説明

フォーマット変換システム

【課題】
端末の画面サイズに合ったメール表示を行うことは従来技術を利用することにより可能であるが、端末の画面サイズのような端末仕様のみを利用した場合、
ユーザが使用する端末毎に、メールの表示方法は同一となるため、ユーザにとって重要なメールも、また不要なメールも同一の表示となり、画面サイズが小さい端末において、ユーザの利便性を損なう恐れがある。
【解決手段】
本発明では、端末情報やユーザ情報等の情報を取得する情報取得機能と、表示するメールのフォーマット変換を行う機能と、スケジュールといったメール以外の他のサービスから情報を取得する機能をサーバに搭載することを特徴し、情報取得機能、ならびに他のサービスから取得した情報を利用して、表示するメールのフォーマットを決定するため、ユーザ嗜好に応じたメール表示が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォーマット変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンのような高機能、高性能携帯端末の普及により、ユーザは携帯端末を使用して、PC(Personal Computer)と同様、添付ファイルを含め、メールを表示することができる。しかし、一般的に携帯端末はPCと比べ、メモリ容量や画面サイズが小さいため、PC向けのメール表示方法とは別の方法を携帯端末向けのメール表示方法を開発する必要がある。上記の含め、PC向けに開発されたアプリケーション、もしくはコンテンツを携帯端末に利用する際に生じる課題を解決する従来技術として、特許文献1、特許文献2等に開示されている。
【0003】
特許文献1記載の従来技術1では、コンテンツ部品の表示レイアウトに基づいて表示するコンテンツデータを分割する1次分割部と、記述上のコンテンツ部品間の距離に基づいて、表示するコンテンツデータを分割する2次分割部を利用して、コンテンツデータの分割を行う。また、特許文献2記載の従来技術2では、コンテンツ配信サービスにおいて、コンテンツ管理サーバが、ネットワークへの接続時に携帯端末を検索し、携帯端末が保持している端末情報を取得し、その端末の表示能力に合わせてコンテンツを変換し、配信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−276694号公報
【特許文献2】特開2008−203928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1、2に記載の技術を利用することにより、端末の画面サイズに合ったメール表示を行うことが可能となる。しかし、両技術とも、端末の画面サイズのような端末の仕様のみを利用して、表示方法の変換を行っているため、ユーザが望んだ表示が実現されない恐れがある。
【0006】
例えば、特許文献1、2の技術を利用した場合、ユーザが使用する端末毎に、メールの表示方法は同一となるため、ユーザにとって重要なメールも、また不要なメールも同一の表示となり、画面サイズが小さい端末において、ユーザの利便性を損なう恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端末の仕様に加えて、ユーザに関する情報、そのメールに関与しているユーザの情報、ならびにその他のアプリケーションの情報を利用することにより、ユーザにとって最適な表示方法を提供する。
【0008】
本発明に関わるサーバは、CPU、揮発性メモリ、記録装置、通信インタフェース、構造解析部から成るハードウェアを構成し、更に、このハードウェア構成に、各情報を取得する情報取得機能、端末への表示方法を決定する表示方法決定機能、取得した各情報に応じて受信メールの表示方法の変換を行う表示受信メール変換機能、通信インタフェースを通じて端末と通信を行う通信機能、他のサーバと連携するサーバ連携機能、情報取得機能をより取得した情報を記憶装置内のテーブルに設定する取得情報管理機能を搭載した構成を特徴とする。
【0009】
情報取得機能は、ユーザ情報、端末情報、ならび表示する受信メールに関する情報をそれぞれ取得する機能を有することを特徴とする。
【0010】
表示受信メール変換機能は、携帯端末の画面サイズに応じて受信メールの表示方法を変換するフォーマット変換機能に加えて、構造解析部等を利用して添付ファイルからテキスト部分を抽出するテキスト部抽出機能、更に抽出したテキスト部分から要約を生成する要約生成機能を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成において、ユーザが端末を通じてサーバに受信メールの表示を要求すると、サーバは情報取得機能を利用して取得した情報を用いて、受信メールを要求したユーザに適した表示方法になるように表示受信メール変換機能を利用して、受信メールの表示方法の変換を行い、ユーザに表示する。
【0012】
