説明

フレーム材固定用の連結ナット

【課題】フレーム材を他の部材に固定したとき確実にフレーム材と導通し、組み立てた後でも部分的な構造変更を容易に行うことができるフレーム材固定用の連結ナットを提供する
【解決手段】スライド溝14の幅広部18の幅より僅かに狭い間隔で、互いに平行に対向する一対の側辺44を有する本体42を備える。本体42の中央部に設けられたネジ穴28を有する。本体表面42aのネジ穴28と一対の側辺44とに挟まれた領域に設けられ、スライド溝14の一対の開口端20の間隔よりも広い間隔で対向し、一対の側辺44と互いに平行な一対の筋状突起48を備える。本体42の外形が略正方形で、一対の側辺42,44と平行に、筋状突起48,50を備えている。筋状突起48,50は、長さがスライド溝14の一対の開口端20の間隔よりも短く、高さがフレーム材12表面の絶縁膜の厚みよりも高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺のアルミニウム押出形材であるフレーム材に他の部材を固定する際、対応する連結ボルトと一対に使用されるフレーム材固定用の連結ナットに関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム押出形材のフレーム材は、所定の長さに切断してパーツ単位に加工された後、パーツ同士が連結されたり、パーツと他の部材とが連結されたりして所定の構造体が組み立てられる。
【0003】
例えば、図5(a)に示す構造体10は、長方形の枠の長辺用のフレーム材12である2本の縦パーツ12aと、短辺用の4本の横パーツ12bを連結して格子状に組み立てたものである。ここで用いられているフレーム材12は、図6に示すように、断面が略正方形で、四辺から断面中心部に向けて有底幅広のスライド溝14が設けられている。スライド溝14は、後述する従来の連結ナット16が摺動自在に入れられる中空の幅広部18と、幅広部18の上面を塞ぐように左右から均等に延出する開口端20を有している。幅広部18は、幅がαで深さがβであり、開口端20が開口する幅がγである。
【0004】
パーツ12a,12bの固定は、図7に示すように、連結ナット16、連結ボルト22、及び取付金具24によって行われる。連結ナット16の本体26は、スライド溝14の幅広部18の幅αより僅か短い4つの側辺で囲まれた略正方形の外形を有し、厚みが幅広部18の深さβよりも薄い。従って、スライド溝12の幅広部18内に入れられると、回転することなくスライドする。さらに、本体表面26aの中央部にはネジ穴28が設けられている。
【0005】
連結ボルト22は、所定の長さのネジ部30とネジ部30よりも直径が大きい頭部32を有し、ネジ部30の外周に連結ナット16のネジ穴28と螺合するネジ溝が形成されている。取付金具24は、L字形の外形を有し、2つの平面に連結ボルト22のネジ部30がゆとりをもって通過可能な透孔24aが個々に設けられている。
【0006】
パーツ12a,12bを固定するとき、まず、縦方向のパーツ12aのスライド溝14の幅広部18に連結ナット16を入れ、相手方の横方向のパーツ12bを固定するための所定の場所に位置決めする。そして、取付金具24のL字の一方の外側面をパーツ12aの側面に当接させ、連結ボルト22のネジ部30を取付金具24の透孔24aに通し、連結ナット16のネジ穴28に螺合させ締め付けて固定する。次に、パーツ12bのスライド溝14の幅広部18に新たな連結ナット16を入れ、所定の場所に位置決めする。そして、パーツ12bの端面をパーツ12aの側面に当接させ、かつパーツ12bの側面を取付金具24の他の外面に当接させ、新たな連結ボルト22のネジ部30を取付金具24の他の透孔24aに通し、対応する連結ナット16のネジ穴28に螺合させ締め付けて固定する。従って、パーツ12a,12aは、それぞれ、開口端20の内側面と連結ナット16の本体表面26aとが当接し、取付金具24の内側面24bと連結ボルト22の頭部裏面32aとが当接し、開口端20及び取付金具24が連結ナット16と連結ボルト22との間に挟持される構造になる。このような固定を複数の箇所に行うことにより、2本の縦方向のパーツ12aと4本の横方向のパーツ12bとが取付金具24を介して固定され、図5(a)に示す構造体10が組み立てられる。
【0007】
