フレキシブル同軸ケーブル配線板及びその製造方法
【課題】経路の異なる複数の同軸ケーブルを一枚のフィルム配線板として一括して扱うことができ、高帯域の伝送損失と電磁障害対策構造を有し、放熱性に優れた機器内部のフレキシブル同軸ケーブル配線板を提供する。
【解決手段】フィルム材1表面に、端末部に接続機構2を有する同軸ケーブル3が配線されると共に、前記同軸ケーブル3及び前記接続機構2が接着性の樹脂4により前記フィルム材1に固定されてなるものである。
【解決手段】フィルム材1表面に、端末部に接続機構2を有する同軸ケーブル3が配線されると共に、前記同軸ケーブル3及び前記接続機構2が接着性の樹脂4により前記フィルム材1に固定されてなるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルをフィルム上に配線したフレキシブル同軸ケーブル配線板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、信号や情報伝送を行う電子機器では伝送速度の高速化が要求され、大規模集積回路(LSI)の動作周波数向上が図られている。LSIの動作周波数の増加は消費電力の増大を引き起こし、結果として機器からの発熱量も増加する傾向にある。このため、LSIの低消費電力化は電子機器全般の大きな課題となっている。
【0003】
一方、機器内部の伝送線路にはリジッド基板やリジッドフレキシブル基板などのプリント配線板が用いられている。伝送線路の伝送帯域不足を補い伝送信号の品質を向上するため、一般に、エンファシスやイコライジングといった信号補正処理がLSIによって施されている。このことは、伝送線路の高周波帯(GHz帯)における特性改善を促すと共に、LSIの消費電力を高める一要因ともなっている。
【0004】
このため、機器内部に用いられる伝送線路の広帯域化が求められている。とくに、高周波帯における伝送損失や電磁障害の低減、LSIチップから発せられる熱を効率よく放熱するための基板構造の実現が課題視されている。
【0005】
これらの課題に対応するため、プリント配線板では、基板材料の低誘電率化、多層構造基板における信号線と電源線の層構造最適化やLSIチップ実装時の実装構造最適化、放熱のためのサーマルビア形成などの手段が講じられている。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−273496号公報
【特許文献2】特開2005−310527号公報
【特許文献3】特開2005−259598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、同軸ケーブルは同軸ケーブル構造ゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送線路単体として十分な電磁障害対策が実施されているというメリットがある。加えて、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板における伝送線路と比べ伝送帯域が広く、高周波帯における伝送特性が優れているという特徴を持っている。
【0009】
しかしながら、伝送線路の形態が長尺状のケーブルであることから機器内部の所定の箇所をポイントツーポイントで配線する用途以外には用いられていない。また、プリント基板のように経路の異なる配線を一括して製造するプロセスが適用できず製造加工コストがかさむことから、配線板用途の伝送線路としては不適と考えられている。
【0010】
このため、高周波帯における伝送特性が良好ながらも、同軸ケーブルを伝送線路として用いた配線板は提案されていない。
【0011】
そこで、本発明では前記問題を鑑み、経路の異なる複数の同軸ケーブルを一括して配線でき、広い伝送帯域と電磁障害対策構造を有し、且つ放熱性に優れた機器内部のフレキシブル同軸ケーブル配線板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、フィルム材表面に、端末部に接続機構を有する同軸ケーブルが配線されると共に、前記同軸ケーブル及び前記接続機構が接着性の樹脂により前記フィルム材に固定されてなるフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0013】
請求項2の発明は、前記同軸ケーブルの一端が前記フィルム材の表面に配線され、前記同軸ケーブルの少なくとも一部が前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて前記フィルム材裏面に配線された請求項1に記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0014】
請求項3の発明は、貫通孔が設けられたフィルム材の裏面に同軸ケーブルが配線され、該同軸ケーブルの端末部が前記フィルム材に対して略垂直となると共に、前記同軸ケーブルの前記端末部の端面が前記フィルム材の表面と略同一面となるように、前記貫通孔に前記同軸ケーブルが接着性の樹脂により固定されているフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0015】
請求項4の発明は、前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の電磁波吸収材が貼付される請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0016】
請求項5の発明は、前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の放熱部材が貼付された請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0017】
請求項6の発明は、フィルム材裏面に同軸ケーブルを配線し、その同軸ケーブルの端末部をフィルム面に対して垂直になるように、前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて引き出すと共に、前記同軸ケーブルとその端末部周辺とを接着性の樹脂により、それぞれ前記フィルム材と前記貫通穴とに固定し、前記フィルム材表面に引き出された前記端末部を研磨して同軸ケーブル断面が前記フィルム材表面と略同一面となるように表出された接続面を形成するフレキシブル同軸ケーブル配線板の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブルを一枚のフィルム配線板として一括して扱うことができ、高帯域の伝送損失と電磁障害対策構造を有し、放熱性に優れた機器内部のフレキシブル同軸ケーブル配線板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0020】
図面の説明において、同一機能を有する部材には同一の符号を付すものとする。また、図中に実線で表記したものは表面から見える部材、波線で表示したものは表面からは見えず裏面に存在する部材とする。
【0021】
図1は、本発明の好適な第1の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図2は、図1に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0022】
図1、2に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100は、フィルム材1表面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0023】
同軸ケーブル3は、直線的な経路の配線に限られず一般的なプリント基板と同様に屈曲した経路など様々な経路に配線される。
【0024】
同軸ケーブル3は、図9に示すように、中心導体7の外周に、絶縁体8、外部導体9、ジャケット10が順次被覆形成されて構成され、可とう性の観点からジャケット10の直径が0.3mm程度以下のものを適用するとよい。
【0025】
フィルム材1の材質には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミドや液晶ポリマーなど、一般にフレキシブル配線板のフィルム材として用いられているものを適用するとよい。
【0026】
以上の構成からなるフレキシブル同軸ケーブル配線板100によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。
【0027】
伝送線路として同軸ケーブル3を用いているため、電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送線路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。また、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板における伝送線路と比べ伝送帯域が広く、高周波帯における伝送特性が優れている。
【0028】
次に、図3、4を用いて第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0029】
図3は、本発明の好適な第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図4は、図3に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0030】