また、表示された受信メールの表示方法に対して、ユーザが別の表示方法を要求する手段も提供することにより、ユーザに適した表示方法を実現する。
【0013】
より具体的な本発明の態様は、コンテンツのフォーマットを変換するフォーマット変換サーバであって、
ネットワーク接続手段と、ネットワークを介して接続された情報端末の機器情報を取得する手段と、情報端末を使用するユーザのユーザ情報を取得する手段と、情報端末よりコンテンツの転送要求を受信した際に、取得した機器情報、ならびにユーザ情報を用いて、コンテンツのフォーマットを変換する手段と、フォーマット変換サーバとは異なるサーバより情報を取得する手段と、を有し、情報端末を使用するユーザに適したコンテンツ表示を行うことを特徴とする。
【0014】
さらに、コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツに含まれる文字、ならびに図のフォーマットを変換する手段と、
コンテンツに含まれるテキスト部の抽出を行う手段と、抽出したテキスト部から要約を生成する手段と、を有してもよい。
【0015】
さらに、コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツの表示を要求したユーザと、コンテンツに関わっているユーザとの関連性をユーザ情報より取得し、取得した関連性に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有してもよい。
【0016】
さらに、コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツを要求した際のコンテンツを表示する端末のCPU使用率、ならびにメモリ使用率に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有してもよい。
【0017】
さらに、コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツの表示を要求したユーザと、表示するコンテンツの関連性を求めるため、フォーマット変換サーバとは異なるサーバより、情報を取得し、その情報を用いて、関連性を求め、求めた関連性に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有してもよい。
【0018】
さらに、フォーマット変換サーバは、コンテンツの表示要求に対する応答として、フォーマット変換サーバが情報端末に送信したコンテンツに対して、ユーザがコンテンツを異なるフォーマットに変換することをフォーマット変換サーバに要求する手段を有してもよい。
【0019】
さらに、フォーマット変換サーバは、情報端末の仕様、ならびに情報端末を使用しているユーザに応じて、要求に対する処理内容を決定する手段を有してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明を用いることにより、端末の他、ユーザの状況に合ったメール表示を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】メール表示システムの構成図
【図2】サーバならびに端末の構成図
【図3(a)】端末管理テーブルの構成図
【図3(b)】ユーザ管理テーブルの構成図
【図3(c)】受信メール表示条件管理テーブルの構成図
【図3(d)】受信メールテーブルの構成図
【図4】メール表示要求の処理シーケンス
【図5】フォーマット変換の処理シーケンス
【図6】添付ファイルが存在する場合のフォーマット変換の処理シーケンス
【図7】受信メール表示方法の一例
【図8】ユーザによるフォーマット変更の処理シーケンス
【図9】CPU使用率を利用したフォーマット変更の処理シーケンス
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明を適用したシステム構成の一例であるメール表示システムの構成を示した図である。
【0023】
端末100は、図2に示すように、CPU210、揮発性メモリ212、記憶装置214、通信インタフェース216、画面表示部218を搭載している端末であり、PCや携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等が該当する。記憶装置214は、ハードディスクや不揮発性メモリといった記憶媒体であり、端末100を一意に識別する端末識別情報108を有する。
【0024】
端末100は、通信機能102、端末情報取得機能104、受信メール表示切替機能106を有する。これらの機能は、CPU210が記憶装置214に格納されたプログラムを、揮発性メモリ212上で実行することにより実現される。
【0025】
通信機能102とは、通信インタフェース216を通じて、ネットワーク110を介して、各サーバと通信を行う機能であり、サーバ120と通信することにより、受信メールの表示を行うことを可能とする。
