説明

フロアユニット

【課題】メンテナンスが良好で、発光部自体の設置スペースの省スペース化を可能とする照明手段を備えたシステムキッチンのフロアユニットを提供する。
【解決手段】床側に設置されるシステムキッチンのフロアユニット1であって、少なくとも一方の端部32eから入射された光源31aからの光を長手方向に沿って伝送するとともに、その伝送する光を外周面32fから漏光させて発光する側面発光型の導光体32を、当該フロアユニットにおける前面側、上面側の少なくともいずれか一方にて露出する表面部位11a,21aの一部に、横幅方向に沿ってライン状に敷設している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床側に設置されるシステムキッチンのフロアユニットの照明に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、システムキッチンのフロアユニットの照明としては、キッチンルームの天井に設けられた室内照明や、フロアユニットの上方に設置されたウォールユニット(吊戸棚)や壁面などに配設された流し元灯などの照明がある。
これらの照明は、蛍光灯や白熱電球等からなり、主にはキッチンで使用者が調理する際に手元や食材を照明するためのもので、その目的からも比較的、ある程度の明るさ(照度)を有するものである。
しかしながら、調理作業時に使用者は、フロアユニットのキッチンカウンターの横幅方向(長手方向)に沿って、シンクや作業スペース、コンロ等を移動しながら調理を行うため、キッチンルームの天井の照明やウォールユニットなどに配設された流し元灯のみでは十分に手元を照明することが困難であった。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、前記のような問題を解決すべく、フロアユニットのキッチンカウンターに照明を設けたキッチンカウンターの照明装置が提案されている。
上記照明装置は、長尺の蛍光灯からなり、キッチンカウンターの後端部を立ち上げて一体的に形成したバックガードに長手方向に沿って設けられている。
このような照明装置によれば、バックガードの長手方向に沿って取付けられるため、長手方向全体に照明でき、キッチンカウンターを明るく照らすことができる、と説明されている。
【0004】
また、下記特許文献2では、ワークトップ(キッチンカウンター)の後端部のバックガードの上方に透光材よりなる蓋体を設け、この蓋体の下方に上方をすくなくとも照射する照明装置を設けた厨房装置(フロアユニット)が提案されている。
この厨房装置によれば、簡単な構成でワークトップが明るくなり、台所作業が快適に行える、と説明されている。
【特許文献1】特開2007−308号公報
【特許文献2】特許3089652号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記各特許文献に記載のものでは、それぞれキッチンカウンターの長手方向に沿って照明装置が設けられているので、キッチンカウンターを長手方向の全体に亙って照明できるものであるが、長尺の蛍光灯などを使用しているため、照明装置の交換等の際に、取り扱いが不便であり、メンテナンス性の向上が望まれていた。また、このような蛍光灯では、そのもの自身の径が比較的大きく、また、点灯した際に発熱するためカバーなどを離間させて配置する必要があることから、カバー自体も大きくならざるを得ず、照明装置を設置するための設置スペースの省スペース化が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、メンテナンスが良好で、発光部自体の設置スペースの省スペース化を可能とする照明手段を備えたシステムキッチンのフロアユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係るフロアユニットは、床側に設置されるシステムキッチンのフロアユニットであって、少なくとも一方の端部から入射された光源からの光を長手方向に沿って伝送するとともに、その伝送する光を外周面から漏光させて発光する側面発光型の導光体を、当該フロアユニットにおける前面側、上面側の少なくともいずれか一方にて露出する表面部位の一部に、横幅方向に沿ってライン状に敷設していることを特徴とする。
【0008】
本発明の前記フロアユニットにおいては、前記導光体を、敷設された状態で前面側の周面からのみ漏光する構成としてもよい。
また、本発明の前記フロアユニットにおいては、前記側面発光型の導光体を、フロアユニットの種々の箇所に敷設可能である。
例えば、前記導光体を、キッチンカウンターの後方端部に横幅方向に沿って立設されたバックガードの前面部に敷設するようにしてもよい。
また、前記導光体を、キッチンカウンターの手前側端部に横幅方向に沿って垂設された前垂れ部の前面部に敷設するようにしてもよい。
また、前記導光体を、台輪の前面部に敷設するようにしてもよい。
