説明

フレグランス組成物

実在するまたは潜在的な悪臭の影響を受ける消費者製品中に、フレグランスまたは悪臭中和剤を送るのに適した固体のフリーフロー組成物であって、フレグランス封入材料中に分散フレグランスの微液滴を含むフレグランス材料に囲まれ、任意に保護被覆材に囲まれた、コア材料からなる送達システム、および、フレグランス送達ビヒクルが分散した、外部吸収材料を含む、前記組成物。本発明は、動物用リター、特に猫用のものに関して特に効果的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪臭および湿気を吸収し、同時に制御された方法でフレグランスを放出する能力がある臭気制御組成物、より特定すると、消費者製品、特に、衛生製品、おむつ、ペット用リター、エアリフレッシュナー、集中空気システム、吸湿材など臭気制御のための固体の消費者製品で使用する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収材料は昔から、悪臭および湿気を吸収するために使われてきた。いくつかの場合、化学反応性の高い物質、マスキング芳香または気持ちの良いフレグランスなどの臭気中和化合物を、吸収材に直接添加する。しかしながら、悪臭中和化合物を吸収材に直接添加することには、深刻な不利益がある。第一に、悪臭中和化合物の一部の不可逆的な吸着は、化合物の有効性をしばしば変えてしまう。第二に、特異的な着臭剤・吸収材間の相互作用のため、添加したフレグランスのいくつかの成分は、他のものよりも、吸収材の細孔内により吸収または保持され得、フレグランスの着臭特徴のゆがみにつながる。第三に、着臭剤を吸収材に直接添加することは通常、新しく調製した組成物の過剰な(over-dosed)着臭影響や古い組成物の過少な(under-dosed)着臭影響につながる。においの放出は、フレグランスが吸収材に直接添加されている場合、本質的に制御することができない。
【0003】
さらに、フレグランスは昔から、製品中に液体フレグランスを混合することによって、消費者製品に添加されてきた。このアプローチには、製造中の許容できないほど高いフレグランス損失の可能性、製品中のフレグランスの不均等な分布、製造機械の詰まりおよび最終製品の貧弱な機械特性などの多くの問題がある。
【0004】
米国特許第6,803,833号は、エンローブ(enrobment)材料、フレグランスおよび固定剤を含有する送達ビヒクルを提供することにより、吸収材料の存在下でフレグランスを放出するための製造方法を開示しており、ここでエンローブ材料は、親油性物質を吸収する能力がある粉末材料であり、固定剤は、高分子量の、低融点ワックスまたはポリエチレングリコールなどの固体である。
【0005】
米国特許第6,803,833号に記載の製造方法は、確かに先行技術と比較して改善された臭気制御を提供するが、長期にわたり、特に室温およびそれ以上で揮発性のフレグランスの原料を保持する効率が高いことが知られていないさまざまな固定剤およびエンローブ材料に頼るという欠点を有する。したがって、かかるフレグランス送達ビヒクルが、経時的にそれらの臭気制御の有効性を失うであろうことが予想される。
【0006】
デキストリン、モルトデキストリンおよび糖などの可溶性マトリックス中のフレグランスの噴霧乾燥は、フレグランスを保護しようとすべく使われてきた。しかしながら、この手段により封入体を産生する一方、得られる封入形状は常に微粉であり、これは取り扱いおよび製品に均一に取り入れるのが難しく、製品の加工中に磨耗する傾向がある。
【0007】
さらに、噴霧乾燥したフレグランス粒子は一般的に、湿気に非常に感受性があり、長期にわたる湿気への曝露は、フレグランスの損失および着臭能力の低下をもたらす。
【0008】
したがって、悪臭および湿気を吸収し、同時に制御された方法でフレグランスまたは揮発性の悪臭中和物質を放出する能力がある、上に引用した不利益に悩まされない臭気制御組成物を提供する必要がある。特に、35℃を超える温度および65%より高い相対湿度などの極端な保管条件下でさえも、長期にわたりフレグランスまたは揮発性の悪臭中和物質を保持する一方、尿、冷却水などの水性液体と接触してこのフレグランスを放出する能力を有する臭気制御組成物を提供する必要がある。
【発明の開示】
【0009】
従来技術の欠点を、実質的に、より適切にいえば完全に、特定の多機能的臭気制御組成物の使用により克服することができることを見出した。したがって本発明は、実在するまたは潜在的な悪臭の影響を受ける消費者製品中にフレグランスまたは悪臭中和剤を送るのに適した固体のフリーフロー組成物を提供し、該組成物は:
− フレグランス封入材料中に分散フレグランスの微液滴を含むフレグランス材料に囲まれ、任意に保護被覆材に囲まれた、コア材料からなる送達システム
および、
− フレグランス送達ビヒクルが分散した、外部吸収材料
を含む。
【0010】
本発明の特定の一態様において、組成物は、上に定義したように、本質的に送達システムおよび外部吸収材料からなる。
本発明の特定の一態様において、送達システムおよび外部吸収材料の両方は、フリーフローの顆粒形状である。外部吸収材の粒子径は、0.2〜10mm、特に0.5〜5mmの範囲であり、一方送達システムの粒子径は、好ましくは0.5〜4mm、特に1.5〜3mmおよび0.8〜3mmの範囲である。この種のサイズ範囲は、特に望ましく、また、本発明の利点の一つは、送達システムの粒子をこれらのサイズに簡単に作ることができることである。
【0011】