また、特許文献1に開示されている構造材固定装置は、上記の構造体10のような構造の組み立てに利用されるもので、連結ナットの本体に所定のナットホルダが装着され、その状態で連結ナットが構造材のスライド溝の幅広部に入れられる。この構成によれば、ナットホルダが有する適度な弾発力によって連結ナットが幅広部の中で保持され、連結ナットの位置決めが容易になる。
【0008】
また、特許文献2に開示されている構造材の結合構造は、上記の構造体10の構成のうち、連結ナット16及び連結ボルト22の使用方法が上述の例とは異なる。構造体10における連結ナット16及び連結ボルト22の部分に特許文献2の結合構造の部材を用いる場合、以下のように組み立てることになる。まず、縦方向のパーツ12aのスライド溝14の幅広部18に特許文献2に開示されたボルトの頭部を入れ、相手方の横方向のパーツ12bを取り付ける場所に位置決めする。そして、そのボルトのネジ部を取付金具24の透孔24aに通して取付金具24の一方の外側面をパーツ12aの側面に当接させ、連結ナット16を螺合させ締め付けて固定する。従って、パーツ12aの開口端20の内側面とボルトの頭部裏面とが当接し、取付金具24の内側面24bと連結ナットの本体表面16aとが当接し、開口端20及び取付金具24が連結ナット16とボルトとの間に挟持される構造になる。さらに、この構造材の結合構造は、ボルトの頭部裏面に一対の凸部が設けられ、ボルトと連結ナット16とを螺合させ締め付けたとき、この凸部が開口端20の内側面に食い込み、結合構造が強固になり位置ずれが生じにくいものである。また、特許文献2には、凸部の形態例として、円錐状に尖った形状のもの、多角錘状に尖った形状のもの、ネジ部を中心に円弧状に湾曲した先尖状の凸条などが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−205228号公報
【特許文献2】特開平11−293767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置等は、静電気に対して敏感な電子部品や素子を取り扱うので、上記のような金属フレーム材を用いて装置の構造体を構成する場合、構造体に静電気が帯電しないように、各フレーム材を電気的に短絡してアースに接続される。
【0011】
従来の構造体10の場合、パーツ12a,12b、連結ナット16、連結ボルト22、連結金具24は、いずれも導電体である。しかし、アルミニウム押出形材のフレーム材12は、耐食性や耐摩耗性を向上させるために、素地表面に絶縁体の酸化アルミニウム膜を形成するアルマイト処理が施されており、さらにアルミニウムの地金が露出した部分にも、容易に自然酸化によって素地表面に酸化膜が形成される。この状態で、各部材を組み立てると、パーツ12a,12bの表面と連結ナット16の表面16aは、互いに当接するだけなので、パーツ12a,12bの表面の酸化膜により電気的に導通しない。従って、静電気対策を確実にするため、別途、通電のための措置を講じる必要がある。
【0012】
一方、特許文献2に開示されているボルトを用いて構造体10を構成した場合、連結ナット16を螺合させて締め付けることによって、ボルトの頭部裏面に設けられた一対の凸部が、開口端20の内側面に食い込み、パーツ12a,12bの表面の酸化膜を突き破って素地に達し導通をとることが可能であると考えられる。しかし、一旦締め付けて固定した後の、ボルト位置の微調整が難しいという問題がある。例えば、一旦締め付けられた連結ナット16を僅かに緩め、ボルトの凸部がパーツ12a(又は12b)の開口端20の内側面に食い込んだ状態を解除した後、ボルトをスライド溝14の長手方向に僅かにずらし、再び連結ナット16を締め付ける場合、ボルトの凸部が1回目の締め付け時にできた食い込み痕の内側に位置していると、凸部は円錐状の窪みの中心部に向かって誘導され、ボルトを所望位置に固定することができない場合がある。また、ボルトに円弧状に湾曲した先尖状凸条が設けられている場合も同様で、再び連結ナット16を締め付けるとき、先尖状凸条が1回目の締め付け時にできた食い込み痕(円弧状に湾曲した窪み)の端部に当接してガイドされるので、ボルトを所望位置に固定することが難しい。
【0013】