図3、4に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板101は、フィルム材1裏面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の両端が、フィルム材1の所定位置に形成された貫通穴5を通じてフィルム材1表面に配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0031】
端末接続機構2及び同軸ケーブル3は、フィルム材1の表裏面に分けて配線されており、本フレキシブル同軸ケーブル配線板101が実装される面は、端末接続機構2が配置された側(表面)に限定された構造となる。
【0032】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、同軸ケーブル3の途中がフィルム材1裏面に配線されて表面に空きスペースが増えるため、実装可能面が増える。
【0033】
次に、図5、6を用いて第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0034】
図5は、本発明の好適な第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図6は、図5に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0035】
図5、6に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102は、フィルム材1表面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の一端が、フィルム材1の所定位置に形成された貫通穴5を通じてフィルム材1裏面に配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0036】
端末接続機構2は、フィルム材1の表裏面に配置され、同軸ケーブル3がフィルム材1の表裏面のどちらにも配線可能な構造となる。また、端末接続機構2がフィルム材1の表裏面に分けて配線されており、フィルム材1の両面が本フレキシブル同軸ケーブル配線板102の実装可能面となる。
【0037】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、フィルム材1の両面に同軸ケーブル3及び端末接続機構2が配置されることで、高密度配線及び高密度実装が可能となる。
【0038】
次に、図7、8及び9を用いて第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板とその製造方法を説明する。
【0039】
図7は、本発明の好適な第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図8は、図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。また、図9は、図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板において、同軸ケーブル断面が表出した接続面の平面図である。
【0040】
図7、8に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板103は、フィルム材1裏面に同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の端末部がフィルム面に対して垂直になるように、フィルム材1に設けられた貫通穴5を通じて引き出されると共に、同軸ケーブル3とその端末部周辺とが接着性の樹脂4により、それぞれフィルム材1と貫通穴5とに固定され、且つ、フィルム材1表面に引き出された端末部が研磨されて同軸ケーブル3の断面がフィルム材1表面と略同一面となるように表出された接続面6が形成されてなる。
【0041】
図9に示すように、接続面6とは、同軸ケーブル3の中心導体7、絶縁体8、外部導体9、ジャケット10が同軸ケーブル3と同じ断面構造を保ったままフィルム材1と同一面上に表出した面である。
【0042】
フィルム材1に同軸ケーブル3の断面構造を保持した接続面が表出した構造により、異方性導電ペーストや異方性導電フィルム、導電粒子あるいはバンプなどの外部媒体により、プリント配線板のランドや半導体パッケージのパッドやはんだボール接続部などと本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板103とが直接接続でき、電気的に接続されるようになる。
【0043】
同軸ケーブル3の端末部を局所的に研磨して同軸ケーブル3の断面構造を保持した接続面6を形成することで、フィルム材1の両面に同軸ケーブル3を配線することも可能である。
【0044】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、特定のコネクタなどの端末接続機構2を使用せずに同軸ケーブル3を接続することが可能となり、高密度配線、高密度実装が可能となる。
【0045】
このフレキシブル同軸ケーブル配線板103の製造方法を説明する。
【0046】
第4の実施の形態に係るフレキシブル同軸ケーブル配線板103は、フィルム材1裏面に同軸ケーブル3を配線し、その同軸ケーブル3の端末部をフィルム面に対して垂直になるように、フィルム材1に設けられた貫通穴5を通じて引き出すと共に、同軸ケーブル3とその端末部周辺とを接着性の樹脂4により、それぞれフィルム材1と貫通穴5とに固定し、フィルム材1表面に引き出された端末部を研磨して同軸ケーブル3の断面がフィルム材1表面と略同一面となるように表出された接続面6を形成すると得られる。
【0047】
フレキシブル同軸ケーブル配線板103の製造方法によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことができ、高密度配線、高密度実装が可能なフレキシブル同軸ケーブル配線板103が得られる。
【0048】
以下、上述した第1〜4の実施の形態の変形例について説明する。
【0049】
図10、11、12及び13は、それぞれ図1、3、5及び7の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【0050】
図10、11、12及び13に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103のフィルム材1に、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の配線に寄与しない貫通穴11が設けられた構造である。
【0051】
ところで、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に用いる場合、LSIをはじめ種々の電子部品が実装されているプリント配線板に実装される場合が多い。
【0052】
このとき、プリント配線板上に実装された高背の電子部品とフレキシブル同軸ケーブル配線板のフィルム材1とがぶつかってしまうと、プリント配線板の接続機構と端末接続機構2、またはプリント配線板の接続機構と同軸ケーブル3断面構造を保持した接続面6とが正しく嵌合されないという問題が生じる。
【0053】
このため、前記問題が生じる虞のある場合は、プリント配線板上の電子部品が同軸ケーブル3の配線に寄与しない貫通穴11を通って位置するよう、実装されるプリント配線板の部品配置状況に合わせて、予めフィルム材1に同軸ケーブル3の配線に寄与しない貫通穴11を設けておくフレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aのような構造が有効である。
【0054】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aを用いることは、実装性という観点から非常に有効な手段である。
【0055】
次に、図14、15、16及び17を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0056】
図14、15、16及び17は、それぞれ図1、3、5及び7の他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0057】
図14、15、16及び17に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、ラミネートフィルム12が貼付された構造である。
【0058】
本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を屈曲させる動作が多い箇所に用いる場合、機械的な構造安定性と、フィルム材1のどちらの面に対しても同様の屈曲性を持つことが求められる。また、フレキシブル同軸ケーブル配線板の構造上、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の配線形状は樹脂4によってフィルム材に接着されており、水や薬品など樹脂4の接着力を低下させる外的要因を極力取り除く必要がある。
【0059】
これに対応するため、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bのように同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が固定されたフィルム材1の両面をラミネートフィルム12で挟む構造を提案した。
