説明

フレキシブルパイプ用の継手装置

【課題】フレキシブルパイプ用の継手の外側カラー部材を備える装置を提供する。
【解決手段】外側カラー本体、およびこの外側カラー本体から離れる方向に延びる外側カラーネックを備え、外側カラーネックは、フレキシブルパイプ本体の層間の差込み位置で、フレキシブルパイプ本体の一部に固定するようになっており、この差込み位置は、フレキシブルパイプ本体の外側シースとフレキシブルパイプ本体の少なくとも1つの防護層との間に位置しており、外側カラー本体は、フレキシブルパイプ本体を継手内に取り付ける際に、フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、湾曲内面に支持される防護層のワイヤの曲率半径を決める湾曲内面を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルパイプの継手を設けるための装置および方法に関する。詳細には、限定するものではないが、本発明は、フレキシブルパイプの内側カラー、および/または外側カラーに関する。内側カラーおよび外側カラーの少なくとも一方は、フレキシブルパイプ本体を継手内に取り付ける際に、フレキシブルパイプの防護層のワイヤの曲率半径を定める成形面を備えている。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルパイプは、油および/またはガス、および/または水などの産業用流体を、ある場所から別の場所に輸送するために用いられている。フレキシブルパイプは、海中のある位置と、海水面のある位置とをつなぐ際に、特に有用である。フレキシブルパイプは、一般に、フレキシブルパイプ本体の一部と、1個または複数の継手からなるアセンブリとして形成されている。このパイプ本体は、通常は、耐圧導管を形成する複数の層状体として形成されている。このパイプ構造により、耐用年数に亘って、パイプの機能を低下させる曲げ応力を生じさせることなく、大きく曲げることができる。パイプ本体は、一般に、金属層およびポリマー層を含む複合構造として形成されている。
【0003】
フレキシブルパイプの継手は、フレキシブルパイプのセグメント同士を互いに接続するため、または海中の剛体構造物、またはフローティング施設などの末端装置に、フレキシブルパイプのセグメントを接続するために用いることができる。またフレキシブルパイプは、このような使用例の他に、特に、海中フローラインから、フローティング構造物に流体を輸送するためのライザーアセンブリを形成するために用いられている。このようなライザーアセンブリでは、フレキシブルパイプの第1のセグメントを、フレキシブルパイプにおける1または複数の他のセグメントに接続することができる。フレキシブルパイプの各セグメントは、少なくとも1つの継手を有する。
【0004】
フレキシブルパイプ本体の端部に継手を取り付けることに関連して、様々な問題が存在することは周知である。この継手は、良好な締付けと、良好な密閉との両方の役目を、確実に果たさなければならない。多層フレキシブルパイプ本体の様々な特定の層を終端させる際に、大きな問題が生じる。
【0005】
フレキシブルパイプ本体は、単一ポリマー層、および/または編組み金属層などの全く異なる材料特性を有する層を備えていることがある。継手内で、これらの各層を終端させると、これに伴って、特有の問題が生じる。例えば、フレキシブルパイプ本体は、通常は、ポリマーシース、または圧力シースとして概ね形成されている障壁層を備えている。このような層は、第1の液体支持層として機能する。輸送される流体の圧力によって生じる高圧下で、このような障壁層、または全ての下層が破裂するのを防止するために、編組みワイヤ層を、障壁層の外側に配置することが多い。
【0006】
複数のワイヤの層から形成された防護層を、引張り荷重、および内部圧力を保持するために設けることもある。圧力防護層が、その全長に沿って設けられていない場合には、障壁層または他の下層の一部が、圧力で破裂して、終端部を破壊する可能性がある。
【0007】
1または複数の防護層のワイヤを、継手内で終端させる場合には、防護ワイヤを、フレキシブルパイプの長手方向軸から離れる方向に曲げ、ワイヤを、選択した長さに切断して、ワイヤの端部を定位置に配置し、かつエポキシ樹脂などのある種の定着剤を用いて、所定の位置にワイヤの端部を固定するのが通例である。防護ワイヤをフレキシブルパイプの中心から離れる方向に曲げる場合、ワイヤの曲率半径が小さ過ぎたり、また、この曲率半径を、所定のパラメータの範囲内で制御できないという問題があることが分かった。ワイヤが過度に伸ばされると、フレキシブルパイプの耐用年数が来る前に、障害が起こる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点を少なくとも部分的に解消することにある。
【0009】
本発明の目的は、フレキシブルパイプ用の継手を用意するための装置および方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、内側カラー部材、および外側カラー部材の少なくとも一方が、フレキシブルパイプ本体の1または複数の防護ワイヤ層のワイヤを支持することにより、これらのワイヤの曲げる位置における曲率半径を、許容されるパラメータの範囲内に維持する、フレキシブルパイプ用の継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によると、フレキシブルパイプ用の継手の外側カラー部材を備える装置が提供される。
この装置は、
外側カラー本体と、
フレキシブルパイプ本体の層間の差込み位置で、このフレキシブルパイプ本体の一部に固定されるようになっており、かつ外側カラー本体から離れる方向に延びる外側カラーネックとを備えており、差込み位置は、フレキシブルパイプ本体の外側シースとこのフレキシブルパイプ本体の少なくとも1つの防護層との間にある。