さらに、特許文献2に開示されている構造材の結合構造の場合、パーツ12a,12bのスライド溝14に入れられるのがボルトの頭部なので、外部に露出する部分がボルトのネジ部となり、ボルトのネジ部先端が多数突出する構造となり、外観上好ましくない。さらに、ボルトのネジ部先端の突出量を少なくすると、一旦構造体10が組み立てられた後、一部の構成を変更したくても容易に行うことができない。例えば、図5(a)の構造体10を組み立てた後、図5(b)に示すように構成を変更し、上から2番目のパーツ12bの部分に新たな別部材34を差し込んで固定する場合、上から2番目のパーツ12bを、長さの短い新たなパーツに交換し、かつ、パーツ12aのスライド溝14に入っているボルトをネジ部の長い新たな連結ボルトに交換しなければならない。しかし、交換対象のボルトを取り外すためには、少なくとも上から2つ目までのパーツ12bを分解しなければならず面倒である。また、構造体10よりも複雑な構成の構造体になると、ボルトを取り外す手間が膨大になるので、実際には、組み立てた構造体を廃棄し、新たに構造体を組み立て直す方法が選択されることになる。
【0014】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、連結ナットと一対に使用され、フレーム材を他の部材に固定したときに確実にフレーム材と導通し、組み立てた後でも部分的な構造変更を容易に行うことができるフレーム材の連結ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、長尺のアルミニウム押出形材であるフレーム材の側面に設けられたスライド溝内に保持され、対応する連結ボルトと螺合して前記フレーム材に他の部材を固定させるフレーム材固定用の連結ナットであって、前記スライド溝の前記幅広部の幅より僅かに狭い間隔で互いに平行に対向する一対の側辺を有する本体と、前記本体中央部に設けられたネジ穴と、前記本体表面の前記ネジ穴と前記一対の側辺との間に設けられ、前記スライド溝の一対の開口端の間隔よりも広い間隔で対向し、前記一対の側辺と互いに平行な一対の筋状突起とを備えるフレーム材固定用の連結ナットである。
【0016】
前記本体は、2組の前記一対の側辺で成る矩形の外形を有し、前記ネジ穴と前記2組の一対の側辺に対して、前記一対の筋状突起がそれぞれ設けられ、前記筋状突起の長さが、前記スライド溝の一対の開口端の間隔よりも短くなっている。さらに、前記筋状突起は、前記本体の表裏に形成されていると良い。
【0017】
前記筋状突起は、前記フレーム材表面の酸化膜等の絶縁膜の厚み以上の高さを有し、前記連結ボルトで締め付けると、前記筋状突起が前記一対の開口端の内側面にある前記絶縁膜に食い込み、前記フレーム材の素地に達して電気的に導通する。
【発明の効果】
【0018】
この発明のフレーム材用の連結ナットは、アルミニウム押出形材であるフレーム材と導電物である他の部材を、一対に使用される連結用ボルトの頭部との間で挟持して固定することによって、組み立てられた構造体全体が確実に短絡されるので、構造体の静電気対策を容易にすることができる。
【0019】
また、構造体が組み立てられた後でも、取り付け位置の微調整や部分的な構造変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の連結ナットの第一実施形態を示す正面図(a)、右側面図(b)である。
【図2】この実施形態の連結ナット及び連結ボルトを用いてフレーム材と取付金具とを固定した様子を示す断面図である。
【図3】この発明の連結ナットの変形例を示す正面図(a)、部分破断右側面図(b)である。
【図4】この発明の連結ナットの他の変形例を示す正面図(a)、さらに他の変形例を示す正面図(b)である。
【図5】フレーム材を用いて構成された構造体例の正面図(a)、その構造の一部を変更した正面図(b)である。
【図6】図5の構造体に使用されているフレーム材の断面形状を示す平面図である。
【図7】図5(a)の構造体の組み立て方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の第一実施形態の連結用ナット40について、図1、図2に基づいて説明する。ここで、この実施形態の連結用ナット40を適用するフレーム材12については、図5〜図7に示した各部材と同様の構成に同一の符号を付して説明する。連結用ナット40は、従来の連結ナット16と同様の方法で使用され、連結ボルト22と取付金具24を用いてパーツ12a,12bを組み立てる場合等に用いることができる。
