説明

フロアマット

【課題】(1)柔らか機能、(2)豪華雰囲気機能、(3)防音機能、(4)消臭機能、(5)帯電防止機能、そして、(6)マイナスイオン機能の全てを発揮することのできるフロアマットを、簡単な構成によって提供すること。
【解決手段】パイル糸を打ち込んだ基布12の裏面側にバッキング13を設けたフロアマット10であって、パイル糸として、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類を用意し、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cを基布12に打ち込んだこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフロアマットに関し、特に、住宅、オフィス、ホテルなどの建物の床面、或いは自動車や鉄道、船舶、飛行機などの車両の床面に敷設されるフロアマットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば自動車床面上には、パイル糸を打ち込んだ基布と、この裏面側にバッキング層を設けたフロアマットが敷かれている。このフロアマットの縁部分はかがり糸でかがり縫いされていて、縁部分の解れの防止と共に縁部分の見栄えをよくし、当該フロアマットの意匠性を高めていた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−80403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1のフロアマットでは、「光ファイバーを備え、比較的安価で、製造容易にして量産が可能な車両用フロアーマットを提供する」ことを目的としてなされたもので、図3及び図4に示すように、「マット本体1は、表面マット2と滑止めマット3と一体にを設け、縁5を縁かがり部6によりかがってなる。このマット本体1の溝8に光ファイバー7を配置する。縁5から出た光ファイバー7を縁かがり部6により縁5に固定する」といった構成を有したものである。
【0004】
このため、当該特許文献1に記載されたフロアマットによれば、「縁かがり部6を利用して光ファイバー7を部分的に固定できるため、光ファイバー7の組付作業及び末端処理が容易となる(要約)」ことや、「このようにして形成した車両用フロアーマットを、例えば車両の助手席のフロアーに敷き、基端部7Aから適宜な光を入れると、先端部7Bが発光し、表面マット2に点在した発光箇所により従来にない視覚効果を得ることができる(段落0035)」といった効果が得られるものとなっている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1のフロアマットによれば、マットが本来的に要求されている「柔らか機能」と、光ファイバー7による「視覚的効果」以外には何等の機能も果たさない。なお、比較的薄いマット内に、図4に示したように「光ファイバー7」を配置した場合、この部分でマット本来の機能である柔らかい「足置き場」機能が阻害するのではないかと考えられる。
【0006】
勿論、この種のフロアマットにおいて、光ファイバーによる視覚的効果を高めることそれ自体は意味があると思われるが、それよりも、もっと基本的な機能を充実させることが必要であると考えられる。
【0007】
この種のフロアマットで要求されている基本的機能としては、現在のところ、次の(1)〜(5)の点がある。
【0008】
(1)柔らか機能;疲れた足を乗せることになるものであるから、違和感なく足の休息が十分行えるような柔らかいものであることが必要である。
【0009】
(2)豪華雰囲気機能;この種のマットを設置した車室内や玄関先が豪華になるとよい。
【0010】
(3)防音機能;上記の(1)とも関連するが、例えば車室内を静かに保つことができるようにするために、音の反射を防止することは勿論、音の吸収も行えるとよい。
【0011】
(4)消臭機能;車室のような狭い空間に置かれたり、訪れたお客様が最初に出会うことになるものであるから、車室や玄関内の臭気を吸収したり、消臭機能があるとよい。
【0012】
(5)耐電防止機能;乾燥した冬に運転席から降りるとき、指とドアとの間に放電が発生して、指先が痛いことがある。これは、静電気が衣服に貯まっていて急に放電されるからであるが、フロアマットによってこの耐電が防止されるとよい。
【0013】
そして、近年においては、もっと機能が要求されてきており、その中でも、特に次の機能が要求されてきている。
【0014】
(6)マイナスイオン機能;マイナスイオンは人に対して快適感を与えてくれるが、このマイナスイオンをフロアマット自体が発生するのであれば、なおよい。
【0015】
上記の(1)及び(2)の機能は、特許文献1の発明でもある程度は達成できると考えられるが、上記(3)〜(6)の機能も付加しようとすると、特許文献1の発明では、殆ど不可能ではないかと考えられる。
【0016】
そこで、本発明者等は、上記の(1)〜(6)の機能の全てを備えたフロアマットとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0017】