【0026】
端末情報取得機能104とは、サーバ120に受信メールの表示を要求する際に必要となる端末識別情報108を記憶装置214より取得し、通信機能102を利用してサーバ120に送信する機能、ならびに、もし記憶装置230に端末識別情報108が保存されていない場合には、通信機能102を利用して、端末識別情報108を管理するサーバに、端末識別情報108を要求し、取得する機能である。尚、端末識別情報108が保存されていない旨をサーバ120に伝え、サーバ120が通信機能160を利用して、各端末の端末識別情報を管理するサーバに、端末識別情報108を要求し、その要求結果を、端末100に送信することにより、端末識別情報108を取得してもよい。
【0027】
受信メール表示切替機能106とは、サーバ120が送信する受信メールを、サーバ120が提示する表示方法にて、画面表示部218に表示する機能である。サーバ120が提示する表示方法として、受信メールの表示順や、添付ファイルの表示方法等がある。
【0028】
サーバ120は、IMAP(Internet Message Access Protocol)を利用して、端末と受信メールの表示に関する処理を行うメールサーバが該当する。また、サーバ120はメールサーバではなく、端末100とメールサーバ間に設置されたプロキシサーバであってもよい。尚、その場合、端末100より受信メールの表示要求があった場合、サーバ120を介してメールサーバに受信メールの表示要求を行い、メールサーバが要求に対する応答として、送信した受信メールに対して、以下に説明する変換を行った後、変換済み受信メールを端末100に送信する処理を行う。
【0029】
サーバ120は、図2に示すように、CPU220、揮発性メモリ222、記憶装置224、通信インタフェース226、構造解析部228を搭載した情報処理装置である。構造解析部228は、XML(Extensible Markup Language)やHTML(Hyper Text Markup Language)のようなマークアップ言語を解析するモジュールである。
【0030】
サーバ120は、情報取得機能130、表示方法決定機能140、表示受信メール変換機能150、通信機能160、サーバ連携機能162、取得情報管理機能164を有し、端末100がサーバ120に対して受信メールの表示を要求する。これらの機能は、CPU220が記憶装置224に格納されたプログラムを、揮発性メモリ222上で実行することにより実現される。
【0031】
情報取得機能130とは、記憶装置224に保存する各テーブルを作成するために必要な情報を取得する機能であり、端末情報取得機能132、ユーザ情報取得機能134、受信メール情報取得機能136を有する。
【0032】
端末情報取得機能132は、サーバ連携機能162を利用して、端末情報の管理を行っているサーバから端末管理テーブル170を生成するために必要な情報を取得する機能である。
【0033】
ユーザ情報取得機能134は、サーバ連携機能162を利用して、ユーザ情報の管理を行っているサーバから記憶装置224に保存するユーザ管理テーブル172を生成するために必要な情報を取得する機能である。
【0034】
受信メール情報取得機能136は、構造解析部228等を利用して、ユーザに表示する受信メールを解析し、記憶装置224に保存する受信メール管理テーブル176を生成するために必要な情報を取得する機能である。例えば、表示する受信メールの添付ファイルの有無の確認、また、添付ファイルが存在する場合には、その添付ファイルのフォーマット等の情報を取得する。
【0035】
表示方法決定機能140とは、記憶装置224に保存してある各テーブルを利用して、端末100の画面表示部218に表示する受信メールの表示方法を決定する機能であり、表示条件管理テーブル174を利用して添付ファイルの表示方法の決定を行う。
【0036】
表示受信メール変換機能150とは、端末100に表示する受信メールのフォーマット変換を行う機能であり、フォーマット変換機能152、テキスト部抽出機能154、要約生成機能156を有する。
【0037】
フォーマット変換機能152は、端末100の画面サイズに応じたフォーマットの変換を行う機能であり、受信メールの文字フォントや改行位置の変更、添付ファイルに含まれる図のフォーマット変更等を行う。
【0038】
テキスト部抽出機能154は、構造解析部228を利用して、受信メールの中からテキスト部を抽出する機能であり、添付ファイルからテキスト部の抽出を行う。
【0039】
要約生成機能156は、テキスト部抽出機能154を利用して抽出したテキスト部もしくはテキストデータから要約を抽出する機能である。
【0040】
通信機能160は、通信インタフェース226を通じて、ネットワーク110を介して、端末100や他のサーバと通信する機能のことである。
【0041】