【0060】
ラミネートフィルム12にフィルム材1と同等の屈曲性を持つ材料を選択することで、フィルム面の両面に対して同等の屈曲性が得られる。また、ラミネートフィルム12は、樹脂4の接着力を低下させる水や薬品などの外的要因から保護する効果がある。
【0061】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bを用いることは、屈曲性及び配線形状の安定性という観点から非常に有効な手段である。
【0062】
次に、図18、19、20及び21を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0063】
図18、19、20及び21は、それぞれ図1、3、5及び7の他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0064】
図18、19、20及び21に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、電磁波吸収シート13が貼付された構造である。
【0065】
同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3は、同軸ケーブル構造ゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。
【0066】
しかしながら、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、実装される側のプリント配線板にはLSIをはじめ種々の電子部品が搭載されているケースが多い。
【0067】
例えば、共通の電位を流れる伝搬モード(コモンモード)成分といったように、プリント配線板では電磁障害の一要因となる伝搬モード成分が発生していることが考えられ、この成分が本発明における伝送経路である同軸ケーブル3に作用し、同軸ケーブル3に対して種々の伝搬モードが重畳してくることが懸念される。
【0068】
この伝搬モード成分は、伝送経路の伝送特性を低減しうるものであり、同軸ケーブル3単体で十分な電磁障害対策を実施していても、実際には外部から作用する電磁障害要因により、その特性が劣化することが懸念される。
【0069】
一般に、電磁障害を引き起こす伝搬モード成分は同軸ケーブルの外部導体を伝搬することが知られている。
【0070】
このため、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cのように、電磁波吸収シート13がフィルム材1に固定された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の表面に接する形の構造を提案した。
【0071】
これにより、電磁障害を引き起こす伝搬モード成分を除去することが可能となる。
【0072】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cを用いることは、電磁障害対策という観点から非常に有効な手段である。
【0073】
次に、図22、23、24及び25を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0074】
図22、23、24及び25は、それぞれ図1、3、5及び7の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0075】
図22、23、24及び25に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、放熱部材となるグラファイトシート14が貼付された構造である。グラファイトシート14の代わりにシリコーンゲルシートなどを用いてもよい。
【0076】
これまでに述べた通り、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、実装される側のプリント配線板にはLSIをはじめ種々の電子部品が搭載されているケースが多い。
【0077】
実装される側のプリント配線板では、これらの電子部品により熱が発せられ、部品単体あるいは伝送線路を利用して熱を放熱し冷却する構造が検討されている。
【0078】
本発明においても、前記問題を鑑み、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dのように、フレキシブル同軸ケーブル配線板の熱伝導部分の表面積を向上させる構造を提案した。
【0079】
グラファイトシート14の片面が同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に取り付けられ、他方の面を空気と触れる構造とすることで、LSIで発生した熱は熱抵抗の小さいグラファイトシート14を伝導しつつ空気中に放熱される。
【0080】
これにより、プリント配線板に実装された電子部品が発する熱を伝導して放熱する効果を持つこととなる。
【0081】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dを用いることは、放熱という観点から非常に有効な手段である。
【0082】
次に、図26、27、28及び29を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0083】
図26は、図12のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図27は、図26に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0084】
図28は、図13のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図29は、図28に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0085】
図26、27または図28、29に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eは、それぞれ図12または13のフレキシブル同軸ケーブル配線板102aまたは103aにおいて、フィルム材1上に配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に交差するように同軸ケーブル15が配置された構造である。
【0086】
これまでに述べた通り、同軸ケーブル3は同軸ケーブルゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。
【0087】
したがって、複数の同軸ケーブル3を隣接して配線したり、三次元的に交差させて配線させても、理想的にはそれら複数の同軸ケーブル3同士が電磁干渉して伝送特性に障害が発生することはない。
【0088】
つまり、電磁障害対策の観点から、同軸ケーブル3は一本一本が独立した伝送線路として取り扱うことができるものである。
【0089】
これを考慮し、フィルム材1上に樹脂4を介して配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に対して、その上部に交差するように配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)15を有する構造を提案した。
【0090】
実際には、端末接続機構2や実装される側であるプリント配線板などから種々の伝搬モードが影響するものの、同軸ケーブル3の個々及び交差するように配線された同軸ケーブル15の個々は、それぞれが電磁障害対策的に独立して扱うことができる伝送線路であり、電磁干渉を起こすことなく三次元的に重ねて配線することが可能である。
【0091】
図26、27、28及び29では、同軸ケーブル3を二段重ねた構造を表現しているが、それ以上に積層配線しても同様のことが言えるのは言うまでもない。
【0092】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eを用いることは、高密度実装、高密度配線という観点から非常に有効な手段である。
【0093】
最後に、図30、31、32及び33を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0094】
図30は、図26のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図31は、図30に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0095】
図32は、図28のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図33は、図32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0096】
図30、31または図32、33に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102fまたは103fは、それぞれ図26または28のフレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eのフィルム材1上にアンダークラッド層16及びオーバークラッド層17からなる光導波路18が形成された構造である。
