説明

フローインジェクション分析装置

【課題】
複数の試料を用いて測定する場合でもコストダウンを図ることができる、一般的なFIA法を用いたフローインジェクション分析装置を提供する。
【解決手段】
本発明のフローインジェクション分析装置は、キャリア液が流れる流路と、試料ループに供給された試料をキャリア液に導入する導入切替え弁と、を備え、キャリア液に導入された試料と反応試薬とを反応させて、反応の結果を測定するフローインジェクション分析装置において、キャリア液1が流れる流路上には、複数の導入切替え弁8a,8b,8c,8dが直列に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料をキャリア液に導入する導入切替え弁を備え、試料が導入されたキャリア液を反応試薬と混合反応させ、この結果発生した化学的特性の変化量を測定するフローインジェクション分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なフローインジェクション分析(FIA;Flow Injection Analysis)法の方式として、JIS K0126フローインジェクション分析通則解説には「一般的なFIA法」,「逆FIA法」,「ダブルインジェクション法」,「マージングゾーン法」,「サンドイッチインジェクション法」,「フローインジェクション滴定法」,「ストップドフロー法」が記載されている。
【0003】
FIA方式として前記ダブルインジェクション法がある。このダブルインジェクション法は、JIS K0126フローインジェクション分析通則解説に記載の通り、濃度範囲の異なる二つの検量線を一度に作成することができ、分析成分の濃度範囲が広い場合に効率的な測定が可能である。ダブルインジェクション法の目的は、濃度変化の大きい試料に対して、2つの試料ループそれぞれの容量を変えて測定濃度のダイナミックレンジを拡大することである。
【0004】
【非特許文献1】JIS K0126フローインジェクション分析通則解説
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ダブルインジェクション方式では、試料毎に装置が必要であり、コストがアップする。
【0006】
本発明の目的は、複数の試料を用いて測定する場合でもコストダウンを図ることができる、一般的なFIA法を用いたフローインジェクション分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフローインジェクション分析装置は、上記の課題を解決するために、キャリア液が流れる流路上に試料の導入切替え弁を直列に配置していることを特徴としている。
【0008】
これにより、複数の試料の測定を行う場合に、試料毎にフローインジェクション分析装置を用意する必要が無く、コストダウンを図ることができる。
【0009】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、前記それぞれの導入切替え弁は、導入切替え弁毎に割り当てられた試料の吸引を同時に行ってもよい。上記構成によれば、試料の吸引時間の短縮を図ることができる。また、測定サイクルの時間も短縮できるので、測定時の反応試薬の消費量を減らすことができる。
【0010】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、前記各導入切替え弁は、試料を連続して順次キャリア液に導入することが好ましい。上記構成によれば、試料を導入切替え弁に連続して順次キャリア液へ導入しているので、ピークを連続して検出することができ、測定サイクルの時間を短縮することができる。さらに、測定サイクルの時間が短縮できるので、反応試薬の消費量を減らすことができる。
【0011】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、下流側の導入切替え弁から順にキャリア液へ試料を導入することが好ましい。
【0012】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、いずれかの導入切替え弁へ試料を導入中、他の導入切替え弁への試料の導入を止めることが好ましい。上記構成によれば、いずれかの導入切替え弁へ試料を導入中、他の導入切替え弁への試料の導入を止めるため、試料の流路を短くすることができる。
【0013】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、前記各導入切替え弁の試料ループの容量は、供給される試料の濃度に応じて変更可能であることが好ましい。
【0014】