上記した導光体の敷設箇所は、一例であり、また、上記複数の敷設箇所を組み合わせて複数箇所に敷設するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の前記フロアユニットにおいては、前記光源を、当該フロアユニットの内部空間に設けるようにしてもよい。
さらに、本発明の前記フロアユニットにおいては、周囲の照度を検知する照度検知センサと、人の在、不在を検知する人体検知センサとを更に備えた構成とし、前記照度検知センサが検知した周囲の照度が所定値より以下で、かつ、前記人体検知センサが人の在を検知したときに、前記光源を点灯させて前記導光体を発光させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る前記フロアユニットによれば、当該フロアユニットにおける前面側、上面側の少なくともいずれか一方にて露出する表面部位の一部に、横幅方向に沿ってライン状に導光体を敷設しているので、フロアユニットの横幅方向に沿って照明することができる。
また、その敷設される照明を、少なくとも一方の端部から入射された光源からの光を長手方向に沿って伝送するとともに、その伝送する光を外周面から漏光させて発光する側面発光型の導光体としているので、横幅方向に沿って敷設される導光体自体のメンテナンスは、殆ど必要とならず、光源を交換等すれば良いため、前記各特許文献に記載のような長尺の蛍光灯等に比べて取り扱いが容易であり、メンテナンス性が向上する。
さらに、前記のような導光体は、小径とでき、また、そのもの自身の発熱量が、前記した蛍光灯や白熱球等と比べて小さいので、カバー等を設ける際にも導光体に近接して設けることができ、発光部となる導光体の設置スペースを小さくできる。よって、省スペース化が図れる。
さらにまた、このような側面発光型の導光体は、特に、耐水性に優れているので、水廻りにも設置でき、よって、前記したようにフロアユニットの種々の箇所に敷設することができる。
【0011】
また、このような側面発光型の導光体は、光源からの光を伝送しながら側面から漏光させることで発光するので、キッチンの使用時に手元を照らす主照明(キッチンルームの室内灯や、ウォールユニット、壁などに付設された流し元灯など)に比べて、照度が低く、フロアユニットの存在を認識させる程度の照度が低い照明となる。これにより、例えば、夜間の就寝中、途中で目覚めて、キッチンを一時的に利用するような際には、主照明を点灯させずに、補助照明として前記導光体を使用でき、目に強い刺激を与えることがない。すなわち、従来のキッチンルームの天井に設けられた照明や、ウォールユニットや壁などに配設された流し元灯、前記各特許文献等に記載の照明を点灯させると、そもそも手元を照明するためのものであるため、その明るさによって目が冴えてしまい、再度就寝する際に眠気が殺がれ、寝付けなくなる場合があるが、本発明によれば、導光体からの光は、上記のように比較的照度が低いので、目に強い刺激を与えることなく、キッチンを利用後も寝付きやすくなり、再度の就寝を妨害するようなことも防止できる。
【0012】
また、本発明において、前記導光体を、敷設された状態で前面側の周面からのみ漏光する構成とすれば、導光体の敷設される側、すなわち背面側の周面から漏光することがないので、前記のように少なくとも一方の端部から入射された光を効率良く長手方向に沿って伝送できるとともに、前面側からの漏光による発光を効率良く行える。これにより外周面の全周から漏光させて発光するものと比べて、光源を低出力のものとしても前面側の周面から十分に発光するので、省電力化が図れる。
【0013】
また、本発明において、前記光源を、当該フロアユニットの内部空間に設けるようにすれば、光源を外部に設置する場合と比べて、すっきりとしたフロアユニットとなり、デザイン性に優れたものとなる。すなわち、フロアユニット内に設置された光源から光を伝送して、上記導光体を発光させることができるので、従来のような蛍光灯や白熱球等と比べて、上記のように発光部自体の設置スペースを小さくできる。
【0014】
また、本発明において、周囲の照度を検知する照度検知センサと、人の在、不在を検知する人体検知センサとを更に備えた構成とし、前記照度検知センサが検知した周囲の照度が所定値より以下で、かつ、前記人体検知センサが人の在を検知したときに、前記光源を点灯させて前記導光体を発光させるようにすれば、例えば、キッチンルームが暗い場合や夜間等にキッチンを利用する際に、使用者がフロアユニットに近づくと、自動で導光体が発光するので、スイッチ等を手探りで探す必要が無く、快適に使用できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係るフロアユニットを示す概略正面図、図2は、図1におけるX−X線矢視概略断面図、図3(a)は、図1におけるY−Y線矢視概略拡大断面図、図3(b)は、同実施形態に係るフロアユニットが備える照明手段を模式的に示す概略斜視図、図4は、同実施形態に係るフロアユニットの内部構成を示す要部ブロック図である。