【0097】
図30、32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板102f,103fは、基本構造と構成はこれまでに説明してきた通りであり、ここでは、アンダークラッド層16、オーバークラッド層17及び光導波路18が形成されたことに言及して説明する。
【0098】
本発明で提案するフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、とくに高速の信号処理が要求される通信用途のプリント配線板などにおいて、実装される側のプリント配線板に光信号送受信インターフェースを持つLSIが搭載されているケースがある。
【0099】
しかしながら、光信号送受信インターフェースを持つLSIが搭載されている場合であっても、信号は最終的には電気信号として処理されるため、前記LSIの他にも電気信号を伝送または処理するための電子部品あるいは伝送線路が要求される。
【0100】
すなわち、プリント配線板において光信号を処理するためには信号送受信インターフェースを持つLSIのみで事が足りるわけではなく、同時に電気信号の処理が必要となることを意味する。
【0101】
これを考慮し、アンダークラッド層16とオーバークラッド層17からなる光導波路18が形成されたフィルム材1を用い、光導波路18が形成された面と表裏をなす面のフィルム材1上に樹脂4を介して同軸ケーブル3が配線された構造を提案した。
【0102】
光導波路18は、光信号送受信インターフェースを持つLSIと接続され光信号を伝送する。一方、電気信号は、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の端末接続機構2あるいは同軸ケーブル3断面構造を保持した接続面6を介して接続され、同軸ケーブル3を通って伝送される。
【0103】
図31、33では、光導波路18の接続面6がフィルム材1のフィルム面と垂直になるように表現されているが、光コネクタなどの接続機構を用いて実装、接続する構造を適用してもよい。
【0104】
以上よりフレキシブル同軸ケーブル配線板で電気信号と光信号とを同時に伝送することが可能となり、本発明で提案する構造は、高速化あるいは高周波帯への対応ならびに高密度実装あるいは高密度配線という観点から非常に有効な手段である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の好適な第1の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図2】図1に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図3】本発明の好適な第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図4】図3に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図5】本発明の好適な第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図6】図5に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図7】本発明の好適な第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図8】図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図9】図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板において、同軸ケーブル断面が表出した接続面の平面図である。
【図10】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図11】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図12】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図13】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図14】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図15】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図16】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図17】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図18】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図19】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図20】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図21】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図22】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図23】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図24】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図25】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図26】図12のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図27】図26に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図28】図13のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図29】図28に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図30】図26のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図31】図30に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図32】図28のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図33】図32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【符号の説明】
【0106】
1 フィルム材
2 接続機構
3 同軸ケーブル
4 樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルをフィルム上に配線したフレキシブル同軸ケーブル配線板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、信号や情報伝送を行う電子機器では伝送速度の高速化が要求され、大規模集積回路(LSI)の動作周波数向上が図られている。LSIの動作周波数の増加は消費電力の増大を引き起こし、結果として機器からの発熱量も増加する傾向にある。このため、LSIの低消費電力化は電子機器全般の大きな課題となっている。
【0003】
一方、機器内部の伝送線路にはリジッド基板やリジッドフレキシブル基板などのプリント配線板が用いられている。伝送線路の伝送帯域不足を補い伝送信号の品質を向上するため、一般に、エンファシスやイコライジングといった信号補正処理がLSIによって施されている。このことは、伝送線路の高周波帯(GHz帯)における特性改善を促すと共に、LSIの消費電力を高める一要因ともなっている。
【0004】
このため、機器内部に用いられる伝送線路の広帯域化が求められている。とくに、高周波帯における伝送損失や電磁障害の低減、LSIチップから発せられる熱を効率よく放熱するための基板構造の実現が課題視されている。
【0005】
これらの課題に対応するため、プリント配線板では、基板材料の低誘電率化、多層構造基板における信号線と電源線の層構造最適化やLSIチップ実装時の実装構造最適化、放熱のためのサーマルビア形成などの手段が講じられている。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−273496号公報
【特許文献2】特開2005−310527号公報
【特許文献3】特開2005−259598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、同軸ケーブルは同軸ケーブル構造ゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送線路単体として十分な電磁障害対策が実施されているというメリットがある。加えて、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板における伝送線路と比べ伝送帯域が広く、高周波帯における伝送特性が優れているという特徴を持っている。
