フェブキソスタットの結晶形
フェブキソスタットの新規形態を調製、同定した。当該形態は、例えば痛風患者の高尿酸血の慢性管理等に有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月10日付で出願された米国特許仮出願第61/185,775号、2009年7月2日付で出願された同第61/222,583号、2009年8月13日付で出願された同第61/233,552号、及び2009年8月20日付で出願された同第61/235,481号の利益を請求する。これらの文献は本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸の結晶形を包含する。
【背景技術】
【0003】
以下の式:
【化1】
を有するフェブキソスタット、すなわち2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸は、痛風患者の高尿酸血の慢性管理に適応されるキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害剤である。フェブキソスタットは、無症候性高尿酸血の治療には推奨されない。フェブキソスタットは錠剤の形で投与され、米国及び欧州ではULORIC(登録商標)という名称で販売されている。
【0004】
PCT公報第WO1992/109279号は、フェブキソスタットについて記載する。PCT公報第WO1999/065885号、PCT公報第WO2003/082279号、PCT公報第WO2008/067773号、CN100546985、CN101139325、CN101085761、CN101412700、CN101386605、CN101648926、CN101671314、CN101684107及びHetrocycles, 47, 2, 857-864は、A形、B形、C形、D形、G形、H形、I形、J形、K形及びM形を含むフェブキソスタットの結晶形、並びに非結晶形について記載する。
【0005】
本発明はフェブキソスタット、すなわち2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸)の固体物性に関する。これらの特性は、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸を固体で得る際の条件を調整することにより制御し得る。
【0006】
多形(複数の結晶形の存在)は、分子や分子複合体が有し得る性質の一つである。単一の分子が、特有の結晶構造及び物理特性を有する種々の多形体を生じ得る。斯かる物理特性としては、融点、熱挙動(例えば熱重量分析(TGA)又は示差走査熱量分析(DSC)等により計測される)、X線回折パターン、赤外線吸収フィンガープリント、及び固相NMRスペクトル等が挙げられる。これらの技術のうち1又は2以上が、化合物の異なる多形を区別するのに用いられる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医薬品の新たな多形や溶媒和物を発見することにより、取扱容易性、加工容易性、貯蔵安定性、精製容易性等の望ましい処理特性を有する材料や、他の多形に転換容易な望ましい中間結晶形たる材料が提供される。また、医薬的に有用な化合物の新たな多形や溶媒和物により、医薬品の性能特徴を改善する機会も提供される。これにより、製剤科学者が製剤の最適化に利用し得る材料のレパートリーを拡大でき、例えば加工性や取扱性の向上、異なる特性、溶解プロファイルの改善、保存期限の延長等、種々の特性を備えた製品の提供も可能となる。少なくともこれらの理由から、フェブキソスタットの更なる多形体が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、本発明は、F1形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F1形は、5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図1に示すXRPDパターン;123.8、163.1及び168.5±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、F2形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F2形は、3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0010】
更に別の実施形態において、本発明は、F10形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F10形は、6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0011】
一実施形態において、本発明は、前記フェブキソスタット結晶形の何れか1種、又は複数の組み合わせと、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血の治療における、前記医薬組成物の何れかの使用を提供する。別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血を治療する方法であって、前記医薬組成物の少なくとも1種の治療有効量を、痛風患者に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血の治療薬の製造における、前記フェブキソスタットの何れかの形態の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】フェブキソスタットF1形のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】フェブキソスタットF1形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】フェブキソスタットF1形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】フェブキソスタットF2形のX線粉末回折パターンを示す。
【図5】フェブキソスタットF2形のX線粉末回折パターンを示す。
【図6】フェブキソスタットF2形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図7】フェブキソスタットF2形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図8】フェブキソスタットF10形のX線粉末回折パターンを示す。
【図9】フェブキソスタットF10形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図10】フェブキソスタットF10形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図11】フェブキソスタットF3形のX線粉末回折パターンを示す。
【図12】フェブキソスタットF3形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図13】フェブキソスタットF3形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図14】フェブキソスタットF4形のX線粉末回折パターンを示す。
【図15】フェブキソスタットF4形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図16】フェブキソスタットF4形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図17】フェブキソスタットF5形のX線粉末回折パターンを示す。
【図18】フェブキソスタットF6形のX線粉末回折パターンを示す。
【図19】フェブキソスタットF7形のX線粉末回折パターンを示す。
【図20】フェブキソスタットF7形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図21】フェブキソスタットF7形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図22】フェブキソスタットF8形のX線粉末回折パターンを示す。
【図23】フェブキソスタットF8形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図24】フェブキソスタットF8形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図25】フェブキソスタットF9形のX線粉末回折パターンを示す。
【図26】フェブキソスタットF9形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図27】フェブキソスタットF9形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図28】フェブキソスタットF11形のX線粉末回折パターンを示す。
【図29】フェブキソスタットF12形のX線粉末回折パターンを示す。
【図30】フェブキソスタットF13形のX線粉末回折パターンを示す。
【図31】フェブキソスタットF14形のX線粉末回折パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、フェブキソスタットの新規多形F1〜F14に関する。ある実施形態において、本発明のフェブキソスタットの多形は、他の任意の多形又は特定の多形を実質的に含まない。特に、F1形、F2形及びF10形は、他の任意の多形又は特定の多形を実質的に含まない。本発明の何れの実施形態においても、「実質的に含まない」とは、本発明の形態における他の任意の多形又は特定の多形の割合が、20%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、2%(w/w)以下、特に1%(w/w)以下、更には0.5%(w/w)以下、とりわけ0.2%(w/w)以下であることを意味する。別の実施形態において、本発明のフェブキソスタットの多形における他の任意の多形又は特定の多形の割合は、1%〜20%(w/w)、5%〜20%(w/w)、又は5%〜10%(w/w)である。
【0015】
本明細書では、結晶形を特徴付ける際に、図「に示す」(as depicted in)画像データを用いる場合がある。斯かるデータとしては、X線粉末回折パターンや固体NMRスペクトルが挙げられる。当業者には周知であるが、斯かるデータの画像表現には、ピーク相対強度やピーク位置等に多少の変動が生じ得る。機器応答のばらつきや試料の濃度・純度のばらつき等がその原因となり得ることも、当業者には周知である。それでもなお、当業者であれば容易に、本明細書中の図に示す画像データを、未知の結晶形から得られた画像データと比較し、これら2つの画像データが同一の結晶形を特徴付けるものであるか、それとも異なる2種の結晶形を特徴付けるものであるかを確認することが可能である。
【0016】
本明細書におけるXRPDの測定値は、別途記載しない限り、銅Kα放射波長1.5418Åを用いて得られた値である。
【0017】
本明細書では、物体(反応混合物等)を特徴付ける際に、「室温」(room temperature)(以降「RT」と略称する場合がある。)である、或いは「室温」になる、と記載する場合がある。この記載は、物体の温度が、その物体の存在する空間(例えば部屋又はドラフト等)の温度と同一又は類似であることを意味する。通常、室温は約20℃〜約30℃、又は約22℃〜約27℃、又は約25℃である。
【0018】
本明細書では、製法又は工程を「一晩」実施する、と記載する場合がある。この記載は、例えば製法又は工程を夜間に行う場合の期間を意味するが、その期間に製法又は工程を能動的に観察しなくともよい。この期間は、約8〜約20時間、又は約10〜18時間、典型的には約16時間である。
【0019】
本明細書において別途記載しない限り、結晶性フェブキソスタットとの関連で用いられる「無水」という語は、TGA測定による水又は有機溶媒の何れかの含量が1.5%(w/w)以下、又は1%(w/w)以下の結晶性フェブキソスタット、例えば、TGA測定による水又は有機溶媒の何れかの含量が約0%〜約1%(w/w)であるフェブキソスタットを指す。
【0020】
別途記載しない限り、本発明の固体形態は、乾燥に供してもよい。乾燥は、例えば減圧・高温下で実施してもよい。結晶形の乾燥は、約40℃〜約60℃、又は約40℃及び約50℃、例えば約40℃の温度で実施し得る。乾燥は、減圧下(すなわち1気圧未満、例えば約10mbar〜約100mbar、又は約10mbar〜約25mbar)で実施してもよい。乾燥は、約8時間〜約36時間、又は約10時間〜約24時間、例えば約16時間に亘って実施し得る。乾燥は一晩実施してもよい。
【0021】
本発明の製法における出発物質、すなわちフェブキソスタットは、例えば、本明細書に援用されるPCT公報第WO1992/09279号に記載の製法に従って調製することができる。
【0022】
WO1999/065885は、結晶形G形を含むフェブキソスタットの結晶形について記載する。フェブキソスタットの結晶形G形は、約6.86、8.36、9.60、11.76、13.74、14.60、15.94、16.74、17.56、20.00、21.26、23.72、24.78、25.14、25.74、26.06、26.64、27.92、28.60、29.66及び29.98°の反射角2θに特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0023】
本発明は、本技術分野の要請に対処すべく、フェブキソスタットの公知形態と比べて少なくとも1又は2以上の好ましい特性を有する、フェブキソスタットの新規結晶形F1形〜F14形を提供する。特に、本発明の固体形態が有し得る改善された特性としては、向上した結晶度、溶解性、溶解速度、形態、多形転換及び/又は脱水に対する熱的及び機械的安定性、貯蔵安定性、低残留溶媒含量、低減された吸湿性、流動性、並びに、圧縮性やかさ密度等の有利な加工特性・取扱特性等が挙げられる。
【0024】
本発明は、F1形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F1形は、5.8°、6.8°、8.1°、11.7°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図1に示すXRPDパターン;123.8、163.1及び168.5±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.4±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF1形は、4.7°、9.4°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2°2θに更なるピークを有するXRPDパターンによって更に特徴付けることもできる。或いは、前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF1形は、4.6°、9.3°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2°2θに更なるピークを有するXRPDパターンによって更に特徴付けることもできる。
【0025】