尚、以下の各実施形態において指す前後方向は、キッチンカウンターに対し使用者が対面した状態における手前側を前、奥側を後とし、その前後方向に直交する方向を横幅方向(左右方向)として説明する。
【0016】
図例のフロアユニット1は、いわゆるシステムキッチンにおいて床側に設置されるもので、大略的に、キッチンカウンター10と、その下方に配置されてキッチンカウンター10を上方に載置する複数のキャビネットからなるフロアキャビネット20と、後記する照明手段30と、各部を制御する制御ユニット40と、下端部に設けられた台輪21とを備えている。
【0017】
フロアキャビネット20は、シンク13及び水栓金具14が上方に配されたシンクキャビネット22と、その左右に配置された収納キャビネット23,23と、図1における紙面最左方に配され、コンロ15を上方に配し、上段にグリルを配した調理器キャビネット24とを備えている。
上記キャビネットのうち図1における紙面最右方に位置する収納キャビネット23は、図2に示すように、側板23a,23a(一方の側板は、紙面手前側に位置し、不図示)と、これら側板23a,23a間に設けられた天板23b、底板23c及び背板23dとで前方に向けて開口する方形箱体を形成し、この方形箱体に、上、中、下の3段からなる引出し23eを出し入れ自在に備えた構成とされている。
底板23cには、後記する光源装置31のメンテナンスを行う際に開閉されるメンテナンス用扉23gが設けられている。
これら引出し23eの外側面には、側板23aに設けられた引出し用レール23fに係合するスライド溝あるいは突条のスライドガイド等が形成されている。
【0018】
また、この収納キャビネット23内には、後記する照明手段30Aを構成する光源装置31Aが背板23dの内面に固定されて設けられ、天板23bの右側後方(図1における紙面右方かつ後方側)の適所には、後記する発光ファイバー32Aが挿通される孔23bcが開設されている。
尚、シンクキャビネット22及び調理器キャビネット24の内部構成については、それらの上段部位に、引出し及び光源装置31Aを設けず、シンク13やコンロ15等を設けた構成とし、他の構成は概略的に同様であるため説明を省略する。また、シンクキャビネット22と調理器キャビネット24との間に配置された収納キャビネット23については、上記した最右方に配置された収納キャビネット23内に設けられた光源装置31A等を備えておらず、他の構成は同様である。
【0019】
キッチンカウンター10は、上記したフロアキャビネット20に載置され、上記したシンク13、コンロ15の形状に合わせて開口が形成されている。
また、その後方端部には、横幅方向に沿って全体に亙ってバックガード11が立設され、手前側端部には、横幅方向に沿って全体に亙って前垂れ部12が垂設されている。
バックガード11の前面部11aには、後記する発光ファイバー32Aを横幅方向に沿ってライン状に敷設するための断面視略U字状の凹溝11bが横幅方向に沿って凹設されている(図3(a)参照)。この凹溝11bは、本実施形態では、コンロ15を上方に配した調理器キャビネット24の上方に位置するバックガード11以外の部位に横幅方向に沿って凹設されており、換言すれば、シンクキャビネット22の上方に位置するバックガード11の部位を少なくとも含んで、その左右に配置された収納キャビネット23,23の上方に位置するバックガード11に亙って、横幅方向に沿って凹設されている。このように、コンロ15の近傍に、発光ファイバー32Aを敷設しないようにすることで、発光ファイバー32Aがコンロ15からの熱を受けて損傷するようなことを防止できる。
また、キッチンカウンター10の右側後方(図1における紙面右方かつ後方側)の前記天板23bに開設された孔23bcと整合する位置には、前記凹溝11bと連通し、後記する発光ファイバー32Aが挿通される孔10cが開設されている。
【0020】
台輪21は、上記したフロアキャビネット20を床面上に支持し、上方に開口する矩形状の枠部材とされ、その下方は底板21dによって閉塞されている。また、その内部には、後記する照明手段30を構成する光源装置31が設けられ、前面部21aには、発光ファイバー32を横幅方向に沿ってライン状に敷設するための断面視略U字状の凹溝21bが横幅方向に沿って凹設されている(図3(a)参照)。この凹溝21bは、台輪21の前面部21aの横幅方向の略全体に亙って凹設されており、換言すれば、フロアユニット1の横幅方向の略全体に亙って凹設されている。
また、台輪21の前面部21aの右側には、凹溝21bと連通し、後記する発光ファイバー32が挿通される孔21cが開設されている。
【0021】
