説明

フルート状コアを有するセラミックマトリクス複合材構造体およびその製造方法

【課題】比較的軽量であってもなお自己支持性であり、かつ荷重を負担することができる十分な構造的強度を持ったセラミックマトリクス複合材構造体を提供する。
【解決手段】セラミックマトリクス複合材構造体10は、セラミックマトリクス複合材から形成される荷重負担フルート状コア16を含む。フルート状コア16は一対のセラミックマトリクス複合材表面板12,14の間にラミネートされた複数の嵌め合わされたフルート部材18を含む。フルート部材18は、セラミック樹脂をマンドレルの周りに巻きつけ、フルート部材を硬化させ、次にマンドレルを除去することによって作製される。構造体は、構造体をマウントするための固定具を受け入れるために表面板が一緒に直接ラミネートされている補強領域を含んでもよい。構造体は平坦部と湾曲部との両方を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
技術分野
この開示は、一般にセラミックマトリクス複合材構造体に関し、より具体的には荷重を負担するフルート状コアを有するサンドイッチ構造体、およびその構造体を製造する方法を扱う。
【0002】
背景技術
セラミックマトリクス複合材(CMC)構造体は、比較的高い動作温度に耐えるそれらの能力により、しばしば、航空宇宙およびその他の用途に使用される。例えば、CMC構造体は、航空用途における高温の排ガスにさらされる構造部品を作製するために使用することができる。種々のCMCが、モノコック構造、またはタイルおよび/または発泡体サンドイッチ構造の組合せを用いる構造を作製するために用いられてきたが、これらのいずれのタイプの構造も荷重を負担するには好適ではないかもしれない。CMCモノコックの場合には、材料は、当該構造が荷重を負担するために、比較的厚くなければならないが、さらなる材料の厚さは、航空機に重さを加えることとなる。CMCタイル/発泡体サンドイッチ材料は、それらの比較的弱いコア材料故に、荷重負担用途においては、広く使用されていたわけではない。
【0003】
したがって、比較的軽量であってもなお、自己支持性であり、かつ荷重を負担することができる十分な構造的強度を持ったCMC構造体の需要が存在する。曲率を持つものを含む種々の形状に成形することができるCMC構造体を提供することも望ましい。さらに、簡単で、費用対効果のある、これらCMC構造体を作製する方法を提供することも望ましいであろう。本開示の実施態様は、これらの需要を満足させることを意図している。
【0004】
概要
本開示の態様は、湾曲した表面を含む種々の形状および構造体を固定具を使ってマウントさせることを可能とする、補強特性を持った構造体の作製を可能にするCMCサンドイッチ構造体を提供する。開示された態様は、構造体を強化し、かつ荷重を負担させることができる、CMCで形成されたフルート状コア(fluted core)を組入れたCMCサンドイッチを用いる。CMCフルート状コア構造体は、商業的に入手可能な材料、および多様な部品、コンポーネントおよびアセンブリ、特に航空機産業で利用されるものを製造するためのよく知られたポリマーレイアップ技術を用いて作製することができる。
【0005】
1つの開示された態様によれば、一対の相隔たるCMC表面板と、表面板の少なくとも一部の間にある荷重負担コアとを含み、コアがCMCフルート部材(flute member)を含むセラミックマトリクス複合材構造体が提供される。フルート部材は、任意の種々の高温材料で充填されてもされなくてもよい、閉じたセルを形成することができる。フルート部材は、二等辺台形形状、または他の幾何学形状の壁断面を持つセラミックマトリクス複合材料形成することができる。フルート部材は、CMC表面板の間に隣り合って嵌め合わされた関係で配置される。
【0006】
他の実施態様によれば、一対の相隔たるCMC表面板と、表面板の間で圧力および剪断荷重を伝えるための表面板の少なくとも一部の間にある、複数のCMCフルートとを含むCMCサンドイッチが提供される。表面板は平坦部分と湾曲部分との両方を持ち得て、フルートは表面板の曲率に適合する壁を含むことができる。表面板の一部は、マウント用固定具により貫かれるのに好適な補強構造領域を与えるために、一緒に直接ラミネートすることができる。
【0007】
この開示の方法の態様によれば、CMC構造体は、CMCを用いて複数のフルートを形成する工程と、一対のCMC表面板の間にフルートを配置する工程と、フルートを表面板に結合させる工程とを含む方法によって作製することができる。フルートは、セラミックマトリクスのプリプレグ布帛をツール上に巻きつけ、次にプリプレグを硬化させることによって形成することができる。
【0008】
他の方法態様によれば、航空宇宙構造体に使用するためのCMCサンドイッチは、CMC材料を使用して荷重負担構造体コアを形成する工程と、一対のCMC表面板の間にコアを配置する工程と、表面板をコアとともに融着させる工程とを含む方法によって作製することができる。コアは、複数のフルートを作製し、フルートを嵌め合わせて隣合った関係に配置し、次に表面板の間でフルートをラミネートすることによって形成することができる。