典型的には、フェブキソスタットF1形は、G形を実質的に含まない。特に、F1形の粉末XRDパターンは、21.3°、24.8°及び25.1°±0.2°2θの何れにもピークを有さない。
【0026】
フェブキソスタットF1形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。
【0027】
フェブキソスタットF1形は、例えば、メチルイソブチルケトン(「MIBK」)からフェブキソスタットを結晶化することによって調製される。この製法は、例えば、MIBKにフェブキソスタットを溶解させて混合物を取得し、フェブキソスタットを沈殿させ、沈殿物を単離することを含む。沈殿は、例えば加熱し、冷却することを含み、任意により、混合物を維持することを含んでいてもよい。加熱は、例えば還流温度程度で実施でき、冷却は、例えば約40℃〜約0℃、又は室温程度で実施できる。維持は、典型的には、室温程度の温度で、約1〜約24時間、又は、例えば約1〜約12時間、例えば約1.5時間実施することができる。沈殿物の単離は、例えば、濾過し、MIBK等の溶媒で洗浄することによって実施できる。任意により、単離した沈殿物を更に乾燥させてもよい。
【0028】
本発明は、F2形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F2形は、2.9°、5.9°、8.7°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.8±0.1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF2形は、13.1°、14.7°、17.5°、24.4°及び25.2°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF2形は、13.1°、14.6°、17.6°、24.4°及び25.5°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0029】
フェブキソスタットF2形は、無水であってもよい。
【0030】
フェブキソスタットF2形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性フェブキソスタットF2形は、フェブキソスタットの他の結晶形、例えばA形、B形及びC形等と比較して有利な形態を有する。A形、B形及びC形のフェブキソスタットが何れも針状に形成されるのに対して、フェブキソスタットF2形はプレート状の形態を有するため、より優れた工業特性、例えば凝縮性(compactability)を有する。斯かる特性は、例えば錠剤形成等に有利である。
【0031】
フェブキソスタットF2形は、例えば、メチルエチルケトン(「MEK」)及びアセトンから選択される溶媒を、C5−C8炭化水素との組み合わせで含む混合物から、フェブキソスタットを結晶化することによって調製できる。
【0032】
結晶化は、例えば室温程度で実施され、典型的には、MEK及びアセトンから選択される溶媒中にフェブキソスタットを溶解し、次いでn−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加え、フェブキソスタット結晶形F2形を含む混合物を得ることを含む。この混合物を、例えば、室温程度にて約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間の間維持する。得られた結晶形を、例えば濾過及び乾燥することにより、更に回収してもよい。
【0033】
前記フェブキソスタットF2形は、例えば、室温で、以下に規定するフェブキソスタットF3形をジクロロメタン(「DCM」)中でスラリー化し、混合物を得ることを含む製法によっても調製できる。その混合物は、約1時間〜約48時間、例えば約25時間の間、維持してもよい。得られた結晶形を、例えば濾過により、更に単離してもよい。単離された結晶形は、更に乾燥される。
【0034】
本発明は、F10形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F10形は、6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には101.0±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF10形は、3.3°、16.3°、16.9°、24.5°及び25.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0035】
フェブキソスタットF10形は、無水であってもよい。
【0036】
フェブキソスタットF10形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性フェブキソスタットF10形は、他の結晶形と比較して、エタノールへの溶解性により優れている。
【0037】
本発明は更に、メチルイソブチルケトン(「MIBK」)とC5−C8炭化水素とを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF10形の調製法を包含する。
【0038】
結晶化は、例えば、MIBKにフェブキソスタットを溶解させ、n−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加え、前記結晶形を含む混合物を得ることを含む。C5−C8炭化水素の添加は、例えば、還流温度にて滴下により実施できる。溶解は、典型的には、例えば還流温度程度に加熱しながら実施してもよい。
【0039】
前記工程は、例えば、約40℃から約0℃、又は室温程度に冷却することを更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過及び乾燥によって、更に単離してもよい。
【0040】
本発明は、F3形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F3形は、8.2°、9.5°、12.9°、17.1°及び19.2°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図11に示すXRPDパターン;131.4、162.3及び165.4±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、30.3、61.2及び64.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図12又は13に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には101.1±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF3形は、21.6°、23.5°、24.3°、26.0°及び26.9°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0041】
本発明は、フェブキソスタットをEtOHから結晶化することを含む、フェブキソスタットF3形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、EtOHにフェブキソスタットを溶解させ、還流温度等の温度に加熱し、約30℃〜約0℃等の温度、又は約15℃〜約5℃の温度、例えば約5℃の温度の温度まで冷却することを含む。この製法は、フェブキソスタットの結晶形F3形を得るために、約0℃〜約30℃等の温度にて、又は約5℃〜約15℃の温度にて、例えば約5℃の温度にて、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約1.5時間等の期間に亘って維持する工程を、更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過及び乾燥によって、更に回収してもよい。
【0042】
本発明は、F4形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F4形は、7.4°、11.2°、14.8°、16.8°及び22.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図14に示すX線粉末回折パターン;156.5、170.2及び178.4±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、55.2、68.9及び77.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図15又は16に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、101.3±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF4形は、11.9°、17.7°、18.4°、23.5°及び26.1°±0.2°2θの更なるX線粉末回折パターンピークによって更に特徴付けることができる。
【0043】
前記フェブキソスタットF4形は、例えば、酢酸(「AcOH」)からフェブキソスタットを沈殿させることを含む製法によって調製することができる。一実施形態において、沈殿は、室温程度等の温度にて、フェブキソスタットF3形をAcOH中でスラリー化して混合物を得ることを含む。その混合物を、室温程度にて、約1時間〜約48時間、又は約20時間〜約30時間、例えば約25時間等の期間、維持してもよい。
【0044】
別の実施形態において、沈殿は、AcOHからフェブキソスタットを結晶化することを含む。結晶化は、典型的には、例えば、還流温度等の温度に加熱しながら溶解し、次いで、約0℃〜約40℃等、又は室温程度に冷却して、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、冷却した混合物を、例えば室温程度の温度で、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約3.5時間の期間、維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって、更に単離してもよい。
【0045】
本発明は、F5形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F5形は、5.9°、6.5°、8.5°、11.6°及び18.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図17に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF5形は、11.0°、12.4°、17.5°、20.7°及び23.3°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0046】
本発明は更に、ジメチルアセトアミド(「DMA」)とn−ヘプタンを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF5形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、DMA中にフェブキソスタットを溶解し;n−ヘプタンを加えて前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、例えば、室温程度で実施することができる。この製法は、室温程度にて、約1時間〜約72時間、又は約1時間〜約43時間、例えば約48時間、混合物を維持する工程を更に含んでいてもよい。
【0047】
本発明は、F6形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F6形は、2.9°、6.4°、9.7°、11.7°及び12.8°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図18に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF6形は、3.2°、10.2°、15.0°、19.7°及び20.3°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0048】
本発明は、クロロホルムからフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF6形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、フェブキソスタットをクロロホルムに溶解させ、加熱し、次いで冷却して、前述の結晶形を含む懸濁液を得ることを含む。加熱は、還流温度等の温度で実施でき、冷却は、約40℃〜約0℃の温度、又は室温程度で実施できる。前記製法は、冷却した混合物を、例えば室温程度にて、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約1時間等の時間、維持する維持工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過によって、更に単離してもよい。
【0049】
本発明は、F7形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F7形は、6.7°、8.1°、10.1°、12.8°及び18.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図19に示すX線粉末回折パターン;128.6、131.3及び162.7±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、28.5、31.3及び62.6±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図20又は21に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.1±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかにより規定されるフェブキソスタットF7形は、15.6°、15.9°、18.8°、23.0°及び24.7°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0050】
本発明は更に、ジメチルホルムアミド(「DMF」)とn−ヘプタンを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF7形の調製法を包含する。結晶化は、典型的には室温程度で実施され、例えば、フェブキソスタットをDMFに溶解させ、次いでn−ヘプタンを加えて、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、混合物を例えば室温程度で、約1時間〜約72時間、又は約1時間〜約48時間、例えば約43.5時間等の時間、維持される維持工程を更に含んでいてもよい。
【0051】