次に、前記した台輪21に設けられた照明手段30の具体的構成について図3に基づいて説明する。尚、バックガード11の前面部11aに敷設された発光ファイバー32A及び収納キャビネット23の内部に設けられた光源装置31Aを備えた照明手段30Aについても同様の構成であるため、括弧内に参照符合を付し、その説明を省略する。
照明手段30は、図3(b)に示すように、光源31aを内部に有した光源装置31と、光源31aから入射された光を伝送する発光ファイバー32と、発光ファイバー32の一方の端部32eが嵌挿され、光源装置31に接続された接続用ハーネス35とを有している。
【0022】
光源装置31内に配設された光源31aは、例えば、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、キセノンランプ、発光ダイオード等で構成され、後記する制御ユニット40が備えるMPU41によって制御されて点灯、消灯がなされる。
尚、光源装置31内には、上記光源31aからの光を、発光ファイバー32の端部32eに集光して入射させるための集光レンズ等の光学系や光源31aを冷却するための冷却ファン等が配設されている。また、光源31aからの光の色を可変するためのカラーフィルター等をさらに配設したものとしてもよい。
【0023】
発光ファイバー32は、一方の端部32eから入射された上記光源31aからの光を長手方向に沿って伝送するとともに、その伝送する光を外周面から漏光させて発光する側面発光型の導光体である。
本実施形態では、発光ファイバー32は、図3(a)に示すように、光透過性で表面に微細な凹凸が形成されたコア32aと、その外周面に形成されたクラッド32bと、そのクラッド32bの外周面に形成された光透過性の被覆層32cと、コア32aとクラッド32bとの間の一部に介在する光反射層32dとを備え、その径は、例えば、1mm程度〜50mm程度、好ましくは5mm程度〜20mm程度である。
光反射層32dは、断面視が略半円弧状とされ、コア32aの外周面の一部を長手方向に沿って全体に亙って被覆しており、図例のように、凹溝21b内に敷設された状態で、コア32aの背面側の一部を長手方向に沿って被覆している。
尚、このような側面発光型の発光ファイバーは、例えば、特開平11−84136号公報に開示があり、その他、特開2000−137119号公報に開示がある発光ファイバーを適用してもよい。あるいは、後記する他の側面発光型の導光体を適用してもよい。
【0024】
前記構成とされた発光ファイバー32では、前記した台輪21の前面部21aの凹溝21bに敷設された状態で、一方の端部32eから入射された光は、コア32a内を長手方向に沿って伝送されるとともに、その伝送される光の一部は、コア32aに形成された凹凸によって散乱され、クラッド32b及び被覆層32cを透過して、発光ファイバー32の前面側外周面32fから長手方向に沿って均一に漏光する。一方、背面側外周面32gからは、光反射層32dによって反射されて漏光しない構成とされている。
尚、発光ファイバー32の他方の端部32h(図1参照)側には、反射ミラーを設けるようにしてもよい。
【0025】
前記のように台輪21の前面部21aに凹設された凹溝21b内には、図3(a)に示すように、発光ファイバー32を収容する断面視略U字状のレール33が嵌め込まれて固定されており、レール33の開放側には、透光性カバー34がレール33と係合して、取付けられている。透光性カバー34は、レール33と係合した状態で、その前面が台輪21の前面部21aと略面一となるよう構成されている。
透光性カバー34は、透明樹脂等で構成する他、例えば、発光ファイバー32,32Aの敷設箇所に合わせて、キッチンカウンター10や台輪21の色柄と同じ色柄とした透光性材料で構成してもよい。これにより、昼間等で発光していない状態では、フロアユニット1との一体性が保たれ、違和感が生じるようなことがなく、デザイン性に優れたものとなる。
【0026】
次に前記構成とされたフロアユニット1における照明手段30の制御について図4に基づいて説明する。
制御ユニット40は、光源装置31や各部を制御する制御手段を構成するMPU41と、操作スイッチ等からなる操作手段42と、後記する照度の閾値や制御プログラムを格納するメモリ等からなる記憶手段43と、周囲の照度を検知する照度検知センサ44と、人の在、不在を検知する人体検知センサ45とを備えている。
尚、制御ユニット40は、フロアユニット1の適所に設けられている。
【0027】
照度検知センサ44は、例えば、フォトダイオードや太陽電池等の光電変換素子等からなり、周囲の明るさに応じた信号をMPU41に向けて出力する。
人体検知センサ45は、例えば、人体から放射される熱線を検出する焦電型の熱線センサ等からなり、人体から放射された熱線が基準値を上回るとMPU41に向けて人体検出信号を出力する。
【0028】
