説明

フェロマンガンスラグを活用した極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法

本発明は,炭素含有量0.1重量%以下及びリン含有量0.03重量%以下の極低炭素極低リンフェロマンガンを製造する方法を開示する。本発明の方法は,低炭素低リンシリコマンガンを製造する段階と,溶融マンガンスラグを製造する段階と,前記溶融マンガンスラグと前記低炭素低リンシリコマンガンを70〜72:28〜30の比率にて取鍋で混合した後,攪拌して溶融金属とスラグを生成する第1混合攪拌段階と,前記第1混合攪拌段階で生成されたスラグを除去した後の溶融金属に第1混合攪拌段階と同一に溶融マンガンスラグを混合した後,攪拌し,Mn:91〜93重量%,Si:0.60〜0.85重量%,C:0.05〜0.10重量%及びP:0.015〜0.02重量%を含む溶融金属とスラグを生成する第2混合攪拌段階とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,フェロマンガンスラグを活用した極低炭素極低リンフェロマンガン(ULPC FeMn)の製造方法に係り,特に,高炭素フェロマンガンを主成分とする溶融マンガンスラグと,炭素及びリンの含有量が極めて低い低炭素シリコマンガン(LCSiMn)とを混合攪拌して脱珪反応を誘導することにより,炭素含有量0.1重量%以下,リン含有量0.03重量%以下の極低炭素極低リンフェロマンガン(ULPC FeMn)を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造では,リンの含有量を最小とするために原料として用いられる低リン鉱石で製造されたマンガン含有溶融物と,還元剤としてのSi又はFeSiを装入した後,水平偏心運動を行って装入物を混合攪拌することにより,マンガン含有溶融物のマンガン酸化物を還元剤で還元して,高品位,高純度のフェロマンガンを製造してきた。ところが,前述した低リン鉱石又は非炭素質還元剤(Si又はFeSi)は,価格が高いため,極低炭素極低リンフェロマンガン製造コストの上昇原因となり,工程中に円滑な反応のために,非炭素質還元剤のシリコン成分が65重量%〜98重量%である高純度還元剤の使用が要求される。もしシリコン成分の純度が高くない場合,マンガン含有溶融物との混合攪拌による脱珪反応の際のマンガン回収率が低いため,工程の経済性を確保することが難しい。また,工程後に生成されるスラグをリサイクルせず廃棄することにより,資源が浪費されるという問題点がある。
【0003】
発明の開示
技術的課題
本発明は,上述した問題点を解決するために案出されたもので,その目的は,従来から使用されてきた低リン鉱石の代わりに,廃棄処理されていた高炭素フェロマンガンスラグを溶融した炭素とリンの含有量が極めて低い溶融マンガンスラグを主原料として使用し,炭素とリンの含有量が極めて低い,脱リンされた低炭素シリコマンガン(LCSiMn)を原料及び還元剤として使用して脱珪反応を起こすことにより,極低炭素極低リンフェロマンガンを低コストで量産することができる製造方法を提供することにある。
【0004】
技術的解決方法
上記目的を達成するために,本発明の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法は,原料及び還元剤として使用される低炭素シリコマンガンの脱リン工程,及び溶融マンガンスラグと脱リンされたシリコマンガンとを混合して脱珪工程によって高品位,高純度のフェロマンガンを製造する方法に主な特徴を有し,低炭素低リンシリコマンガンを製造する段階と,高炭素フェロマンガンスラグを主成分とする溶融マンガンスラグを製造する段階と,前記溶融マンガンスラグと前記低炭素低リンシリコマンガンを70〜72:28〜30の比率にて取鍋(ladle)で混合した後,攪拌して溶融金属とスラグを生成する第1混合攪拌段階と,前記第1混合攪拌段階で生成されたスラグを除去した後の溶融金属に第1混合攪拌段階と同一に溶融マンガンスラグを混合した後,攪拌し,重量%でMn:91〜93%,Si:0.60〜0.85%,C:0.05〜0.10%及びP:0.015〜0.02%を含む溶融金属とスラグを生成する第2混合攪拌段階とを含んでなり,前記第2混合攪拌段階は溶湯温度又は攪拌条件などに応じて1〜2回さらに行うことを特徴とする。
【0005】
