説明

フェイルフリーの燃料集合体アッセンブリ

【課題】原子炉炉心(10)用の燃料集合体(14)を提供すること。
【解決手段】燃料集合体(14)は、核燃料棒(18)および/または同位体生成棒(20)からなる複数の棒(18/20)を含むことができる。各棒(18/20)は複数の相互に連結された棒セグメント(40)を含み、少なくとも1つの棒(18/20)の棒セグメント(40)の少なくとも2つは、相異なる外径(D)を有する。さらに、燃料集合体(14)は、軸方向に隣接し相互に連結された棒セグメント(40)の間で確実に保持される複数の棒スペーサグリッド(34)を含むことができる。軸方向に隣接した棒セグメント(40)間で相互に連結された棒スペーサグリッド(34)は、実質的に等しく隔置された棒(18/20)の配列を形成する。さらに、燃料集合体(14)は、配列された棒(18/20)が収容される細長い管状チャネル(22)を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、原子炉燃料集合体アッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
この項目の中の記述は、本開示に関する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を法的な手順で扱うものではないかもしれない。
【0003】
沸騰水型原子炉などの原子炉は一般に、液体の減速剤または冷却材、例えば、液体の水が、中および周りを流れる多数の燃料集合体からなる原子炉炉心を含む。燃料集合体の中で核反応は、冷却材が炉心を通り抜けるとき、冷却材を蒸気に転化させるために用いられる熱を生成する。次いで、蒸気は電力を生成するために用いられる。典型的には、燃料集合体のそれぞれは、細長い管状チャネルの中に収容される密封され垂直に直立した複数の燃料棒を含む。チャネルの中では、各燃料集合体の燃料棒は、オープンセルの複数の行および列を形成する複数の相互に連結されたスペーサからなる2つ以上のスペーサグリッドによって隔置された構造の中に保持される。各セルは、そこを通って延びるその他の点では長く可撓性の燃料棒のそれぞれの1つを有し、燃料棒が原子炉の中で冷却材の流れの動力学の下で1つの燃料棒を別の燃料棒に研磨接触させることを防止する働きをする。さらに、スペーサは、最適な核特性のための設計された燃料棒対燃料棒の間隔を維持し、減速剤の混合を促進する。
【0004】
燃料棒は一般に、それぞれの集合体の全体の長さに実質的に等しい長さを有するモノリシック構造物である。さらに、典型的には、燃料棒のそれぞれは、それぞれの棒のほぼ全体の長さに延びる内部軸方向の孔を含む。核燃料、例えば、ウラニウム235は、核反応を生成するために内部孔の中に置かれる。したがって、そのような各燃料棒の中の燃料の濃縮レベルは棒の長さに沿って概して均一である。
【0005】
さらに、最も知られているスペーサは、極めて複雑な設計を有し、この設計は、それぞれの集合体を通る冷却材の流れを妨げることがあり、集合体の中を流れる破片を閉じ込める場合が多い。かかる閉じ込められた破片は、冷却材の流れおよび損傷燃料棒によって燃料棒に対して振動し、はためき、またはガタガタ揺れる場合があり、原子炉の中で燃料の水への露出の可能性をもたらす。
【特許文献1】米国特許出願公開第11/002,680号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第11/002,677号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な態様により、原子炉炉心用の燃料集合体が提供される。様々な実施形態では、燃料集合体は、核燃料棒および/または同位体生成棒からなる複数の棒を含むことができる。各棒は複数の相互に連結された棒セグメントを含み、少なくとも1つの棒の棒セグメントの少なくとも2つが相異なる外径を有する。さらに、燃料集合体は、軸方向に隣接し相互に連結された棒セグメントの間で確実に保持される複数の棒スペーサグリッドを含むことができる。軸方向に隣接した棒セグメントに相互に連結された棒スペーサグリッドは、実質的に等しく隔置された棒の配列を形成する。燃料集合体は、配列された棒が収容される細長い管状チャネルをさらに含むことができる。
【0007】
様々な他の実施形態では、燃料集合体は、核燃料棒および/または同位体生成棒からなる複数の棒を含むことができる。各棒は複数の相互に連結された棒セグメントを含み、各棒セグメントは、核燃料または複数の同位体生成ターゲットのいずれかを保持するための内部キャビティを有する。少なくとも1つの棒の棒セグメントの少なくとも2つは、相異なる外径、相異なる軸方向長さ、相異なる核燃料濃縮値および/または相異なる同位体ターゲットを有することができる。さらに、燃料集合体は、実質的に等しく隔置された棒の配列を形成するために軸方向に隣接し相互に連結された棒セグメント間で確実に保持される複数の棒スペーサグリッドを含むことができる。