また、本発明のフローインジェクション分析装置では、導入切替え弁,試料と標準液を選択する選択切替え弁、および、試料と標準液を試料ループへ吸引するポンプを1ユニットとする、複数ユニットを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の試料を用いて測定する場合でもコストダウンを図ることができる、一般的なFIA法を用いたフローインジェクション分析装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(構成の説明)
本発明の一実施の形態を示すフローインジェクション分析装置(本装置)について図面を用いて説明する。
【0017】
本装置は、図1に示すように、複数の試料導入ユニットA,B,C,D、キャリア液ポンプ2,反応試薬ポンプ4,恒温槽10,検知器12,データ処理部13、および制御部14を備えている。
【0018】
キャリア液ポンプ2は、キャリア液1を送液するものであり、反応試薬ポンプ4は、反応試薬3を送液するものである。
【0019】
また、各試料導入ユニットA,B,C,Dには、それぞれ試料5a,5b,5c,5dおよび標準液6a,6b,6c,6dが送液可能となっている。試料導入ユニットAは、導入切替え弁(試料導入弁)8a、試料5aと標準液6aを選択する選択切替え弁9a、およびサンプリングポンプ7aを備えている。サンプリングポンプ7aは、試料5aと標準液6aのうち、選択切替え弁9aが選択した方を導入切替え弁(試料導入弁)8aへ送液する。
【0020】
導入切替え弁8aは、試料ループ80aを有している。この導入切替え弁8aとしては、摺動する6方弁を使用するのが一般的であるが、6方弁に限定するものでなく、例えば、摺動しない3方電磁弁の組合せで行っても良い。試料ループ80aは、試料の濃度に応じて容量を変更し、感度の調整を行うことができる。例えば、低濃度試料に対しては試料ループ80aの容量を500μlとして拡散の影響を最小限とし、高濃度試料に対しては試料ループ80aの容量を50μlとして拡散による希釈効果によって感度の調整を行うことができる。
【0021】
ここでは、試料5aと標準液6aの選択切替え弁9aとして、1流路6方切替え弁を使用しているが、切替え方向は6方に限定されるものでなく、用途に応じた切替え数で良い。
【0022】
サンプリングポンプ7aは、吸引によって試料5aや標準液6aを導入切替え弁8aの試料ループ80aに供給する。このサンプリングポンプ7aとしては、例えばペリスタポンプを用いることができる。
【0023】
他の試料導入ユニットBや同C,同Dは、試料ループの容量を試料の濃度に応じて変更しているだけで他の構成は、同一である。試料導入ユニットの数は、1試料に対し1ユニットを使用し、試料数に応じたユニットの配置が可能である。また、設置した試料導入ユニットの数より少ない試料の測定をすることも制御部14のパラメータ設定によって可能である。
【0024】
キャリア液1は、キャリア液ポンプ2によって送液される。キャリア液ポンプ2は、脈流の低減と試料導入ユニットの増加による吐出圧の上昇にも対応できるようにダブルプランジャー式のポンプを使用することが望ましい。
【0025】
反応試薬3は、共存物質の影響が少ない反応試薬3を選択する。この反応試薬3は、反応試薬ポンプ4によって送液される。反応試薬ポンプ4は、脈流の低減と吐出圧の上昇にも対応できるようにダブルプランジャー式のポンプとすることが望ましく、特に接液部の材質は、反応試薬3と反応しない耐薬品性とすることが望ましい。
【0026】
反応試薬3が保存性の問題で測定の直前に複数の試薬を混合する必要がある場合は、反応試薬ポンプ4の吸引側で混合する低圧グラジエント機能のついたポンプで送液すると1台のポンプで複数の試薬を混合した状態で送液することができる。
【0027】
恒温槽10は、細管による混合コイル11を有し、反応試薬3と試料(5a,5b,5c,5d)の反応を混合コイル11内の拡散や流動による混合効果と加温により反応を促進させる。恒温槽10内の設定温度は、反応が完結する温度を実験的に求める。
【0028】
検知器12は、試料と反応試薬3の反応によるピークを検知する。一般的には、フローセルタイプの紫外・可視分光光度計を使用する。検知器12からのピークは、ピークの大きさに応じた電気信号の強度変化として出力される。
【0029】
データ処理部13は、検知器12からの電気信号強度の変化量によって定量演算を行う。本実施の形態の検知器12からの信号は、クロマトグラム状に出力されるため、使用するデータ処理部13は、クロマトグラフ用のデータ処理装置がそのまま使用できる。
【0030】
制御部14は、各ポンプ2,4や各試料導入ユニットA,B,C,D、恒温槽10,検知器12,データ処理部13の制御を行い、システム全体の制御に必要なパラメータの入力を行うことができる。なお、図1では制御部14が制御する制御対象を分かりやすくするため、便宜上破線を付している。
【0031】
(動作の説明)
本装置の動作について、図1を用いて説明する。