粒子の形は重大ではない。送達システムおよび外部吸収材両方の粒子は、好ましくは本質的に球状であるが、これは、かかる形は外見がより魅力的であり、この形の粒子は輸送中磨耗する傾向が少ないからであり、送達システムおよび外部吸収材の一方または両方の粒子が他の形を有することも可能である。他の形の例は、血小板形(特に動物用リター用に好ましい)、結晶形、円柱形、楕円形および繊維形を含む。非球状の場合、上記の寸法は、粒子の主要の寸法を示す。
【0012】
本発明の最も好ましい態様において、送達システムおよび外部吸収相は、異なる色である。
本発明はさらに、実在するまたは潜在的な悪臭源の、上に定義したフリーフロー固体悪臭中和剤組成物への接触を含む、悪臭を低減させるまたは排除する方法を含む。
【0013】
「コア材料」とは、フレグランス材料内に分散したまたはこれで被覆した、またはフレグランス封入材料で被覆した微粒子材料を意味する。コア材料は、送達システムおよびに含まれるフレグランスの一部を吸収してもよく、その遅延放出を容易にする。存在するコア材料の粒子の数およびサイズは、最終製品の粒子径の要求事項が満たされるのであれば、厳しく制限はない。コア材料は、粒子における内部使用に望ましいサイズで産生するか、あるいはそのサイズまで下げることができる当該技術分野で既知のいかなる材料であってもよい。それは、有機または無機であってもよい。2または3以上のかかる吸収材料の混合を使うことが許容される。
コア材料は、一態様において、0.2〜2.0g/cm、より特に0.2〜1.5g/cm、0.5〜1.2g/cmおよび0.8〜1.2g/cmのかさ密度を有する。
【0014】
さらに、コア材料は、水溶性材料または不水溶性の吸収材料、あるいはそれらの混合物であってもよい。コア材料の組成物を変えることによって、想定する用途の種類および望ましい視覚効果に依存して、完全に水溶性、部分的に水溶性または水分散性または完全に不水溶性なコア材料を得ることが可能であることは、当業者に明らかである。
【0015】
本発明においてコア材料として有用な水溶性コア材料の例は、アルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の塩などの無機材料、および、ショ糖、フルクトース、サッカロース、および他の糖類などの低分子量非セルロース系炭水化物、モルトデキストリン類、およびポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩類などの水溶性高分子の粉末などの有機材料を含む(が、それらに限定されない)。
本発明の特定の一態様において、水溶性コア材料は、本質的に少なくとも1つの水溶性の糖である。
【0016】
さらなる態様において、コア材料は、本質的に不水溶性の有機材料からなる。特定の一態様において、コア材料は、植物性原料のものである。さらなる特定の一態様において、コア材料は、トウモロコシの穂軸からなる。この態様については、以下にさらに説明する。
【0017】
好適な不水溶性の吸収材料の典型的な非限定の例は、珪藻土、ナトリウムおよびカルシウムベントナイト類、セピオライト類、イライトおよびカオリナイトなどの粘土類;ゼオライト類、アルミノケイ酸塩類および多孔質またはメソ多孔質ケイ酸塩類、シリカゲル、化学処理により修飾してもよい含水二酸化ケイ素;挽いたトウモロコシの穂軸、殻、小麦繊維類およびセルロース繊維類などの有機材料を含む。
【0018】
さらなる態様において、コア材料は、本質的に不水溶性の吸収材料からなる。より好ましい一態様において、コア材料は、無機材料である。さらにより好ましい態様において、コア材料は、外部吸収材料と同一である。この態様については、以下にさらに説明する。
【0019】
本発明の組成物で使用するフレグランス材料は、精油、アブソリュート、レジノイド、樹脂、凝結物などの天然製品、および炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、酸類、アセタール類、ケタール類およびニトリル類、飽和および不飽和化合物、脂肪族、炭素環および複素環化合物を含む、あるいは上記いずれかの前駆体などの合成香料成分から選択してもよい。使用してもよい着臭剤組成物の他の例は、H 1468(防衛発明登録明細書(United States Statutory Invention Registration))に記載されている。フレグランスは任意に、悪臭の認知を低減させることが知られている芳香化学品を有してもよい。フレグランスは任意に、悪臭の認知を低減させるおよび/または抗菌作用を介してそれらの形成を妨げることが知られている芳香化学品を有してもよい。
【0020】
悪臭中和剤の非限定の例は、トリメチルヘキサナール、ベンズアルデヒド、バニリン、ライラル(lyral)、ジヒドロジャスモン酸メチル、リグストラール(ligustral)、メロナール(melonal)、オクチルアルデヒド、シトラール、サイマル(cymal)、ノニルアルデヒド、ボージュナール(bourgeonal)、ラウリンアルデヒドなどのアルデヒド類;イオノンアルファ、イオノンベータ、イオノンガンマメチルなどのエノン類、シクロアルキル第3級アルコール、シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキシル−1−エタノールなどのアルコール類;4−エチルシクロヘキシルメチルケトン、3および4−イソプロピルシクロヘキシルメチルケトンおよび4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;クロトン酸ゲラニル、シクロヘキシル−1−エチル−n−ブチラート、シクロヘキシル−1−エチル−アセテート、2−ヒドロキシエチルp−tert−ブチルフェノキシアセテート、6−ヒドロキシルヘキシルフェノキシアセテート、4−ヒドロキシブチルフェノキシアセテート、桂皮酸ベンジル、メトキシ桂皮酸オクチル、