また,前記低炭素低リンシリコマンガンは,重量%で,Mn:55〜60%,Si:25〜30%,C:0.04%以下及びP:0.08〜0.1%を含む低炭素シリコマンガンを取鍋炉(ladle furnace)に装入し,前記装入された低炭素シリコマンガンを1400〜1650℃に昇温させながらアルゴン又は窒素などの攪拌ガスを吹き込んで低炭素シリコマンガンの均質化を形成した後,前記均質化された低炭素シリコマンガンに生石灰及びホタル石を投入して,10〜30分間攪拌し,脱リン工程によってリンの含有量が0.03重量%以下となるように製造され,
前記溶融マンガンスラグは,マンガン含有量66重量%のマンガンダスト:8〜10%と,生石灰:8〜13%と,マンガン含有量28重量%の高炭素フェロマンガンスラグ:31〜54%と,マンガン含有量12〜18重量%のリサイクル高炭素フェロマンガンスラグ:30〜53%とを電気炉で混合して製造され,
前記第1混合攪拌段階の攪拌はアルミナ材質のインペラを使用して10〜30分間行い,前記第1及び第2混合攪拌段階で生成されたスラグのうち,Mn含有量10%未満のスラグは廃棄処理し,Mn含有量10%以上のスラグはマンガン溶融スラグを製造する電気炉に再投入又はリサイクルしてマンガンを回収することを特徴とする。
【0006】
以下,本発明について詳細に説明する。
【0007】
本発明における極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法は,主に,リン含有量が低いLCSiMnを生成する脱リン工程と,溶融マンガンスラグの脱珪工程を含む。
【0008】
本発明で使用される非炭素質還元剤としてのLCSiMnは,一般に,炭素含有量が0.06〜0.08重量%であり,リン含有量が0.1重量%である。したがって,極低炭素極低リンFeMnを製造するためには,LCSiMn内に含有されたリン含量をさらに低減する必要がある。
【0009】
LCSiMn脱リン工程は,LCSiMn中のSiを用い,CaOを還元させてCaを生成させ,生成したCaが含有されたPと反応してLCSiMn溶湯に不溶性のCaを生成させて除去することにより行われる。工程中の主な反応は,下記の反応1及び2によって示される。
反応1
Si+2CaO→SiO+2Ca
反応2
3Ca+2P→Ca
【0010】
上述したような脱リン反応が行われるためには,LCSiMn内のSi含有量が27重量%以上でなければならない。さらに,脱リン反応に用いられる融剤(flux)であるCaOは,高融点酸化物であって,単独投入の際に溶融スラグを形成することが難しく,それにより高い脱リン効率も期待することが難しい。よって,CaOのように融剤としてCaFを適正の比率,すなわちCaO/CaF=1.5〜4で混合して投入すると,CaO活性度を高く維持することができるうえ,充分なスラグの流動性を確保して効率のよい脱リン工程を行うことができる。さらに,脱リン工程の反応効率をより高めるためにLCSiMnと融剤との混合を増大させる必要がある。このために,不活性ガスを用いた攪拌法又は機械的攪拌法を活用して攪拌力を強化させることができる。
【0011】
本発明では,低炭素シリコマンガンを取鍋炉LFで昇温した後,取鍋へ移送して生石灰及びホタル石などのフラックス材を投入しながらインペラによる強制攪拌を行う工程によってシリコマンガン中のリンを制御することにより,このような過程でスラグ組成を制御し,0.03重量%以下まで脱リンを実施して製造する。
【0012】
この際,生石灰は,リンの制御に効果的なカルシウム成分を含んでシリコマンガン中のリンを制御し,ホタル石(CaF)は,スラグの流動性を確保して(シリコマンガン溶融金属とスラグ間の反応界面の確保)より容易に脱リンが生じ得る条件を作ることができる。さらに,より脱リン反応を効果的に獲得するために,脱リンの度合いによって投入されるフラックス材を2回分割投入することもでき,特に脱リン温度が低くて流動性が確保され難い場合,使用される生石灰とホタル石の比率を調整してスラグの流動性を確保することにより,脱リン効率を向上させることもできる。
【0013】
特に,低炭素シリコマンガンの脱リン工程の主要な因子として温度と塩基度が高いほど有利であり,低炭素シリコマンガン内のシリコン含有量が高いほど脱リン効率を向上させることができる。
【0014】
一方,脱珪工程に使用されるマンガン溶融スラグの製造は,電気炉でマンガン含有量62〜68重量%のマンガンダスト,CaO93重量%の生石灰,マンガン含有量26重量%の高炭素フェロマンガンスラグ,及びマンガン含有量12〜18重量%のリサイクル高炭素フェロマンガンスラグを混合してマンガン含有量28重量%のマンガン溶融スラグを製造する。
【0015】