サーバ連携機能162は、通信機能160を利用して、ネットワーク110に存在する他のサーバと連携する機能であり、ユーザ情報や端末情報を管理しているサーバから、記憶装置224に保存する各テーブルの作成に必要となる情報の取得を行う機能、ならびに、他のサービスを管理しているサーバとの連携も行う機能である。例えば、ユーザのスケジュールを管理しているサーバと連携することにより、端末100を通じて受信メールの表示を要求した日時に一番近いユーザのスケジュールを取得することが可能となる。
【0042】
取得情報管理機能164は、記憶装置224に保存してある各テーブルの管理を行う機能であり、例えば、記憶装置224に保存してあるテーブルの一部のデータを変更する場合、そのデータに関わる他のテーブルのデータの更新や
テーブルに保存してあるデータが一定期間以上、更新されていない場合に、情報取得機能130に対してデータ更新の要求を行う。
【0043】
記憶装置224には、端末管理テーブル170、ユーザ管理テーブル172、受信メール表示条件テーブル174、受信メール管理テーブル176を保存する。各テーブルの構成は図3に示す。
【0044】
端末管理テーブル170は、端末の仕様に関する情報を設定するテーブルであり、端末ID302、画面サイズ304、搭載メモリ306から成る。
【0045】
端末ID302は、機器を一意に識別する識別子であり、端末100に搭載した記憶装置214に保存してある端末識別情報108が示すIDと同一のIDである。
【0046】
画面サイズ302、ならびに搭載メモリ306は、機器ID302が示す端末の画面サイズ、ならびに搭載メモリサイズをそれぞれ設定する。尚、端末を管理する情報として、上記以外の項目を端末管理テーブル170に設定してもよい。
【0047】
ユーザ管理テーブル172は、端末を使用するユーザに関する情報を設定するテーブルであり、ユーザID312、ユーザ区分314、所属316、入社年度318、関連ユーザID320、関連度322から成る。
【0048】
ユーザID312には、ユーザを一意に識別するIDを設定する。尚、ユーザIDを持たないシステムの場合、ユーザIDとして各ユーザのメールアドレスを使用してもよい。
【0049】
ユーザ区分314には、主任や課長などユーザ職制に関する情報を設定する。
【0050】
所属316には、ユーザが属している組織に関する情報を設定する。
【0051】
入社年度318には、ユーザが会社に入社した年を設定する。
【0052】
ユーザID312、ユーザ区分314、所属316、入社年度318は、ユーザ情報取得機能134を利用して、ユーザ情報を管理しているサーバより、情報を取得する。尚、ユーザを管理する情報として、上記以外の項目をユーザ管理テーブル172に設定してもよい。
【0053】
関連ユーザID320には、ユーザ312が示すユーザと関連のあるユーザのユーザIDを設定する。ユーザとの関連性の判断には、ユーザ区分314、所属316、入社年度318、送信元メールアドレス等を利用する。
【0054】
関連度322は、ユーザID302と関連ユーザID320との関連性の強さを設定する。例えば、関連ユーザが同一所属かつ上長の場合、強い関連性があると判断し、関連度322に値を設定する。
【0055】
尚、関連ユーザID320、ならびに関連度322を、事前にユーザが設定してもよい。
【0056】
受信メール表示条件管理テーブル174は、ユーザ、ならびに端末毎に応じた受信メールの表示方法を設定するテーブルであり、ユーザID340、端末ID342、実行条件344から成る。尚、ユーザID340、ならびに端末ID342は、それぞれ管理端末テーブル170、ユーザ管理テーブル172の項目である端末ID302、ユーザID312と同一である。
【0057】
実行条件344は、ユーザ、ならびに端末に応じた受信メールの表示方法を設定する。例えば、ユーザID“U−1”は端末ID“M−1”を利用して、受信メールを表示する場合、本文は全文表示可能であるが、添付ファイルはテキスト部のみ表示可能といった設定を行うことが可能となる。
【0058】
受信メール管理テーブル176は、端末100に表示する受信メールに関する情報を設定するテーブルであり、ユーザID360、受信メールID362、送信元ユーザID364、受信メールの内容366から成る。尚、ユーザID360は、ユーザ管理テーブル172の項目であるユーザID312と同一である。
【0059】
受信メールID362は、受信メールを一意に識別するIDであり、受信メール情報取得機能136が値を設定する。
【0060】
受信メールの内容は、受信メール情報取得機能136が解析した結果を設定する。以上が記憶装置224に保存する各テーブルの構成である。
【0061】
図4は端末100が、受信メール表示機能106を利用して、サーバ120に受信メールの表示を要求する際のシーケンスを示した図である。
【0062】
端末100は、受信メールの表示を要求する際、表示を要求するユーザのユーザID、ならびに要求する端末の端末IDをサーバ120に送信する(ステップ410)。