桂皮酸フェニル、フマル酸エステル類、2−ヒドロキシエチルフェノキシアセテート、2−ヒドロキシエチルp−tert−ブチルフェノキシアセテート、6−ヒドロキシルヘキシルフェノキシアセテート、4−ヒドロキシブチルフェノキシアセテート、3−メチル−2−ヘキセン酸のメチルおよびエチルエステル類、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキセニルメチルなどのエステル類;イソシクロゲラニオールカーボネート類、シクロヘキセンカーボネート類、シクロヘキサンカーボネート類、ノルボルネンカーボネート類、およびジヒドロイソシクロゲラニオールカーボネート類などの炭酸類;3−メチル−5−フェニル−ペンタンニトリルおよび3−メチル−5−シクロヘキシル−ペンタンニトリルなどのニトリル類、およびそれらの混合物を含む。
【0021】
抗菌材料の非限定の例は、環式アルコール類、例えば、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、4−(1−メチルエチル)−ベンゼンメタノール、2−フェニル−エタノール、3−フェニル−プロパノールベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール;分枝状または非分枝状直鎖アルコール類、例えば、10−ウンデセノール、1−ノナノールからのもの、ラクトン類、例えば、5−ヘキシル−フラン−2(3h)−オン、ジヒドロ−5−ペンチル−2(3h)−フラノン、2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルなどの環式エーテル類;フェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノールなどのフェノール化合物;ローズマリー、タイム、ラベンダー、オイゲノール、ゼラニウム、ティーツリー、クローブ、レモングラス、ペパーミント、アニス、レモン、オレンジ、サンダルウッド、シーダー、バーベイン(vervaine)などの精油、またはアネトール、チモール、オイカリプトール、オイゲノール、ファルネソール、メントール、リモネン、サリチル酸メチル、サリチル酸、テルピネオール、ネロリドール、ゲラニオール、セドロール、カバクロール(cavacrol)、ベルベノン(verbenone)、オイカリプトールおよびピノカルボン(pinocarvone)、ヒノキチオール、ベルベリン、桂皮アルデヒド、桂皮アルコールおよびそれらの混合物などの、それらの活性成分;環式アルデヒド類、例えば、2−メチル−3−フェニル−2−プロペナール、2−フェニル−プロパナール、分枝状または非分枝状直鎖アルデヒド類、例えば、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−アール、2,4−ノナジエナール;およびそれらの混合物を含む。
【0022】
本発明での使用に特に好適なフレグランス材料は、10 Pa ppmより低い損失係数を有するものであり、ここで、用語「損失係数」は、流動層における凝集中のフレグランス材料の損失に関するパラメータを示し、標準状態(278.15K、1atm)で純粋な成分飽和蒸気圧(Pa)および室温での水溶性(ppm)の製品と定義する。市販のフレグランス成分の蒸気圧および水溶性のデータは周知であり、よって、あるフレグランス成分の損失係数は、簡単に算出することができる。代わりに、蒸気圧および水溶性測定は、当該技術分野で周知の技術を使って簡単に行うことができる。フレグランス成分の蒸気圧は、既知の量的ヘッドスペース分析技術のいずれを使って測定してもよく、例えば、MuellerおよびLamparsky著「Perfumes: Art, Science and Technology」の第6章「The Measurement of Odors」(176〜179頁)(Elsevier 1991)を参照。フレグランスの水溶性は、難水溶性材料の測定について当該技術分野で既知の技術に従って測定してもよい。好ましい技術は、水中フレグランス成分の飽和溶液の形成を伴う。平衡後、理想的な溶液が管内で形成されるよう、透析膜付の管を溶液中に配する。管を除去し、その中の水溶液を、フレグランス成分を除去するために好適な有機溶媒で抽出する。最後に、抽出したフレグランス成分を濃縮し、例えばガスクロマトグラフィーを使って測定する。フレグランスを測定するための他の方法は、Gygax et al, Chimia 55 (2001) 401-405に開示されている。
【0023】
「フレグランス封入材料」とは、送達システムからフレグランスが拡散するのを効果的に妨ぐバリア材料を意味する。フレグランス封入材料は、親水性材料であり、以下のものから選択してもよい:
(1)水溶性または水分散性ポリマー、特にデンプンおよびコハク酸オクテニル部分を有する加工デンプンまたはデキストリンなどの多糖類および修飾多糖類;
(2)モルトデキストリン、糖類、糖アルコール類、マンニトール、イヌリン、およびトレハロース;
(3)アルギン酸エステル類、アラビアゴム、トラガカントゴムおよびカラヤゴムなどの天然または合成ゴム類、カラギーナン、キサンタン類、寒天、ペクチン類、およびペクチン酸;
【0024】