外側カラー本体は、フレキシブルパイプ本体を継手内に取り付ける際に、フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、内面に設けられている防護層のワイヤの曲率半径を決める内面を備えている。
【0012】
本発明の第2の態様によると、フレキシブルパイプ用の継手の内側カラー部材を備える装置が提供される。
この装置は、
内側カラー本体と、
この内側カラー本体から離れる方向に延びた内側カラーネックを備えている。
内側カラーネックの端部は、フレキシブルパイプ本体の一部の防護層のワイヤの曲率半径を決める外面を備えており、ワイヤは、フレキシブルパイプ本体を継手内に取り付ける際に、フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、外面によって支持される。
【0013】
本発明の第3の態様によると、フレキシブルパイプの継手内に防護層のワイヤを固定する装置が提供される。
この装置は、
フレキシブルパイプ本体の一部である継手の内側カラー部材と、
このフレキシブルパイプ本体の一部に用いる外側カラー部材とを備えている。内側カラー部材および外側カラー部材は、それぞれ、フレキシブルパイプ本体が継手内に取り付けられる際に、フレキシブルパイプ本体の防護層のワイヤが、フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、支持面によって支持される時に、ワイヤの曲率半径を決めるワイヤ支持面を備えている。
【0014】
本発明の第4の態様によると、継手内にフレキシブルパイプ本体の一部の防護層のワイヤを固定する方法が提供される。
この方法は、
防護層のワイヤを所定の位置でフレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げる工程と、
継手の内側カラー部材および/または外側カラー部材の少なくとも一方の支持面によってワイヤを所定の位置で支持する工程とを含んでいる。この支持面は、この支持面によって支持されるワイヤの曲率半径が、所定の最小曲率半径よりも小さくはならないような形状を有する。
【0015】
本発明によると、終端させる工程の際に、1または複数の防護ワイヤ層のワイヤを、フレキシブルパイプ本体の中心部から曲げる時に、これらのワイヤを支持するために、フレキシブルパイプ本体の端部を継手内で終端させる際に利用する湾曲面、および線形面などの成形面を備える内側カラー部材、および/または外側カラー部材が提供される。所定の形状/曲率半径に従った湾曲面を形成することにより、またフレキシブルパイプ本体の軸に対して所定の角度を成す線形面を用いることによって、防護ワイヤ層の曲げられるワイヤの少なくとも最小曲率半径を維持し、かつ/またはワイヤの湾曲を制御して、ワイヤの湾曲が所定の仕様パラメータの範囲内に維持され、ワイヤの湾曲が継手内の所望の位置で行われるようにすることができる。
【0016】
次に、添付の図面を参照ながら、単なる例としての本発明の実施形態を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
各図面において、同じ符号は、同様の構成要素を示す。
【0018】
本明細書では、フレキシブルパイプについて述べる。フレキシブルパイプは、パイプ本体と1または複数の継手のアセンブリであり、フレキシブルパイプ本体の各端部には、継手が接続されている。図1は、フレキシブルパイプ本体100が、耐圧導管を形成する複数の層状材料から、どのように形成されているかを示している。図1では、多数の層を示してあるが、本発明は、2層以上の複合パイプ本体にも、広く適用できるものである。
【0019】
図1に示すように、フレキシブルパイプ本体は、内側骨組層101を備えている。この骨組層は、パイプの減圧、外圧、防護層の引張り圧力、および機械的押し潰し荷重による内圧シース102の潰れを、完全または部分的に防止するための最内層となりうる編組み金属構造体である。
【0020】
内圧シース102は、内部の流体を保全するポリマー層を備えている。この保全層は、多数の副層を備えていても良い。
【0021】
圧力防護層103は、内圧、外圧、および機械的な押し潰し荷重に対するフレキシブルパイプの耐性を向上させる、ほぼ90度の巻き角度を有する層である。また、この層は、内圧シースを構造的に支持し、通常は、編組み金属構造からなっている。
【0022】
フレキシブルパイプ本体は、1または複数の層からなるテープ104、第1の伸張性防護層105、および第2の伸張性防護層106も備えている。各伸張性防護層は、通常は巻き角度が20度〜55度の層である。各層は、引張り荷重および内圧を保持するために役立っている。伸張性防護層は、通常は、互いに反対方向の対として巻かれている。
【0023】
また、フレキシブルパイプ本体は、通常は、断熱層107および外側シース108を備えている。外側シース108は、海水および他の外部環境の浸入、腐食、摩耗、および機械損傷からフレキシブルパイプ本体を保護するためのポリマー層を備えている。
【0024】
各フレキシブルパイプは、少なくとも一端に継手が接続されたフレキシブルパイプ本体100のセグメントを有する。この継手は、フレキシブルパイプ本体とコネクタとの間の移行部を形成する機械的装置となっている。例えば、図1に示すように、様々なフレキシブルパイプの層は、フレキシブルパイプとコネクタとの間で荷重を伝達するように、継手内で終端している。
【0025】