ここで,マンガン含有量62〜68重量%のマンガンダストを使用する理由は,スラグ中のマンガン含有量を増加させる原料としてマンガンダストが作用するためであり,生石灰を装入する理由は,塩基度(CaO/SiO)を調節し,スラグ中のマンガンの活性度を向上させてマンガンをより容易に還元させることができるためである。ところが,CaOの場合,融点が高くてスラグ中に無限に溶融させることができないため,(略CaO/SiO)閾値まで装入する。そして,高炭素フェロマンガンスラグを主原料として使用する理由は,前記スラグ中には,制御しようとするリンの含有量が少ないので,脱珪反応から得られる最終生成物のリンの含有量も少なくなるためである。一般に,リンは,金属への移行が高く,スラグへの移行は低い性質があるから,シリコマンガン中のリンを最小化し,かつ生成されたスラグ(リンの含有率が低い)を混合攪拌して脱珪反応を生じさせることにより,極低炭素極低リンフェロマンガンの製造を容易に行うことができるためである。
【0016】
極低炭素極低リンフェロマンガンを製造するために,前記生成されたマンガン溶融スラグと脱リンされた低炭素低リンシリコマンガンとを共に混合して脱珪反応を生じるが,この際に生じる脱珪反応は,シリコマンガン中のシリコン成分を還元剤としてスラグ中のマンガンを還元させる工程であって,通常,反応が開始すると,反応熱が発生して還元反応が持続的に行われることにより,温度下降に対する温度補正を期待することができる。
【0017】
本発明では溶融マンガンスラグと前記低炭素低リンシリコマンガンを70〜72:28〜30の比率で取鍋に混合するが,それは,前記範囲を外れると,溶融マンガンスラグ及び低炭素低リンシリコマンガンの効率性が低下し,製品の経済性を悪化させる。よって,前述した範囲で工程が行われることが最も効率的である。
【0018】
本発明では,別途生成された炭素及びリンの含有量が低いLCSiMnと溶融マンガンスラグを反応容器に混入して下記反応3によって示される脱珪反応を通じて工程反応を行う。
反応3
2MnO+Si→SiO+2Mn
【0019】
この際,発生する脱珪反応は発熱反応であり,これにより生成された発熱量は温度下降を最小化して還元反応を持続的に進行させるには十分である。
【0020】
もし反応に必要な溶融マンガンスラグと還元剤全量を同時に混合して工程を行うと,反応効率が低いため,経済性を確保することが難しい。理論的には,前記反応を逆流工程反応(count current flow process)で進行させると,高い反応効率を期待することができる。しかし,この方法を理論と同一のシステムで実際適用することは難しく,その代わりに反応過程を多段階に分けて実行すると,工法が実際的に可能であり,反応効率も逆流工程反応に近くなる可能性がある。満足すべき反応効率を得るためには,初期段階で生成された溶融マンガンスラグを,脱リン工程で生成されたLCSiMnと反応させることが必要である。この際,脱リン反応は反応式(3)に従って行われ,溶融マンガンスラグと脱リンされたLCSiMnの量は調節され,反応後に生成されるスラグ中のMn含有量はできる限り最小化され,生成されるFeMn中のSi含有量は初期LCSiMn中のSi含量より少なくなる。その次の段階では,前段階で得たFeMn溶融金属中に含まれているSiを非炭素質還元剤として使用し,これを生成された溶融マンガンスラグと混合し,前段階と同様の工程を介して反応式(3)による脱珪反応を進行させる。この際,得られるFeMn中のSi含有量は前段階で得たFeMn中のSi含量よりさらに低くなる。このような段階的な反応工程を十分に進行させると,最終的に得られるFeMn中のSi含有量は1重量%以下まで低くなり,還元されたMnの量が十分であって,初期原料内に含有された炭素とリンが十分に希釈され,目的とする極低炭素極低リンFeMnを得る。一般に,前記脱珪反応を3〜4段階で繰り返し行うと,FeMn内のSi含有量は1重量%以下に低下し,炭素とリンの含有量はそれぞれ0.1重量%,0.03重量%になる。
【0021】
本発明の脱珪反応に使用される容器は,マグネシアカーボン質耐火物で製造された取鍋である。
【0022】
また,マンガン溶融スラグと低炭素低リンシリコマンガンとの脱珪反応を極大化するためには,攪拌力を強化する必要性がある。このために,物理的な攪拌を行う。一般な攪拌法では,取鍋に不活性ガスを吹き込みあるいは取鍋を揺らして装入物を混合攪拌するが,より強力な攪拌効果を得るためにはインペラによる物理的攪拌がさらに効果的である。したがって,本発明では,より効果的な攪拌効果を得るために,アルミナ材質のインペラを使用したと共に,浸漬されるインペラ位置を調整してさらに効果的な攪拌力を獲得した。インペラの位置を調整して取鍋の中心から外れて偏心的に浸漬させて偏心運動を行った場合,中心に位置して攪拌したときより効果的な脱珪反応を期待することができる。また,さらに強力な混合のために,物理的な攪拌に加えて,攪拌ガスとして窒素又はアルゴン及び空気を使用して攪拌力を強化させることもできる。