【0008】
他の態様によると、原子炉炉心用の燃料集合体のための棒が提供される。この棒は、燃料棒または同位体生成棒を含むことができる。様々な実施形態では、棒は複数の相互に連結された棒セグメントを含むことができ、各棒セグメントは、核燃料または複数の同位体生成ターゲットを保持するための内部キャビティを含む。さらに、棒は、それぞれの軸方向に隣接した棒セグメントの相互連結で閉じ込められた破片による擦過損傷によって内部キャビティが破壊されるのを防止するのに十分な軸方向長さを有する堅牢な第1の端部を含むことができる。さらに、棒は、それぞれの軸方向に隣接した棒セグメントの相互連結で閉じ込められた破片による擦過損傷によってそれぞれの中央本体の内部キャビティが破壊されるのを防止するのに十分な軸方向長さを有する部分的に堅牢な第2の端部を含むことができる。様々な実装形態では、棒は、相異なる外径、相異なる軸方向長さ、相異なる核燃料濃縮値および/または相異なる同位体ターゲットを有する棒セグメントの少なくとも2つを含むことができる。
【0009】
本教示の応用範囲のさらなる分野が本明細書で提供される説明から明らかとなろう。説明および具体的な実施例は、例示の目的のみを意図されており、本教示の範囲を限定するように意図されているものではないということを理解されたい。
【0010】
本明細書で説明される図面は、例示を目的としたものにすぎず、決して本教示の範囲を限定するように意図されるものでない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の様々な例の実施形態の説明は、実際は単に一例であり、決してこの開示、その用途または使用を限定するように意図されるものではない。さらに、以下で説明する様々な実施形態よってもたらされる利点は、実際は一例であり、すべての実施形態が同一の利点または同一の程度の利点をもたらすものとは限らない。
【0012】
図1を参照すると、発電原子炉炉心10の例示的な一部分、例えば、沸騰水型原子炉炉心の一部分の斜視断面図が提供されている。発電原子炉炉心10のこの例示的な一部分は、4つの燃料集合体アッセンブリ14A、14B、14Cおよび14Dを含む。これら燃料集合体アッセンブリの中をまたはこれら燃料集合体アッセンブリの周りを、燃料集合体14A、14B、14Cおよび14Dが取り付けられ原子炉が機能すると、液体の減速剤または冷却材が流れる。略して、燃料集合体アッセンブリ14A、14B、14Cおよび14Dは、以降では単に燃料集合体14A、14B、14Cおよび14Dと呼ぶ。各燃料集合体14A、14B、14Cおよび14Dの中で核反応は、電力を生成するために用いられる蒸気に冷却材を転化させるために用いられる熱を生成する。各燃料集合体14A、14B、14Cおよび14Dは、構造、形態および機能において実質的に同一である。したがって、簡単にわかりやすくするために、本明細書では燃料集合体14Aのみを説明する。
【0013】
また図2を参照すると、燃料集合体14Aは一般に、複数の燃料棒18と、様々な実施形態では複数の同位体生成棒20とを含む。さらに、燃料集合体14Aは、上部タイプレート26および下部タイプレート30を囲む外部チャネル22を含む。複数の燃料棒18および同位体生成棒20は、燃料集合体14Aの長さに沿って縦方向または軸方向に一方から他方に隔置された複数のスペーサグリッド34によって燃料集合体14Aの中の配列に配置される。燃料棒18、同位体生成棒20および典型的には1つまたは複数のウォータロッド38は、燃料棒18と同位体生成棒20の間の原子炉冷却材の流れのための通路を画成するためにスペーサグリッド34によって燃料集合体14Aの中で互いに隔置された関係、すなわち配列で維持される。一般に、燃料集合体14Aは、所望の配列、例えば、3つから10のスペーサグリッド34の中に燃料棒18、同位体生成棒20およびウォータロッド38を維持するために必要とされるように燃料集合体14Aの軸方向長さ全体に沿って隔置された任意の数のスペーサグリッド34を含むことができる。
【0014】
一般に、燃料棒18は、中性子束を生成する核燃料、例えば、ウランを含み、一方、同位体生成ターゲット棒20は、所望の放射性同位体を製造するために中性子束によって照射される照射ターゲットを含む。照射ターゲットは、カドミウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、タリウムなど任意の所望の同位体から製作することができる。様々な実施形態では、燃料棒18および同位体生成ターゲット棒20は、燃料棒18が核燃料を含み、同位体生成ターゲット棒20が照射ターゲットを含むことを除いて実質的に同一の構造を有する。したがって、簡単にするために、燃料棒18の構造、機能、構成部品、要素、アッセンブリ、特徴、特質などのみをさらに以下で説明する。
