説明

フタ付き箸立て

【課題】 箸立てとフタが別々になっていると、両手が必要なために、片手の不自由な者には不便であった。また、フタの位置が、上部や側面にあるものは箸の区別や、取り出しがしにくかった。
本発明は、箸の出し入れ口を上下させることを特徴とするフタ付き箸立てを提供する。
【解決手段】 内筒と、外筒で構成される箸立てにおいて、内底の中央部に円錐部を設け、フタはロックとバネで開閉し、内筒の外周面に2箇所・向かい合わせに、ストッパーを設け、外筒の外周面に2箇所、ストッパースライド孔を向かい合わせに設け、ストッパー先端はストッパースライド孔から常に僅かに突き出ており、外筒の上下移動の幅は、ストッパースライド孔上端及びストッパースライド孔下端までの距離であることを特徴とするフタ付き箸立て。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箸の出し入れ口を上下させることを特徴とするフタ付き箸立てに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の箸立ては、フタのないものとフタ付きのものがあり、フタ付きのものではフタと箸立てが別々になったものと、箸立てにフタが取り付けられたものがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、次のような問題点があった。
(イ)フタのないものは、箸の出し入れ口から埃が入り何時も不潔であった。
(ロ)フタと箸立てが別々の場合は、フタをする毎に一方の手で箸を揃えて、もう一方の 手でフタをしていたが片手の不自由な者には不便であった。
(ハ)箸立てにフタが取り付けてあるものは、フタの開閉を容易にする必然性から箸の出 し入れ口が箸立ての上部にある為に自立の安定性を欠きまた、入れる箸の容量が少 なく窮屈でかつ、箸が垂直方向になり長さの違う短い箸は取り出しにくかった。
(ニ)箸の出し入れ口が、箸立ての側面にあるものは手前しかみれず、奥にある個人専用 の同種の箸が一目で区別できない。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上部を開口した内筒と、その外側にすっぽり嵌まりこんで摺動するように形成された外筒の、この二つの筒体によって構成される箸立てにおいて、内底円の周縁から中心へ少し寄った中央部に円錐状の内底円錐部を設ける。外筒上部の開口部の任意の箇所にフタ取り付け部を設け、フタがフタ取り付け部に固定される時、フタ裏の根元を押し付けるように板バネのようなバネを設けてフタの開閉を補完する。このフタの周縁に於いてフタ取り付け部の真向かいの位置にロックを設け、フタを閉じた時に、外筒開口縁においてこのロックと符号する位置に、ロック受けを設ける。内筒の外周面の内筒開口縁近くの2箇所・真向かい合わせに小突起状のストッパーを設け、外筒の外周面に2箇所、フタの少し下から外筒下部の開口縁の一寸手前まで細く縦長孔状のストッパースライド孔を真向かい合わせに設け、ストッパー先端はストッパースライド孔から常に僅かに突き出ているように形成される。外筒が内筒の外周面を滑るように上下動する移動域の幅は、ストッパースライド孔上端及びストッパースライド孔下端の各々がストッパーに突き当たるまでの距離である。
以上を特徴とするフタ付き箸立てである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、埃の侵入を防ぎ、片手のみでフタの開閉を容易にし、外筒を上下移動させることで箸立てを安定させ、箸の区別や取り出しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の外観斜視図
【図2】本発明の実施例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