【0023】
本発明に使用された脱珪反応の過程は,2段階混合攪拌過程又は3〜4段階混合攪拌過程から構成される。3段階混合攪拌過程の場合,マンガン回収率が約86%であって4段階混合攪拌過程のマンガン回収率92%よりは低いが,工程を簡素化し工程時間を短縮させて温度下降による問題点を解決することができる。ところが,混合攪拌段階が少なければ少ないほど,1回に使用されるスラグの量が増えて反応取鍋の大きさが大きくならなければならないという問題点,及び反応効率が減少するという問題点があって,反応条件に応じて選択することが好ましい。
【0024】
脱珪反応の後に生成されたスラグ中のMn含有量は,反応前のMn含有量より減少する。この際,スラグ内のMn含有量が10%未満であれば,リサイクル価値がなく,スラグ内のMn含有量が10%以上であれば,さらにスラグ保温炉に装入してリサイクルすることができる。
【0025】
脱珪工程に使用されるマンガン溶融スラグは,炭素とリンの含有量が極めて低い溶融マンガンスラグを主原料とし,Mnの含有量を高めなければならない場合,FeMn精錬工程で発生するMn含有量の高いダスト(dust)を混入し,工程中に発生するリサイクルスラグも混入して使用することができる。
【0026】
スラグと金属との反応効率を高めるためにCaOを添加してスラグの塩基度(CaO/SiO)を1.0程度に調整して使用する。
【0027】
有利な効果
本発明によれば,マンガン溶融スラグと極低炭素極低リンシリコマンガンとを混合及び攪拌して脱珪反応を起こし,高品位の極低炭素極低リンフェロマンガンを容易かつ効率的に製造することが可能である。また,従来のシリコマンガン製造工程で部分的にリサイクル又は廃棄されていたスラグをリサイクルすることにより,経済的に大きい価値を発生させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下,本発明を下記の実施例によって詳細に説明する。ところが,これらの実施例は,本発明を説明するためのものであり,本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0029】
電気炉で生産されるSiMnから低炭素低リンSiMnを製造するための脱リン条件を導出するために,次の実験を行った。
【0030】
Mn含有量59重量%,Si含有量29重量%,及びC含有量0.06重量%の低炭素SiMnを黒鉛坩堝に装入して1350℃で溶解した後,フラックスCaO/CaF=1.75の比率で混合して溶湯の上部に2度投入した。
【0031】
実験結果を表1に示した。
【0032】
【表1】

【0033】
P含有量は0.092重量%から0.025重量%に減少した。
【実施例2】
【0034】
溶湯温度1400℃の低炭素低リンシリコマンガン6トンを反応取鍋に装入した後,保温炉内で製造された1400℃の溶融マンガンスラグ12.2トンを反応取鍋に装入した。取鍋内でスラグと金属は攪拌を経て脱珪反応が十分に行われた。攪拌工程の後,生成されたスラグを分離し,金属は反応取鍋内に残して次の段階で非炭素質還元剤として使用した。工程中に第1,第2段階で形成されたスラグは,Mn含有量が10重量%以下であるから廃棄処理し,第3,第4段階で形成されたスラグは,それぞれMn含有量が12重量%,16重量%であるから,リサイクルするためにスラグ保温炉に投入した。
【0035】
第4段階の工程後,マンガン含有量92重量%,珪素含有量0.85重量%及び炭素含有量0.034重量%,及びリン含有量0.029重量%以下からなる金属成分を有する10トンの極低炭素極低リンフェロマンガンが生成された。
【0036】
第1段階から第4段階の最終攪拌過程に至るまで,脱珪反応が円滑に行われるように,反応取鍋に装入される溶融マンガンスラグの塩基度(CaO/SiO)を1.0〜1.1の水準となるように維持した。
【0037】
各段階別の原料使用量と反応前,後の成分変化は次のとおりである。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【実施例3】
【0040】