【0015】
次いで図3および4を参照すると、様々な実施形態では、燃料棒18(および同位体生成ターゲット棒20)は、複数の相互に連結された棒セグメント40からなる複数セグメントの棒であってよい。複数セグメントの各燃料棒18は、複数セグメントのそれぞれの各燃料棒18が任意の所望の軸方向長さを概ね有することができるように相互に連結された1つまたは複数の棒セグメント40を含む。例えば、複数の棒セグメント40は、図3に示すセグメント化された燃料棒18Aなどの全長がセグメント化された燃料棒を構成するために相互に連結することができ、ならびに/あるいは1つまたは複数の棒セグメント40は、図3に示すセグメント化された燃料棒18Bおよび/または18Cなどの部分長がセグメント化された燃料棒を構成するために相互に連結することができる。より詳細には、全長がセグメント化された各燃料棒18Aは、上部タイプレート26と下部タイプレート30の間の距離(図2に示す)でほぼ等しい集合した軸方向長さを有する複数の棒セグメント40から構成される。さらに、全長がセグメント化された各燃料棒18Aは、集合した全長の燃料棒18Aのそれぞれの上端部および下端部に連結された上端部ピン42および下端部ピン46を含むことができる。上端部ピン42および下端部ピン46は、チャネル22の中で全長がセグメント化されたそれぞれの各燃料棒18Aの端部を安定化させるためにそれぞれの上部タイプレート26および下部タイプレート30と対合するように構造化される。
【0016】
さらに、部分長がセグメント化された各燃料棒18Bおよび18Cは、上部タイプレート26と下部タイプレート30の間の軸方向長さより短い任意の所望の軸方向長さを有するように構成される。例えば、部分長がセグメント化された各燃料棒18Bおよび18Cは、上部タイプレート26と下部タイプレート30の間の距離の3/4、1/2、1/4などにほぼ等しい軸方向長さを有するように構成されてよい。さらに、部分長がセグメント化された各燃料棒18Bおよび18Cは、それぞれの集合した部分長の燃料棒18Bおよび18Cの上端部および/または下端部に連結された上端部ピン42および/または下端部ピン46を含むことができる。上端部ピン42および下端部ピン46のそれぞれは、チャネル22の中で部分長がセグメント化されたそれぞれの各燃料棒18Bおよび18Cの端部を安定化させるために上部タイプレート26および下部タイプレート30のそれぞれの1つならびにスペーサグリッド34の1つと対合するように構造化される。代替としては、部分長がセグメント化された各燃料棒18Bおよび18Cは、それぞれの集合した部分長の燃料棒18Bおよび18Cのそれぞれの上端部または下端部に連結された上端部ピン42または下端部ピン46と、それぞれの複数セグメントの部分長の燃料棒18Bおよび18Cの反対方向の上端部または下端部に連結された第1のコネクタ50(以下で詳細に説明する)とを含むことができる。したがって、上端部ピン42または下端部ピン46は、上部タイプレート26および下部タイプレート30のそれぞれの1つと対合するように構造化され、第1のコネクタ50は、チャネル22の中で部分長がセグメント化されたそれぞれの各燃料棒18Bおよび18Cの端部を安定化させるためにスペーサグリッド34の1つと対合するように構造化される。
【0017】
次いで図4および5を参照すると、各棒セグメント40は、任意の所望の軸方向または縦方向の長さおよび/または外径Dを有することができる。したがって、複数セグメントの各燃料棒18(および同位体生成棒20)は、様々な長さの棒セグメント40を相互に連結することによって任意の所望の集合した、または累積した長さを有するように組み立てることができる。さらに、複数セグメントの各燃料棒18(および同位体生成棒20)は、様々な直径の棒セグメント40を相互に連結することによってそれぞれの集合したセグメント化された棒18(または20)の軸方向長さに沿って1つまたは複数の外径を有するように組み立てられる。したがって、図4は例示的な燃料棒セグメントおよび/または同位体生成棒セグメント40を示しており、本明細書中の付随の説明は、それぞれの各棒セグメント40の長さおよび/または直径にかかわらず複数セグメントの各燃料棒18および/または同位体生成棒20の各棒セグメント40に関連しているということを理解されたい。
【0018】