本発明は、F8形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F8形は、4.0°、7.3°、7.7°、9.9°及び17.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図22に示すX線粉末回折パターン;100.0、127.9及び134.7±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、0.0、27.9及び34.7±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図23又は24示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.0±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF8形は、11.9°、13.0°、14.5°、16.5°及び24.4°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0052】
本発明は、安息香酸メチル中にフェブキソスタットF3形をスラリー化することを含む、フェブキソスタットF8形の調製法を包含する。このスラリー化は、例えば、室温程度等の温度で実施することができる。スラリーを、例えば室温程度にて、約1時間〜約48時間、例えば約25時間、維持する工程を実施してもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって、更に単離してもよい。更に、単離された結晶形を乾燥させてもよい。
【0053】
本発明は、F9形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F9形は、7.2°、10.7°、14.0°、14.4°及び16.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図25に示すX線粉末回折パターン;123.1、124.8及び132.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.2、12.9及び20.9±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図26又は27に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には111.9±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF9形は、11.9°、17.0°、19.5°、23.7°及び26.5°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0054】
本発明は、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中にフェブキソスタットF3形をスラリー化することを含む、フェブキソスタットF9形の調製法を包含する。スラリー化は、室温程度等の温度で実施することができる。この製法は、約1時間〜約48時間、例えば約46時間等の時間に亘って維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過によって更に単離してもよい。
【0055】
本発明は、F11形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F11形は、4.3°、6.0°、8.6°、11.4°及び12.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図28に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF11形は、17.1°及び25.4°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0056】
本発明は更に、tert−ブタノールからフェブキソスタットを沈殿させることを含む、フェブキソスタットF11形の調製法を包含する。沈殿は、例えば、フェブキソスタットをtert−ブタノールに溶解させ、凍結乾燥して、フェブキソスタットの結晶形F11形を得ることを含む。溶解工程は、例えば、約35℃〜約82℃、又は約35℃〜約40℃等の温度に加熱することによって実施できる。凍結乾燥は、典型的には、溶液を冷却して凍結した混合物を得、低温にて混合物を凍結状態で維持しながら、溶媒を留去することを含むプロセスにより行うことができる。凍結乾燥プロセスは減圧下、約2mmHg〜約14.8mmHgの圧力下で実施することができる。冷却は、約0℃〜約−50℃、又は約−6℃〜約−42℃等の温度で実施できる。
【0057】
本発明は、F12形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F12形は、3.9°、7.9°、10.0°、11.7°及び12.9°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図29に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF12形は、15.7°、16.2°、17.6°、19.9°及び22.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0058】
本発明は更に、ジオキサンと水の混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF12形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、室温程度でフェブキソスタットをジオキサンに溶解させ、水を加えて、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、室温程度等の温度で、約1時間〜約12時間、例えば約2時間の時間に亘って維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって更に単離してもよい。
【0059】
本発明は、F13形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F13形は、2.9°、5.8°、9.8°、15.2°及び19.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図30に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF13形は、16.8°、17.5°、19.9°、20.4°及び22.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0060】
本発明は、クロロホルムからフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF13形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、クロロホルム中にフェブキソスタットを溶解して混合物を得、フェブキソスタットを沈殿させ、得られた沈殿物を単離することを含む。沈殿は、前記反応混合物に、n−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加えるか、或いは、加熱し、冷却し、任意により、その混合物を維持することによって、実施することができる。加熱は、例えば還流温度程度の温度にて、約1分間〜約1時間、又は約20分間の時間に亘って実施できる。冷却は、約40℃〜約0℃、又は室温程度等の温度で実施できる。維持は、典型的には、約0℃〜約40℃の温度で、約1分間〜約24時間、例えば約1.25時間等の時間に亘って実施できる。沈殿物の単離は、例えば濾過によって実施することができる。
【0061】
本発明は、F14形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F14形は、3.2°、5.1°、7.0°、11.8°及び25.5°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図31に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。
【0062】
本発明は更に、クロロホルムとC5−C8炭化水素又は水を含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF14形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、フェブキソスタットをクロロホルムに溶解させ、水及びC5−C8炭化水素から選択される溶媒を加えて、前述の結晶形を得ることを含む。好適なC5−C8炭化水素としては、例えばn−ヘプタンやn−ヘキサンが挙げられる。
【0063】
前記製法は、例えば室温程度にて、約1時間〜約24時間、又は約1時間〜約5時間等の時間に亘り混合物を維持することを、更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過及び乾燥によって、更に単離してもよい。
【0064】
以上のフェブキソスタットの結晶形は、前記フェブキソスタットの形態の何れか1種又はそれらの組み合わせと、少なくとも1種の医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物の調製に使用できる。
【0065】
本発明は更に、1)前記フェブキソスタットの結晶形の何れか1種又はそれらの組み合わせと、医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物、2)痛風患者の高尿酸血の治療における前記医薬組成物の何れか1種の使用;3)痛風患者を治療する方法であって、本明細書記載のフェブキソスタットの形態の何れか1種又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物の有効量を、前記患者に投与することを含む方法、を更に提供する。
【0066】
本発明の医薬組成物は、固状の形態でも液状の形態でもよい。医薬組成物が液状の形態の場合、前記フェブキソスタット結晶形の何れか1種又はそれらの組み合わせは、液状の医薬組成物中で固体として維持され、例えば懸濁液の形態を採る。
【0067】
特定の好ましい実施形態に言及しながら本発明を説明したが、本明細書を考慮すれば、他の実施形態についても当業者には明らかであろう。以下、本発明の組成物の調製や使用法を詳細に説明する実施例に言及しながら、本発明を更に規定するが、当業者には明らかなように、本発明の範囲から逸脱することなく、材料や方法に対して種々の変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0068】
装置
X線粉末回折:
X線粉末回折は、lynxeye検出器を備えたBrukerX線粉末回折計モデルD8アドバンス又は円形のゼロ・バックグラウンド水晶プレートを持つ円形の標準的なアルミニウム製サンプルホルダーを備えたARL粉末回折計モデルX’TRA−019により実施した。使用した走査条件は:銅Kα1照射(λ=1.5418Å)、範囲:2〜40°2θ;走査モード:連続走査、である。
【0069】
ピーク位置の決定は、シリコン粉末を内部標準として、測定試料と混合して用いて行った。シリコン(111)ピークの位置が28.45°2θとなるように補正し、個々のピークの位置も補正した(図に示した回折パターンは補正しなかった)。
【0070】
13C NMRスペクトル:
125MHzの13C NMRにBruker Avance II+500.SBを使用。4mmローターを用いたSBプローブ。
【0071】
マジック角はKBrを用いて設定した。磁場の均質性はアダマンタンを用いて確認。交差分極のパラメーターはグリシンを用いて最適化。
【0072】
スペクトル基準はグリシン(低磁場カルボキシルシグナルにつき176.03ppm)を外部標準として設定。
マジック角スピニングレート:11kHz
パルスプログラム:デカップリング中にtppm15を有するcp
遅延時間:5s(遅延時間が2sであったフェブキソスタットF7形、F8形及びF9形を除く)
接触時間:2msec.
走査数:1024(走査数が2048であったフェブキソスタットF8形及びF9形を除く)
【0073】
用語「V」は、出発物質であるフェブキソスタット1gあたりの溶媒又は逆溶媒のmlを指す。
【0074】
実施例1:フェブキソスタットF1形の調製
フェブキソスタット(1g)を、電磁スターラー及び還流冷却器を備えた50mlの丸底フラスコに入れた。メチルイソブチルケトン(MIBK)(10ml)を加え、オイルバスを用いて得られた混合物を還流温度に加熱して、透明の黄色がかった溶液を得た。次に、加熱を止め、オイルバスを取り外し、混合物をRTに冷まし、RTにて1.5h時間撹拌した。白色の沈殿物が、冷却中に形成された。次に、混合物を濾過し、単離した固体をMIBK(1ml)で洗浄して、湿った白色固体(0.64g)を得た。一部(0.44g)を真空内、50℃にて22.5時間乾燥させて、白色固体として生成物(0.33g)を得た。
【0075】
実施例2:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(1g)を、電磁スターラーを備えた250mlの丸底フラスコに入れた。メチルエチルケトン(MEK)(35ml、35V)を加え、得られた混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。N−ヘプタン(175ml)を加え、得られた溶液をRTにて20時間かけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色固体(1.03g)を得た。次にそれを真空内、40℃にて24時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.43g)を得た。
【0076】
実施例3:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)を、電磁スターラーを備えた250mlの丸底フラスコに入れた。アセトン(11.5ml、23V)を加え、得られた混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(126.5ml、253V)を加え、得られた溶液をRTにて16.25hかけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.31g)を得た。その固体を真空内、50℃にて22時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.23g)を得た。
【0077】
実施例4:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とアセトン(12.5ml、25V)の混合物を調製して、黄色い溶液を得た。n−ヘキサン(75ml、150V)をその溶液に加え、白い懸濁液を形成した。懸濁液を25℃にて3時間撹拌し、その後それを濾過した。濾過した固体をXRDによって分析し、F2形を得た。
【0078】
実施例5:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とアセトン(12.5ml、25V)の混合物を調製して、黄色い溶液を得た。n−ヘキサン(75ml、150V)をその溶液に加え、白い懸濁液は形成した。懸濁液を25℃にて3時間撹拌し、その後それを濾過した。そうして得られたフィルターケーキを、50℃にて16時間乾燥させた。固体をXRDによって分析し、F2形を得た。
【0079】