【0009】
セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、一対の相隔たるセラミックマトリクス複合材表面板と、前記表面板の間で圧縮および剪断荷重を伝えるための、前記表面板の少なくとも一部の間にある複数のセラミックマトリクス複合材フルートとを含むサンドイッチ。
【0010】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記フルートの各々が断面で実質的に二等辺台形を形成する四つの壁を含むサンドイッチ。
【0011】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記表面板が平坦部と湾曲部とを含み、前記フルートが表面板の曲率に適合する壁を含むサンドイッチ。
【0012】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記フルートが剛直なセラミック発泡体で充填されているサンドイッチ。
【0013】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記表面板の一部が一緒にラミネートされているサンドイッチ。
【0014】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記表面板の一部の間に結合された中実セラミックコアをさらに含むサンドイッチ。
【0015】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記フルートの各々が、それぞれ前記表面板に結合した相隔たる壁の第1の対と、前記表面板の間で前記壁の第1の対と接続された相隔たる壁の第2の部分とを含むサンドイッチ。
【0016】
前記セラミックマトリクス複合材サンドイッチであって、前記フルートが互いに嵌め合わされ、かつそれらの間に空隙を含み、コアがさらに前記第1および第2の複合材シート間の空隙を充填する発泡体断熱材を含むサンドイッチ。
【0017】
セラミックマトリクス複合材構造体を作製する方法であって、
(A)セラミックマトリクス複合材を用いて複数のフルートを形成する工程と、
(B)工程(A)で形成された前記フルートを、一対のセラミックマトリクス複合材表面板の間に配置する工程と、
(C)前記フルートを前記表面板に結合する工程と
を含む方法。
【0018】
(D)前記構造体を組込んだ航空機アセンブリを設計する工程
をさらに含む前記方法。
【0019】
(D)前記構造体を作製するために使用される材料を調達する
工程をさらに含む前記方法。
【0020】
セラミックマトリクス複合材構造体を作製する前記方法であって、前記構造体を作製することが、航空機アセンブリの製造のための操作の一部を構成する方法。
【0021】
前記セラミックマトリクス複合材構造体を作製する方法により作製された構造体を用いた航空機アセンブリ。
【0022】
航空宇宙構造体に使用するためのセラミックマトリクス複合材サンドイッチを作製する方法であって、
(A)セラミックマトリクス複合材を用いて耐荷重性構造コアを形成する工程と、
(B)前記コアを一対のセラミックマトリクス複合材表面板の間に配置する工程と、
(C)前記表面板を前記コアとともに融着させる工程と
を含む。
【0023】
前記方法であって、工程(A)が、
複数のフルートを作製する工程と、
前記フルートを隣合った関係で配置する工程と
を含む方法。
【0024】
航空宇宙構造体に使用するためのセラミックマトリクス複合材サンドイッチを作製する前記方法であって、前記フルートが、
セラミックマトリクスプリプレグをツール上に巻きつけ、前記プリプレグを硬化させる
ことによって作製される方法。
【0025】
航空宇宙構造体に使用するためのセラミックマトリクス複合材サンドイッチを作製する前記方法であって、工程(A)が、フィラーを前記表面板と前記コアとの間の空隙に配置する工程を含む方法。
【0026】
航空宇宙構造体に使用するためのセラミックマトリクス複合材サンドイッチを作製する前記方法であって、工程(C)が、前記コアと前記表面板とを共に硬化させることによって実施される。
【0027】
開示された実施態様のその他の特徴、利益および利点は、添付の図面および添付の請求項にしたがって考察するとき、以下の態様の記載から明らかとなるであろう。
【0028】
詳細な記述
まず、図1および2を参照すると、CMC構造体10は、一対の外側のCMC表面板12、14の間にサンドイッチされた、内側の荷重負担コア16を含む材料のサンドイッチから形成される。図示した例において、表面板12、14は平坦で、かつ互いに実質的に平行に延びる。しかしながら、以下で示すように、限定されないが、平行でない曲線、および曲線と直線との組合せを含むその他の形状が可能である。