図2は、油および/またはガス、および/または水などの産業用流体を、海中位置201からフローティング施設202に輸送するのに適したライザーアセンブリ200を例示している。例えば、図2では、海中位置201は、海中のフローラインである。フレキシブルフローライン203は、全体または一部が、海底204に配設されるか、または海底下に埋設されて、不動的な用途に用いられるフレキシブルパイプを含んでいる。
【0026】
フローティング施設は、プラットフォームおよび/またはブイ、または図2に例示するように、船舶に設置することができる。ライザーアセンブリ200は、フレキシブルライザー、すなわち船舶と海底設備をつなぐフレキシブルパイプとして設けられている。フレキシブルパイプは、フレキシブルパイプ本体の2つのセグメント2051、2052、およびこれらのセグメント間に設けられた接合体206を有する。
【0027】
当業者には周知のように、様々なタイプのライザーが存在する。本発明の実施形態は、自由に吊られたライザー(フリーライザー、カテナリーライザー)、ある程度拘束されたライザー(ブイ、チェーン)、完全に拘束されたライザー、またはチューブ(I型チューブまたはJ型チューブ)内に密閉されたライザーなどのあらゆるタイプのライザーに用いることができる。また、本発明の実施形態は、例えば、一端または両端に継手が装着されて終端している1本の長いパイプ本体を有する単一ライザー、または複数のセグメントを有する多セグメントライザーに用いることができる。
【0028】
また本発明の実施形態は、ライザーの形成に利用することができるが、フレキシブルパイプ本体の一部の端部を終端させるために継手を用いなければならないあらゆる場合に利用することもできる。
【0029】
図3は、フレキシブルパイプ用の継手300を例示している。この継手300は、全長に亘って内腔302が延びる継手本体301を有している。継手本体301は、鋼または他の同様の硬質材料から形成されている。継手本体301は、一端部が、フレキシブルパイプ本体100のセグメントの端部に配置されている開口部303を有している。継手本体301の他端部は、コネクタ304となっている。
【0030】
コネクタ304は、継手本体における実質的に円板状のフレア部分として形成されている。コネクタ304は、フレキシブルパイプの近接セグメントの別の継手本体対応するコネクタに直接接続することができる。この接続は、ボルトまたは他の固定具を用いて行うことができる。このような構造では、継手は、背中合わせで配置される。それに代わり、コネクタ304を、フレキシブルパイプを固定する船舶、プラットフォーム、または他の構造物の一部などのフローティング構造物、または固定構造物に接続することができる。
【0031】
図4は、継手本体301を詳細に示している。開口部303は、継手本体における開口したリム400により形成されている。このリムは、フレキシブルパイプ本体を挿入できる円形の開口部を有している。内面401には、フレキシブルパイプ本体が継手内に配置されると、障壁層密閉リングを受容するために形成された第1の段部(肩)402と、フレキシブルパイプ本体の層端部を密閉するために、別の密閉リングを受容するように構成された別の段部403が設けられている。内面401の残りの部分は、使用中に輸送流体が流れる実質的に平滑な内腔を画定している。
【0032】
継手本体301は、フレキシブルパイプ本体の胴部から外側に延びる締付け部404を備えている。この締付け部404には、フレキシブルパイプ本体を継手内で終端させる工程の際に、継手の別の部品を固定することができる。
【0033】
図4Bは、第三の角度から見た継手本体の端面図である。
【0034】
図3を再び参照すると、内側骨組層101および障壁層102が、特定の位置で切断されて、フレキシブルパイプ本体に端部305が形成されている。密閉リング306が、骨組層および障壁層の端部の密閉を容易にするために、継手本体の段部403の端部に配置されている。
【0035】
図5Aは、内側カラー500を詳細に示している。内側カラー500は、ネック502が延びているカラー本体501から形成されている。内側カラー500には、内面504によって断面が画定されている内腔503が設けられている。カラー本体501とネック502は、一体に形成されているが、別個に形成しても良い。ネック502の端部で、外面505は曲面506になっている。この曲面は、この曲面によって支持される内側伸張性防護層の最小曲率半径を決定する曲率半径を有する。その詳細については、後で説明する。
【0036】
図5Bは、図5Aの右側(第3の角度)から、内側カラーを見た端面図である。内側カラー500は、一体部品であって、取付け/組立工程の際の効率改善に寄与している。内側カラーは、本発明の実施形態に従って、複数の部品としても形成することができることを理解されたい。
【0037】
図6は、フレキシブルパイプ本体の障壁層102の外面と、継手本体301との間を密閉するために用いることができる密閉リング600を示す。このリングは、シリコーン系の弾性部分と金属部分を含む複合構造にすることができる。密閉リング600は、当接面602を備えた実質的に矩形の本体601を備える実質的に環状のリング成形部品である。図3に示すように、当接面602は、内側カラー部材の本体から形成されているリムの一部に当接する。また、密閉リング600は、継手本体の内側係合面に係合するようになっている平滑な外面604を有する楔形部分603も備えている。
【0038】
密閉リングの楔形部分の内面の一部には、小さな突出部605が設けられている。この突出部605は、障壁層の外面に部分的に食い込むことによって、高い密閉性を提供している。しかし、これらの突出部は、極めて小さいため、密閉リングが障壁層に食い込んで密閉結合しても、障壁層の材料に微小割れが生じることはない。
【0039】