上部を開口した内筒(1)と、その外側にすっぽり嵌まりこんで摺動するように形成された外筒(2)の、この二つの筒体によって構成される箸立てにおいて、内底円の周縁から中心へ少し寄った中央部に円錐状の内底円錐部(3)を設ける。外筒(2)上部の開口部の任意の箇所にフタ取り付け部(4)を設け、フタ(5)がフタ取り付け部(4)に固定される時、フタ裏(6)の根元を押し付けるように板バネのようなバネ(7)を設けてフタ(5)の開閉を補完する。このフタ(5)の周縁に於いてフタ取り付け部(4)の真向かいの位置にロック(8)を設け、フタ(5)を閉じた時に、外筒開口縁(9)においてこのロック(8)と符号する位置に、ロック受け(10)を設ける。内筒(1)の外周面の内筒開口縁(11)近くの2箇所・真向かい合わせに小突起状のストッパー(12)を設け、外筒(2)の外周面に2箇所、フタ(5)の少し下から外筒(2)下部の開口縁の一寸手前まで細く縦長孔状のストッパースライド孔(13)を真向かい合わせに設け、ストッパー(12)先端はストッパースライド孔(13)から常に僅かに突き出ているように形成される。外筒(2)が内筒(1)の外周面を滑るように上下動する移動域の幅は、ストッパースライド孔上端(14)及びストッパースライド孔下端(15)の各々がストッパー(12)に突き当たるまでの距離である。
本発明は以上のような構造で、これを実際に使用する時は、フタ((5)を閉める場合は、フタ取り付け部(4)付近の背後から外筒(2)の外周面を片手で掴みながら外筒(2)を真上に引き上げると、外筒(2)は内筒(1)の外周面を滑るように上がるために、内筒(1)はその位置に止まっている。また、外筒(2)は勢い余って引き上げても、ストッパースライド孔下端(15)がストッパー(12)に突き当たってスッポ抜けはしない。外筒(2)の引き上げに応じて箸(16)が外筒(2)の中に収束されていき、箸握り部端頂(17)が外筒開口縁(9)より下になればフタ(5)の表面に指を当てフタ(5)を押し倒してロック(8)をロック受け(10)に符号させる。手を離すとフタ裏(6)が箸握り部端頂(17)に支えられフタ(5)と一体になっている外筒(2)が静止する。
フタ(5)を開ける場合は、ロック受け(10)からロック(8)を外せばよい。外筒(2)と一体になって構成されているフタ(5)がバネ(7)の補完によって開けられると、フタ裏(6)と箸握り部端頂(17)が離れ、外筒(2)は以前のフタ(5)の支えがなくなって落下し、ストッパースライド孔上端(14)がストッパー(12)に突き当たって止まる。箸先(18)は外筒(2)の落下とその振動及び、内底円錐部(3)の傾斜面に沿って分散する。
【符号の説明】
【0008】
(1)内筒、(2)外筒、(3)内底円錐部、(4)フタ取り付け部、(5)フタ、(6)フタ裏、(7)バネ、(8)ロック、(9)外筒開口縁、(10)ロック受け、(11)内筒開口縁、(12)ストッパー、(13)ストッパースライド孔、(14)ストッパースライド孔上端、(15)ストッパースライド孔下端、(16)箸、(17)箸握り部端頂、(18)箸先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部を開口した内筒と、その外側にすっぽり嵌まりこんで摺動するように形成された外筒の、この二つの筒体によって構成される箸立てにおいて、内底円の周縁から中心へ少し寄った中央部に円錐状の内底円錐部を設け、外筒上部の開口部の任意の箇所にフタ取り付け部を設け、フタがフタ取り付け部に固定される時、フタ裏の根元を押し付けるように板バネのようなバネを設けてフタの開閉を補完し、このフタの周縁に於いてフタ取り付け部の真向かいの位置にロックを設け、フタを閉じた時に、外筒開口縁においてこのロックと符号する位置に、ロック受けを設け、内筒の外周面の内筒開口縁近くの2箇所・真向かい合わせに小突起状のストッパーを設け、外筒の外周面に2箇所、フタの少し下から外筒下部の開口縁の一寸手前まで細く縦長孔状のストッパースライド孔を真向かい合わせに設け、ストッパー先端はストッパースライド孔から常に僅かに突き出ているように形成され、外筒が内筒の外周面を滑るように上下動する移動域の幅は、ストッパースライド孔上端及びストッパースライド孔下端の各々がストッパーに突き当たるまでの距離であることを特徴とするフタ付き箸立て。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−94649(P2013−94649A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254388(P2011−254388)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(511283491)
【Fターム(参考)】