【0063】
表示要求を取得したサーバ120は、記憶装置224に保存されている端末管理テーブル170を参照し、受信メールの表示を要求した端末の種類を確認する(ステップ420、ステップ430)。
【0064】
確認した結果、表示要求した端末がPCのような画面サイズの大きい端末の場合、受信メールをそのまま表示することが可能であるため、表示する受信メールに対する処理を行わず、そのまま受信メールを送信する(ステップ440)。
【0065】
確認した結果、表示要求した端末がPC以外の場合、表示要求した端末に応じた表示を実現するため、フォーマット変換処理を行う(ステップ450)。フォーマット変換処理の詳細を、図5を用いて説明する。
【0066】
サーバ120は、表示する受信メールの内容を確認するため、受信メール管理テーブル176を参照する(ステップ502)。
【0067】
受信メール管理テーブル176を参照した結果、受信メールに添付ファイルを含んでいない場合、ユーザ管理テーブル172を参照する(ステップ503、ステップ504)。
【0068】
ユーザ管理テーブル172を参照し、受信メールの表示を要求したユーザと、各受信メールの送信元ユーザとの関連度を確認する(ステップ505)。
【0069】
確認した結果、送信元ユーザとの関連度が全て4以上である場合、全ての受信メールが、表示を要求したユーザと関連があるメールと判断し、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトを変更する(ステップ506)。
【0070】
受信メール本文のレイアウトを変更した後、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ507)。
【0071】
ステップ505において、表示要求を行ったユーザと送信元ユーザとの関連度を確認した結果、3以下の関連度が存在する場合、表示要求を行ったユーザのスケジュールを確認するため、サーバ連携機能162を利用して、スケジュールアプリケーションを管理しているサーバに対して、表示を要求したユーザのスケジュールを要求し、取得する(ステップ508)。
【0072】
関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文に、取得したスケジュールと同一の文言がない場合、関連性が低いメールと判断し、要約生成機能154を利用して、関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文を要約に変換する(ステップ509、ステップ510)。
【0073】
要約変換を行った本文を含め、受信メールの本文に対して、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトを変更し、更に、各受信メールに対して、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ511、ステップ512)。
【0074】
ステップ509において、関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文に、取得したスケジュールと同一の文言がある場合、同一の文言があるメールは関連性があると判断する。
【0075】
関連度が3以下のユーザが送信したメールの中で、ステップ509にて関連性があると判断したメール以外の本文に対して、要約生成機能154を利用して、要約に変換する(ステップ520)。
【0076】
要約変換を行った本文を含め、受信メールの本文に対して、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトを変更し、更に、各受信メールに対して、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ521、ステップ522)。尚、ステップ609にて関連性があると判断した受信メールに対しては、ユーザ管理テーブル172の関連度とは別に、関連性があることを示すタグを付加してもよい。
【0077】
ステップ503にて、受信メール管理テーブル174を参照した結果、受信メールに添付ファイルを含んだ受信メールが存在する場合、図6のシーケンスを実行する。
【0078】
添付ファイルを含んだ受信メールが存在する場合、受信メール表示条件管理テーブル174を参照し、添付ファイルの表示条件を確認する(ステップ601)。
【0079】
表示条件を確認した結果、添付ファイルのフォーマットを変換する必要がある場合、テキスト部抽出機能154、ならびに要約生成機能156を利用して、受信メール表示条件管理テーブル174が示す表示条件に合うよう添付ファイルのフォーマットを変換する(ステップ602、ステップ603)。尚、表示条件を確認した結果、添付ファイルを変換する必要がない場合、添付ファイルのフォーマット変換処理を実行しない。
