説明

フロアパネル

【課題】切欠部の側面に形成された載置部の強度を向上させることができるフロアパネルを提供する。
【解決手段】トップシート2とボトムシート3との外周端を重ね合わせることで構成されたフロアパネル1であって、フロアパネル1の外周端に矩形状の切欠部11が形成され、切欠部11の側面にインナーコンセント6が載置される載置部12が形成されており、載置部12において互いに対向する2つの側面に設けられたエッジ部121にリブ14が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーアクセスフロア用のフロアパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
床下から床上にフロアパネルを介して通線することができるようにしたフロアパネルがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来のフロアパネルは、トップシートとボトムシートとの外周端を重ね合わせて固定することで構成されおり、フロアパネルの強度を向上させるために、トップシートとボトムシートとの間には、コア材が設けられている。
【0004】
また、フロアパネルの外周端には、床下から配線などを引き出すための切欠部が設けられている。配線を引き出す必要がない場合、切欠部はカバーによって覆われており、このカバーを載置する載置部が切欠部の側面に設けられている。そして、床下から配線を引き出す場合、カバーの一部を切り取って設けられた孔に配線を通すことで、床下から床上に通線することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−243535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のフロアパネルの載置部は、トップシートとボトムシートとが当接することで形成されており、載置部におけるトップシートとボトムシートとの間にはコア材が設けられていない。そのため、載置部の強度が不足し、カバーに大きな荷重がかかると、載置部が撓むおそれがあった。そして、載置部が撓むと、載置部に設けられたカバーに過大な力が加わって、カバーが変形し破損するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、切欠部の側面に形成された載置部の強度を向上させることができるフロアパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフロアパネルは、トップシートとボトムシートとの外周端を重ね合わせることで構成されたフロアパネルであって、前記フロアパネルの外周端に矩形状の切欠部が形成され、当該切欠部の側面に配線用部材が載置される載置部が形成されており、当該載置部において互いに対向する2つの側面に設けられたエッジ部にリブが設けられることを特徴とする。
【0009】
このフロアパネルにおいて、前記載置部は、前記トップシートと前記ボトムシートとの外周端が互いに当接することで構成されており、前記リブは、前記トップシートまたは前記ボトムシートを変形させて凸部を設けることで構成されることが好ましい。
【0010】
このフロアパネルにおいて、前記エッジ部における前記リブ近傍に、前記トップシートと前記ボトムシートとを互いに溶接する溶接部が設けられることが好ましい。
【0011】
このフロアパネルにおいて、前記リブの内部に充填材が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明では、切欠部の側面に形成された載置部の強度を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態のフロアパネルの一部を示す外観図である。
【図2】(a)同上の上面図である(b)同上の下面図である。
【図3】同上の概略断面図である。
【図4】同上の一部を示す下面図である。
【図5】同上の一部を示す外観図である。
【図6】(a)同上を隣接して設けた上面図である。(b)同上の載置部にインナーコンセントを設けた上面図である。(c)インナーコンセントにプレートを取り付けた上面図である。
【図7】(a)〜(c)同上のリブの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(実施形態)
本実施形態のフロアパネル1の上面図を図2(a)、下面図を図2(b)に示す。本実施形態のフロアパネル1は、金属製のトップシート2と金属製のボトムシート3とで構成されており、トップシート2とボトムシート3との互いの外周同士を結合している。また、図3に示すように、トップシート2とボトムシート3との間に、モルタル等で構成されたコア材4を充填している。そして、複数のフロアパネル1が縦横に並べて配置されることで、フリーアクセスフロアが形成される。
【0016】
ボトムシート3は、図2(b)に示すように、本体部31と鍔部32とで構成されている。
【0017】
本体部31は、図1に示すように、一面が開口した薄型の矩形箱状に形成されており、底面311と底面311の周縁から垂直に立ち上がった側壁312とで構成されている。また、本体部31の外周から内側に向かって略矩形状に切欠いた切欠部11が形成されている。本実施形態では、図2(b)に示すように、ボトムシート3の互いに異なる2辺に切欠部11が形成されている。
【0018】
鍔部32は、本体部31の開口周縁から外側に向かって突設されている。
【0019】
また、本外部31の底面311はディンプル加工されており、本体部31の底面311から開口に向かって半球状の突出部33が複数個形成されている。本体部31の底面311をディンプル加工することによって、ボトムシート3の強度を向上させることができる。
【0020】
トップシート2は、図2(a)に示すように、矩形板状に形成されており、ボトムシート3の本体部31の開口を覆うように設けられ、ボトムシート3の鍔部32とトップシート2の外周部21とが当接する。
【0021】
また、トップシート2の図2(a)(b)におけるX方向,Y方向の長さは、ボトムシート3のX方向,Y方向の長さよりも長く形成されている。したがって、図4に示すように、トップシート2の外周端部22を折り返すことができ、鍔部32を外周部21と外周端部22とで挟持することで、トップシート2とボトムシート3とが固定されている。なお、ボトムシート3と同様に、トップシート2にも切欠部11が形成されている。
【0022】