MPU41は、予め設定され記憶手段43に格納された照度の閾値と、照度検知センサ44からの信号の値とを比較して、閾値以下、すなわち夜間等で周囲が十分に暗いと判断すると、人体検知センサ45からの人体検出信号を受けるまで待機する。その状態で、人体検知センサ45からの人体検出信号を受信すると、光源装置31を駆動して光源31aを点灯させる。この光源31aの点灯によって、前記した発光ファイバー32が発光する。
尚、操作手段42は、光源31aを強制的に点灯、消灯するためのスイッチである。また、前記のように自動点灯された光源31aの点灯時間は、MPU41が備えるタイマ41aによって計時して所定時間のみ点灯させるようにしてもよい。これによれば、自動点灯のみならず自動消灯がなされる。
【0029】
以上のように本実施形態に係るフロアユニット1によれば、バックガード11の前面部11aの横幅方向に沿ってライン状に敷設された発光ファイバー32A及び台輪21の前面部21aの横幅方向に沿ってライン状に敷設された発光ファイバー32によって、フロアユニット1の横幅方向に沿って照明することができる。
すなわち、本実施形態では、バックガード11の前面部11aに敷設された発光ファイバー32Aによって、シンク13廻りが照明され、後記するように夜間等に水を飲むためにシンク13を利用する際に、便利である。
また、台輪21の前面部21aに敷設された発光ファイバー32によって、フロアユニット1の横幅方向の全体に亙って足元が照明されるので、後記するように夜間等にキッチンを利用する際に、フロアユニット1の位置が明確に認識できるとともに、フロアユニット1の手前の床に何らかの物体がある場合にも躓くことがない。
【0030】
また、前記のような発光ファイバー32,32Aによれば、横幅方向に沿って敷設される発光ファイバー32,32A自体のメンテナンスは、殆ど必要とならず、光源31a,31Aaを交換等すれば良いため、前記各特許文献に記載のような長尺の蛍光灯等に比べて取り扱いが容易であり、メンテナンス性が向上する。
さらに、光源装置31のメンテナンスや光源31aの交換は、下段引出し23eを引き抜いて、メンテナンス用扉23gを開けて容易に行うことができ、また、光源装置31Aのメンテナンスや光源31Aaの交換は、上段引出し23eを引き抜いて、容易に行うことができる。
【0031】
さらにまた、前記したように発光ファイバー32,32Aは、小径であり、また、そのもの自身の発熱量が、前記した蛍光灯や白熱球等と比べて小さいので、透光性カバー34を近接して設けることができ、発光部となる発光ファイバー32,32Aの設置スペースを小さくできる。よって、省スペース化が図れる。
また、このような発光ファイバー32,32Aは、特に、耐水性に優れているので、水廻りにも設置でき、よって、前記したようにフロアユニット1の種々の箇所に敷設することができる。
【0032】
また、このような発光ファイバー32,32Aは、光源31a,31Aaからの光を伝送しながら外周面から漏光させることで発光するので、キッチンの使用時に手元を照らす主照明(キッチンルームの室内灯や、ウォールユニット、壁などに付設された流し元灯など)に比べて、照度が低く、少なくともフロアユニット1の存在を認識させる程度で、キッチンを水を飲むため等に利用できる程度の照度が低い照明となる。これにより、例えば、夜間の就寝中、途中で目覚めて、キッチンを一時的に利用するような際には、主照明を点灯させずに、補助照明として発光ファイバー32,32Aを使用でき、目に強い刺激を与えることがない。すなわち、従来のキッチンルームの天井に設けられた照明や、ウォールユニットや壁などに配設された流し元灯、前記各特許文献等に記載の照明を点灯させると、そもそも手元を照明するためのものであるため、その明るさによって目が冴えてしまい、再度就寝する際に眠気が殺がれ、寝付けなくなる場合があるが、本実施形態によれば、発光ファイバー32,32Aからの光は、上記のように比較的照度が低いので、目に強い刺激を与えることなく、キッチンを利用後も寝付きやすくなり、再度の就寝を妨害するようなことも防止できる。
尚、発光ファイバー32,32Aから照射される光の照度をさらに低くするために、例えば、光源31a,31Aaを調光することで行うようにしたり、発光ファイバー32,32A自体の外周面からの漏光量を調節することで行うようにしたり、透光性カバー34,34Aの透光量を調節することで行うようにしたりしてもよい。
【0033】
さらに、本実施形態では、発光ファイバー32,32Aを、敷設された状態で前面側周面32f,32Afからのみ漏光する構成としているので、一方の端部32eから入射された光を効率良く長手方向に沿って伝送できるとともに、前面側周面32f,32Afからの漏光による発光を効率良く行える。これにより外周面の全周から漏光させて発光するものと比べて、光源31a,31Aaを低出力のものとしても前面側周面32f,32Afから十分な発光量が得られるので、省電力化が図れる。
さらにまた、本実施形態では、光源31a,31Aaを、それぞれ台輪21内、収納キャビネット23内に設けているので、光源を外部に設置する場合と比べて、すっきりとしたフロアユニット1となり、デザイン性に優れたものとなる。