【0029】
表面板12、14それぞれは、マトリクス材料を含浸させたセラミックファイバー材料すなわち「プリプレグ」の複数の層またはプライを含むことができる。ここで用いる用語「セラミック」は、繊維形状に作製された、従来知られており、かつ商業的に入手可能なセラミック材料のことを言う。セラミックファイバーは、限定されないが、シリコンカーバイド、シリカ、TYRANNO(登録商標)、アルミナ、ホウケイ酸アルミニウム、窒化ケイ素、ホウ化ケイ素、シリコンボロナイトライド、および類似の材料を含み得る。
【0030】
荷重負担コア16は、表面板12、14の間で圧縮、引張りおよび剪断負荷を伝えるように機能し得て、CMC構造体10を自己支持性であり耐荷重性でもあるようにさせる。CMC構造体10中の全ての複合材料がセラミックベースなので、CMC構造体10は高温での用途に特に好適である。コア16は、表面板12,14の間に嵌め合わされた、隣り合った関係で結合された複数の細長いフルート部材18を含む。フルート部材18は中空であってもよく、または、限定されないが、剛直なセラミックタイルまたは発泡体、セラミックフェルト、その他のセラミックファイバー断熱材(軟性または硬性)、モノリシックなセラミック等の種々のセラミックのいずれの材料充填されてもよい。
【0031】
フルート部材18を充填する際に用いて好適な、1つの剛直な発泡体は、2002年4月6日に発行され、ボウイング社に譲渡された米国特許6,716,782に開示されている。この先行特許に記載された剛直な発泡体断熱材は、低い熱伝導性を持った低密度の高多孔性材料を形成するために一緒に焼結されたセラミックファイバーの組合せである。この発泡体は、高い引張り強さおよび良好な寸法安定性を示す。ここで用いる「高温」材料は、一般に、当該温度を超えるとポリマー材料が減少した能力を示すところの温度を言うことが意図されている。
【0032】
図1および2に示した特定の実施態様において、フルート部材18は、断面で等脚台形を形成する壁18a、18bを含むが、例えば、限定されないが、長方形、三角形、正方形、および任意の種々の台形形状を含むその他の形状が可能である。フルート部材18のサイズおよび形状はCMC構造体の一方の端から他方の端まで変わってもよい。フルート部材は、用途および荷重の要求に依存して、CMC構造体10の長さおよび/または幅の方向に延びることができる。
【0033】
壁18a、18bは、表面板12,14の間に荷重パスを与えるブリッジング要素を形成する。図2に最もよく示されているように、フルート部材18の一対の壁18aは、互いに平行に延び、それぞれ表面板12,14と結合される。他方の対の壁18bは、反対の方向に傾斜し、表面板12,14に対して横断的に延び、表面板12,14の間で剪断力成分および圧縮力成分の両方を伝える。
【0034】
隣接したフルート部材18の壁18bは、面と面を接触させて互いに結合させることができる。隣接したフルート部材18と表面板12,14との交差部は空隙を形成する。空隙は、空隙の断面形状に適合する断面形状を持つ細長い「ヌードル」形状のフィラー20によって充填されてもよい。図示した例において、空隙、ヌードルフィラー20は断面三角形である。ヌードルフィラー20は、CMCプリプレグ、テープ、トウ、またはフィラメントを用いて作られ、表面板12,14の間で荷重をより均一に分布させかつ伝えるように機能し得る。
【0035】
ここで図3-6を参照すると、代替的な態様のCMC構造体10aは第1および第2のCMC表面板12a、14aを含む。CMC構造体10aの1つのセクション15は、先述したセラミック発泡体のような、適当な低密度の高温剛直発泡体で充填されてもされなくともよい、キャビティ20aを持つフルート部材18aによって規定されるフルート構造コアを含む。図1および2に示すCMC構造体と異なり、CMC構造体10aのセクション15は湾曲している。したがって、フルート部材18aは、表面板12a、14aの曲率に適合してわずかに湾曲してもよい頂部壁および底部壁18cを持つ(図5)。構造体12aの一方の端において、表面板12a、14aは24で内向きにテーパー付け(ランプダウンとも呼ばれる)されてもよく、一緒に直接ラミネートされてCMC構造体10aの中実セクションを形成してもよい。中実セラミック挿入物26のようなセラミック構造部材は、構造体10aの中実セクション22において表面板12a、14aの間でサンドイッチされて、さらなる強度および剛性を与えることができる。中実セクション22は、構造体10aに取り付けるために、固定具(図示せず)が構造体10aの部品を貫くことが可能な十分な強度および剛性を持った補強領域を与える。
【0036】
複数の平坦または湾曲した構造体10、10aは、例えば、表面板12a、14aが24でテーパ付けされ、隣接した構造体10,10aの一部を形成する中実オス型突起27を受け入れるメス型ソケット25を形成しているところの図4に示すバヨネット状相互接続を用いて互いに結合させるか、または相互接続することができる。