次に、フロアパネル1の切欠部11の構造について、図1,図5を用いて説明する。なお、切欠部11の構造を説明するために、図1,図5はボトムシート3側を上方にして描いている。
【0023】
切欠部11は、略矩形状に形成されている。また、図1に示すように、切欠部11の各側面に連続して形成された鍔部32,外周部21,外周端部22で載置部12を構成している。載置部12はフロアパネル1(トップシート2)の上面より一段下がった位置に形成されており、トップシート2の外周端部22側を底面とするように凹設されている。
【0024】
そして、図6(a)に示すように、切欠部11が対向するように2つのフロアパネル1を隣接して設け、図6(b)に示すように、切欠部11を挿通するようにインナーコンセント6(配線用部材)が載置部12に載置される。また、載置部12は互いにY方向に平行に形成されたエッジ部121にネジ穴13が形成されており、図示しないネジをインナーコンセント6に設けられた図示しない挿通孔を介してネジ穴13に螺合することで、インナーコンセント6がフロアパネル1に固定される。また、図6(c)に示すように、インナーコンセント6には、プレート61が取り付けられ、プレート61に設けられた開閉自在の挿通口62を介して、ケーブルをインナーコンセント6に接続することができる。
【0025】
また、図1に示すように、インナーコンセント6を設けない場合、切欠部11を覆うように矩形板状に形成されたカバー5が載置部12に載置される。カバー5は、載置部12を構成するトップシート2の外周端部22とカバー5とが当接し、載置部12に嵌合することで固定される。なお、カバー5のX方向,Y方向の長さは、載置部12のX方向,Y方向の長さと略同一であり、カバー5の厚みは、載置部12の深さと略同一である。したがって、フロアパネル1にカバー5を取り付けた場合、フロアパネル1(トップシート2)の上面と、カバー5の上面とが面一となる。
【0026】
また、図5に示すように、本実施形態の載置部12は、エッジ部121の下面であるボトムシート3の鍔部32にリブ14が形成されている。リブ14は、ネジ穴13に対してY方向の両側の2箇所に設けられている。リブ14は、図5に示すように、ボトムシート3の鍔部32を変形させて凸部を設けることで形成されており、ボトムシート3の本体部31の側壁312と鍔部32とを連続するように形成されている。
【0027】
このように、カバー5が載置される載置部12に、ボトムシート3の鍔部32を変形させてリブ14を設けることによって、載置部12の強度が向上する。また、本実施形態では、カバー5に荷重がかかると変形しやすい載置部12のエッジ部121に、リブ14を設けることでエッジ部121の強度が向上し、エッジ部121が変形することを防止することができる。
【0028】
また、本実施形態では、載置部12のボトムシート3の鍔部32にのみ凸部を設けてリブ14を形成しているので、トップシート2とボトムシート3とを重ねてリブ14を形成する場合に比べて加工工程が減ると共に、加工が容易となる。さらに、トップシート2は従来のものを使用することができるのでコストを削減することができる。さらに、載置部12におけるトップシート2は平坦に形成することができるので、カバー5を載置しやすくなる。
【0029】
また、本実施形態のフロアパネル1は、図7(a)に示すように、変形させたリブ14の内部にもコア材4を充填しており、より強度を向上させることができる。
【0030】
また、図4に示すように、リブ14の近傍には、ボトムシート3とトップシート2とを溶接した溶接部15が形成されている。溶接部15を形成することによって、載置部12の強度をより向上させることができる。また、リブ14を設けることによって、鍔部32と外周部21とが重なる面積(ヘミング量)が減少し、トップシート2とボトムシート3とがずれやすくなるが、溶接部15を形成することで、ずれを防止することができる。
【0031】
なお、本実施形態では図7(a)に示すようにボトムシート3のみに凸部を設けてリブ14を形成しているが、図7(b)に示すように、トップシート2とボトムシート3との両方に凸部を設けてリブ14を形成してもよい。
【0032】
また、図7(c)に示すように、トップシート2とボトムシート3との両方に凸部を設けるが、ボトムシート3の凸部をトップシート2の凸部よりも大きく形成し、その間にコア材4を充填してもよい。
【0033】
また、本実施形態ではボトムシート3側にリブ14を設けているが、トップシート2側にリブ14を設けてもよい。なお、この場合は、カバー5にリブ14と嵌合する凹部を設ける必要がある。
【0034】
また、本実施形態では、フロアパネル1の載置部12にカバー5を設けているが、カバー5に限定するものではなく、フロアコンセントなどを設けてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 フロアパネル
2 トップシート
3 ボトムシート
4 コア材
5 カバー
11 切欠部
12 載置部
14 リブ
121 エッジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシートとボトムシートとの外周端を重ね合わせることで構成されたフロアパネルであって、前記フロアパネルの外周端に矩形状の切欠部が形成され、当該切欠部の側面に配線用部材が載置される載置部が形成されており、当該載置部において互いに対向する2つの側面に設けられたエッジ部にリブが設けられることを特徴とするフロアパネル。
【請求項2】
前記載置部は、前記トップシートと前記ボトムシートとの外周端が互いに当接することで構成されており、
前記リブは、前記トップシートまたは前記ボトムシートを変形させて凸部を設けることで構成されることを特徴とする請求項1記載のフロアパネル。
【請求項3】
前記エッジ部における前記リブ近傍に、前記トップシートと前記ボトムシートとを互いに溶接する溶接部が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のフロアパネル。
【請求項4】
前記リブの内部に充填材が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフロアパネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−132170(P2012−132170A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283632(P2010−283632)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】