【0009】
しかしながら、伝送線路の形態が長尺状のケーブルであることから機器内部の所定の箇所をポイントツーポイントで配線する用途以外には用いられていない。また、プリント基板のように経路の異なる配線を一括して製造するプロセスが適用できず製造加工コストがかさむことから、配線板用途の伝送線路としては不適と考えられている。
【0010】
このため、高周波帯における伝送特性が良好ながらも、同軸ケーブルを伝送線路として用いた配線板は提案されていない。
【0011】
そこで、本発明では前記問題を鑑み、経路の異なる複数の同軸ケーブルを一括して配線でき、広い伝送帯域と電磁障害対策構造を有し、且つ放熱性に優れた機器内部のフレキシブル同軸ケーブル配線板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、フィルム材表面に、端末部に接続機構を有する同軸ケーブルが配線されると共に、前記同軸ケーブル及び前記接続機構が接着性の樹脂により前記フィルム材に固定されてなるフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0013】
請求項2の発明は、前記同軸ケーブルの一端が前記フィルム材の表面に配線され、前記同軸ケーブルの少なくとも一部が前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて前記フィルム材裏面に配線された請求項1に記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0014】
請求項3の発明は、貫通孔が設けられたフィルム材の裏面に同軸ケーブルが配線され、該同軸ケーブルの端末部が前記フィルム材に対して略垂直となると共に、前記同軸ケーブルの前記端末部の端面が前記フィルム材の表面と略同一面となるように、前記貫通孔に前記同軸ケーブルが接着性の樹脂により固定されているフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0015】
請求項4の発明は、前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の電磁波吸収材が貼付される請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0016】
請求項5の発明は、前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の放熱部材が貼付された請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板である。
【0017】
請求項6の発明は、フィルム材裏面に同軸ケーブルを配線し、その同軸ケーブルの端末部をフィルム面に対して垂直になるように、前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて引き出すと共に、前記同軸ケーブルとその端末部周辺とを接着性の樹脂により、それぞれ前記フィルム材と前記貫通穴とに固定し、前記フィルム材表面に引き出された前記端末部を研磨して同軸ケーブル断面が前記フィルム材表面と略同一面となるように表出された接続面を形成するフレキシブル同軸ケーブル配線板の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブルを一枚のフィルム配線板として一括して扱うことができ、高帯域の伝送損失と電磁障害対策構造を有し、放熱性に優れた機器内部のフレキシブル同軸ケーブル配線板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0020】
図面の説明において、同一機能を有する部材には同一の符号を付すものとする。また、図中に実線で表記したものは表面から見える部材、波線で表示したものは表面からは見えず裏面に存在する部材とする。
【0021】
図1は、本発明の好適な第1の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図2は、図1に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0022】
図1、2に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100は、フィルム材1表面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0023】
同軸ケーブル3は、直線的な経路の配線に限られず一般的なプリント基板と同様に屈曲した経路など様々な経路に配線される。
【0024】
同軸ケーブル3は、図9に示すように、中心導体7の外周に、絶縁体8、外部導体9、ジャケット10が順次被覆形成されて構成され、可とう性の観点からジャケット10の直径が0.3mm程度以下のものを適用するとよい。
【0025】
フィルム材1の材質には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミドや液晶ポリマーなど、一般にフレキシブル配線板のフィルム材として用いられているものを適用するとよい。
【0026】
以上の構成からなるフレキシブル同軸ケーブル配線板100によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。
【0027】
伝送線路として同軸ケーブル3を用いているため、電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送線路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。また、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板における伝送線路と比べ伝送帯域が広く、高周波帯における伝送特性が優れている。
【0028】
次に、図3、4を用いて第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0029】
図3は、本発明の好適な第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図4は、図3に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0030】
図3、4に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板101は、フィルム材1裏面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の両端が、フィルム材1の所定位置に形成された貫通穴5を通じてフィルム材1表面に配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0031】
端末接続機構2及び同軸ケーブル3は、フィルム材1の表裏面に分けて配線されており、本フレキシブル同軸ケーブル配線板101が実装される面は、端末接続機構2が配置された側(表面)に限定された構造となる。
【0032】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、同軸ケーブル3の途中がフィルム材1裏面に配線されて表面に空きスペースが増えるため、実装可能面が増える。
【0033】
次に、図5、6を用いて第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0034】
図5は、本発明の好適な第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図6は、図5に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0035】
図5、6に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102は、フィルム材1表面に、コネクタなどの端末接続機構2が取り付けられた同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の一端が、フィルム材1の所定位置に形成された貫通穴5を通じてフィルム材1裏面に配線されると共に、これらが接着性の樹脂4により固定されてなる。
【0036】
端末接続機構2は、フィルム材1の表裏面に配置され、同軸ケーブル3がフィルム材1の表裏面のどちらにも配線可能な構造となる。また、端末接続機構2がフィルム材1の表裏面に分けて配線されており、フィルム材1の両面が本フレキシブル同軸ケーブル配線板102の実装可能面となる。
【0037】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、フィルム材1の両面に同軸ケーブル3及び端末接続機構2が配置されることで、高密度配線及び高密度実装が可能となる。
【0038】
次に、図7、8及び9を用いて第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板とその製造方法を説明する。
【0039】