実施例6:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット結晶形F3形(1.00g)を、電磁スターラーを備えた50mlの丸底フラスコに入れた。DCM(15ml、15V)を加え、得られた混合物(白いスラリー)をRTにて25時間撹拌した。次にその混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.81g)を得た。湿った固体の一部(0.15g)を多形性解析のために取り出し、フェブキソスタットF2形と特定した。、残りを、真空内、50℃にて18時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.50g)を得た。
【0080】
実施例7:フェブキソスタットF3形の調製
フェブキソスタット(96g)とEtOH(770ml、8V)の混合物を78℃に加熱して、黄色の溶液を形成した。次にその溶液を5℃に冷やし、灰色がかった白色の懸濁液を得た。懸濁液を5℃にて1時間撹拌し、その後それを濾過した。こうして得られたフィルターケーキを、40℃にて16時間乾燥させた。
【0081】
実施例8:フェブキソスタットF4形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた50mlの丸底フラスコに入れた。酢酸(「AcOH」)(7.5ml、15V)を加え、その混合物(白いスラリー)をRTにて25時間かけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.49g)を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0082】
実施例9:フェブキソスタットF4形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた50mlの丸底フラスコに入れた。オイルバス内で還流温度に加熱しながら、AcOH(10ml、20V)を加えて、透明の黄色がかった溶液を得た。次に加熱は止め、オイルバスは取り外し、混合物をRTまで冷却した。RTにて3.5時間の撹拌後に、湿った白色固体(0.51g)を濾過によって回収した。湿った固体をXRDによって分析した。
【0083】
実施例10:フェブキソスタットF5形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコに入れた。ジメチルアセトアミド(「DMA」)(0.5ml、1V)を加え、混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(10ml、20V)を加え、得られた透明の混合物をRTにて43時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体を得た。湿った固体をXRDによって分析した。
【0084】
実施例11:フェブキソスタットF6形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とクロロホルム(4.5ml、9V)の混合物を61℃(還流温度)に加熱して、黄色い溶液を得た。次にその溶液を25℃まで冷やし、白い懸濁液を得た。次にその懸濁液を25℃にて1時間撹拌し、その後それを濾過した。濾過した固体をXRDによって分析した。
【0085】
実施例12:フェブキソスタットF7形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコに入れた。ジメチルホルムアミド(「DMF」)(1ml、2V)を加え、混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(20ml、40V)を加え、得られた透明の混合物をRTにて43.5時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0086】
実施例13:フェブキソスタットF8形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた20mlのバイアルに入れた。安息香酸メチル(5ml、10V)を加え、混合物(白いスラリー)をRTにて25時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(1.35g)を得た。その固体を真空内、50℃にて17時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.34g)を得た。
【0087】
実施例14:フェブキソスタットF9形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた20mlのバイアルに入れた。ジメチルスルホキシド(「DMSO」)(2.5ml、5V)を加え、混合物をRTにて46時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(0.27g)を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0088】
実施例15:フェブキソスタットF10形の調製
フェブキソスタット(20.00g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた1Lの丸底フラスコに入れた。MIBK(200ml、10V)を加えた。混合物を、オイルバスにより還流温度に加熱し、還流温度にて5分間撹拌して、溶液を形成した。n−ヘプタン(300ml、15V)を分割して10分間にわたって透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物が形成された。次に加熱は止め、混合物を冷まし、RTにて1.5時間撹拌した。湿った白色固体を形成させ、それを濾過によって回収した(32.36g)。サンプルを真空内、50℃にて24時間かけて乾燥させて、白色の固体(17.07g)を得た。
【0089】
実施例16:フェブキソスタットF10形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた500mlの丸底フラスコに入れた。MIBK(50ml、10V)を加えた。混合物を、オイルバスにより還流温度に加熱し、還流温度にて5分間撹拌した。n−ヘキサン(150ml、30V)を分割して10分間にわたって透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物が形成された。次に加熱を止め、混合物を冷まし、RTにて1時間撹拌した。湿った白色固体を形成させ、それを濾過によって回収した(5.04g)。サンプルを真空内、50℃にて23.5時間かけて乾燥させて、白色の固体(4.15g)を得た。
【0090】
実施例17:フェブキソスタットF11形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、35℃〜40℃にてtert−ブタノール(500g)中に溶解した。透明な無色の溶液を、2〜14.8mmHgの減圧下、−42℃〜(−6℃)にて24時間、凍結乾燥した。大量の白色の固体を回収した(5.5g)。
【0091】
実施例18:フェブキソスタットF12形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコ内でジオキサン(8ml、8V)中に溶解した。水道水(8ml、8V)を透明な溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(2.43g)を得た。
【0092】
実施例19:フェブキソスタットF13形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、電磁スターラーを備えた1Lの丸底フラスコ内で約25℃にてCHCl3(250ml、50V)中に溶解した。n−ヘキサン(250ml; 50V)を加え、白色の沈殿物を形成させた。得られた混合物を、約25℃にて更に2.5時間撹拌し、濾過して湿った白色の固体(7.15g)を得た。
【0093】
実施例20:フェブキソスタットF13形の調製
フェブキソスタット(5.00g)とCHCl3(55ml、11V)の混合物を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた250mlの丸底フラスコ内でオイルバスにより還流温度に加熱した。還流温度にて20分間の撹拌後に、加熱を止め、オイルバスを取り外し、混合物を冷まして、RTにて1.25時間かけて撹拌した。白色の沈殿物が冷却中に形成された。混合物を濾過して、湿った白色の固体(4.70g)を得た。
【0094】
実施例21:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた500mlの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。透明の黄色がかった溶液に、n−ヘプタン(50ml、50V)を加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いでそれを濾過して、湿った白色の固体(0.65g)を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.24g)を得た。
【0095】
実施例22:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた500mlの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。n−ヘキサン(50ml、50V)を透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いで、それを濾過して、湿った白色の固体(1.28g)を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.55g)を得た。
【0096】
実施例23:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた1Lの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。水道水(50ml、50V)を透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いで、それを濾過して、0.72gの湿った白色の固形を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.15g)を得た。
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月10日付で出願された米国特許仮出願第61/185,775号、2009年7月2日付で出願された同第61/222,583号、2009年8月13日付で出願された同第61/233,552号、及び2009年8月20日付で出願された同第61/235,481号の利益を請求する。これらの文献は本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸の結晶形を包含する。
【背景技術】
【0003】
以下の式:
【化1】
を有するフェブキソスタット、すなわち2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸は、痛風患者の高尿酸血の慢性管理に適応されるキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害剤である。フェブキソスタットは、無症候性高尿酸血の治療には推奨されない。フェブキソスタットは錠剤の形で投与され、米国及び欧州ではULORIC(登録商標)という名称で販売されている。
【0004】
PCT公報第WO1992/109279号は、フェブキソスタットについて記載する。PCT公報第WO1999/065885号、PCT公報第WO2003/082279号、PCT公報第WO2008/067773号、CN100546985、CN101139325、CN101085761、CN101412700、CN101386605、CN101648926、CN101671314、CN101684107及びHetrocycles, 47, 2, 857-864は、A形、B形、C形、D形、G形、H形、I形、J形、K形及びM形を含むフェブキソスタットの結晶形、並びに非結晶形について記載する。
【0005】
本発明はフェブキソスタット、すなわち2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸)の固体物性に関する。これらの特性は、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸を固体で得る際の条件を調整することにより制御し得る。
【0006】
多形(複数の結晶形の存在)は、分子や分子複合体が有し得る性質の一つである。単一の分子が、特有の結晶構造及び物理特性を有する種々の多形体を生じ得る。斯かる物理特性としては、融点、熱挙動(例えば熱重量分析(TGA)又は示差走査熱量分析(DSC)等により計測される)、X線回折パターン、赤外線吸収フィンガープリント、及び固相NMRスペクトル等が挙げられる。これらの技術のうち1又は2以上が、化合物の異なる多形を区別するのに用いられる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医薬品の新たな多形や溶媒和物を発見することにより、取扱容易性、加工容易性、貯蔵安定性、精製容易性等の望ましい処理特性を有する材料や、他の多形に転換容易な望ましい中間結晶形たる材料が提供される。また、医薬的に有用な化合物の新たな多形や溶媒和物により、医薬品の性能特徴を改善する機会も提供される。これにより、製剤科学者が製剤の最適化に利用し得る材料のレパートリーを拡大でき、例えば加工性や取扱性の向上、異なる特性、溶解プロファイルの改善、保存期限の延長等、種々の特性を備えた製品の提供も可能となる。少なくともこれらの理由から、フェブキソスタットの更なる多形体が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、本発明は、F1形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F1形は、5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図1に示すXRPDパターン;123.8、163.1及び168.5±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、F2形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F2形は、3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0010】
更に別の実施形態において、本発明は、F10形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F10形は、6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることが可能である。
【0011】