すなわち、本発明の目的とするところは、(1)柔らか機能、(2)豪華雰囲気機能、(3)防音機能、(4)消臭機能、(5)帯電防止機能、そして、(6)マイナスイオン機能の全てを発揮することのできるフロアマットを、簡単な構成によって提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「パイル糸11を打ち込んだ基布12の裏面側にバッキング13を設けたフロアマット10であって、
パイル糸11として、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類を用意し、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cを基布12に打ち込んだことを特徴とするフロアマット10」
である。
【0019】
すなわち、この請求項1に係るフロアマット10は、図1に示すように、パイル糸11を打ち込んだ基布12の裏面側にバッキング13を設けたことを基調とするものであるが、パイル糸11として、図2に示すように、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類を使用するようにしたものである。
【0020】
そして、この請求項1のフロアマット10では、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cをパイル糸11として、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、あるいは抗菌消臭糸11cからなる各パイル糸11を、図2に示すように、基布12に打ち込んでフロアマット10としたものである。
【0021】
マイナスイオン発生糸11aとしては、種々な繊維に、珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物あるいはセラミックスを紛状にして添着させたり、あるいは繊維となり得る合成樹脂中に、こらの珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物を練り込んで糸状にしたもの等が考えられる。
【0022】
繊維に添着あるいは練り込まれた珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物あるいはセラミックスは、互いに摩擦し合ったり、振動すること等の物理的刺激により、空気中あるいは当該フロアマット10そのものが含んでいる「水」を分解してイオン化するのである。
【0023】
本発明に係るフロアマット10では、これを構成しているマイナスイオン発生糸11aが足によって踏み付けられることにより上記の物理的刺激が与えられることになり、マイナスイオンを発生することになるのである。
【0024】
制電糸11bとしては、簡単に言えば導電性を付与したものであれば何でも良く、最も簡単なものとしては、「炭素繊維」である。勿論、一般的な化学繊維中に炭素繊維を加えたものであってもよく、また、化学繊維中に銅線等の導電体を混紡するようにしてもよいものである。
【0025】
このような制電糸11bは、導電性を有するのであるから、例えばズボンの裾がこの制電糸11bを有するフロアマット10の表面に触れれば、運転者の衣服や身体に貯まった静電気は、この制電糸11bを通して車体側あるいは空気中に放電されるのである。
【0026】
また、抗菌消臭糸11cとしては、繊維中に、所謂「光触媒」(二酸化チタン)を練り込んだり添着させたりしたものが考えられる。
【0027】
この抗菌消臭糸11cに対して、紫外線を含む光が当たると、表面から電子が飛び出し、抗菌消臭糸11cの表面にはプラスの電荷を帯びたホール(正孔)ができる。この正孔は強い酸化力を持っており、この酸化力が消臭機能や抗菌機能を発揮することになる。
【0028】
以上のようなマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cを、例えば図2に示すように基布12に打ち込んで、図1に示すようなフロアマット10としたとき、このフロアマット10は、各パイル糸11による(1)の「柔らか機能」を発揮することは勿論、各パイル糸11の毛足の長さを十分にすれば、(2)の「豪華雰囲気機能」を発揮し、しかも各パイル糸11が稠密状態で植設されていることから、(3)の「防音機能」を発揮することになるのである。
【0029】
そして、このフロアマット10は、パイル糸11としてのマイナスイオン発生糸11aを有しているから、このマイナスイオン発生糸11aによって(6)の「マイナスイオン機能 」を発揮し、パイル糸11としての抗菌消臭糸11cによって(4)の「消臭機能」を発揮し、そして、パイル糸11としての制電糸11bによって(5)の「帯電防止機能」を発揮するのである。
【0030】
従って、この請求項1に係るフロアマット10は、この種のマットを製造する装置や設備を全く変えないで、(1)の「柔らか機能」、(2)の「豪華雰囲気機能」、(3)の「防音機能」、(4)の「消臭機能」、(5)の「帯電防止機能」、(6)の「マイナスイオン機能 」の全てを発揮させることができるのである。