詳細は後述するが、継手本体301が、内側カラー部材500に向かって引き寄せられると、継手本体の係合面が、密閉リングの外面604に係合する。これにより、密閉リングは、当接面602が内側カラー本体の表面に当接するまで、図3の左から右へ押される。この当接により、さらなる右への移動が防止される。継手本体301が、さらに左から右に移動すると、密閉リングの楔形部分が変形して、突出部605は、フレキシブルパイプ本体の端部の障壁層102と緊密な密閉構造を形成する。
【0040】
図7は、外側カラー700を示している。外側カラー700は、その第1の端部702でテーパになっている実質的に円筒のネック701を備えている。テーパ端部703は、フレキシブルパイプ本体の選択した層間に外側カラーを差し込むのを容易にする。したがって、テーパにすることにより、外側カラーを選択した層間に押し込むのが容易になる。図3では、外側カラーは、外側シースと外側伸張性防護層106との間に差し込まれている。
【0041】
図3に示すフレキシブルパイプ本体100は、簡潔にするために、図1に示した全ての層は示されていないことを理解されたい。外側カラー700は、一体部品であって、取付け/組立工程の際の効率改善に寄与している。外側カラーは、本発明に従って、幾つかの部品としても形成することができる。
【0042】
また、外側カラー700は、ネックが延びている本体704も備えている。この本体704は、ネックに対して外側に延びている。ネック701の内面705は、概ね円柱状であるが、開口706に向かって外側に広がっている。この内面のフレア部707は、緩やかに曲げることができ、内側カラー部材の湾曲した外面506の曲率と同一の曲率にすると有利である。
【0043】
このように、フレキシブルパイプ本体の伸張性防護層106を、選択位置708で、障壁層から離れる方向に曲げる時に、最も外側の伸張性防護層を湾曲した内面707に対して曲げることができる。したがって、この湾曲面707によって、伸張性防護層の最小曲率半径が決まる。伸張性防護層の残りの部分は、ワイヤが終端している継手の空洞部内に位置している。この空洞部は、後述するように、ワイヤを所定の位置に固定するために、エポキシで充填されている。
【0044】
図3を再び参照すると、継手300は、1または複数のボルト308、または他の同様の固定具によって、継手本体に固定されたケーシング307も備えている。このケーシングは、ハウジングとして機能し、図6に示されているタイプの外側密閉リング309によって、フレキシブルパイプ本体の外側シース108に対して密閉されている。
【0045】
初めに、外側ケーシング307を継手に取り付け、次いで、端板310を、この外側ケーシングに固定する。端板310をハウジングに固定するために、この端板をハウジングに向かって移動させると、この端板により、密閉リング309が、図3の右から左の方向に移動する。したがって、この密閉リングの楔形部分の外面が、ケーシングの内面311に係合し、これにより、密閉リングの楔形部分を外側シース108の外面に密閉結合させる内向きの力が生じる。
【0046】
伸張性防護層106の端部312は、ハウジング307の内面と継手本体301と内側カラー500との間に形成された空洞部313内で終端している。この空洞部313には、エポキシまたは他の流動性封止剤を充填して、端部構造を実質的に固体化することができる。また、固体化することにより、継手の構成要素を所定の位置に固定して、これらの構成要素の動きを防止することもできる。
【0047】
図8は、図3に示す継手300の破断図である。図8に示すように、フレキシブルパイプ本体100のセグメントの端部は、継手300の一方の端部の中に差し込まれている。継手300の他方の端部では、コネクタ304が、剛体構造を提供している。この剛体構造は、近接する継手の対応するコネクタまたはフレキシブルパイプ本体によって形成されたフローラインが固定される他の構造物に、ボルトまたは他の手段で固定することができる。フレキシブルパイプ本体100の端部は、継手内で終端しており、多層フレキシブルパイプ本体の様々な層が、継手の長さ方向の所定の各位置で終端している。フレキシブルパイプ本体、および継手の内腔内を流れる輸送流体の漏れを防止するために、多数のシールが設けられている。
【0048】
次に、本発明の実施形態によるフレキシブルパイプ本体のセグメントを終端させる方法について説明する。フレキシブルパイプ本体100は、継手300内で終端させることになっている。このために、フレキシブルパイプ本体の端部を、所望の長さで切断する。次いで、継手の様々な構成要素を、この時点で、フレキシブルパイプ本体の開口端の上に被せる。これらの構成要素には、ケーシング307、端板(外側カラー)310、および外側密閉リング309が含まれる。
【0049】
次いで、多層フレキシブルパイプを構成する様々な層を、所定の長さに切断する。例えば、外側シース108は、骨組層101および障壁層102よりもかなり短く切断するが、伸張性防護層は、さらに長く切断する。次いで、外側カラー700を、フレキシブルパイプ本体の開口端の所定の位置に差し込む。例えば、外側カラーのネックを、外側シースと最も外側の伸張性防護層との間に差し込むことができる。差し込むと、外側カラーは、径方向内側に働くフレキシブルパイプ本体の層間の圧力によって、所定の位置に維持される。フレキシブルパイプ本体の各層が、外側カラーのネックを締め付けて、このネックを所定の位置に効果的に固定する。
【0050】
次いで、防護層ワイヤ312を、フレキシブルパイプ本体の障壁層に隣接した支持層から、外側に向けて曲げる。この曲げは、選択した位置708で行う。図3に示すように、この位置は、外側カラーの本体部分の内面に形成された湾曲面の位置と一致している。この湾曲面に対して防護層を曲げることによって、曲がり過ぎないように、ワイヤの最小曲率半径を制御することができる。