(4)合成の水溶性または部分的に水溶性、または水分解性ポリマー、例えば(i)ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール−ビニルアセテート)共重合体、ポリ(ビニルアルコール−ビニルアセテート−ビニルスルホン酸ナトリウム)共重合体などのビニルポリマー;ポリ(ビニルピロリドン−ビニルアセテート)、ポリ(ビニルピロリドン−ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン−スチレン)などのポリ(ビニルピロリドン)および共重合体の誘導体;(ii)アルカリ可溶性ポリマー類、例えばポリ(アクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(アルキル(メタ)アクリルレート−(メタ)アクリル酸)共重合体、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)共重合体、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、(iii)ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロック共重合体;
(iv)それらの混合物;
【0025】
(5)生分解性(生)高分子、例えば(i)ポリエステル類、特にポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド−D−グルコース)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)などの乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸誘導体のポリマーおよびそれらのさらなる誘導体、共重合体または混合物;(ii)ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)誘導体の水溶性または水分散性形態;(iii)リグニンスルホン酸塩類、オキシリグニン類およびクラフトリグニン類などのリグニン誘導体およびそれらのさらなる誘導体または混合物。
【0026】
好ましいフレグランス封入材料は、コハク酸オクテニル部分を有する加工デンプンおよびマンニトールを90:10〜10:90、特に80:20〜50:50の重量%比で混和した混合物である。
【0027】
「保護被覆材」とは、粒子の崩壊または集塊をもたらす製品中にある低レベルの湿気を妨げる機能を有するが、多量の水の使用がある場合には、崩壊し、フレグランスを放出させる、薄層の材料を意味する。好適な保護被覆材料は、セルロース、微結晶性セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、フタレートまたはスクシネートなどのセルロースエーテル類およびエステル類、ならびに腸溶性のaquateric被覆材およびそれらの混合物、カラギーナン、キトサン、アセトアセチル化ポリビニルアルコール類、ポリ(アルキレンオキシド)ホモ重合体およびブロック共重合体、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルエーテル−無水マレイン酸)、有機シリコーン類、およびコロイド状または粉末形状の、ケイ酸塩類、硫酸塩類、ホウ酸塩類、酸化物類、水酸化物類、粘土鉱物類、セリット類、ゼオライト類などの無機材料から選択される。好ましい保護被覆材は、微結晶性セルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、またはそれらのカラギーナン、モルトデキストリンおよびポリエチレングリコールとの混合物である。
【0028】
組成物に色があるのが望ましい場合、あらゆる好適な有色物質を使って提供してもよい。本発明で使用する特に好適な有色物質は、封入材料に対して高親和性を持ち、その結果、周囲に移動する能力が制限される、水溶性染料および水分散性色素である。水の作用の下で簡単に移動する有色物質を使用しないことが好ましい。これは、これらが、組成物の変色および染色につながり得、望ましくない外見、組成物を含有する容器またはデバイスの染色、および組成物の一部がこれらからこぼれた場合、容器またはデバイスの周りの環境の染色をもたらすからである。好適な有色物質の選択は、封入材料の性質に依存し、この選択は、実験室のスクリーニング作業に頼ることが、当業者に明らかである。好適な有色物質をスクリーニングおよび選択する便利な方法は、例えば、吸収材料を敷いた上に送達システムのカラー粒子を配し、一定量の水(例えば1ml)をこの粒子に添加し、一定時間(例えば24時間)後、有色物質の移動により生じる有色点の直径を測定することを伴う。カラー粒子の平均径よりも小さい半径の有色点を生じさせる有色物質は、本発明の範囲に好適であると考えられる。好ましい有色物質は、フタロシアニン色素などの水分散性色素である。最も好ましい有色物質は、スチレン−アクリル樹脂と調製した水分散性色素の水分散液である。
【0029】
本発明の送達システムは、乳化剤、結合剤および集塊防止(anti-clumping)剤などの製剤添加剤、pH調整剤などの機能的添加剤、および抗菌剤、防虫剤、および誘引剤などの生物活性剤を含有してもよい。
送達システムは、0.2〜2.0、特に、0.4〜2.0、0.4〜1.3、0.5〜1.5および0.7〜1.1g/cmのかさ密度を有する一方、送達システムのかさ密度対外部吸収材のかさ密度は、0.5〜1.5、特に0.7〜1.3およびより特に0.8〜1.2である。
【0030】
送達システムは、外部吸収材料と混合する。「外部吸収材料」とは、湿気および/または悪臭の制御を提供するのに十分な量の水性液体または悪臭を吸収し得るあらゆるフリーフロー材料を意味する。50重量%より多い水を吸収するまたはヘッドスペース濃度および悪臭の認知を実質的に減少させる能力がある材料は、本発明で特に有用な吸収材料のカテゴリーに属する。吸収および吸着間の違いは、本発明の文脈において無関係であると考えられ、したがって、通常吸着材料であると考えられる材料は、吸収材料のカテゴリーに含まれる。
【0031】