一実施形態において、本発明は、前記フェブキソスタット結晶形の何れか1種、又は複数の組み合わせと、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血の治療における、前記医薬組成物の何れかの使用を提供する。別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血を治療する方法であって、前記医薬組成物の少なくとも1種の治療有効量を、痛風患者に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、痛風患者の高尿酸血の治療薬の製造における、前記フェブキソスタットの何れかの形態の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】フェブキソスタットF1形のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】フェブキソスタットF1形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】フェブキソスタットF1形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】フェブキソスタットF2形のX線粉末回折パターンを示す。
【図5】フェブキソスタットF2形のX線粉末回折パターンを示す。
【図6】フェブキソスタットF2形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図7】フェブキソスタットF2形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図8】フェブキソスタットF10形のX線粉末回折パターンを示す。
【図9】フェブキソスタットF10形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図10】フェブキソスタットF10形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図11】フェブキソスタットF3形のX線粉末回折パターンを示す。
【図12】フェブキソスタットF3形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図13】フェブキソスタットF3形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図14】フェブキソスタットF4形のX線粉末回折パターンを示す。
【図15】フェブキソスタットF4形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図16】フェブキソスタットF4形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図17】フェブキソスタットF5形のX線粉末回折パターンを示す。
【図18】フェブキソスタットF6形のX線粉末回折パターンを示す。
【図19】フェブキソスタットF7形のX線粉末回折パターンを示す。
【図20】フェブキソスタットF7形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図21】フェブキソスタットF7形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図22】フェブキソスタットF8形のX線粉末回折パターンを示す。
【図23】フェブキソスタットF8形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図24】フェブキソスタットF8形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図25】フェブキソスタットF9形のX線粉末回折パターンを示す。
【図26】フェブキソスタットF9形の0〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図27】フェブキソスタットF9形の100〜200ppmの範囲における固体13C−NMRスペクトルを示す。
【図28】フェブキソスタットF11形のX線粉末回折パターンを示す。
【図29】フェブキソスタットF12形のX線粉末回折パターンを示す。
【図30】フェブキソスタットF13形のX線粉末回折パターンを示す。
【図31】フェブキソスタットF14形のX線粉末回折パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、フェブキソスタットの新規多形F1〜F14に関する。ある実施形態において、本発明のフェブキソスタットの多形は、他の任意の多形又は特定の多形を実質的に含まない。特に、F1形、F2形及びF10形は、他の任意の多形又は特定の多形を実質的に含まない。本発明の何れの実施形態においても、「実質的に含まない」とは、本発明の形態における他の任意の多形又は特定の多形の割合が、20%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、2%(w/w)以下、特に1%(w/w)以下、更には0.5%(w/w)以下、とりわけ0.2%(w/w)以下であることを意味する。別の実施形態において、本発明のフェブキソスタットの多形における他の任意の多形又は特定の多形の割合は、1%〜20%(w/w)、5%〜20%(w/w)、又は5%〜10%(w/w)である。
【0015】
本明細書では、結晶形を特徴付ける際に、図「に示す」(as depicted in)画像データを用いる場合がある。斯かるデータとしては、X線粉末回折パターンや固体NMRスペクトルが挙げられる。当業者には周知であるが、斯かるデータの画像表現には、ピーク相対強度やピーク位置等に多少の変動が生じ得る。機器応答のばらつきや試料の濃度・純度のばらつき等がその原因となり得ることも、当業者には周知である。それでもなお、当業者であれば容易に、本明細書中の図に示す画像データを、未知の結晶形から得られた画像データと比較し、これら2つの画像データが同一の結晶形を特徴付けるものであるか、それとも異なる2種の結晶形を特徴付けるものであるかを確認することが可能である。
【0016】
本明細書におけるXRPDの測定値は、別途記載しない限り、銅Kα放射波長1.5418Åを用いて得られた値である。
【0017】
本明細書では、物体(反応混合物等)を特徴付ける際に、「室温」(room temperature)(以降「RT」と略称する場合がある。)である、或いは「室温」になる、と記載する場合がある。この記載は、物体の温度が、その物体の存在する空間(例えば部屋又はドラフト等)の温度と同一又は類似であることを意味する。通常、室温は約20℃〜約30℃、又は約22℃〜約27℃、又は約25℃である。
【0018】
本明細書では、製法又は工程を「一晩」実施する、と記載する場合がある。この記載は、例えば製法又は工程を夜間に行う場合の期間を意味するが、その期間に製法又は工程を能動的に観察しなくともよい。この期間は、約8〜約20時間、又は約10〜18時間、典型的には約16時間である。
【0019】
本明細書において別途記載しない限り、結晶性フェブキソスタットとの関連で用いられる「無水」という語は、TGA測定による水又は有機溶媒の何れかの含量が1.5%(w/w)以下、又は1%(w/w)以下の結晶性フェブキソスタット、例えば、TGA測定による水又は有機溶媒の何れかの含量が約0%〜約1%(w/w)であるフェブキソスタットを指す。
【0020】
別途記載しない限り、本発明の固体形態は、乾燥に供してもよい。乾燥は、例えば減圧・高温下で実施してもよい。結晶形の乾燥は、約40℃〜約60℃、又は約40℃及び約50℃、例えば約40℃の温度で実施し得る。乾燥は、減圧下(すなわち1気圧未満、例えば約10mbar〜約100mbar、又は約10mbar〜約25mbar)で実施してもよい。乾燥は、約8時間〜約36時間、又は約10時間〜約24時間、例えば約16時間に亘って実施し得る。乾燥は一晩実施してもよい。
【0021】
本発明の製法における出発物質、すなわちフェブキソスタットは、例えば、本明細書に援用されるPCT公報第WO1992/09279号に記載の製法に従って調製することができる。
【0022】
WO1999/065885は、結晶形G形を含むフェブキソスタットの結晶形について記載する。フェブキソスタットの結晶形G形は、約6.86、8.36、9.60、11.76、13.74、14.60、15.94、16.74、17.56、20.00、21.26、23.72、24.78、25.14、25.74、26.06、26.64、27.92、28.60、29.66及び29.98°の反射角2θに特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0023】
本発明は、本技術分野の要請に対処すべく、フェブキソスタットの公知形態と比べて少なくとも1又は2以上の好ましい特性を有する、フェブキソスタットの新規結晶形F1形〜F14形を提供する。特に、本発明の固体形態が有し得る改善された特性としては、向上した結晶度、溶解性、溶解速度、形態、多形転換及び/又は脱水に対する熱的及び機械的安定性、貯蔵安定性、低残留溶媒含量、低減された吸湿性、流動性、並びに、圧縮性やかさ密度等の有利な加工特性・取扱特性等が挙げられる。
【0024】
本発明は、F1形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F1形は、5.8°、6.8°、8.1°、11.7°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図1に示すXRPDパターン;123.8、163.1及び168.5±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.4±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF1形は、4.7°、9.4°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2°2θに更なるピークを有するXRPDパターンによって更に特徴付けることもできる。或いは、前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF1形は、4.6°、9.3°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2°2θに更なるピークを有するXRPDパターンによって更に特徴付けることもできる。
【0025】
典型的には、フェブキソスタットF1形は、G形を実質的に含まない。特に、F1形の粉末XRDパターンは、21.3°、24.8°及び25.1°±0.2°2θの何れにもピークを有さない。
【0026】
フェブキソスタットF1形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量、のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。
【0027】
フェブキソスタットF1形は、例えば、メチルイソブチルケトン(「MIBK」)からフェブキソスタットを結晶化することによって調製される。この製法は、例えば、MIBKにフェブキソスタットを溶解させて混合物を取得し、フェブキソスタットを沈殿させ、沈殿物を単離することを含む。沈殿は、例えば加熱し、冷却することを含み、任意により、混合物を維持することを含んでいてもよい。加熱は、例えば還流温度程度で実施でき、冷却は、例えば約40℃〜約0℃、又は室温程度で実施できる。維持は、典型的には、室温程度の温度で、約1〜約24時間、又は、例えば約1〜約12時間、例えば約1.5時間実施することができる。沈殿物の単離は、例えば、濾過し、MIBK等の溶媒で洗浄することによって実施できる。任意により、単離した沈殿物を更に乾燥させてもよい。
【0028】
本発明は、F2形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F2形は、2.9°、5.9°、8.7°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.8±0.1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF2形は、13.1°、14.7°、17.5°、24.4°及び25.2°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF2形は、13.1°、14.6°、17.6°、24.4°及び25.5°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0029】
フェブキソスタットF2形は、無水であってもよい。
【0030】
フェブキソスタットF2形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性フェブキソスタットF2形は、フェブキソスタットの他の結晶形、例えばA形、B形及びC形等と比較して有利な形態を有する。A形、B形及びC形のフェブキソスタットが何れも針状に形成されるのに対して、フェブキソスタットF2形はプレート状の形態を有するため、より優れた工業特性、例えば凝縮性(compactability)を有する。斯かる特性は、例えば錠剤形成等に有利である。
【0031】
フェブキソスタットF2形は、例えば、メチルエチルケトン(「MEK」)及びアセトンから選択される溶媒を、C5−C8炭化水素との組み合わせで含む混合物から、フェブキソスタットを結晶化することによって調製できる。
【0032】
結晶化は、例えば室温程度で実施され、典型的には、MEK及びアセトンから選択される溶媒中にフェブキソスタットを溶解し、次いでn−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加え、フェブキソスタット結晶形F2形を含む混合物を得ることを含む。この混合物を、例えば、室温程度にて約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間の間維持する。得られた結晶形を、例えば濾過及び乾燥することにより、更に回収してもよい。
【0033】
前記フェブキソスタットF2形は、例えば、室温で、以下に規定するフェブキソスタットF3形をジクロロメタン(「DCM」)中でスラリー化し、混合物を得ることを含む製法によっても調製できる。その混合物は、約1時間〜約48時間、例えば約25時間の間、維持してもよい。得られた結晶形を、例えば濾過により、更に単離してもよい。単離された結晶形は、更に乾燥される。
【0034】
本発明は、F10形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F10形は、6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には101.0±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF10形は、3.3°、16.3°、16.9°、24.5°及び25.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0035】
フェブキソスタットF10形は、無水であってもよい。
【0036】
フェブキソスタットF10形は、化学的純度、流動性、溶解性、形態学又は結晶性質、安定性(貯蔵安定性、脱水に対する安定性、多形転換に対する安定性等)、低吸湿性、低残留溶媒含量のうちの少なくとも1つから選択される有利な特性を有する。特に、本発明の結晶性フェブキソスタットF10形は、他の結晶形と比較して、エタノールへの溶解性により優れている。
【0037】