【0051】
表面の測定や研磨などの様々な密閉面の準備を行ってから、内側カラー500を、外側カラー700に対して相対位置に固定する工程を行うことができる。この固定は、長いボルト314、または同様の他の固定手段を用いて行うことができる。内側カラー500は、単一リング、またはスプリットリング(ボルトで互いに接合)で形成することができ、摩擦結合か、またはエポキシ樹脂接着剤での接着や、通常は長いボルト314を用いる外側カラーに対するボルト締めなどの他の固定手段を用いて、所定の位置に固定することができる。
【0052】
障壁層に対して平行な位置から、離れる方向に防護層を曲げて、内側カラーを所定の位置に固定したら、密閉リング600を、フレキシブルパイプ本体の開口端の周りに配置する。次いで、継手本体301を、内側カラー500の本体の端部に向かって移動させる。継手本体をフレキシブルパイプ本体に対して近づけることにより、内側密閉リング600は流体障壁層に食い込む。
【0053】
この実施形態では、内側カラーは、この食い込ませる工程を行っている時の動きを最小限にするために、十分な力で所定の位置に固定される。こうすることにより、密閉リングを固定する位置、従って他の全ての構成要素の相対位置を制御できるという利点が得られる。
【0054】
継手本体301を所定の位置に配置してから、ボルト313を締め付けて、固定されていない内側カラーを、方向Bに移動させることにより、密閉リングを継手本体に引き寄せることは有利ではない。なぜなら、密閉リングが固定される位置が、他の構成要素に対して固定されていて、他の構成要素に対する内側カラーの位置が、食い込ませる工程の前に固定されていないからである。さらに、内側密閉リングは、初めは方向Bに移動するが、下側のポリマー層に食い込むと、内側密閉リングが固定された状態で、継手本体内301が方向Aに移動して、密閉リング306が押し潰される可能性がある。
【0055】
したがって、継手本体301を、内側カラー500の本体の端部に向かって移動させる。この継手をフレキシブルパイプ本体に向かって移動させる時に、フレキシブルパイプを内側カラーおよび外側カラーによって固定位置に維持することができる。継手本体を、図3の矢印Aの方向に移動させると、肩402の一部として形成された係合面が、密閉リングを押して内側カラーに当接させる。図3に示すように、さらに右から左に移動すると、継手本体の肩が、密閉リングの楔形部分を内側に押して、この楔型部分がフレキシブルパイプ本体の障壁層の外層に緊密に密閉結合する。これにより、密閉が強化される。
【0056】
次いで、継手本体301を、ボルトまたは他の固定手段を用いて内側カラーに固定することができる。次いで、防護ワイヤの自由端312を、この時点で部分的に画定されている空洞部313内の所定の位置に曲げる。この位置は、図3に概ね例示している。内側カラーの本体のリム外面および継手本体の外面が、防護ワイヤを支持することができる。また、防護ワイヤは、ストラップで所定の位置に固定しても良い。次いで、ケーシング307を、ボルト308を用いて、継手本体301の胴部に固定することができる。これにより、空洞部313が形成される。
【0057】
フレキシブルパイプ本体の周りに予め取り付けられた外側密閉リング309を、図3の矢印Bの方向にスライドさせて、ケーシング307の内面と、フレキシブルパイプ本体の外側シース108との間に形成された空間に移動させることができる。次いで、端板310をケーシングにボルトで固定する。この端板は、固定されると、ケーシングに向かって図3の矢印Bの方向に押される。そのため、密閉リング309は、ケーシングの当接面に向かって押され、これにより密閉がなされる。
【0058】
この時点で、継手は、垂直方向に吊り下げられている。次いで、エポキシ、または他の流動性封止剤を、注入ポート(不図示)から注入して、継手の空洞部313を充填することができる。これにより、ワイヤは、所定の位置にさらに強固に固定され、全体的な機械的完全性が改善される。
【0059】
フレキシブルパイプ本体の従来の継手では、防護ワイヤを所定の位置に固定する材料で空洞部313を充填する前の継手の総重量を、密閉リング600を下側の流体障壁層に固着することによって支持することができる。この密閉リングの直接荷重は、継手の取付け工程で密閉リングが移動して、密閉リングの機能の低下の可能性を増大させる恐れがある。しかし、内側カラーがフレキシブルパイプ本体に固定される場合には、荷重が、内側カラーの作動部分と密閉リングの作動部分に分散されるため、空洞部の充填前の継手の操作に関連したリスクが低減される。
【0060】
本発明の一実施形態では、防護ワイヤ層が、外側カラーの湾曲面と内側カラーの湾曲面との間に締め付けられるように、内側カラー500を、ある機構(通常は、長いボルト314)を用いて、十分な力で、外側カラー700に近接させて固定する。これにより、ワイヤが所定の位置に固定される。外側カラーおよび内側カラーのそれぞれが曲面を備えているのではなく、一方のカラーのみが、このような支持面を備えても良いことを理解されたい。さらに、表面の曲線は、直線にしても良いことを理解されたい。
【0061】
本発明の実施形態として、内側カラーおよび/または外側カラーの1つまたは複数の支持面に溝を設けることができる。図9は、本発明の実施形態による内側カラー500の湾曲面506およびネック502を詳細に示している。便宜のために、内側カラー500の一部のみを、図9に示してあることを理解されたい。このカラーは、一体の円筒構造としても良いし、複数の部分に形成しても良い。外側伸張性防護層106の一部を構成しているワイヤは、フレキシブルパイプ本体100に対して大きい巻き角度で巻かれている。
【0062】