フリーフロー外部吸収材は、例えば、球状または細長い粒子、または小繊維の形状の微粒子であってもよい。典型的な外部吸収材料は、例えば、珪藻土、ナトリウムおよびカルシウムベントナイト類、セピオライト類、イライトおよびカオリナイトなどの粘土類;ゼオライト類、アルミノケイ酸塩類および多孔質またはメソ多孔質ケイ酸塩類;シクロデキストリン類;活性炭;ポリアクリル酸塩類、ポリアクリルアミド類またはスルホン化ポリスチレンなどの超吸収高分子;挽いたトウモロコシの穂軸、もみ殻の灰、挽いたアルファルファ、荒挽き小麦粉、セモリナ、経木、刻んだ大豆の茎、落花生殻、経木などの有機吸収材、およびそれらの混合物から選択される。かかる吸収材料の、セルロース、砂、土、挽いた岩、フライアッシュ、またはそれらの混合物などの充填材料との混合物は、吸収材料として考えられ得るが、これらの混合物は、上述のように、大量の水の摂取および悪臭の吸収特性を示す。典型的に、吸収材料を、注入力(pourability)、フリーフロー力および外見を改善するために、細塵状粒子を除去するために、および水の存在下で過度の集塊化を妨げるために、調節する。典型的な調節処理は、顆粒形状、ビーズ、棒状物および薄片を提供するための、造粒または凝集、圧縮、押出およびガスケット押出を含むが、それらに限定されず、それは任意に、集塊防止剤と混和することができる。これらの形状を作る方法は、当該技術分野で周知である。
【0032】
本発明の特定の態様において、吸湿材および集中空調ユニットで特に有用な、吸収材料は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、シリカゲル、ケイ酸塩類、セリット、活性アルミナ、ゼオライト、活性炭およびモレキュラーシーブなどの既知の乾燥剤であってもよい。これらは、金属塩、例えば、硫酸アルミニウムまたはリシノール酸亜鉛、シクロデキストリンおよび活性炭などの悪臭吸収材料と任意に混和してもよい。
【0033】
別の本発明の特定の態様において、吸湿材および集中空調ユニットで特に有用な、組成物を、錠剤または所望であり得るあらゆる小型の形を形成するために圧縮する。
【0034】
外部吸収体のさらに可能性のある原料は、フレグランスである。多くの場合、送達システム内にすべてのフレグランスを有するのが望ましく、いくつかの場合、外部吸収体内に1.0重量%まで、好ましくは外部吸収体内に0.5重量%までのいくつかのフレグランスを有するのが望ましい。外部吸収体に添加するフレグランスは、送達システムに使われるフレグランスと同じである必要はない。
【0035】
動物用リターの好ましい態様は、コア材料が、無機吸収材であるとき、特に外部吸収材と同じ材料であるときである。それは、驚くべきことに製品の集塊化を低減させることが見出されていることからである。コア材料および外部吸収材の好ましい例は、すべて任意に化学的に処理された、珪藻土、ナトリウムおよびカルシウムベントナイト類、セピオライト類およびカオリナイトを含む。
【0036】
本発明はまた、上述のように送達システムを形成する方法に関し、該方法は、フレグランス材料を吸収材料にスプレーし、それにより上述のように内部吸収材料になるステップを含む。任意に、得られる封入材料を、上に定義したように被覆材料で被覆することができる。
【0037】
フレグランス材料を、本発明の組成物を作り上げるために、乳液状で粒子にスプレーしてもよい。フレグランス材料を、例えば、流動層において、凝集プロセスでコア粒子に適用してもよい。好ましくは、凝集は、製品容器を備えた周知の流動層乾燥機のいずれでも行われる。プロセスは、コア材料の流動化から始まる。
【0038】
フレグランス材料の乳液は、乳液を形成するために、フレグランスを水および封入材料、および任意に染料を含む水相と高剪断下で混合することによって形成してもよい。乳液はその後、流動層の上部(上部スプレー)、側部(側部スプレー)、接線(接線スプレー)、または下部(下部スプレー)に挿入された、圧力、音速または空気ノズル、好ましくは、二流体ノズル、または三流体ノズルを使って、流動コア粒子にスプレーしてもよい。
【0039】
代わりに、フレグランス材料の乳液を、スプレー被覆プロセスにおいてコア粒子に適用してもよく、ここでフレグランス材料を、望ましい最終送達システム粒子径および粒子径分布に見合った粒子径および粒子径分布を有するコア材料に被覆する。スプレー被覆プロセスを、微粒子コア材料を、粒子を霧状フレグランス材料の乳液を提供するスプレーに均一に曝露するような方法で動かす、流動層乾燥機、ドラム式塗装機、鍋式塗装機またはレーディゲ(Loedige)ミキサー、またはあらゆる機械デバイスで行ってもよい。
【0040】
凝集またはスプレー被覆プロセス完了後または乳液を流動コア粒子に完全にスプレーした後、被覆材料を、任意に送達システムに塗布することができる。典型的に、被覆材料を、溶解物、水溶液、乳液または分散液状にて提供し、上記と同じノズル設備を使って送達システムにスプレーしてもよい。
【0041】
本発明はさらに、典型的に:
− 0.1〜10%、好ましくは0.25〜10%、より好ましくは0.5〜5%のフレグランス送達システムであり、以下のものを含むもの
− 50〜90%、好ましくは60〜75%のコア材料および
− 以下のものを含有する10〜50%、好ましくは25〜40%のフレグランス材料
− 1〜30%、好ましくは10〜20%のフレグランスまたは悪臭中和物質および
− 70〜99%、好ましくは80〜90%のフレグランス封入材料
および、任意に、
− 0.01〜5%、好ましくは0.2〜2%、より好ましくは0.2〜2.5%の染料
および、任意に、
− 0.5〜10%、好ましくは1〜5%の保護被覆材料であり、任意に0.01〜5%、好ましくは0.2〜2.5%の染料を含有するもの;