本発明は更に、メチルイソブチルケトン(「MIBK」)とC5−C8炭化水素とを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF10形の調製法を包含する。
【0038】
結晶化は、例えば、MIBKにフェブキソスタットを溶解させ、n−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加え、前記結晶形を含む混合物を得ることを含む。C5−C8炭化水素の添加は、例えば、還流温度にて滴下により実施できる。溶解は、典型的には、例えば還流温度程度に加熱しながら実施してもよい。
【0039】
前記工程は、例えば、約40℃から約0℃、又は室温程度に冷却することを更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過及び乾燥によって、更に単離してもよい。
【0040】
本発明は、F3形と命名された結晶性フェブキソスタットを提供する。F3形は、8.2°、9.5°、12.9°、17.1°及び19.2°±0.2°2θにピークを有する粉末XRDパターン;実質的に図11に示すXRPDパターン;131.4、162.3及び165.4±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、30.3、61.2及び64.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図12又は13に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には101.1±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF3形は、21.6°、23.5°、24.3°、26.0°及び26.9°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0041】
本発明は、フェブキソスタットをEtOHから結晶化することを含む、フェブキソスタットF3形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、EtOHにフェブキソスタットを溶解させ、還流温度等の温度に加熱し、約30℃〜約0℃等の温度、又は約15℃〜約5℃の温度、例えば約5℃の温度の温度まで冷却することを含む。この製法は、フェブキソスタットの結晶形F3形を得るために、約0℃〜約30℃等の温度にて、又は約5℃〜約15℃の温度にて、例えば約5℃の温度にて、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約1.5時間等の期間に亘って維持する工程を、更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過及び乾燥によって、更に回収してもよい。
【0042】
本発明は、F4形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F4形は、7.4°、11.2°、14.8°、16.8°及び22.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図14に示すX線粉末回折パターン;156.5、170.2及び178.4±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、55.2、68.9及び77.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図15又は16に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、101.3±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF4形は、11.9°、17.7°、18.4°、23.5°及び26.1°±0.2°2θの更なるX線粉末回折パターンピークによって更に特徴付けることができる。
【0043】
前記フェブキソスタットF4形は、例えば、酢酸(「AcOH」)からフェブキソスタットを沈殿させることを含む製法によって調製することができる。一実施形態において、沈殿は、室温程度等の温度にて、フェブキソスタットF3形をAcOH中でスラリー化して混合物を得ることを含む。その混合物を、室温程度にて、約1時間〜約48時間、又は約20時間〜約30時間、例えば約25時間等の期間、維持してもよい。
【0044】
別の実施形態において、沈殿は、AcOHからフェブキソスタットを結晶化することを含む。結晶化は、典型的には、例えば、還流温度等の温度に加熱しながら溶解し、次いで、約0℃〜約40℃等、又は室温程度に冷却して、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、冷却した混合物を、例えば室温程度の温度で、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約3.5時間の期間、維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって、更に単離してもよい。
【0045】
本発明は、F5形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F5形は、5.9°、6.5°、8.5°、11.6°及び18.0°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図17に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF5形は、11.0°、12.4°、17.5°、20.7°及び23.3°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0046】
本発明は更に、ジメチルアセトアミド(「DMA」)とn−ヘプタンを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF5形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、DMA中にフェブキソスタットを溶解し;n−ヘプタンを加えて前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、例えば、室温程度で実施することができる。この製法は、室温程度にて、約1時間〜約72時間、又は約1時間〜約43時間、例えば約48時間、混合物を維持する工程を更に含んでいてもよい。
【0047】
本発明は、F6形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F6形は、2.9°、6.4°、9.7°、11.7°及び12.8°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図18に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF6形は、3.2°、10.2°、15.0°、19.7°及び20.3°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0048】
本発明は、クロロホルムからフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF6形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、フェブキソスタットをクロロホルムに溶解させ、加熱し、次いで冷却して、前述の結晶形を含む懸濁液を得ることを含む。加熱は、還流温度等の温度で実施でき、冷却は、約40℃〜約0℃の温度、又は室温程度で実施できる。前記製法は、冷却した混合物を、例えば室温程度にて、約1時間〜約48時間、又は約1時間〜約24時間、例えば約1時間等の時間、維持する維持工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過によって、更に単離してもよい。
【0049】
本発明は、F7形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F7形は、6.7°、8.1°、10.1°、12.8°及び18.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図19に示すX線粉末回折パターン;128.6、131.3及び162.7±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、28.5、31.3及び62.6±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図20又は21に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.1±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかにより規定されるフェブキソスタットF7形は、15.6°、15.9°、18.8°、23.0°及び24.7°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0050】
本発明は更に、ジメチルホルムアミド(「DMF」)とn−ヘプタンを含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF7形の調製法を包含する。結晶化は、典型的には室温程度で実施され、例えば、フェブキソスタットをDMFに溶解させ、次いでn−ヘプタンを加えて、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、混合物を例えば室温程度で、約1時間〜約72時間、又は約1時間〜約48時間、例えば約43.5時間等の時間、維持される維持工程を更に含んでいてもよい。
【0051】
本発明は、F8形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F8形は、4.0°、7.3°、7.7°、9.9°及び17.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図22に示すX線粉末回折パターン;100.0、127.9及び134.7±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、0.0、27.9及び34.7±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図23又は24示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には100.0±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF8形は、11.9°、13.0°、14.5°、16.5°及び24.4°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0052】
本発明は、安息香酸メチル中にフェブキソスタットF3形をスラリー化することを含む、フェブキソスタットF8形の調製法を包含する。このスラリー化は、例えば、室温程度等の温度で実施することができる。スラリーを、例えば室温程度にて、約1時間〜約48時間、例えば約25時間、維持する工程を実施してもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって、更に単離してもよい。更に、単離された結晶形を乾燥させてもよい。
【0053】
本発明は、F9形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F9形は、7.2°、10.7°、14.0°、14.4°及び16.3°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図25に示すX線粉末回折パターン;123.1、124.8及び132.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.2、12.9及び20.9±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;実質的に図26又は27に示す固体13C−NMRスペクトル;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。100〜180ppmの化学シフト領域内の最低の化学シフトを示すシグナルとしては、典型的には111.9±1ppmのシグナルが挙げられる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF9形は、11.9°、17.0°、19.5°、23.7°及び26.5°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0054】
本発明は、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中にフェブキソスタットF3形をスラリー化することを含む、フェブキソスタットF9形の調製法を包含する。スラリー化は、室温程度等の温度で実施することができる。この製法は、約1時間〜約48時間、例えば約46時間等の時間に亘って維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過によって更に単離してもよい。
【0055】
本発明は、F11形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F11形は、4.3°、6.0°、8.6°、11.4°及び12.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図28に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF11形は、17.1°及び25.4°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0056】
本発明は更に、tert−ブタノールからフェブキソスタットを沈殿させることを含む、フェブキソスタットF11形の調製法を包含する。沈殿は、例えば、フェブキソスタットをtert−ブタノールに溶解させ、凍結乾燥して、フェブキソスタットの結晶形F11形を得ることを含む。溶解工程は、例えば、約35℃〜約82℃、又は約35℃〜約40℃等の温度に加熱することによって実施できる。凍結乾燥は、典型的には、溶液を冷却して凍結した混合物を得、低温にて混合物を凍結状態で維持しながら、溶媒を留去することを含むプロセスにより行うことができる。凍結乾燥プロセスは減圧下、約2mmHg〜約14.8mmHgの圧力下で実施することができる。冷却は、約0℃〜約−50℃、又は約−6℃〜約−42℃等の温度で実施できる。
【0057】
本発明は、F12形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F12形は、3.9°、7.9°、10.0°、11.7°及び12.9°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図29に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF12形は、15.7°、16.2°、17.6°、19.9°及び22.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0058】