各ワイヤは、曲げ領域708の周りの下側障壁層から離れる方向に曲げられる際に、各ガイドスロット900内に配置される。ガイドスロットは、ワイヤの全直径を受容するのに十分な深さを有するのが好ましいが、これよりも浅い深さのガイドスロットでも良い。ガイドスロット900の深さを、ワイヤの直径の半分として、対応する別のスロットを、外側カラーの湾曲面707に設けると有利である。
【0063】
第1の防護層は、フレキシブルパイプ本体に対して、第1の角度で巻かれ、別の伸張性防護層は、異なる方向に巻かれていることを理解されたい。このような場合、別のガイドスロット(不図示)を、別の防護層のワイヤが延びる角度と一致する角度で、内側カラーの湾曲面506に形成することができる。内側カラーおよび/または外側カラーの少なくとも1つの湾曲面に溝スロットを設けることにより、内側カラーの湾曲面と外側カラーの湾曲面を、近接して並置することができる。こうすることにより、フレキシブルパイプの障壁層をできる限り支持するために、内側カラーのネック502を確実にできる限り長く延ばすことが容易になる。
【0064】
事実上、ネック502、外側カラーのネック、および外側カラーの本体が、フレキシブルパイプ本体の部分との間の障壁層を支持して、継手本体とフレキシブルパイプ本体の完全性を維持する。また、こうすることにより、ワイヤを所定の位置に固定することが容易になり、継手のエポキシまたは他の構造体を損傷させる動きを防止することができる。
【0065】
本発明の実施形態によると、フレキシブルパイプの継手が提供され、この継手は、開口部を有する継手本体を備えている。継手本体は、内部で終端させるフレキシブルパイプ本体の一部の端部を受容している。内側カラーが、フレキシブルパイプ本体に固定されており、この内側カラーは、実質的に円柱の内腔を画定している内面を有する細長いネックを備えている。この内腔の直径は、フレキシブルパイプ本体の障壁層の外面の直径とほぼ一致するように決められている。
【0066】
フレキシブルパイプ本体が、この中心内腔内にねじ込まれると、内側カラーのネックの内面が(実際は、本体の一部も)、フレキシブルパイプ本体の障壁層を支持する。これは、支持されていない位置で障壁層内を通る輸送流体の圧力によって生じる障壁層の材料の破裂の防止に役立つ。
【0067】
図10は、本発明の別の実施形態を示している。継手300は、継手本体301を備えており、この継手本体301は、その全長に沿って延びた内腔302を有する。継手本体は、鋼または他の同様の硬質材料から形成されている。継手本体301は、その第1の端部で、開口部303を画定しており、この開口部内に、フレキシブルパイプ本体100一部の端部が配置されて終端される。
【0068】
内側カラー1000は、ネック1003から延びる本体部分1002を有するフランジ本体1001から形成されている。フランジ本体1001は、最小内径を有する継手本体301に近接したフランジ本体1001の部分で段になっている中心内腔を有する。径方向外側に延びた段は、フランジに沿って途中まで延びており、この段の距離は、フレキシブルパイプ本体の圧力防護層の厚さと一致するようになっている。
【0069】
図10に例示する内側カラー1000は、2つの部品からなり、フランジ本体に加えて、このフランジ本体とは別個の環状のテーパリング1004も備えている。リング1004の内径は、フランジ本体のネック1003の内径よりも大きいため、リングとネックとの間に別の段部が形成されている。この段の大きさは、圧力防護層の外側の1または複数の層の厚みに一致するように決められている。このような要領で、終端させる際に、押出し層または金属層などの中間層を受容することができる。
【0070】
リングの端部は、テーパであって、組立の際に、フレキシブルパイプ本体の終端部に沿ってリングをスライドさせる時に、フレキシブルパイプ本体の構成要素を損傷しないように、丸めた実質的に丸いノーズ1005を有する。線形支持面1006は、中心軸に対して所定の角度で、フレキシブルパイプ本体の中心軸から上方に向かってテーパになっている。この中心軸に対する角度により、防護ワイヤを、フレキシブルパイプ本体から離れる方向に曲げる際の防護ワイヤの持ち上げ角度が決まる。
【0071】
図10に示す実施形態は、第1の端部1012がテーパになっている実質的に円筒のネック1011を有する外側カラー1010も備えている。外側カラー1010は、一部を図11に詳細に例示する本体1013も備えている。外側カラー本体1013は、テーパ状ネックから延びており、この外側カラー本体1013は、初めにネックの実質的に円柱の内面1014、続いて線形の支持面1015によって画定され、外側カラーの開口したリム1016内に曲げられた内面を有する。緩やかな湾曲部1017が、外側カラー本体の線形支持面1015と外側カラーのネックの線形の内面と間に画定されている。同様に、緩やかに湾曲部1018が、外側カラー1010の線形支持面1015と開口したリム1016との間に画定されている。
【0072】
各湾曲部1017、1018は、組立工程の際に防護層が外側に曲げられる際にワイヤが曲がり過ぎたり、ワイヤが損傷するような鋭い縁が絶対に残らないようになっている。支持面1015の形状は、継手本体の組立の際に、防護ワイヤがフレキシブルパイプ本体から離れる方向に曲げられる時の防護ワイヤの曲率半径を決定する。線形支持面1015のフレキシブルパイプ本体の軸に対する角度は、テーパリング1004の線形支持面1006と一致させると有利である。
【0073】
本発明によると、湾曲した外面、または平坦な外面を有する端部を備える内側カラーが提供される。この外面の湾曲の選択により、継手内で終端させる際に、フレキシブルパイプ本体の防護層のワイヤが、フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられる時のワイヤの曲率半径が決まる。また、本発明は、同様の湾曲面が内面に設けられている外側カラー部材も提供する。