【0022】
連結ナット40の本体42の外形は、従来の連結ナット16の本体26と同様に、図6に示すスライド溝14の幅広部18の幅αより僅か短い4つの側辺で囲まれた略正方形の外形を有し、厚みが幅広部18の深さβよりも薄い。従って、スライド溝12の幅広部18内に入れられると、回転することなくスライドする。さらに、本体表面26aの中央部にはネジ穴28が設けられている。
【0023】
本体表面42aには、ネジ穴28と一対の側辺44とに挟まれた部分に、上端がやや尖鋭な一対の筋状突起48が設けられている。一対の筋状突起48は側辺44に対して平行に設けられ、間隔はスライド溝14の一対の開口端20の間隔よりも広く、個々の長さは開口端20の幅γよりも短い。ネジ穴28と一対の側辺46とに挟まれた部分にも、同様の筋状突起50が一対に設けられている。筋状突起48,50の高さについては後述するが、例えば約0.2〜0.5mm、好ましくは0.25mmに設定される。連結ナット40は、図1に示すように、本体表面42aから見て、上下左右が対称なので、パーツ12a,12bのスライド溝14の幅広部18に入れるとき、側辺44,46の向きを気にする必要がない。
【0024】
次に、連結ナット40を用いて構造体10を組み立てる方法について、図5〜図7に示す例を用いて説明する。組み立ての手順は、従来の連結ナット16を用いた場合とほぼ同様であるが、連結ナット40を縦パーツ12aのスライド溝14の幅広部18に入れるとき、筋状突起48,50をスライド溝14の開口端20の側に向ける。側辺44,46の向きは自由であるが、ここでは、一対の側辺46が幅広部18の幅方向に対向するよう入れられている。従って、連結ナット40を幅広部18に入れた後、連結ボルト22と取付金具24が取り付けられる前の状態では、図1(b)に示すように、一対の筋状突起48はスライド溝14の開口端20の間から露出し、一対の筋状突起50は開口端20の内側に隠れる。
【0025】
連結ナット40を幅広部18に入れた後スライド移動させて、所定の場所に位置決めし、取付金具24の一方の平面を縦方向のパーツ12aの側面に当接させる。そして、連結ボルト22のネジ部30を取付金具24の透孔24aに通し、連結ナット16のネジ穴28に螺合させ、締め付ける。連結ボルト22を締め付けると、連結ナット16がスライド溝14の開口端22側に移動し、筋状突起50が開口端20の内側面に当接し、さらに強いトルクで締め付けると、図2に示すように、筋状突起50が開口端20の内側面に食い込んでいく。
【0026】
連結ボルト22を十分に締め付けると、図2に示すように、パーツ12aの開口端20の内側面と連結ナット16の本体表面26aとが当接し、取付金具24の表面24bと連結ボルト22の頭部裏面32aとが当接し、開口端20及び取付金具24が連結ナット16と連結ボルト22との間に挟持された状態で固定される。
【0027】
パーツ12aはアルミニウム押出形材のフレーム材12を加工したものであり、素地表面にはアルマイト処理による酸化膜(一般的には20μm以下)が形成されている。しかし、連結ナット40の筋状突起50は、高さが例えば約250μmに設定されているので、パーツ12aの酸化膜(絶縁膜)を確実に突き破り、地金まで食い込んで、パーツ12aと連結ナット16が電気的に導通することができる。
【0028】
また、連結ボルト22を一旦締め付け固定した後、固定位置を微調整したいときは、連結ボルト22を僅かに緩め、連結ナット40の筋状突起50がパーツ12aの開口端20の内側面に食い込んでいる状態を解除した後、連結ボルト22をスライド溝14の長手方向に僅かにずらし、再び締め付ける。このとき、1回目の締め付け時にできた筋状突起50による食い込み痕(筋状の窪み)はスライド溝14の長手方向と平行に形成されているので、連結ナット40が僅かにずらされ再び開口端20の内側面に食い込むとき、筋状突起50は、一部が1回目の食い込み痕の中に収まり、残りの部分が、その食い込み痕を真っ直ぐ延長する位置に無理なく食い込むことができる。従って、連結ボルト22及び連結ナット40を固定する位置を容易に微調整することができる。
【0029】