および、
− 90〜99.9%、好ましくは90〜99.75%、より好ましくは95〜99.5%の外部吸収材料(すべてのパーセンテージは重量である)
を含む臭気制御組成物を提供する。
【0042】
本発明の組成物および方法は、多くの異なる用途において有用であり、悪臭またはそれらの発生の潜在性を、妨げるまたは少なくとも低減させるべきである。したがって、本発明はまた、実在するまたは潜在的な悪臭源に曝露し、少なくともその悪臭またはその潜在性を低減させるのに適した製品であり、上に定義したように固体のフリーフロー組成物を含む製品を提供する。
【0043】
本発明を使用することができる製品の種類は、動物用リター、生理用ナプキンおよび尿漏れ防止パッド、集中空調ユニット用フィルタ、および吸湿材を含むが、それらに限定されない。本発明は、動物用リター、特に猫用のものと併用すると特に効果的である。したがって、本発明はまた、上に定義したように固体のフリーフロー組成物を含む動物用リター、特に猫用リターを提供する。
【0044】
本発明はここで、好ましい態様を説明する以下の非限定の例を参考にさらに説明する。材料のすべてのパーセンテージは、重量である。
【0045】
例1:吸収材料の調製
800gのイライト粘土を、回転横軸に取り付けられた3つのプロシェア(ploughshare)シャベル、および側面の回転チョッパーを備えたレーディゲ社の実験室用湿式造粒機M 5に注入した。
チャンバーを、外部油浴で70℃(製品温度は55℃)に加熱した。
100mlの水を、混合チャンバー内の粘土に直接添加した。プロシェアおよびチョッパーを始動し、混合プロセスを10分間行った。さらに50mlの水を添加し、2分間混合した。最後に、280gの水中10%w/wヒドロキシプロピルメチルセルロースを、チャンバーに投入した。
顆粒材料を、オーブンで80±5℃で20分間乾燥し、かさ密度が1.03g/cmの灰色がかった茶色の顆粒吸収材料を得た。
【0046】
例2:吸収材をコア材料として有する送達システムの調製
フレグランス材料の乳液を、2kgのフレグランスオイルを10kgの水、2kgのマンニトール60(Roquette Freresより)、6kgの加工デンプンHiCap 100(National Starchより)および0.07kgのHeucosperse色素GS分散液(Heubach Internationalより)含有の水相に乳化させることによって調製した。乳液を、完全に溶解されるまで、ポリトロン(polytron)タービン(ドイツ、Ystral GmbH X 50710)で激しい攪拌(15500rpm)の下で前記封入材料を一緒にゆっくり添加する手段にしたがって調製した。そして、フレグランスを、攪拌継続中に添加した。混合物を、1ミクロンを下回る平均粒子径を有する安定な乳液が得られるまでさらに10分間均質にした。
【0047】
例1にしたがって調製した20kgの吸収材料を、円錐流動層造粒機WS-GT-0.40(ドイツ、Allgaier Werke GmbH)に入れ、300m/hの空気流量を適用することによって流動させた(プロセスを継続すると、圧力を徐々に600m/hに上げる必要があった)。そして、20kgの前記フレグランス材料の乳液を、側面挿入型二流体ノズル(Schlick Modell 0/2、ドイツ、Duesen-Schlick GmbH)を使って、2.5barの噴霧空気圧力を10kg毎時までのスプレー率で適用することにより、流動吸収材料にスプレーした。入口温度は100℃、出口温度は45℃であった。その後、被覆材料(LustreClear LC 101、FMC BioPolymer Pharmaceuticalより)の水懸濁液を、得られた組成物にスプレーし、2%の被覆材料を含有する被覆した顆粒材料を形成した。これにより、25kgの顆粒形状の送達システムを得た。スクリーニング(2.0mmふるい)後、かさ密度は、0.90g/cmであり、微粒子材料は、無塵で、フリーフローであった。
【0048】
例3:糖をコア材料として有する送達システムの調製
同じ手段を上記のように適用したが、吸収材のコア材料を、粒子径分布0.7〜1.3mmおよびかさ密度0.79g/cmを有するサッカロースMiddling Fine(ドイツ、Suedzuckerより)に置き換えた。
【0049】
例4:スプレー被覆材による、糖をコア材料として有する送達システムの調製
18.7%の香料、8.4%のマンニトール60(Roquette Freresより)、33.6%のHi-Cap 100(National Starchより)および0.1%のHeucosperse色素分散液(Heubach Internationalより)および39.3%の水を含有するフレグランス材料の乳液を、例1に記載したよう調製にした。
【0050】
12kgのざらめ糖コア材料(Carrare C10、ベルギー、Sucrerie Coupletより)を、円錐流動層造粒機WS-GT-0.40(ドイツ、Allgaier Werke GmbH)に入れ、350m/hの空気流量を適用することによって流動させた(プロセスを継続すると、圧力を徐々に600m/hに上げる必要があった)。そして、4.9kgの前記フレグランス材料の乳液を、側面挿入型二流体ノズル(Schlick Modell 0/2、ドイツ、Duesen-Schlick GmbH)を使って、4barの噴霧空気圧力を4kg毎時までのスプレー率で適用することにより、ざらめ糖にスプレーした。入口温度は100℃、出口温度は45℃であった。これにより、粒子径が2mm〜3mmの範囲であり、かさ密度が0.74g/cmであり、フリーフローおよび無塵である、送達システムを得た。
