説明

フランジ付管体構造及び管路構造

【課題】本発明は、簡単な作業で、管体にフランジ継手が十分な固定強度にて固定されてなる新規なフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体構造が別の管体に接続されてなる管路構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 外周面22に凸状又は凹状の第一係合部21が設けられた管体2に、内周面313に凸状又は凹状の第二係合部314が設けられたフランジ継手3を外装し、管体2とフランジ継手3における短管31との間に生じた環状の段差を埋めつつ短管31の外周面から管体2の外周面22にわたって繊維強化樹脂を肉盛りし、硬化させた補強材層5によって管体2にフランジ継手3を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体にフランジ継手が固定されてなるフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体構造が別の管体に接続されてなる管路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
管体同士を接続することによって管路を構築するにあたっては、通常、接続される管体同士を受け挿しし、接着剤で固定する手段(接着手段)、又は、各管体に設けられたフランジ部の接合面同士を突き合わせ、ボルト等の締結部材を用いて固定する手段(締結手段)のいずれかが用いられる。
【0003】
接着手段によって管体同士を接続する場合、接続箇所における接着剤の接続強度を十分に高くしなければ、管路に応力が負荷された際に接続箇所において管体が外れたりする場合がある。
【0004】
一方、締結手段は、ボルト等の締結力によって管体同士を接続することから、その接続強度は前記接着手段に比べて非常に高い。但し、締結手段を行うにあたっては、接続される管体にそれぞれフランジ部が設けられていることが前提となる。そのため、フランジ部が設けられていない管体同士を締結手段によって接続するにあたっては、「フランジ継手」と称される短管の外周面にフランジ部が設けられた部材を管体に固定する必要が生じる。
【0005】
管体にフランジ継手を固定するにあたっては、接着剤による固定が一般的に行われているが、接着剤による固定強度を十分に高くしなければ、管路に応力が負荷された際に管体からフランジ継手が外れるため、管体及びフランジ継手の素材に応じて適当な接着剤を選択する必要が生じる。
【0006】
しかしながら、例えば、高圧配管等として利用されているガラス繊維強化複合管は、その外周面に存するFRP(繊維強化樹脂)層の接着性が悪く、この種の複合管に対し、接着剤を用いてフランジ継手を十分な固定強度にて固定することは困難であった。
【0007】
そのため、この種の複合管にフランジ継手を固定する場合にあっては、複合管における接合箇所のFRP層を剥ぎ取って硬質塩化ビニル層を露出させ、露出させた硬質塩化ビニル層とフランジ継手の内周面との間に充填型接着剤を介在させて固定する手段が行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003‐207087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、複合管からFRP層を剥ぎ取るにあたっては、複合管におけるFRP層に対し、硬質塩化ビニル層まで切り込まないように注意しながらノコギリ等で切込みを入れ、剥ぎ取る箇所をバーナー等で加熱した後、ペンチ等を用いてFRP層を剥ぎ取るといった非常に煩雑な作業工程を要する。特に、高圧配管として使用される複合管においては、FRP層が非常に厚く設けられており、剥ぎ取り作業をより困難なものにしていた。
【0010】
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたものであり、簡単な作業で、管体にフランジ継手が十分な固定強度にて固定されてなる新規なフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体構造が別の管体に接続されてなる管路構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のフランジ付管体構造は、管体にフランジ継手が固定されてなるフランジ付管体構造であって、このフランジ付管体構造は、管体と、短管の外周面にフランジ部が設けられたフランジ継手とを具備し、前記管体の外周面には、凸状又は凹状の第一係合部が設けられてなり、前記フランジ継手は、短管における一開口端から他開口端にわたってフランジ部と共に短管を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体の集合体であり、短管の内周面において凸状又は凹状の第二係合部が設けられてなり、第一係合部と第二係合部とが雄雌係合された状態で、管体にフランジ継手が外装され、更に、管体の外周面と短管の外周面との間に生じた段差を埋めつつ短管の外周面から管体の外周面にわたって繊維強化樹脂を肉盛し、硬化させた補強材層によって、管体にフランジ継手が固定されてなることを特徴とする(以下、本発明管体構造と称する。)