【0080】
次に、受信メールの本文に対する変換を行うため、ユーザ管理テーブル172を参照する(ステップ604)。
【0081】
ユーザ管理テーブル172を参照し、受信メールの表示要求を行ったユーザと、各受信メールの送信元ユーザとの関連度を比較する(ステップ605)。
【0082】
確認した結果、送信元ユーザとの関連度が全て4以上である場合、全ての受信メールが要求したユーザにとって関連があるメールと判断し、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトの変更、ならびにフォーマット変換を行った添付ファイルを含めた添付ファイルの図の大きさやアニメーションの動作等を変更する(ステップ606)。
【0083】
受信メール本文、ならびに添付ファイルを変更した後、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ607)。
【0084】
ステップ605において、表示を要求したユーザと送信元ユーザとの関連度を確認した結果、3以下の関連度が存在する場合、表示を要求したユーザのスケジュールを確認するため、サーバ連携機能162を利用して、スケジュールアプリケーションを管理しているサーバに対して、表示要求を行ったユーザのスケジュールを要求し、取得する(ステップ608)。
【0085】
関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文に、取得したスケジュールと同一の文言がない場合、関連性が低いメールと判断し、要約生成機能154を利用して、関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文を要約に変換する(ステップ609、ステップ610)。
【0086】
次に、スケジュールとの関連性が低く、更にユーザとの関連度も低い、メールに添付ファイルがある場合、テキスト部抽出機能154を利用して、添付ファイルからテキスト部を抽出する(ステップ611)。
【0087】
要約変換を行った本文を含め、受信メールの本文、ならびにフォーマット変換を行った添付ファイルを含めた添付ファイルに対して、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトの変更、ならびにフォーマット変換を行った添付ファイルを含めた添付ファイルの図の大きさやアニメーションの動作等を変更し、更に、各受信メールに対して、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ612、ステップ613)。
【0088】
ステップ609において、関連度が3以下のユーザが送信したメールの本文に、取得したスケジュールと同一の文言がある場合、同一の文言があるメールは関連性があると判断する。
【0089】
関連度が3以下のユーザが送信したメールの中で、ステップ609にて関連性があると判断したメール以外の本文に対して、要約生成機能154を利用して、要約に変換する(ステップ620)。
【0090】
次に、スケジュールとの関連性が低く、更にユーザとの関連度も低い、メールに添付ファイルがある場合、テキスト部抽出機能154を利用して、添付ファイルからテキスト部を抽出する(ステップ621)。
【0091】
要約変換を行った本文を含め、受信メールの本文、ならびにフォーマット変換を行った添付ファイルを含めた添付ファイルに対して、フォーマット変換機能152を利用して、表示する端末の画面サイズに合わせて受信メール本文のフォントや改行位置といったレイアウトの変更、ならびにフォーマット変換を行った添付ファイルを含めた添付ファイルの図の大きさやアニメーションの動作等を変更し、更に、各受信メールに対して、ユーザ管理テーブル172の関連度を関連度タグとして受信メールに付加し、フォーマット変換処理を終了する(ステップ622、ステップ623)。尚、ステップ609にて関連性があると判断された受信メールに対しては、ユーザ管理テーブル172の関連度とは別に、関連性があることを示すタグを付加してもよい。以上がフォーマット変換処理のシーケンスである。
【0092】
フォーマット変換処理を行った後、サーバ120はフォーマット変換済みの受信メールを端末100に送信する(ステップ460)。
【0093】
受信メール、またはフォーマット変換済みの受信メールを取得した端末100は、受信メール表示切替機能106を利用して、受信メールに付加されている表示方法、ならびに受信メールの表示順を確認する(ステップ470)。
【0094】
受信メール表示切替機能106は、確認した表示方法、ならびに受信メールの表示に基づいて、画面表示部218に受信メールを表示する(ステップ480)。
【0095】
以上が、端末100がサーバ120に対して受信メールの表示を要求した際のシーケンスである。
【0096】