また、連結ボルト22は、構造体10が組み立てられた後でも簡単に取り外すことができ、ネジ部30の長さが異なる他の連結ボルトに自在に交換することができる。従って、構造体10が組み立てられた後、図4(b)のような部分的な構造変更にも容易に対応することができる。
【0030】
以上説明したように、連結ナット40は、アルミニウム押出形材であるパーツ12aと取付金具24を、一対に使用される連結用ボルト22の間で挟持して固定することによって、組み立てられた構造体10の各部材が確実に同電位に短絡されるので、構造体10の静電気対策を容易に施すことができる。また、構造体10が組み立てられた後でも、各部材の取り付け位置の微調整や部分的な構造変更を容易に行うことができる。
【0031】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図3に示す連結ナット40のように、本体表面42aと本体裏面42bに筋状突起48,50を設けてもよい。これにより、連結ナット40の表裏を気にすることなくフレーム材12に取り付けることができ、表裏を逆にした取付ミスをなくすことができる。
【0032】
また、例えば、図4(a)の連結ナット60のように、上記の連結ナット40の本体表面42aの一対の側辺44の位置に、筋状突起48と同様の長さの筋状突起62を設け、さらに、一対の側辺46の位置に筋状突起50と同様の長さの筋状突起64を設けてもよい。連結ナット60がパーツ12aの素地に食い込んで接触する面積が増えるので、電気的導通状態の安定性が向上し、固定構造も強固になって耐久性が向上する。追加する筋状突起の数は自由に設定できる。
【0033】
その他、図4(b)の連結ナット70のように、連結ナット40の構成から一対の筋状突起48を削除し、本体42の一対の側辺46を側辺44よりも長くし、それに合わせて一対の筋状突起50も長くする構成にしてもよい。連結ボルト70は、パーツ12a,12bのスライド溝14の幅広部18に入れたときに筋状突起50と幅広部18側面との平行度を高くすることができるので、連結ボルト22を一旦締め付けた後で固定の位置を微調整する作業を、より高精度に行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
10 構造体
12 フレーム体
12a 縦パーツ
12b 横パーツ
14 スライド溝
16,40,60,70 連結ナット
18 幅広部
20 開口端
22 連結ボルト
24 取付金具
26 本体
28 ネジ穴
30 ネジ部
32 頭部
32a 頭部裏面
34 別部材
42 本体
44,46 側辺
48,50 筋状突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のアルミニウム押出形材であるフレーム材の側面に設けられたスライド溝の幅広部内に保持され、対応する連結ボルトと螺合して前記フレーム材に他の部材を固定させるフレーム材固定用の連結ナットにおいて、
前記スライド溝の前記幅広部の幅より僅かに狭い間隔で互いに平行に対向する一対の側辺を有する本体と、
前記本体中央部に設けられたネジ穴と、
前記本体表面の前記ネジ穴と前記一対の側辺との間に設けられ、前記スライド溝の一対の開口端の間隔よりも広い間隔で対向し、前記一対の側辺と互いに平行な一対の筋状突起とを備えたことを特徴とするフレーム材固定用の連結ナット。
【請求項2】
前記本体は、2組の前記一対の側辺を有した矩形の外形を有し、前記ネジ穴と前記2組の一対の側辺に対して、前記一対の筋状突起がそれぞれ設けられ、前記筋状突起の長さが、前記スライド溝の一対の開口端の間隔よりも短い請求項1記載のフレーム材固定用の連結ナット。
【請求項3】
前記筋状突起は、前記本体の表裏に形成されている請求項1記載のフレーム材固定用の連結ナット。
【請求項4】
前記筋状突起は、前記フレーム材表面の絶縁膜の厚み以上の高さを有し、前記連結ボルトで締め付けると、前記筋状突起が前記一対の開口端の内側面にある前記絶縁膜に食い込み、前記フレーム材の素地に達して電気的に導通する請求項2又は3記載のフレーム材固定用の連結ナット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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