【0034】
また、本実施形態では、周囲の照度を検知する照度検知センサ44と、人の在、不在を検知する人体検知センサ45とを備え、照度検知センサ44が検知した周囲の照度が予め定められた閾値以下で、かつ、人体検知センサ45が人の在を検知したときに、光源31a,31Aaを点灯させて発光ファイバー32,32Aを発光させるようにしているので、例えば、キッチンルームが暗い場合や夜間等にキッチンを利用する際に、使用者がフロアユニット1に近づくと、自動で発光ファイバー32,32Aが発光するので、スイッチ等を手探りで探す必要が無く、快適に使用できるものとなる。
【0035】
尚、側面発光型の発光ファイバーとして、本実施形態では、1本の発光ファイバーをそれぞれ前記した箇所に敷設する構成を例示したが、これに限られず、ミクロン単位の微細径とされたファイバーを複数本束ねて、透明チューブ等で被覆して、前記したレール33に収容するようにしてもよい。また、側面から発光させる態様も前記した構成に限らず、例えば、微細径とされたファイバーを複数本束ねる際に、各々のファイバーを屈曲させてクラッドとコアとの界面における伝送する光の全反射がなされないようにして外周面から漏光させるようにしたり、クラッドの一部を損傷させることで、外周面から漏光させたり、コア内に光散乱粒子を分散させることでコア内を伝送される光が散乱することにより外周面から漏光させたりするような他の公知の側面発光型の発光ファイバーを適用してもよい。
【0036】
また、本実施形態では、各発光ファイバー32,32Aのそれぞれの一方の端部32e,32Aeに光源31a,31Aaからの光を入射する態様としているが、左方側の収納キャビネット23内、台輪21の左方側内部に、別途それぞれ光源装置を設け、それぞれの発光ファイバー32,32Aの他方の端部32h,32Ahを、それら光源装置に接続して、両方の端部へそれぞれの光源からの光を入射させるようにしてもよい。
さらに、フロアユニット1の表面側に露出しない発光ファイバー32,32Aの部位は、外周面から漏光しない伝送用のファイバーとしてもよい。
【0037】
さらにまた、本実施形態では、各発光ファイバー32,32Aは、それぞれ敷設された箇所で、一本のライン状の発光部を構成しているが、それぞれの箇所に複数本を平行にライン状に敷設するようにしてもよい。
また、本実施形態では、前記のようにライン状に敷設された長手方向の全体に亙って、それぞれの前面側外周面32f,32Afから漏光させて均一に発光する態様を例示したが、長手方向に沿って点線状に発光するように構成してもよい。これによれば、インテリア照明として趣向に富むものとできる。このように点線状に発光させる場合は、前記した側面から発光させる態様に応じて、漏光する箇所と、漏光しない箇所を調整したり、前面側外周面32f,32Afや透光性カバー34の裏面に、点線状に発光するように光を透過させないフィルム等を貼着したりしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、バックガード11の前面部11aと、台輪21の前面部21aとのそれぞれに、発光ファイバー32,32Aを敷設する態様を例示したが、いずれか一方のみに敷設するようにしてもよい。
さらに、照度検知センサ44及び人体検知センサ45を設けて、自動点灯する態様を例示したが、それらを設けず、スイッチ等によって手動で点灯、消灯を行うようにしてもよい。
【0039】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第2実施形態に係るフロアユニットを示す概略正面図、図6は、図5におけるX1−X1線矢視概略断面図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に照明手段の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、照明手段の具体的構成について、図3に基づいて説明した第1実施形態と同様の構成については図示及び説明を省略する。
【0040】
本実施形態に係るフロアユニット1Aは、図5に示すように、バックガード11A及び台輪21Aに発光ファイバーを敷設しておらず、キッチンカウンター10Aの手前側端部に垂設された前垂れ部12Aの前面部12Aaに発光ファイバー32Bを敷設している。
この前垂れ部12Aの前面部12Aaには、発光ファイバー32Bを横幅方向に沿ってライン状に敷設するための第1実施形態で説明した凹溝11b,21bと同様の断面視略U字状の凹溝が横幅方向に沿って凹設されている(不図示、図3(a)参照)。この凹溝は、本実施形態では、グリル25を上段に配した調理器キャビネット24の手前上方に位置する前垂れ部12A以外の部位に横幅方向に沿って凹設されており、換言すれば、シンクキャビネット22の手前上方に位置する前垂れ部12Aの部位を少なくとも含んで、その左右に配置された収納キャビネット23,23の手前上方に位置する前垂れ部12Aに亙って、横幅方向に沿って凹設されている。このように、グリル25の上方に位置する前垂れ部12Aには、発光ファイバー32Bを敷設しないようにすることで、発光ファイバー32Bがグリル25からの熱を受けて損傷するようなことを防止できる。