図7は、本発明の好適な第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図であり、図8は、図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。また、図9は、図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板において、同軸ケーブル断面が表出した接続面の平面図である。
【0040】
図7、8に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板103は、フィルム材1裏面に同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が配線され、その同軸ケーブル3の端末部がフィルム面に対して垂直になるように、フィルム材1に設けられた貫通穴5を通じて引き出されると共に、同軸ケーブル3とその端末部周辺とが接着性の樹脂4により、それぞれフィルム材1と貫通穴5とに固定され、且つ、フィルム材1表面に引き出された端末部が研磨されて同軸ケーブル3の断面がフィルム材1表面と略同一面となるように表出された接続面6が形成されてなる。
【0041】
図9に示すように、接続面6とは、同軸ケーブル3の中心導体7、絶縁体8、外部導体9、ジャケット10が同軸ケーブル3と同じ断面構造を保ったままフィルム材1と同一面上に表出した面である。
【0042】
フィルム材1に同軸ケーブル3の断面構造を保持した接続面が表出した構造により、異方性導電ペーストや異方性導電フィルム、導電粒子あるいはバンプなどの外部媒体により、プリント配線板のランドや半導体パッケージのパッドやはんだボール接続部などと本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板103とが直接接続でき、電気的に接続されるようになる。
【0043】
同軸ケーブル3の端末部を局所的に研磨して同軸ケーブル3の断面構造を保持した接続面6を形成することで、フィルム材1の両面に同軸ケーブル3を配線することも可能である。
【0044】
これにより、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことが可能となる。また、特定のコネクタなどの端末接続機構2を使用せずに同軸ケーブル3を接続することが可能となり、高密度配線、高密度実装が可能となる。
【0045】
このフレキシブル同軸ケーブル配線板103の製造方法を説明する。
【0046】
第4の実施の形態に係るフレキシブル同軸ケーブル配線板103は、フィルム材1裏面に同軸ケーブル3を配線し、その同軸ケーブル3の端末部をフィルム面に対して垂直になるように、フィルム材1に設けられた貫通穴5を通じて引き出すと共に、同軸ケーブル3とその端末部周辺とを接着性の樹脂4により、それぞれフィルム材1と貫通穴5とに固定し、フィルム材1表面に引き出された端末部を研磨して同軸ケーブル3の断面がフィルム材1表面と略同一面となるように表出された接続面6を形成すると得られる。
【0047】
フレキシブル同軸ケーブル配線板103の製造方法によれば、経路の異なる複数の同軸ケーブル3を一枚のフィルム配線板として一括して扱うことができ、高密度配線、高密度実装が可能なフレキシブル同軸ケーブル配線板103が得られる。
【0048】
以下、上述した第1〜4の実施の形態の変形例について説明する。
【0049】
図10、11、12及び13は、それぞれ図1、3、5及び7の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【0050】
図10、11、12及び13に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103のフィルム材1に、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の配線に寄与しない貫通穴11が設けられた構造である。
【0051】
ところで、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に用いる場合、LSIをはじめ種々の電子部品が実装されているプリント配線板に実装される場合が多い。
【0052】
このとき、プリント配線板上に実装された高背の電子部品とフレキシブル同軸ケーブル配線板のフィルム材1とがぶつかってしまうと、プリント配線板の接続機構と端末接続機構2、またはプリント配線板の接続機構と同軸ケーブル3断面構造を保持した接続面6とが正しく嵌合されないという問題が生じる。
【0053】
このため、前記問題が生じる虞のある場合は、プリント配線板上の電子部品が同軸ケーブル3の配線に寄与しない貫通穴11を通って位置するよう、実装されるプリント配線板の部品配置状況に合わせて、予めフィルム材1に同軸ケーブル3の配線に寄与しない貫通穴11を設けておくフレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aのような構造が有効である。
【0054】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100a,101a,102a,103aを用いることは、実装性という観点から非常に有効な手段である。
【0055】
次に、図14、15、16及び17を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0056】
図14、15、16及び17は、それぞれ図1、3、5及び7の他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0057】
図14、15、16及び17に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、ラミネートフィルム12が貼付された構造である。
【0058】
本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を屈曲させる動作が多い箇所に用いる場合、機械的な構造安定性と、フィルム材1のどちらの面に対しても同様の屈曲性を持つことが求められる。また、フレキシブル同軸ケーブル配線板の構造上、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の配線形状は樹脂4によってフィルム材に接着されており、水や薬品など樹脂4の接着力を低下させる外的要因を極力取り除く必要がある。
【0059】
これに対応するため、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bのように同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3が固定されたフィルム材1の両面をラミネートフィルム12で挟む構造を提案した。
【0060】
ラミネートフィルム12にフィルム材1と同等の屈曲性を持つ材料を選択することで、フィルム面の両面に対して同等の屈曲性が得られる。また、ラミネートフィルム12は、樹脂4の接着力を低下させる水や薬品などの外的要因から保護する効果がある。
【0061】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100b,101b,102b,103bを用いることは、屈曲性及び配線形状の安定性という観点から非常に有効な手段である。
【0062】
次に、図18、19、20及び21を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0063】
図18、19、20及び21は、それぞれ図1、3、5及び7の他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0064】
図18、19、20及び21に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、電磁波吸収シート13が貼付された構造である。
【0065】
同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3は、同軸ケーブル構造ゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。
【0066】
しかしながら、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、実装される側のプリント配線板にはLSIをはじめ種々の電子部品が搭載されているケースが多い。
【0067】
例えば、共通の電位を流れる伝搬モード(コモンモード)成分といったように、プリント配線板では電磁障害の一要因となる伝搬モード成分が発生していることが考えられ、この成分が本発明における伝送経路である同軸ケーブル3に作用し、同軸ケーブル3に対して種々の伝搬モードが重畳してくることが懸念される。
【0068】
この伝搬モード成分は、伝送経路の伝送特性を低減しうるものであり、同軸ケーブル3単体で十分な電磁障害対策を実施していても、実際には外部から作用する電磁障害要因により、その特性が劣化することが懸念される。
【0069】
一般に、電磁障害を引き起こす伝搬モード成分は同軸ケーブルの外部導体を伝搬することが知られている。
【0070】
このため、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cのように、電磁波吸収シート13がフィルム材1に固定された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の表面に接する形の構造を提案した。