【0031】
また、以上の課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、後述する最良の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「パイル糸11を打ち込んだ基布12の裏面側にバッキング13を設けたフロアマット10であって、
パイル糸11を、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸を束ねて加撚糸としたことを特徴とするフロアマット10」
である。
【0032】
すなわち、この請求項2に係るフロアマット10は、次の点以外は、請求項1のそれと同様な基本構成を有しているものである。つまり、請求項1のフロアマット10では、各パイル糸11のそれぞれが、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cとして独立したものとしてあったのであるが、この請求項2のフロアマット10では、各パイル糸11の一本一本が、図3に示すように、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸を束ねて加撚糸としてあるものである。
【0033】
このフロアマット10の各パイル糸11を構成しているマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の各糸についての機能は、上記請求項1に係るフロアマット10中において説明したので省略するが、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸が一本のパイル糸11として纏められているので、これを基布12に打ち込んでフロアマット10とする製造作業をより簡単に行える。
【0034】
従って、この請求項2に係るフロアマット10も、この種のマットを製造する装置や設備を全く変えないで、(1)の「柔らか機能」、(2)の「豪華雰囲気機能」、(3)の「防音機能」、(4)の「消臭機能」、(5)の「帯電防止機能」、(6)の「マイナスイオン機能 」の全てを発揮させることができるのである。
【発明の効果】
【0035】
以上、説明した通り、本発明においては、
「パイル糸11を打ち込んだ基布12の裏面側にバッキング13を設けたフロアマット10であって、
パイル糸11として、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類を用意し、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cを基布12に打ち込」むか、あるいは、
「パイル糸11を、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸を束ねて加撚糸としたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、この種のマットを製造する装置や設備を全く変えないで、(1)の「柔らか機能」、(2)の「豪華雰囲気機能」、(3)の「防音機能」、(4)の「消臭機能」、(5)の「帯電防止機能」、(6)の「マイナスイオン機能 」の全てを発揮するフロアマット10を提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を図面に示した最良の形態であるフロアマット10について説明すると、図1及び図2には、実施例1に係るフロアマット10が、また図3には、実施例2に係るフロアマット10を構成するためのパイル糸11が示してある。
【実施例1】
【0037】
図1に示した実施例1に係るフロアマット10は、図2に示したように、基布12の裏面側にバッキング13を設けたものである。基布12としては、例えば不織布、織物、編物、紙、フェルトあるいはこれらの1種若しくは2種以上を組み合わせた複合体を挙げることができる。なお、基布12の素材や構造は、特に限定されず、当該フロアマットの用途や使用状態を考慮して適宜決定すればよい。
【0038】
この基布12にはパイル糸11が所定のボリュームとなるように所定間隔(図示の例では約4mm間隔)に打ち込まれていて、当該フロアマット10の意匠性が高められている。この実施例1においては、各パイル糸11のそれぞれを、図2に示したように、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cとして、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、あるいは抗菌消臭糸11cからなる各パイル糸11を、図2に示したように、基布12に打ち込んでフロアマット10としたものである。
【0039】
マイナスイオン発生糸11aとしては、種々な繊維に、珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物あるいはセラミックスを紛状にして添着させたり、あるいは繊維となり得る合成樹脂中に、こらの珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物を練り込んで糸状にしたもの等が考えられる。