【0037】
構造体10、10aを作製する方法を図7に示す。工程30で始めて、マンドレルツール(図示せず)の周囲か、または上に1つ以上のCMCプリプレグまたはテープのプライ巻きつけることによってフルート部材18が形成される。ツールは、限定されないが、固体金属、永久ツール、または堅牢でも堅牢でなくともよいが、形成されるフルート部材18の形状を保持する剛直な発泡体部材を含んでもよい。マンドレル成形型は、セラミックタイル、セラミック発泡体または有機的に硬化されたセラミックバット(batting)のようなその他の材料から形成されてもよい。
【0038】
次に工程32にて、巻きつけられたフルート部材18を隣り合った関係で嵌め合わせることによって一緒にアセンブルし、その後、工程34にて通常の高められた温度および圧力において、アセンブルされたフルート部材18を硬化させる。工程36にて、プリプレグヌードルフィラー20を、隣接したフルート部材18の間にある空隙に導入する。
【0039】
工程38にて、表面板12,14をアセンブルされたフルート部材18の両側に適用し、次に、例えばサンドイッチアセンブリをオートクレーブ(図示せず)の中に置くことを含み得る通常の方法で、得られたサンドイッチアセンブリを硬化する。表面板12,14は、織布プリプレグのレイアップ、テープ/トウの配置またはフィラメントワインディングを用いて形成することができる。
【0040】
40での硬化工程の後に、マンドレルが永久ツールを含んでいる場合、42にてマンドレルを取り外す。さもなければ堅牢でない発泡体マンドレルはその場に残され、サンドイッチアセンブリ全体が工程44に示すように高められた温度で後硬化される。マンドレルツールとして使用される剛直な発泡体のタイプに依存して、後硬化工程44の間の高められた温度はマンドレルツールを焼却するのに十分なものであり得る。その後に、サーモグラフィまたはCTスキャンのような非破壊検査技術を工程46(図7参照)で用いて、表面板12,14が層剥離を含んでいないこと、およびフルート部材18間に良好な接着性が得られていることを確認することができる。
【0041】
湾曲部を持つCMC構造体10aを作製しようとする場合、表面板12a、14aを所望の形状に形成するために適切なレイアップツール(図示せず)が提供されるであろう。フルート部材18は、柔軟な、有機質の堅牢でない発泡体マンドレル(図示せず)で充填されてもよいので、フルート部材18は表面板12a、14aの湾曲形状に従う。堅牢でない発泡体マンドレルは、CMCの後硬化工程44の間に洗い流されるか、または熱分解されるかのいずれかであろう。
【0042】
先述した開示の態様は、図8に示すような航空機の製造およびサービス方法50、および図9に示すような航空機80の文脈で記述することができる。製造前の間、典型的な方法50は、航空機80の仕様および設計52、並びに材料調達54を含むことができる。製造の間、部品およびザブアセンブリの製造56ならびに航空機76のシステム統合58が実行される。その後、航空機80は検定を受け、配達60され、サービス62に供されるであろう。顧客によるサービスにおいて、航空機80は日常点検およびサービス64が予定される(変更、再構築、改造などを含む)。
【0043】
方法50の各々のプロセスは、システム統合者、第三者、および/またはオペレーター(例えば顧客)によって行われるか、または実施されてもよい。この記載の目的のために、システム統合者は、限定されないが、任意の数の航空機製造者および主要システム下請人を含んでもよい。第三者は、限定されないが、任意の数の納入業者、下請人、および供給者を含んでもよい。オペレーターは、航空会社、リース会社、軍本体、サービス機関などを含んでもよい。
【0044】
図9に示すように、典型的な方法76によって製造される航空機80は、複数のシステム68および内装70を具備した機体92を含むことができる。高水準のシステム68の例は、1つ以上の推進システム72、電気システム74、液圧システム76、および環境システム78を含む。任意の数の、その他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているとはいえ、本発明の原理は例えば自動車産業のような他の産業に適用されてもよい。
【0045】
製造およびサービス方法50の、任意の、1つ以上の工程の間、ここで具体化された装置および方法が用いられてもよい。例えば、製造方法56に対応した部品またはサブアセンブリは、航空機80がサービスに供されている間に、製造された部品またはサブアセンブリと同様の方法で作製または製造されてもよい。また、1つ以上の装置の態様、方法の態様、またはそれらの組合せは、製造工程56および58の間に、例えば実質的に航空機80のアセンブルの促進または製造コストの削減に利用されてもよい。同様に、1つ以上の装置の態様、方法の態様、またはそれらの組合せは、航空機80がサービスに供されている一方で、例えば(限定されないが)、保守およびサービス64に利用されてもよい。