【0071】
これにより、電磁障害を引き起こす伝搬モード成分を除去することが可能となる。
【0072】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100c,101c,102c,103cを用いることは、電磁障害対策という観点から非常に有効な手段である。
【0073】
次に、図22、23、24及び25を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0074】
図22、23、24及び25は、それぞれ図1、3、5及び7の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0075】
図22、23、24及び25に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dは、それぞれ図1、3、5及び7のフレキシブル同軸ケーブル配線板100,101,102,103の同軸ケーブル3が配線された面に、放熱部材となるグラファイトシート14が貼付された構造である。グラファイトシート14の代わりにシリコーンゲルシートなどを用いてもよい。
【0076】
これまでに述べた通り、本発明のフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、実装される側のプリント配線板にはLSIをはじめ種々の電子部品が搭載されているケースが多い。
【0077】
実装される側のプリント配線板では、これらの電子部品により熱が発せられ、部品単体あるいは伝送線路を利用して熱を放熱し冷却する構造が検討されている。
【0078】
本発明においても、前記問題を鑑み、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dのように、フレキシブル同軸ケーブル配線板の熱伝導部分の表面積を向上させる構造を提案した。
【0079】
グラファイトシート14の片面が同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に取り付けられ、他方の面を空気と触れる構造とすることで、LSIで発生した熱は熱抵抗の小さいグラファイトシート14を伝導しつつ空気中に放熱される。
【0080】
これにより、プリント配線板に実装された電子部品が発する熱を伝導して放熱する効果を持つこととなる。
【0081】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板100d,101d,102d,103dを用いることは、放熱という観点から非常に有効な手段である。
【0082】
次に、図26、27、28及び29を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0083】
図26は、図12のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図27は、図26に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0084】
図28は、図13のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図29は、図28に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0085】
図26、27または図28、29に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eは、それぞれ図12または13のフレキシブル同軸ケーブル配線板102aまたは103aにおいて、フィルム材1上に配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に交差するように同軸ケーブル15が配置された構造である。
【0086】
これまでに述べた通り、同軸ケーブル3は同軸ケーブルゆえ理想的には電磁障害遮蔽構造が実現され、伝送路単体として十分な電磁障害対策が実施されている。
【0087】
したがって、複数の同軸ケーブル3を隣接して配線したり、三次元的に交差させて配線させても、理想的にはそれら複数の同軸ケーブル3同士が電磁干渉して伝送特性に障害が発生することはない。
【0088】
つまり、電磁障害対策の観点から、同軸ケーブル3は一本一本が独立した伝送線路として取り扱うことができるものである。
【0089】
これを考慮し、フィルム材1上に樹脂4を介して配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3に対して、その上部に交差するように配線された同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)15を有する構造を提案した。
【0090】
実際には、端末接続機構2や実装される側であるプリント配線板などから種々の伝搬モードが影響するものの、同軸ケーブル3の個々及び交差するように配線された同軸ケーブル15の個々は、それぞれが電磁障害対策的に独立して扱うことができる伝送線路であり、電磁干渉を起こすことなく三次元的に重ねて配線することが可能である。
【0091】
図26、27、28及び29では、同軸ケーブル3を二段重ねた構造を表現しているが、それ以上に積層配線しても同様のことが言えるのは言うまでもない。
【0092】
以上より、フレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eを用いることは、高密度実装、高密度配線という観点から非常に有効な手段である。
【0093】
最後に、図30、31、32及び33を用いて他の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板を説明する。
【0094】
図30は、図26のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図31は、図30に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0095】
図32は、図28のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図であり、図33は、図32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【0096】
図30、31または図32、33に示すように、フレキシブル同軸ケーブル配線板102fまたは103fは、それぞれ図26または28のフレキシブル同軸ケーブル配線板102eまたは103eのフィルム材1上にアンダークラッド層16及びオーバークラッド層17からなる光導波路18が形成された構造である。
【0097】
図30、32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板102f,103fは、基本構造と構成はこれまでに説明してきた通りであり、ここでは、アンダークラッド層16、オーバークラッド層17及び光導波路18が形成されたことに言及して説明する。
【0098】
本発明で提案するフレキシブル同軸ケーブル配線板を実際に実装する場合を想定すると、とくに高速の信号処理が要求される通信用途のプリント配線板などにおいて、実装される側のプリント配線板に光信号送受信インターフェースを持つLSIが搭載されているケースがある。
【0099】
しかしながら、光信号送受信インターフェースを持つLSIが搭載されている場合であっても、信号は最終的には電気信号として処理されるため、前記LSIの他にも電気信号を伝送または処理するための電子部品あるいは伝送線路が要求される。
【0100】
すなわち、プリント配線板において光信号を処理するためには信号送受信インターフェースを持つLSIのみで事が足りるわけではなく、同時に電気信号の処理が必要となることを意味する。
【0101】
これを考慮し、アンダークラッド層16とオーバークラッド層17からなる光導波路18が形成されたフィルム材1を用い、光導波路18が形成された面と表裏をなす面のフィルム材1上に樹脂4を介して同軸ケーブル3が配線された構造を提案した。
【0102】
光導波路18は、光信号送受信インターフェースを持つLSIと接続され光信号を伝送する。一方、電気信号は、同軸ケーブル(または差動信号伝送用同軸ケーブル)3の端末接続機構2あるいは同軸ケーブル3断面構造を保持した接続面6を介して接続され、同軸ケーブル3を通って伝送される。
【0103】
図31、33では、光導波路18の接続面6がフィルム材1のフィルム面と垂直になるように表現されているが、光コネクタなどの接続機構を用いて実装、接続する構造を適用してもよい。
【0104】