端末100の受信メール表示の要求に対する応答として、サーバ120が図5に示す処理を行った受信メールを送信し、端末100が、その受信メールを、受信メール表示切替機能106を利用して、画面表示部218に表示した一例を図7に示す。
【0097】
図7は本文を表示する本文部と添付ファイルを表示する添付ファイル表示部から成る。
【0098】
700は、本文部には要約、添付ファイル表示部にはテキストのみを表示した状態を示している。尚、本文部、ならびに添付ファイル表示部には、現在の状態を示す部分が表示されている他、本文部には全文表示、添付ファイル表示部には要約表示、全表示というボタンを配置することにより、ユーザが自由に表示方法を切替えることを可能とする。尚、ボタン以外にもユーザが自由に表示方法を切替える仕組みを搭載してもよい。図8は、ユーザが各表示部のボタンを押した際のシーケンスを示した図である。
【0099】
700の状態において、ユーザが本文部、もしくは添付ファイル表示部にあるボタンを押すことにより表示方法の変更を要求すると、サーバ120に表示方法変更要求を送信する(ステップ801)。表示方法変更要求を送信する際に、端末100はユーザID、ならびに端末IDを送信する。
【0100】
表示方法変更要求を受信したサーバ120は、受信メール表示条件管理テーブル174を参照し、表示方法を変更することが可能であることを確認する(ステップ802、ステップ803)。
【0101】
確認した結果、表示方法を変更することができない場合、その結果を端末100に通知する(ステップ804)。
【0102】
結果を受信した端末100は、その結果を表示し、変更せず、700の状態のまま表示する(ステップ805、ステップ806)。
【0103】
ステップ801〜ステップ806のシーケンスを実行した際の端末100の画面表示部218の画面遷移を730、740に示す。
【0104】
700の状態において、ユーザが添付ファイル表示部の全表示ボタンを押すと、ステップ801〜ステップ804が実行され、端末100に結果が通知される。
【0105】
通知を受信した端末100は、730に示すように、通知結果を表示した後、740に示すように700と同じ状態となる。
【0106】
ステップ803にて、表示方法を変更することが可能であることを確認した結果、表示することができる場合、フォーマット変換を行い、フォーマット変換済みの受信メールを端末100に送信する(ステップ810、ステップ811)。
【0107】
フォーマット変換済みの受信メールを受信した端末100は、受信した受信メールを表示した後、通常の表示方法を、フォーマット変換後の表示方法にするか等、フォーマット変換を行ったメールに関する質問をユーザに表示し、その質問に対する答えをサーバ120に通知する(ステップ812、ステップ813)。
【0108】
質問に対する答えを受信したサーバ120は、関連するテーブルの内容を変更した後、処理を終了する(ステップ814)。
【0109】
ステップ810〜ステップ814のシーケンスを実行した際の端末100の画面表示部218の画面遷移を710、720に示す。
【0110】
700の状態において、ユーザが本文部の全文表示ボタンを押すと、ステップ801〜ステップ803、ステップ810、ステップ811が実行され、端末100にフォーマット変換済みの受信メールが送信される。
【0111】
次に、710に示すような確認事項が表示され、その確認事項に対する応答をサーバ120に送信する。710の確認事項の場合、ユーザ管理テーブル172の関連度が更新される。
【0112】
以上のシーケンスを利用することにより、メールを表示する端末の仕様の他、表示するメールの送信元とユーザの関連性、ならびにユーザのスケジュールを考慮した受信メールの表示を行うことが可能となる。
【0113】
更に、受信メールの表示を要求する際に、ユーザIDや端末IDに加えて、要求時の端末のCPU使用率やメモリ使用率を送付することにより、CPU使用率やメモリ使用率を考慮した添付ファイルの表示方法を提供することが可能となる。
【0114】
図9は、CPU使用率やメモリ使用率を考慮したフォーマット変換処理のシーケンスを示した図である。
【0115】
尚、図9のシーケンスは図4のシーケンスとほぼ同一であり、図4のシーケンスでは、送信元ユーザIDとの関連度によって、本文を要約に変換するか否かを判断していたのに対し、図9のシーケンスでは、CPU使用率やメモリ使用率によって、本文を要約に変換するか否かを判断している。
【0116】
尚、送信元ユーザIDとの関連度、ならびにCPU使用率、メモリ使用率の両方を利用して、本文や添付ファイルをフォーマット変換するか否かを判断してもよい。
【0117】
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0118】
例えば、サーバをメールサーバではなく、コンテンツ配信サーバと想定した場合、表示するコンテンツに対して、本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0119】