本発明は更に、ジオキサンと水の混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF12形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、室温程度でフェブキソスタットをジオキサンに溶解させ、水を加えて、前述の結晶形を得ることを含む。この製法は、室温程度等の温度で、約1時間〜約12時間、例えば約2時間の時間に亘って維持する工程を更に含んでいてもよい。得られた結晶形を、例えば濾過によって更に単離してもよい。
【0059】
本発明は、F13形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F13形は、2.9°、5.8°、9.8°、15.2°及び19.2°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図30に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。前記データの何れかで規定されるフェブキソスタットF13形は、16.8°、17.5°、19.9°、20.4°及び22.8°±0.2°2θの更なるXRPDピークによって更に特徴付けることもできる。
【0060】
本発明は、クロロホルムからフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF13形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、クロロホルム中にフェブキソスタットを溶解して混合物を得、フェブキソスタットを沈殿させ、得られた沈殿物を単離することを含む。沈殿は、前記反応混合物に、n−ヘプタン又はn−ヘキサン等のC5−C8炭化水素を加えるか、或いは、加熱し、冷却し、任意により、その混合物を維持することによって、実施することができる。加熱は、例えば還流温度程度の温度にて、約1分間〜約1時間、又は約20分間の時間に亘って実施できる。冷却は、約40℃〜約0℃、又は室温程度等の温度で実施できる。維持は、典型的には、約0℃〜約40℃の温度で、約1分間〜約24時間、例えば約1.25時間等の時間に亘って実施できる。沈殿物の単離は、例えば濾過によって実施することができる。
【0061】
本発明は、F14形と命名された結晶性フェブキソスタットを包含する。F14形は、3.2°、5.1°、7.0°、11.8°及び25.5°±0.2°2θにピークを有するX線粉末回折パターン;実質的に図31に示すX線粉末回折パターン;及びそれらの組み合わせ、から選択されるデータにより特徴付けることができる。
【0062】
本発明は更に、クロロホルムとC5−C8炭化水素又は水を含む混合物からフェブキソスタットを結晶化することを含む、フェブキソスタットF14形の調製法を包含する。結晶化は、例えば、フェブキソスタットをクロロホルムに溶解させ、水及びC5−C8炭化水素から選択される溶媒を加えて、前述の結晶形を得ることを含む。好適なC5−C8炭化水素としては、例えばn−ヘプタンやn−ヘキサンが挙げられる。
【0063】
前記製法は、例えば室温程度にて、約1時間〜約24時間、又は約1時間〜約5時間等の時間に亘り混合物を維持することを、更に含んでいてもよい。得られた結晶形は、例えば濾過及び乾燥によって、更に単離してもよい。
【0064】
以上のフェブキソスタットの結晶形は、前記フェブキソスタットの形態の何れか1種又はそれらの組み合わせと、少なくとも1種の医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物の調製に使用できる。
【0065】
本発明は更に、1)前記フェブキソスタットの結晶形の何れか1種又はそれらの組み合わせと、医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物、2)痛風患者の高尿酸血の治療における前記医薬組成物の何れか1種の使用;3)痛風患者を治療する方法であって、本明細書記載のフェブキソスタットの形態の何れか1種又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物の有効量を、前記患者に投与することを含む方法、を更に提供する。
【0066】
本発明の医薬組成物は、固状の形態でも液状の形態でもよい。医薬組成物が液状の形態の場合、前記フェブキソスタット結晶形の何れか1種又はそれらの組み合わせは、液状の医薬組成物中で固体として維持され、例えば懸濁液の形態を採る。
【0067】
特定の好ましい実施形態に言及しながら本発明を説明したが、本明細書を考慮すれば、他の実施形態についても当業者には明らかであろう。以下、本発明の組成物の調製や使用法を詳細に説明する実施例に言及しながら、本発明を更に規定するが、当業者には明らかなように、本発明の範囲から逸脱することなく、材料や方法に対して種々の変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0068】
装置
X線粉末回折:
X線粉末回折は、lynxeye検出器を備えたBrukerX線粉末回折計モデルD8アドバンス又は円形のゼロ・バックグラウンド水晶プレートを持つ円形の標準的なアルミニウム製サンプルホルダーを備えたARL粉末回折計モデルX’TRA−019により実施した。使用した走査条件は:銅Kα1照射(λ=1.5418Å)、範囲:2〜40°2θ;走査モード:連続走査、である。
【0069】
ピーク位置の決定は、シリコン粉末を内部標準として、測定試料と混合して用いて行った。シリコン(111)ピークの位置が28.45°2θとなるように補正し、個々のピークの位置も補正した(図に示した回折パターンは補正しなかった)。
【0070】
13C NMRスペクトル:
125MHzの13C NMRにBruker Avance II+500.SBを使用。4mmローターを用いたSBプローブ。
【0071】
マジック角はKBrを用いて設定した。磁場の均質性はアダマンタンを用いて確認。交差分極のパラメーターはグリシンを用いて最適化。
【0072】
スペクトル基準はグリシン(低磁場カルボキシルシグナルにつき176.03ppm)を外部標準として設定。
マジック角スピニングレート:11kHz
パルスプログラム:デカップリング中にtppm15を有するcp
遅延時間:5s(遅延時間が2sであったフェブキソスタットF7形、F8形及びF9形を除く)
接触時間:2msec.
走査数:1024(走査数が2048であったフェブキソスタットF8形及びF9形を除く)
【0073】
用語「V」は、出発物質であるフェブキソスタット1gあたりの溶媒又は逆溶媒のmlを指す。
【0074】
実施例1:フェブキソスタットF1形の調製
フェブキソスタット(1g)を、電磁スターラー及び還流冷却器を備えた50mlの丸底フラスコに入れた。メチルイソブチルケトン(MIBK)(10ml)を加え、オイルバスを用いて得られた混合物を還流温度に加熱して、透明の黄色がかった溶液を得た。次に、加熱を止め、オイルバスを取り外し、混合物をRTに冷まし、RTにて1.5h時間撹拌した。白色の沈殿物が、冷却中に形成された。次に、混合物を濾過し、単離した固体をMIBK(1ml)で洗浄して、湿った白色固体(0.64g)を得た。一部(0.44g)を真空内、50℃にて22.5時間乾燥させて、白色固体として生成物(0.33g)を得た。
【0075】
実施例2:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(1g)を、電磁スターラーを備えた250mlの丸底フラスコに入れた。メチルエチルケトン(MEK)(35ml、35V)を加え、得られた混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。N−ヘプタン(175ml)を加え、得られた溶液をRTにて20時間かけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色固体(1.03g)を得た。次にそれを真空内、40℃にて24時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.43g)を得た。
【0076】
実施例3:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)を、電磁スターラーを備えた250mlの丸底フラスコに入れた。アセトン(11.5ml、23V)を加え、得られた混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(126.5ml、253V)を加え、得られた溶液をRTにて16.25hかけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.31g)を得た。その固体を真空内、50℃にて22時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.23g)を得た。
【0077】
実施例4:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とアセトン(12.5ml、25V)の混合物を調製して、黄色い溶液を得た。n−ヘキサン(75ml、150V)をその溶液に加え、白い懸濁液を形成した。懸濁液を25℃にて3時間撹拌し、その後それを濾過した。濾過した固体をXRDによって分析し、F2形を得た。
【0078】
実施例5:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とアセトン(12.5ml、25V)の混合物を調製して、黄色い溶液を得た。n−ヘキサン(75ml、150V)をその溶液に加え、白い懸濁液は形成した。懸濁液を25℃にて3時間撹拌し、その後それを濾過した。そうして得られたフィルターケーキを、50℃にて16時間乾燥させた。固体をXRDによって分析し、F2形を得た。
【0079】
実施例6:フェブキソスタットF2形の調製
フェブキソスタット結晶形F3形(1.00g)を、電磁スターラーを備えた50mlの丸底フラスコに入れた。DCM(15ml、15V)を加え、得られた混合物(白いスラリー)をRTにて25時間撹拌した。次にその混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.81g)を得た。湿った固体の一部(0.15g)を多形性解析のために取り出し、フェブキソスタットF2形と特定した。、残りを、真空内、50℃にて18時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.50g)を得た。
【0080】
実施例7:フェブキソスタットF3形の調製
フェブキソスタット(96g)とEtOH(770ml、8V)の混合物を78℃に加熱して、黄色の溶液を形成した。次にその溶液を5℃に冷やし、灰色がかった白色の懸濁液を得た。懸濁液を5℃にて1時間撹拌し、その後それを濾過した。こうして得られたフィルターケーキを、40℃にて16時間乾燥させた。
【0081】
実施例8:フェブキソスタットF4形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた50mlの丸底フラスコに入れた。酢酸(「AcOH」)(7.5ml、15V)を加え、その混合物(白いスラリー)をRTにて25時間かけて撹拌した。次に混合物を濾過して、湿った白色の固体(0.49g)を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0082】
実施例9:フェブキソスタットF4形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた50mlの丸底フラスコに入れた。オイルバス内で還流温度に加熱しながら、AcOH(10ml、20V)を加えて、透明の黄色がかった溶液を得た。次に加熱は止め、オイルバスは取り外し、混合物をRTまで冷却した。RTにて3.5時間の撹拌後に、湿った白色固体(0.51g)を濾過によって回収した。湿った固体をXRDによって分析した。
【0083】
実施例10:フェブキソスタットF5形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコに入れた。ジメチルアセトアミド(「DMA」)(0.5ml、1V)を加え、混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(10ml、20V)を加え、得られた透明の混合物をRTにて43時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体を得た。湿った固体をXRDによって分析した。
【0084】
実施例11:フェブキソスタットF6形の調製
フェブキソスタット(0.5g)とクロロホルム(4.5ml、9V)の混合物を61℃(還流温度)に加熱して、黄色い溶液を得た。次にその溶液を25℃まで冷やし、白い懸濁液を得た。次にその懸濁液を25℃にて1時間撹拌し、その後それを濾過した。濾過した固体をXRDによって分析した。
【0085】
実施例12:フェブキソスタットF7形の調製
フェブキソスタット(0.50g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコに入れた。ジメチルホルムアミド(「DMF」)(1ml、2V)を加え、混合物をRTにて撹拌して、透明の黄色がかった溶液を得た。n−ヘプタン(20ml、40V)を加え、得られた透明の混合物をRTにて43.5時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0086】
実施例13:フェブキソスタットF8形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた20mlのバイアルに入れた。安息香酸メチル(5ml、10V)を加え、混合物(白いスラリー)をRTにて25時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(1.35g)を得た。その固体を真空内、50℃にて17時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.34g)を得た。
【0087】
実施例14:フェブキソスタットF9形の調製
フェブキソスタットF3形(0.50g)を、電磁スターラーを備えた20mlのバイアルに入れた。ジメチルスルホキシド(「DMSO」)(2.5ml、5V)を加え、混合物をRTにて46時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(0.27g)を得た。その湿った固体をXRDによって分析した。
【0088】
実施例15:フェブキソスタットF10形の調製
フェブキソスタット(20.00g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた1Lの丸底フラスコに入れた。MIBK(200ml、10V)を加えた。混合物を、オイルバスにより還流温度に加熱し、還流温度にて5分間撹拌して、溶液を形成した。n−ヘプタン(300ml、15V)を分割して10分間にわたって透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物が形成された。次に加熱は止め、混合物を冷まし、RTにて1.5時間撹拌した。湿った白色固体を形成させ、それを濾過によって回収した(32.36g)。サンプルを真空内、50℃にて24時間かけて乾燥させて、白色の固体(17.07g)を得た。