【0051】
例5:ドラム式塗装機を使った、トウモロコシの穂軸をコア材料として有する送達システムの調製
1.25kgのトウモロコシの穂軸画分A1(米国アイオワ州、Independence Corn By-Productsより)を、2.5Lドラム付のDRC Vario 500/600 (ドイツ、DRIAMより)に入れた。設定:層・ノズル間の距離8〜10cm;ノズル:1.2mm;スプレー圧力:1.0bar;スプレー率:5〜12g/分。
39.5%の水、8.3%のマンニトール、33.0%のHi-Cap 100、18.6%の香料および0.7%の染料を含む0.83kgのフレグランス材料の乳液を、蠕動ポンプにより0.55kg/時で供給するSchlick三流体ノズルを使ってスプレーした。スプレー中、入口温度を80℃に、出口温度を50℃に設定した。
【0052】
最後に、8.0%のLustreClear LC 101(FMC BioPolymer Pharmaceuticalより)および92%の水を含有する0.313kgの分散液を、有色製品にスプレーした。スプレー中、入口温度を80℃に、出口温度を45℃に保持した。
これにより、2.2kgのかさ密度が0.56g/cmの送達システムを得、微粒子材料は、無塵およびフリーフローであった。
【0053】
例6:保管安定性に対する被覆の効果:
様々な量の被覆材料の水性懸濁液(LustreClear LC101、FMC BioPolymer Pharmaceuticalより)を、例3にしたがって調製した送達システムにスプレーした。例3にしたがって調製した1gの送達システムを、蓋をしないペトリ皿にて49gの吸収材料と混和させ、制御された気候条件下(37℃および相対湿度70%で5週間まで、および75℃および相対湿度80%で1日間)に置いた。一定期間後、表1に記したとおり、サンプルの粘性、すなわち、隣接した吸収材粒子と集塊する範囲を、評価した。サンプルを、以下のように格付けした:++:粘着性なし、+:わずかに粘着性があり、塵埃が粘着する、0:少し粘着性があり、小粒子のみが粘着する、−:粘着性あり。
【0054】
表1
【表1】

【0055】
例7:リターにおける着臭評価:
例2で調製したフレグランス送達システムは、7%のフレグランスを含有した。例1で調製した吸収材料に1%投与した。同量のフリーのフレグランスオイル(0.07%)を、例1で調製した吸収材料に投与した。100gの各混合物を、250mlボトルに入れた。1セットを10gの水を添加することにより、最初に臭気強度について比較した。5人の審査団が、5段階評価で臭気の強度を格付けした(1=非常に低い臭気強度および5=高い臭気強度)。第2のセットを、37℃の保管用オーブンに7日間入れた。サンプルをオーブンから取り出し、室温まで冷ました。10gの水を各製品に注ぎ、審査団がそれらの臭気強度について評価した。結果は、以下のとおりである。
【0056】
【表2】

【0057】
送達システムは、フリーのフレグランスオイルを添加したときと比較して、明らかに長期にわたり揮発性のフレグランス原料の保持が非常に効率的である。
【0058】
例8.異なる粒子の着臭評価
例3に概説したプロセスを使って、2つの送達システムを調製した。1つは、内部糖コア材料および例2に記載したように適用した被覆材(2%)を有した。2つ目のシステムは、内部糖コア材料を有したが、被覆材を適用しなかった。送達システムを、例1で調製した吸収材料および例5のように調製したサンプルに1%添加した。フリーのフレグランス対照を、例5のように調製した。サンプルを、例5にある手順を使って評価した。審査団の結果は、以下のとおりである。
【0059】
【表3】

【0060】
例9.ベントナイト粘土中の異なる粒子の着臭評価
フレグランス送達システムを例3のように調整した。エンローブした(enrobed)システムを、以下の配合:ゼオライト69部、ベントナイト粘土10部、プロピレングリコール1部、フレグランス20部、を用いて、米国特許第6,803,833号にしたがって調製した。
送達システムおよびフリーのフレグランスのサンプルを、例5のように調製した。エンローブしたフレグランス含有のサンプルを、同等のフレグランスを有するよう、粘土に0.35%(w/w)添加することにより調製した。サンプルを、例5のように評価した。結果を以下に示す。
【0061】
【表4】

送達システムは、保管後、フレグランスに優るパフォーマンス利益およびフリーのフレグランスよりも大きな利益を提供する。
【0062】
例10.集塊への内部吸収コアの効果
例2、3および5に概説したプロセスを使って、3つの送達システムを調製した。1つは、外部被覆材なしの内部粘土吸収材を有した。2つ目のシステムは、内部糖コア材料を有したが、被覆材を適用しなかった。3つ目のシステムは、内部トウモロコシの穂軸コア材料を有したが、被覆材を適用しなかった。送達システムを、例1で調製した外部吸収材料に1%添加し、サンプルを、30℃、80%相対湿度で保管した。リターを、集塊について評価した。
++:粘着性なし、+:わずかに粘着性があり、塵埃が粘着する、0:少し粘着性があり、小粒子のみが粘着する、−:粘着性あり。
【0063】
結果を以下に示す。
【表5】

内部粘土コアを有する粒子は、内部糖コアを有するものよりも集塊しなかった。
【0064】
例11.尿漏れ防止パッドにおける送達システムの着臭評価
例3で調製した送達システムを、Tena製のSerenity(登録商標)Extra吸収尿漏れ防止パッドに添加した。これらのパッドは、市場サンプルとして入手した。