図4を詳細に参照すると、各棒セグメント40は一般に、中央本体部54と、第1の端部58と、反対方向の第2の端部62とを含む。様々な実装形態では、第1の端部58および第2の端部62の少なくとも1つは、中央本体部54の内部キャビティ66にアクセスするために中央本体部54とは別の構成部品である(第1の部分58だけをそのようなものとして示す)。内部キャビティ66は、核燃料(または同位体生成棒20の場合は複数の照射ターゲット)を保持するように構造化される。したがって、キャビティ66は、第1の端部58および/または第2の端部62が中央本体40のそれぞれの端部に連結される前にアクセス可能である。具体的には、所望の濃縮を有する所望の核燃料または同位体ターゲットが、内部キャビティ66の中に配置されると、第1の端部58および/または第2の端部62は、棒セグメント40の中に核燃料または同位体ターゲットを密封するために中央本体部54のそれぞれの端部に連結、すなわち、溶接される。
【0019】
本明細書で用いられる際には、核燃料および同位体ターゲットに適用される用語「濃縮」は、核燃料タイプ、核燃料濃縮値、同位体ターゲットタイプおよび同位体ターゲット濃縮値を包括的に意味するように定義されているということを理解されたい。
【0020】
様々な実施形態では、第1の端部58は、軸方向長さMを有し、軸方向長さYを有するベース72から延びる軸方向長さXを有する雄ねじコネクタ70、例えば、ねじ付きスタッドまたは支柱を含む。様々な実装形態では、雄ねじコネクタ70と、ベース72とを含む第1の端部58は、堅牢な材料から製作される。例えば、様々な実施形態では、第1の端部58は、ジルコニウム、ジルカロイ−2、ジルカロイ−4、または任意の他の適した低核反応断面積材料など堅牢な低核反応断面積材料から製作される。さらに、様々な実施形態では、第2の端部62は、軸方向長さNを有し、雌ねじレセプタクル74、例えば、軸方向長さAを有する堅牢な壁75および軸方向長さBを有する堅牢なベース76を有するねじ付き内部孔を含む。様々な実装形態では、堅牢なベース76および堅牢な壁75を含む第2の端部62は、ジルコニウム、ジルカロイ−2、ジルカロイ−4、または任意の他の適した低核反応断面積材料など低核反応断面積材料から製作される。
【0021】
雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、それぞれの棒セグメント40を相互に連結するために対合可能であるように構造化される。より具体的には、様々な実施形態では、雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、以下で詳細に説明するようにそれぞれのスペーサグリッド34の開口78(図6に示す)を通って相互に連結される。雄ねじコネクタ70は、本明細書では第1の端部58の一部として説明され、示されており、雌ねじレセプタクル74は、本明細書では第2の端部62の一部として説明され、示されているが、様々な実施形態では、第1の端部58が雌ねじレセプタクル74を含むことができ、第2の端部62が雄ねじコネクタ70を含むことができることが想定される。さらに、任意の組み立てられた複数セグメントの燃料棒18のそれぞれの最上部および最下部の棒セグメント40の雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、それぞれの上端部ピン42および下端部ピン46に連結することができる。さらに、雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、それぞれの棒セグメント40を相互に連結するために係合すること、すなわちともにねじ付けすることができるねじ山を含むものとして示されているが、雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、それぞれのスペーサグリッド開口78を通って相互に連結するのに適した任意の対合可能な連結デバイスまたは構成部品を備えることができ、依然として本開示の範囲の中に収まるということを理解されたい。例えば、様々な実施形態では、雄ねじコネクタ70および雌ねじレセプタクル74は、タングおよびレセプタ、内部フックならびにループなどをそれぞれ備えることができる。
【0022】
次いで図6および7を参照すると、様々な実施形態では、燃料集合体14Aのスペーサグリッド34は、複数の相互に連結された環状ディスク82からなる。各環状ディスク82は、厚さTを有し、それぞれのスペーサグリッド開口78を含む。様々な実施形態では、各環状ディスク82は、ジルコニウム、ジルカロイ−2、ジルカロイ−4、または任意の他の適した低核反応断面積材料など低核反応断面積材料から製作することができる。例えば、様々な実装形態では、スペーサグリッド34は、相互に連結された環状ディスク82および開口78を形成するために機械プレス加工された低核反応断面積材料の単一のシートから製作することができる。
【0023】