実施例1と同一の方法で装入する溶融スラグの量を段階別に一定に維持し,第3段階まで行った。
【0041】
工程中に形成された第1,第2段階のスラグは,Mn含有量が10重量%以下であるから廃棄処理し,第3段階で形成されたスラグは,Mn含有量が18重量%であるから,リサイクルするためにスラグ保温炉に投入した。
【0042】
第3段階の工程後,マンガン含有量93重量%以上,珪素含有量0.6重量%,炭素含有量0.034重量%,及びリン含有量0.028重量%以下からなる約10.7トンの溶融金属が生成された。
【0043】
【表4】

【0044】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
低炭素低リンシリコマンガンを生成する段階と,
高炭素フェロマンガンスラグを主成分とする溶融マンガンスラグを生成する段階と,
前記溶融マンガンスラグと前記低炭素低リンシリコマンガンを70〜72:28〜30の比率にて取鍋で混合した後,攪拌して溶融金属とスラグを生成する第1混合攪拌段階と,
前記第1混合攪拌段階で生成されたスラグを除去した後の溶融金属に第1混合攪拌段階と同一に溶融マンガンスラグを混合した後,攪拌し,重量%でMn:91〜93%,Si:0.60〜0.85%,C:0.05〜0.10%及びP:0.015〜0.02%を含む溶融金属とスラグを生成する第2混合攪拌段階とを含んでなることを特徴とする極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項2】
前記第2混合攪拌段階は溶湯の温度又は攪拌条件に応じて1〜2回さらに行うことを特徴とする請求項1記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項3】
前記低炭素低リンシリコマンガンは,重量%でMn:55〜60%,Si:25〜30%,C:0.04%以下及びP:0.08〜0.1%を含有し,残部はFeからなる低炭素シリコマンガンを取鍋炉(ladle furnace)に装入し,前記装入された低炭素シリコマンガンを1400〜1650℃に昇温させながらアルゴン又は窒素などの攪拌ガスを吹き込んで低炭素シリコマンガンの均質化を誘導した後,前記均質化された低炭素シリコマンガンに生石灰及びホタル石を投入し,10〜30分間攪拌して脱リンを起こす工程によって,リンの含有量が0.03重量%以下となるようにすることを特徴とする請求項1又は2記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項4】
前記溶融マンガンスラグは,マンガン含有量66重量%のマンガンダスト:8〜10%と,生石灰:8〜13%と,マンガン含有量28重量%の高炭素フェロマンガンスラグ:31〜54%と,マンガン含有量12〜18重量%のリサイクル高炭素フェロマンガンスラグ:30〜53%とを電気炉で混合して製造されることを特徴とする請求項1又は2記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項5】
前記溶融マンガンスラグの塩基度(CaO/SiO)は1.0〜1.1であることを特徴とする請求項4記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項6】
前記第1混合攪拌段階の攪拌はアルミナ材質のインペラを活用して10〜30分間行うことを特徴とする請求項1又は2記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2混合攪拌段階で生成されたスラグのうち,Mn含有量10%未満のスラグは廃棄処理し,Mn含有量10%以上のスラグはマンガン溶融スラグを製造する電気炉に再投入又はリサイクルしてマンガンを回収することを特徴とする請求項1又は2記載の極低炭素極低リンフェロマンガンの製造方法。

【公表番号】特表2011−520040(P2011−520040A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508410(P2011−508410)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006808
【国際公開番号】WO2009/136684
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510294852)ドンブ メタル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】