尿漏れ防止パッドを側面から開き、内部の吸収材層を、個々のサンプルを中に配置するための空間を形成するために分離した。2セットのサンプルを、サンプル1については例3にしたがって調製した0.3gの送達システムをパッドの中央に、および0.0021gのフレグランスをパッドの中央に添加することにより調製した。セット1は、10gの水の添加があり、例5のように強度を審査した。セット2を、37℃のオーブンに7日間入れ、パッドを室温と平衡にし、10gの水を、各パッドに添加した。審査の結果は、以下のとおりである。
【0065】
【表6】

システムは明らかに、保管しても送達システムから多くのフレグランスを送っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実在するまたは潜在的な悪臭の影響を受ける消費者製品中に、フレグランスまたは悪臭中和剤を送るのに適した固体のフリーフロー組成物であって、
− フレグランス封入材料中に分散フレグランスの微液滴を含むフレグランス材料に囲まれ、任意に保護被覆材に囲まれた、コア材料からなる送達システム
および、
− フレグランス送達ビヒクルが分散した、外部吸収材料
を含む、前記組成物。
【請求項2】
本質的に
− フレグランス封入材料中に分散フレグランスの微液滴を含むフレグランス材料に囲まれ、任意に保護被覆材に囲まれた、コア材料からなる送達システム
および、
− フレグランス送達ビヒクルが分散した、外部吸収材料
からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
送達システムおよび外部吸収材料の両方がフリーフローで顆粒の形状であり、粒子径が0.2〜10mmの範囲、好ましくは0.5〜5mmであり、これに対し送達システムは、好ましくは0.5〜4mmの範囲、より好ましくは1.5〜3mmおよび最も好ましくは0.8〜3mmの粒子径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
送達システムおよび外部吸収材料が本質的に球状である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
送達システムが、0.4〜2.0、好ましくは0.5〜1.5g/cmのかさ密度を有し、一方外部吸収材のかさ密度対送達システムのかさ密度の比率は、0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3および最も好ましくは0.8〜1.2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
送達システムおよび外部吸収材料が異なる色を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
外部吸収材料がフレグランスを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
微結晶性セルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、およびカラギーナン、モルトデキストリンおよびポリエチレングリコールとのそれらの混合物から選択された保護被覆材が存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
吸収材料が、好ましくは塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、シリカゲル、ケイ酸塩類、セリット、活性アルミナ、ゼオライト、活性炭およびモレキュラーシーブからなる群から選択される乾燥剤であり、これらは悪臭吸収材料、好ましくは金属塩、シクロデキストリン類および活性炭から選択された悪臭吸収材料と任意に混和される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
− 0.1〜10%、好ましくは0.25〜10%、より好ましくは0.5〜5%のフレグランス送達システムであり、以下のものを含むもの
− 50〜90%、好ましくは60〜75%のコア材料および
− 以下のものを含有する10〜50%、好ましくは25〜40%のフレグランス材料
− 1〜30%、好ましくは10〜20%のフレグランスまたは悪臭中和物質および
− 70〜99%、好ましくは80〜90%のフレグランス封入材料
および、任意に、
− 0.01〜5%、好ましくは0.2〜2%、より好ましくは0.2〜2.5%の染料
および、任意に、
− 0.5〜10%、好ましくは1〜5%の保護被覆材料であり、任意に0.01〜5%、好ましくは0.2〜2.5%の染料を含有するもの;
および、
− 90〜99.9%、好ましくは90〜99.75%、より好ましくは95〜99.5%の外部吸収材料(すべてのパーセンテージは重量である)
を含む、臭気制御組成物。
【請求項11】
実在するまたは潜在的な悪臭源の、請求項1に記載のフリーフロー固体悪臭中和剤組成物への接触を含む、悪臭を低減させるまたは排除する方法。
【請求項12】
実在するまたは潜在的な悪臭源に曝露し、少なくともその悪臭またはその潜在性を低減させるのに適した製品であり、請求項1に記載の固体のフリーフロー組成物を含む、前記製品。
【請求項13】
製品が動物用リターである、請求項12に記載の製品。

【公表番号】特表2008−538191(P2008−538191A)
【公表日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504597(P2008−504597)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000187
【国際公開番号】WO2006/105680
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】