【0040】
繊維に添着あるいは練り込まれた珪素、鉄、アルミニウムの無機酸化物あるいはセラミックスは、上述した通り、互いに摩擦し合ったり、振動すること等の物理的刺激により、空気中あるいは当該フロアマット10そのものが含んでいる「水」を分解してイオン化するのである。つまり、本発明に係るフロアマット10では、そのマイナスイオン発生糸11aが足によって踏み付けられることにより、マイナスイオンを発生するのである。
【0041】
制電糸11bとしては、簡単に言えば導電性を付与したものであれば何でも良く、最も簡単なものとしては、「炭素繊維」である。勿論、一般的な化学繊維中に炭素繊維を加えたものであってもよく、また、化学繊維中に銅線等の導電体を混紡するようにしてもよいものである。
【0042】
このような制電糸11bは、導電性を有するのであるから、例えばズボンの裾がこの制電糸11bを有するフロアマット10の表面に触れれば、運転者の衣服や身体に貯まった静電気は、この制電糸11bを通して車体側あるいは空気中に放電される。
【0043】
また、抗菌消臭糸11cとしては、繊維中に二酸化チタンを練り込んだり添着させたりしたものが考えられる。この抗菌消臭糸11cに対して、紫外線を含む光が当たると、表面から電子が飛び出し、抗菌消臭糸11cの表面にはプラスの電荷を帯びた正孔ができる。この正孔は強い酸化力を持っており、この酸化力が消臭機能や抗菌機能を発揮する。
【0044】
さて、基布12の裏面側には、図2に示したように、パイル糸11の抜け止めを行う目的で接着剤層16が形成されている。この接着剤層16は、例えばウレタン系湿気硬化型接着剤やホットメルト接着剤などからなり、パイル糸11を打ち込んだ基布12の裏面側でパイル糸11の抜けを止めるようになっている。なお、接着剤層16には、例えば蜘蛛の巣状接着剤からなり、接着時の熱およびまたは圧力で薄膜化されて成るものを使用することもできる。
【0045】
この接着剤層16を介して基布12の裏面側にバッキング13が設けられている。バッキング13は、当該フロアマット10の補強および保形、或いはズレ止めを目的として形成してある。バッキング13は、繊維層又は樹脂層からなる。繊維層からなるバッキング13には、例えば不織布、フェルト、織物、或いは編物、或いはこれらの2種以上を組み合わせた複合シートからなるものを使用することができる。本実施例1ではフェルトからなるバッキング13を採用している。
【0046】
一方、樹脂層からなるバッキング13には、例えばスチレンーブタンジエンースチレン共重合体、アクリルニトリルーブタジエン系共重合体、ウレタン樹脂等の高分子、スチレンーブタンジエンゴム、アクリルニトリルーブタンジエンゴム、ブタンジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム高分子、またはこれらを複数種混合した混合物などからなるものを用いることができる。
【0047】
また、樹脂層からなるバッキング13の場合、層を構成する樹脂に発泡剤を加えて軽量化を計ることもできる。発泡剤としては、例えば脂肪酸石けん、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、Nーオクタデシルスルホコハク酸モノアミドジナトリウムなどを挙げることができる。
【0048】
また、樹脂には必要に応じて、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アンチモンなどの充填剤、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、ポリビニルアルコール、カゼイン、発酵多糖類などの増粘剤、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダなどの分散剤を加えてもよい。
【0049】
また、樹脂層からなるバッキング13の場合、当該フロアマットのズレを防止するためにズレ止め用の突起を設けることもできる。
【0050】
上記の如く構成されるフロアマット10の縁部分を覆うように縁テープ14が接着されている。縁テープ14は、フロアマット10の縁部分を覆うように接着される。この縁テープ14は、フロアマット10の縁部分周りの長さと縁部分を覆うだけの幅とを有する織物及び又は編物からなる。図1及び図2に示す縁テープ14は、表編みと裏編みとからなるメリヤス地をフロアマット10の縁部分周りの長さで縁部分を覆うだけの幅に裁断したものを用いた。
【0051】
この縁テープ14内側に発泡樹脂層又は繊維質層15が設けられている。発泡樹脂層又は繊維質層15は、縁テープ14に対応して同じ形状に設けられている。発泡樹脂層は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)などの高分子の1種若しくは2種以上を素材としており、これらを従来公知の発泡成形方法を用いて発泡成形したものである。繊維質層は、例えばフェルト、不織布、紙、織物、編物、或いはこれらの複合物から選ばれる1種からなるものである。図示の例では、Sフロアマット10Sを発泡成形した発泡樹脂層を用いた。
【0052】