。
【0012】
本発明管体構造においては、管体の外周面と短管の内周面との間に存する間隙に、接着剤層又は粘着剤層が介在されてなるものが好ましい態様となる。
【0013】
又、本発明管体構造においては、スリット部に、接着剤層、粘着剤層、又は弾性体からなる充填材が介在されてなるものが好ましい態様となる。
【0014】
本発明の管路構造は、前記本発明管体構造におけるフランジ部が別の管体の開口部に設けられたフランジ部に接続されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な作業で、管体にフランジ継手を十分な固定強度にて固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明管体構造を構成する管体及びフランジ継手を示す分解斜視図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、本発明管体構造を構築する工程を示す側面図であり、(c)は、本発明管体構造を一部断面状態にて示す側面図である。
【図3】図3は、本発明管体構造を他の管体に接合してなる本発明の管路構造を一部を断面状態にて示す側面図である。
【図4】図4は、別形状のフランジ継手を用いて構築した本発明管体構造を他の管体に接合してなる本発明の管路構造を一部断面状態にて示す側面図である。
【図5】図5は、別の本発明管体構造を構成する管体及びフランジ継手を示す分解斜視図である。
【図6】図6は、別の本発明管体構造を一部断面状態にて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1に本発明管体構造1を構成する管体2とフランジ継手3とを示す。
【0019】
管体2は、樹脂を含浸させた強化繊維を円筒形状(呼び径300A)の硬質塩化ビニル管(ライナー)に巻きつけ、加熱硬化炉で硬化させる「フィラメントワインディング法」によって成形された円筒形状のガラス繊維強化複合管である。
【0020】
管体2には、その外周面22において、第一係合部21としての環状溝部が複数条設けられている。第一係合部21は、旋盤による溝加工によって設けられたものであり、管体2における接続開口部23の端面から一定距離の代幅Xを取った上で、管体2の外周面22に一定のピッチで5条設けられている。
【0021】
下記表1に、管体2の素材及び成形手段等の詳細を示す。
【0022】
【表1】

【0023】
フランジ継手3は、円筒状の短管31(呼び径400A)の外周面に円形の外縁形状を有する環状のフランジ部32が設けられた形状を有する。本実施形態においては、フランジ部32を短管31の一開口端311の周縁に設け、短管31の一開口端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となるようにしている。一方、短管31の他開口端312の端面は、フランジ部32の裏面322から突出させている。
【0024】
フランジ継手3は、短管31における一開口端311から他開口端312にわたってフランジ部32と共に短管31を切り分ける複数条(本実施形態においては2条)のスリット部33によって分割された複数個(本実施形態においては2個)の分割体3A、3Bの集合体である。即ち、本発明において、フランジ継手3はスリット部33の数に応じて分割される。フランジ継手3は、通常、2〜4個に分割される。
【0025】
フランジ継手3は、雌雄一対の成形型内に繊維基材を配置し、樹脂注入口より樹脂を注入して繊維基材に含浸させて成形する「RTM法(Resin Tranfer Molding)」を用いて短管31とフランジ部32とを一体的に成形したものである。
【0026】