前記凹溝には、第1実施形態で説明したレール33と同様のレール(不図示、図3(a)参照)が設けられており、該レールに発光ファイバー32Bが収容され、第1実施形態で説明した透光性カバー34と同様の透光性カバー(不図示、図3(a)参照)によってカバーされている。
【0041】
また、前垂れ部12Aの右側(図5における紙面右方)には、前記凹溝と連通し、発光ファイバー32Bが挿通される孔12Acが開設されている(図6参照)。
図6に示すように、本実施形態では、光源31Baを有した光源装置31Bは、収納キャビネット23の天板23bの右側前方の裏面に固定されて設けられている。
このような照明手段30Bは、前記第1実施形態の照明手段30,30Aと同様、制御ユニット40によって、その制御がなされる。
以上のように、本実施形態によれば、前垂れ部12Aの前面部12Aaに発光ファイバー32Bを敷設して発光させることで、フロアユニット1Aの手前側部位を照明でき、第1実施形態と同様、夜間等にキッチンを利用する際にも便利である。
尚、前記第1実施形態で説明した照明手段30,30Aのうち少なくともいずれか一方を本実施形態に係るフロアユニット1Aに更に備えるようにしてもよい。
また、その際、第1実施形態の光源装置31Aを、本実施形態に係る発光ファイバー32Bの光源装置として兼用するようにして、光源装置31Bを備えない構成としてもよい。
【0042】
次に、本発明に係る更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第3実施形態に係るフロアユニットを示す概略平面図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に照明手段の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
また、照明手段の具体的構成について、図3に基づいて説明した第1実施形態と同様の構成については図示及び説明を省略する。
【0043】
前記した第1実施形態及び第2実施形態では、フロアユニット1,1Aの前面側に露出する表面部位の一部にそれぞれ発光ファイバー32,32A,32Bを敷設した例を示したが、本実施形態では、フロアユニット1Bの上面側に露出する表面部位の一部に発光ファイバー32Cを横幅方向に沿ってライン状に敷設した例を示す。
すなわち、本実施形態に係るフロアユニット1Bは、図7に示すように、キッチンカウンター10Bの上面部10Baの後方部、すなわち、バックガード11Aとシンク13との間の上面部10Baに、発光ファイバー32Cを横幅方向に沿ってライン状に敷設するための第1実施形態で説明した凹溝11b,21bと同様の断面視略U字状の凹溝が横幅方向に沿って凹設されている(不図示、図3(a)参照)。この凹溝は、本実施形態では、コンロ15の近傍には凹設しておらず、換言すれば、シンク13の後方部の上面部10Baに横幅方向の全体に亙って少なくとも凹設するとともに、その左右の収納キャビネット23,23の上方に位置する作業スペースの後方部の上面部10Baに亙って横幅方向に沿って凹設されている。
【0044】
前記凹溝には、第1実施形態で説明したレール33と同様のレール(不図示、図3(a)参照)が設けられており、該レールに発光ファイバー32Cが収容され、第1実施形態で説明した透光性カバー34と同様の透光性カバー(不図示、図3(a)参照)によってカバーされている。
また、キッチンカウンター10B及び収納キャビネット23の天板23bの適所には、前記第1実施形態と同様、前記凹溝と連通し、発光ファイバー32Cが挿通される孔が開設されている。尚、光源装置31Cについても前記第1実施形態で説明した光源装置31Aと同様、収納キャビネット23の背板23dに固定されている(不図示の箇所については、図2参照)。
このような照明手段30Cは、前記第1実施形態の照明手段30,30Aと同様、制御ユニット40によって、その制御がなされる。
以上のように、本実施形態によれば、キッチンカウンター10Bの後方よりの上面部10Baに発光ファイバー32Cを敷設して発光させることで、フロアユニット1Aの後方部位を照明でき、第1実施形態と同様、夜間等にキッチンを利用する際にも便利である。
尚、前記第1実施形態及び第2実施形態で説明した照明手段30,30A,30Bのうち少なくともいずれか一つを本実施形態に係るフロアユニット1Bに更に備えるようにしてもよい。
また、その際、第1実施形態の光源装置31Aを、本実施形態に係る発光ファイバー32Cの光源装置として兼用するようにして、光源装置31Cを備えない構成としてもよい。