【0074】
本発明によると、フレキシブルパイプ本体の端部を継手内で終端させる時にフレキシブルパイプの1個または複数の防護層のワイヤを固定する方法が提供される。この方法は、フレキシブルパイプの軸から離れる方向に、ワイヤを曲げる工程と、各ワイヤを共通の溝に個別に配置する(2本以上のワイヤを適切に配置することもできる)工程を含んでいる。内側カラーの接触面、および外側カラーの接触面を互いに引き寄せて、防護層のワイヤをそれぞれ、所定の各位置で定位置に固定することができる。この固定は、ワイヤが定位置に固定されていない場合に、防護ワイヤの鋏のような動作によって生じうる、空洞部内に使用されるエポキシの崩壊の防止に役立つ。
【0075】
本発明は、継手をフレキシブルパイプ本体に固定する方法をも提供する。この方法は、例えば、内側カラーおよび外側カラーの形態のある種の剛体構造をフレキシブルパイプ本体に固定する工程を含んでいる。次いで、この継手を、内側カラーなどの剛体構造に固定する。継手本体に向かってフレキシブルパイプ本体を引き寄せるのではなく、継手本体をフレキシブルパイプ本体に向かって引き寄せることによって、より有利な組立方法を提供することができる。
【0076】
本願の明細書および特許請求の範囲において、語「備える」、「含む」、および「備えている」および「含んでいる」などのこれらの派生語は、「含むが、それらに限定されるものではない」という意味であり、他の部分、追加物、構成要素、整数、または工程を排除することを意図するものではない。
【0077】
本願の明細書および特許請求の範囲において、単数の語は、特段の記載がない限り、複数を含むものとする。特に、不定冠詞を用いている場合、本明細書は、特段の記載がない限り、複数と単数の両方を企図していることを理解されたい。
【0078】
本発明の特定の態様、実施形態、または例に関連して記載した機能構造、整数、特徴、化合物、化学成分、または化学基は、適用できない場合を除き、ここに記載した任意の他の態様、実施形態、または例に適用することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】フレキシブルパイプ本体を例示する破断斜視図である。
【図2】ライザーアセンブリを例示する模式図である。
【図3】フレキシブルパイプの継手の断面図である。
【図4A】継手本体の断面図である。
【図4B】継手本体の端面図である。
【図5A】内側カラー部材の断面図である。
【図5B】内側カラー部材の端面図である。
【図6A】密閉リングの端面図である。
【図6B】密閉リングの断面図である。
【図6C】密閉リングの部分拡大断面図である。
【図7】外側カラー部材の断面図および端面図である。
【図8】継手の破断図である。
【図9】内側カラーにおける防護層用のガイド溝を例示する図である。
【図10】フレキシブルパイプの継手の部分断面図である。
【図11】外側カラー部材のワイヤ支持面を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側カラー本体と、
フレキシブルパイプ本体の層間の差込み位置で、前記フレキシブルパイプ本体の一部に固定されるようになっており、前記外側カラー本体から離れる方向に延びる外側カラーネックであって、前記差込み位置は、前記フレキシブルパイプ本体の外側シースと、前記フレキシブルパイプ本体の少なくとも1つの防護層との間に位置している外側カラーネックを備え、
前記外側カラー本体は、前記フレキシブルパイプ本体を前記継手内に取り付ける際に、前記フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、前記内面に支持される前記防護層のワイヤの曲率半径を決める内面を備えていることを特徴とする、フレキシブルパイプ用の継手装置。
【請求項2】
外側カラー部材は、その第1の端部に開口部を有し、外側カラー本体によって画定された前記外側カラー部材の他端部に、別の開口部を有する実質的に円筒のネックを備えている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
外側カラー本体の他端部は、外側カラーネックから外側に延びており、外側カラー本体の内面は、前記外側カラー本体の最内部に位置している、請求項3記載の装置。
【請求項4】
外側カラー部材は、その第1の端部に開口部、他端部に部分的に閉じた開口部を有する実質的に円筒のネックを備えている、請求項1または2記載の装置。
【請求項5】
部分的に閉じた開口部は、外側カラーネックに対して内側に延びた外側カラー本体によって部分的に閉じられており、外側カラー本体の内面は、前記外側カラー本体の内側に延びる部分の端部に位置している、請求項4記載の装置。
【請求項6】
外側カラー部材のネックは、この外側カラー部材の開口部をフレキシブルパイプ本体の層間に押し込まれる差込み工程を容易にするために、テーパになっている、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
外側カラーの内面は、湾曲部を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
外側カラーの内面は、線形部を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
内側カラー本体と、
前記内側カラー本体から離れる方向に延びた内側カラーネックとを備えており、