なお、発泡樹脂層は、発泡成形後に縁テープ14の形状に裁断したものを縁テープ14内側に接着するほかに、縁テープ14の内側に樹脂を塗布しておき、テープ14上で発泡成形させる方法を採ることもできる。
【0053】
このフロアマット10にあっては、内側に発泡樹脂層又は繊維質層15を設けた縁テープ14をフロアマット10周りの縁部分を覆うように接着したので、フロアマット10の縁部分は発泡樹脂層又は繊維質層15の分だけ盛り上がりボリューム感が増し、より高級感が高まることになる。
【0054】
また、このフロアマット10にあっては、フロアマット10周りの縁部分に縁テープ14を接着するため、縁テープ14の表裏の縁ライン(パイル糸端末の打ち込みライン)が、縁テープ14をフロアマット10周りの縁部分に縫着する場合のように不揃いとなったり、反りが生じたりすることがなく直線状となるので、美観的にも大変に美しい縁ラインとなる。
【0055】
なお、縁テープ14をフロアマット10周りの縁部分に接着する場合、接着時に縁テープ14及び又はフロアマット10周りの縁部分に接着剤を塗布して行っても良いが、予め縁テープ14内側の発泡樹脂層又は繊維質層15に接着剤を塗布しておくこともできる。
【0056】
また、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂などの接着性樹脂を用い、これにアゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体及び重炭酸塩などの熱分解型発泡剤を加えて発泡成形した発泡樹脂層を用いたり、構成繊維中にポリエチレンやポリエステルなどの熱接着性繊維を含む繊維質材料を用いたりすることもでき、この場合、縁テープ14でフロアマット10周りの縁部分を覆い、この状態で熱プレスするだけで当該縁テープ14のフロアマット10周りの縁部分への接着が完了することから、より効率的である。
【実施例2】
【0057】
図3には、実施例2に係るフロアマット10を構成しているパイル糸11の部分拡大図が示してあるが、このパイル糸11を使用して構成した実施例2のフロアマット10は、次の点以外は、実施例1のそれと同様な基本構成を有しているものである。
【0058】
つまり、実施例1のフロアマット10では、図2に示したように、各パイル糸11のそれぞれが、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cとして独立したものとしてあったのであるが、この実施例2のフロアマット10では、各パイル糸11の一本一本が、図3に示したように、マイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸を束ねて加撚糸としたものである。
【0059】
このフロアマット10の各パイル糸11を構成しているマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の各糸についての機能は、上記実施例1のフロアマット10について説明したので省略するが、これらのマイナスイオン発生糸11a、制電糸11b、及び抗菌消臭糸11cの3種類の糸が一本のパイル糸11として纏められているので、これを基布12に打ち込んでフロアマット10とする製造作業をより簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のフロアマットを示す斜視図である。
【図2】同フロアマットの要部拡大断面図である。
【図3】実施例2に係るパイル糸の部分拡大図である。
【図4】従来のフロアマットの部分破断斜視図である。
【図5】図4に示したフロアマットの部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 フロアマット
11 パイル糸
11a マイナスイオン発生糸
11b 制電糸
11c 抗菌消臭糸
12 基布
13 バッキング
14 テープ
15 発泡樹脂層又は繊維質層
16 接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル糸を打ち込んだ基布の裏面側にバッキングを設けたフロアマットであって、
前記パイル糸として、マイナスイオン発生糸、制電糸、及び抗菌消臭糸の3種類を用意し、これらのマイナスイオン発生糸、制電糸、及び抗菌消臭糸を前記基布に打ち込んだことを特徴とするフロアマット。
【請求項2】
パイル糸を打ち込んだ基布の裏面側にバッキングを設けたフロアマットであって、
前記パイル糸を、マイナスイオン発生糸、制電糸、及び抗菌消臭糸の3種類の糸を束ねて加撚糸としたことを特徴とするフロアマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−51851(P2006−51851A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233036(P2004−233036)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)有限会社八千代商事 (34)
【出願人】(592084004)有限会社祥永物産 (34)
【Fターム(参考)】