次いで、選択された棒セグメント40は、それぞれの集合した複数セグメントの燃料棒18(または同位体生成棒20)が所望の累積した軸方向長さおよびこの累積した軸方向長さに沿った所望の直径Dおよび濃縮の配列を有するように相互に連結される。すなわち、燃料棒18(および同位体生成棒20)を組み立てるためには、特定の棒セグメント40がそれらのそれぞれの長さL、直径Dおよびそれぞれの内部キャビティ66と共に保持された燃料(または同位体ターゲット)の濃縮に基づいて選択される。より具体的には、複数の棒セグメント40は、様々な相異なる長さL、直径Dおよび/または濃縮を有する棒セグメントの広い組合せを提供するように構成または製造することができる。次いで、燃料棒18(または同位体生成棒20)を組み立てるためには、複数の特定の棒セグメント40は、それらのそれぞれの長さL、直径Dおよび濃縮に基づいて選択することができる。したがって、集合した複数セグメントの燃料棒18(および同位体生成棒20)は、軸方向に様々な直径Dおよび濃縮、すなわち、それぞれの集合した燃料棒18(または同位体生成棒20)の軸方向長さに沿って様々である直径Dおよび濃縮を有するように容易にすばやく組み立てることができる。
【0024】
さらに、様々な実施形態では、棒セグメント40の軸方向に隣接した各対を相互に連結するために、所望の長さL、直径Dおよび濃縮を有する第1の棒セグメント40、例えば、図7の棒セグメント40Aの雄ねじコネクタ70は、環状ディスク開口78の選択された1つを通って挿入される。次いで、所望の長さL、直径Dおよび濃縮を有する第2の棒セグメント40、例えば、図7の棒セグメント40Bの雌ねじレセプタクル74は、第1の棒セグメント40Bの雄ねじコネクタ70と固定的に相互に連結される。したがって、それぞれの環状ディスク82は、第1の棒セグメント40Aおよび第2の棒セグメント40Bの間で固定的に保持される。次いで、それぞれの所望の長さL、直径Dおよび濃縮を有する後続の棒セグメント40は、第1の棒セグメント40Aおよび/または第2の棒セグメント40Bならびに/あるいは他の後続の棒セグメント40と相互に連結し、同様の方法でそれらの間に他のスペーサグリッド環状ディスク82を保持することができる。したがって、複数セグメントの各燃料棒18(または同位体生成棒20)は、軸方向に様々な直径Dおよび軸方向に様々な核燃料(または同位体ターゲット)濃縮を有するように取り付けることができる。
【0025】
それぞれの各棒セグメント40の濃縮は、それぞれの各棒セグメント40の直径D、ならびに/あるいはそれぞれの内部キャビティ66の中に保持される燃料(または同位体ターゲット)の量および/またはそれぞれの燃料もしくは同位体ターゲットの品質に関連することができる。すなわち、より大きな直径の棒セグメント40は、より多くの核燃料(または同位体ターゲット)がそれぞれのキャビティ66の中に保持されることを可能にすることができる。しかしながら、同一の直径Dを有する2つの相異なる棒セグメント40のキャビティ66は、棒セグメント40に同一の直径Dだが相異なる濃縮をもたらすために核燃料(または同位体ターゲット)の相異なる量および/または相異なる品質、すなわち、相異なる濃縮を保持することができる。さもなければ、相異なる直径D、したがって、相異なるサイズの内部キャビティ66を有する棒セグメント40は、同一の濃縮値だがより小さい直径の棒セグメント40を有する核燃料(または同位体ターゲット)を保持することができ、核燃料(または同位体ターゲット)をより少なく保持することは、より低い濃縮を有することになる。さもなければ、第1の直径Dを有する棒セグメント40が、第1の濃縮値を有する核燃料(または同位体ターゲット)を保持することができ、より小さい第2の直径Dを有する第2の棒セグメント40が、より大きい第2の濃縮値を有する核燃料(または同位体ターゲット)を保持することができる。したがって、第1の棒セグメント40は、より大きな直径Dを有するが第2の棒セグメント40より低い濃縮を有することになる。
【0026】
さらに、原子炉炉心10の効率を改善するためには、冷却材の水素対ウラン(H/U)比が最大である燃料集合体14Aの下部、すなわち、原子炉炉心10の下部の近くにより大きな直径のより高い濃縮の棒セグメント40を有することが有利になる場合がある。さらに、冷却材の蒸気への転化によって燃料集合体14Aの長さに沿って起こり得るH/U比の減少を低減するために、複数にセグメント化されたそれぞれの各棒18(および/または20)の軸方向長さに沿って、上に行くにつれて直径が徐々に小さくなっていき、濃縮が徐々に低下していく棒セグメント40を有することが有利になる場合がある。
【0027】