以上よりフレキシブル同軸ケーブル配線板で電気信号と光信号とを同時に伝送することが可能となり、本発明で提案する構造は、高速化あるいは高周波帯への対応ならびに高密度実装あるいは高密度配線という観点から非常に有効な手段である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の好適な第1の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図2】図1に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図3】本発明の好適な第2の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図4】図3に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図5】本発明の好適な第3の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図6】図5に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図7】本発明の好適な第4の実施の形態を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図8】図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図9】図7に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板において、同軸ケーブル断面が表出した接続面の平面図である。
【図10】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図11】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図12】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図13】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図14】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図15】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図16】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図17】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図18】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図19】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図20】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図21】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図22】第1の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図23】第2の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図24】第3の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図25】第4の実施の形態の変形例を示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の斜視図である。
【図26】図12のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図27】図26に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図28】図13のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図29】図28に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図30】図26のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図31】図30に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【図32】図28のフレキシブル同軸ケーブル配線板の変形例を示す斜視図である。
【図33】図32に示すフレキシブル同軸ケーブル配線板の断面構造図である。
【符号の説明】
【0106】
1 フィルム材
2 接続機構
3 同軸ケーブル
4 樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム材表面に、端末部に接続機構を有する同軸ケーブルが配線されると共に、前記同軸ケーブル及び前記接続機構が接着性の樹脂により前記フィルム材に固定されてなることを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項2】
前記同軸ケーブルの一端が前記フィルム材の表面に配線され、前記同軸ケーブルの少なくとも一部が前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて前記フィルム材裏面に配線された請求項1に記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項3】
貫通孔が設けられたフィルム材の裏面に同軸ケーブルが配線され、該同軸ケーブルの端末部が前記フィルム材に対して略垂直となると共に、前記同軸ケーブルの前記端末部の端面が前記フィルム材の表面と略同一面となるように、前記貫通孔に前記同軸ケーブルが接着性の樹脂により固定されていることを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項4】
前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の電磁波吸収材が貼付される請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項5】
前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の放熱部材が貼付された請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項6】
フィルム材裏面に同軸ケーブルを配線し、その同軸ケーブルの端末部をフィルム面に対して垂直になるように、前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて引き出すと共に、前記同軸ケーブルとその端末部周辺とを接着性の樹脂により、それぞれ前記フィルム材と前記貫通穴とに固定し、前記フィルム材表面に引き出された前記端末部を研磨して同軸ケーブル断面が前記フィルム材表面と略同一面となるように表出された接続面を形成することを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板の製造方法。
【請求項1】
フィルム材表面に、端末部に接続機構を有する同軸ケーブルが配線されると共に、前記同軸ケーブル及び前記接続機構が接着性の樹脂により前記フィルム材に固定されてなることを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項2】
前記同軸ケーブルの一端が前記フィルム材の表面に配線され、前記同軸ケーブルの少なくとも一部が前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて前記フィルム材裏面に配線された請求項1に記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項3】
貫通孔が設けられたフィルム材の裏面に同軸ケーブルが配線され、該同軸ケーブルの端末部が前記フィルム材に対して略垂直となると共に、前記同軸ケーブルの前記端末部の端面が前記フィルム材の表面と略同一面となるように、前記貫通孔に前記同軸ケーブルが接着性の樹脂により固定されていることを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項4】
前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の電磁波吸収材が貼付される請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項5】
前記同軸ケーブルを前記フィルム材に固定した後、その表面にシート状の放熱部材が貼付された請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル同軸ケーブル配線板。
【請求項6】
フィルム材裏面に同軸ケーブルを配線し、その同軸ケーブルの端末部をフィルム面に対して垂直になるように、前記フィルム材に設けられた貫通穴を通じて引き出すと共に、前記同軸ケーブルとその端末部周辺とを接着性の樹脂により、それぞれ前記フィルム材と前記貫通穴とに固定し、前記フィルム材表面に引き出された前記端末部を研磨して同軸ケーブル断面が前記フィルム材表面と略同一面となるように表出された接続面を形成することを特徴とするフレキシブル同軸ケーブル配線板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2010−16226(P2010−16226A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175634(P2008−175634)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]