【0032】
キャリア液ポンプ2は、キャリア液1を送液し、試料導入ユニットA内の導入切替え弁8aに流入する。
【0033】
導入切替え弁8aは、初期状態とサンプリング時に実線の流路となり、キャリア液へ試料5aや標準液6aを導入する時は、弁を破線の流路に切替える。試料ループ80aに供給する試料5aと標準液6aの切替えは選択切替え弁9aによって行い、選択された方はサンプリングポンプ7aの吸引によって試料ループ80aへ供給される。これらの動作は、制御部14の制御によって行われる。
【0034】
試料導入ユニットB,同C,同Dの動作は、試料導入ユニットAと同様に行われ、キャリア液に導入された各試料は、反応試薬3と合流し、恒温槽10内の混合コイル(反応コイル)11によって混合,反応が行われて検知器12で検知される。
【0035】
各導入切替え弁の動作について、図2に示す一般的なFIA法による測定時間の関係図で説明する。
【0036】
図2は、試料5dの導入切替え弁8dを切替えて検知されたピークを示している。時間T1は、試料5dが混合コイル11を通過するまでの時間であり、この時間T1は、混合コイル11の容量に対し、キャリア液1と反応試薬3の合計流量の除算によって算出することができる。時間T2は、試料ループ80dから試料5dが流出する時間である。この時間T2は、試料ループ80dの容量に対し、キャリア液1の流量の除算によって時間を算出することができる。
【0037】
本装置では、キャリア液1の流路に直列に複数の試料導入弁を配置していることから時間T2後に次の試料を導入すれば(つまり、試料の導入を連続して順次行えば)検知器12でピークが重ならないで測定することができる。4検体の試料を導入した場合の時間の関係を図3に示す本実施の形態による測定時間と弁動作の関係図で説明する。
【0038】
図3(A)は、本装置を用いた場合の時間と試料導入との関係を仮想的に示す模式図である。同図において、TSは各試料導入ユニットA,B,C,Dが同時に試料5a,5b,5c,5dを吸引する時間である。T25dは、試料導入ユニットDがキャリア液1へ試料5dを導入する時間である。同じく、T25c,T25b,T25aは、試料導入ユニットC,B,Aがキャリア液1へ試料5c,5b,5aを導入する時間である。
【0039】
図3(B)は、導入切替え弁の動作と時間との関係を示すタイムチャート(図)である。例えば、図3(B)中の8dは、導入切替え弁8dの動作を示し、その内、「L(Load)」は、初期状態と試料吸引時の弁の向きを示しており、「I(Injection)」は、試料のキャリア液への導入時の弁の向きを示しており、他の導入切替え弁8a,同8b,同8cについても同様である。
【0040】
これらの動作は、例えば、導入切替え弁8dには、試料5dがサンプリング時間TSの間供給され、時間TS経過後に導入切替え弁8dの弁の方向を「I」に切替えてキャリア液1へ試料5dを導入し、試料5dの導入時間であるT25dを経過したら、導入切替え弁8dの弁の方向を「L」にする。次に、導入切替え弁8dの弁の方向を「L」にすると同時に、導入切替え弁8cの弁の方向を「L」から「I」にして、試料5cをキャリア液1へ導入し、時間T25c経過後に導入切替え弁8cの弁の方向を「L」にすると同時に、導入切替え弁8bの弁の方向を「I」にする。以後、同様にして導入切替え弁8b,8aについても弁の方向の切替えを行う。
【0041】
上記の弁の切替え動作において、時間T25d経過時点で導入切替え弁8dの方向を「I」から「L」にする理由は、次に導入する導入切替え弁8cが切替えられて導入する試料5cが、導入切替え弁8dの試料ループ80dを通過してしまうため流路が長くなり、感度低下を伴う不要な拡散が起こるのを防止することにある。そのため、本装置の動作では、図3(B)に示すように、試料を導入する導入切替え弁以外の弁についてのみ弁の方向を「I」とし、その他の弁については、弁の方向を「L」にしている。
【0042】
上記の弁の切替え動作では、導入切替え弁の切替えは、以下同様にキャリア液1の下流側から行っているが、任意の順序に行っても同様の結果を得ることができる。
【0043】
また、本装置では、各導入切替え弁への試料吸引が試料数に関わらず時間TSで同時に行える。これは、1検体毎にサンプリングを行う他の方式と比較して測定サイクルの時間短縮となり、反応試薬の消費量の削減にも貢献することができる。
【0044】
図3(C)は、データ処理部13に記録されるピークの状態を実線で示している。図3(C)は、図1で示す各試料番号と混合コイル11の通過時間の関係を示している。例えば、試料5dの混合コイル11の通過時間T1は時間T15dとなり、試料ループ80dから試料5dが流出するまでの時間T2は時間T25dとなる。さらに、上記の図3(B)のように試料を連続的にキャリア液に導入することにより、図3(C)に示すようにピークを連続させることができ、例えば4試料を測定した場合に、3試料分の時間T1が時間短縮することができ、測定終了と共に反応試薬ポンプ4を停止すれば反応試薬の節約をすることができる。