100:端末
102:通信機能
104:端末情報取得機能
106:受信メール表示機能
108:端末識別情報
110:ネットワーク
120:サーバ
130:情報取得機能
132:端末情報取得機能
134:ユーザ情報取得機能
136:受信メール取得機能
140:表示方法決定機能
150:表示受信メール変換機能
152:フォーマット変換機能
154:テキスト部抽出機能
156:要約生成機能
160:通信機能
162:サーバ連携機能
164:取得情報管理機能
170:端末管理テーブル
172:ユーザ管理テーブル
174:受信メール表示条件管理テーブル
176:受信メール管理テーブル
210:CPU
212:不揮発性メモリ
214:記憶装置
216:通信インタフェース
218:画面表示部
220:CPU
222:不揮発性メモリ
224:記憶装置
226:通信インタフェース
228:構造解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのフォーマットを変換するフォーマット変換サーバであって、
ネットワーク接続手段と、
ネットワークを介して接続された情報端末の機器情報を取得する手段と、
前記情報端末を使用するユーザのユーザ情報を取得する手段と、
前記情報端末よりコンテンツの転送要求を受信した際に、取得した前記機器情報、ならびに前記ユーザ情報を用いて、コンテンツのフォーマットを変換する手段と、
前記フォーマット変換サーバとは異なるサーバより情報を取得する手段と、を有し、
前記情報端末を使用するユーザに適したコンテンツ表示を行う
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のフォーマット変換サーバであって、
前記コンテンツのフォーマットを変換する手段は、
コンテンツに含まれる文字、ならびに図のフォーマットを変換する手段と、
前記コンテンツに含まれるテキスト部の抽出を行う手段と、
前記抽出したテキスト部から要約を生成する手段と、を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフォーマット変換サーバであって、
前記コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツの表示を要求したユーザと、前記コンテンツに関わっているユーザとの関連性を前記ユーザ情報より取得し、取得した前記関連性に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一に記載のフォーマット変換サーバであって、
前記コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツを要求した際のコンテンツを表示する端末のCPU使用率、ならびにメモリ使用率に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか一に記載のフォーマット変換サーバであって、
前記コンテンツのフォーマットを変換する手段は、コンテンツの表示を要求したユーザと、表示するコンテンツの関連性を求めるため、前記フォーマット変換サーバとは異なるサーバより、情報を取得し、その情報を用いて、関連性を求め、前記求めた関連性に応じて、変換するフォーマットを決定する手段を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項6】
請求項1に記載のフォーマット変換サーバであって、
コンテンツの表示要求に対する応答として、前記フォーマット変換サーバが前記情報端末に送信したコンテンツに対して、ユーザが前記コンテンツを異なるフォーマットに変換することを前記フォーマット変換サーバに要求する手段を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。
【請求項7】
請求項6に記載のフォーマット変換サーバであって、
前記情報端末の仕様、ならびに前記情報端末を使用しているユーザに応じて、前記要求に対する処理内容を決定する手段を有する
ことを特徴とするフォーマット変換サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図3(d)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−123577(P2011−123577A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279042(P2009−279042)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(500194887)日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア株式会社 (9)
【Fターム(参考)】