したがって、それぞれの棒セグメント40の濃縮を制御するための手段を実現すること、すなわち、より低い濃縮を実現することに加えて、各棒セグメント40の直径Dは、燃料集合体14Aの軸方向長さに沿って、すなわち原子炉炉心10の軸方向長さに沿ってより一貫したH/U比を維持できる能力を実現することができる。すなわち、上に行くにつれて直径が徐々に小さくなっていく棒セグメント40を有するように燃料棒18(および/または同位体生成棒20)を組み立てることにより、原子炉炉心の底部から頂部への冷却材の面積を次第に大きくすることが可能になる。原子炉炉心10の軸方向長さに沿って徐々に増加する冷却材面積は、それぞれの各燃料集合体14の長さに沿ってより多くの水素を供給し、それによって、水から蒸気への冷却材の変化がH/U比に及ぼす効果を減少させる。
【0028】
図7に最もよく示されているように、様々な実施形態では、それぞれの各スペーサグリッド34の直径dまたはそれぞれの各環状ディスク82は、自らの間にそれぞれのスペーサグリッド34を保持する棒セグメント40の下部の直径Dに実質的に等しいかまたは小さい。すなわち、各環状ディスク82の直径dは、原子炉炉心10の底部により近いそれぞれの環状ディスク82を保持する対の棒セグメント40の1つの直径Dに実質的に等しいかまたは小さい。したがって、「セットアップ」のオフセット、すなわち、下の棒セグメント40の外部表面からそれぞれの環状ディスク82の周辺外側表面へ直径の増加はない。これにより、棒セグメント40の外側表面に沿って環状ディスク82の周辺外側表面を横切って燃料集合体14Aを通る冷却材の流れに対する障害が大幅に低減される。さらに、それぞれの下の棒セグメント40の直径Dに実質的に等しいかまたはより小さい各環状ディスク82の直径dを有すると、環状ディスク82と下の棒セグメント40の接合でスペーサグリッド34によって閉じ込められるようになる破片に対する可能性を実質的に低減させる。上述のように、閉じ込められた破片は、燃料集合体14Aの中を流れる冷却材によって燃料棒18(および/または同位体生成棒20)に対して振動し、はためき、またはガタガタ揺れる場合がある。閉じ込められた破片がそのように振動し、はためき、またはガタガタ揺れることは、燃料棒18(および/または同位体生成棒20)の擦過または研磨を引き起こし、次に棒18および/または20に重大な損傷を引き起こし、すなわち、棒セグメントの内部キャビティ66を破るかまたは破壊する場合がある。
【0029】
さらに、閉じ込められた破片による擦過または研磨によってそれぞれの棒セグメント40の重大な損傷の恐れを実質的になくすために、各棒セグメント40は、第1の端部58および第2の端部62を含む。具体的には、上述のように、各棒セグメント40の第1の端部58は、堅牢な材料、例えば、堅牢な低核反応断面積材料から作製することができる。さらに、上述のように、第2の端部ベース76および内部孔の壁75は、堅牢な材料、例えば、堅牢な低核反応断面積材料から製作される。さらに具体的には、図7に示すように、軸方向に隣接した棒セグメント40、例えば、棒セグメント40Aおよび40Bは、それらの間にそれぞれのスペーサ環状ディスク82をともに保持して固定され結合されるとき、堅牢な雄ねじコネクタ70は雌ねじレセプタクル74の中に係合される。したがって、軸方向に隣接した棒セグメント40が相互に連結されると、それぞれの第2の端部62は、堅牢なベース76と、雌ねじレセプタクル74と、雌ねじレセプタクル74の中に対合された堅牢な雄ねじコネクタ70の一部とを含む。したがって、軸方向に隣接した棒セグメント40が相互に連結されると、それぞれの第2の端部62は実質的に堅牢である。
【0030】
さらに、図7に明らかに示し、当業者によって容易に理解されるように、軸方向に隣接した棒セグメント40が相互に連結されると、それぞれの第2の端部62の全体長さNがそれぞれの環状ディスク82の第1のまたは頂部の表面86に隣接し位置付けられ、一方、それぞれの第1の端部のベース72の長さYのみがそれぞれの環状ディスク82の反対方向の第2のまたは底部の表面90に隣接し位置付けられる。様々な実装形態では、棒セグメント40およびスペーサグリッド34は、上方に配置された、すなわち、原子炉炉心10の頂部の方向を向く雄ねじコネクタ70を有して相互に連結される。したがって、原子炉炉心10の中の方位に関しては、軸方向に隣接した棒セグメント40が相互に連結されると、それぞれのより上の棒セグメント40の実質的に堅牢な第2の端部62は、それぞれの環状ディスク82の上に配置され、それぞれのより下の棒セグメント40の堅牢な第1の端部のベース72は、それぞれの環状ディスク82の下に配置される。したがって、原子炉炉心10の中の方位に関しては、隣接した棒セグメント40のそれぞれの各相互連結は、堅牢な材料の第1のセクション、すなわちスペーサグリッドのそれぞれの各環状ディスク82の上に長さNを有する実質的に堅牢な第2の端部62と、堅牢な材料の第2のセクション、すなわちスペーサグリッドのそれぞれの各環状ディスク82の下に長さYを有する第1の端部のベース72とを有する。長さNおよびYは、閉じ込められた破片が任意の棒セグメント40の中央本体部54の擦過損傷を引き起こすことを防止するために適した任意の所望の長さであることができる。中央本体部54への擦過損傷は、もし内部キャビティ66がそのような擦過で破られたならば、核反応性材料、すなわち核燃料または放射性同位体ターゲットの露出を引き起こす場合がある。例えば、様々な実施形態では、長さNおよびYは、約1/2インチから1 1/2インチ以上であってよい。