【0045】
このように、3試料分の時間T1が節約できる理由について説明を補充する。この理由は、まず、図3(A)(B)に示すように、試料の導入を順に(つまり、各導入切替え弁の弁方向の「L」への切替えを順に)行い、これにより、図3(C)に示すように、時間T15d,T15c,T15b,T15aが重なるようにしたためである。T15d,T15c,T15b,T15aをこのように重ね合わせることにより、図3(C)に示すようにピークの重なりが防止された連続したものにすることができる。
【0046】
また、本実施の形態によれば、複数の試料の測定を一台のフローインジェクション分析装置で行うことができ、試料毎にわざわざフローインジェクション分析装置を用意する必要が無く、コストダウンを図ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、試料導入のタイミングを時間差で行っているが、各試料導入弁の間を時間差に相当する容量の細管を接続することで各試料導入弁を同時に切替えてもピークの重なりを防止することができる。しかし、この場合は、図4の弁の時間差動作をしない例に示すように後から流出してくる試料の流路が長くなり、拡散の影響も増えてくるため感度が次第に減少し、ピークの幅も広がるため分析時間が長くなる。このことから、導入切替え弁の切替えは、時間差で制御した方が感度の確保,測定時間の短縮に有効であることが理解できる。また、試料導入ユニット間のキャリア液配管が最短に接続できるようにしたことは、この拡散による影響を最小に抑えることにある。
【0048】
(その他の実施の形態)
その他の実施の形態として、測定項目が複数ある工程に適用した例を図5を用いて説明する。水質監視を必要とする工程は、複数の測定項目を要求することが一般的である。図5に示すフローインジェクション分析装置は、反応試薬ポンプ4の上流側に選択切替え弁9を設け、この選択切替え弁9により、複数の反応試薬を変更して使用することが可能である。なお、その他の構成は、図1に示すフローインジェクション分析装置と同じである。
【0049】
測定項目の変更は、反応試薬ポンプ4に流入する反応試薬3,3′と検知器12,データ処理部13の条件を変更すれば可能となる。反応試薬3,3′の変更は、反応試薬ポンプ4の吸引側に1流路6方弁などの選択切替え弁9を接続することで可能となる。この方式は、反応試薬ポンプ4による反応試薬3,3′の入替え時間が必要となるため、短い測定サイクルを要する工程には不向きであるが、測定サイクルに余裕がある場合は、1台の装置で複数項目、複数試料の測定が可能となるため施設導入コストの削減に貢献することができる。
【0050】
本発明の目的は、従来法で複数の試料を測定する場合は、試料入替え時間と測定時間の合計時間が試料数の積算となり測定サイクルの時間増加が問題となるのに対し、任意の複数の試料を同時に測定することで測定サイクルの短縮を可能としたフローインジェクション分析装置を提供することにある。
【0051】
また、この発明の他の目的は、従来法が試料数に応じた装置数が必要となり装置導入コスト,装置メンテナンスコストが問題となるのに対し、1台の装置で試料数に応じたシステム構成が容易で製造コストの削減できるフローインジェクション分析装置を提供することにある。
【0052】
さらに、この発明の他の目的は、従来法が測定時間の長さ,感度や精度の安定性,試薬消費量が問題になるのに対し、感度確保と精度維持面で有利な一般的なFIA方式で測定時間の短縮により反応試薬消費量を削減したフローインジェクション分析装置を提供することにある。
【0053】
本実施の形態のフローインジェクション分析装置は、一般的なFIA方式によるキャリア液ポンプ,反応液ポンプ,恒温槽,検知器,データ処理に対し、試料数に応じた導入切替え弁をキャリア液の流路に対し直列に接続し、各導入切替え弁に選択切替え弁とサンプリングポンプを接続し、システム全体を制御する制御部を設けているということができる。
【0054】
本実施の形態のフローインジェクション分析装置は、試料の導入切替え弁,試料と標準液の選択切替え弁,サンプリングポンプの構成を各導入切替え弁間の距離を最短にできる形状からなる試料導入ユニットとし、試料数に応じた前記試料導入ユニットを配置してキャリア液の流れに対し配管を直列に接続しているということができる。
【0055】
本実施の形態のフローインジェクション分析装置は、請求項1に記載のフローインジェクション分析装置の制御部に導入切替え弁による試料導入を時間差で切替えて測定時間を短縮し、キャリア液と反応液ポンプの送液を測定時のみに動作できるプログラムを設けているということができる。