【0045】
尚、前記した各実施形態で説明した各発光ファイバーの敷設箇所は、一例に過ぎず、その他、各フロアユニットにおける前面側、上面側の少なくともいずれか一方にて露出する表面部位の一部に、横幅方向に沿ってライン状に敷設するようにすればよい。例えば、各キャビネットの引出しと引出しとの間に横幅方向に沿って露出している幕板部材に、発光ファイバーを、その横幅方向に沿って敷設するようにしてもよい。また、バックガードの上面部や、キッチンカウンターの上面部の手前側に横幅方向に沿って敷設するようにしてもよい。
また、前記した各実施形態に係るフロアユニット1,1A,1Bは、横幅方向に沿って真っ直ぐに配置されたいわゆるI型のフロアユニットを例示しているが、コーナーに沿ってL字状に配置されるいわゆるL型のフロアユニットにも本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るフロアユニットの一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】図1におけるX−X線矢視概略断面図である。
【図3】(a)は、図1におけるY−Y線矢視概略拡大断面図、(b)は、同実施形態に係るフロアユニットが備える照明手段を模式的に示す概略斜視図である。
【図4】同実施形態に係るフロアユニットの内部構成を示す要部ブロック図である。
【図5】本発明に係るフロアユニットの他の実施形態を示す概略正面図である。
【図6】図5におけるX1−X1線矢視概略断面図である。
【図7】本発明に係るフロアユニットの更に他の実施形態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1,1A,1B フロアユニット
10,10A,10B キッチンカウンター
11,11A バックガード
11a バックガードの前面部
12,12A 前垂れ部
12Aa 前垂れ部の前面部
21,21A 台輪
21a 台輪の前面部
31a,31Aa,31Ba,31Ca 光源
32,32A,32B,32C 発光ファイバー(導光体)
32e,32Ae 発光ファイバーの一方の端部
32f,32Af 発光ファイバーの前面側外周面(外周面)
44 照度検知センサ
45 人体検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床側に設置されるシステムキッチンのフロアユニットであって、
少なくとも一方の端部から入射された光源からの光を長手方向に沿って伝送するとともに、その伝送する光を外周面から漏光させて発光する側面発光型の導光体を、当該フロアユニットにおける前面側、上面側の少なくともいずれか一方にて露出する表面部位の一部に、横幅方向に沿ってライン状に敷設していることを特徴とするフロアユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記導光体は、敷設された状態で前面側の周面からのみ漏光する構成とされていることを特徴とするフロアユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記導光体は、キッチンカウンターの後方端部に横幅方向に沿って立設されたバックガードの前面部に敷設されていることを特徴とするフロアユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記導光体は、キッチンカウンターの手前側端部に横幅方向に沿って垂設された前垂れ部の前面部に敷設されていることを特徴とするフロアユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記導光体は、台輪の前面部に敷設されていることを特徴とするフロアユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記光源は、当該フロアユニットの内部空間に設けられていることを特徴とするフロアユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
周囲の照度を検知する照度検知センサと、人の在、不在を検知する人体検知センサとを更に備えており、
前記照度検知センサが検知した周囲の照度が所定値より以下で、かつ、前記人体検知センサが人の在を検知したときには、前記光源を点灯させ、前記導光体を発光させることを特徴とするフロアユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−72509(P2009−72509A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246499(P2007−246499)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】