【0031】
したがって、それぞれのスペーサグリッド34に閉じ込められて、燃料集合体14Aを通る冷却材の流れによってそれぞれの軸方向に隣接した棒セグメント40の一方または両方を擦過または磨耗させる可能性のあるいかなる破片も、それぞれの堅牢な第1の端部のベース72および/またはそれぞれの実質的に堅牢な第2の端部62を擦過または磨耗させるだけである。さらに、冷却材が原子炉炉心10を通って上方に流れるので、閉じ込められた破片は、より上の棒セグメント40の実質的に堅牢な第2の端部62に対して冷却材の流れによって振動し、はためき、またはガタガタ揺れる可能性が高い。したがって、それぞれの各棒セグメント40の実質的に堅牢な第2の端部62がそれぞれの環状ディスク82の上に配置される様々な実施形態では、第2の部分62の長さNはそれぞれの第1の部分のベース72の長さYより長い。したがって、隣接した棒セグメント40のそれぞれの各相互連結は、スペーサグリッドのそれぞれの各環状ディスク82の下よりスペーサグリッドのそれぞれの各環状ディスク82の上で堅牢な材料のより長い軸方向長さを有する。例えば、様々な実施形態では、長さNは約1/2インチから1 1/2インチ以上であってよく、長さYは1/8から7/8にほぼ等しく、Nの長さは、例えば、約1/4インチから1 1/4インチであることができる。
【0032】
本明細書での説明は、実際は例示的なものにすぎず、したがって、説明されている要旨から逸脱しない変形形態は、本教示の範囲の中にあるものと意図されている。かかる変形形態は、本教示の精神および範囲からの逸脱としてみなされるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本開示の様々な実施形態による、燃料棒と、同位体生成ターゲット棒と、タイプレートと、スペーサグリッドと、チャネルとを含む複数の燃料集合体アッセンブリを示す原子炉炉心の一部の斜視断面図である。
【図2】本開示の様々な実施形態による、図1に示す原子炉炉心の一部に含まれる一例の燃料集合体アッセンブリの部分分解断面図である。
【図3】本開示の様々な実施形態による、図2に示す燃料集合体アッセンブリの中に含むことができる様々な複数セグメントの燃料棒および/または同位体生成ターゲット棒を示す図である。
【図4】本開示の様々な実施形態による、図3に示す複数セグメントの燃料棒および/または同位体生成ターゲット棒の中に含まれる燃料棒セグメントおよび/または同位体生成ターゲット棒セグメントの一例の図である。
【図5】本開示の様々な実施形態による、様々な軸方向長さおよび直径を有する図4に示す棒セグメントを含む、図3に示す複数セグメントの燃料棒および/または同位体生成棒の一例の図である。
【図6】本開示の様々な実施形態による、相互に連結された棒セグメント間で固定的に保持されたスペーサグリッドを示す、図2に示す一例の燃料集合体の一部の等角図である。
【図7】本開示の様々な実施形態による、図6に示す相互に連結された棒セグメント間で固定的に保持されたスペーサグリッドの一部の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 原子炉炉心
14A 燃料集合体
14B 燃料集合体
14C 燃料集合体
14D 燃料集合体
18 燃料棒
20 同位体生成ターゲット棒
20A 同位体生成ターゲット棒
20B 同位体生成ターゲット棒
20C 同位体生成ターゲット棒
22 チャネル
26 上部タイプレート
30 下部タイプレート
34 スペーサグリッド
38 ウォータロッド
40 棒セグメント
42 上端部ピン
46 下端部ピン
50 第1のコネクタ
54 中央本体部
58 第1の端部
62 第2の端部
66 中央本体の内部キャビティ
70 雄ねじコネクタ
72 ベース
74 雌ねじレセプタクル
75 雌ねじレセプタクルの壁
76 ベース
78 スペーサグリッド開口
82 スペーサグリッド環状ディスク
86 環状ディスク第1の表面
90 環状ディスク第2の表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉炉心(10)用の燃料集合体(14)であって、
燃料棒(18)および同位体生成棒(20)の少なくとも1つを含む複数の棒(18/20)であって、各棒(18/20)が複数の相互に連結された棒セグメント(40)を含み、少なくとも1つの棒(18/20)の前記棒セグメント(40)の少なくとも2つが相異なる外径(D)を有する複数の棒(18/20)と、