短管31の内周面313は、管体2の外周面22に沿い得る湾曲面となっており、その内周面313において、第二係合部314としての環状凸部が複数条設けられている。第二係合部314は、前記RTM法によってフランジ継手3を成形する際に一体成形されたものである。第二係合部314は、短管31における一開口端311から、フランジ部32の厚みより大きい一定距離の代幅Yを取った上で、短管31の内周面に一定のピッチで5条設けられている。本実施形態において、短管31に付与された代幅Yは、前記管体2に付与された代幅Xと同じ長さとしている。
【0027】
フランジ部32には、接合面321から裏面322にわたって貫通する複数の貫通孔323が設けられている。この貫通孔323は、後述する管体Pとの接続の際に用いられるボルト等の締結部材が挿入される部位となる。
【0028】
下記表2に、フランジ継手3の素材及び成形手段等の詳細を示す。
【0029】
【表2】

【0030】
本実施形態においては、フランジ継手3におけるスリット部33に充填材4が介在される。本実施形態においては、充填材4として、スリット部33の端面形状に応じて加工されたシリコーンゴムを用いた。
【0031】
前記管体2に前記フランジ継手3を固定して本発明管体構造1を構築するにあたっては、まず、管体2の外周面22とフランジ継手3における短管31の内周面313との間に存する間隙に、接着剤層又は粘着剤層を介在させた上で、図2(a)に示すように、管体2に設けた第一係合部21とフランジ継手3に設けた第二係合部314とが雌雄係合された状態で、管体2にフランジ継手3が外装される。管体2の外周面22と短管31の内周面313との間に存する間隙に接着剤層又は粘着剤層を介在させると、管体2と短管31間に存する隙間が埋められて、各部材間のシール性が向上する。
【0032】
本実施形態においては、管体2に付与した代幅Xと短管31に付与した代幅Yを同じ長さに設定していることから、第一係合部21と第二係合部314とが雌雄係合された状態で、管体2にフランジ継手3が外装されると、管体2における接続開口部23の端面とフランジ継手3における接合面321とは面一となる。
【0033】
フランジ継手3の分割体3A、3B間に存する隙間、即ち、フランジ継手3に設けたスリット部33には、充填材4が介在される。これによりスリット部33のシール性が向上する。充填材4は、スリット部33の端面に接着やはめ込みなどによって固定することが好ましい。
【0034】
管体2にフランジ継手3が外装されると、管体2の外周面22と短管31の外周面との間には、段差Gが生じる。本実施形態においては、この段差Gを埋めつつ、短管31の外周面から管体2の外周面22にわたって繊維強化樹脂を肉盛りし、硬化させることによって補強材層5を形成する(図2(b)及び(c)参照)。本実施形態においては、補強剤層5を形成するにあたり、繊維強化樹脂を肉盛りする部分に予め繊維基材を賦形し、その上から刷毛やローラを用いて樹脂を含浸させ、脱泡しながら所定厚まで積層する「ハンドレイアップ法」を用いた。
【0035】
これにより、本発明管体構造1が構築される。即ち、本発明管体構造1は、第一係合部21と第二係合部314との雄雌係合、及び肉盛りした繊維強化樹脂からなる補強材層5によって、管体2にフランジ継手3が固定されたものである。
【0036】
ここで、繊維強化樹脂を短管31の外周面から管体2の外周面にわたって肉盛りするにあたり、繊維強化樹脂の厚みを厚くすればするほど、より強固に管体2にフランジ継手3が固定される。又、短管31の外周面から管体2の外周面にわたって肉盛りする繊維強化樹脂の重なり代(管体側重なり代m、及び短管側重なり代n)を大きく取れば取るほど、より強固に管体2にフランジ継手3が固定される。
【0037】
なお、フランジ継手3は、複数の分割体3A、3Bの集合体からなることから、短管31側の重なり代nをより大きく取り、できるだけ分割体3A、3Bが一体的に固定されるようにすることが好ましい。具体的には、短管31側の重なり代nを段差Gから代幅Yに至るまで取り、少なくとも短管31における第二係合部314の存する部分が、補強材層5によって覆われるようにすることが好ましい。
【0038】
下記表3に、補強材層5の素材及び成形手段等の詳細を示す。
【0039】
【表3】

【0040】
図3に示すように、本発明管体構造1は、管体2に固定されたフランジ継手3におけるフランジ部32が、別の管体Pの開口部に設けられたフランジ部32Pに接合されることによって本発明の管路構造10となる。別の管体Pは、本発明管体構造1におけるフランジ部32と接合することができるフランジ部32Pを有し、本発明管体構造1と共に管路構造10を構築し得るものであれば特に限定されるものではない。別の管体Pとしては、例えば、直管、曲管、ソケット、スリーブ、チーズ、レジューサ、インクリーザ、ヘッダー及びキャップ等を挙げることができる。勿論、本発明管体構造1同士を接合して管路構造10を構築しても良い。
【0041】
ところで、本実施形態においては、管体2として、円筒形状、即ち軸心に対して垂直となる水平面にて切断された水平断面形状が円形の筒体を用いているが、管体2の形状はこれに限られるものではない。管体2としては、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっている筒体を用いても良い。
【0042】
又、本実施形態においては、管体2の成形手段として、「フィラメントワインディング法」を用いているが、管体2の成形手段はこれに限られるものではない。管体2を成形する他の手段としては、例えば、回転する円筒状の型枠内部に樹脂とガラス短繊維を投入し、遠心力により成形する「遠心成形法」や、樹脂を含浸させたガラス繊維ロービングをダイスを通じて引き抜きながら加熱硬化させて成形する「プルトルージョン成形法」等を挙げることができる。
【0043】
更に、管体2としては、ガラス繊維強化複合管のみならず、硬質塩化ビニルの単層管(VP管(塩ビ厚肉管)やVU管(塩ビ薄肉管))や、コンクリート管、或いは金属管であっても良い。
【0044】
本実施形態においては、フランジ継手3として、円筒状の短管31の外周面に円形の外縁形状を有する環状のフランジ部32が設けられたものを用いているが、フランジ継手の形状はこれに限られるものではない。短管31としては、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっている筒体を用いても良い。フランジ部32としては、例えば、外縁形状が楕円、四角形或いは更なる多角形状のものであっても良い。
【0045】
又、本実施形態においては、短管31の一開口端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となされたフランジ継手3を用いているが、フランジ継手3としては、短管31の一開口端311がフランジ部32の接合面321から突出されたものを用いても良い。この様なフランジ継手3を用いて構築された本発明管体構造1を別の管体Pに接続するにあたっては、図4に示すように、フランジ部32の接合面321から突出させた短管31の他開口端312を別の管体P内に挿入する。
【0046】
更に、本実施形態においては、「RTM法」を用いてフランジ継手3を成形しているが、フランジ継手3の成形手段としては、これに限られるものではない。フランジ継手3を成形するその他の手段としては、例えば、樹脂、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、充填剤などを混合した樹脂ペーストをチョップドストランドに含浸させ、両面をフィルムで被覆したシート状の中間体(SMC(Sheet Molding Compound))を金型にチャージして、加圧加熱し硬化させて成形する「SMC法」や、チョップドストランドと樹脂を混練し、塊状に加工した中間体(BMC(Bulk Molding Compound))を圧縮、トランスファー、或いは射出成形などによって成形する「BMC法」、更に、成形型に繊維基材を予め賦形させ、その上から樹脂を刷毛やローラを用いて含浸させ、脱泡しながら所定厚まで積層する「ハンドレイアップ法」等を挙げることができる。なお、フランジ継手3は、繊維強化樹脂製のもののみならず、硬質塩化ビニル等の樹脂からなるプラスチック製のものや、コンクリート、或いは金属を素材として成形されたものであっても良い。
【0047】
参考として、ハンドレイアップ法によってフランジ継手3を成形する場合の一例を下記表4に示す。
【0048】
【表4】

【0049】
ところで、本実施形態においては、管体2の外周面22において第一係合部21としての環状溝部を設ける一方で、フランジ継手3における短管31の内周面313に第二係合部314としての環状凸部を設けているが、図5に示すように、管体2の外周面22において第一係合部21としての環状凸部を設ける一方で、フランジ継手3における短管31の内周面313に第二係合部314としての環状溝部を設けても良い。要は、第一係合部21と第二係合部314とが雄雌係合され得るように各係合部を設ければ良い。
【0050】
管体2の外周面22に第一係合部21としての環状凸部を設ける手段としては、例えば、管体2の成形時において環状凸部21aを一体的に成形したり、管体2を成形した後に、ハンドレイアップ法などによって環状凸部を付加形成したりする手段を挙げることができる。一方、フランジ継手3における短管31の内周面313に第二係合部314としての環状溝部を設ける手段としては、フランジ継手3の成形時において環状溝部を一体的に成形したり、フランジ継手3を成形した後に、旋盤による溝加工によって環状溝部を設けたりする手段を挙げることができる。
【0051】
充填材4は、シリコーンゴムのみならず、フッ素ゴムやスチレン‐ブタジエンゴムなどの他の弾性体から形成しても良い。又、充填材4は、接着剤や粘着剤をスリット部33に注入し、硬化させることによって接着剤層や粘着剤層をスリット部33に介在させ、この接着剤層や粘着剤層を充填材4としても良い。なお、接着剤を用いる場合にあっては、硬化した際に弾性を発揮する弾性接着剤を用いることが好ましい。
【0052】
補強材層5を形成する繊維強化樹脂としては、炭素繊維やガラス繊維などの繊維を、母材(マトリックス)としての樹脂中に混在させた複合材料であれば特に限定されるものではない。母材としては、不飽和ポリエステルやビニルエステルなどの熱硬化性樹脂を用いることが一般的であるが、これに限られるものではなく、その他エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂を用いても良い。又、メチルメタアクリレートなどの熱可塑性樹脂を母材として用いても良い。
【0053】
補強材層5を形成するにあたっては、図6に示すように、管体2側における繊維強化樹脂の重なり代mとなる部分に第一凹部24を設けたり、短管31側における繊維強化樹脂の重なり代nとなる部分において第二凹部34を設けたりした上で、繊維強化樹脂を肉盛りすれば、繊維強化樹脂が第一凹部24や第二凹部34を埋めた状態で硬化し、より一層強固に管体2にフランジ継手3を固定することができる。
【0054】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、簡単な作業にて管体を別の管体に接続することができ、従来、接続作業が非常に煩雑であった複合管等の接続作業についても非常に容易となる。
【符号の説明】
【0056】
1 本発明管体構造(フランジ付管体構造)
2 管体
21 第一係合部
22 外周面
23 接続開口部
24 第一凹部
3 フランジ継手
31 短管
311 一開口端
312 他開口端
313 内周面
314 第二係合部
32 フランジ部
321 接合面
322 裏面
323 貫通孔
33 スリット部
34 第二凹部
4 充填材
5 補強材層
10 管路構造
G 段差
m 管体側重なり代
n 短管側重なり代

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体にフランジ継手が固定されてなるフランジ付管体構造であって、
このフランジ付管体構造は、
管体と、
短管の外周面にフランジ部が設けられたフランジ継手とを具備し、
前記管体の外周面には、凸状又は凹状の第一係合部が設けられてなり、
前記フランジ継手は、短管における一開口端から他開口端にわたってフランジ部と共に短管を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体の集合体であり、短管の内周面において凸状又は凹状の第二係合部が設けられてなり、
第一係合部と第二係合部とが雄雌係合された状態で、管体にフランジ継手が外装され、
更に、管体の外周面と短管の外周面との間に生じた段差を埋めつつ短管の外周面から管体の外周面にわたって繊維強化樹脂を肉盛りし、硬化させた補強材層によって、管体にフランジ継手が固定されてなることを特徴とするフランジ付管体構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフランジ付管体構造において、
管体の外周面と短管の内周面との間に存する間隙には、接着剤層又は粘着剤層が介在されてなるフランジ付管体構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフランジ付管体構造において、
スリット部には、接着剤層、粘着剤層、又は弾性部材からなる充填材が介在されてなるフランジ付管体構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフランジ付管体構造におけるフランジ部が別の管体における開口部に設けられたフランジ部に接続されてなることを特徴とする管路構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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