【0089】
実施例16:フェブキソスタットF10形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた500mlの丸底フラスコに入れた。MIBK(50ml、10V)を加えた。混合物を、オイルバスにより還流温度に加熱し、還流温度にて5分間撹拌した。n−ヘキサン(150ml、30V)を分割して10分間にわたって透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物が形成された。次に加熱を止め、混合物を冷まし、RTにて1時間撹拌した。湿った白色固体を形成させ、それを濾過によって回収した(5.04g)。サンプルを真空内、50℃にて23.5時間かけて乾燥させて、白色の固体(4.15g)を得た。
【0090】
実施例17:フェブキソスタットF11形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、35℃〜40℃にてtert−ブタノール(500g)中に溶解した。透明な無色の溶液を、2〜14.8mmHgの減圧下、−42℃〜(−6℃)にて24時間、凍結乾燥した。大量の白色の固体を回収した(5.5g)。
【0091】
実施例18:フェブキソスタットF12形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた100mlの丸底フラスコ内でジオキサン(8ml、8V)中に溶解した。水道水(8ml、8V)を透明な溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2時間かけて撹拌した。この間に沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって単離して、湿った固体(2.43g)を得た。
【0092】
実施例19:フェブキソスタットF13形の調製
フェブキソスタット(5.00g)を、電磁スターラーを備えた1Lの丸底フラスコ内で約25℃にてCHCl3(250ml、50V)中に溶解した。n−ヘキサン(250ml; 50V)を加え、白色の沈殿物を形成させた。得られた混合物を、約25℃にて更に2.5時間撹拌し、濾過して湿った白色の固体(7.15g)を得た。
【0093】
実施例20:フェブキソスタットF13形の調製
フェブキソスタット(5.00g)とCHCl3(55ml、11V)の混合物を、電磁スターラーと還流冷却器を備えた250mlの丸底フラスコ内でオイルバスにより還流温度に加熱した。還流温度にて20分間の撹拌後に、加熱を止め、オイルバスを取り外し、混合物を冷まして、RTにて1.25時間かけて撹拌した。白色の沈殿物が冷却中に形成された。混合物を濾過して、湿った白色の固体(4.70g)を得た。
【0094】
実施例21:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた500mlの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。透明の黄色がかった溶液に、n−ヘプタン(50ml、50V)を加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いでそれを濾過して、湿った白色の固体(0.65g)を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.24g)を得た。
【0095】
実施例22:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた500mlの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。n−ヘキサン(50ml、50V)を透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いで、それを濾過して、湿った白色の固体(1.28g)を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.55g)を得た。
【0096】
実施例23:フェブキソスタットF14形の調製
フェブキソスタット(1.00g)を、電磁スターラーを備えた1Lの丸底フラスコ内でCHCl3(50ml、50V)中に溶解した。水道水(50ml、50V)を透明の黄色がかった溶液に加え、白色の沈殿物を形成させた。混合物をRTにて2.5時間かけて撹拌し、次いで、それを濾過して、0.72gの湿った白色の固形を得た。その固体を真空内、50℃にて23時間かけて乾燥させて、白色の固体(0.15g)を得た。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェブキソスタットの結晶形F10形。
【請求項2】
6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターン;
実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;
112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項1に記載のフェブキソスタット結晶形F10形。
【請求項3】
6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項2に記載のフェブキソスタットの結晶形F10形。
【請求項4】
3.3°、16.3°、16.9°、24.5°及び25.8°±0.2° 2θのX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項2又は3に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項5】
フェブキソスタットの結晶形F1。
【請求項6】
5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2° 2θにピークを有する粉末XRDパターン;
実質的に図1に示すXRPDパターン;
123.8、163.1及び168.5± 0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項1に記載のフェブキソスタット結晶形F1形。
【請求項7】
5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項6に記載のフェブキソスタットの結晶形F1形。
【請求項8】
結晶形が実質的にG形を含まない、請求項5〜7の何れか1項に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項9】
結晶形が実質的に他のフェブキソスタットの多形を含まない、請求項8に記載のフェブキソスタットの結晶形F1形。
【請求項10】
4.7°、9.4°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2° 2θの更なるX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項6〜9の何れか1項に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項11】
フェブキソスタットの結晶形F2。
【請求項12】
3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2° 2θにピークを有する粉末XRDパターン;
実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;
112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項11に記載のフェブキソスタットの結晶形F2形。
【請求項13】
3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項12に記載のフェブキソスタットの結晶形F2形。
【請求項14】
13.1°、14.7°、17.5°、24.4°及び25.2°±0.2° 2θの更なるX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項12又は13に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形と、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項16】
医薬製剤に使用される、請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形。
【請求項17】
医薬製剤の調製法であって、請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形を、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤と組み合わせることを含む方法。
【請求項18】
請求項1〜14の何れか1項に記載の結晶形の、痛風患者の高尿酸血の治療のための使用。
【請求項19】
痛風患者を治療する方法であって、請求項15記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項1】
フェブキソスタットの結晶形F10形。
【請求項2】
6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターン;
実質的に図8に示すX線粉末回折パターン;
112.7、125.7、132.4及び168.3±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.7、24.7、31.4及び67.3±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図9又は10に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項1に記載のフェブキソスタット結晶形F10形。
【請求項3】
6.7°、7.7°、12.8°、13.3°及び20.0°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項2に記載のフェブキソスタットの結晶形F10形。
【請求項4】
3.3°、16.3°、16.9°、24.5°及び25.8°±0.2° 2θのX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項2又は3に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項5】
フェブキソスタットの結晶形F1。
【請求項6】
5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2° 2θにピークを有する粉末XRDパターン;
実質的に図1に示すXRPDパターン;
123.8、163.1及び168.5± 0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、23.4、62.7及び68.1±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図2又は3に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項1に記載のフェブキソスタット結晶形F1形。
【請求項7】
5.8°、6.8°、8.1°、11.8°及び17.4°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項6に記載のフェブキソスタットの結晶形F1形。
【請求項8】
結晶形が実質的にG形を含まない、請求項5〜7の何れか1項に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項9】
結晶形が実質的に他のフェブキソスタットの多形を含まない、請求項8に記載のフェブキソスタットの結晶形F1形。
【請求項10】
4.7°、9.4°、14.2°、16.2°及び25.8°±0.2° 2θの更なるX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項6〜9の何れか1項に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項11】
フェブキソスタットの結晶形F2。
【請求項12】
3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2° 2θにピークを有する粉末XRDパターン;
実質的に図4又は図5に示すXRPDパターン;
112.3、163.9、168.8±0.2ppmにシグナルを有する固体13C−NMRスペクトル;
最低の化学シフトを示すシグナルと、100〜180ppmの化学シフト範囲内の別のシグナルとの化学シフトの差が、11.5、63.1及び68.0±0.1ppmである固体13C−NMRスペクトル;
実質的に図6又は7に示す固体13C−NMRスペクトル;及び
それらの組み合わせ
から選択されるデータにより特徴付けられる、請求項11に記載のフェブキソスタットの結晶形F2形。
【請求項13】
3.0°、5.9°、8.8°、11.8°及び12.5°±0.2° 2θにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、請求項12に記載のフェブキソスタットの結晶形F2形。
【請求項14】
13.1°、14.7°、17.5°、24.4°及び25.2°±0.2° 2θの更なるX線粉末回折ピークにより更に特徴付けられる、請求項12又は13に記載の結晶性フェブキソスタット。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形と、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項16】
医薬製剤に使用される、請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形。
【請求項17】
医薬製剤の調製法であって、請求項1〜14の何れか1項に記載のフェブキソスタット結晶形を、医薬的に許容し得る少なくとも1種の賦形剤と組み合わせることを含む方法。
【請求項18】
請求項1〜14の何れか1項に記載の結晶形の、痛風患者の高尿酸血の治療のための使用。
【請求項19】
痛風患者を治療する方法であって、請求項15記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公表番号】特表2012−529537(P2012−529537A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515134(P2012−515134)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038143
【国際公開番号】WO2010/144685
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038143
【国際公開番号】WO2010/144685
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】
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