【0046】
この開示の態様が或る典型的な態様に関して記載されているが、具体的な態様は例示の目的のためであり、限定するものではなく、その他の変形例が当業者によってなされるであろうことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、1つの態様によるCMCサンドイッチの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したサンドイッチの一部の拡大断面図である。
【図3】図3は、湾曲部と平坦部との両方を組入れたCMC構造体の、その他の態様の一部を示す透視図である。
【図4】図4は、図3に示したCMC構造体の断面図である。
【図5】図5は、図4において「A」と記した領域の断面図である。
【図6】図6は、図4において「B」と記した領域の断面図である。
【図7】図7は、CMC構造体を作製するための工程を示す簡単なブロック図である。
【図8】図8は、航空機の製造およびサービス方法の流れ図である。
【図9】図9は、航空機のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の相隔たるセラミックマトリクス複合材表面板と、
前記表面板の少なくとも一部の間にある荷重負担コアと
を含み、前記荷重負担コアはセラミックマトリクス複合材フルートを含む、セラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項2】
前記フルートの少なくとも一部が、セラミック発泡体で充填された、閉じたセルを含む請求項1のセラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項3】
前記セルが、セラミックファイバー補強樹脂の、圧縮された複数のプライで規定された連続壁を含む、請求項2のセラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項4】
前記表面板の各々が、セラミックファイバー補強樹脂の、圧縮された複数のプライを含む、請求項1のセラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項5】
前記フルートは隣り合った関係で配置され、かつそれらの間に空隙を規定し、
前記コアは、前記空隙を充填するフィラーストリップをさらに含む
請求項1のセラミックマトリクス複合構造体。
【請求項6】
前記表面板の各々の少なくとも一部が湾曲しており、
前記フルートが前記表面板部分の曲率に適合する
請求項1のセラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項7】
前記表面板の他の部分の間に中実構造コアをさらに含む、請求項1のセラミックマトリクス複合構造体。
【請求項8】
前記フルートの各々が、実質的に二等辺台形を形成する断面形状を持つ、請求項1のセラミックマトリクス複合材構造体。
【請求項9】
(A)セラミックマトリクス複合材を用いて複数のフルートを形成する工程と、
(B)工程(A)で形成した前記フルートを、一対のセラミックマトリクス複合材表面板の間に配置する工程と、
(C)前記フルートを前記表面板に結合する工程と
を含むセラミックマトリクス複合材構造体を作製する方法。
【請求項10】
工程(A)が、
セラミックマトリクスプリプレグ布帛をツール上に巻きつけ、前記プリプレグを硬化させることを含む請求項9の方法。
【請求項11】
工程(A)が、
剛直な発泡体をマンドレルに成形することによって、前記ツールを形成することをさらに含む、請求項10の方法。
【請求項12】
工程(A)が、前記プリプレグを硬化させた後に前記発泡体を焼却することをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項13】
工程(A)が、
前記フルートを隣り合って嵌め合わせた関係に配置し、
前記配置されたフルートを硬化させる
ことを含む請求項9の方法。
【請求項14】
隣接したフルートと前記表面板との間の空隙にフィラーを導入する工程をさらに含む請求項13の方法。
【請求項15】
(D)前記表面板の一部を一緒にラミネートする工程
をさらに含む請求項9の方法。
【請求項16】
(D)前記表面板の一部の間に中実セラミックコアを配置する工程と、
(E)前記表面板の一部を前記セラミックコアに結合する工程と
をさらに含む請求項9の方法。
【請求項17】
工程(C)が、前記表面板とフルートとを共に硬化させることによって実施される、請求項9の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−113470(P2009−113470A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−170617(P2008−170617)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】