b:抜け止め突起、48:ガイドブロック、51:弾性係止片、51a:突起、53:隙間、55:上縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押し下げ動作により容器内の液体を噴射するポンプステムを押し下げ可能に支持して容器の口部に固定される装置本体と、一端が前記装置本体に回動可能に支持されて回動操作時に前記ポンプステムを押し下げるステム駆動レバーと、前記ポンプステムを押し下げない位置に前記ステム駆動レバーを固定するロック機構とを備えるフィンガーポンプ装置において、
前記ロック機構は、
前記ステム駆動レバー上に設定されたロック位置とロック解除位置との間を移動可能に前記ステム駆動レバーに組み付けられた切換部材と、
前記切換部材が前記ロック位置にあるときに該切換部材が当接するように前記装置本体上に突設されて、前記切換部材との当接により前記ステム駆動レバーの回動を規制するストッパ突起と、を有することを特徴とするフィンガーポンプ装置。
【請求項1】
押し下げ動作により容器内の液体を噴射するポンプステムを押し下げ可能に支持して容器の口部に固定される装置本体と、一端が前記装置本体に回動可能に支持されて回動操作時に前記ポンプステムを押し下げるステム駆動レバーと、前記ポンプステムを押し下げない位置に前記ステム駆動レバーを固定するロック機構とを備えるフィンガーポンプ装置において、
前記ロック機構は、
前記ステム駆動レバー上に設定されたロック位置とロック解除位置との間を移動可能に前記ステム駆動レバーに組み付けられた切換部材と、
前記切換部材が前記ロック位置にあるときに該切換部材が当接するように前記装置本体上に突設されて、前記切換部材との当接により前記ステム駆動レバーの回動を規制するストッパ突起と、を有することを特徴とするフィンガーポンプ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−39648(P2009−39648A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207133(P2007−207133)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】
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