実質的に等しく隔置された棒(18/20)の配列を形成するために軸方向に隣接し相互に連結された棒セグメント(40)の間で確実に保持される複数の棒スペーサグリッド(34)と、
前記配列された棒(18/20)が収容される細長い管状チャネル(22)と
を備える燃料集合体(14)。
【請求項2】
各棒セグメント(40)が、各棒セグメント(40)がそれぞれの濃縮値を有し、少なくとも1つの棒(18/20)の前記棒セグメント(40)の少なくとも2つが相異なる濃縮値を有するように核燃料の1つおよび複数の同位体生成ターゲットを保持するための内部キャビティ(66)を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料集合体(14)。
【請求項3】
各棒セグメント(40)がそれぞれの軸方向長さ(L)を有し、少なくとも1つの棒(18/20)の前記棒セグメント(40)の少なくとも2つが相異なる軸方向長さ(L)を有することを特徴とする請求項1記載の燃料集合体(14)。
【請求項4】
各棒セグメント(40)が、内部キャビティ(66)を有する中央本体(54)と、堅牢な第1の端部(58)と、部分的に堅牢な第2の端部(62)とを有し、前記第1および第2の端部(58および62)が、前記スペーサグリッド(34)のそれぞれの1つがそれらの間で固定的に保持されるように軸方向に隣接した棒セグメント(40)を相互に連結するために対合可能であることを特徴とする請求項1記載の燃料集合体(14)。
【請求項5】
前記第1および第2の端部(58および62)が低核反応断面積材料から製作されることを特徴とする請求項4記載の燃料集合体(14)。
【請求項6】
前記第1の端部(58)が雄ねじコネクタ(70)を備え、前記第2の端部(62)が、軸方向に隣接した棒セグメント(40)を相互に連結するために前記雄ねじコネクタ(70)に確実に対合するように構造化された雌ねじレセプタクル(74)を含むことを特徴とする請求項4記載の燃料集合体(14)。
【請求項7】
各スペーサグリッド(34)が複数の相互に連結された環状ディスク(82)を含み、各環状ディスク(82)が、それぞれの各環状ディスク(82)が軸方向に隣接し相互に連結された棒セグメント(40)間で確実に保持されることが可能なように前記雄ねじコネクタ(70)を受け入れるような大きさにされた開口(78)を含むことを特徴とする請求項6記載の燃料集合体(14)。
【請求項8】
各環状ディスク(82)が、前記原子炉炉心(10)の中での方位に関してそれぞれの各環状ディスク(82)の下に相互に連結された前記それぞれの棒セグメント(40)の前記外径(D)に実質的に等しいかまたは小さい外径(d)を有するように構造化されることを特徴とする請求項7記載の燃料集合体(14)。
【請求項9】
前記堅牢な第1の端部および前記部分的に堅牢な第2の端部(58および62)が、軸方向に隣接した棒セグメント(40)の各相互連結が、
前記それぞれのスペーサグリッド(34)の第1の側面(86)に隣接した堅牢な材料の第1のセクションであって、閉じ込められた破片および前記それぞれの軸方向に隣接した棒セグメント(40)の前記相互連結による擦過損傷によって前記それぞれの中央本体(54)の前記内部キャビティ(66)が破壊されるのを防止するのに十分な軸方向長さ(N)を有する堅牢な材料の第1のセクションと、
前記それぞれのスペーサグリッド(34)の反対方向の第2の側面(90)に隣接した堅牢な材料の第2のセクションであって、閉じ込められた破片および前記それぞれの軸方向に隣接した棒セグメント(40)の前記相互連結による擦過損傷によって前記それぞれの中央本体(54)の前記内部キャビティ(66)が破壊されるのを防止するのに十分な軸方向長さ(Y)を有する堅牢な材料の第2のセクションと
を有するように対合可能であることを特徴とする請求項4記載の燃料集合体(14)。
【請求項10】
前記原子炉炉心(10)の中の方位に関して、堅牢な材料の前記第1のセクションが、前記それぞれのスペーサグリッド(34)の上に配置され、前記軸方向長さ(N)が前記それぞれのスペーサグリッド(34)の下に配置された堅牢な材料の前記第2のセクションの前記軸方向長さ(Y)より長いことを特徴とする請求項9記載の燃料集合体(14)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−133852(P2009−133852A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292874(P2008−292874)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC