説明

フルオロカーボン製造システム及び製造方法

【解決課題】
本発明はフルオロカーボンの製造システム及び製造方法に関する。
【解決手段】
飽和ハロゲン化フルオロカーボンを水素と触媒に接触させ、飽和ヒドロフルオロカーボンと不飽和フルオロカーボンを生成するステップを含んでいる。CF3CClFCF3及び/又はCF3CCl2CF3等の飽和ハロゲン化フルオロカーボンを水素と触媒に接触させるステップを含んでいる。飽和ハロゲン化フルオロカーボンをK.Zr,Na,Ni,Cu,Ni,Zn,Fe,Mn,Co,Ti及びPdのうちの1以上を有する触媒と接触させるステップをさらに含んでいる。飽和ハロゲン化フルオロカーボンを圧力下で水素と接触させるステップをさらに含んでいる。本発明によって生成された飽和フルオロカーボンと不飽和フルオロカーボンは、CF3CFHCF3,CF3CH2CF3,CF3CHClCF3,CF3CF=CF2,CF3CH=CF2,及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルオロカーボンの製造に関する。本発明の様々な特徴は飽和及び不飽和フルオロカーボンの製造に関する。
【0002】
優先権情報
この出願は、2003年8月13日出願の米国特許出願第10/641,527号「フルオロカーボン製造システム及び方法」に基づく優先権を主張している。
【背景技術】
【0003】
1,1,1,2,3,3,3−ペプタフルオロプロパン(CF3CHFCF3,HFC−227ea)及びヘクサフルオロプロペン(CF3CF=CF2,FC−1216,HFP)等のヒドロフルオロカーボンとフルオロ単量体が商業的に望まれている。
【0004】
HFPは、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペンの共重合によって生成される、サーモプラスチックFEP(“フッ化−エチレン−プロピレン”)樹脂等の、フッ素含有ポリマー製造用のモノマーとして広く利用されている(例:フッ素化学:総合治療, M.Howe−Grant編集,Wiley & Sons社, ニューヨーク州,ニューヨーク市,1995年 第404頁)。
【0005】
HFC−227eaは発泡剤(米国特許第5,314,926号;米国特許第5,278,196号)、冷却剤(Chem,J.,Sci,Tech.Froid(1994),(2CFCS,the Day After),133−145頁)、及び計量吸入器に使用する推進剤(Clark,R.Aerosol.Sci.Technol.,(1995)22,374−391頁)として利用されている。この化合物は、FM−200(グレートレークズ ケミカルコーポレーション,インディアナ州 インディアナポリス市)の商標で販売されている、通信設備の保護等に使用する火気抑制剤として幅広く利用されている(ロビン,M.L.,プロセス セーフティ プログレス,第19巻,第2号(2000年夏号),107−111頁)。
【0006】
ハロゲン化化合物の製造に関する従来技術文献で多くの方法が開示されている。これらの方法は、1つの理由として、異なるハロゲンと官能基が関与することから多様である。従来技術によって、従来方法では他の化合物への利用が容易でないことが実証されている。
【0007】
FC−1216の製造に関する方法が報告されている。これらの方法は減圧下及び700℃から800℃におけるテトラフルオロエチレン(TFE)のサーマルクラックを含み、昇温状態での真空状態におけるポリテトラフルオロエチレンの高温分解はHFPを生成することができる。
【0008】
HFC−227eaの製造に関する方法が報告されている。活性炭触媒でのHFPとHF間の気相反応は、HFC−227eaを生成することができる(イギリス特許902,590号)。HFC−227eaは、1,1,1,3,3,3−ヘクサフルオロプロパン(CF3CH2CF3,HFC−236fa)のフッ化元素による処理で製造され(米国特許5,780,691号)、2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘクサフルオロプロパン(CFC−217ba)のHFによる処理で製造された(WO99/40053号)。
【0009】
HCPとHFC−227eaを経済的に製造する方法並びにシステムの開発が望まれ、この方法とシステムが飽和及び不飽和フルオロカーボンの製造に幅広く利用できることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明のフルオロカーボンの製造システムは、飽和ハロゲン化フルオロカーボン、飽和ハロゲン化フルオロカーボンをCuとPdを含む触媒との反応プロキシミティーにするリアクターと、飽和及び不飽和フルオロカーボンを含む生成物流とを含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの特徴によれば、フッ化化合物の生成方法は、C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンと水素とを含んだ反応体混合物を、Pd及びNiとCuの一方又は両方を有する触媒と接触させるステップを含んでいる。これは、C−3飽和ヒドロフルオロカーボンとC−3不飽和フルオロカーボンとを含む混合物を生成する。
【0012】
本発明の1つの特徴によれば、触媒の存在下でCF3CCl2CF3を水素と接触させて、CF3CH2CF3,CF3CHClCF3,CF3CH=CF2,及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含む混合物を生成するステップについて述べている。
【0013】
C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンと水素とを含む反応混合物を、K,Zr,Na,Ni,Cu,W,Zn,Fe,Mn,Co,Ti及びPdのうちの1以上を有する触媒と接触させ、C−3不飽和フルオロカーボンと少なくとも35%のC−3飽和ヒドロフルオロカーボンとを含んだ混合物を生成するステップを含んだフッ化化合物の製造方法についても述べている。
【0014】
本発明では、CF3CClFCF3と水素とを含んだ反応混合物を、重量比がおよそ9:1であるCuとPdと活性化炭素を含む触媒と接触させるステップを含んだフルオロカーボンの製造方法も提供する。
【0015】
本発明の特徴は、およそ1.0kg/cm2からおよそ10kg/cm2の気圧、およそ220℃からおよそ350℃の温度、およそ9秒からおよそ55秒で、CF3CClFCF3を含む反応混合物を、重量比がおよそ9:1であるCuとPdを含む触媒と接触させ、CF3CHFCF3とCF3CF=CF2を含む混合物を生成するステップを含むこともできる。
【0016】
好適実施例の詳細な説明
本発明の1実施例では、2つの生成物の共流を提供する方法とシステムについて述べる。本発明の特徴を図1と図2とを参考にして説明する。
【0017】
図1は、リアクター3,飽和ハロゲン化フルオロカーボン反応体5,水素化反応体7,及び生成物9を含んでいる。本発明で利用できる飽和ハロゲン化フルオロカーボン5の例には、完全にハロゲン化された飽和ハロゲン化フルオロカーボンと、完全にはハロゲン化されていないものが含まれる。本発明の1つの特徴によれば、飽和ハロゲン化フルオロカーボン5はC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを含んでいる。飽和ハロゲン化フルオロカーボン5の例には、CF3CClFCF3(CFC−217ba)及び/又はCF3CCl2CF3(CFC−216aa)が含まれる。
水素化反応体7は水素を含むことができる。水素化反応体7の例には、2原子水素が含まれる。
【0018】
一般的に、飽和ハロゲン化フルオロカーボン反応体5と水素化反応体7は共同で反応混合物及び/又は反応流の全部又は一部を生成することができる。図1の如く、飽和ハロゲン化フルオロカーボン反応体5と水素化反応体7は、それぞれの流れを介してリアクター3へ提供される。しかし本発明ではこれに限定されない。飽和ハロゲン化フルオロカーボン反応体5と水素化反応体7を、リアクター3へ送る前に組み合わせたり、又は図示の如く別々の流れを介して提供してもよい。
【0019】
飽和ハロゲン化フルオロカーボン5と水素化反応体7とを特定のモル比で組み合わせてもよい。本発明の1つの特徴では、水素化反応体7と飽和ハロゲン化フルオロカーボン5とを、水素化反応体7対飽和ハロゲン化フルオロカーボン5が1:1からおよそ20:1の割合で組み合わされている。水素化反応体7対飽和ハロゲン化フルオロカーボン5の例示的なモル比には、およそ2.5:1からおよそ20:1,およそ1:1からおよそ15:1、およそ2:1からおよそ10:1、及び/又はおよそ1:1からおよそ5:1の割合がさらに含まれる。
【0020】
本発明の特徴では、希釈剤がさらに追加される。図2は、飽和ハロゲン化フルオロカーボン反応体5,水素化反応体7,及び希釈剤13を含んだ本発明によるフルオロカーボンの生成20を示す。本発明で利用できる希釈剤13には、水素、ヘリウム、及びアルゴンガス並びにCF3CFHCF3(HFC−227ea)及びCF3CH2F(HFC−134a)の如き化合物が含まれる。希釈剤13を、水素化反応体7と飽和ハロゲン化フルオロカーボン5と特定のモル比で組み合わせて利用してもよい。本発明で利用できるモル比の例には、希釈剤13:水素化反応体7:飽和ハロゲン化フルオロカーボン5の比率がおよそ2:0.6:1からおよそ15:5:1及び/又はおよそ3:1:1からおよそ14:2.5:1の割合が含まれる。
【0021】
図1の如く、反応混合物をリアクター3内で触媒11と接触させることができる。本発明の特徴によれば、リアクター3は反応混合物を触媒11との反応プロキシミティーにするように設計されている。リアクター3には、インコーネルR(InconelR)(インコ アロイズ インターナショナル,インク.デラウエア州)の製品等が含まれ、実験室規模又は産業規模で化学反応を行うように設計されている。
【0022】
触媒11は、K,Zr,Na,Ni,W,Cu,Zn,Fe,Mn,Co,Ti及びPd等のうちから1以上の触媒前駆体を含んだり、含んで本質的に成ったり、それらだけで提供される。特定の実施態様では、触媒11はPdと、NiとCuの一方又は両方を含んでいたり、本質的にそれらから成っていたり、それらだけで提供される。触媒11はCuとPdとを、Cu:Pdの重量比がおよそ3:1からおよそ28:1、およそ8:1からおよそ28:1、及び/又はCu:Pdの重量比がおよそ9:1で含むことができる。触媒11は純粋形態又は担体を有した形態であってもよい。本発明で利用できる担体には、活性化炭素、酸化アルミニウム、及び/又はシリカゲル担体が含まれる。例示的な活性化炭素担体には、タケダR(TakedaR)活性化炭素(タケダ化学工業、大阪市東区)が含まれる。
【0023】
典型的には触媒は許容触媒調整技術によって調整される。例示的技術には、選択した触媒前駆体を、担体の有又は無で適切な溶媒内で溶解するステップ、触媒及び/又は担体から溶媒を除去するステップ、及びリアクターに触媒を供給するステップが含まれる。リアクター内に供給されると、リアクターの加熱と触媒からの溶媒変成のモニターによって触媒をさらに調整することができる。触媒を、水素、ヘリウム、アルゴン、及び/又は窒素等の存在下で調整及び/又は活性化できる。
【0024】
本発明は、リアクター内でのフルオロカーボンの生成を促進する特定の温度、気圧、及び接触時間をさらに提供する。本発明のシステムと方法は、リアクター3内で特定の時間をかけて反応体混合物を触媒11と接触させるステップをさらに提供する。この時間は典型的には接触時間と呼ばれ、反応体の流量と触媒を含むリアクター容積から計算することができる。本発明で利用できる接触時間の例としては、およそ4秒からおよそ75秒、およそ9秒からおよそ55秒、およそ6秒からおよそ30秒、及び/又はおよそ10秒からおよそ15秒でよい。
【0025】
例示的実施態様では、触媒11を反応体混合物に接触させる間の反応温度はおよそ100℃からおよそ500℃、およそ200℃からおよそ400℃、およそ220℃からおよそ350℃及び/又はおよそ220℃からおよそ300℃でよい。
【0026】
本発明による方法は、およそ1kg/cm2からおよそ150kg/cm2、およそ5kg/cm2からおよそ10kg/cm2、又はおよそ3kg/cm2からおよそ8kg/cm2の圧力で反応体混合物を触媒に接触させるステップをさらに提供する。
【0027】
図1及び図2は生成物混合物9を生成するシステムを示す。生成物混合物9はヒドロフルオロカーボン及びC−3飽和ヒドロフルオロカーボン等の飽和フルオロカーボンを含むことができる。生成物混合物9の成分例には、CF3CFHCF3(HFC−227ea),CF3CH2CF3(HFC−236fa),及び/又はCF3CHClCF3(CFC−226da)が含まれる。生成物混合物9は、CF3CF=CF2(HFP,FC−1215yc),CF3CH=CF2(PFP,FC−1215zc)及び/又はCF3CCl=CF2(CFC−1215xc)等のC−3不飽和ヒドロフルオロカーボンのうちの1以上を含む不飽和フルオロカーボンをさらに含んでいる。本発明の例示的実施態様は、CF3CHFCF3(HFC−227ea)及びCF3CF=CF2(FC−1215yc)を含む生成物混合物を含んでいる。本発明のその他の例示的実施態様は、CF3CH2CF3(HFC−236fa),CF3CHClCF3(CFC−226da),CF3CH=CF2(FC−1215zc),及び/又はCF3CCl=CF2(CFC−1215xc)のうちの1以上を含む生成物混合物を含んでいる。本発明の実施態様は少なくとも35%の飽和フルオロカーボンでもよい生成物混合物9をさらに提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施態様を次の実施例と共にさらに説明する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0029】
次の実施例で使用する触媒は以下の方法で調整される。
【0030】
方法A
タケダR活性化炭素担体及び触媒前駆体の重量を測定し、ビーカーへ入れて触媒が調整される。溶媒として十分な量の水を担体と前駆体を覆うように追加し、混合物をおよそ15分間攪拌する。混合物を水流吸引圧下でフィルター処理し、触媒を空気乾燥させる。触媒をリアクターに詰め、リアクターから出る水蒸気が見えなくなるまでN2流下で150℃で加熱する。リアクターから出る水蒸気が見えなくなるまで温度をさらに200℃にまで上昇させる。
【0031】
方法B
タケダR活性化炭素担体及び触媒前駆体の重量を測定し、ビーカーへ入れて触媒が調整される。溶媒として十分な量のCH2Cl2を担体と前駆体を覆うように追加し、混合物をおよそ15分間攪拌する。混合物を水流吸引圧下でフィルター処理し、触媒を空気乾燥させる。触媒をリアクターに詰め、リアクターから出る水蒸気が見えなくなるまでN2流下で150℃で加熱する。リアクターから出る水蒸気が見えなくなるまで温度をさらに200℃にまで上昇させる。
【0032】
方法C
タケダR活性化炭素担体及び触媒前駆体の重量を測定し、ビーカーへ入れて触媒が調整される。溶媒として十分な量の水を担体と前駆体を覆うように追加し、混合物をおよそ15分間攪拌する。十分な量の水酸化ナトリウムを追加して混合物をアルカリ性(pH≧12)にする。その後混合物をアイスバス内で10℃にまで冷却する。水酸化ナトリウムに溶解したNaBH4を、触媒の還元が達成されるまで液滴で追加する。その後混合物を乾燥した触媒が残るまで加熱して沸騰させる。その後、触媒混合物をフィルター処理し、水で2回すすぎ、真空内でおよそ1.5時間乾燥させる。触媒をその後方法Aの如くリアクターに詰め、乾燥させる。
【0033】
方法D
タケダR活性化炭素担体及び触媒前駆体の重量を測定し、ビーカーへ入れて触媒が調整される。十分な量の5%(wt./wt.)塩酸/水の溶液をビーカーに追加して担体と前駆体を覆うようにし、混合物をおよそ20分間100℃にまで加熱する。混合物をその後、方法Aの如くフィルター処理し、詰め、乾燥させる。
【0034】
方法E
触媒前駆体の重量を測定し、ビーカーへ入れ、覆われる程度まで5%の(wt./wt.)塩酸/水の溶液を追加して混合物を作り、触媒が調整される。混合物を100℃にまでおよそ20分間加熱する。触媒を完成させるため、表示の重量%を達成するに十分な量のタケダR活性化炭素担体を熱溶液に追加する。混合物をその後、方法Aの如く熱フィルター処理し、乾燥させる。
【0035】
方法F
触媒前駆体Cuの重量を測定し、水が入ったビーカーに入れてCu、Pd、及び担体の触媒が調整される。溶液を加熱し、十分な量のCuが溶液に溶解するまで、溶液に溶解したCuの割合を定期的に測定する。触媒前駆体Pdの重量を測定し、水が入ったビーカーへ入れる。溶液を加熱し、十分な量のPdが溶液に溶解するまで、溶液に溶解したPdの割合を定期的に測定する。CuとPd溶液をビーカー内で合わせて、望ましい割合のものを作る。十分な量のタケダR活性化炭素担体を追加し、溶液を攪拌する。方法Aの如く触媒を空気乾燥させ、リアクターへ詰め、乾燥させる。
【0036】
方法G
触媒前駆体の触媒をリアクターへ詰める。リアクターを350℃にまで加熱し、126cc/分で16時間、水素を触媒に通過させる。
【0037】
方法H
5%(wt./wt.)の塩酸と水の溶液を、触媒前駆体を湿潤させるに十分な量だけ触媒前駆体へ追加する。湿潤した触媒をN2流下で一晩乾燥させ、方法Aの如く詰めて乾燥させる。
【0038】
方法I
触媒を少なくとも2回再熱濾過するステップを追加して、方法Eの如く調整する。
【0039】
一般的な反応手順
実施例1から8のリアクターは、外径が1.27cm、容積は33.0cmの、36.20cm長のインコネルR(InconelR)管である。。リアクターは、ホスキンスR(HoskinsR)(ホスキンス マニュファクチュアリング カンパニー コーポレーション ハンブルグ市 ミシガン州)電気炉に垂直に取り付けられており、この炉は、ワトローR(WatlowR)(ワトロー エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー セントルイス市 ミズーリ州)の956シリーズ温度制御ユニットで制御される30.5cmの加熱ゾーンを有する。リアクターには内部及び外部サーモカップルと圧力ゲージが取り付けられている。反応体は目盛り付けされたマテソンR(MathesonR)(マテソン ガス プロダクツ,インク. バレー フォージ市 ペンシルバニア州)流量計を通って供給され、予備混合されて加熱ゾーンへ入る。
【0040】
水素は、ハスティングズR電源装置を有する、目盛り付けされたハスティングズR(HastingsR)(テレダイン ハスティングズ インスツルメンツ,テレダイン テクノロジーズ,インク. ロサンゼルス市 カリフォルニア州)流量制御装置のHFC−202c型を通って供給される。CFC−217baは目盛り付けされたエルデックスR(EldexR)(エルデックス ラボラトリーズ,インク. ナパ市 カリフォルニア州)液体計量ポンプA−60−S型又はB−100−S型で供給される。反応体は予備混合され、蒸発機内で加熱され、リアクターへ入る。圧力は比例バルブ、ドライバモジュール、及びワトローR956シリーズ制御ユニットで制御される。流出ガスは水洗され、ドライエリートR(DrieriteR)(ダブリュー.エイ.ハモンド ドライエリート カンパニー,ゼニア市 オハイオ州)を通り、ヒューレット−パッカードR(Hewlett−PackardR)(ヒューレット−パッカード カンパニー,パロアルト市 カリフォルニア州)5890シリーズIIガスクロマトグラフを用いてガスクロマトグラフィーで分析される。これには30m×0.32mmIDシリカプロットTM(SilicaplotTM)(バリアン,インク.,パロアルト市 カリフォルニア州)溶融シリカカラムとフレームイオン化検出器が備え付けられている。結果は検出器で記録された反応の全領域に対する領域%で報告されている。
【0041】

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】


【0046】

【0047】

【0048】




【0049】

【0050】

【0051】

【0052】

【0053】

【0054】

【0055】

【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明の好適実施例を添付の図面と共に説明する。
【図1】図1は本発明の1つの特徴によるフルオロカーボン製造のシステムを例示している。
【図2】図2は本発明の別の特徴によるフルオロカーボン製造のシステムを例示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルオロカーボンの製造システムであって、
飽和ハロゲン化フルオロカーボンと水素とを含んだ反応流と、
前記飽和ハロゲン化フルオロカーボンをCuとPdを含む触媒との反応プロ キシミティーにするリアクターと、
飽和及び不飽和フルオロカーボンを含む生成物流と、
を含んでいることを特徴とする製造システム。
【請求項2】
CuとPdの重量比は略9:1であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CClFCF3を含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CCl2CF3を含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
飽和フルオロカーボンはCF3CFHCF3,CF3CH2CF3、及びCF3CHClCF3のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
不飽和フルオロカーボンはCF3CF=CF2,CF3CH=CF2、及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項7】
フッ化化合物の製造方法であって、
CF3CHFCF3、水素、及び少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フル オロカーボンを含んだ当初混合物を提供するステップと、
前記当初混合物をPdと、NiとCuの一方又は両方を含んだ触媒と接触さ せて少なくとも1つの−3飽和ヒドロフルオロカーボンと少なくとも1つの C−3不飽和フルオロカーボンを含んだ生成物混合物を生成するステップ と、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項8】
少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CFClCF3を含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CFClCF3で本質的に成ることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CCl2CF3を含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CCl2CF3で本質的に成ることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項12】
接触ステップは略100℃から略500℃の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項13】
接触ステップは略200℃から略400℃の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項14】
接触ステップは略220℃から略350℃の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項15】
接触ステップは略4秒から略75秒の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項16】
接触ステップは略9秒から略55秒の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項17】
接触ステップは略1kg/cm2から略150kg/cm2の圧力の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項18】
接触ステップは略5kg/cm2から略10kg/cm2の圧力の間で実施されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項19】
当初混合物は水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略2.5:1から略20:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項20】
当初混合物は水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略2:1から略10:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項21】
当初混合物は水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略1:1から略5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項22】
触媒は活性化炭素担体をさらに含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項23】
触媒はCuとPdを含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項24】
触媒はCuとPdで本質的に成ることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項25】
触媒はCuとPdを略3:1から略28:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項26】
触媒はCuとPdを略9:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項27】
当初混合物はヘリウムをさらに含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項28】
当初混合物はCF3CHFCF3:水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略2:0.6:1から略15:5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項29】
当初混合物はCF3CHFCF3:水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略3:1:1から略14:2.5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項30】
生成物混合物は少なくとも略35%のC−3飽和ヒドロフルオロカーボンを含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項31】
生成物混合物はCF3CHFCF3とCF3CF=CF2を含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項32】
生成物混合物はCF3CH2CF3,CF3CHClCF3,CF3CH=CF2、及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項33】
生成物混合物はCF3CF=CF2,CF3CH=CF2、及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項34】
フッ化化合物の製造方法であって、Cu−Pd触媒の存在下でCF3CCl2CF3を水素と接触させ、飽和フルオロカーボンと不飽和フルオロカーボンの両方を含む混合物を生成するステップを含んでおり、前記飽和フルオロカーボンはCF3CH2CF3とCF3CHClCF3の一方又は両方を含んでおり、前記不飽和フルオロカーボンはCF3CH=CF2とCF3CCl=CF2の一方又は両方を含んでおり、前記飽和フルオロカーボン対前記不飽和フルオロカーボンの比率は前記混合物内で少なくとも略1:1であることを特徴とする製造方法。
【請求項35】
接触ステップは略100℃から略500℃の間で実施されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
接触ステップは略6秒から略30秒の間で実施されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
接触ステップは略10秒から略15秒の間で実施されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項38】
接触ステップは略1kg/cm2から略150kg/cm2の気圧の間で実施されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項39】
接触ステップは略1kg/cm2から略10kg/cm2の気圧の間で実施されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項40】
水素対CF3CCl2CF3のモル比は略1:1から略15:1であることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項41】
水素対CF3CCl2CF3のモル比は略2:1から略10:1であることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項42】
触媒は活性化炭素担体をさらに含んでいることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項43】
Cu−Pd触媒はCuとPdを略8:1から略28:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項44】
Cu−Pd触媒はCuとPdを略9:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項45】
フッ化化合物の製造方法であって、
CF3CH2F、水素、及び少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロ カーボンを含んだ当初混合物を提供するステップと、
前記当初混合物をK,Zr,Ni,Cu,Zn,W,Fe,Mn,Co, Ti,及びPdのうちの1以上を含んだ触媒と接触させ、少なくとも1つの C−3不飽和フルオロカーボンと少なくとも1つのC−3飽和ヒドロフルオ ロカーボンを含んだ生成物混合物を生成するステップと、
を含んでおり、
前記少なくとも1つのC−3飽和ヒドロフルオロカーボンは少なくとも略35%の前記混合物を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項46】
少なくとも1つのC−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンはCF3CFClCF3とCF3CCl2CF3のうちの1つを含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
51.接触ステップは略100℃から略500℃の間で実施されることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項48】
接触ステップは略1kg/cm2から略150kg/cm2の圧力の間で実施されることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項49】
当初混合物は水素対C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略1:1から略20:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項50】
触媒は活性化炭素担体をさらに含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項51】
触媒はCuとPdを含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項52】
触媒はCuとPdを略3:1から略28:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項53】
当初混合物は希釈剤:水素:C−3飽和ハロゲン化フルオロカーボンを略2:0.6:1から略15:5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つのC−3飽和ヒドロフルオロカーボンはCF3CHFCF3,CF3CH2CF3、及びCF3CHClCF3のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1つのC−3不飽和フルオロカーボンはCF3CF=CF2,CF3CH=CF2、及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項56】
フルオロカーボンの製造方法であって、
CF3CHFCF3,CF3CClFCF3,及び水素を含んだ当初混合物を提 供するステップと、
前記当初混合物を触媒と略9秒から略55秒間、略1.0kg/cm2から 略10kg/cm2の圧力で、略220℃から略350℃で接触させ、CF3 CHFCF3とCF3CF=CF2を含んだ生成物混合物を生成するステップを 含んでおり、前記触媒はCu,Pd、及び活性化炭素を含んでおり、Cu対 Pdは略9:1の重量比であることを特徴とする製造方法。
【請求項57】
当初混合物は水素対CF3CClFCF3を略1:1から略20:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
当初混合物は希釈剤:水素:CF3CClFCF3を略2:0.6:1から略15:2.5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
生成物混合物は少なくとも35%のCF3CHFCF3を含んでいることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
フッ化化合物の製造方法であって、
CF3CHFCF3、水素、及び少なくとも1つの飽和フルオロカーボンを含 んだ当初混合物を提供するステップと、
当初混合物を触媒と接触させ、少なくとも1つの飽和ヒドロフルオロカーボ ンと少なくとも1つの不飽和フルオロカーボンを含んだ生成物混合物を生成 するステップと、
を含んでおり、
前記接触ステップは略3kg/cm2から略8kg/cm2の圧力で実施されることを特徴とする製造方法。
【請求項61】
少なくとも1つの飽和フルオロカーボンはCF3CFClCF3を含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
少なくとも1つの飽和フルオロカーボンはCF3CCl2CF3を含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項63】
接触ステップは略100℃から略500℃の間で実施されることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項64】
接触ステップは略4秒から略75秒の間で実施されることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項65】
当初混合物は水素対飽和フルオロカーボンを略1:1から略20:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項66】
触媒は活性化炭素担体を含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項67】
触媒はCuとPdを含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項68】
触媒はCuとPdを略3:1から略28:1の重量比で含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項69】
当初混合物はヘリウムをさらに含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項70】
当初混合物は希釈剤:水素:飽和フルオロカーボンを略2:0.6:1から略15:5:1のモル比で含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項71】
生成物混合物は少なくとも略35%の飽和ヒドロフルオロカーボンを含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項72】
生成物混合物はCF3CHFCF3とCF3CF=CF2を含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項73】
生成物混合物はCF3CH2CF3,CF3CHClCF3,CF3CH=CF2、及びCF3CCl=CF2のうちの1以上を含んでいることを特徴とする請求項60記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−502274(P2007−502274A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523209(P2006−523209)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/023917
【国際公開番号】WO2005/019142
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(502295559)グレート・レイクス・ケミカル・コーポレイション (9)
【氏名又は名称原語表記】GREAT LAKES CHEMICAL CORPORATION
【Fターム(参考)】