前記内側カラーネックの端部は、フレキシブルパイプ本体の一部の防護層のワイヤの曲率半径を決める外面を備えており、前記ワイヤは、前記フレキシブルパイプ本体を前記継手内に取り付ける際に、前記フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられ、前記外面によって支持されることを特徴とする内側カラー部材を備えるフレキシブルパイプ用の継手装置。
【請求項10】
内側カラー部材は、その第1の端部に開口部、他端部に別の開口部を画定している実質的に円筒のネックを備えている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
内側カラー本体は、内側カラーネックの他端部に位置し、この内側カラーネックに対して外側に延びている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
第1の端部は、フレキシブルパイプ本体の端部を形成し、他端部は、継手本体の端部を形成している、請求項10記載の装置。
【請求項13】
ワイヤの曲率半径を決める外面は、湾曲部を有する、請求項9〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
ワイヤの曲率半径を決める外面は、線形部を有する、請求項9〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
フレキシブルパイプ本体の一部に用いる継手の内側カラー部材と、
前記フレキシブルパイプ本体の一部に用いる外側カラー部材とを備えており、
前記内側カラー部材および前記外側カラー部材は、それぞれ、前記フレキシブルパイプ本体が前記継手内に取り付けられる際に、前記フレキシブルパイプ本体の防護層のワイヤが前記フレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げられて、前記支持面によって支持される時に、前記ワイヤの曲率半径を決めるワイヤ支持面を備えていることを特徴とする、フレキシブルパイプの継手内に防護層のワイヤを固定する装置。
【請求項16】
内側カラー部材および外側カラー部材のワイヤ支持面は、湾曲しており、共通の曲率半径を有する、請求項15記載の装置。
【請求項17】
内側カラー部材および外側カラー部材のワイヤ支持面は、線形であり、フレキシブルパイプ本体の軸に対して共通の角度を成している、請求項15記載の装置。
【請求項18】
内側カラー部材および外側カラー部材は、前記外側カラー部材の内面が前記内側カラー部材の外面に対して離隔するように、継手内に配置されている、請求項16または17記載の装置。
【請求項19】
外側カラー部材の内面と内側カラー部材の外面との間の間隔は、前記防護層の少なくとも1本のワイヤの直径と一致している、請求項18記載の装置。
【請求項20】
内側カラー部材と外側カラー部材は、これらの間に防護層のワイヤを締め付けるようになっている、請求項15〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
防護層のワイヤを所定の位置でフレキシブルパイプ本体の軸から離れる方向に曲げる工程と、
継手の内側カラー部材および/または外側カラー部材の少なくとも一方の支持面によって、前記ワイヤを前記所定の位置で支持する工程であって、前記支持面は、この支持面によって支持されるワイヤの曲率半径が所定の最小曲率半径よりも小さくならないような形状を有する工程とを含むことを特徴とする、継手内にフレキシブルパイプ本体の一部の防護層のワイヤを固定する方法。
【請求項22】
内側カラー部材の支持面と外側カラー部材の支持面の両方によって、ワイヤを支持する工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
内側カラー部材および外側カラー部材の互いに一致する両方の支持面によってワイヤを支持する工程を含む、請求項22記載の方法。
【請求項24】
内側カラー部材を外側カラー部材に固定して、これらのカラー部材の曲面間にワイヤを締め付ける工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
さらに、継手の内側カラー部材および/または外側カラー部材の少なくとも一方の湾曲支持面によって、ワイヤを支持する工程を含む、請求項21〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
少なくとも一方の湾曲支持面は、支持するワイヤの曲率半径を決める曲率半径を有する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
継手の内側カラー部材、および/または外側カラー部材の少なくとも一方の線形支持面によって、ワイヤを支持する工程を含む、請求項21〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一方の線形支持面は、フレキシブルパイプ本体の軸に対して角度をなしており、この角度の選択により、支持するワイヤの曲率半径が決まるようになっている、請求項27記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−540245(P2009−540245A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514866(P2009−514866)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001472
【国際公開番号】WO2007/144553
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(506256057)ウェルストリーム インターナショナル リミテッド (6)
【Fターム(参考)】