【0056】
本発明によるフローインジェクション分析装置は、キャリア液の流路に導入切替え弁を内蔵する複数の試料導入ユニットを直列に配列し、導入切替え弁の時間差による弁の切替えによって複数試料を同時に短時間で測定するということができる。
【0057】
本発明によれば、従来法で複数の試料を測定する場合は、試料入替え時間と測定時間の合計時間が試料数の積算となり測定サイクルの時間増加が問題となるのに対し、任意の複数の試料を同時に測定することで測定サイクルの短縮を可能としたフローインジェクション分析装置を提供することができる。
【0058】
本発明では、一般的なFIA方式によるキャリア液ポンプ,反応液ポンプ,恒温槽,検知器,データ処理に対し、試料数に応じた導入切替え弁をキャリア液の流路に対し直列に接続し、各導入切替え弁に流路選択弁とサンプリングポンプを接続し、これらを制御する制御部を設ける。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のフローインジェクション分析装置は、浄水場などの水質検査に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態のフローインジェクション分析装置を示す概略構成図である。
【図2】一般的なFIA法による測定時間と信号強度との関係(ピーク)を示す図である。
【図3】(A)は、本発明の実施の形態のフローインジェクション分析装置を用いた場合の時間と試料導入との関係を仮想的に示す模式図であり、(B)は、導入切替え弁と導入時間との関係を示す図であり、(C)は、(A)(B)のように動作させた場合の時間と信号強度との関係(ピーク)を示す図である。
【図4】本実施の形態を弁の時間差を利用しない場合のピークを示す図である。
【図5】本発明の別の実施の形態のフローインジェクション分析装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0061】
A,B,C,D 試料導入ユニット(ユニット)
1 キャリア液
2 キャリア液ポンプ
3 反応試薬
4 反応試薬ポンプ
5a,5b,5c,5d 試料
6a,6b,6c,6d 標準液
7a,7b,7c,7d サンプリングポンプ(ポンプ)
8a,8b,8c,8d 導入切替え弁
9a,9b,9c,9d 選択切替え弁
10 恒温槽
11 混合コイル
12 検知器
13 データ処理部
14 制御部
80a,80b,80c,80d 試料ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア液が流れる流路と、試料ループに供給された試料を前記キャリア液に導入する導入切替え弁と、を備え、前記キャリア液に導入された試料と反応試薬とを反応させて、反応の結果を測定するフローインジェクション分析装置において、
前記キャリア液が流れる流路上には、複数の前記導入切替え弁が直列に配置されていることを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフローインジェクション分析装置において、
前記それぞれの導入切替え弁は、導入切替え弁毎に割り当てられた試料の吸引を同時に行うことを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載のフローインジェクション分析装置において、
前記各導入切替え弁は、試料を連続して順次キャリア液に導入することを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載のフローインジェクション分析装置において、
下流側の導入切替え弁から順にキャリア液へ試料を導入することを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項5】
請求項3に記載のフローインジェクション分析装置において、
いずれかの導入切替え弁へ試料を導入中、他の導入切替え弁への試料の導入を止めることを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項6】
請求項1に記載のフローインジェクション分析装置において、
前記各導入切替え弁の試料ループの容量は、供給される試料の濃度に応じて変更可能であることを特徴とする、フローインジェクション分析装置。
【請求項7】
請求項1に記載のフローインジェクション分析装置において、
導入切替え弁,試料と標準液を選択する選択切替え弁、および、試料と標準液を試料ループへ吸引するポンプを1ユニットとする、複数ユニットを備えていることを特徴とする、フローインジェクション分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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